3.結果 1)経験群と非経験群の学生数は各 244 名であった。経験することで 7 項目とも数値が「4」に近 づいた。特に、「身だしなみ」「目線の高さ」は経験することで「4」と評価した学生数が、それぞ れ 61.1%→81.6%、65.2%→77.5%となった。これに対して「傾聴」「共感」は、それぞれ 26.7%→ 40%、20.9%→32.0%となった(表 3、4)。 2)2016 年と 2017 年の学生数は、それぞれ 488 名と 363 名であった。2016 年は、「初回面談」が 1 回目と 3 回目となり、学生数はそれぞれ 244 名ずつであった。2017 年は、「初回面談」が 2 回目 と 3 回目となり、学生数はそれぞれ 122 名と 241 名であった(表 5)。2016 年の「共感」の「4」へ の到達率は、1 回目と 3 回目はそれぞれ 20.9%、32.0%、「傾聴」は、26.6%、41.0%、2017 年の 「共感」は、2 回目と 3 回目はそれぞれ 26.2%、41.5%、「傾聴」は、39.3%、 53.5%であった (表 5、6)。 4.考察 1)「身だしなみ」「目線の高さ」「声の大きさ」等、学生自らが改善しやすい項目では到達率が 高く、「傾聴」「共感」等、相手(患者)との関係を築き改善していく項目(学生自身では改善しに くい項目)では到達率が低いことが示された。「傾聴」「共感」の育成には、それらの必要性への理 解を図る準備教育と具体的な対応法の教育がさらに必要と考えられる。 2)「共感」と「傾聴」の到達率の低さの原因を検討するために、2016 年と 2017 年までを比較し、 模擬患者とのコミュニケーション回数によって「4」への到達率を見たが、コミュニケーションの回 数を重ねることが、解決の一つであることが見て取れる。今後は、「共感」「傾聴」の定義と目的を 見直すと同時に「共感」「傾聴」に対する学生の意識調査をし、5 年生の実務実習では、自信を持っ て患者の前に立てるようなコミュニケーション教育を構築し、患者の情報を収集する症例等を用い てコミュニケーション能力の向上を図りたい。 5.参考資料
1)Miller GE. The assessment of clinical skills/competence/performance. Acad Med. 1990 ; 65 (9 Suppl) : S63-7.
2)田川まさみ, & 西城卓也. (2013). 医学教育における学習者の評価 1 総論. 医学教育, 44(5), 345-357.
3)見える「評価」で授業が変わる!‘ルーブリックで授業作り’