葬
送
習
俗
に
つ
い
て
の
調
査
報
告
成
田
俊
治
葬 式 と い え ぼ 常 識 的 に は 人 が 死 ん で か ら そ の 死 體 を 處 理 す る 爲 の 儀 式 で あ り 、 そ の 儀 式 は 僣 侶 に よ つ て 執 行 さ れ て い る と 考 え ら れ て い る 。 確 に 僣 侶 は 人 が こ の 世 を 去 る と 同 時 に 、 枕 經 ・ 葬 儀 ・ 野 邊 送 り ・ 中 陰 法 事 と 葬 送 に 重 要 な 位 置 を 占 め て い る 。 そ れ と 同 時 に 葬 式 が 人 と し て 最 後 に 通 過 し な け れ ば な ら な い 儀 式 、 嚴 密 に は こ の 世 を 去 つ た 人 を と り ま く 周 圍 の 人 々 に よ つ て 通 過 さ せ ら れ る 儀 式 で あ る 以 上 、 血 縁 ・ 地 縁 の 人 々 に よ る 協 力 の 大 な る こ と を 認 め ね ぼ な ら な い 。 む し ろ 葬 式 は 地 縁 的 關 係 の 人 々 に よ つ て 執 行 さ れ 、 檜 侶 は 死 者 を 彼 岸 へ 送 る と 云 う 重 要 な 役 目 を 負 っ て は い る が 、 葬 式 全 般 の 執 行 に は 關 與 し て い な い の で あ る 。 こ の 意 味 に 於 て 葬 式 は 瓧 會 現 象 と し て 把 握 す る 必 要 が あ ろ う 。 所 で 、 死 者 の 魂 を 彼 岸 に 送 る こ と が 葬 式 で あ る と 一 般 に 考 え ら れ 、 死 者 が 十 萬 億 土 へ 族 立 ち す る 出 發 點 で あ る と す る 考 え 方 は 、 全 く 佛 教 的 な 考 え 方 と 云 わ ね ば な ら な い 。 成 程 、 現 在 各 地 に 見 ら れ る 葬 送 習 俗 に は 、 族 立 ち を 物 語 る 幾 多 の 習 俗 を 見 る こ と が 出 來 る 。 だ か ら と 云 つ て こ の 事 が 古 く か ら 行 わ れ 、 し か も 不 變 の も の で あ つ た と 考 え る の は 當 を 得 て い な い 。 何 故 な ら ば 、 佛 教 の 考 え 方 が 入 つ て 來 て か ら 十 萬 億 土 へ の 族 立 ち と 云 わ れ 、 又 葬 式 も そ の 放 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 一 八 七一 八 八 立 ち を 示 す よ う に な つ た か ら で あ る 。 葬 送 習 俗 の 申 に は 、 佛 教 の 教 理 で 以 て 理 解 し 得 な い 面 が 少 く な い 。 そ れ は 日 本 人 の 個 有 の 信 仰 の 上 に 、 も の の 考 え 方 の 上 に 佛 教 の 思 想 が 融 合 し て 形 成 さ れ 定 着 し て 來 た か ら で あ り 、 佛 教 的 な 色 彩 を も ち 、 又 佛 教 的 解 釋 を な さ れ 乍 ら 、 そ れ で は 理 解 し 得 な い 要 素 を 含 ん で い る の で あ る 。 そ れ は 何 か 、 又 本 來 ど の 樣 な 意 味 を も つ て い る か 、 と 云 う こ と を 考 え る 所 に こ の 葬 送 習 俗 の 調 査 を 試 み た 意 圖 が あ る 。 こ の 調 査 報 告 は 、 昭 和 三 十 八 年 ・ 昭 和 三 十 九 年 の 夏 期 に 行 つ た も の で あ り 、 1 は 、 埼 玉 縣 下 八 ケ 所 ( 縣 廳 保 存 の 民 俗 調 査 に よ る ) 。 皿 は 、 佛 教 大 學 生 有 志 四 十 五 名 の 協 力 に よ り 、 調 査 項 目 四 十 二 項 に 從 つ て 調 査 し た も の で あ る 。 1 ① 埼 玉 縣 秩 父 郡 吉 田 町 大 字 下 吉 田 ② 〃 秩 父 市 品 澤 ③ 〃 北 葛 飾 郡 杉 戸 町 ④ 〃 浦 和 市 大 久 保 領 家 ⑤ 〃 比 企 郡 川 島 村 大 字 上 八 ツ 林 ⑥ 〃 川 越 市 杉 下 ⑦ 〃 北 葛 飾 郡 三 郷 村 大 字 幸 房 二 九 三 ⑧ 〃 北 埼 玉 郡 北 川 邊 村 大 字 飯 積 (以 下 報 告 は 番 號 で 示 す ) 一 、 呼 び 方
① ゴ フ コ ウ 、 ト ム レ エ 。 ② ト モ ラ イ 、 オ シ マ イ 。 ④ ト モ ラ イ 。 ⑧ ジ ヤ ン ボ ン 。 こ の ジ ヤ ン ボ ン は 葬 具 の 音 か ら 出 て い る も の で 、 子 供 の 言 葉 を 陰 語 の よ う に 採 用 し た も の で あ ろ う と 云 わ れ て い る 。 二 、 死 の 前 後 人 間 が 死 ぬ と 魂 が 肉 體 か ら 遊 離 す る と 考 え ら れ て " 魂 呼 び " が 行 わ れ る の で あ る が 、 こ こ で は 魂 呼 び の 形 は 見 る こ と が 出 來 な か つ た が 、 肉 體 か ら ぬ け 出 た 魂 の 行 方 に つ い て 、 ⑧ 善 光 寺 へ 行 く と 云 わ れ て い る 。 ㈲ 湯 灌 ① し な い 。 ② 肉 親 者 の 手 に よ つ て 行 わ れ 、 酒 を 含 ん で 吹 き つ け る と い ヶ 形 式 を と つ て い る 。 ③ 湯 灌 の 湯 は 、 釜 の ふ た を と つ て 沸 か し 、 次 に 湯 灌 を す る 部 屋 の タ タ ミ 、 床 板 を は ず し て 、 そ こ に 竹 の ス ダ レ を 敷 き 、 そ の 上 に 死 者 を 裸 に し て 坐 ら せ 手 桶 に 湯 を く ん で 半 分 に 切 つ た 手 拭 で 洗 う 。 洗 う 人 が 多 い 程 後 生 が よ い と 云 い 、 洗 う 人 は 褌 一 つ で あ り 、 良 く 洗 わ な い と 浮 ぼ れ な い と 云 つ て い る 。 又 死 者 と 縁 の 遠 い 人 は 杓 子 で 死 者 の 頭 に 湯 を か け た 。 終 る と " ま く り 出 し " と 云 つ て 死 者 の 下 着 や 湯 灌 に 用 い た 手 拭 を ス ダ レ に く る 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 一 八 九
