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(1)

低速押出ししたAl‑Mg‑Si合金の組織について

一*

1. 緒

Mg0.45‑0.9%,Si0.20‑0.6%を含むAlMg.ji合金は押出 し加工性が極めてす ぐれて お り,その上強度的に もめ くまれているため,わが国ではサ ッシな どの押出 し型材 として多 量に使用 されている.

筆者はさきに この合金のMgSiの含有量をいろいろ変えて押出 し性や押出 し材の摸枕 的性質を調べた結果,押出 し性はMgSiMg2Si化合物をつ くる割合 より,Mgが過剰な 場合に悪 くな り(1), また押出 し材の政枕的性質は押出 し温度の高低 とともにMgSiの令 有量に より大 きく影響 され ることを報告 した(2).そ こで本実験ではAlMg5i合金の押出 し 材の組織がMgおよびSiの含有量によ りいかなる変化を示すかを検討 した. また残部 ビレ ットの組織を くわ しく調べることに より,無方位の組織 のビレッ トが<111>とく100>の二 重絞維組織に変化 してゆ く様子を明 らかに しようとした.

2.試料と実験方法

試料 としては99.7% Al,99.9% Mgお よびAlr24.9%Si母合金を用い,表1に示す よう 9種煩の合金を作成 した.

1 試 料 の 化 学 分 析 値 (%)

・olsiIMglFe!AIHNo・lsi JMglFeIAl"NoIsi lMg lFelAl 1 0.20 0.21 0.12残 り 4 0.39 0.25 0.ll残 り 7 0.57 0.26 0.12残 り 2 0.20 0.50 0.ll 5 0.38 0.53 0.ll 8 0.56 0.50 0.ll〟

3 0.19 0.74 0.10 6 0.39 0.71 0.ll 9 0.54 0.77 0.ll

これ ら合金の作成には内面を十分 ライニングした るつぼを使用 し,鋳込温度ほぼ720oCで, ほぼ120oCに加熱 した寸法45Qx160mmの金型に鋳込んだ.その後560oCX8hrの均質化 処理を行なってのち404x80mmレットに切削加工 した. これを コンテナに括人後,管 状電気炉によ りコソテナもろとも加熱 し,所定の温度に達 してのち30分保持 してか ら押出 し た.

押出 し条件 としては, ダイス孔の形状は円形で加工度は92%とし,押出 し温度は520oC, 480oCお よび440oC3種塀 とした.押出 し速度が速いと押出 し時に摩擦熱の発生があ り,

*機械工学科

昭和461120日受理

(2)

18 山野エXi高等4)日学佼紀要・Ai17413

そのための温度上昇は普通50‑100oC程度 と考え られ ているが(3)(4).場合に よ ,ては200 o

C程度 の温度上昇をみた とい う報告(5)もあ るので,押 出 しはで きるだけゆ っくり,す なわち ビレッ トの移動速度で20‑30mm/血nとい う低速で行な って 摩擦熱に よる温度上 昇をで き るだけ さけ るよ うに した.なお潤桁剤には黒鉛 を使用 した.

この ように して得 られた押 出 し楯 の先端部, 中央部お よび残 部 ビレ ッ トか ら押 出 しノブ向に Inn l ̲A.

(a、 (b)

1 極点図およびX線写ff.の試料 採取位置とX線照射方向

そ って厚 さほぼ1mmの試料 を切 り出 し, エ メ リ ーべ ‑パーで表 面を平 らに してか らカセイ ソータ 水溶液でほぼ0.1mmにな るまで薄 くしてX線写 虞を撮影 し,同時に顕微鏡組織観察を行 な った.

