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サワギキョウの埋土種子形成と刈取りが生育に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2016 年 2 月 4 日

サワギキョウの埋土種子形成と刈取りが生育に及ぼす影響

環境資源学専攻 森林・緑地管理学講座 花卉・緑地計画学 大塚友貴

1.はじめに

サワギキョウ(Lobelia sessilifolia)は 25 の都道府県でレッドデータブックおよ びレッドリストに掲載されており,今後,生育地の保全と再生が必要になると思われ る。またサワギキョウは 48 の国立公園および国定公園で「景観構成に主要な種」等の 理由で指定植物とされており,修景材料として利用できる可能性がある。そこで本研 究ではサワギキョウの保全,再生,そして修景材料としての利用のための情報を蓄積 するために,埋土種子形成の可能性,播種方法,播種から開花までの期間,および刈 取り管理方法について調査した。

2.方法

1)サワギキョウの埋土種子形成の可能性 2014 年秋に種子を採種して,不織布の 袋に入れ,1 cm,5 cm,10 cm の深さで埋土した。翌年春の雪解け後に袋を掘り出し,

発根数と未発根数を調査した。未発根であった種子は,その後室内で明区・20/10℃の 条件に置いて発根数を調査した。

2)覆土厚が出芽に及ぼす影響 2014 年秋に種子を植木鉢に播種し,0 cm,1 cm,

5 cm,10 cm の覆土を施し,屋外に置いた。翌年の春から出芽数を調査した。

3)播種後の生育と開花までの期間 2012 年秋に種子を採種し播種を行った。翌年 春に出芽した個体をそのまま育成し,2014 年秋まで生育と開花を調査した。

4)開花数と地下部現存量を維持するための刈取り管理 2012 年に播種し,育成し た個体を 2015 年の刈取り実験に供試した。2015 年春に乾物重を測定して初期値とした。

無刈区および 3 つの刈取り回数(1 回,2 回,3 回)と 3 つの刈取り月(6 月,8 月,

10 月)を組み合わせた 7 つの刈取り区を設けた。その後 11 月まで生育と開花を調査し た。2015 年 11 月には地下部と地上部の乾物重を測定した。

3.結果および考察

1)サワギキョウの埋土種子形成の可能性 埋土深 10 cm では 86%が,埋土深 5 cm では 43%が埋土種子を形成していた。

2)覆土厚が出芽に及ぼす影響 覆土厚 0 cm では 80%出芽したが覆土厚 1 cm では 40%にまで低下したことから,播種時の覆土は 0 cm が適切である。

3)播種後の生育と開花までの期間 播種後翌年には開花が見られず,播種後 2 年 目には全ての個体が開花した。サワギキョウは播種から開花までに 2 年が必要である ことが示された。

4)開花数と地下部現存量を維持するための刈取り管理 年1 回の刈取りでも無刈 区に比べて,開花数が 33%以上減少し,地下部現存量も 30%以上減少したことから,

サワギキョウは刈取りに弱いことが示された。競合植物の防除を目的とした刈取り管 理では,全ての植物を刈取るのではなく,サワギキョウを残し競合植物のみを刈取る 選択刈りが望ましい。

参照

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