一 九 〇 み 、 焼 場 へ 持 つ て 行 き 藁 五 束 と 一 緒 に 燒 く 。 ④ 鍋 の つ る に 竹 竿 を 通 し て 沸 し 、 洗 湯 は 水 の 中 に 湯 を 加 え る " 逆 さ 水 " で 、 タ タ ミ を は ぎ 、 タ ラ イ を 伏 せ て そ の 上 に 死 人 を か け さ せ て 洗 う 。 濟 ん だ 湯 は 陽 の あ た ら な い 山 陰 に 捨 て る 。 湯 灌 を 行 う の は 近 親 者 で 湯 灌 に 先 立 ち 裸 の ま ま " 入 棺 酒 " を 飲 む 。 こ の 酒 は 殘 す も の で な い と さ れ て い る 。 湯 灌 が 終 つ て 再 び 〃 清 め 酒 " を 飲 み 食 事 を と る 。 こ の 湯 灌 に は 妊 婦 や 妊 婦 の あ る 夫 は 遠 慮 す る こ と に な つ て い る 。 ⑥ 子 供 や 親 類 の 人 が 手 拭 を 半 分 に 切 つ た も の で ふ き 、 こ の 時 使 つ た 水 は 仙 波 裏 の 捨 場 に 捨 て る と 云 う 。 ⑦ 湯 灌 し た 湯 は 屋 敷 内 に 穴 を 掘 つ て 流 す 。 ⑧ 湯 灌 し た 湯 は 、 流 行 病 死 者 、 死 馬 を 燒 く 所 ( 燒 場 ) へ 、 そ の ま ま の 服 裝 で 捨 て に 行 く 。 ⑧ 枕 團 子 ・ 枕 飯 ② 枕 團 子 ・ 枕 飯 を 作 る の に 日 常 使 用 し て い る " か ま ど " は 使 用 せ ず 別 に 作 る こ と に な つ て を り 、 枕 團 子 は 六 個 作 る 。 枕 飯 に つ い て は " デ バ の め し " と 云 う 一 杯 飯 を 作 る 。 ③ 枕 團 子 の 作 り 方 と し て 茶 碗 一 杯 の 玄 米 を 石 臼 で 粉 に し て そ れ を 三 個 に 分 け て 作 る 。 特 に 供 え た 團 ヱ J を 食 べ る と 子 供 は 百 日 咳 に か か ら ぬ と 云 い 、 又 年 寄 り が 亡 く な つ た 際 の 團 子 は 尚 よ い と 云 う 。 ④ 近 隣 の 者 が 玄 米 を 粉 に し て 團 子 を 四 個 作 る 。 ⑤ 俵 の 形 を し た も の を 三 個 、 近 隣 の 人 は 平 た い 團 子 四 十 九 個 、 又 三 十 六 個 の 大 き な 團 子 は 六 個 つ つ 串 に さ し て 供 え る 。 ⑥ 入 棺
① 近 親 者 全 部 で 行 う 。 ② 近 親 者 で 行 い 、 死 者 は 北 枕 に し 顔 に は 手 拭 を 一 重 に か け る 。 着 物 は 右 前 と し 足 袋 は 反 封 に は か せ る 。 そ し て 死 者 の 布 團 の 上 に 魔 除 け の 刃 物 を の せ る 。 ④ 北 枕 に 寝 か せ 刃 物 を 死 者 の 上 や 棺 の 上 に 置 く 。 衣 裝 は 經 帷 子 、 手 甲 、 脚 胖 、 足 袋 、 頭 陀 袋 、 副 葬 品 と し て 五 穀 、 桑 の 木 の 杖 、 六 道 錢 、 其 他 特 に 死 者 の 使 用 し た も の を 入 れ る 。 ⑦ 入 棺 後 全 員 で 飲 食 す る 。 ⑪ 通 夜 ' ① な し ② 親 類 ・ 懇 意 の 人 々 に よ つ て 行 う 。 ④ 家 族 の み 。 三 、 葬 儀 ㈹ 葬 式 組 ① 死 亡 の 通 知 は " 人 に 行 く " と 云 い 二 人 で 行 く の が 原 則 と さ れ て い る 。 諸 役 と し て 一 、 穴 掘 り 、 二 、 帳 場 、 三 、 ザ ハ イ (座 ハ イ H 念 佛 頭 ) と 云 う 役 で あ る 。 ② 葬 儀 一 切 の こ と に つ い て 喪 主 は 近 隣 の 組 に ま か す こ と に な つ て い る 。 諸 役 は 一 、 穴 掘 り 、 二 、 親 籍 使 い 、 三 、 ま か な い に 當 る 人 、 四 、 火 葬 場 に 行 く 人 、 五 、 醫 者 に 行 く 人 、 六 、 寺 へ 行 く 人 、 な ど で 寺 へ 行 く 人 は 原 則 と し て こ 人 で 特 に " 人 に 行 く " と 云 い 、 寺 へ は 族 米 一 袋 を 持 參 す る 。 七 、 役 場 に 行 く 人 、 な ど で あ る 。 特 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 一 九 一
一 九 二 に こ こ で は 族 米 を 持 つ て い く こ と に な つ て を り 、 死 者 は 長 い 族 に 出 る か ら だ と 云 う 。 ⑧ 部 落 二 十 六 戸 か ら 一 人 つ つ 葬 式 に 立 合 い 、 當 日 の 帳 場 は 二 人 で 、 預 る 人 は 當 地 の 地 主 と 云 わ れ る 人 が 決 ま つ て い る 。 其 他 近 所 四 ・ 五 軒 は 一 軒 か ら 男 女 二 名 出 て 葬 具 の 準 備 、 使 い な ど 手 傳 い 、 婦 女 子 は 炊 事 を 手 傳 う 。 ④ 五 軒 組 と 云 う の が あ り 、 そ の 長 が 葬 式 の 一 切 の 指 揮 を と る こ と に な つ て い る 。 五 軒 組 員 は 喪 家 の 家 族 に か わ つ て 、 通 知 . 葬 具 の 用 意 . 穴 掘 り に 從 事 す る 。 通 知 に は 必 ず 二 人 で 行 く こ と に な つ て い る 。 又 穴 掘 り の こ と を " ト コ ト リ " と 云 う 。 特 に こ こ で は 組 の 相 互 扶 助 と し て " 無 縁 錢 " と " ク ヤ ミ " と が あ る 。 "無 縁 錢 " と 云 う の は 、 葬 具 購 入 費 を 想 定 し て 村 の 戸 數 で 割 つ た 程 の 額 を 葬 式 の 日 に 集 め て 喪 家 に 渡 す 。 こ れ を 集 め る の は 前 に 葬 式 を 出 し た 家 が 集 め る こ と に な つ て い る 。 又 " ク ヤ ミ " は 五 軒 組 の も の が 、 米 ・ 味 唔 等 を 喪 家 に 持 參 す る 。 ク ヤ ミ 返 し は 餅 で 返 さ れ る 。 ( こ の こ と は 戰 時 中 か ら 行 わ れ な く な つ た よ う で あ る 。 ) ⑤ 講 中 二 十 六 名 が 順 番 で 手 傳 う こ と に な つ て を り 、 棺 を か つ ぐ 人 を " 肩 屋 " と 云 い 四 人 で あ る 。 