1
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打音法による木材の欠陥検出 大島静夫・柳原昌輝・吉村
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昇*
InspectionofDefectsinWood bylmpactExcitationMethod
ShizuoOHsHIMA,MasateruYANAGIwARA,NoboruYosHIM(アRA
(昭和62年10月31日受理)
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Therearemanycracksandknotswhichappearashiddendefectsinwood・ Asa.non‑
destructivemethodtodetect thesedefects, theComputedTomographyusingthe impact excitationwasinvestigated.
Weanalyzedtheelasticwavesgeneratedwhenahorizontalplaneofacylindrical timber wasstruckwithahammer. Thenwecomputedthepropagationdelaytimebetweenthe struckingpointandtheacousticemissionsensoronthespecimeninordertoreconstructthe
CT‑image.
Twoexperimentalmodelswitharificialdefectswereinvestigated. Someoftherecon‑
structedCT‑imagesbythisimpactexcitationmethodarepresented.
1 . まえがき る。
2° CTの原理4)
木材の内部に潜在する節や腐朽部などの欠陥を検 することは,木材を利用する上で有用なことであ 出することは,木材を利用する上で有用なことであ る。
これらの欠陥を非破壊的に検出する方法として は,医療方面で良く使われているコンピュータ断層 撮影法, いわゆるCT法(ComputedTomography) が有力な方法と思われる。
CT装置は非常に高価なものであるが,工業分野 として工業製品や素材等を対象とするものであれ ば, 人間を対象とする医療分野とは異なり, もっと 簡便な装置としてCT法の利用が可能であろう。
CT法では, と.のような情報を断層画像として表 示するのかが重要であるが,木材の場合にはX線を 照射し, その入出力比データから断層画像を再構成 する方法'),木材に取り付けた超音波発信器と受信 センサ対間の伝搬時間データから同様に再構成する 方法2)などが検討されている。
ここではより簡便な方法として,打音法3)による 伝搬時間データをCT法によI)断層画像として再構 成する方法を検討し一応の結果を得たので報告す
図1の(a)のようにX‑y座標にβの角度をなすX
‑Y座標をとり,Y軸方向にX線を照射する。この とき(b)のP(X, 8)は下式のように表される。
P(x,')‑./:/(",y)"
このP(X, 8)を測定して/(x, y)を求めるこ とが画像再構成法である。 もちろん角度βが微少て
マ
X
彼検体
窯 秋田ノく学鉱111学部
図1 (1Tの原理
秋田高専研究紀要第23号
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打音法による木材の欠陥検出
付置:杉 Iゾさ 27mm
90・
50mmク)
正三角形
いり・秀 デイスクリミ
AEアンプ ネータ AEセンサ
。K駿吋
デジタルメモ 1
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八 I・ リウィ
コンピュータ
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(鼬) 形状 (b) モデル欠陥
図3 試験材 3.2実験手順
まず図4(a)において,試験材の角度β=0.の場所 にセンサを張り付けておく。次にノ、ンマでβ=20・か ら20°おきに340°の位置まで伝搬時間を測定する。
次に角度β=10.の位置にセンサを張り付けβ=30.
からβ=350・の位置まで20。おきにデータを測定す
る。
この作業をセンサ位置が340.になるまで繰I)返 す。測定回数は図4の場合で計306回行うことにな る。これらのデータを並べ替えれば,図4(b)のよう にセンサを17個並べ,対応する点を,実線は90.方 向から,破線は30。方向から測定したのと等価な
み−ことになる。
全てのデータを同様に並べ替えることでβ=0.か ら170.まで計18種の角度に対する伝搬時間データ が得られたことになる。
図2 ブロックダイヤグラム
あれるほど,テ一夕趾が増え断層画像の糖度も増す ことになる。
X線照射の場合は,木材の硬質部,軟質部のX線 照射時の人出ノJの比すなわちX線の吸収係数が画 面に表示され, その吸収係数の異なる部分として欠 陥部が表示きれることになる。
ここではX線の代わりに打音時に発生する音波 を利用している。 この場合は,試験材の単位距離当 ')の伝搬時間分布を断層画像として表示し,伝搬時 間の差異によ')欠陥の有無を表すことになる。
ロ
I
3. 実験方法
3. 1 実験方法
実験のプロ、ソクタ.イヤグラムを図2に示す。実験 は,本来であれば,充分に長い木材の任意の円周上 で行うべきものであるが ここでは図3(a)に示すよ
うな杉の平板を円盤状に加工した木材を試験材とし てモデル実験を行った。
具体的には,先端に約10mmの鉄球を固定したハ ンマで試験材の円周上の1点を打つ。このハンマに は,デイジタルメモリのトリガ用センサを固定して あI) ,打ちつけると同時にディジタルメモリが始動 するようになっている。
