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による南極の氷河・氷床研究 ワ ー ク シ ョ ッ プ 報 告

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Academic year: 2021

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(1)

ーシンポジウム/会合報告一

S y m p o s i u m / M e e t i n g  R e p o r t  

ERS‑1 / J E R S ‑ 1  SARによる南極の氷河・氷床研究

ワ ー ク シ ョ ッ プ 報 告

平沢尚彦)•高橋 晃2• 渡辺興亜 I•佐 藤 夏 雄l

R e p o r t  on Workshop " S t u d y  o f  t h e  A n t a r c t i c  I c e  S h e e t  and G l a c i e r   U s i n g  ERS‑1/JERS‑l SAR Data" 

Naohiko HIRASAWA1, A k i r a  TAKAHASHI2, O k i t s u g u  WATANABE'and Natsuo SAT01  A b s t r a c t :   The main p u r p o s e  o f  t h e  workshop i s   t o  d i s c u s s  r e c e n t  r e s u l t s  o f   A n t a r c t i c  r e s e a r c h  u s i n g  SAR d a t a .   I t   was h e l d  on F e b r u a r y  6 ,   1 9 9 6  a t   t h e   N a t i o n a l  I n s t i t u t e  o f  P o l a r  R e s e a r c h  (NIPR), t h e  number o f  p a r t i c i p a n t s  b e i n g   a b o u t  3 0 .   The c o n t e n t s  o f  t h e  workshop a r e  d e m o n s t r a t i o n  o f  v a r i o u s  SAR  i m a g e s ,   c o m p a r i s o n  w i t h  p i c t u r e s  from an a i r p l a n e  and v i s i b l e  i m a g e s ,  c o m p a r i s o n  w i t h   o b s e r v a t i o n a l   d a t a  on i c e   c o n d i t i o n s  and d e m o n s t r a t i o n  o f  p r o b l e m s  i n   i n t e r ‑ f e r o m e t r y .  

要旨:本研究小集会の目的は

SAR

データを使った南極氷床・氷河に関する最近 の研究成果,及び今後の研究計画について議論することである.本会は

1 9 9 6

2

6

日,極地研究所講義室において行われ,出席者は約

3 0

名であった.

SAR

画像に見 られる様々な模様にについての紹介,飛行機観測や可視画像との比較,現地氷状観 測との比較,インターフェロメトリの今後の課題などが議論された.

1 .  

はじめに

2 5 5  

「極域リモートセンシングデータの解析とアルゴリズム」に関する研究小集会(情報科学セ ンター主催)として,標記ワークショップ(コンビナー:渡辺興亜(研究代表者:

ERS‑1

に よる南極氷河氷床の研究))が国立極地研究所の講義室で

1996

2

6

日に行われた.参加 者総数は約

30

名であった.目的,プログラムを以下に示す.

目的

南極昭和基地で地球観測衛星

ERS‑1,JERS‑1

SAR

(合成開ロレーダー)データの受信が 始まって4年が経過し, データの蓄積量も増えてきている. ここでは,

ERS‑1,  JERS‑1

SAR

データを応用した南極の氷河氷床の研究の今までの成果をまとめると共に,今後の研 究テーマと研究の進め方に関連しての議論を行うことを目的とする.その中で提案された課

1

国立極地研究所.

N a t i o n a l  I n s t i t u t e  o f  P o l a r  R e s e a r c h ,  9 ‑ 1 0 ,  Kaga 1 ‑ c h o m e ,  l t a b a s h i k ‑ k u ,  Tokyo 1 7 3 .  

2通信総合研究所.

C o m m u n i c a t i o n s  R e s e a r c h  L a b o r a t o r y ,  M i n i s t r y  o f  P o s t s  a n d  T e l e c o m m u n i c a t i o n s ,   Nukui K i t a ‑ m a c h i  4 ‑ c h o m e ,  K o g a n e i ‑ s h i ,  Tokyo 1 8 4 .  

