この章では、公開されている
Session Initiation Protocol
(
SIP
)基準に準拠するための、
Cisco IOS SIP
ゲートウェイの使用方法または設定方法を説明します。次の機能について説明します。
• RFC 4040 ベースの
SIP
コール用クリア
チャネル
コーデック
ネゴシエーション
• SIP:
Core SIP Technology Enhancements
(
RFC 2543
および
RFC 2543-bis-04
)
• SIP:
DNS SRV RFC 2782 Compliance
(
RFC 2782
)
• SIP:
RFC 3261 Enhancements
(
RFC 3261
)
• RFC 3261、
RFC 3262
、および
RFC 3264
に対する
SIP
ゲートウェイの準拠
• SIP スタック
ポータビリティ
(注)
この機能については、次の
URL
の「Configuring SIP Message, Timer, and Response
Features」の章を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/voice/sip/configuration/guide/sip_cg-msg_tmr_rspns.h
tml
RFC 4040
ベースの
SIP
コール用クリア
チャネル
コーデック
ネゴシエーションの機能履歴
SIP
:
Core SIP Technology Enhancements
の機能履歴
リリース
変更点
15.0(1)XA
この機能は、
Cisco IOS SIP Time Division Multiplexing
(
TDM;
時分割多
重)ゲートウェイおよび
Cisco Unified Border Elements
(
Cisco UBE
)で
サポートされます。この機能をイネーブルにする方法の詳細については、
『
Cisco IOS Voice Command Reference
』
(http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/voice/command/reference/vr_bo
ok.html)の
encap clear-channel standard
および
voice-class sip encap
clear-channel コマンドの説明を参照してください。
リリース
変更点
12.2(13)T
この機能は、
SIP RFC 2543-bis-04
(後に、
RFC_3261
として発行)への準
拠を実現するために導入されました。
SIP
:
DNS SRV RFC 2782 Compliance
の機能履歴
SIP
:
RFC 3261 Enhancements
の機能履歴
RFC 3261
、
RFC 3262
、および
RFC 3264
に対する
SIP
ゲートウェイの準拠の機能履歴
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア
リリースによっては、この章に記載されている機能の一部がサポートされてい
ない場合があります。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェ
ア
リリースに対応したリリース
ノートを参照してください。
プラットフォーム
サポートと
Cisco IOS
および
Catalyst OS
ソフトウェア
イメージ
サポートに関する
情報を入手するには、
Cisco Feature Navigator
を使用します。
Cisco Feature Navigator
には、
http://www.cisco.com/go/cfn
からアクセスしてください。
Cisco.com
のアカウントは必要ありません。
この章の構成
•
「
SIP
の
RFC
準拠の前提条件」(
P.2
)
•
「
SIP
の
RFC
準拠の制約事項」(
P.3
)
•
「
SIP
の
RFC
準拠に関する情報」(
P.3
)
•
「
SIP
の
FC
準拠の設定方法」(
P.35
)
•
「
SIP
の
RFC
準拠の設定例」(
P.46
)
•
「その他の参考資料」(
P.50
)
SIP
の
RFC
準拠の前提条件
•
基本的な
VoIP
ネットワークを設定します。
• Reliable Provisional Response 機能をイネーブルにします。
(注)
信頼できる暫定応答の詳細については、次の
URL
の「
SIP Gateway Support of RSVP and
TEL URL
」の章を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_2t/12_2t11/feature/guide/vvfresrv.html
リリース
変更点
12.2(2)XB
この機能が導入されました。
12.2(8)T
この機能がこのリリースに統合されました。
リリース
変更点
12.3(4)T
この機能が導入されました。
リリース
変更点
12.3(8)T
この機能が導入されました。
SIP
の
RFC
準拠の制約事項
• RFC 3261 に記載されているとおり、次の項目はサポートされていません。
– SIP UPDATE 要求の送信。ゲートウェイが送受信できるのは、
UPDATE
要求だけです。
– IPv6 ホスト
