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電子線回折と極点図を用いた銅系形状記憶合金の構造解析

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Academic year: 2021

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電子線回折と極点図を用いた銅系形状記憶合金の構造解析

三重大学工学部工学研究科技術部 中村昇二

[email protected]

1.はじめに

昨年、Cu系単結晶である形状記憶合金(以後、SMA)の構造解析として、電子線回折(以後、SAD)と 極点図(以後、PF)をもちいて軸方向等の結晶方位を調べて欲しいとの依頼があった。事前情報として、

軸方向の結晶方位は体心立方構造(以後、bcc)で[111]と報告されており、その確認をおこなうため の依頼でもある。TEMは、配属研究室に設置されており、他方、PFを測定する

XRD

が、幸いにも平成

26

年度末に学長裁量経費にて購入され、それを用いて依頼に対応することとなった。

2.試料について

試料に関する情報は、研究上から詳細はひかえるが、丸棒の

Cu

系合金であり単結晶と多結晶が混在 した材料である。この試料を円周方向に一定の角度(45度)をつけ慎重に切り出している。XRDの供試 体としては切り出し状態のまま用いた。試料切り出しのイメージを図1に示す。図から、面

A、面 B

れぞれ同一試料から

3

方向に切り出し、5㎜角に仕上げている。また、TEM試料は

XRD

分析後に

Ar

イオ ンミリングにて薄片化している。

3.SADPFについて

SAD

は、TEM 観察において絞り(制限視野絞り)を挿入することにより注目する領域を選択し、電子 レンズを調節しその領域のみから回折パターンを得て、個々の領域の結晶構造やそれらの結晶方位関 係を知ることができる1)。他方、PF

XRD

で調べたい試料の

hkl

回折線について、回折条件を満足する ように入射

X

線と回折

X

線の方向を固定し、試料がφ軸の周りで

360°回転する間に、ψ軸の周りで数

度ずつ回転する装置を設定して、回折強度が測定され試料の配向を回折面の三次元的に知ることがで きる2)

4.SADPFの測定

SAD

撮影は、所属研究室設置の

TEM

(H-500)、PF測定は、XRD(panalytical empyrean)を使用した。

装置の写真を図2に示す。TEM回折条件は、加速電圧

75kV、beam

電流

20μA、制限視野絞り孔径 0.2

㎜、

Camera Length 1

として、撮影はビノキュラーへ市販の

USB

カメラを装着し蛍光板から直接撮影をおこ

なった。一方の

PF

の取得は、2theta

43.38°として、対陰極 Cu、管球電圧 45kV、電流 40mA、ゴニオ

メーター光学系は、Cross Slit 1mm、反射率スリット

0.27、ソーラースリット 0.04RAD

とした。

5.結果の考察

図3に軸方向から、図4に断面方向からの

SAF

PF

を示す。まず、軸方向の

SAF

をみていくと他の

SAF

と比べて回折点が明瞭に現れており単結晶として問題のない構造をもっている。これを当初の情報

である

bcc[111]から回折点の距離、角度等を考察していくと、軸方向から 90

度になる断面として相

応しいのは断面

A-2

と断面

B-2

と推察される1)。但し、角度は同等であるが、距離が断面側の方が短く なっているのは、丸棒材料製造過程における円周方向からの応力の影響と考えた。しかし、この解釈 を続けていくと図1に示した

45

度を回転させた方向での

SAF

が矛盾し説明不可となった。

一方、PFを重ね合わせての複合的な考察を試みると、まず図3の軸方向

PF

が立方晶(111)と合わな いことが文献から判明した3)。文献からよみとると、立方晶[110]となり[111]と知らされていた図

(2)

3の

SAFに疑問が残る解釈となった。この新たな解釈から、断面を考察していくと、90

度回転させた面

は断面

A-1

と断面

B-2

になり、続けて

45

度回転の断面

A

と断面

B

の各面の関係がスムーズに理解でき る結果に思えた。

6.おわりに

前項結果から、SAF のみでの結晶方位の判断は、特に新たな結晶構造をもつ試料においては不十分で あることがわかった。今回、たまたま新規導入された

XRD

PF

機能がオプションとして備わっていた ことが幸いしたと思う。但し、XRD に関しては全くの初心者であり、解析するスキルは十分で無いのは 疑いのない事実である。今発表会での場において、知識の豊富な方々から直接ご指導頂ければ幸甚で ある。

参考文献

1)

進藤大介他 著, 共立出版株式会社, 2003年, 材料評価のための高分解能電子顕微鏡法.

2) 加藤誠軌

著, 内田老鶴圃, 1991年, X線回折分析. 3) 日本結晶学会 編, 共立出版, 1999年, 結 晶解析ハンドブック.

cross-sectionA

cross-sectionB

fig.1 cut direction of the sample

hitachi H-500 panalytical empyrean fig.2 measuring equipment

fig.3 SAF and PF of the axial 1 2 3

1 2 3

fig.4 SAF and PF of the cross-section cross-section A

cross-section B

1 2 3

1 2 3

参照

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