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食品添加物の安全性とその対策について

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食品添加物の安全性とその対策について

堀 籠 平 吾

(1981年10月30日受理)

1  は  じ  め  に

近来経済水準の向上と,生活形態の多様化と共に食生活の面においても変革をもたらし,保存食 品,加工食品が使用されるにつれて食品添加物の使用も増加するようになった。

食品添加は,本来食品のもつ食品的な価値を増大させるために使用されるものであるが,その趣 旨に反し乱用や不正使用等が報道され,その結果食品添加物に対する不信感となって現れるように なった。また一方,食品添加物に対する行政や研究の現状が実状にともなわない等のことから,そ の不信感はますます増加の傾向にある。然し本来食品添加物は,科学性,合理性をもつものである からその適切な使用は,私共の食生活の向上と結びつくことと考えられる。

本研究においては,これらのことをふまえて食品添加物とは何か,食品添加物の安全性に対する 配慮はどのようになされているか等について主として食品衛生法を通して探り,且つ食品添加物の 使用の実状からその安全性を検討し,その対策を考究したものである。

豆 食 品 添 加 物 と は

食品添加物とは,食品の製造,加工,貯蔵のための技術的な手段を補うためとか,栄養価を高め るために必要であるということ等のために使用されるものをいい,食品衛生法では次のように規定 されている。

食品衛生法第2条第2項に「この法律で添加物とは,食品の製造の過程において又は食品の加工 若しくは保存の目的で,食品に添加,混和,浸潤その他の方法によって使用するものをいう」。と定 義されている。ここでいう製造とは,ある食品原料に物理的,化学的,微生物学的な変化を与えて 本質的に異なった利用価値の高い食品をつくることをいい,加工とは,食品原料に物理的な変化を 与えて形態だけを変えた食品をつくることを意味している。また食品の性質や状態が時間の経過と 共に自然に悪変することを防ぐことを保存とよんでいる。

これらの製造,加工,保存の目的のために使用される物質は,天然物でも化学合成品でもまた最

終的に食品中に残存の有無にかかわらずすべて食品添加物ということになる。例えば,保存料や着

色料のように相当長い期間食品のなかに残っているもの,あるいはアミノ酸醤油をつくるために使

用された水酸化ナトリウムは最終的には取り除かれてしまうがこれも食品添加物である。然し,グ

ルタミン酸ナトリウム(呈味成分)をつくるために使用された水酸化ナトリウムは食品添加物では

ない。即ち同じ水酸化ナトリウムであっても食品製造(アミノ酸醤油製造)の過程で使用されたも

のは食品添加物であり,食品添加物製造(グルタミン酸ナトリウム製造)の際に使用されたものは食

(2)

品添加物ではないのである1)。

食品衛生法第2条第3項に,「この法律で化学的合成品とは,化学的手段により元素又は化合物に 分解反応以外の化学反応を起させてえられた物質をいう」。とある。

即ち合成反応,縮合反応,造塩反応等は,分解反応以外の化学反応であるから,これによって得 られたものは化学的合成品である2)。例えば,グルタミン酸ナトリウムはグルタミン酸に水酸化ナ

トリウムを作用させるときにできるが,この時の反応は分解反応以外の反応であるから,ここにで きたグルタミン酸ナトリウムは化学的合成品である。

また天然物と同一構造をもっている化合物でも,合成法によって製造された場合にはその化合物 は化学的合成品となる。例えば,ビタミンCについていえば,レモンから抽出されたものは天然物 で,合成法によって製造されたものは化学的合成品となる。

添加物のうち特に化学的合成品は,人工所産であるから毒性が全くないとはいいきれないので,

食品衛生法第6条に「人の健康を害う虞のない場合として厚生大臣が食品衛生調査会の意見をきい て定める場合を除いては,食品の添加物として用いることを目的とする化学的合成品並びにこれを 含む製剤及び食品は,これを販売し,又は販売の用に供するために,製造し,輸入し,加工し,使 用し,貯蔵し,若しくは陳列してはならない」。としている。