アドレスを持つ
SIP
。
–
セキュアな
SIP
。セキュアな
SIP
は、セキュアな
Uniform Resource Identifiers
(
URI;
ユニ
フォーム
リソース識別子)です。発信側が
SIP
を使用してコールを行った場合、着信側へは
セキュアなメッセージ転送が行われます。
– Unicode Transformation Format Version 8(
UTF-8
)で符号化された、
SIP
ヘッダー内で引用
された文字列のフィールド文字
0x0 to 0x7E
。
• RFC 3264 に記載されているとおり、
0
と等しい
bandwidth (b=) SDP
アトリビュートはサポートさ
れていません。
SIP
の
RFC
準拠に関する情報
ここでは、次の内容について説明します。
•
「
SIP
の
RFC 2543
準拠」(
P.3
)
•
「
SIP
の
RFC 2782
準拠」(
P.3
)
•
「
SIP
の
RFC 3261
準拠」(
P.3
)
•
「
SIP
の
RFC 3261
、
RFC 3262
、および
RFC 3264
への準拠」(
P.32
)
SIP
の
RFC 2543
準拠
Cisco SIP
ゲートウェイは
RFC 2543
に準拠しています。ただし現在、
RFC 3261
が
RFC 2543
に取っ
て代わっています。新しい
RFC
でサポートされる項目およびサポートされない項目の詳細については、
「
SIP
の
RFC
準拠の制約事項」(
P.3
)
および
「
SIP
の
RFC 3261
準拠」(
P.3
)
を参照してください。
SIP
の
RFC 2782
準拠
Cisco VoIP
ゲートウェイの
SIP
は、
Domain Name System Server
(
DNS SRV
)クエリーを使用して、
ユーザのエンドポイントの
IP
アドレスを決定します。クエリー文字列は、
RFC 2052
で定義されてい
るとおり、「
protocol.transport
」の形式のプレフィクスを持ちます。このプレフィクスは、ネクスト
ホップ
SIP
サーバの
Fully Qualified Domain Name
(
FQDN;
完全修飾ドメイン名)に付きます。
Cisco VoIP
ゲートウェイには、別のプレフィクス形式が追加され、現在はデフォルトになっています。
この
2
番目のプレフィクス形式は
RFC 2782
で定義されたものです。この
RFC 2782
により
RFC 2052
は
2000
年
2
月に廃止されています。新しい形式は
RFC 2782
に準拠しており、「
_protocol._transport
」
のようにプロトコル
ラベルに下線「_」が追加されます。下線を追加することで、関連のない目的に同
じ名前のプロトコルが使用される危険性を軽減できます。
SIP
の
RFC 3261
準拠
廃止になった
RFC 2543
に代わる
RFC 3261
では、セッションを作成、変更、終了するための
SIP
シグナ
リング
プロトコルを定義しています。シスコによる
RFC 3261
の実装では、次をサポートしています。
• SIP UPDATE 要求の受信および処理機能
•
最初のオファーと回答の交換
• Via ヘッダーの
branch
および
sent-by
パラメータ
•
結合された要求の検出
•
ルーズ
ルーティング
RFC 3261
の利点は次のとおりです。
•
現在の
SIP
配置における
Cisco IOS
ゲートウェイの相互運用性の継続
•
新しい
SIP
製品およびアプリケーションを使用した
Cisco IOS
ゲートウェイの相互運用性の拡張
ここでは、
SIP
の基本機能に関する次の情報について説明します。
•
「
SIP
ヘッダー
フィールド、ネットワーク
コンポーネント、および方式」(
P.4
)
•
「
SIP
応答」(
P.7
)
•
「
SIP SDP
の使用方法、トランスポート
レイヤ
プロトコル、および
DNS
レコード」(
P.12
)
•
「
SIP
拡張機能」(
P.12
)
•
「
SIP
セキュリティ」(
P.13
)
•
「
SIP DTMF
リレー」(
P.14
)
•
「
SIP
ファックス
リレーおよび
T.38
」(
P.14
)
•
「
SIP
ユニフォーム
リソース
ロケータ(
URL
)の比較」(
P.16
)
•
「
487 Sent for BYE
要求」(
P.17
)
•
「
3xx
リダイレクション応答」(
P.17
)
•
「
DNS SRV
クエリー手順」(
P.17
)
•
「
CANCEL Request Route
ヘッダー」(
P.17
)
•
「ユーザ
パラメータの解釈」(
P.17
)
•
「
user=phone
パラメータ」(
P.17
)
•
「
SIP
原因コード
303
および
411
」(
P.18
)
•
「
Content-Type
ヘッダーの柔軟性」(
P.18
)
•
「
SDP
のオプションの「
s=
」行」(
P.18
)
•
「
INVITE
および
2xx
応答への
Allow
ヘッダーの追加」(
P.18
)
•
「
Cancel
および
2xx
クラス応答の同時実行」(
P.18
)
•
「
UPDATE
要求の処理」(
P.18
)
SIP
ヘッダー
フィールド、ネットワーク
コンポーネント、および方式
表
1
~
表
3
に、ヘッダー、コンポーネント、および方式を含む
