国際化の中の憲法
「対外権・国籍・軍事協力」問題を中心として
一一配は長い間続いたが、 この状態が終わる20世紀になって、 真の意味での「匝|際 化」を憲法は想定 できるようになった。 したがって、 現在の憲法は、 自分たち の団法体制から判断する国際化を、 それぞれの規範の中に取り込んでいるはず である。 そこで以下の諸 点について、 順次言及していかなければならないであ ろうO つまり、 「① 憲法の国際化を促している原因は一体いかなるものであ る (あった) のか、 ② 憲法のいかなる内容が、 国際化されなければならない のか。 ③ その内容は、 他者が多数で形成した住|際基準から、 どのよう な影響 を受けているのか、 ④ さらに、 憲法は自らの実体の -部を、 匡|際的なものに 委ね、 放棄する段階にまで到っているのかjの諸 点であるO 同際化は白己を基準にして他者との関係を与えるものであり、 そのかぎりで 「比較jの視点が必要になってくる。 学問として、 「比較法や比較憲法J が定 式化されるようになったその最初の契機の中には、 国益という科学目的以外の ものが秘められていた。 スエズ運河が開通 した記念すべき年の1869 年 に、 世界 にさきがけてフランスにおいて「比較法制協会J (Socié凶deLégislation Com par白) が設立された。 マックス・プランク研究所の前身である、 ウイルヘル
注 ( 1 ) カール ・ シュミット『ヨーロッパ法学の状況J初宿・吉田訳、成ぷ堂、1987、5 頁c ( 2 ) こうした視点について、右村修「戦後補償を考える視点」内藤-古川編「東北アジ アの法と政治J専修大学出版局、2005、 3頁以十、を参照。 ( 3 ) 水田義雄「欧米諸国の比較法研究所j早大比較法研究紀要l号(1957)、l頁。 本 格的な研究所は、 戦後の「円木比較法研究所J(1949) を待たなければならなしミ。 石村 「比較憲法学の科学的竹格j専修法学論集53号、参照。 ( 4 ) 特集「岐路に立つ国民国家と憲法学j憲法問題9 (1998)の各報告、森英樹「同家 の『ゆらぎJと憲法j公法研究64号(2002)等。 (5 ) ミルキヌ=ゲツエヴイチ『憲法の回際化』小田滋・樋U防 訳、右信堂、 1964、29 員以卜今。
( 6) Hans Kelsen, General Theory ()f Law and State, translated A. Wedberg, New York, 1945, p. 121
(7) Wilhclm G.Grewe, Auswärtige Gewalt, in Isensee-Kirchhof (Hrsg.) Handbuch des Staats Rechts, Heidelher呂, 1988, S 92lff