南極資料,

V o l .4 0 ,  N o .  2 ,   2 5 5 ‑ 2 5 8 ,  1 9 9 6  

Nankyoku S h i r y o ,  V o l .  4 0 ,  N o .  2 ,   2 5 5 ‑ 2 5 8 ,  1 9 9 6  

(2)

256 

平沢尚彦・高橋 晃・渡辺腿亜・佐藤夏雄

題によっては共同研究または重点課題として,現地観測を含めた今後の研究活動の体制作り を検討する.

プログラム 開会あいさつ

1 .  

海氷ー氷床内陸部のモザイク画像

渡辺輿亜(極地研)

高橋晃(通総研)

古川晶雄(極地研)

2 .  

トラバースルートに沿った積雪粒子と誘電率測定結果

白岩孝行(北大・低温研)

3 .  

マイクロ波と雪氷表層との相互作用 瀬古勝基(名大・大気水研)

4 .  

昭和基地周辺海域の海氷の

SAR,MESSR

画像と飛行機観測

渡辺研太郎(極地研)

5 .  

SAR による氷河•海氷の研究(サロマ湖での観測)若林裕之(宇宙開発事業団)

6 .   SAR

画像からみる山脈周辺のクレバスと地形 横山宏太郎(北陸農試)

7 .   I n t e r f e r o m e t r y

の技術的課題と氷河氷床研究 木村宏(岐阜大・エ)

8 .  

データの処理状況と

SAR

データ受信について 平沢尚彦(極地研)

9 .  

研究課題の提案 高橋修平,榎本浩之(北見工大)

( 1 )   P a s s i v e ,   a c t i v e  ( v i s i b l e ,  microwave)によるデータの比較

( 2 )

偏波,角度依存性,周波数依存性

( 3 )

海氷の

t e x t u r e

( 4 )

氷床質量収支

( 5 )

海氷ー氷河氷床との相互作用

( 6 )

氷縁のモニタリング(氷縁の変動,氷山の分離過程など)

1 0 .   ERS‑1による南極氷河氷床の研究のまとめとレポート作成について,

5

期南極氷床変動研究計画における衛星雪氷研究計画について

西尾文彦(北教大釧路)

2 .  

会議の概要

海氷

渡辺

( N o .4 )

は夏季の昭和基地周辺の海氷分布について

JERSl/SAR,MOSlb/MESSR, 

空機観測による写真

(SAR

受信と同日の撮影)のデータを比較し,多年氷,

1

年氷の区別や 海氷の割れ目の所在などを示した.解析結果は初期的なものであったが,昭和基地周辺の海 氷について上記三つのデータを比較した研究はこれまでになく,今後の結果に期待したい.

若林

( N o .5 )はサロマ湖の湖氷について,氷厚,積雪深,湖水の塩分濃度,氷表面の粗度

(3)

E R S ‑ 1 / J E R S ‑ l  SAR

による南極の氷河・氷床研究ワークショップ報告

2 5 7  

の観測を併せて行い,特に,

JERSl

及び

ERSl

の後方散乱と氷厚は負の相関があることが分 かった.散乱モデルを使って評価した結果,

SAR

データが氷表面での散乱を見ていることを 示唆した.

SAR

データから海氷の厚さに関する情報を取り出せ得ることは非常に興味深い

ことであった.

氷 床

高 橋 古 川

( N o .1 )

は南極域におけるいくつかの興味深い解析結果をまとめて紹介した.

その中で,沿岸域から内陸に至る長いパスに沿って,後方散乱の分布の特徴が変わっていく のが興味深かった.沿岸域では,グリーンランドで指摘されているように,強い後方散乱帯 からほとんど散乱のない領域に急激に変わる.次に,ある程度内陸に人ると,強い散乱帯と 弱い散乱帯とが交互に現れる縞状の模様が見られた. この模様は交互に分布する光沢雪面と サスツルギ帯を反映しているのではないかと考察された.