RFC 3261 SIP
の機能を示します。ま
た、
Cisco SIP
ゲートウェイがサポートする特定の機能がある場合はその機能も示します。
表1
SIP
ヘッダーフィールドヘッダー フィールド
シスコ ゲートウェイによるサポートの有無
Accept
あり。
OPTIONS
応答メッセージで使用。
Accept-Encoding
なし
Accept-Language
あり
Alert-Info
なし
Allow
あり
Also
Authentication-Info
なし
Authorization
Call-ID
あり
Call-Info
なし
CC-Diversion / Diversion
あり
Contact
Content-Disposition
Content-Encoding
なし
Content-Encoding
あり
Content-Language
なし
Content-Length
あり
Content-Type
Cseq
Date
Encryption
なし
Error-Info
Event
あり
Expires
From
In-Reply-To
なし
Max-Forwards
あり
MIME-Version
Min-Expires
Min-SE
Organization
なし
Priority
Proxy-Authenticate
Proxy-Authenticate
あり
Proxy-Authorization
Proxy-Require
なし
表1
SIP
ヘッダーフィールド(続き)ヘッダー
フィールド
シスコ
ゲートウェイによるサポートの有無
Rack
あり
Reason
Record-Route
Referred-By
Referred-To
Replaces
Requested-By
Require
Response-Key
なし
Retry-After
Retry-After
あり
Route
RSeq
Server
Session-Expires
Subject
なし
Supported
あり
Timestamp
To
Unsupported
User-Agent
Via
Warning
WWW-Authenticate
なし
WWW-Authenticate
あり
表2
SIP
ネットワークコンポーネントSIP
ネットワーク
コンポー
ネント
シスコ
ゲートウェイによるサポートの有無
ユーザ
エージェント
クライ
アント(
UAC
)
あり
ユーザ
エージェント
サーバ
(
UAS
)
プロキシ
サーバ
なし
リダイレクト
サーバ
あり
レジストラ
サーバ
表1
SIP
ヘッダーフィールド(続き)ヘッダー
フィールド
シスコ
ゲートウェイによるサポートの有無
SIP
応答
Cisco SIP
ゲートウェイがサポートする、
RFC 3261
に準拠した
SIP
応答を
表
4
~
表
9
に示します。
Cisco SIP
ゲートウェイは、発信した、または終了したコールに対するキープアライブ
メッセージの使
用は開始しません。リモート
ゲートウェイがキープアライブ
メッセージを使用する場合、
SIP
ゲート
ウェイはそれに従います。
表3
SIP
方式方式
シスコ ゲートウェイによるサポートの有無
ACK
あり
BYE
CANCEL
COMET
廃止。条件に合致。
Quality of Service
(
QoS
)実装で使用され、もう
一方のエンドポイントに対して、条件が満たされているかどうか、つ
まり適切なリソースが予約されているかどうかを示します。
INVITE
あり。
SIP
ゲートウェイは、同じコール
ID
を持つが、
Session
Description Protocols
(
SDP
)セッション
パラメータの異なるミッド
コール
Invite
要求(転送アドレスを変更するため)をサポートします。
ミッドコール
INVITE
要求は、ポート番号やコーデックの変更、また
はセッションの
タイマー値の更新も行えます。
INFO
あり。
SIP
ゲートウェイは
INFO
メッセージの受け入れや生成を行えま
す。
NOTIFY
あり。
Refer
要求の実装で使用されます。
Notify
メッセージにより、
Refer
要求の発信側に転送の結果を通知できます。また
Notify
メッ
セージにより、加入者に対して、選択されたイベント(
DTMF
(
Dual
Tone MultiFrequency
)イベント、または
message waiting indication
(
MWI
)イベントなど)で発生した変更を通知できます。
OPTIONS
あり。
SIP
ゲートウェイはこの方式のみを受信します。
PRACK
あり。
Provisional Reliable Acknowledgements
(
PRACK
)をイネーブ
ルまたはディセーブルにします。
REFER
あり。
SIP
ゲートウェイは
Refer
要求に応答し、また在席コール転送お
よびブラインド
コール転送に関する
Refer
要求を生成します。
REGISTER
あり。
SIP
ゲートウェイは
SIP REGISTER
要求を送受信できます。
SUBSCRIBE
あり。
SIP
ゲートウェイは
SUBSCRIBE
要求を生成して受け入れるこ
とができます。ゲートウェイは、
DTMF
テレフォニー
イベントなど選
択したアプリケーションや
MWI
に対する
SUBSCRIBE
要求を処理し
ます。
UPDATE
あり。
SIP