X線写頁は Cu対陰極に Niフィル ターをつけ,ラ 35mm ウェ法 カメ ラを使用 して,35kv, 20mA,阻射時 30分で掘影 した. また一部につ いては抑 仕J.し棒 の中央部か ら図 1(,Tt)に示す よ うに押出 し方 向にそ って厚 さ1mm長 さ35mmの試料 を切 り出 し, こ れをX線写真 の試料 と同様な処理を してか ら図1 帥 こ示す よ うに横方 向に3枚並べてX線 デ ィフレ ク トメータに よ り張合組織 の極 点図を作成 した.

この とき使用 したX線の粂作 は30kv, 8mAと した.

3.実験結果 とその考察 3‑1押 出 し条件 と組織

化学成分 の異 な る9種籾の AlMgrSi合金を520oC,480oCお よび440oC の温度 で熱間

No.1 No.5 No9

(a) 押出し温度‑・1440oC (I)1押出し温度・‑・180oC 写真1 Al‑Mg‑Si合金押出し樺のX線写英

(3)

低速押出 ししたAトMgrSi合金 の組織について

写真2 AlMg‑Si合金押 出 し棒 のX線写井 一化学成分の彫鞘‑ (押出 し温度・‑520oC) Nol

転ぎ 三栄 慧 (b)≡㌢◆三・.二 f:二 T::.J

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̲●ヽ、Tt fl

(a) 鋳造 のまま 0)) 押出 し温度440oC (C)押出 し温度‑・480oC ((f) 押 出 し温度・・520oC 写真3 AlMg‑Si合金押出 し棒 の顕微鏡組織 (10×7)

19

(4)

20 長野工業高等専門学校紀要 ・第4

押出 しを行ない,得 られた押出 し棒全部の先端部 と中央部のⅩ線写真を撮影 し組織 の違いを 調べた.写真1および写真2にはそれ らの1例を示 し,写真1No.1(Sio.20%,MgO.21

%),No.5(SiO.38%,MgO.53%)およびNo.9(Sio.54%,Mgo.77%)の試料を440oC よび480oCで押出 した押出 し棒 の中央部のⅩ線写真を, また写真2N0.1か らN0.9 での9種類の合金を520oCで押出 した場合のⅩ線写真を示す. これ らに よると押出し温度 480oC以下では, 9種類の合金のすべてについて,その先端部 も中央部 も押出 し棒に特有な 111><100>の二重政経組織が認め られるが, 520oC押出 し棒 の場合には, Siの少な N0.1か らN0.4までの合金については集積度の強い<100>と弱い<111>の存在が認 め られ るものの,Siの多いN0.5か らN0.9までについては もはや政経組織を示す斑点は 認め られず,再結晶が起 っていることを示 している. また各条件で押出 した押出 し棒の顕微 鏡組織を調べ, 1例 として写真3No.1, No.5お よびN0.9の合金を440oC,480oC お よび520oCで押出 した押出 し棒の中央部縦断面の田微鏡組織を鋳造材の 組織 とともに示 す. これに よっても440oC480oC押出 しの場合にはMgSiの含有量の多少にかかわ ら ず加工組織の存在が明 らかに認め られるが,520oC押出 しの場合にはN0.1か らN0.4 でについては加工組織の存在が認め られ るもののN0.5か らN0.9までについては鋳造のま

まの結晶粒 よりも大 きな結晶粒 とな り,再結晶を起 していることが明 らかである.

MgおよびSiの含有量を変えて 押出 した 押出 し棒の機械的性質を調べた 前報(2)の結果で は押出 し温度が高いほ ど引張強 さの値は高 くな り, 押出 し温度520oCの場合にはMgSi

A(178日 llZ) A(001)〔100 ED

h(178)111a20・A(001)(100

▲(012)〔100

▲(011)〔100

A(178)〔lll)

A(213)(117 A(001)〔100 A(012)〔100) ED

A(178)(lil) .=20・A(001)(100 ム(011)【100

(a)押出し温度‑‑・480oC 什))押出し温度・1520oC 2 AlMgSi合金押出し棒のtlll〉痘点図一押出し温度の影響‑

(5)

低速押出ししたA1MgSi合金組の織について 21 の含有量が多いほ ど引張強 さの値は高か った.一方今回の組織観察か らほ MgSiの含有 量が多いほど再結晶を起 しやす くな り,480oC以下の押出 し温度では加工組織が残 ってい る ことを考えると,AlMg名i合金の熱間押出し材の機械的性質を向上 させ るためには,Mg2Si をできるだけ多 くAl地に固溶 させ るために固溶体範囲で加工す ることが望 ましい と言える.

