神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報j第12号 2008年3月 89
■ 修士論文要 旨
新企業制度による国有企業の変革
‑ ハ イアール とレノボの事例研究 を通 じての一考察 ‑
AChangeofStateCo叩OrationbyNewCorporationPolicy
‑AStudyofHaierandLenovO‑
神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程
石 華 傑
SHIHtJAJIE
中国政府 が経済改革 を実施 して以来、30年 が 経 っていない うちに、高度成長期に建設 ラッシュ やインフラ整備 などの経済政策 をとり、 さらに外 国投資を招 き経済 を活性化 している。中国経済の 成長 とともに、人 々の生活や消費能力なども大 き く変 わ りつつ ある。結果 と して この
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億人 口の 市場 も成長 し、全世界の注 目を浴びて きている。労働力や原始資源 を狙 う外資系企業は中国 を生産 工場 として投資 していたが、近年においては金融、
保険、自動車、飲食、メディア、小売 りなどの消 費産業の投資 も拡大 し投資の方向 を変 えている。
それに対 し中国企業 はいかに競争 を感 じ、資本 と技術の差 に負 けて事業提携 を選択 した企業 が 続 出 してい る。 中国聯想 (レノボ) グル ープが 2004年12月8日に北京の五洲大酒店で行われた記 者会見は、全世界に注 目され ることになった。 そ の場 で
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ヶ月にわたる交渉 を終 えた柳 博志氏 は、世界の コンピュータ界の巨人であるIBMのパ ソコン事業 を、1 7
億5
千万 ドルで買収す ると発表 し、世間を驚かせたのである。外国の企業 をみれば、巨大企業になるまで何十 年か ら百年 もかかったが、短期間で成長 を成 し遂 げた中国国有企業 を探 るためこの論文 に手 を出 し
た。本論は計
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章で構成 されている。第1章 の 「社会主義 国家 の新企業制度 の変 化」
では、中国の経済改革 ・開放の進展 に伴 う中国に おける企業の経営管理 をめ ぐって国有企業の変化 と成長 を探 ってみ る。そ して、現在、注 目を集め ている企業 をその経営形態か ら分類す る。
第2章 は、ハ イアールの組織 と構造 を分析 し 「海 爾人」 の戦 い方 を紹介す る。80年代 か ら中国の 電気産業 に外国商品を満 ち溢れ るなかで、唯一立 ち上がったのはハ イアールだった。赤字や倒産寸 前の国有企業 を次 々吸収 し資本 累積 が成功 した。
こういった企業たちはハ イアールの船 にの りハ イ アール とともに成長 し続 けて きた。い までは
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万 人の社員 とその家族 たちもハ イアール に頼 って き た。 まさに巨大 な艦船になったハ イアー)L,は重 い 責任 を背負 ってい る。 わず か20年 しかた って い ない間にハ イアール は驚 くほ どの実績 を果 た した ことが中国電気産業 に力 を与 えている。 その原動 力 はハ イアール の企業文 化 か ら生 まれ る。ハ イ アールの企業文化 を研究す る.第
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章 は、聯想 (レノボ) の誕生話 か らケ事例 研究 を進 める。中国科学院は自然科学分野で最高 の研究水準 を誇 る国立研究機関であ り、その下 は90 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第12号 2008年 3月
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の研究所 ・研究 セ ンターを抱 えてい る。 その なかの一つ は計算技 術研究所 があ る。80年代 に 入 り、全国の科学技術体制 を改革す る政府案が発 動 され ると、国立研究機関は基礎研究 と応用研究 にわけて予算 を編成す ることになる。応用研究 に 属す る研究機 関に対 し政府 は予算 を減 らし、産 ・ 学連携、技術移転 などによる自主的経費 を確保 さ せ るとい う政策 を出 したC これは、一院両制 とい う二つの政府機関制度 と繋がってい くものである。レノボは科学者たちの創業 だが企業 を高成長に成 し遂げた独 自の人材育成 システムを究明する。
第
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章 は、新企業制度 の政府の考 えと企業側 の 変革 をそれぞれ分析す る。企業制度の建設に着手 し国有企業改革の中心であった自由権、利益 など の調整政策 を所有権政策 に変わる新制度の策定に 変わ らなければな らない。政府 は ミクロ経済 と基 礎生産の関係 を変革 し社会主義の市場経済で現代 企業制度 を作 ろうとす る。 それに対 し、企業 は独 自の企業制度 を形成 しなければな らない。企業 に とって企業制度が 目に見 えない形に存在 してお り、それ らを研究す るためには企業制度 を反映す る企 業文化 を取 り上げる。ハ イアール とレノボの事例 研究 を通 じて、国有企業の新企業制度の形成 をま
とめる。
最後に、国有企業に解決 しきれない所有権の問題 について、課題 として今後政府の政策転換す る際 に企業 はどうす るべ きか と提起す る。