ゲートウェイは、メディアの変更、ターゲットの更新、およ
び
QoS
シナリオに関する
UPDATE
を受け入れることができます。また
ゲートウェイは、
QoS
シナリオに対してのみ
UPDATE
を送信します。
表
4
1xx
応答1xx 応答
説明
100 Trying
発信側に代わってアクションが実行されていますが、着信側の場所は
まだ確認されていません。
SIP
ゲートウェイは、着信した
Invite
要求に
対してこの応答を生成します。ゲートウェイは、この応答を受け取る
とすぐに、
Invite
要求の再送信を停止して、
180 Ringing
または
200
OK
応答を待ちます。
180 Ringing
着信側の場所が確認され、コールがあることが通知されています。着
信側の場所が確認され通知が行われているとき、
SIP
ゲートウェイは
180 Ringing
応答を生成します。ゲートウェイは、この応答を受け取る
とすぐに、ローカル
リングバックを生成し、
200 OK
応答を待ちます。
181 Call is being forwarded
コールは別の宛先に再ルーティングされています。
SIP
ゲートウェイはこれらの応答を生成しません。
ゲートウェイは、この応答を受け取るとすぐに、
100 Trying
応答と同
じ処理方法でこの応答を処理します。
182 Queued
着信側は現在対応できませんが、コールを拒否するのではなく、コー
ルをキューに入れることを選択しました。
SIP
ゲートウェイはこれらの応答を生成しません。
ゲートウェイは、この応答を受け取るとすぐに、
100 Trying
応答と同
じ処理方法でこの応答を処理します。
183 Session progress
発信側に帯域内アラートを実行します。
PSTN
から適切なメディアを示した
ISDN Progress
メッセージを受け
取った場合、
SIP
ゲートウェイは
183 Session progress
応答を生成しま
す。
表
5
2xx
応答2xx
応答
説明
202 Accepted
SIP
ゲートウェイは、着信した
REFER
要求および
SUBSCRIBE
要求
に対してこの応答を送信します。また
SIP
ゲートウェイは、発信した
REFER
要求および
SUBSCRIBE
要求に対してこの応答を受け入れま
す。
200 OK
要求は正常に処理されました。実行されるアクションは要求により異
なります。
表6
3xx
応答3xx
応答
説明
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しません。ゲートウェイは、この応答を受け取るとすぐに、
Contact
ヘッダー
フィールドの新しいアドレスに連絡します。
300 Multiple Choice
アドレスは複数の場所に解決されました。すべての場所が表示され、
ユーザまたは
User Agent
(
UA;
ユーザ
エージェント)は使用する場所
を選択できます。
301 Moved permanently
指定された場所に対応可能なユーザはいません。ヘッダーに代替場所
が示されます。
302 Moved temporarily
指定された場所では、ユーザは一時的に対応できません。ヘッダーに
代替場所が示されます。
305 Use proxy
発信側はプロキシを使用して着信側に連絡する必要があります。
380 Alternative service
コールに失敗しましたが、代替サービスが使用可能です。
表7
4xx
応答4xx
応答
説明
SIP
ゲートウェイは、
4xx
応答を受け取るとすぐに、正常なコールの接続解除を開始して、コールを
クリアします。
423 Interval Too Brief
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成します。
400 Bad Request
要求の形式が不正なため、認識できませんでした。
SIP
ゲートウェイ
は、不正な形式の要求に対してこの応答を生成します。
401 Unauthorized
要求にはユーザ認証が必要です。
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成し
ません。
402 Payment required
コールを行うには支払いが必要です。
SIP
ゲートウェイはこの応答を生
成しません。
403 Forbidden
サーバは要求を受け取り、認識しましたが、サービスは提供しません。
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しません。
404 Not Found
サーバには、ユーザが指定されたドメインに存在しないという明確な
情報があります。
SIP
ゲートウェイは、着信側の場所を確認できない場
合にこの応答を生成します。
405 Method Not Allowed
要求に指定されている方式は許可されていません。応答には、許可さ
れている方式のリストが含まれています。要求に無効な方式が指定さ
れている場合、
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成します。
406 Not Acceptable
要求されたリソースは、要求の
accept
ヘッダーで受け入れ不可能と指
定されているコンテンツ特性を持つ応答だけを生成できます。
SIP
ゲー