2,図4および図5は各条件で押出 した押出 し棒 の{1111両の極点図である.480oC押 出 し棒の場合は反射法 と透過法の両方に よって全極点図を作成 したが,520oC押出 し棒の場 合は反射法のみである. これ らの極点図には中央に4本の集積帯があ り, これ らの うち外側 2本は<100>集合組織を, また内側の2本は<111>集合組織を示す. また全極点図にお いては, これ らの集積帯のほかに押出 し方向の両極に<111>を示す極めて強度の高い集群 点が存在する.図2は押出 し温度の影響で,押出 し温度が高 くなると,<111>を示す集群 帯が著 しく小 さくなることがわか る. これは<111>が変形集合組織であ り(6),温度の上昇 につれて消滅するため と思われる.一方<100>を示す集積帯の強度はそれほ ど大 きな変化 は認め られない. この ように<100><111>の強度は押出 し温度の高低につれて変化す る ので, これを同一の条件で比較す るために,お 90

のおのの極点図について中央の4本の集積帯の

<100>と<111>の最高Ⅹ線強度を合計 した値 100%とし,<100>と<111>が どのユうな 割合で変化す るかを計算 した,この うち<100>

の押出 し温度に対する変化をNo.1, No.2 び N0.4の合金について示す と図3のように な り,<100>の割合は押出 し温度の上昇につ れていずれ も増加することがわか る.図3には 比較のために6063合金 の結果(7)も示 した が,

<100>の割合は6063合金の方が低い倍を示 し

た .

4は化学成分の影響で,Siを0.2%に し, Mg0.21%,0.50%および0.74%に変えて 480oCで押出 した押出 し棒の(1117極点図であ

(%)(00tV

80 70 60 50 40 30

20 10

Eil

/ /

/.=iI‑5‑‑14‑‑

/ .‑ ∫

A/

。No.1(SiO.2%,MgO.21%)

●No.4(SiO.39%,MgO.25%) yNo.2 (SiO.2%,MgO.5%)

▲6063合金

440 480

押出 し温度 (C)

520 図3 <100>成分と押出し温度との関係 る. これに よるとMg0.21%の場合には(00

1)r100コおよび(178)(11iコ方位のみであるが,Mg0.50%になると新たに (012)(100コや (213)rlliコに近い方位が生 じ, さらにMgが増加 して0.74%になると,各集積市内部の集 積度の高い高分 も一層多 くな りcyclicfibertextureとなる. しか しMg0.77%で もSi 0.54%に増加すれば図5に示す ように各集積帯内の集積度の高い部分は少な くな り(001)

(100)と(178)11iコの強かは(112)(11iコがわずかに認め られ るばか りである. この ように Mgは各集積帯内の集積度の高い部分を分散 させ る傾向を示すが, MgSiが加わるとこ の傾向は少な くなる.

6Si0.2%のとき,Mg0.21%,0.50%,0.74%に増加す るにつれて,<100>

と く111>の割合が どのように変化 してゆ くかを,図4の極点図か ら計算 し, これを図に示 した ものであるが,Mgが多 くなるにつれて<100>の割合は減少 し,逆に<111>の割合は

(6)

22 長野工業高等専門学校紀要 ・節 4

ED

描 描 ; 三'(gY 33; A(Olly〔100 i(178)〔111 (001)(100

:((127183))(li 三((00%),(lioooo')

Mg0.21% Mg0.50% . Mg0.74% 4 AlrMgSi合金押出し棒の(1111極点図 (押出し温度‑480oC)

一化学成分の影響 (Sio.2%) ED

i.日78)【111)

へ(112)〔111) エrOOl) 〔100

5 480oC押出し棒の(111)接点図 (Sio.54%,Mgo.77%)

100

80

Rl' * 60

40 20

二 三 >

>

く111)

0.2 0.5 Mg(% )

0.8

6 480oC押出し棒の<111>および<100>

Mgとの関係(Sio.2%)

増加 していることがわか る.