又 穴 掘 り を " 大 役 サ マ " と 呼 ん で い る 。 ⑥ 部 落 中 が 三 組 に 分 れ て を り 、 死 者 が 出 た 組 が 手 傳 い 、 又 死 者 が 出 る と 紙 に 書 い て 部 落 内 を ふ れ 回 る 。 ⑦ 組 は 十 九 戸 で あ り 、 そ の 申 よ り 穴 掘 り 役 四 人 が 出 る 。 ⑧ 親 類 に 通 知 す る 人 が 二 名 一 組 、 葬 具 用 意 二 名 、 穴 掘 り 四 名 で 穴 掘 り の 人 を " 大 役 " と 呼 ん で い る 。 ⑧ 出 立 ち ・ 野 邊 送 り ② 葬 列 の 順 序 は 、 ハ タ i 位 牌 ( 主 人 ) 1 膳 ( 嫁 ) ー 棺 i 花 i 會 葬 者 の 順 で あ る 。 ③ 縁 よ り 出 て 庭 先 を 三 度 回 る 。 そ の 際 、 位 牌 に 被 せ て あ る 袋 を と ら れ る と 後 生 が よ い と 云 い 、 又 袋 を 取 つ た
人 は こ れ で 小 物 を 作 り 、 こ れ を 身 に つ け て い る と 長 生 き す る と 云 わ れ て い る 。 布 地 は 羽 二 重 ・ 綸 子 な ど 上 物 を 使 う 。 葬 列 は ハ タ i ー 位 牌 (相 續 者 ) ー ー 膳 l i 棺 i 近 親 者 の 順 で あ る 。 ④ ま ず 軒 に 割 竹 を さ す 。 こ れ は 當 地 で は 魔 除 け の 爲 と し て い る 。 庭 に は " ヘ ヤ " と 云 つ て 竹 を 四 本 た て て 、 ま わ り に " さ ら さ " を 張 つ た 圍 を 作 る 。 入 口 に は 門 牌 (門 札 ) と し て 六 地 藏 棚 を た て る 。 棺 に は 天 蓋 を か け 、 四 本 の 撞 と 小 天 蓋 一 本 を 作 る 。 近 親 者 に は 金 剛 杖 と 云 わ れ る 竹 を 割 つ た も の を 渡 す 。 更 に 棺 が 出 る 前 に " 汁 か け め し " を 一 本 箸 で 食 う 眞 似 を す る 。 縁 か ら 出 た 棺 は 庭 を 左 に 三 回 廻 り 竹 の " ヘ ヤ " の 中 に 安 置 さ れ 僭 侶 に よ る 引 導 が 渡 さ れ る 。 こ こ で は 外 葬 禮 (庭 葬 禮 ) を 行 つ て か ら 墓 地 へ 行 つ て 墓 葬 禮 を 行 う 。 葬 列 は 白 高 張 提 燈 ー 花 -位 牌 ー 膳 i 棺 (ま わ り に 幢 も ち ) -近 親 者 -會 葬 者 の 順 で 、 以 前 は 放 鳥 ・ 投 錢 が あ つ た 。 喪 主 は 紋 付 ・ 袴 、 女 子 は 白 衣 白 帯 、 以 前 は 綿 ボ ー シ を か ぶ つ た と 云 う 。 ⑥ 葬 列 は 、 高 張 提 燈 -位 牌 -膳 (白 を 着 た 人 ) l i 棺 の 順 で 、 特 に 死 者 が 老 人 で あ れ ば 位 牌 袋 を 多 く 作 り 道 中 に 捨 て 乍 ら 行 く 。 こ れ を ひ ろ つ て 何 か に 作 り か え て 身 に 付 け る と 後 生 が よ い と 傳 え て い る 。 ◎ 墓 地 ① 埋 葬 し た 場 所 に 石 を 置 き 割 竹 を さ す 。 ② 小 石 を 投 げ 込 む 。 ③ 埋 葬 し た 上 で 麥 藁 を 燒 く 。 ( 一 束 ワ ラ ) ⑪ 式 の 後 ④ 野 邊 送 り か ら 歸 つ て 來 る と 庭 先 の タ ラ イ で 足 を 洗 い 、 鹽 を ふ り か け て 清 め る 。 そ の 後 飲 食 す る 。 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 一 九 三
一 九 四 ⑤ 式 後 家 族 の 者 が 死 者 の 着 物 を 日 陰 に 北 向 き に か け 、 こ れ に 水 を か け る 。 こ れ は 願 解 き の 爲 と 云 う 。 (願 も ど し ) ⑥ 親 類 か ら 三 百 個 、 親 元 か ら 四 百 個 持 つ て 來 た 餅 を 香 奠 返 し に す る 。 四 、 以 後 の こ と 。 ㈹ 忌 明 け ① 翌 日 忌 明 け を 行 う 。 ② " ダ ン バ ラ イ " と 云 つ て 七 日 目 に 忌 明 け を し 、 こ の 日 に 死 者 の 形 見 分 け を 行 う 。 " ダ ン バ ラ イ " は 新 佛 の 壇 を 拂 う こ と を 云 う 。 ③ 四 十 九 日 間 が 忌 中 で 七 日 目 毎 に 墓 參 し 、 忌 日 塔 婆 を 一 枚 ず つ は が し て 來 る 。 特 に 三 十 五 日 に は 親 類 、 四 十 九 日 目 に は 子 供 達 が 集 っ て 墓 參 す る 。 ④ 四 十 九 日 間 忌 中 で 、 忌 明 け の 時 に " 死 拂 い " と 云 つ て 餅 を く ば る こ と に な つ て い る 。 ⑧ 翌 日 に 忌 中 拂 い を す る 。 四 十 九 日 、 百 日 ( カ ン チ と 云 う ) に 墓 參 す る 。 墓 參 の 時 に 白 團 子 を 供 え る の で あ る が 、 そ れ を 食 べ る と 風 邪 に か か ら な い と 云 う 。 ⑧ 年 忌 ① 一 、 三 、 七 、 十 三 、 十 七 、 二 十 三 、 二 十 七 、 三 十 三 回 忌 ま で つ と め る 。 ② 最 終 年 忌 は 三 十 三 回 忌 ま で で そ の 時 に は 杉 の 木 の 芯 の あ る も の を 使 つ て " ト メ ト ー バ " を 作 る 。 ・ ③ 、 ⑦ 十 三 回 忌 ま で で あ る 。
④ 、 ⑧ 三 十 三 回 忌 ま で つ と め る 。 ◎ 墓 碑 ① 早 く て 三 回 忌 、 遲 く て も 、十 三 回 忌 に た て る 。 ② 七 回 忌 に た て る と 石 が 倒 れ る と 云 い 、 大 體 十 三 回 忌 に た て る 。 ⑧ 三 回 忌 乃 至 七 回 忌 に た て る 。 五 調 査 項 目 に よ る 報 告 ① 青 森 縣 西 津 輕 郡 鰺 ケ 澤 町 ・ 古 川 泰 然 ② 輻 岡 縣 大 牟 田 市 天 領 町 三 丁 目 三 三 ・ 甲 斐 田 定 純 ③ 奈 良 縣 大 和 郡 山 市 山 田 町 八 三 四 ・ 前 川 泰 嶺 ④ 愛 知 縣 稻 澤 市 南 麻 績 町 一 九 ・ 村 下 順 一 郎 ⑤ 長 野 市 西 町 一 〇 二 〇 ・ 吉 岡 孝 善 ⑥ 滋 賀 縣 祚 崎 郡 五 個 莊 町 小 幡 ・ 小 川 達 之 ⑦ 香 川 縣 仲 多 度 郡 滿 濃 町 羽 間 部 落 ・ 瀧 口 信 行 ⑧ 幅 岡 縣 直 方 市 大 字 植 木 ・ 松 尾 正 典 ⑨ 愛 媛 縣 北 宇 和 郡 津 島 町 横 浦 ・ 井 上 正 文 ⑩ 〃 、 南 宇 和 郡 西 海 町 中 泊 ・ 吉 田 弘 定 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 一 九 五
