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未熟児の蛋白代謝に関する研究

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(1)

未熟児の蛋白代謝に関する研究

未熟児における牛乳蛋白摂取量の検討

金沢大学医学部小児科学教室(主任 佐川ド郎教授)

    寺   尾    正

      (昭和42年4月21日受付)

本論文の一部は第66回日本小児科学会総会において佐川教授により,また第104,107,

109および111回日本小児科学会北陸地方会において著者により発表した.

 未熟児の入工栄養法については摂取蛋白量に問題が あり蛋白量6g/kg以上の高蛋白がよいとする人1)2♪

3)4),2g〜3 g/kgの低蛋白量がすぐれているとする 入5)6)7)8)9)10),また3.5〜4.5g/kgとその中出の蛋白 量をよしとする人11)12)13)などがある.長期に哺乳を続 ける場合低蛋白では低蛋白血症となり感染に対する抵 抗力が低下することも予想され,また一方高蛋白では 消化管,肝臓,腎臓などの過負荷となり脱水や感染の 際には危険であるとも考えられる14)15)16斯),

 著者は未熟児の至適牛乳蛋白摂取量を求めるため摂 取カロリーと水分量を一定とし摂取蛋白量を体重kg あたり2〜6gと異なる5種の乳汁を未熟児にあたえ 体重が3.000g前後になるまで観察したので報告す る.このうち摂取蛋白量:2g/kg群は10日間を一区間 とする短期聞の観察である.

研究対象ならびに研究方法 1 研究対象

 対象は福井赤十字病院未熟児センターに昭和37年1 月より39年9月までに入院した未熟児でつぎの条件を

満足させる144名である.

 1.生後3日目までに入院し入院時感染症のないも

 2.先天異常のないもの.

 3.生後10臼以上生存したもの.

 これらを滴下時体重によりつぎの3群に分けた.

 群1 1.001〜1,500917名  群11 1.501〜2,0009 64名  群1旺 2,001〜2,5009 63名

 この他に生後30日前後の人乳栄養成熟児18名につい て血清総蛋白量およびその分画ならびに血清尿素窒素 値を測定し対照とした,

皿 研究方法  1.栄養法

 使用した乳汁(表1)は5種類で現在体重kgあた り牛乳蛋白摂取量が,2,3,4,5および6gと なるように哺乳し,それぞれ群2,群3などと名づけ た.群2,群3および群4は半脂肪置換特殊調整粉乳 を,群5は調整粉乳を,群6は半脱脂粉乳を使用し た.摂取熱量は125Cal/kgとなるよう不足分を滋養 表1 使用乳汁の組成

2nδ4PO6

蛋  白 9/d1

1.2 1.8 2.4 2.8 3,5

脂  肪  9/d1

1.5ユ)

2.21)

2.81)

2.92)

1.23)

含水炭素  g/d1

13.8 11.7 9.0 8.7 11.5

熱  量 ca1/d1

几633つりり0ワ97●ワ57●ワσ

リノール  9/d1

0.15 0,22 0.28 0.04 0。02

取謎

摂蛋 2004FO6

摂取熱量 cal/kg

125 125 125 125 125

取量g分麻摂水m

170 170 170 170 170 1)脂肪半置換調整粉乳  2)調整粉乳  3)半脱脂乳

各粉乳にバンビタン液1ml/日.チヨコラB鉄液1ml/日添加

 Evaluation of Protein Intake in Prematufe Infants. Tadashi Terao, Department of Pebiatrics(Director:Prof.1. Sagawa)School of Medicine, Kanazawa University.

(2)

糖で補い,摂取水分量は170ml/kgとした.

 未熟児144名の組分けは表2の如くで生下時体重別,

摂取蛋白量別に群13,16などと名づけた.

 環境と栄養法は表3の如くで一定の飢餓期間の後体 重2kg以下では2時間ごとに,1日10回,2kg以 上では3時間ごとに1日8回の哺乳を開始し,哺乳量 を漸増して所定の170m1/kgに達したのは群1,

皿,一皿で各々平均14日,一10日および8日であった.全 員に生後5日目よりバンビタン液1m1とチヨコラB 鉄液1mlを毎日3回に分けあたえた.

 2.臨床観察

 哺乳状況,腹部膨満,嘔吐,大便の回数,大便の pH,むつき皮膚炎,遅発浮腫,感染の有無などを毎

日観察した.

 大便は全例の生後20〜24日の5日間について検し,

pHは排便直後に東洋濾紙のpH試験紙で測定した.

 体重は2kg以下は隔日に,2kg以上は毎日空腹

時に測定した.

 3.血液生化学的検査

 採血はすべて哺乳後3時弱目空腹時に股静脈よりお 表2 対象未熟児の組分け

こなった.

 血色素量と血清総:蛋白量は生後20日以後10日ごと に,血色素量は同一のザーリー計で血清総蛋白量は血 清蛋白計で測定した.血清蛋白分画は長期間哺乳の影 響をみるため群1は生後50日で群皿は生後40日で,群 皿は生後30日で採血し濾紙電気泳動法18)19)20)により測 定した,血清尿素窒素値は生後20旧以後に採血しウレ アーゼ法21)により測定した.