トウェイはこの応答を生成しません。
407 Proxy authentication
required
401 Unauthorized
応答と同様。ただし、クライアントはまずプロキシ
を使用してクライアント自身を認証する必要があります。
SIP
ゲート
ウェイはこの応答を生成しません。
408 Request timeout
サーバは、
Expires
がタイムアウトになる前に応答を生成できませんで
した。
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しません。
410 Gone
リソースはサーバでは使用不可能で、既知のフォワーディング
アドレ
スはありません。
PSTN
が未割り当ての番号の原因コードを返した場
合、
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成します。
413 Request entity too large
要求がサーバによる処理が可能なサイズを超えているため、サーバは
要求の処理を拒否します。
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しませ
ん。
414 Request-URI too long
Request-URI
が長すぎてサーバが解釈できないため、サーバは要求の
処理を拒否します。
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しません。
表
6
3xx
応答(続き)3xx
応答
説明
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しません。ゲートウェイは、この応答を受け取るとすぐに、
415 Unsupported media
本文の形式が宛先のエンドポイントによってサポートされていないた
め、サーバは要求の処理を拒否します。
SIP
ゲートウェイは、サポート
されていないイベント
タイプに対して
Info
メッセージを受け取った場
合、この応答を生成します。サポートされているイベント
タイプは、
0
~
9
、
A
~
D
、
#
、および
*
です。
416 Unsupported Request
URI scheme
SIP
ゲートウェイは、
SIP
要求内にサポートされていない
URI
スキー
ム(
http:
または
sips:
など)を受け取った場合、この応答を生成しま
す。
420 Bad extension
サーバは、
Require
ヘッダーに示されたプロトコル拡張子を理解できま
せんでした。
SIP
ゲートウェイは、要求されたサービスを理解できない
場合にこの応答を生成します。
421 Extension Required
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しません。
422 Session Timer Too
Small
要求に含まれる
Session-Expires
ヘッダーにゲートウェイ
サーバの最小
タイマーを下回る期間が設定されている場合、
UAS
によって生成され
ます。
422
応答には、サーバに対する最小タイマーを備えた
Min-SE
ヘッダーが含まれていることが必要です。
480 Temporarily unavailable
着信側に連絡できましたが、一時的に使用不可能になっています。
SIP
ゲートウェイは、着信側が使用不可能な場合にこの応答を生成します。
たとえば、一定時間内に着信側が電話に応答しない、または送信先番
号が存在しないか稼動していない場合などです。
481 Call leg/transaction
does not exist
要求が、一致しないレッグ
ID
が存在する
Bye
要求、または一致するト
ランザクションが存在しない
Cancel
要求のいずれかだったため、サー
バは要求を無視しています。コール
レッグ
ID
またはトランザクション
が識別できない場合、
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成します。
482 Loop detected
サーバは、サーバ自体がパスに含まれる要求を受け取りました。
SIP
ゲートウェイは、同じ要求が異なるパスで複数回到着したことを検出
した場合(フォークによる場合が多い)、この応答を生成します。
483 Too many hops
サーバは、
Max-Forwards
ヘッダーで許可されているより多いホップ数
を求める要求を受け取りました。
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成し
ません。
484 Address incomplete
サーバは、不完全なアドレスを含む要求を受け取りました。
SIP
ゲート
ウェイはこの応答を生成しません。
485 Ambiguous
サーバは、着信側アドレスがあいまいな要求を受け取りました。可能
性のある代替アドレスが提示されます。
SIP
ゲートウェイはこの応答を
生成しません。
486 Busy here
着信側に連絡できましたが、システムは追加のコールに対応できませ
ん。
SIP
ゲートウェイは、着信側に連絡できたがビジーだった場合にこ
の応答を生成します。
487 Request cancelled
要求が
Bye
要求または
Cancel
要求により終了されました。
SIP
