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農村地域の情報化を推進する農業情報ネットワークシステム

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Academic year: 2021

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新時代の=-ズにこたえる農業システム

農村地域の情報化を推進する

農業情報ネットワークシステム

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原子吸光装置 ㍑昭一榊二杜 コご=才一ー 青首大根 ∫耶′ てニ:でr 一 ′・〟・,妄′  ̄仙叩軒㌻ ̄ヤ∨一■′々二 ±■ 三浦農業情報センター内の研修室 三浦市農業協同組合の情報センター 三浦市農業協同組合と日立製作所が構築した三浦農業情報システムでは,情報センターを核として各種情報の収集,編集・加工,および提供 を行うことができる。 農業の担い手不足やウルグアイラウンド農業合意によ る国際化など,農業・農村を取り巻く環境が変化してき ている。このような状況に対して農林水産省は,1995年 に「地域農業基盤確立農業構造改善促進対策+を打ち出 して,農村地域での情報基盤施設整備を実施し,高度情 報化を推進している。 日立製作所は,このような状況に対応するため,農業 情報ネットワークシステムの開発を行っている。農業情 報ネットワークシステムは,農家,農業協同組合,およ び外部情報機関からの情報をネットワーク回線を使用し て収集,編集,加工することにより,各種情報を農家に 提供したり,プ阻合内で分析を行って農業協同組合や農家 の経常戦略に役立てたりすることができる。 日立製作所が構築を行っている農業情報ネットワーク システムの具体例として,神奈川児三浦市農業協同組合 での事例を紹介する。 13

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254 日立評論 Vol.80No.3(1998づ) l.はじめに 近年,過疎化・高齢化などによる農業の中核的担い手 不足,農業自由化に伴う農家経営のあり方など,農業の 取り組むべき課題が出てきている。 このような現状の中で,農業・農村の「情報化+が提 唱されている。農林水産省でも「農村総合整備事業+と 称して,CATV(Cable Television)施設などを核とした 高速,大容量,および双方向の通信を可能とする情報基 盤を整備し,幅広い情報交流による営農技術の向上や農 業・農村の振興を図っている。 ここでは,日立製作所が取り組んできた農業の情報化 の成果として,神奈川県三浦市の農業情報センターに設 置するデータベースサーバと,農家約800世帯に導入する パソコンを有線放送設備を利用して接続する農業情報ネ ットワークシステム「三浦農業情報システム+の概要に ついて述べる。

2.地域有線情報システム

2.1システムの概要 このシステムは,三浦市内の農家(792世帯)相互間や, 集出荷所(17か所)・農業協同デ阻合(以下,農協と言う)の 有線放送電話端末 スピーカ 演業情朝システム 農業情朝 検索シ子羊与 (恵衰) 気象 ロボット ルータ 光端居装置 光ケーブル (50Mビット/s) 交換機 金田局 農業情報システム LAN

〔驚〕

ルータ 支店(10か所)・農協本店・市役所などの各施設と,三浦 農業情報センター間の通信手段として利用される。電話 機による相互通話,スピーカ・放送設備による各種放送, パソコンによるデータ通信などを行う「三浦市農業協同 組合の自営綱回線(有線放送電話網)+による情報通信ネ ットワークシステムである。 2.2 システム構成と特徴 地域有線情報システムの構成を匡‖に示す。農家,農 協本支店,集出荷所などは,システム構成時の経済性, 作業性,および運用後の保守性を考慮し,金田局,三崎 局,本局の三交換局に分けて収容し,ディジタル交換機・ 光端局装置によって局間を光ファイバケーブルで中継す る方式をとっている。 農家,農協本支店,および集出荷所には,通話用の電 話機・各種放送受信用のスピーカ,データ通信用のパソ コン端末を設置し,1回線1加入方式で各交換局の交換 機・光端局装置に収容している。 各交換局の機器としては,金田局・三崎局にはディジ タル交換機(約400回線相当)・光端局装置(52Mビット/ s)・電源装置・耐雷変圧器を,本局にはディジタル交換 機(約500回線相当)・光端局装置(52Mビット/s)と定時 (自動)や緊急の放送を行う各種放送設備・交流無停電装 光親局装出直 光ケーブル (50Mビット/s) 気象 ロボット 交換機 500回線 通信放送 設備 気象 ロボット用 サーバ 光端局装血直 交換機 【皿線 <U O 4 有線放送電話端末 スピーカ (農家) 農業情報システム‡ 農業情報 検索システム 薗 三崎局 有線放送電話端末 スピーカ (農家)「▲ 通信制御用 運用管理用 (三浦農業情報センター) サーバ (研修室) 本 局 外書馴音報用 圏 農業情報 検索システム 圏