  出生時    体重 摂取 蛋白量 9/kg/日

990045ρ0

群工 1,001〜

 1,500g

1,501〜

i 2,000g

0800Qり QV4凸182 ームー 9佃

2,001〜

 2,50091

昌」

4378噌⊥ 21晶 噌⊥ 3FO862

14214

研 究 結 一

17 64 63 144

 1)臨床観察(表4,5,6)

 腹部膨満の頻度:群5は他より明らかに有意に高

い.         .

 大便の回数:群3は他より明らかに有意に少ない,

 大便のpH:群6は他よる明らかに有意に高い.

 むつき皮膚炎の頻度:群5および群6は他よりも有 意に高い.   

 遅発浮腫の頻度:群工および群皿は群皿より有意に

高い.

 群3と群6は他より明らかに有意に高い.

 群5の未熟児は皮膚は乾燥し,しわが多くやせてい て脱水状態にあると思われた.

 膿胞,鷲口瘡および肺炎や深部膿瘍など重感染症の 頻度は山群間に有意差はない.

 死亡率は各群間に有意差はない.

 2)体重増加量/日(表7,図1)

 哺乳量が所定の1701nl/kgとなり生下時体重復帰 後10日間ごとの1日平均体重増加量を求め遅発浮腫例 をのぞいて各群別平均値を比較した.

 未熟児の体重増加はしばしば子宮内胎児の体重増加 曲線を標準として比較されるが試みに馬場の胎児の体 重増加量/日26.5gと比較すると著者の値はかなり 表3 環境と栄養法

出  生  時  体  重 1…一15・・g115・1−2…g12・・1−25…

コ ッ  ト

33。C 31。C 28。〜25C

湿

80% 75% 60。〜50%

3〜4日 2〜3日 1〜2日

カ テ テ ル 栄 養 2000gまで な  し

哺乳量170m1/kgに達した平均日令 14  日 10  日 8  日

40日頃 20日頃 10日頃

(3)

表4 群別臨床観察

1皿皿34FOρ0

腹部膨満の頻度

あり1なU%

3ρOFO

1085

4QV4ーム4Pb藪28837

17.6 11.0 8.5

2.2 0 50.0 12.0

大便の回数 三瀬覇群肝鮮誤差

85 275 295 225 140 80 210

3.02±0.15 3.36±0.06 3.64±0.11 2.96±0.09 4.37±0.16 4.04±0.22 3.50±0.13

大便のPH 例剃平均値±騨號

85 273 290 222 140 80 207

6.31±0.07 6.20±0.04 6.13±0.03 6.11±0.04 6.04±0.04 6.05±0.05 6.38±0.04

・4i117 10.7 65513・5・±…7 64g1 6.18±0.02

有意差の検定 君羊3−5 P<0.01  4−5 P<0.01  6−5 P<0.01 その他は有意差なし

碧羊工一:H〔  P<0.05

 工一皿 P<0.01  1[一皿  P〈0。05

 3−4 P<0.01  3−5 P<0.01  3−6 P<0.01  4−6 P<0.01  5−6 P<0.05 その他は有意差なし

1群工一皿 P<0.05  3−6 Pく0.01  4−6 P〈0.01  5−6 Pく0.01 その他は有意差なし

表5 群別臨床観察

・       O      ●9 4 FO5 ハδ ーム●       O      ●QV 7 0 Fb2       5

75 ρ0 0 00 ﹇09臼 ρ0 ρO Qソ00 ワ臼 ーム 一温 雅一93138i㎝

01 O5 O1 O1 O5 O1 O1

ュく<<くく差PPPPPPP 意     有皿皿45666 は= 一== 他工皿33345 の群       そ

O Qソ Qり一←  −←3 9一 〇 nδ−占      2

8⑩﹄L82ーム 一 9臼の ︒6あ38373.  りO nδ

5 5 ρ0ーム 4 41 7・ 0 ∩6∠て n乙 一 ウ臼 半払PPPP 意5656嫡==副3344 の群    そ

99 0 6δ 1  14 1 ρ0 4   1 1一描一251計

1∬皿nδ 4 5 ρ0有意差の検定

膿庖の頻度

ありiな司 31316﹇11849﹇32 14

̀43一34201233一99 17.6 29.0 27.0 24.4 28.6 25.0 21.4 24.5 各二間に有意差なし

(4)

表6 群別臨床観察

工皿皿∩64凸FOρ0

鷲口瘡の頻度

あり1な司%

∩64Qσ850nδ 乙凸ーム01PO5 7・00ρOqり39臼噸13

17.7 7.3 15.2 17.8 17.9

 0

7.1

重感染症の頻度

あり1なし1%

−占4凸噸⊥90︷102 ρ0噌⊥0◎−占5FO り臼76ρ004▲214

5.9 7.3

L7

6.7 3.6

 0

4.8

死  亡  率

明経勢望 %

ワ591∴FOPO PO∩6疏U2

4214

1ーム0 Qゾ∩60rO−占

2.2

 0  0

2.4

・61・・5 12.2 6}・25 4・61131 2 1.5

礪劃各醐に臆差なし 各群間に有意差なし 各群間に有意差なし 表7 群別体重増加量g/日

剰例釧平髄±騨誤差

1皿皿

23456

50 134 102

2861929456

31.9±1.0 37.6±0.8 42.2±1.2 31.8±2.1 40.2±1.0 45.1±1.5 31.7±1.4 38.1±0.9

286 38.2±0.6

有意差の検定

碧羊1−1[ P<0.01 碧羊3−4 P<0.01  1一皿[ P〈0.01  3−5 P〈0.01  :皿一:皿 Pく0.01  4−5 P<0.01

三子=二葦  垂:Σ≡8:8}    9=9  ¥:芝i8:8}

 2−6 Pく0.01 その他は有意差なし

9/日

図1 群別体重増加量g/日

軸● 一2 一● 一●

●         ■ O● 一●一

 1  五  1旺  2  3  4  5  6  平均 鯛層噌囎@は胎児の体重増加量/日(馬場)

浮腫例を除外した

大きく上まわっている.

