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林業後進地域の森林組合における施業集約化推進要因

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2020年27

林業後進地域の森林組合における施業集約化推進要因

―群馬県を事例として―

環境資源学専攻 森林・緑地管理学講座 森林政策学 割田 翔太

1.背景と目的

施業集約化(以下集約化)は,隣接する複数の所有者の森林を取りまとめて,生産ロットの拡大,

施業の効率化を図り,効率的な素材生産と森林整備を目指すものである。素材生産が低調であった 群馬県では,行政の主導によって地域材加工・流通施設の整備を行い,これを契機として素材生産 事業を拡大させる森林組合が現れた。これらの組合は集約化によって素材生産を活発化させたが,

集約化がどのような形で進められてきたのか明らかにされていない。そこで本研究では,県全体に おける加工・流通体制の整備をきっかけに,森林組合においてどのように施業集約化が進められた のかを明らかにする。そして,素材生産が後進的な地域において,集約化を推進する要因を把握す るとともに,後進的な地域に残された課題を検討する。

2.方法

本研究では,森林組合の集約化事業担当職員(以下事業担当職員)の聞き取りを中心とし,あわ せて組合幹部,群馬県庁,群馬県森林組合連合会(以下県森連)に聞き取り調査を実施した。

3.結果と考察

集約化の推進要因として,今回の調査結果を総合すると次の

4

点となる。第一に,組合幹部,事 業担当職員,現場作業員の合意形成を図ることである。集約化には,組合幹部による事務量の増大 や林業機械への投資や人材確保など,多くの経営判断が求められる。組合幹部が集約化推進に向け た経営判断を行い,組合全体で集約化に取り組むことで,事業担当職員が負担の大きい自らの業務 に集中して取り組める体制が整備されていることが推進要因となっていた。これには,組合内での コミュニケーションが十分に取れていることが重要であった。第二に,組合に即した施業マニュア ルの活用である。作業工程管理やコスト分析等を行う施業マニュアルを組合内で共有することで,

それぞれの役割分担の見直し,職員,現場作業員の意識向上や集約化以外の事業を担当している職 員が専門的能力を取得する契機となっていた。このマニュアル作成では,組合によって地域林業に 精通する組合幹部主導によるものと県行政・県森連の支援を受けたものの違いが見られた。第三に,

積極的な施業提案による所有者との信頼関係の構築である。組合は,経営意欲の低い所有者に対し,

森林整備や木材を販売した収益等具体的な利益が分かるように積極的な施業提案を行っていた。第 四に,外部からの支援である。施業マニュアル作成に向けて,県行政や県森連からの密接なサポー トが行われていた。

以上の個々の要因だけでなく,複数の要因による相乗効果により,推進要因がさらに強く働くと

考える。依然として集約化が進んでいない組合では,集約化を行うための組合内での合意形成に課

題があると考える。これには,外部から施業マニュアルの作成支援を行い,これを通じて,組合全

体での集約化に向けた協働体制構築を促すことが有効であると考える。

参照

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