3‑2焼鈍軟化

MgとSiの含有量の異なる押出棒の Ⅹ線写真を撮影 した結果,押出 し温度480oC以下の 場合には加工に よって生 じた級維組織が存在 してい るが,押出 し温度520oCの場合には,Si が少ない場合は紋維組織が存在 しているものの,Siが多い場合には繊維組織は もはや存在せ ず完全に再結晶 していることがわか った. この ことはAl‑MgSi合金では,Siが多いほ ど再 結晶 しやすい ことを示す ものと考え られ るので, この点を委 しく調べ るために,押出 し用 ビ

レッ トか ら厚 さ10mmの板を切 り出 し,最終板厚0.8mmにな るまで,すなわち圧下率92% の冷間圧延を行な ってか ら,巾10mm長 さ20mmの短冊状 の試料を切 り出 し, これを100oC

か ら600oCまでの種 々の温度で1時間加熱後水冷 し,その ときのかた さをマイ クロピッカー ス硬度計 (荷重500g)で測定 した.その結果を図7に示す. これに よるとMgが一定の場合 には,Siが増加す るにつれて,加熱によるかた さの低下が低温側で起 り, とくに300oC 1

(7)

低速押出ししたAトMg‑Si合金の組織について

(>H)rJtq:

120 110 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10

Si(%)Mg(% 120

Si(%) Mg(%)

・0.56

0

.50110

0・3

8 0

53100

100200300400 500600 0100200300400500600

Si(%)Mg(%)

・0.540.77

\\ ▲0.390.71

100200300400500600

23

しhl"IL性(oC) どし..1"rJB:

A

(̀C) 枕 もrL i,I"rLl(oC)

図7 冷間加工材の暁もどし軟化曲線 (焼もどし時間・1hr)

問加熱の場合にはSiが多い ものほ どかた きが低下 してお り,SiAlMg名i合金の再結晶

温度を低下 させ ること,すなわちSiが多いほ ど再結晶 Lやすい とい うことが明 らかである.

高温加工材の加工組織は冷間加工材のそれよりも加工後の加熱に対 しより安定であると言 われ,古 くには高温加工組織は加工温度 までの加熱に対 し安定であるが,それ以上の温度で は再結晶す るとい う研究報告(8)もあるが,実際ではこのような一般別は成立せず,加工の方 法 とか溶質元素な どの諸因子によって微妙に影響 され るよ うである(9).そ こで この点を検討 す るために, 520oCおよび440oCで押出 した押出 し棒について冷間圧延材の場合 と同 じよ

「うに・100oCか ら600oCまでの種 々の温度で1時間加熱後水冷 し・そのときのかた さの変 化を調べた.その結果を図8と図9に示す.これ らに よると加熱による軟化は冷間加工材の 場合 よりはい くぶん高温側に移行するが,加工温度 よ りはるかに低い温度で軟化が起 ってい ることがわかる. また冷間加工材の場合 と異な って200oC付近 の温度で い ったんかたさが 上昇 し, 250oC付近 の温度か らかた さは急激に低下 し,ほぼ400oCでかた さの最低を示す.