 生干時体重別に検すると明らかに有意の差があり群 皿もっとも大で,]1これにつぎ,1は小さい.

 蛋白量別にも明らかに有意の差があり,群4もっと も大で,群3と群6これにつぎ,群2と群5はもっと

も小さい.

 3)血色素量(表8,図2,図3)

 各群の生後20日,30日,40日および50日の血色素量 の平均値を比較した.

 生下時体重別にみて生後50日では有意の差があり群 丑は群1より高い.

 蛋白量別にみて生後20日では群4と群5は群3およ

び群6より明らかに有意に高い.生後30日では群4は 群3および群6より有意に高い.しかし生後40日と50

日では有意差はなくなる.

 4)血清総蛋白量(表9,図4)

 生後20日,30日,40日および50日の各回別血清総蛋 白量を比較した.

 子下時体重別に明らかに有意差があり,生後20日か ら50日までは生干時体重が大きい群ほど血清総蛋白量

は高い,

 生後30日の人乳成熟児の血清総蛋白量は群1,皿お よび皿のそれより明らかに有意に高い.

 蛋白量群別に検討すると,生後20日から50日まで群

(5)

5および群6は群3より有意に高い.生後20日と30日 では群5は他の群より有意に高い.

 5)血清蛋白分画(表10〜1,10〜2,図5〜1,

5〜2)

 生下時体重別に比較して成熟児は群皿よりアルブミ ン,グロブリン,α2グロブリンが有意に高い.

 摂取蛋白一別にみるとアルブミンには有意差はな い,群1では群6は群3よりグロブリン,的および

βグロブリンが有意に高い.群11では摂取蛋白量が高 いほど多くの分画で有意差がみられるがとくに群5お よび6では群3および4に比してγグロブリンが有意 に高い.しかし二型では摂取蛋白量による有意差はな

い.

 なお,各群別に遅発浮腫例と非遅発浮腫例の血色素 量.血清総蛋白量ならびに分画の平均値を比較したが 有意差はみられなかった.

表8 群別日令別血色素量g/dl 日令

1∬皿0り4に︾︷b

20  日

例釧灘鮭

7・49噌⊥45 戸000ρ01義﹂42噌16δ

14.2±0.3 14.9±0.3 15.0±0.3 14.4±0.3 16.0±0.4 16.3±0.5 13.7±0.3

30  日

回数ほ雛圭

ρ06δワ臼−占44 8Q4ハ08Qり一﹂¶⊥2

13.0±0.6 12.8±0。2 11.9±0.3 12.2±0.3 13.4±0.5 12.9±0.3 11.6±0.2

40  日

記灘羅1421  7・2

1080

2

10.8±0.3 11.0±0.2

11.2±0.3 11.2±0.3 11.1±0.3 10.6±0.3

50  一

例数}藻雛圭

PO4・i⊥ワ万 一b464轟−⊥   ーエ

9.2±0.3 9.9±0.2

9.4±0.3 10.6±0.5 10.0±0.2 9.4±0.3

計1・2・ ・4・8±・・2}1・・1・2・3±・・2159}・1・・±・・2 3919・6±・・2 有意差の検定 456ρ0︸一︸︸nδ34凸5 P<0.01

P<0.01 Pく0.01 Pく0.01 その他有意差なし

君羊1一:皿 P・尺0.05  工r一皿: Pく0.05

 3−4 Pく0.05  4−6 P<0.05  5−6 P〈0.05 その他有意差なし

各群間に有意差なし 群1一皿 Pく0.05 その他有意差なし

図2 群別血色表量ならびに血清蛋白:量の推移

9/d1 16 14 12 10  8

刷6

9

5

4

881610

10W18呂

ミ81723 11

﹂4ハ0ワウ4

7

洗−− 118

10 14

1\

8   1  111@i 14

U

14 8

  411 111

8

11 411  1

      ワ曙0◎1    9 8

    7188

素   8色      8血  9  88F

20 30      40      50      20      30 40 50 20 30 日令

0 39群  ロ 49群  ム 59群  ● 69群  数字は例数を示す

(6)

 6)血清尿素窒素値(表11,図6)

生下時体重二二に有意の差はない.

蛋白量群別に明らかかに有意の差があり,群2,

3,4,5,6の順に高くなる.

人乳児に比して群2では明らかに有意に低く,群3

9/d1  16  15  14

439日−乙ーユー210ーニー1−▲︵U91■−二

図3 年別血色素量 生後20日

o 3

2

2

生後30日

生後40日

生後50日

δ

δ

o

1 皿 IH 3 4 5 6 平均

では有意差なく,群4,

に局い.