これは食品添加物の指定制度を明示したもので,低毒性で添加物として効果がすぐれていても,

化学的合成品については,厚生大臣により食品添加物として指定を受けない限り使用,販売等が許 されないことになっている。

皿 食品添加物の指定,毒性試験,安全性の確保について

食品衛生法第6条により食品添加物として用いることを目的とする化学的合成品を定める場合,

ならびに同法第7条により食品添加物の使用方法につき基準を定める場合に厚生大臣は,食品衛生 調査会の意見をきいて定めることになっている。

食品衛生調査会で審査を行う際の基準の概略は,次のようである。

1.指定基準についての基本的な考え方。

(1)食品添加物は,安全性が実証されるかまたは,確認されるものでなければならない。

(2)食品添加物は,その使用が食品の消費者に何らかの意味の利点を与えるものでなければなら ない。そのため次の条項が考慮されることとする。

i 指定し得る添加物としては,次の各項のいずれかに該当することが実証または確認される ことを必要とする。

〔i)食品の製造加工に必要不可欠なもの。

(ii)食品の栄養価を維持させるもの。

(iii}食品の損耗を少なくするために腐敗,変質,その他の化学変化を防ぐもの。

(iv)食品を美化し魅力を増すもの。

(V)その他食品の消費者に利点を与えるもの。

ii次の各項のいずれかに該当するとみなされる場合は,指定し得ないものとする。

(D粗雑な製造または加工による食品を変装する場合。

(ii)粗雑な品質の原料または食品に用いて消費者を欺購する場合。

(3)

(iiD食品の栄養価を低下させる場合。

(iv)疾病の治療その他医療効果を目的とする場合。

M対象となる食品の製造法または加工法の改善,変更が比較的安価に実行可能であり,改 善,変更した結果その添加物を使用しないで済む場合。

(3)食品添加物は,その目的に関し十分な効果が期待されるものでなければならない。また,新 しい食品添加物の指定に際してはそのものがすでに指定されている同目的の食品添加物に比較 して,同等以上の効果があるかまたは別の効果を併有するものであることが望ましい。

④ 食品添加物は,原則として添加した食品の化学分析等により,その添加を確認し得るもので なければならない。

2.科学的試験

一般の化学物質は大なり小なり毒性を有している。なかでも生体組成の成分をなしているたん ばく質,糖質,脂質,無機質,ビタミン,ホルモン等生体の成分と同質の成分は比較的低毒性であ るが,生体成分以外の成分は,前者に比し毒性ははるかに強いといわれている3)。食品添加物は 化学的合成品が多く,これらのものは生体成分とは異ったものが多い,従ってその毒性が最も心 配されるところである。

(1)毒性試験,試験動物としてはマウス,ラット,等のネズミ類,犬,猿等が用いられる。試験 結果は2ケ所以上の研究機関で作製されたものであることが必要である。

i急性毒性試験,マウス,ラット等を用いて経口投与によるLD5。(50%Lathal Dose;

50%致死量)を求めることを目的とし,急性毒性の強さの比較に用いられる数値である。

ii亜急性毒性試験(短期毒性試験),マウス,ラット等が用いられ,慢性毒性試験の予備試験 として投与量の段階をきめる判断の資料を得るために短期間に行うものであるが,なおその 物質の生体内蓄積性の有無を予測する材料ともなる。

i面 慢性毒性試験(長期毒性試験),マウス,ラット等を用い,・これらのネズミ類が長期(約2 ケ年;平均寿命に近い年数),にわたって食べ続けた場合の毒性の評価で最大安全量を知る のが目的の一つである。

iv 発ガン性試験,マウス,ラット等に長期にわたって投与試験を行い,肝その他の臓器に発ガ ンの有無を調べる試験で,最近はこの試験が重視されるようになった。

V 次世代におよぼす影響試験,投与物質を投与して雌,雄のマウス,ラットを交配させて,

妊娠率,出産率,死産率,奇形の形成など三代にわたって実験する。

(2)その他の生物学的試験

1 生体機能におよぼす影響に関する試験,血液学的,生化学的,生理学的,細菌学的検査。

ii 食品添加物の生体内運命に関する試験,吸収,体内分布,蓄積,代謝,排泄等に関する試験。

3.許容摂取量の設定

動物実験の結果から最大安全量(最大無作用)が得られたならば,それをもとにして人の場合 に換算して許容摂取量が設定されなければならない。

動物に対する最大安全量とは,その動物に対して一生涯投与しても何等毒性を現わさないとい

う量である。この量を直ちに種属のかけはなれている人には適用できないので,ネズミの実験結

果によって得られた数値に,安全係数養を乗じて人の最大全量としている。安全係数右は厳密な

科学的根拠となる資料は多くなく,種々の化学物質の動物に対する感受性は,アメリカのFDA

(4)