〔重器票

日本電信電話 株式会社 加入電話網 気象 ロボット :農業情報システム 神奈川県農業農村議性化推進機構 (神奈川県ASISネットワーク) 野菜供給安定基金 VINAS 農業資源情報提供会社 製造メーカー 神奈川県 注:略語説明 ASIS(AgriculturalStrategylntormationSystem;農業農村戦略情報システム) VINAS(VegetablelnformationNetworkAdvancedSystem;野菜情報総合ネットワークシステム) 図1 地域有線情報システムの構想 農象,農協,および情報センターなどをネットワーク接続することにより,情報の有効利用を図ることができる。 14

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農村地域の情報化を推進する農業情報ネットワークシステム 255 置・耐雷変圧器をそれぞれ設置し,情報センター内にはLAN 設備を構築している。ディジタル交換機・光端局装置は, 情報センター内のLANと接続し,農家,農協本■支店,集 出荷所などのパソコンとデータ通信を可能としている。 また,各局には気象ロボットが1台(合計3台)設置され, 市内の気象データが光端局装置を経由しで情報センター に取り込まれるようになっている。 このシステムにより,電話機による相互通話,ダイヤ ル操作による音声情報検索,地区別放送,緊急放送など の各種放送サービス,またパソコンデータ通信による各 種農業情報などの検索サービスが可能となる。

3.農業情報システム

三浦農業情報システムは,統合型農業情報システムと して,基幹業務を含む14のサブシステムで構成している。 その内訳は,栽培管理,十壌診断,気象情報,農業資 源情報,青果物生産販売,市況流通情報,年産資材情報, 農業簿記,地域情報,農家台帳,野帳台帳,地区‖盲報, 農作業日誌,および病害虫診断である。 各農家は,最新の情報を前述の「地域有線情報システ ム+を介して三浦農業情報センターから取得できる。 3.1情報提供サービス 三浦農業情報センターから提供される情報は,作物の 出荷計画や作付け計画に役立てることができる。 提供される情報は次のとおりである。 (1)気象観測ロボットなどから得た気象情報 (2)市場での卸売り数量や価格動向などの市況情報 (3)作物の品種,栽培法,病害虫・雑草の予防・防除方 ファイノ略 榊ダ l野 確三革 2月 脚 符丁晦〉 田1SL凹_) 喝(1コム・ ■七(Tl二正) . ポし〃b上- l. 誘こ〈m、 +呈、ぞ∫エ〉 l 土(Sさt〉 Ⅶ(】汐 l三 払 4

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l l 弓 図2 気象情報システムの天気カレンダーの画面例 神奈川県漁業気象協会から入手した三浦地方の過去の天気を表 示する。 法などの栽培技術情報 (4)土壌分析結果を基にした処方せんや施肥設計書など の土壌改良指針情報 情報提供サービスの一例として,神奈川娯漁業気象協 会から入手した天気情報を表示する耐面を図2に示す。 3.2 情報の双方向活用 農協から農家へ情報を提供することだけではなく,農 家から農協へ情報を送信したり,さらに農協が農家から の情報を収集,編集,加工した後に,農家へ再度提供し たりして,情報の双方向活用を行うことができる。 具体的な機能は次のとおりである。 (1)農家から提示するデータに基づき,農協で処方デー タを作成し,農家に返送する。そのデータを基に,農家 はデータの変更や参照,処方のシミュレーションを行う。 (2)農家から頻繁に発生する問い合わせをまとめ,ネッ トワークに掲示根という形で掲載し,農家に提供する。 (3)地映】上に病害虫発生,農薬散布などの状況を表示する。 農協,農家,および三浦農業情報センターの情報の流 れを図3に示す。 3.3 農家経営支援 パソコンを使用することにより,農家の経営管理や各種 事務処理に費やす時間の軽減と迅速化を図ることができる。 具体的な機能は次のとおりである。 (1)野菜などの出荷予約申し込み (2)生産資材の購入予約申し込み,予約状況の確認 (3)農協を通じて行った出荷・購入についての取り引き