5および6では明らかに有意

 未熟児栄養において蛋白の量および質をかえて発育

を比較した実験1)2)3)4)5)7)10)11)12)22)23)24)25)26)27)28)29)は数

多く報告されている.しかしその多くは自由量哺乳下 の成績であり,定カロリー,定蛋白量下での一般状 態,体重増加量,血色素量,血清総蛋白量および分 画,血清尿素窒素値などを比較した文献は乏しい1)2)5)

7)12)24).これら諸家の推奨蛋白量は人乳蛋白2.9g/kg 1)24),半脱脂乳蛋白6〜8g/kg 1)2),調整粉乳蛋白4 g/kg 12)であり一方不明とするものもある7).

 人乳またはアルブミン/カゼイン比を変えた人乳化 牛乳では窒素の利用率も異なるものと思われるので著 者は125カロリーで牛乳蛋白量のみを2,3,4,5,

6g/kgとかえた5種の乳汁で未熟児を哺育し発育を 比較観察した.

 腹部膨満の頻度:群4と群5は脂肪摂取量がほとん ど等しいにもかかわらず,群5では腹部膨満の頻度が 高いのは摂取脂肪の質の相違によるものかと想像す る.未熟児は牛乳脂肪の吸収が悪く30),不飽和脂肪で 置換すると吸収はよくなるといわれる31)32)33)34).群5 では血清尿素窒素値が摂取蛋白量によく比例して増加

しているので蛋白の吸収は悪くないと想像される.

表9 群別日令別血清総蛋白量 g/d1 日令

1皿皿QU45ρ0

20  日

例釧灘鮭

7・491−4FO POn◎ハb−ゐ42噌⊥3

4.22±0.09 4.78±0.08 4.89±0.07 4.50±0.08 4.85±0.08 5.31±0.07 4.76±0.09

30  日 40  日

例釧藻塞鮭i例釧灘舞

7.44144 OQゾρ004噌⊥−−3

4.47±0.09 4.65±0.07 4.79±0.06 4.52±0.08 4.63±σ.09 5.06±0.11 4.76±0.05

75nδ−←4 9臼On◎09臼ーユ 9臼

4.41±0.06 4.81±0.09

4.28±0.05 4.60±0.23 5.11±0.18 4.81±0.12

50  日

例数1灘蓑圭

5419臼 FD4ρ041   ¶⊥

4.39±0、14 4.91±0。13

4.27±0、14 4.91±0.20 5.23±0,18 4.90±0.16

計1・2・14・64±…41・・514・69±…416・【4・69±…713gl4・7・±・…

畿熟劃 1・・15・46±・・22

有意差の検定 皿皿45656一一︻一一﹇一−工り0334凸5 Pく0.01 P〈0.01 Pく0.01 P〈0.01 Pく0.05 P<0.01 P<0.01 その他有意差なし

皿5656工皿皿﹇一一﹇一一一一13345人人人

P<0.01

P<0.01 Pく0.05 Pく0.01 Pく0.05 P〈0.01 P<0.01 Pく0.01

i群1一皿 Pく0.01  3−5 P<0.01  3−6 Pく0.01 その他有意差なし

碧羊工一皿 P<0.01  3−4 P<0.05  3−5 P<0.01  3−6 Pく0.01 その他有意差なし

(7)

図4 群別血清総蛋白量

9/d1

5。0

4.2

5.0

4.2

生後20日 轟繭 9/d 生後40 日     の

5.0 ● 蜘

一   ● 怐@ 一

一●     騨

黶@    〇

罵鴨 一⑦   一

黶@   〇

     o     ●

⑦一

一●

9

4.2

麟2

  ●R軸

生後30日 ●o 生後50 日     一

@    〇

5.0 鴨    一

@ 一

6     ●

δ 一  一    o

儲oo

  噂       購@ ●  一一   _   三

r  ● 怐@ 昌

δ鳴 嚇●

4.0

1 皿 皿 3 4 5 6 平均  人乳成熟児 1 皿 3 4 5 6 平均

表10−1 細群別 血清総蛋白量およびその分画

生後50日

生後40日

生後30日

36

34陶b農U

34藺bハ0

人乳成熟児

生後30日

一町

88

16

418噌1ーユ可⊥  −

44

噌1QU∩◎01←    ーユ

37 10

総蛋白アルブミン

  g/dl    g/d1 4.14±0.1412.47±0.14       1

4.60±0.202.22±0.13       }

グロブリン   9/dI 1.72=ヒ0,14 2.38±0,15

的グロブ

リン   9/d1 0.28±0.05 0.44±0.04 4.35±o.1312.34±o.1112.05±o,1310.36±o。04

吻グロブ リン   9/d1 0.43±0.03 0.55±0.05

βグロブ リン   9/d1 0.56±0.03 0.79±0.07

γグロブ

リン   9/d1 0.51±0.09 0.74±0.09 0.49±0.03!0.71±0.0410.62±0.09       1      1

      1

4.12±0.132.12±0.10 4.67±0.212.39±0.10 5.11±0.192.39±0.17 5.06±0.152.33±0.17 4.67±0.10 2.29±0,06

       