(Food and Drug Admistration;食品薬品局)で参考としている文献によると,人を1とすると 馬2,牛3,犬6,猫10,ラット10で,人はラットの10倍感受性が高いとされている。さら に老人,幼児,病人,妊産婦などの比較的抵抗力の弱い人と成人男子との差を10倍として,この 相乗によって得られた100倍を差として認め,これを安全係数右としたのである4)。この係数は 現在のところ絶対的なものではないが各国とも認めているものであり,最低安全係数と考えられ ている。またこの右の安全係数は,発ガン性に際しては採用されないことになっている。

こうして得られた数値を人の許容摂取量として,WHO(World Health Organization,世界保 健機構),FAO(Food and Agriculture Organization of the United Nations,国際連合食糧農

業機構)では,体重1Kg当たりの1日の許容摂取量(ADI, Aceptale Daily Intake)として表 わしている。1日の許容摂取量というのは,人がその生涯にわたって毎日食べっづけても,身心 ともに何らの障害を受けず,また子孫にも影響を及ぼさない量を意味している5)。

以上のことを例で示すと次のようになる。今400gのラットが1日に20 gの飼料を摂取する ものとし,これを体重1Kgに換算したときの飼料摂取量は,20gxL鍔=50g/Kgとなる。

最大安全量を0.6%としたときの添加物の摂取量は,50gx一器=0.3g/Kgとなる。この数値 に安全係数を乗ずると,人の1日の許容摂取量は,300mg×古=3mg/Kgとなる。即ち1人1 日当たりの許容摂取量は,体重1Kg当たり3mgとなる。

4.安全性確保の検討

以上のようにして,1人1日の許容摂取量が定められたならば,次に食品添加物の1日の摂取量 を知らなければならない。食品添加物は,食物を通して知らず知らずの間に多種類のものを摂取

している。現在食品添加物として300余種以上の化学的合成品が許可されており,また最近天然 食品添加物も広く使われるようになったのでその種類はさらに多くなっている。これらの食品添 加物は,われわれが日常摂取する平均食品数60〜70種類を通して摂取されるからその量は多 数に上るものとみられ,この1日の摂取食品中に含まれる食品添加物の量を知ることは,安全性 を検討する上において極めて重要なことである。

食品の平均1日の摂取量は,原則として厚生省で実施している国民栄養調査の統計表を用いて いるが,他にも信頼する資料がある場合には,それらの最大値を採用することになっている。こ れらの数値に摂取係数を乗じて1人1日の食品別最大摂取量としている。

摂取係数は,食品の摂取量と摂取頻度等を考慮して決められるもので1〜10の係数に分けられ,

摂取頻度の高い食品には小さい係数を,摂取頻度の低い食品には大きい係数を乗じて1日の食品 別最大摂取量を求めることとしている。例えば,摂取頻度の高い食品のパンは,平均値より多く

とる人でも2〜3倍であると考えて係数は2〜3,ウニ等は,平均値の10倍も食べる人が予想 されるので係数10としている。

1人1日当たりの食品別最大摂取量に,食品添加物の添加率を乗じて1人1日当たりの食品別 最大摂取量中の食品添加物の摂取量とし,この値をBとする。 (または,1人1日当たりの食品 別最大摂取量中の食品添加物の摂取量を平均体重で除した値をBとする)。次にさきに求めた1 人1日体重1Kg当たりの許容摂取量に,平均体重を乗じた値をAとする。(または,1人1日体 重1Kg当たりの許容摂取量をAとする)。

このときBがAに達しなければ,食品添加物の安全性は確保されていることになる。即ちA>

Bでなければならない。この関係は,添加物の使用基準量を決める際の重要なめやすとなるもの

(5)