一 九 六 ⑪ 山 口 縣 都 濃 郡 南 陽 町 富 田 新 町 中 ・ 小 田 和 信 ⑫ 兵 庫 縣 尼 崎 市 東 富 松 字 宮 東 ・ 片 岡 秀 晃 ⑬ 京 都 府 加 佐 郡 大 江 町 河 守 清 水 ・ 古 寺 忠 夫 ⑭ 大 阪 市 天 王 寺 區 逢 坂 上 ノ 町 ・ 前 坂 良 昭 ⑮ 滋 賀 縣 大 津 市 石 山 寺 邊 町 四 七 ・ 吉 水 邦 應 ⑯ 滋 賀 縣 八 日 市 市 邊 町 ・ 平 松 康 圓 ⑰ 和 歌 山 縣 日 高 郡 南 部 川 村 清 川 ・ 石 井 溝 澄 ⑱ 佐 賀 縣 東 松 浦 郡 呼 子 町 一 九 八 七 ・ 華 頂 孝 俊 ⑲ 長 崎 縣 大 村 市 武 部 郷 ・ 江 島 廣 道 ⑳ 佐 賀 縣 鳥 栖 市 田 代 上 町 二 四 二 ・ 梁 井 信 壽 ⑳ 大 分 縣 東 國 東 郡 安 岐 町 下 山 口 ・ 中 野 照 純 ⑳ 奈 良 縣 大 和 郡 山 市 新 木 町 ・ 清 原 信 彰 ⑳ 三 重 縣 阿 山 郡 阿 山 村 波 敷 野 ・ 柴 田 正 雄 ⑳ 奈 良 縣 天 理 市 和 爾 ・ 竹 田 元 昭 ⑳ 大 阪 府 枚 方 市 大 字 田 口 ・ 井 上 孝 雄 ⑳ 大 阪 府 箕 面 市 大 字 粟 生 問 答 ・ 富 永 謙 司 ⑳ 兵 庫 縣 揖 保 郡 御 津 町 室 津 一 六 八 ・ 大 林 敬 正
⑱ 幅 岡 縣 三 井 郡 小 郡 町 大 字 小 郡 ・ 山 下 義 敬 ⑳ 佐 賀 市 多 布 施 町 西 大 島 一 九 七 ・ 柴 田 勝 比 古 ⑳ 廣 島 縣 佐 伯 郡 甘 日 市 町 幸 町 ・ 中 野 宏 道 ⑳ 幅 井 縣 武 生 市 文 室 町 ・ 堀 立 暎 ⑳ 京 都 市 上 京 區 鍋 町 相 合 ノ 圖 子 ・ 小 山 清 昭 ⑳ )滋 賀 縣 八 日 市 市 濱 野 町 二 〇 六 ・ 二 橋 定 順 ⑳ 奈 良 縣 磯 城 郡 三 宅 村 屏 風 ・ 藤 田 能 宏 ㊥ 奈 良 縣 吉 野 郡 吉 野 町 左 曾 五 〇 ・ 伊 藤 義 範 ⑳ 兵 庫 縣 芦 屋 市 西 山 町 ・ 曾 和 保 雄 ( 以 下 報 告 は 番 號 で 示 す ) ○ 生 死 の 境 ー コ 葬 式 の こ と を 何 と 云 う か 。 (例 え ば 荼 眦 な ど ) 童 語 ・ 隱 語 が あ れ ば 聞 く こ と ﹂ ① " 葬 式 " 〃 ダ ミ コ " と 云 う 。 " ダ ミ コ " に 二 つ の 意 味 が あ る 樣 で あ る 。 本 來 は " ダ ミ 〃 と 云 つ て 葬 列 を 意 味 し て い る が 、 こ こ で は こ の 他 に " 死 者 " を 意 味 し て い る 。 即 ち O O が 死 ん だ と 云 う 場 合 " ○ ○ で ダ ミ コ が 出 た " と 云 つ て い る 。 ② お と む ら い 。 ③ 野 邊 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 一 九 右 ℃
一 九 八 ④ 葬 れ ん ⑤ 〃 ダ ミ " 〃 ダ メ " と 云 う が 今 日 で は あ ま り 云 わ な い 。 ⑥ 葬 れ ん 、 お と む ら い 。 ⑦ 葬 れ ん ⑧ 野 邊 お く り 、 し ま い 、 お と む ら い 。 ⑨ " 送 り " と 云 わ れ て い る の が 一 般 的 で あ る 。 又 隱 語 と し て " ハ ツ が こ ろ ん だ " と 云 う 人 も あ る 。 ⑩ 〃 で だ ち " と 云 う の が あ る 。 2 ﹁ 死 の 豫 兆 と か 生 れ 替 る 話 は な い か ﹂ ① 死 の 豫 兆 に つ い て 、 カ ラ ス が 屋 根 又 は 樹 上 に 止 ま り 北 を 向 い て 三 度 續 け て 鳴 く と 、 そ の 家 又 は 親 類 に 不 幸 が あ る と 云 わ れ て い る 。 又 そ れ は " カ ラ ス が 枕 團 子 が 欲 し く な れ ば 飛 ん で 來 る " と も 云 わ れ て い る 。 ④ カ ラ ス が 鳴 く と 近 い う ち に 死 者 が 出 る と 云 う 。 ⑪ カ ラ ス が 家 の 上 で 鳴 く こ と を 死 人 が 出 る と 云 つ て 嫌 う 。 ⑫ カ ラ ス が 屋 根 の 上 を 廻 る と そ の 家 に 死 人 が 出 る と 云 つ て 嫌 う 。 3 ﹁ 死 後 す ぐ 死 者 の 靈 が ど こ か へ 行 つ て く る と い う 傳 承 は な い か ﹂ ⑦ 死 後 す ぐ 善 光 寺 へ 詣 つ て く る と 云 う 。 ⑧ 善 光 寺 へ 行 く と 傳 え ら れ て い る 。 ⑬ 死 人 に 供 え る 御 飯 ( 枕 飯 ) が た き 上 る ま で に 善 光 寺 に 詣 つ て く る と 云 う 。
⑭ 善 光 寺 へ 參 る と 云 う 。 ⑮ 岩 聞 寺 へ 行 く と 云 わ れ て い る 。 ⑯ 善 光 寺 へ 詣 り に 行 く と 云 う が 、 こ れ は 善 光 寺 へ 詣 つ た こ と の な い 人 が 死 ん だ 場 合 で あ る 。 生 前 善 光 寺 へ 詣 つ た こ と の な い 人 は 四 十 九 日 か ら 一 周 忌 の 間 に 肉 身 の 人 が 位 牌 を 持 つ て 善 光 寺 へ 詣 る 。 4 ﹁ ネ ズ ミ ・ 猫 な ど が 出 た り す る の を 特 に 嫌 う こ と は な い か ﹂ ① 猫 の 出 る の を 嫌 う 。 猫 が 死 者 の 側 に 行 く と 死 者 が 踊 り 出 す と 云 う 。 こ う し た 傳 承 は 一 般 的 で 、 死 者 の 魂 が 身 體 か ら 遊 離 し た 後 へ 、 無 縁 の 魂 、 畜 生 の 魂 が 入 り 込 ん で は 困 る と い う こ と で あ ろ う 。 ⑥ ⑩ カ ミ ナ リ の な る の を 嫌 う 。 死 人 を 取 つ て 行 く と 云 わ れ て い る 。 ⑰ 四 つ 足 特 に 猫 な ど の 魔 性 の も の が 死 者 に 近 寄 る こ と を 嫌 う 。 5 ﹁ 灯 の 急 に 消 え た り す る こ と を 特 に 忌 む こ と は な い か ﹂ ① 通 夜 ・ 葬 式 に は 電 燈 は 使 用 し な い 。 そ れ は ロ ー ソ ク の 火 を 見 る 爲 で あ る 。 即 ち そ の ロ ー ソ ク の 火 が 急 に 消 え る と 魂 が 地 獄 に 行 つ た と 云 い 、 又 火 が 二 つ に 分 れ る と 地 獄 と 極 樂 の 別 れ 道 で 迷 っ て い る と 云 う 。 こ の こ と が な い 場 合 は 極 樂 往 生 と 云 わ れ る 。 ⑧ 讀 經 中 、 灯 の ま た た き を 精 靈 の 喜 び と の 云 い 傳 え が あ る 。 6 ﹁ 葬 式 の 日 取 り に つ い て 特 に 忌 む こ と が あ る か ﹂ 葬 式 の 日 取 り は 友 引 の 日 を 避 け る の は 一 般 的 で あ る 。 ① 佛 滅 ・ 友 引 ・ 丑 の 日 を 忌 む 。 佛 滅 の 日 に つ い て 特 別 に 云 わ れ て い な い が 、 友 引 の 日 に 行 う と 年 内 に 肉 身 の 者 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 一 九 九
l o o が 三 人 死 ぬ と 云 う 。 止 む を 得 ず 行 う 場 合 は 人 形 二 つ を 入 れ て 身 代 り と す る 。 又 丑 の 日 に つ い て は 牛 の 尾 に よ つ て 生 天 す る か ら い け な い と 云 わ れ て い る 。 ② 友 引 き 、 丑 の 日 。 ③ ⑱ 友 引 き 、 卯 の 日 を 忌 む 。 不 幸 が 重 な る と 云 う 。 ⑤ 友 引 き ・ 寅 の 日 は 避 け る 。 止 む を 得 ぬ 時 は 人 形 を 一 緒 に 入 れ て 身 代 り に す る 。 寅 の 日 を 忌 む の は " 虎 は 千 里 行 つ て 千 里 帰 る " と い う 諺 か ら だ と 云 う 。 ⑦ 友 引 の 日 。 但 し 上 友 引 の 日 に 葬 式 を 出 す と 目 上 の 人 が 亡 く な る と 云 い (死 ん だ 人 よ り 目 上 の 人 が な い 場 合 に は 出 す ) 、 下 友 引 の 日 に 葬 式 を 出 す と 目 下 の 人 が 亡 く な る と 云 う ( 死 ん だ 人 よ り 目 下 の 人 が な い 場 合 は 出 す ) 。 ⑨ ⑭ 友 引 き ・ 寅 の 日 。 ⑯ 友 引 き の 日 。 こ の 日 に 止 む を 得 ず 行 う 場 合 は 夕 方 に す る 。 こ の 時 棺 の 中 に コ ケ シ 人 形 を 入 れ る 。 7 ﹁ 葬 式 の 行 わ れ る 前 後 な ど に 使 っ て は な ら な い 様 な 言 葉 が あ る か 。 ﹂ ① 結 婚 と か 出 産 . 妊 娠 . 繁 榮 等 め で た い 言 葉 が 禁 ぜ ら れ て お り 、 、不 意 に 出 た 場 合 は 死 者 の 靈 前 に 香 を た い て 許 を 乞 う と 云 う 。 ⑭ 死 者 を 侮 る 言 葉 及 び め で た い 言 葉 。 8 ﹁ 魂 呼 び ( 臨 終 或 は 死 後 直 ち に そ の 人 の 名 を 呼 び か え し て 蘇 ら せ よ う と す る 習 俗 ) と い う こ と が 行 わ れ て い る か 。 あ れ ば 誰 が . 何 人 で . 何 処 で ( 例 え ば 枕 も と ・ 屋 根 又 は 高 い 所 へ 登 る ・ 山 ・ 海 ・ 弁 戸 な ど に 向 つ て ) 。 手 に も つ も の 。 ﹂
⑤ 枕 も と で 呼 ぶ が 、 老 人 に 封 し て は 行 わ な い 。 ⑲ 親 族 の も の が 枕 も と で 死 者 の 名 を 一 度 ず つ 呼 ぶ 。 又 は 代 表 者 が 三 回 呼 ぶ 場 合 も あ る 。 9 ﹁ 火 ガ カ リ ・ 火 ヲ カ ブ ル ・ 火 ガ ハ リ と 云 う こ と が あ る か 。 あ れ ば そ の 日 數 。 及 び 喪 家 の 標 識 に つ い て 。 ﹂ ① 死 者 の 出 た 家 庭 の 人 達 か ら 火 ・ マ ッ チ 、 或 は タ バ コ の 火 を も ら う こ と を 嫌 い 、 も し 借 り る と 不 幸 が 來 る と 云 わ れ て い る 。 又 死 者 の 出 た 家 庭 と 、 妊 産 婦 の い る 家 庭 と の 關 係 で は 、 喪 中 の 家 族 員 が 妊 産 婦 の い る 家 へ 行 く と 必 ず 火 事 が 起 る と 云 い 行 く こ と は 出 來 な い こ と に な つ て い る 。 ど う し て も 行 か ね ぱ な ら な い 時 は 窓 越 し に 會 話 を す る 様 に し て い る 。 又 妊 産 婦 が 喪 中 の 家 を 訪 問 し な け れ ば な ら な い 時 は 、 前 以 て 妊 産 婦 以 外 の 家 族 員 を 使 者 に 出 し て 妊 産 婦 が 訪 問 す る 旨 を 傳 え る 。 喪 中 の 家 で は 使 者 が 來 た 時 に 家 に あ る 火 の 全 て に 鹽 を 投 げ て 喪 火 で な い こ と を 表 現 し て 妊 産 婦 の 訪 問 を 待 つ こ ど に な つ て い る 。 用 件 が 濟 み 妊 産 婦 が 歸 る と 再 び 火 に 鹽 を 投 げ て 喪 火 に も ど す こ と が 行 わ れ て い る 。 今 一 つ 妊 産 婦 が い る 家 庭 に 死 者 が 出 た 場 合 、 他 の 喪 家 と の 交 際 は 自 由 で あ る が 、 し か し 妊 産 婦 家 庭 の 葬 式 の 日 よ り 二 十 一 日 以 内 に 起 つ た 時 に 限 定 さ れ て い る 。 靈 前 に 供 え る 物 を 煮 る 場 合 は 必 ず 火 を 別 に す る 。 忌 中 は 二 十 一 日 間 乃 至 四 十 九 日 間 で あ る 。 喪 家 の 標 識 は 竹 の す だ れ に 半 紙 三 分 の 一 に " 忌 中 " と 書 い て 忌 明 け ま で 下 げ て お く 。 ⑤ 家 の 紳 を 封 じ 、 五 十 日 間 は 祚 瓧 の 鳥 居 は く ぐ ら ず 一 切 神 祗 か ら 遠 ざ か る 。 ⑦ 葬 式 を 出 す 迄 は 喪 家 の 人 は 食 事 の こ と を 一 切 し な い で 他 人 に し て も ら う 。 ⑩ 火 ガ カ リ は 四 十 九 日 ま で で あ る 。 ⑯ 火 ガ カ リ は 四 十 九 日 間 で 、 祚 杜 の 仕 事 に は 一 切 出 な い 。 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 1 10 1