2.09±0,080.38±0.030.40±0.03       1

2.26±0,150.38±0.030.54±0.06       1

1:1珪8:ill:翻:31:1::1‡1:雛

2・39±…8;・・42±…2;・・5・±…2

三 ……まi§;……薩;……圭…1呈引…;……圭… ……

      I   l

4・94±0・1212・39±0・0512・55±0・08

0.44±0.0310.58±0.04

。.43±。.。31。.5、±。.。5

。.44±。.。5i。.55±。.。3

0.48±0.040.55±0.02 4.83±0.072.32±0.05{2.53±0.06b.45±0.0210.55±0.02       i

5.46±0.2212.59±0.Og12.81±0.1310.45±0.051

O.63±0.04       1     1      1

      上

0.59±0.04 0.73±0.07 0.78±0.06 0.76±0.02

0.67±0.06 0.60±0.03 0.94±0.10 0.92±0.09

・・7・±…31

0.65±0.05 0.64±0.04 0.64±0.09 0.66±0.03

0.76±0.04 0.94±0.07 0.93±0.10 0.88±0.08 0.90±0.06       1

0.65±0.030.92±0.04       1

0.75±0.0410.91±0.07       1

(8)

表10−2 群別血清総蛋白量およびその分画,平均値の有意差の検定

3−6 4一b6脚bハbハb一一一﹇︻一〇﹂33﹂44一b 465ハ〇一bハ0ρ0一﹇一一一︻nδ3ハδ4凸4一b

皿一人.成

総蛋削アルブミン

(一) (一)

P<0.05 P<0.01 P〈0.01

 (一)

 (一)

 (一)

︶︶︶︶︶︶一一一一一一︵︵︵︵︵︵

P<0.01

︶︶︶︶︶︶︻一﹇︻︻︻︵︵︵︵︵︵ ︶︶︶︶︶︶ 一州一一一︵︵︵︵︵︵

P<0.05

グロブリン P<0.01

 (一)

P<0.01 P<0.01 P<0.05

(一)

(一)

︶︶︶︶︶︶一一一一一一︵︵︵︵︵︵

P<<0.05

α1グロブ リン

Pく0.05

(一)

(一)

P<0.05

(一)

Pく0.05

(一)

︶︶︶︶︶︶一一一一一一︵︵︵︵︵︵

(一)

クン一りγ1

グンかリ

吻リ グン

(一)

(一)

P<0.01 P<0.01

 (一)

 (一)

 (一)

︶︶︶︶︶︶一一一一一︵︵︵︵︵︵

P<0.05

P<0・011(一)

 (一)

Pく0.05 Pく0.01

 (一)

 (一)

 (一)

︶︶︶︶︶︶   ︸一一︵︵︵︵︵︵

(一)

 (一)

P<0.05 P<0.01 Pく0.01 P<0.01

 (一)

︶︶︶︶︶︶一一一㎝︸一︵︵︵︵︵︵

(一)

(一)はPく0.05

図5−1 群別面清麗蛋白量およびその分画

 9/d1

 5.0

 4,5

 4.0 9/d1 ア2.5ノヒ

う2.0

9/d1 グ2。5

 2.0

1

生後50圓 生後40日一 生後30日

・; ■陰      o 生後30日

一     一     一     .  ●●  軸    ●  一

・       o

@ ●

o

;一

;■●     一

  隔

黶@      隔

Q●。 ;;;コ

働       一

怐@       一 ■●     一     一

輪●一

  ●  ●

@ ●@   嚇

■●       一

; ●.馳      o

一 〇 軸

3 6 3 4 5 6 3 4 5 6 入明

(9)

図5−2

㎝5  

3

/0    0

 朗グロブリン9

α20.7 Eo.6  0.5  0.4

7﹁  だQ  5a 甑 a

βグロブリン

0 γグロブリン 1

0.5

鴨●鱒齢●O一●●の ●  阻

隔◎一6一ロ●一齢 ● ロ 嗣●隔亀■●︑  ●  輪一 ●  繭 鱒●一鱒●魯●●一一  ●  口 轟●馳一●一翰●・9 ●  鱒

騨●鰐昌●0●●鴨脚  ●  .

膚●口齢●働0  ■駒  ●  9 昌●鴨膳 ●  齢

●  一口O

一●O●●●嘱O隔9 ⑳ 鱒 一●一一 ㊤ 一  購O  刷一  ◎   O

90 一06●亀0鴨の  ●

3 6 3 4 5 β  大便のpH:牛乳児は人乳児より大便のpHは高

い35)36).題額飽和脂肪酸はLactobacillus acidophi・

1usとLactobaci11us bifidusの乳児の腸内での発育 を妨げ大便をアルカリ性にするともいわれる35)36)37).

また摂取蛋白量が多いほど大便は高いpHを示すとも いわれる5)25).群6では大便のpHは他より高かった がこれは飽和脂肪酸の多い半脱脂乳でしかも高蛋白で あった,

 むつき皮膚炎の原因は主として大便の回数,および pH 36)と思われる.その他アンモニア性の強い尿によ るとする入もある39).群5および群6では他よりむつき 皮膚炎が高率にみられたがこれらが原因かと考える.

 生後20日以後に眼険部,側頭部,外陰部,大腿部な どに持続的に浮腫を認めるものがありこれをCorner 4。)は遅発浮腫とよんでいる.遅発浮腫の原因は新生児 期の塞冷障害,心不全,感染症,腎機能の未熟,低蛋 白血症41)および低血色素量41)などがある.栄養法との 関係では遅発浮腫は高蛋白栄養1)42)43)で,あるいは高 蛋白,高電解質乳14)15)で,逆に低蛋白栄養10)43)44)で多

くみられたとの報告がある.