それ以上の温度ではMgo.5%,Si0.4%以上の組合わせの合金の場合には, かた さが再上

00 0

00

5A︼ 3

21(>

H)小=J

Ci

80 70 60

5 0

4 0 3 0

20 10

loo200300400500600 100 2(氾 3004(沿50)60 焼 もどしiI.L庶(oC) 焼 もどし温度 (oC) 焼 もどし温度 (oC)

図8 520oC押出し棒の焼鈍軟化曲線 (焼もどし時間‑ lllr)

(8)

長野工井高等tLi門学校紀要,祈4

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hlJLi比F't'C

9 440oC押出し棒の焼鈍収化曲線 (焼 もどし時間 =・‑1hr)

界 してい る. これ らの変化の うち, 200oC付近 のかた さの上 昇は 高温加工時に固溶 してい M酌Siが微細析出 したためであ り, このため固溶 体範囲で加工 した520oC.LP.し樺 の場 合にはかた さの上昇が著 しいが,440oCで加工 した場 合にはかた さの上界はあ ま り認め られ ない. またMgお よびSiの含有量 の多い合金におけ る500oC付近 のかた さの再 上昇は,い ったん大 き く析出 したMg2Siが再度Alに聞落 し,加 熱後の水冷に よって過飽和 の状態にな るか らであ る. この よ うに過飽和の状態にな るにはMg2Siが一定量以上必要 であ り, この ためMgSiの含有丑の少ない合金については500oC付近の温度に よるかた さの上界は認 め られない.

3‑3 塑性流れ

庄 4は押出 しに おけ る金属の流れの梯 子を調べ るために,No.6合金 (SiO.39%,Mg

写真4 残部レットのマクロ組織およびX線写英撮影位IrFL

(Si0.39%,Mgo.71%,山し取皮‑‑480oC)

0.71%)480oCで押 出 し,秤 出 しの途 中で押出 しを中止 し, 部 ビレ ッ トの縦 断面を 切断 し,

これをマ クロ腐食 した ものであ る.無方位 の ビレ ッ トが ダイス を通過 して得 られた仲 仕=ノ棒 は, 押 出 し温度 の低い場合には

<111>と弱 い<100>の二 電繊 維組織 を示すが,押 出 し温度 が 高 くな るにつれ て<111>が少 な くな り逆に<100>の 占め る 割合は大 き くな っていき,同時 に集積度は低下 してい くわけで あ るが, この<111>とく100>

が ビレ ッ トの どの地 点で形成 れ るのか,すなわ ちその形成 位 関を調べ るために,写モ4に示

(9)

低速押LLJ.ししたAIMgSi丹念の机織について

25

写真5 残部 ビレットのX線写真 (SiO・39%.Mgo・71% 押tLl.し限度・・‑480oC)

した残周は、レ ッ トのいろいろな位置か ら小 さな試料 を切 り.,l.L, カセイ ソーダ水溶液 でほぼ 0・1mmにな るまで薄 くし,試料 の上 F方向 を 写庄 4の 位掛 こ合わせ てX線写点を 撮 彫 し た・撮掛 ま写真・4の右側に示 した国中の(a)か ら(1)までの12箇所について行ない,その結 果 を '草月5に示す・ これ らに よると, ビレッ トが ダイスを通過 して押出 され るときの材料 の流れ には3つ の流れがあることがわか る・第1の流れは材料 の中心部を実直に ダイスに向 う流れ であ り,第2の流れは コソテナーの内壁にそ って強 く変形 されなが らダイスの出 口方向 に げ られ る流れであ る・そ して両方の流れの中間には流れの極め てゆ るやかな部分があ る. こ の11心 部の流れの各位冊のX線写真を調べた結果,(a)点では鋳造の ままであ り繊維組織 は全

(10)

26 長野工業高等専門学校紀要 ・第4

然認め られないが,O)).点において繊維組織が形成 されは じめ,(o).点ではさらに繊維組織の成 長は進行す るが,未だ完全な<111><100>の二重繊維組織にはいた っていない.そ して

<111>軸に よる(1111および(2001の集積斑点, また<100>軸に よる(1111お よび(2001 の 集積斑点の 位置を計算す ると写真5(d)に示す ような 図形 と一致 し,(d)点にいた って