二 〇 二 ⑳ 中 陰 期 間 を 火 ガ カ リ と 云 つ て 禪 祗 の 鳥 居 は く ぐ ら な い 。 10 ﹁ 死 人 と 同 齡 の 人 に 關 し 何 か 特 別 な 習 俗 が あ る か ﹂ ⑨ 同 齡 の 人 は 葬 式 の 時 お と も に つ か な い 。 又 妻 が 妊 婦 で あ れ ば そ の 夫 は お と も に つ か な い 。 ⑲ 親 族 内 の 同 齡 の 人 は 葬 式 の 日 よ り 三 日 乃 至 七 日 間 は そ の 家 に 宿 し て 靈 前 の 供 養 を 食 べ る こ と が あ る 。 11 ﹁ 死 亡 と 村 民 の 生 活 制 限 に つ い て ﹂ な し 12 ﹁ 枕 團 子 ・ 枕 飯 を 作 る か ﹂ ① 枕 團 子 ・ 枕 飯 共 に 作 る 。 枕 團 子 は 二 種 類 作 り 、 一 は 直 徑 二 糎 程 の も の 、 他 は 直 徑 四 糎 の ア ン 入 り の も の 。 枕 團 子 は 最 下 段 を 七 つ と し て 三 角 形 に し て 積 み 重 ね て 行 く 。 枕 飯 は 死 亡 す る と す ぐ 作 り 、 山 盛 り に し 箸 は 必 ず 十 文 字 に さ す 。 ⑥ 枕 團 子 は 四 個 作 る 。 ⑧ 枕 團 子 は 死 後 速 か に 作 り 供 え る 。 ⑨ 兩 方 又 は 一 方 を 作 る が 、 枕 團 子 を 作 る 場 合 は 米 を 水 洗 い せ ず し て 作 ら れ る 。 ⑯ 死 後 直 ち に 枕 團 子 を 作 り 供 え る こ と に な つ て い る 。 ⑳ 兩 方 作 る が 、 枕 飯 は 茶 碗 に 高 く 盛 り 一 本 の 箸 を た て る 。 13 ﹁ 死 者 の 寝 か せ 方 、 體 を 縛 つ た り し な い か 。 着 せ る 着 物 ・ 魔 よ け な ど に つ い て ﹂ ① 北 枕 に 寝 か せ る 。 着 物 は 死 者 が 生 前 中 最 も 好 ん だ 着 物 を 着 せ る 。 納 棺 の 時 は 白 装 束 で あ る 。 尚 こ の 項 に は 直 接 關 係 は な い が 、 出 棺 後 死 者 の 寝 て い た 部 屋 の 四 隅 に " ア ト フ ダ " を は り つ け る 。 こ れ は 禪 祗 發 行 の も の も あ
る が 僭 が 書 く 場 合 も あ る 。 即 ち ﹁ 東 方 ・ 禪 力 演 大 光 ﹂ ﹁ 西 方 ・ 普 照 無 際 土 ﹂ ﹁ 南 方 ・ 消 除 三 垢 冥 ﹂ ﹁ 北 方 ・ 廣 濟 衆 厄 難 ﹂ と 無 量 壽 經 の 四 誓 偈 の 文 を 書 い て 貼 る 。 ⑩ 西 向 き 、 死 後 す ぐ " む し ろ " に 寝 か す 。 ⑳ 死 者 が 出 る と 、 そ の 死 者 の 身 に つ け て い た も の を 洗 い 屋 根 の 上 に 目 に つ く 場 所 に 干 す 。 尚 、 頭 北 面 西 、 枕 元 に 刀 劍 を 置 く の は 殆 ん ど 共 通 し て い る 。 14 ﹁ 棺 に 入 れ る 前 に 死 人 を 湯 で 洗 う か 。 そ の 場 合 の 湯 の 加 減 は 冷 水 に 湯 を 注 ぐ か 。 入 棺 の 時 の 死 者 の 服 装 及 び 副 葬 晶 、 頭 陀 袋 の 作 り 方 と 入 れ る も の ﹂ ① 湯 灌 は 冷 水 に 湯 を 注 ぐ 、 " 逆 さ 水 " で あ り 、 以 前 は 湯 灌 の 時 に 全 身 の 毛 を 剃 つ た が 、 現 在 で は 頭 毛 を 剃 る 。 全 身 の 毛 を 剃 つ た 時 に は 、 カ ミ ソ リ を 使 う 人 と 、 大 根 を 持 つ 人 ( こ れ は カ ミ ソ リ の 油 を 取 る 爲 に 使 用 す る ) 、 及 び 線 香 を 持 つ 人 、 ロ ー ソ ク を 持 つ 人 の 四 人 で あ つ た 。 死 者 の 服 装 は " 逆 帽 子 " (逆 頭 巾 ) を か ぶ せ 、 經 帷 子 ・ 脚 絆 ・ テ ヲ (手 甲 の こ と ) ・ ワ ラ ジ で 、 ワ ラ ジ の 緒 に 六 文 錢 を つ け る 。 副 葬 品 は " ツ イ " 杖 の こ と で 、 生 の 細 い 木 を 二 尺 五 寸 程 に 切 り 上 方 の 握 る 方 に 半 紙 を 巻 き つ け る 。 頭 陀 袋 の 中 に 入 れ る も の と し て は 、 親 族 や 縁 の 濃 い 人 の 爪 や 頭 毛 ・ 六 文 錢 ・ 又 死 者 が 特 に 愛 用 し た も の を 入 れ 、 六 文 錢 は 生 前 惡 業 を 爲 し た 所 謂 罪 が 深 い 人 程 多 く 入 れ る こ と が 習 慣 に な つ て い る 。 頭 陀 袋 の 作 り 方 は 二 種 あ り 、 一 は 袈 裟 の 様 に な つ て 中 が 袋 に な つ た も の 、 一 つ は 腹 に し ば り つ け る 様 に 作 つ た も の の 二 つ で あ る 。 經 帷 子 や こ う し た も の を 作 る に は 、 ハ サ ミ と か 物 指 は 使 用 せ ず 畳 の 三 尺 を 利 用 し て 寸 法 を と つ て い く 。 縫 う 時 も 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 二 〇 一二