ゲート
ウェイは、要求に対して予期しない
Bye
または
Cancel
を受け取った場
合にこの応答を生成します。
488 Not Acceptable Media
要求を処理する際にエラーが発生したことを示します。
SIP
ゲートウェ
イは、メディア
ネゴシエーションが失敗した場合にこの応答を生成し
ます。
表
7
4xx
応答(続き)491 Request Pending
SIP
ゲートウェイは、以前要求したオファーに対する応答を受け取る前
に新しいオファーを受け取った場合、その新しいオファーを提示する
UPDATE
メッセージを拒否する際にこの応答を生成します。
493 Undecipherable
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しません。
表8
5xx
応答5xx
応答
説明
SIP
ゲートウェイは、要求を処理する妨げとなった予期しないエラーが発生した場合にこの応答を生
成します。
ゲートウェイは、この応答を受け取るとすぐに、正常なコールの接続解除を開始して、コールをクリ
アします。
500 Server internal error
サーバまたはゲートウェイは、要求を処理する妨げとなった予期しな
いエラーの発生を検出しました。
501 Not implemented
サーバまたはゲートウェイは、要求の実行に必要な機能をサポートし
ていません。
502 Bad gateway
サーバまたはゲートウェイは、ダウンストリーム
サーバから無効な応
答を受け取りました。
503 Service unavailable
サーバまたはゲートウェイは、過負荷または保守上の問題により要求
を処理できません。
504 Gateway timeout
サーバまたはゲートウェイは、別のサーバ(ロケーション
サーバなど)
から適切なタイミングで応答を受け取りませんでした。
505 Version not supported
サーバまたはゲートウェイは、要求で使用されている
SIP
プロトコル
のバージョンをサポートしていません。
513 Message too large
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しません。
580 Precondition failed
QoS
の前提条件をコールに合致させようとした際にエラーが発生しま
した。
表9
6xx
応答6xx 応答
説明
SIP
ゲートウェイはこの応答を生成しません。ゲートウェイは、この応答を受け取るとすぐに、正常
なコールの接続解除を開始して、コールをクリアします。
600 Busy everywhere
着信側に連絡できましたが、着信側はビジーで、この時点でコールに
対応できません。
603 Decline
着信側に連絡できましたが、着信側はコールへの参加できないか、参
加を希望していません。
604 Does not exist anywhere
サーバは、着信側がネットワークに存在しないという信頼できる情報
を得ています。
606 Not acceptable
着信側に連絡できましたが、セッションの説明の一部を受け入れでき
ません。
表
7
4xx
応答(続き)SIP SDP
の使用方法、トランスポート
レイヤ
プロトコル、および
DNS
レコード
表
10
~
表
12
に
RFC 3261
でサポートされる
SIP SDP
の使用方法、トランスポート
レイヤ
プロトコ
ル、および
DNS
レコードを示します。また、
Cisco SIP
ゲートウェイがサポートする特定の機能があ
る場合はその機能も示します。
SIP
拡張機能
表
13
に、サポートされる
SIP
拡張機能を示します。
表
10
RFC 3261
でサポートされるSIP Session Description Protocol
(SDP
)の使用方法SIP
ネットワーク
コンポーネン
ト
シスコ
ゲートウェイによるサポートの有無
a
(メディア
アトリビュート行) あり。
SDP
を拡張して、
SDP
を特定のアプリケーションまたはメ
ディアに合わせてカスタマイズするための主な方法
c
(接続情報)
あり。
m
(メディア名および転送アド
レス)
o
(オーナー
/
作成者およびセッ
ションの識別子)
s
(セッション名)
t
(時間の説明)
v
(プロトコル
バージョン)
表11
SIP
トランスポートレイヤプロトコルプロトコル
シスコ
ゲートウェイによるサポートの有無
マルチキャスト
UDP
なし
TCP
あり
TLS
なし
ユニキャスト
UDP
あり
表
12
SIP Domain Name System
(DNS
)レコード認証暗号化モード
シスコ
ゲートウェイによるサポートの有無
RFC 3263
タイプ
A
あり
RFC 3263
タイプ
NAPTR
なし
SIP
セキュリティ
表
14
および
表
15
に、
RFC 3261
でサポートされる
SIP
セキュリティ暗号化および応答を示します。
また、
Cisco SIP
ゲートウェイがサポートする特定の機能がある場合はその機能も示します。
表13
SIP
拡張機能SIP 拡張機能
説明
RFC 3262
:
SIP
における暫定応
答の信頼性
サポートされます。
RFC 3263
:
SIP
サーバの位置確
認
ゲートウェイは
DNS NAPTR
ルックアップをサポートしません。
DNS SRV
および
A
レコード
ルックアップはサポートしており、