        ナある。

】V 食品添加物使用の実状とその対策

1.使用基準量について

(1)使用基準量の設定は適正か。

食品添加物1人1日当たりの摂取量については,厚生省が科学技術庁に移託実施した食品摂 取の調査がある。その報告が昭和40年に科学技術庁資源調査会からなされている。表1,表 2はその報告で,表1は食品添加物使用食品1人1日当たりの摂取量であり,この表の数値を もとにして食品添加物1人1日当たりの推定摂取量を求め,これをFAO/WHOの許容摂取蚤 と比較したのが表2である。その結果「食品については,パン,清酒,塩蔵魚みそ等の摂取 量が多く,食品添加物については,プロピオン酸カルシウム,ソルビン酸およびその塩類が多

く摂られているが,いずれも1日の許容摂取量以下であって安全性の面でとくに問題となるよ うなことはないと考えられる」と報告6)されている。

然し表1をよくみると表記以外の食品添加物の平均摂取量は,1日の許容摂取量に近いもの が多く,またその最高摂取をみると1日の許容摂取量をはるかに超えるものもある。超えない

ものとしてはわずかに安息香酸およびその塩類と,パラオキシ安息香酸エステル類があるにす ぎない。また比較的無害とされるプロピオン酸カルシウム,ソルビン酸が許容摂取量に近い量 が使われているということである。

以上のことからみて,使用基準量に当初から問題があったわけで,安全性確保のために早急 に許容摂取量の設定,特に安全係数の検討や,使用基準量の見直し等科学的な試験によって得

られた資料を基礎にして,適正な数値をもつものに改めなければならない。

(2)使用基準量は,守られているか。

食品添加物の使用状況について,1975年(昭和50年)堀籠の「食品中の保存料にっいて」

の報告の中に「ソルビン酸の使用基準量を超えて使用されているもの77.8%」とある7)。また 1970年(昭和45年)堀籠の「着色料について」の報告にも「一般の使用量を超えて過度に着 色されているもの33.3%」とある8)。

このようなことからみて,使用基準量のあるものは使用基準量を上回り,使用基準量のない ものについては必要以上に使用されていると思考される。従ってこのようなことがないように,

使用基準のあるものは基準にしたがって,使用基準のないものには効果の範囲内で最小限に使 用されることを強く要望する。

2.不許可の食品添加物の使用について。

不許可の食品添加物の使用については,1968年(昭和43年9)),1970年(昭和45年10)堀籠 の「着色料について」の報告の中に,それぞれ不許可の色素の使用割合が「30.6%」 「31.6%」

とある。これら不許可色素は,以前許可色素であったものが毒性が認められ,食品衛生法の1部 改正により使用禁止となったものである。このことは,食品衛生法や食品添加物に対する認識不 足からくるものと思われる。

3.食品添加物使用の表示について。

表示,公告については,食品衛生法第11条に「表示の基準を定めることができ,表示の基準が

(6)

嫡      表1.食品添加物使用食品の1人1日当たり摂取量

昭和44年科学技術庁資源調査会報告 1日1人当たり摂取量 1日1人当たり摂取量 食   口   名

ロロ

食    ロ    名

口口

※最高(g)平均回 ※最高(9) 平 均{9》

ノ・ε      ン 561 66 介類しょうゆづけ 20 20

菓  子 パ  ン 417 42 魚 類 か す づ け 117 21 洋  生  菓  子 130 20 魚 類 酢 づ け 27 10

水   あ   め 28 9 水 産 物 佃 煮 50 7 ピーナツクリーム 10 4 海  藻  佃  煮 58 6 フラワーペースト 24 9 魚  肉  ハ  ム 72 ユ4

マ ー マ レ ー ド 13 4 魚肉ソーセー ジ 90 13

ジ    ヤ   ム 67 7 魚肉その他のぬり製品 80

11

食  用  油 脂 220 8 は   ん   ぺ   ん 42 10 マ ー ガ リ ン 75 5 か  ま  ぼ  こ 100 12 み そ づ け 肉 33 26 ち    く    わ 53 9 か す づ け 肉 58 20 冷  凍  魚  類 25 11 佃   煮   肉 8 8 冷  凍  介  類 42 13 食  肉 ハ  ム 80 10 そ    ぼ    ろ

