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つまり、回答者は程度 の差があるが、全員月経痛を有する

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Academic year: 2021

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  H29年度  厚生労働行政推進調査事業費補助金(慢性の痛み政策研究事業) 

慢性の痛み診療・教育の基盤となるシステム構築に関する研究  分担研究報告書 

 

不公平感の強さと月経痛の重症度との関連についての観察研究   

研究分担者  井関  雅子  順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座  教授   

研究要旨 

  月経痛は生産年齢にある女性の生活の質を低下させ、社会生活の妨げになる原因のひとつで ある。月経痛は子宮内膜症など器質的疾患を伴う場合もあるが、婦人科的な器質的異常を伴わ ない機能的な月経困難症を原因とするケースもあり、そのようなケースでは特に、消炎鎮痛剤 などにも抵抗性で治療に難渋することも多い。そのような月経痛は広義の慢性痛であるといえ るため、従来から慢性痛との関連が指摘されている心理社会的要因のひとつである不公平感の 強さと関連がある可能性が高い。そこで、インターネット調査を用いて 120 名の研究対象者に ついて、不公平感の強さと月経痛の重症度との関連を調査したところ、両者に関連があること が示唆された。 

 

A.研究目的 

月経痛は生産年齢にある女性の生活の質を 低下させ、社会生活の妨げになる原因のひと つであることから、月経痛による女性の生活 の質の低下を軽減することは、女性の活躍を 考慮するうえで大変重要な課題である。 

また、医療機関を受診した患者が不公平感 の強さを伴う場合は、医療面接上の技術を要 し、また、慢性痛治療に際して専門家による 向精神病薬の併用や、薬物療法だけでなく心 理療法や運動療法の適応を十分に考える必要 があるといわれている。不公平感の強さと月 経痛の重症度との関連を明らかにし、 今後、

月経痛患者における不公平感を標的とした治 療的介入の必要性を検討するのが本研究の目 的である。 

 

B.研究方法 

民間のネット調査会社に登録されたモニタ ーからランダムに抽出された 544 名の女性よ り、20 歳〜45 歳の3か月間妊娠しておらず、

なおかつ月経痛を伴う月経があり、回答日現 在は月経中ではない条件を満たす者をランダ ムに 130 名抽出した。つまり、回答者は程度 の差があるが、全員月経痛を有する。彼等は インターネット上で患者背景や月経痛、痛み に関連するといわれる心理社会因子に関する 質問票に回答しており、空欄があると回答を 

 

進められないため、欠損値はない。そして、

交絡因子を除くためにホルモン剤の使用をし ていた10名を除外した120名を今回の研究対 象としている。 

なお、説明変数とした不公平感の定量には、

心理尺度のひとつである慢性疾患用不公平感 尺度(IEQ‑chr; Injustice Experience  Questionnaire‑chronic)を用い、目的変数で ある月経痛の重症度として、月経痛の強さ(最 大と平均)を NRS(Numerical Rating Scale)、

月経痛による生活障害を簡易痛みの調査票

(BPI;Brief Pain Inventory)にて定量し、

重回帰分析を実施した。調整変数として、年 齢、body mass index(BMI)、月経不順の有無、

子宮内膜症の有無を用いた。 

(倫理面への配慮) 

本研究は順天堂大学医学部の倫理審査で承 認を受けており、回答者は回答前にインフォ ームドコンセントの文章を読み、同意したも ののみが回答している。また、調査は匿名で 実施されている。 

 

C.研究結果 

不公平感は月経痛の強さ(最大と平均)及 び月経痛による生活障害のいずれとも関連が ある可能性が示唆された。 

   

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37 D.考察 

心理社会的因子のひとつである不公平感が 月経痛の重症度と関連がある可能性があった。

この結果は新規性があり、月経痛の重症度に 寄与する心理社会的因子について、新たなエ ビデンスを付与した。 

月経痛は子宮内膜症など器質的疾患を伴う こともあり、そのような場合は手術療法が実 施されることもある。薬物療法として消炎鎮 痛剤以外にホルモン剤の投与が考慮されるが、

婦人科的な器質的異常を伴わない機能的な月 経困難症を原因とするケースもあり、そのよ うな場合は特に、薬物治療に難渋することも 多い。また、国際疼痛学会による慢性痛の定 義は3か月以上持続または頻発する痛みであ り、周期的に訪れる月経に伴う痛みはこの定 義から外れるものの、3か月以上に渡り、月 経の都度発症する月経痛(cyclical pain)に ついては、慢性痛のサブタイプであると考え られる。 

  将来的に重度の月経困難症患者の有する不 公平感を標的にした治療についても研究が検 討されるべきである。 

 

E.結論 

不公平感は月経痛の重症度と関連があるこ とがわかった。重度の月経困難症患者の有す る不公平感に着目した治療が期待されうる。 

 

F.健康危険情報 

総括研究報告書にまとめて記載。 

 

G.研究発表    1.論文発表 

1) 投稿準備中  2.学会発表 

1) 山田恵子, 安達友紀, 久保田康彦  武田卓, 井関雅子. 第 17 回国際疼痛 学会にて発表予定 

 

H.知的財産権の出願・登録状況(予定を含 む。) 

1.特許取得  なし 

2.実用新案登録  なし 

3.その他  なし   

参照

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