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情報の収集 集出荷所 情報の編集・加工 三浦農業情報センター 情報の相互提供 農家

図3 情報の流れ 農協本店・支店,集出荷所,気象ロボット,農象 および三浦農 業情報センターで,双方向の情報提供を行うことができる。 15

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256 日立評論 Vol.80No.3(1998-3) ツ だ い 潤筆瑚軒拡… 作物名称:カンキツ

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キャベツ

カボチャ

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カンキツ 病名楷定

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トゥガン 使い方 (a)メニュー画面 図4 病書虫診断システムのメニュー画面(a)と詳細表示画面(b) 病害虫の情報を,静止画・文字情報・音声で説明する。 の自動記帳(複式簿記) (4)各種精算結果を農業簿記に反映させることによる税 務上の確定申告処理の軽減 3.4 マルチメディア対応 栽培管理システムの一部分を構成する病害虫診断シス テムは,各農家へ配布するCD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)に記録された画像・音声・文字情 報といったマルチメディア情報と,農協から配信される 最新の情報により,作物の生育の診断や病害虫の診断デ ータを視覚的・聴覚的に提供するものである。 カラー静止画のような比較的大きなデータもネットワ ークを経由せずにCD-ROMから読取り,再任するため, 画面遷移もスムーズに行うことができる。特に,動きを 必要とするような軌画情報でも,CD-ROMに記録してあ らかじめ配布することにより,データ読み出し時間を抑 えることが可能である。 病害虫診断システムでは,1画面に静止画・文字情報, さらに音声(ナレーション)をそれぞれ関連づけして構成 しており,利用者に対して「よりわかりやすい+情事技を 提供することができる。また,画面上のアイコン化され たボタンをマウスでクリックするだけで操作できる。 病害虫診断システムのメニュー画面と詳細表示画面を 図4に示す。 4.おわりに ここでは,農業情報ネットワークシステム「三浦農業 情報システム+の概要について述べた。このシステムは, 1998年に稼動の予定である。 16 温州軍籍ホ ヽい 鼠点ホ さび果病 小農点点 症 状 発病条件/防除モ 防除基準 護 .旦必至堅垂担l (b)詳細表示画面 車重∃亘互] 農家と農協をネットワークで接続することにより,情 報を双方向で活用することが可能となり,有益な情報の 共有化を図ることが可能になるものと考える。 今後も,コンピュータ,通信,計測・分析の分野で蓄 積した技術を基に,各農業分野に適した形でのシステム の提案を行っていく考えである。 終わりに,この「三浦農業情報システム+の開発では, 三浦市農業協同組合情報部の関係各位から多大なご指導 をいただいた。ここに深く感謝の意を表する次第である。 参考文献 1)増出,外:農村における地域情報システム,目立評論,76, 3,265∼270(平6-3) 執筆者紹介

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㌦ご 淑 ㈱ 鵬

感盛三

吉川慎一 1995年日立製作所人社,公共情報事業部官公システム 本部官公システム第Pリ部 第一グループ所属 現在,農業情報システムの開発,設計に従事 E-maiI:yl〕Sikawa@・jkk.hitachi.co.jp 堀上保博 1972年l二†社製作所人社,情報通伝事業部企業過信本部 第一システム部所属(供繚システム本部兼務) 現在,公共関連情報通信のSE業務に従事 E-majl:[email protected],hitachi.co.jp 福島義雄 1984年LI立製作所人社,家電・情報メディア事業本部 マルチメディアソフトセンタ 所属 現在,マルチメディア応用システム関連業掛こ従事 技術士(電了璃肝弓)

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