1 1

食肉ソーセージ 117 12 す    じ    こ 35 6

ベ   ー   コ   ン

2ユ

5 う         に 8 3

コ  ン  ビ ー  フ

4 4 野 菜 み そ づ け 72 12

保 存 豚  肉 83 11 野菜しょうゆづけ 43 5 その他の保存肉 28 14 野 菜 酢 づ け 33 5

発   酵   乳 60 20 野  菜  佃  煮 17 5 乳酸 菌 飲 料 180 32 た く あ ん づ け 130 14

バ    タ    ー

50 6 か  ん  ぴ  ょ う 12 3

チ    ー    ズ 93 7 煮        豆 367 14

素 干 魚 類 87 11 豆        腐 268 30 素 干 介 類 43

7

ケ  チ  ャ  ツ  プ 33 5 塩  干 魚  類 57 9 清        酒 830mZ 53mZ

塩  干 介  類 0 0 その他のアルコール飲料 450mZ 23mZ

煮  干  魚 類 43 4 み      そ 92 21

いかくん製品 33 13 し  ょ  う  ゆ 76mZ 17mZ たこ くん製品 2

1 ソ     ー      ス

45 5mZ

塩 蔵  魚  類 118 22 食        酢 57mZ 3mZ 塩 蔵 介 類 40 12 砂  糖  づ  け 60 13

塩  蔵  い か 58 17 チ ュ ー イ ン ガム 15 3

魚類みそづけ 67 20 A        計 4.893g 776g

魚類しょうゆづけ 23 141,458m∠. 101mZ

(注)※食品の1人1日当たり摂取最高は地区別,性別,年令層別最高摂取量のうち最大の値をとった。

(7)

表2.食品添加物の1人1日当たりの推定摂取量と摂取基準量

昭和44年科学技術庁資源調査会報告 1人1日当たりの推定摂i取量(mg/Kg)

FAO/WHO

食  品 添  加 物 名 (体重50Kgとして) ° 1日許容摂取量の基準(mg/Kg)

最低摂取量 最高摂取量 平均摂取量 問題のない範囲 条件付の範囲

(保存 料)

安息香酸およびその塩類 0 0.92 0.20 0〜5 0〜10

サ  ル  チ  ル  酸 0 4 0ユ8

ソルビン酸およびその塩類 1.74

37.64

9.00 0〜12.5 12.5〜25 デヒドロ酢酸およびその塩類 0.02 6.84 0.82 パラオキシ安息香酸エステル類 0

0.58

0.10 0〜2 2〜7 プロピオン酸カルシウム 0.56

79.56 13.48

0〜10 10〜20

(殺 菌 料)

2−(2一フリル)−3−(5−・ニト

ロー2一フリル)アクリル酸アミド, 0

0.1

0.02 『 『

(AF 2)

(酸化防止剤)

グ  ア  ヤ  ク  脂 0

5.0

0.26 0〜2 2〜4

ジブチルヒドロキシトルエン 0.06 2.22

0.54

0〜0.5

ノルジヒドログアヤレチック酸 0

0.5

0.02

ブチルヒドロキシアニソール 0.02 2.26 0.46 0〜0.5 0.5〜2

プロトカテキュ酸エチル 0

2.5 0.14

一 一

没食子 イ ソ ア ミル 0.02

2.0 0.6

没食子 酸 プ ロ ピル 0

0.5

0.02 0〜0.2 0.2〜0.5

(漂 白 料)

亜 硫 酸 カ リ ウ ム

亜硫酸水素ナトリウム

亜硫酸ナトリウム(結晶) (SO2残存量として) (SO 2残存量として)

亜硫酸ナトリウム(無水) 0.04 1.46 0.05 0〜0.35 0.35〜1.5

次亜硫酸ナ トリゥム

無  水  亜  硫  酸

メタ重亜硫酸カリゥム

(発 色 剤)

亜 硝 酸 カ リ ウ ム

亜硝酸 ナ ト リ ウ ム (NO 2残存量として) (NO2残存量として)

0 0.56

0.08

0〜0.4 0.4〜0.8 硝  酸  カ  リ ウ ム

硝 酸 ナ ト リ ウ ム

(8)

定められたものは,基準に合う表示がなされなければ販売等をしてはならない」とあり,また同 第12条に「誇大な表示,公告を行ってはならない」とある。然し現実には充分実行されていないよ うである。このことについて,1975年(昭和50年)堀籠の「食品中の保存料について」の報告の 中に1表示されているもの44.4%,無表示のもの55.6%」とあり,また使用基準量を超えている