一方超音波センサも試験材の円周上の1点に固定 し,打音によl)発生する音波の伝搬波形をデイスク リミネータで,不要な低周波等を遮断するとともに 増幅しディジタルメモリに記録しておく。この伝搬 波形をコンピュータに転送し,打点からセンサまで の伝搬時間をう。ログラムで読み取っている。
打音の強弱によ'),伝搬時間にばらつきが見られ るので, 同一点で5回測定し中間3個の平均値を伝 搬時間とした。
4. データ処理
I
4. 1 木目方向による伝搬時間補正
平板を円盤状に加工した木材のため,明らかに木 目方向によると思われる時間差が生じた。この様子 を図5に示す。
図からわかるように伝搬速度は,木目方向に最大 で,木目に直角な方向には最小とな'), その問を正 弦波的に変化している。この木目方向による伝搬時 間の差異が画面に表れないように, ここでは図5に おける伝搬時間を基準とし,{木目の角度に対する補 正係数を求め, .この補正係数を用いて全データを補
正した。
4.2 データ補間 1 1 1
図4(b)に示した実線の本数17本の掛け算が再構
成画像の総画素数となるが, 全れでは分解能が約,6
11
昭和63年2月
■8.口■且1呉堕
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大嶋静夫 柳原呂輝 吉村 昇
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図6 CTプログラムの数値実験
{a 手順[XI (1)) ・ifベ将えI靴l
図4 測定手順
ロロ可
我ユニー毒二三一﹃一宮一三二老一三 ロロ︑四国︑画画一
合の数値実験例を図6に示す。
図6(bXd)は, 元の像(aXc)において実験方法と同様 な形で測定角度を変えつつ理論的な測定値を求め,
その測定値データを用いて再生像を確認したもので ある。図中の数値は一般的なレベノレ値であり, この 場合なら伝搬時間分布と考えても良い。FBPによI) 充分な再構成像が得られたことが理解できる。
5.2試験材の再構成像
試験材のモデル欠陥として図3(b)に示すような2 種類の欠陥を加工し, その断層再構成像を求めた。
打音は,節や腐朽部等では音響インピーダンスの 差異により, その部分を回避して,遠回I)して伝搬 する2)と言われている。すなわち再生像を構成する 各画素において,レベル値の高い所が欠陥部である。
モデル欠陥を用いた再生像を図7に示す。図はレ ベル値が指定値未満の部分を×印で,指定値以上の
部分を空白で示している。
図7(a)は,図3(b)の円形の穴をあけた場合の再生 像を,図7(b)は,更に正三角形の穴を追加した場合 の再生像を示す。図7(c)(d)は,各々の場合において 表示範囲のレベル値を変化させたものである。
いずれの場合も,周辺部と欠陥部とに空白部が集 中している。周辺部は理論的な伝搬時間より実測値 が数倍大きくなる傾向にあるが, その理由は不明で ある。その傾向がそのまま再生像にも表れている。
う。ログラムの上で周辺部を表示しないように工夫 すれば更に見やすくなるが原因の対策とはならない のであえてそのままの形にしておいた。
周辺部を除外して考えればほぼ欠陥部を再現して
囚
B 3B GB 90 12G 15G
4<I1に吋する/ill吏
図5 木目方向による伝搬時間の分布
、mと低すぎる。
分解能と画像再構成の演算に要する時間は反比例 するものであり,使用するコンピュータの演算速度 能力に応じ,適当な妥協点を見いだされなければな
らない。
ここでは3倍の51本,分解能としては約5mm, になるようにデータ補間を行った。それと同時にそ の51本の経路が等間隔となるようなデータ変換も
している。
ここまでのデータ処理により51本の伝搬時間 データ群を, 角度10°おきに18画面得たことにな り,再生画像は51×51のものが得られることにな る。
180
5. CTプログラムによる再構成像
5. 1 基本的なCTプログラム
画像再生う°ログラムとしては,代数的再構成法 (ART:AlgebraicReconstructionTechnique), FBP法(FilterdBackProjection)などがあげられ
る。
両者を比較するとデータ処理速度においてFBP 法が優れているので, ここではFBPを使用した場
秋田高専研究紀要第23号
曲
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打ini:i、よ;二よる木材の欠陥検出
︒引l■8店■■1日二■■■91l■■■■﹄■■■■ⅡIIII8Ⅱ■■日ⅡF■Ⅱ9−口■■■■︐口伯j■■■■■■■■BP−クβ■■■ロa二■■■■■■■■■
11〕) '1形+‑MII形欠陥の塒台の再構成侭
! ' I11冊; '3、g陥の叫合・"I¥MIjt{1
"侭 識
蕊塞篝調
塵至宝窒息垂
{ ・) (:')のしべ'し仙を'を虹した│榊川成倣 ((1) (b)のレベル他を変虹した再構成像 図7 モデル欠陥の再構成像
再生像の分解能は,更に向上するであろう。
いると言えるだろう。
I
6. あとがき 参考文献
尾上: 医用画像技術 ,信学誌,Vol、69 No.
12,pp. 1219‑1220,DeC、 1986
たとえば富川他: 超音波CTの杉丸太かくれ 節への応用 ,音講論集,pp.783‑784,昭和61年
10月
たとえば柳原他: "AE法による木材の欠陥検 査 ,第6回超音波シンポジウム, pp.103‑104,
Dec. 1985
坂上他: 帆工業用簡易CTシステム", インター フェース, pp・168‑192,Junel982
打音法による音波の伝搬時間データをCT法によ ')再描成した像か求められた。超音波センサが1個 しかないために,単純なモデル実験でも膨大な手数 が必要であった。センサの角度を変えるたびの張り 替え作業等で, その再現性にもある程度の問題が あったと思われる。
また平板を加工した試験材を用いたために木目方 向の浦正等の処理も行わざるを得なかった。そのよ うなことを考慮に入れると, 図7は比較的良く像を 再現しているのではないだろうか。
複数のセンサにより合理的な実験か継続できれば
l)
2)
3)
4)
昭和63年2月
些一