複数エントリを循環するための準備ができています。
RFC 3265
:
SIP
特定イベントの
通知
ゲートウェイは
SUBSCRIBE-NOTIFY
フレームワークをサポート
します。
RFC 3311
:
SIP UPDATE
方式
ゲートウェイは、メディアの変更、ターゲットの更新、および
QoS
シナリオに関する
UPDATE
を受け入れます。またゲートウェ
イは、
QoS
シナリオに対してのみ
UPDATE
を送信します。
RFC 3312
:リソース管理と
SIP
の統合
- RFC
ミッドコール
QoS
の変更では、この
RFC
に定義されている
183-PRACK
モデルを使用しません。
RFC 3326
:
SIP
用の
Reason
Header
フィールド
ゲートウェイは、これを使用して
Q.850
原因コードをリモート
SIP
デバイスに取り次ぎます。
RFC 3515
:
SIP REFER
方式
ゲートウェイは、アウトオブダイアログの
REFER
要求を送信また
は受け入れしません。
REFER
の重複はサポートされていません。
REFER
は、コール転送シナリオのコンテキストだけ(つまり、
INVITE
がトリガーされた場合だけ)でサポートされます。ゲート
ウェイは、コール転送シナリオで必要に応じて
RFC 3892
の関連
部分(
Referred-By
)および
RFC 3891
の関連部分(
Replaces
ヘッ
ダー)をサポートします。
表14
SIP
暗号化モード暗号化モード
シスコ
ゲートウェイによるサポートの有無
エンドツーエンド暗号化
なし。
IPSEC
をセキュリティに使用できます。
ホップバイホップ暗号化
SIP
応答のプライバシー
なし。
フィールド経由暗号化
なし。
IPSEC
をセキュリティに使用できます。
表15
SIP
認証暗号化モード認証暗号化モード
シスコ
ゲートウェイによるサポートの有無
ダイジェスト認証
あり
PGP
なし
プロキシ認証
なし
SIP DTMF
リレー
Cisco SIP
ゲートウェイは、
RFC 2833
に準拠して
DTMF
リレーをサポートします。
DTMF
リレー方式
は、
Named Telephony Events
(
NTE
)の伝送および
DTMF digits over a Real-Time Transport Protocol
(
RTP;
リアルタイム
トランスポート
プロトコル)ストリームに対する
DTMF
数値に基づいています。
また
Cisco SIP
ゲートウェイは、
cisco-rtp
(シスコ固有のペイロード
タイプ)
を使用した
DTMF
トーン
の転送もサポートしています。
表
16
に
SIP DTMF
リレー方式を示します。また
Cisco SIP
ゲートウェイが特定の方式をサポートする
かどうかも示します。
SIP
ファックス
リレーおよび
T.38
表
17
に、
RFC 3261
に準拠して
Cisco SIP
ゲートウェイでサポートされるファックス
リレー
モードを
示します。また
Cisco SIP
ゲートウェイが特定の方式をサポートするかどうかも示します。
Cisco SIP
ゲートウェイは
T.38
および
T.37
ファックス
リレー、ストア、および転送メカニズムをサ
ポートします。
表
18
は、
T.38 ITU
勧告の
Annex-D
「
Procedures for Real-Time Group 3 Facsimile
Communication over IP Networks, June 1998
」に基づいています。表には、基準に含まれる勧告や、
Cisco SIP
ゲートウェイによる要件のサポートの有無を示します。
表16
RFC 3261
でサポートされるSIP DTMF
リレー方式
シスコ
ゲートウェイによるサポートの有無
RFC 2833
あり。
rtp-nte
に対するデフォルトの
RTP
ペイロード
タイプは
101
です。
DTMF
リレーのデフォルト方式は、インバンド音声です。
Cisco RTP
(シスコ独自)
あり。ただし、
Cisco AS5350
および
Cisco AS5400
を除く。
表
17
RFC 3261
でサポートされるファックスリレーモード方式
シスコ ゲートウェイによるサポートの有無
T.38
ファックス
リレー
あり
Cisco
ファックス
リレー
あり。ただし、
Cisco AS5350
および
Cisco AS5400
を除く。
表
18
T.38
ファックス要件要件
説明
必須または任
意
サポートの有無
SIPt38-01
SIP
に対する
T.38
は、
T.38 ITU
勧告の
ANNEX
D
「
Procedures for Real-Time Group 3 Facsimile
Communication over IP Networks, June 1998
」の
記載に従って実装することが必要です。
必須
あり
SIPt38-02
SIP
対応の
VoIP
ゲートウェイは、
RTP
オーディ
オ
ストリーム内で転送される、
calling
(
CNG
)
トーン、
called station identifier
(
CED
)ファッ
クス
トーン、およびプリアンブル
フラグ
シーケ
ンスを検出します。
必須
あり。ファックス
検出には
CED
V.21
プリアンブル
のみが使用され、
CNG
トーンは使
用されません。