瀬古

( N o .3 )

は可視波長データ,

SAR

データ(マイクロ波),ラジオ波データの相互比較を 行いながら,

SAR

データの最も有効な領域が内陸域であると指摘された.

横山

( N o .6 )

SAR

画像に見い出されたいくつかの特徴に関して,航空機による現地調 杏の結果を紹介した.一つは,内陸の後方散乱の全般に弱い領域に所々に見られる斑点状の 散乱の強い領域の調査である.一つ分かっていたのは,その中の一つにボツヌーテンが対応 していることである.飛行機観測の結果,氷床表面に数

km

程度の規模の氷瀑が確認された.

これにより, この領域の基盤地形に独立峰(頂が氷床表面から浅いところまで達する)のよ うな局所的な変化があり,氷床の流動に大きく影響を与えているのではないかと議論され

もう一つの目的は, クレバスではないかと考えられていたテーレン氷河上部の数本の白い

(後方散乱の強い)線である.クレバスにしては長すぎる(約

10km)

とも言われている.今 回(第

3 5

次観測隊;

1 9 9 4 . 2 ‑ 1 9 9 5 . 1 )

の飛行機観測ではクレバス,その他の明らかに

SAR

像に残ると考えられる構造は見つけられなかった.

白岩

(No.2 )

は積雪粒子と誘電率について沿岸部からドームふじ観測拠点に至るルートに 沿って

3 0

地点以上に及ふ調査結果を紹介した.その特徴に基づいて,沿岸〜標高

2000m

点,標高

2000m

地点〜標高

3500m

地点,標高

3500m

地点以上の三つの領域に分類すること が出来た. 議論の中で, 誘電率の分布を

SAR

データに対するグランドトゥルースデータの 一つとして使う案が上った.

木村

( N o . 7 )は茅氷河の末端付近を材料にインターフェロメトリ技術の確立を目指してい

る.今後解決が必要な技術的課題として,衛星の軌道パラメータの決定,地形情報,水平変 位と垂匝変位の分離,複数解の存在が上げられた. しかし, これらの課題はインターフェロ メトリから得ようとする結果とも菫複していると思われ,インターフェロメトリ結果の使い

(4)

2 5 8  

平沢尚彦・高橋 晃・渡辺典亜•佐藤夏雄

方に一考を要するようである.

また,南極域データに対するユーザー側からの検索の困難さが指摘された.

その他

平沢

(No.8 )

は昭和基地での

SAR

データ受信状況と国立極地研究所におけるデータ処理 体制について報告した.

3 .  

おわりに

国立極地研究所では,昭和基地で受信された衛星データの解析を発展させる目的で,毎年,

中心課題を変えながら研究小集会を開催して来ている.過去の研究小集会の報告は,神沢

( 1 9 9 3 ) ,  

平沢ら

( 1 9 9 4 ,1 9 9 5 )にまとめられている.衛星データ解析のアルゴリズムの確立,

解析結果の解釈の妥当性は長い時間をかけて徐々に作り上げられていくものなので,今後も 集会を続けていくことは有意義であろう. なお, 本集会の発表者の使用した

OHP

のコピー 集が作られている.

文 献

神沢

( 1 9 9 3 ) :衛星と地上・無人観測比較による極域大気・雪氷圏解析に関する研究小集会報告.南

極資料,

3 7 ,1 9 6 ‑ 2 0 4 .  

平沢尚彦・山内 恭•江尻全機

( 1 9 9 4 ) :

「多目的衛星データ受信システム利用」「衛星と地上観測比較に よる極域気水圏解析」に関する研究小集会報告.南極資料,

3 8 ,3 2 2 ‑3 2 8 .  

平沢尚彦・山内 恭•江尻全機

( 1 9 9 5 ) :

「極域気水圏リモートセンシングデータ利用」に関する研究小 集会報告.南極資料,

3 9 ,1 9 8 ‑ 2 0 4 .  

( 1 9 9 6

4

1 8日受付; 1 9 9 6

6

6日改訂稿受理)

参照

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