 Crosseら1)は1588 g以下の未熟児は高蛋白栄養で は浮腫となることが多いが入乳では起らないとのべて いる.永山ら44)は低蛋白栄養で低体重群ほど発生率が 高いという.遅発浮腫は血清総蛋白量の低いものに多

3 4 5 6  氷賜

いとの報告44)と浮腫群と非浮腫群の血清総蛋白量の間 には有意差がないとの報告45)もある.著者の成績では この浮腫は低体重群に発しやすいが,蛋白量に関して は群6と群3に多いことが認められた.なお著者は遅 発浮腫群と非遅発浮腫群の血色素量,血清総蛋白量な らびに分画の平均値を比較したが有意差は認められな かった.

 感染率と死亡率についてCrosseら1)は重感染症 は低蛋白栄養で多く,軽感染症は高蛋白栄養で多いと 報告し,Omansら25)は感染率と死亡率は高蛋白栄養 と低蛋白栄養では統計的有意差はないと報告してい る.著者の成績では膿庖,一口瘡,重感染症および死 亡の頻度は生下時体重別ならびに蛋白量別に統計的有 意差はないが結論を得るには例数が少ない.

 生下時体重復帰後の1日平均体重増加量は胎児の体 重増加曲線を標準として未熟児の体重増加の良否が判 定されている.胎児の体重増加量は諸家1)4)46)47)48)の 平均値をまとめると群1では19〜26.5g/日,群皿で は26〜34g/日,群:皿では26〜36g/日となり,著者 の遅発浮腫例をのぞいて計算した平均値はこの最高値 を10〜20%上まわっている.この原因は不明である.

 馬場ら57)は妊娠末期の胎児は直線的な体重増加を示 すとして胎児の体重増加曲線を発表しているがそれに よれば1,000g以上の胎児は大小にかかわらず1日

(10)

平均26.5g増加している.しかし著者は生下時体重 の小さいほど1日平均体重増加量が少ないことをみ

た.

 蛋白量と体重増加量との関係については,小さい未 熟児は摂取蛋白量が少ないと体重増加量は有意に低い とされている1)2)11).すなわちCrosseら1)は1,360 g 以下の未熟児は人乳栄養3g蛋白/kgでは半脱脂乳

表11群別血清尿素室素 mg/dl

釧圃灘鮭1臆差の齪

工五皿9μO﹂﹂4一b6 9臼0428FO

25 R8 Q6 Q2

i

16.8±2.1 12.5±1.1 13.3±1.3 1.9±0.2 5.5±0.4 12.9±0.8 20.0±1.0 24.4±0.7 平均1・56115・4±・.7 畿熟覧1・8[6・・±・・3

3456456566==一==一2222333445

P<0.01

P<0.01 P<0.01 P<0.11 P<0.01 P〈0.01 Pく0.01 P<0.01 P<0.01 P<0.01 人成一2P<0.01 人成一4P<0.01 人成一5P<0.01 人成一6P<0.01

栄養6g蛋白/kgより体重増加量/日は劣るがそれ 以上の未熟児では両栄養間に有意の差はないとし,

Gordon 2)は体重1,620 g以下の未熟児ではエバミ ルク栄養4.89蛋白/kgでは半脱脂乳栄養69蛋白

/kgより体重増加量は有意に低いがそれ以上の体重の 未熟児では有意差はないと述べている.

 Davidsonら11)やOmansら25)は2,000 g以下 の未熟児では2g蛋白/kgでは3〜8 g蛋白/kgよ り体重増加が悪いが2,000g以上の未熟児では有意 差はないという.

 著者は体重増加量/日に関して摂取蛋白量により 有意差をみたがどの群の値もすべて胎児の体重加量 26.5g/日をこえているので体重増加量/日から摂取蛋 白:量の適否の判定を下しかねる.

 未熟児貧血は再生不良性貧血の像を呈する早期貧血 と鉄欠乏性貧血の像を呈する後期貧血とに分けられる 49)50).未熟児は生後2〜3カ月で最低の血色素量に達

し,生下時体重の大きいものほど早期貧血は軽いとい われる1)12)51)52)53).著者も同様の成績であった.

 未熟児貧血と栄養法との関係について斎藤ら57)は入 乳栄養・児より人工栄養児の方が程度も強く回復も遅い

図6 群別血清尿素窒素

mg/d1

 25

20

15

10

5

O●鳴

董≡璽

i…

 一 ●

⑪●

 ● ●

;・●;

 ● ● 一

人成 皿2皿22  13n3皿33 H4皿44 皿。皿55  16161旺66

(11)

とのべ,Crosse 1)も入乳または半脱脂乳よりもエバ ミルクでは血色素量が99/d1以下となる率が有意に 高いと報告している.:Harnackは2.4,3.7,5.1お よび6.59蛋白/kgの4群の未熟児について二二時 体重復帰後28日目の血色素量を比較し蛋白量が増加す るにつれて血色素量はわずかに増加するが6.59蛋 白/kgではかえって低下することをみている.しかし 牛乳蛋白量が3〜6g/kgで4),3〜8 g/kg 25)で,あ るいは2g/kgと3g/kg lo)ではいずれも有意差な しとの報告もある.