<111><100>の二重繊維組織が完成 され ることがわか る.なお(d)点の回折図形の集積斑 点は, (K)点の回折図形のそれ と完全に一致す る.一方 コンテナーの内壁にそ った流れは, 写真5(a)および的に よると<110>を示 し,中央の流れ と異なってコンテナー内壁の影響 を強 く受けていることがわかる. また両方の中間の流れは糾および(i)に示 された ように,は っき りした紡維組織は形成 されていない.そ してダイスとコンテナーの隅におけ るデ ッドゾ ーンの(3).烏においては,鋳造のままの組織 と同 じであ り,材料は全然流れてお らず繊維組織 も形成 されていない.

4.

MgO.2‑0.8%,Sio.2‑0.6%の範囲でそれぞれ組合わせを変えたA1‑MgSi合金を440oC

〜520oCの範囲で熱間低速押出 しを行ない,得 られた押出 し棒および残部 ビレッ トの組織を 顕微鏡およびⅩ線写真によ り調べ,またX線デ ィフレク トメータに より集合組織 の極点図を 作成 した ところつ ぎの よーうなことがわか った.

(1) 480oC以下の温度で押出 した押出 し棒はMgおよびSiの含有量に関係な く<111>

<100>の二重放維組織を示すが,520oC押出 し棒の場合にはSiの少ない試料について は強度の強い<100>と極めて弱い<111>が存在 し,Siの増加につれて織維組織は消滅 し てゆ く傾向にある.

(2)Siが多 くなるにつれて再結晶温度は低下す る傾向を示す.

(3)押出 し棒の(1117面の極点図を作成 した結果, MgおよびSiの含有量の多少にかかわ らず<111><100>を示す集積帯の内部に集積度の高い部分があ りcyclicfibertexture を示す.そ して押出 し温度が高 くなるにつれて<100>の強 さは増加 し,道に<111>は減 少す る.また Siが少ない場合は,Mgが多 くなるにつれて集積度の高い部分が分散す る傾 向を示 し,かつ<111>成分は増加す る.

(4) ビレットが ダイスを通過す るのに3つの流れがある.第1は ビレットの中心部をダイ スに向 って真直に流れ, ダイスか ら比較的離れた位置で接維組織が形成 されは じめて, ダイ スを通過する際に著 しく変形 され ここで始めて完全な く111><100>の二重絞維組織が 形成 される.第2は ビレッ トの外周部にあ り, コンテナーの内壁の影響を強 く受けなが らダ イスの出 口に向 ってい く流れであ り,その組織は<110>である.そ して第3は第1と第2 の流れの中間にあ り,流れが極めてゆるやかであ りは っき りした鉄雄組織は示 さない.

終 りに本実験を行な うにあた り東京工業大学高橋恒夫教授には極点図の測定をは じめ とし て絶大な御援助を賜わ りました ことを付記 して深 く感謝の意を表 します.

(1)高橋,小林,小島 :軽金属,γol.19(1969),p.189. (2)小林 :長野高専紀要,第3,p.45.

(11)

低速押出 ししたAトMg‑Si合金の組織について 27 (3) A.良.E.Singer,J.W.Coakham :J.Inst.Metals,Vol.89(1960Jl),p.177.

(4) K.Ashcroft,G.S.Lawson:J.Inst.Metals,Vol.89(196061),p.369.

(5) A.R.E.Singer,S.H.K.AトSamarrai:∫.Inst.Metals,γol.89(196061),p.225.

(6) C.∫.McHargue, L.冗.Jetter, ∫.C.Ogle:Trams. Met.Soc. AIME,γol.215(1959), p.831.

(7) 高橋,小林 :軽金属,γol.19(1959J,p.17.

(8)大 日方,畑 :日本金属学会誌,γol.6(1912),p.258. ・ (9)麻田,小池,森本 :日本金属学会誌,γol.21(1957),p.210.

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