SIPt38-03
ファックス伝送の検出は、受信側ゲートウェイが
CED
トーンを認識することによって実行されま
す。
必須
あり
SIPt38-04
CED
トーンがない場合、ファックス伝送は受信
側ゲートウェイがプリアンブル
フラグ
シーケン
スを認識することにより検出されます。
必須
あり
SIPt38-05
ファックス伝送を検出するとただちに、受信側
ゲートウェイは、
SDP
を使用して
re-INVITE
要
求を送信することにより
T.38
ファックス
モード
に対する切り替えを開始します。
必須
あり
SIPt38-06
グレアを防止するため、伝送ゲートウェイが
ファックス伝送(
CNG
トーン)を検出した場合
でも、ゲートウェイは
T.38
ファックス
モードへ
の切り替えを開始しません。
必須
あり
SIPt38-07
SIP
セッションがオーディオ機能で開始され、そ
の後ファックスに切り替わった場合、セッション
は、ファックス伝送終了時にオーディオ
モードに
戻します。
必須
あり
SIPt38-08
TCP
を介した
SIP T.38
ファックス
コールをサ
ポート。
推奨
UDP
のみ
SIPt38-09
ファクシミリ
UDP Transport Layer
(
UDPTL;
UDP
トランスポート
レイヤ)がサポートされま
す。
必須
あり
SIPt38-10
T.38
ファックス
セッションをサポートする
SDP
アトリビュートは次のとおりです。
•
登録済み
SDP
プロトコル形式、
MIME
メ
ディア
タイプ:
image/t38:
• MIME メディア
タイプ名:
image
• MIME サブタイプ名:
t38
必須
あり
SIPt38-11
T.38
セッションをサポートするアトリビュートは
次のとおりです。
• T38FaxVersion
• T38maxBitRate
• T38FaxFillBitRemoval
• T38FaxTranscodingMMR
• T38FaxTranscodingJBIG
• T38FaxRateManagement
• T38FaxMaxBuffer
• T38FaxMaxDatagram
• T38FaxUdpEC
必須
あり
SIPt38-12
T.38
をサポートする
Cisco SIP
対応のゲートウェ
イは、シスコおよび他のベンダー製のゲートウェ
イと相互運用できます。
必須
あり
表18
T.38
ファックス要件(続き)要件
説明
必須または任
意
サポートの有無
SIP
ユニフォーム
リソース
ロケータ(
URL
)の比較
Uniform Resource Locators
(
URL;
ユニフォーム
リソース
ロケータ)が受信された場合、
URL
が同じ
かどうか比較が行われます。
URL
の比較は、
2
つの
From SIP URL
または
2
つの
To SIP URL
間で実
行できます。パラメータの順序は正確に一致している必要はありません。ただし、
2
つの
URL
が同一
になるためには、ユーザ、パスワード、ホスト、およびポート
パラメータが一致することが必要です。
Cisco IOS
リリース
12.3
では、
maddr
パラメータと
transport
パラメータは、
Cisco SIP
ゲートウェイ
実装では許可されていません。現在、
user-param
パラメータは比較の対象として受け入れ可能です。
比較されるパラメータが削除されているか、または存在しない場合、デフォルト値に基づいて一致が行
われます。
表
19
に
SIP
の
URL
の比較対象となるパラメータとそのデフォルト値のリストを示します。
比較が行われていると仮定して、同一
URL
の例を次に示します。
元の
URL
:
sip:36602@172.18.193.120SIPt38-13
H.323
を介した
T.38
をサポートするゲートウェ
イとの相互運用性
任意
なし
SIPt38-14
SIP
対応のゲートウェイの設定には、
SIP T.38
固
有の設定可能な選択項目が含まれます。
必須
あり。次の項目は
設定可能です。
• bitrate
• TCP/UDP
(
UDP
のみ)
• hs および
ls
冗
長性
• ECM
SIPt38-15
ゲートウェイでの
SIP T.38
アクティビティのト
ラッキングとレポートを行うことを推奨します。
これには、
SIP T.38
ファックス
コールに対する
Call Detail Record
(
CDR;
呼詳細レコード)の作
成が含まれます。
必須
あり
SIPt38-16
RFC 3261
セキュリティ
メカニズムが適用されま
す。
SIP Invite
要求および
Bye
要求に対してメッ
セージ認証を実行できます。
任意
なし
表18
T.38
ファックス要件(続き)要件
説明
必須または任
意
サポートの有無
表19
SIP
のURL
の比較対象パラメータとデフォルト値SIP
の
URL
の比較対象パラメータ
デフォルト
User
—
Password
—
Host
必須
Port
5060
User-param
IP
同等
URL
:
sip:36602@172.18.193.120:
sip:36602@172.18.193.120;tag=499270-A62;pname=pvalue sip:36602@172.18.193.120;user=ip
sip:36602@172.18.193.120:5060