 著者の成績では生後1カ月以内では摂取蛋白量の影 響をうけ高蛋白ほど血色素:量は高いが6g/kgではか えって低下することを認めた.しかし生後日数の経過 とともにこれらの有意差は消失する.血色素量からみ て蛋白量4g/kgが最適である.

 胎児の血清総蛋白量は妊娠月数が進むにつれ増加 し55)56),その分画はアルブミンと7グロブリンが増加 すると,いわれる55)57).したがって成熟児の血清総蛋白 量は未熟児より高く4)49)57)58)59)60),大きい未熟児ほど 血清総蛋白量は高い57)58),分画では生下時体重が高い ほどアルブミンとγグロブリンは高い22)49)51)58)61).

 未熟児の血清総蛋白量は生後6〜8週間は低下する

がその下降はアルブミンD22)62)とγグロブリン22)28)49)

62)63)の低下によるもので,α1,α2,βグロブリンはむ しろ一定であるといわれている.

 血清総蛋白量について著者の値を他の報告者の値と 比較すると,群工では著者は4.4g/d1でYoungの 5.3g/d14),巷野の5.1g/dl 49), Omansの5.Og/

d125), Crosseの4.8g/d124)より低い.群皿では著 老は4,7g/d1で井上の5.5g/dl lo), Omansの5.4 g/dl 25),巷野しの5.2g/d149), Crosseの5.1g/d1

24),Tudvadの5.Og/dl 22)より低いがHamack の4.8g/dl 12), Youngの4.5g/d14)とほぼ一致し ている.群皿では著者は4.8g/d1で巷野の5.4g/

dl 49), Tudvadの5.Og/dl 22)より低いがHarnack の4.8g/d112), Youngの4.7g/d14)にほぼ一致 している,人乳成熟児群は著者は5.5g/dlで巷野の 6.1g/d149)より低い値を示した.

 摂取蛋白量が未熟児の血清学蛋白量およびその分画 におよぼす影響については高蛋白栄養で血清総蛋白量 が高くなるといわれ1)3)4)12)22)25),低蛋白栄養を長く続 けると血清アルブミンが低下し低蛋白血症をきたすこ

とはすでに知られている1)3)22)64).

 Crosse 1)は1,360 g以下の未熟児をエバミルク 3.5g蛋白/kgで栄養すると入乳3g蛋白/kgや半 脱脂乳6g蛋白/kgより血清総蛋白量とアルブミン

は有意に低いが,1,361g以上の未熟児では有意差は ないという.Youngは1.6009以下の未熟児で2−

39蛋白/k9は7.29蛋白/kgに比して血清総蛋白 量は有意に低いが1,6009以上の未熟児では摂取蛋 白:量による有意差はないという.

 著者の成績では3g蛋白/kgでは5gおよび6g 蛋白/kgより血清総蛋白量は低いが,4g蛋白/kgで は5gおよび6g蛋白/kgと比較して劣っていない.

 血清蛋白分画については摂取蛋白量によりアルブミ ンに有意の差はないが,1,501〜2,000gの未熟児で は摂取蛋白量によりγグロブリン:量は3gおよび4 g/kg群では5gおよび6g/kg群より有意に低値 を示した.しかし2,001g以上の未熱児では摂取蛋 白量による有意差はみられなかった.

 血清総蛋白量および分画の面からみると2,000g以 下の未熟児は摂取蛋白量4g/kg以上が望ましく,

2,001g以上の未熟児は3g/kgでよいことになる.

 血清尿素窒素値は摂取蛋白量に比例する25)65).群2 では血清尿素窒素値は極度に低値を示し,摂取蛋白量 の最低限度を暗示している.

 人乳児の血清尿素窒素値は他の報告者は,6.3mg/

d171),8.3mg/d167),9mg/d13)25)としているが著

者の値は6mg/d1でやや低い.入乳児と同程度の 血清尿素窒素値は群3の未熟児が示したが,これは Omans 25)や浜本68)の成績をみても同様である.

 Natelson 67)は生後7日から30日の乳児にアルブミ ン乳(アルブミン:カゼイン=3:2)とカゼイン乳

(アルブミン:二二インー1:8)を各々3.5g蛋白/

kgで栄養したところ体重増加量に差なく,血漿蛋白 量はアルブミン乳が5.5g/d1でカゼイン乳5.Og/d1 より高く,血漿尿素窒素値はアルブミン乳が15mg/

dlでカゼイン乳18 mg/dlより逆に低いのをみてア ルブミン乳はカゼイン乳より有効に血漿蛋白合成に利 用されるのではないかと推論している,著者の成績で は牛乳蛋白3g群の血清尿素窒素値と人乳群のそれ とがほぼ一致したが血清蛋白量は人乳児よりも明らか に低い.なお著者の使用した粉乳はアルブミン:カゼ

インー1:5である.

 高蛋白栄養児の血清尿素窒素値が高値を示すことは

知られている3)25)69)70).

 Addisら71)はRatに熱量の6〜43%を蛋白とし て与え屍体の窒素含量はほとんど一定であるが高蛋白 のものほど腎および肝が肥大しその窒素含量が多いこ とをみている.彼らはこれを高蛋白負荷による作業性 肥大と考えている.

 Fielerら72)は豚新生児に種々の蛋白量を与えてや

(12)

く2ヵ月間飼育し,各臓器の重量を測定したところ蛋 白摂取量が多いものほど賢,肝,脾の重量が大きいこ とをみている。入体においてかかる証明はまだなされ ていない.