もののうち「表示のあるもの71.4%,表示のないもの28.6%」ある11)ということである。

また表示の内容についても,単に合成保存料とか,合成着色料といった関連名だけとなってい るが,今後は,さらに具体的な添加物個々の名称で表示されることが安全性を知る上において 重要であるからこの線にそって食品衛生法が改正されることが望ましい。

4.食品添加物製造のために使用される薬品について。

食品添加物のうち特に化学的合成品については,製造方法,製品の品質や使用について安全性 確保のための制限が加えられているが,食品添加物を製造するために使用される薬品について食 品衛生法では何等規制されていない。これは最終的に添加物となった時点で検査があるから,原 料薬品については規制されず野放しの状態にあると思われるが,このことについても安全性の面 から吟味の要がある。

5.食品製造,販売関係者への要望。

食品添加物についての法律違反は,前述の1.(2),2,3,等にみられるように,食品衛生法 や食品添加物に対する認識不足が最大の原因と考えられる。従って食品製造,販売関係者は食品 衛生法でしめされている事柄を正しく理解し積極的に法を遵守し,且つ食品や食品添加物の意義 を正しく理解し認識し,単なる利潤追究者としてではなく,人々の保健向上の面から食品の安全 性,健全性,完全性確保のため,良識をもって対処されることを望んでやまない。

6.行政指導の面を担当する当局への要望。

(1)食品添加物の情報について。

食品添加物に関する清費者への正しい情報の提供が不足で,専ら単なるうわさや,マスコミ 等によりなされているのが現状である。そのため消費者はその真意をつかみとることができず,

いたずらに飲食物に対する不安と不信とがつのり,添加物アレルギーになりかねない状態に追 い込まれている。当局は適正な情報を消費者に流し,その食品添加物についての安全性,必要 性についての正しい認識を深めることが大切である。

(2)食品添加物の資料整備と,毒性の研究について。

食品添加物携取量についての総合的な資料は,昭和40年に厚生省の調査があり,それに基づ いて昭和44年科学技術庁資源調査会の報告があるにすぎない。この種の調査は,少くとも5年 に1回はなされて資料を整備することが必要である。また食品添加物の安全性を知るための各 種毒性試験,特に慢性毒性,相乗作用による毒性,発ガン性等について年月はかかるが可急的

に正確に行うことが要求されている今日,それらの要求に即応できるよう試験研究体制を整備,

拡充することが望まれる。

(3)指導,監督について。

食品衛生上の違反の多くは,前述のように食品衛生法や食品添加物に対する認識不足等に帰

因することが多いと考えられるので,その指導にあたっては,食品衛生法の理解や食品添加物

の意義,使用法等にっい正しく理解されるよう努められると共に,実施の面においては,監視

の一層強化を切望する。またそのための指導,監督体制の強化も望まれる。

(9)

V む  す  び

食品添加物の意義や,その安全性について主として食品衛生法とのかかわりあいからながめ,

且っ食品添加物使用の実状を過去の資料等をまじえて安全性の面から考察し,その対策について述

べた。

然しこれらの対策は単に部分的にとどまるのではなく,食品添加物に対する対処が立ち後れの感 がある法的面において,また製造,販売関係者のモラルの面において,また指導・監督の任にあた る行政面において,早急に,然も抜本的な改革にせまられている現状からみて,それらの総合的対 策が望まれる。

       注

P)河端俊治,菅野三郎編『加工食品と食品衛生』(新思潮社,1970年),p.34。

2)谷村顕雄 r食品添加物の特性と毒性』(丸ノ内出版,昭和55年),p.34。

3)同書,P.34〜35。

4)河端,菅野,前掲書,p.43〜44。

5)天野慶之『食品衛生学概論』 (恒星社厚生閣,昭和54年),p.143。。

6)科学技術庁資源調査会編r食品添加物の現状と問題点』 (大蔵省印刷局,昭和44年)P.104。

7)堀籠平吾「食品中の保存量について(第一報)」r茨城大学教育学部紀要』第25号,1975年,p.174。

8)堀籠平吾「食品中にみられる水溶性タール色素について(第2報)」 『茨城大学教育学部紀要』第20号,

1970年,P,202。

9)堀籠平吾「食品中にみられる水溶性タール色素について(第1報)」『茨城大学教育学部紀要』第18号,

10)堀籠,前掲書,第20号,p.202。

11)堀籠,前掲書,第25号,p.174。

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