二 〇 四 縫 糸 の 玉 は 作 ら な い 。 ③ 死 人 を 湯 で 洗 う が 、 そ の 湯 は 冷 水 に 湯 を 加 え る 。 頭 陀 袋 は 前 に つ る 様 に 作 る 。 入 れ る 物 は 死 者 の 好 き な も の 、 一 文 錢 三 枚 。 又 鎌 の 先 を 入 れ る 。 ⑤ 死 者 の 服 装 は 經 帷 子 ・ 手 甲 ・ 脚 絆 ・ 白 念 珠 ・ 袈 裟 ・ ゾ ー リ (ゾ ー り は 死 者 が 再 び 歸 つ て 來 な い 様 に と 緒 を 切 つ て お く ) を つ け 、 杖 ・ 善 光 寺 か ら 血 脈 ・ 六 文 錢 ・ 香 等 を 入 れ る 。 ⑦ 手 甲 ・ 脚 絆 ・ 足 袋 を は か せ こ よ り で く く る 。 こ こ で は 頭 陀 袋 の こ と を " サ ン ヤ 袋 " と 云 つ て い る 。 ⑨ 湯 灌 し た 人 は 葬 送 の お と も に つ か な い こ と に な つ て い る 。 ⑩ 湯 灌 は 水 で す る 。 空 の タ ラ イ に 入 れ て か け 水 を す る 。 服 装 は 經 帷 子 ・ 袈 裟 を か け 、 又 頭 陀 袋 に は 六 文 錢 . ハ ン カ チ を 入 れ 、 菓 子 ・ 枕 團 子 ・ 辨 當 な ど も 棺 に 入 れ る 。 ⑭ 入 棺 の 時 の 服 装 は 經 帷 子 で そ の 背 に は 六 字 名 號 ・ 觀 音 ・ 勢 至 を 兩 脇 に 書 く 。 手 甲 ・ 脚 絆 。 頭 陀 袋 に は 法 名 及 び 血 脈 譜 ・ 六 圓 ・ 及 び 笠 ・ 杖 を 入 れ る 。 ⑰ 湯 灌 は 冷 水 に 湯 を 入 れ る 。 又 頭 髪 を 剃 る 。 副 葬 品 は 死 者 の 愛 用 の 品 や 、 杖 ・ 花 等 を 入 れ る 。 頭 陀 袋 は 威 儀 細 形 に ひ も を つ け て ﹁ 入 一 法 句 ﹂ と 書 く 。 ○ 葬 式 15 ﹁ 講 或 は 葬 式 組 と 云 わ れ る も の が 手 傳 う か 。 講 ・ 葬 式 組 の 範 圍 、 諸 役 の 分 擔 、 (幼 兒 ・ 未 婚 者 ・ 戸 主 等 と の 差 異 ) ﹂ ① 講 ば 特 別 に な い が 、 村 の 戸 主 が 全 員 手 傳 い 葬 式 を 執 行 す る 。 尚 村 内 五 十 歳 以 上 の 婦 人 に よ つ て 結 成 さ れ て い る 念 佛 講 ・ 觀 音 講 な ど の 講 中 の 人 々 が 、 野 邊 送 り の 時 稱 名 し て 行 列 す る 。
④ 四 十 數 戸 を 東 ・ 西 ・ 南 の 三 組 に 分 け て お り 、 組 に 矚 す る 戸 主 の み が 手 傳 う 。 役 の 分 擔 は そ の 時 話 合 い の 上 で 決 め ら れ る 。 ⑨ 村 内 各 部 落 に 念 佛 講 が あ り 、 こ れ が 葬 式 組 と な つ て い る 。 ⑩ 部 落 を 數 班 に 分 け て お り 、 そ の 組 下 の も の が 葬 式 一 切 を 手 傳 う 。 以 前 は 米 を 出 し 合 っ た 。 ⑬ 葬 式 組 が あ り 、 幼 兒 死 亡 の 場 合 は 一 組 だ け が 手 傳 う 。 未 婚 者 の 場 合 は 二 組 が 手 傳 い 、 戸 主 の 場 合 は 三 組 が 手 傳 う 。 そ し て 能 方 ・ 炊 事 ・ 寺 院 係 ・ 一 般 會 葬 者 係 等 を 組 々 で 手 傳 う 。 ⑰ 部 落 單 位 で 葬 式 組 が あ り 、 穴 堀 り は 輪 番 制 で あ る 。 ⑳ 組 内 は 無 常 講 金 と し て 一 人 一 圓 を 集 め 喪 家 へ 供 え 、 葬 式 の 世 話 は 組 内 で 行 う 。 ⑳ 無 常 組 が あ り 式 の 準 備 一 切 を す る 。 親 族 の 人 々 は 臺 所 を 手 傳 つ て は な ら な い こ と に な つ て い る 。 ⑳ 尼 講 が あ り 通 夜 及 び 死 者 に 着 せ る 着 物 並 に 供 え 物 等 を 世 話 す る 。 ⑱ 一 村 が 上 下 組 に 分 か れ て お り 、 又 上 下 組 を 數 班 に 分 け て 手 傳 い 諸 役 を 分 擔 す る 。 ⑳ 垣 内 の 人 々 、 又 親 族 の 人 々 が 手 傳 う 。 ⑳ 冠 婚 葬 祭 に た ず さ わ る 組 が あ り 、 こ れ は " 丁 ( チ ヨ ウ ) " と 呼 ば れ る も の で 、 八 乃 至 十 軒 で 成 り 立 つ て い る 。 16 ﹁ 葬 具 と 種 類 ・ 調 製 ( 一 回 ご と の も の と 連 用 の も の 、 連 用 の も の の 保 管 場 所 ) 。 棺 の 形 ﹂ ① 葬 具 は 、 造 花 三 封 ( 白 ・ 金 ・ 銀 蓮 華 ) 、 シ カ の 花 ( 四 花 ) 、 タ イ マ ツ ー 以 上 は 新 調 し 、 棺 臺 は 連 用 で 墓 地 の 小 屋 に 保 管 し て あ る 。 棺 の 形 は 寝 棺 と 樽 式 兩 方 あ る が 、 村 に 於 て は 樽 式 の も の が 多 い 。 ③ 葬 具 は 、 ハ タ ・ 燈 籠 ・ ナ ガ エ ( 棺 を 乘 せ る 臺 ) ・ 花 立 て ・ ト ウ キ ン 等 で ・ 棺 の 形 は 寝 棺 ・ 座 棺 (丸 ・ 角 の 二 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 二 〇 五
二 〇 六 種 ) で あ る 。 ④ 提 灯 ・ ハ タ ・ 華 籠 ・ 銘 旗 ・ 閼 伽 が 一 回 き り の も の で 、 輿 は 連 用 で 各 部 落 毎 に 有 し て い る 。 寝 棺 が 主 で あ る 。 ⑦ 葬 具 の 保 管 場 所 は " サ ン マ イ " ( 燒 場 ) で あ る 。 棺 の 形 は 丸 い 棺 桶 で あ る 。 ⑰ ロ ー ソ ク 立 て ・ 燒 香 臺 ・ 生 花 筒 ・ 杖 ・ 六 道 灯 ・ 引 導 用 鍬 ・ ハ タ 等 は 一 回 き り で 、 人 天 蓋 ・ 燈 籠 ・ 棺 掛 袈 裟 等 は 連 用 で 寺 に 保 管 す る 。 棺 は 底 が 四 角 の 立 方 體 の も の を 用 い る 。 17 ﹁ 棺 の 出 口 、 出 棺 の 時 の 作 法 ﹂ ① 棺 の 出 口 は 村 家 の 多 く は " シ ト メ " が あ り そ こ が 出 口 と な る 。 普 通 の 時 に シ ト メ か ら 出 入 す る と 早 死 す る と 云 わ れ て い る 。 出 棺 の 時 の 作 法 は 、 最 後 の 別 れ を し て 、 死 者 の 血 縁 の も の が 棺 に " 麻 糸 " を つ け て 出 口 ま で 引 い て 行 く 。 喪 主 が 一 人 で 糸 を 持 っ て い る 間 に 他 の 者 は 外 に 廻 り 再 び 糸 を と つ て 庭 ま で 引 い て 行 く 。 そ の 場 A 三 旦 糸 を 握 れ ば 離 し て は な ら な い こ と に な つ て お り 、 離 せ ぼ 親 族 の 縁 を 切 る と 云 わ れ て い る 。 (縁 の 網 ・ 善 の 網 ) ⑤ 普 通 は 玄 關 以 外 の 縁 か ら 近 親 者 に よ つ て 運 び 出 し 、 棺 が 安 置 し て あ つ た 部 屋 に 鹽 を ま い て 清 め る 。 ⑥ 茶 碗 を わ り 、 半 分 程 燃 し た 藁 の 上 を 棺 を 擔 い で 跨 い で 行 く 。 ⑦ 縁 先 か ら 出 て 、 出 棺 の 時 に 親 類 一 同 に 冷 酒 を 出 す 。 ⑬ 出 棺 の 時 藁 を た き 、 タ ラ イ で 伏 せ る 。 ⑭ 後 向 き に 出 る 。 ⑯ 玄 嗣 で 門 火 を た き 、 死 者 の 茶 碗 を わ る 。 ⑰ 座 敷 表 口 よ り 出 棺 。