 要するに血清尿素窒素値からみると3〜4g/kgが 適当と思われる.

 未熟児の至適牛乳蛋白摂取量を求めるため144名に ついて生下時体重により群工(1,0G1〜1,500),群皿

(1,501〜2,000g),および群巫(2,001〜2,500g)に わけ,さらに哺乳させた乳汁の蛋白量のちがいにより

5i群に細分した.摂取蛋白量は2,3,4,5および 6g/kg/日で摂取熱量は125 Ca1/kg/日,摂取水分量 は170m1/kg/日と一定量哺乳させた.実験期間は2 g/kg群は10日間であったが他は体重が3kg前後に なるまで.のやく1カ月間であった.判定は一般状態と くに遅発浮腫,体重増加量/日,血色素量,血清蛋白 量および血清尿素窒素値によった.

 1)腹部膨満,大便の回数,大便のpH,むつき皮 膚炎の頻度は3および4g/kg群は異常がない.

 2)遅発浮腫の頻度は生下時体重により有意の差が あり群1および五は皿より高い.また3と6g/kg群 は他の群より有意に高い.遅発浮腫と血色素量,血清 総蛋白量および分画とは有意の関係はない.

 3)感染率と死亡率は摂取蛋白:量による統計的有意 差を検するには里数が少なすぎる.

 4) 体重増加量/日は遅発浮腫例をのぞいて検討し たが全群とも胎児の体重増加量/日より高い.

 5)血色素量は生後20日ζ30日では4および5g/

kg群は3および6g/kg群より有意に高いがそれ以 後は有意差はなくなる.

 6)血清総蛋白量は生後20日〜50日で5および6g

/kg群1は 3 g/kg群よ.り高い.

 7)血清尿素窒素値は志下時体重による相違はみら れないが摂取蛋白量により明らかに有意差があり入乳 児ξ珪干してを一9傘g群は低く,3g/kg群は一致す

るが,.4,5および6g/kg群は高い.

 以上の成績からみると摂取蛋白量4g/kg/日が未熟 児栄養にもっとも適しているように思われる.

 欄筆にあたり御指導御校閲を賜った恩師佐川教授,谷口講師に  厚く感謝します.また御援助を賜った福井赤十字病院柳院長,富  沢博士,田中博士ならびに御協力いただいた研究室諸兄姉,未熟  児センター看護婦諸姉に感謝します.なお本研究には森永奉仕会  の奨励金の補助をうけた.記して謝意を表する.(佐川)

1)Crosse, V・M., Hickmans, E. M., H:owarth,

B.E.&Aubrey,J.: Arch. Dis. Childh.,29,

178(1954). 2)Gordo又1, H. H.,Levine, S. Z.,&

M:cNamara, Hち: Amer. J. Dis. Child.,73,442

(1947).3)Ro毛he−myer, A.=Acta paediatr.,

38,551(1949). 4)Young, W. F., Poyner wa11, P・,Humphreys, H. C., Fi:nch, E.&

Broadbenち1.: Arch. Dis. Childh.,25,31

(1950).    5)Barness,1、. A., Cornely,1),

A。,Valyasevi, A.&Gyorgy, P.

J.Dis. Child.,94,480(1957).

Fomon, S. J. & ]May, C. D. 3 Dis. Child.,94,479(1957).

: Amer.

   6)

Amer. J.

   7)

Snydermaη, S. E., Boyer, A., Koguti,!耀.

&Holt, L. E.: Amer. J. Dis. Child.,96,

631(1958).   8)Holt,る.:E., Gyorgy, P.,

Pratち:E., Snydermau, S.:E。&wallace, W.

脳.: Proteill and Amino Acid Repuirements in Early:Life, New York Univ. Press,22

(1960).      9) Snyderma皿, S. E..]Boyer,

A.,&Holちし. E.: National Academy of Sciences,843, National Reserch Counci1,331

(1961),    10)井上賢太郎3小診療,27,

ユ70 (1964).       11) 1)avidsOP, M:., Bauer,

C.H.,1)ann, M.&Levine, S. Ll.3 Amer.

J.Dis. child.,102,731(1961).      12)

Har皿&ck, G. V.: Mschr. Kinderhk.111,

389(1963),    13)佐藤保= 日晒会誌.69,

33(1965).   14)Pra亡t, E. L., Snyderman,

S.E.= Pediatrics,11,65(1953).

15)Calcagno, P. L.&Rub量n, M[.1.3 Pedia・

trics,13,193(1954).    16)佐々木哲丸・

吉田 亮・山本洋三・西宮芳之助・石井誠一・石神 一良・布川武男・関谷晴子・吉松彰3 日小会誌,

64,1358(1960).    17)高津忠夫3小診 療,23,1228(1960).    18)小林茂三郎:

臨検,2,75(1958).     19)小林茂三郎・

村非京子3臨検,2,139(1958).    20)

小林茂三郎・村井京子:臨検,2,203(1958).

21)関根隆光・笹川泰治・森田茂広・木村徳次・

倉富一興3生化学領域における光電比色法各論,

2,化学の領域増刊,34,59頁,東京,南江堂,19 60.  22)Tudvad, E, Anderso皿, A. B.

&]Marner, L L ; Acta Paediatr.,46,329

参照

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