⑲ 棺 の 出 口 は 縁 側 で あ り 、 出 棺 の 時 は 竹 の 門 を 作 り そ の 門 か ら 出 る 。 ⑳ 必 ず 縁 か ら 出 る 。 又 疊 の 上 か ら ゾ ー リ を は い て 出 る 。 ⑳ 出 棺 の 時 死 人 の 使 用 し た 茶 碗 を わ る 。 働 玄 關 か ら 出 て そ の 前 で 三 回 ま わ り 、 茶 碗 を わ る 。 18 ﹁ 野 邊 送 り の 行 列 の 順 序 及 び 役 目 を 擔 う 人 。 (棺 を 擔 ぐ 人 、 位 牌 、 タ イ マ ツ 、 ハ タ 、 花 な ど 持 つ 人 ) H 死 者 と の 關 係 ﹂ ① 棺 を 擔 ぐ 人 は 死 者 と 親 し く し て い た 人 で あ り 、 位 牌 は 相 續 人 、 タ イ マ ツ は 兄 弟 又 は 死 者 の 子 供 で 、 ハ タ . 花 等 は 特 別 に 決 つ て い な い 。 葬 列 は 、 花 ー 燈 籠 ー 1 白 蓮 華 -ー 銀 蓮 華 i 金 蓮 華 ; 燈 籠 -盛 物 ー 菓 子 果 物 t 團 子 t 野 飯 -膳 t 燭 台 -香 爐 ー 四 花 l l 位 牌 t 女 性 ー 棺 (網 を 引 く ) ⋮ ・.・ と 續 く が 、 僣 侶 は 葬 列 に 加 わ ら ず 先 に 墓 地 へ 行 つ て い る 。 ③ カ ド ビ (手 持 ⋮ ⋮ 門 口 の 中 で 火 を つ け て す ぐ 外 で 消 す ) 1 標 目 (手 傳 い ) 1 鐘 (講 員 ) i 1 色 旗 (親 族 關 係 ) t 如 來 さ ん (傳 法 を 受 け た 人 ) 1 1 役 僣 ー 1 導 師 i 白 旗 (親 族 關 係 ) t 白 燈 籠 (親 族 關 係 ) 1 花 (手 傳 い ) ー 1 線 香 (手 傳 い ) 1 位 牌 (相 續 人 の 妻 ) ー 棺 (子 又 は 親 族 關 係 四 人 で 擔 ぐ ) 1 天 蓋 (親 族 姉 婿 ) l l 親 族 一 同 -手 傳 い 及 び 村 人 の 順 。 ⑥ タ イ マ ツ ( 子 供 ) t 盛 物 (隣 組 ) 1 僣 t 三 具 足 (隣 組 ) 1 旗 (子 供 ) 1 膳 ( 二 男 ) 1 位 牌 (長 兄 ) 1 棺 ( 親 族 一 同 ) ー 塔 {婆 ( 親 族 ) 1 會 葬 者 の 順 。 ⑦ 位 牌 持 ち は 相 續 人 、 棺 を 捲 ぐ 人 及 び 天 蓋 は 身 内 の 者 。 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 二 〇 七
二 〇 八 ⑨ 位 牌 は 相 續 人 。 他 は 部 落 の 人 。 身 近 な 者 は 行 列 の 一 番 後 に っ く 。 ⑬ 二 十 五 菩 薩 ( 組 の 長 老 ) l i タ イ マ ツ (濃 い 親 族 ) i ハ タ (組 人 ) 生 花 (友 人 ・ 遠 い 親 族 ) 1 線 香 (友 人 . 親 族 ) 盛 物 (從 兄 弟 ) i ー 香 爐 (妻 の 兄 ) 1 鶴 霾 ( 從 兄 弟 ) l I 四 花 (分 家 ) t 位 牌 (相 續 人 ) i 供 膳 ( 長 女 ) i 燈 籠 (從 兄 弟 ) 棺 (子 供 ・ 從 兄 弟 ) 天 蓋 (姉 婿 ) 杖 笠 (子 供 ) の 順 。 ⑰ 棺 を 擔 ぐ 人 は 近 親 者 が 交 替 で 擔 ぐ 。 出 棺 の 時 は 相 續 人 と 最 も 近 い 親 族 で 擔 ぐ 。 位 牌 持 ち は 相 續 人 、 タ イ マ ツ は 子 供 、 膳 ・ ロ ー ソ ク 立 て ・ 燒 香 臺 ・ 枕 團 子 ・ 諸 生 花 ・ 花 環 ・ ハ タ ・ 燈 籠 等 順 次 近 親 者 よ り 葬 式 組 員 が 受 持 つ 。 ⑳ 野 邊 送 り の 行 列 の 指 示 は 無 常 組 の 組 長 が 決 め る 。 但 し 位 牌 は 相 續 人 の 妻 が 持 ち 、 綿 ボ ー シ を か ぶ る 。 ⑳ ) 花 輪 ー 先 燈 籠 飯 持 (相 續 人 の 妻 ) -位 牌 (孫 ) 四 本 旗 ( 近 親 者 ) ⋮ 客 僣 -役 僣 -導 師 i ゼ ン ノ 網 ( 近 親 者 婦 人 ) 前 棺 持 (死 者 出 生 家 の 主 人 ) i 後 棺 持 (相 續 人 ) 1 後 燈 籠 (近 親 者 ) 1 天 蓋 ー } 般 會 葬 冖者 の 順 。 ⑳ 野 邊 送 り の 途 中 、 タ イ マ ツ (竹 を 割 っ た も の に 大 根 の 丸 切 り を さ し 、 そ の 上 に ト ー ガ ラ シ ・ ロ ー ソ ク を 立 て る 。 そ し て 竹 に 白 い 紙 を 卷 き つ け る ) を 道 の 角 々 に 立 て て 行 く 。 @ 十 年 程 前 ま で 竹 を 割 り そ こ に ロ ー ソ ク を 立 て た も の を 、 自 宅 か ら 墓 ま で の 曲 り 角 に 一 封 ず つ こ れ を 立 て た 。 19 ﹁ 墓 で 棺 を 廻 し た り 、 墓 穴 に 納 め て 小 石 な ど を 投 げ る か 。 又 埋 葬 品 が あ る か ﹂ ① 墓 地 で は 小 屋 の 前 に 墓 穴 の 土 を 山 盛 り に し て こ れ を 中 心 に 左 へ 三 回 廻 る 。 墓 ま で の 途 中 で は 別 に こ れ と い つ た こ と は な い が 、 道 の 曲 り 角 、 橋 の 上 に 來 る と 鉦 を 鳴 ら す 。 途 中 橋 の 上 を 通 っ た 時 は 、 棺 を 擔 い で い る 人 は 注 意 し て " 棺 が 重 く 感 じ た " " 軽 く 感 じ た " 等 の 感 じ 方 を 喪 主 に は 云 わ ず 後 に 村 人 と 話 し 合 う こ と が あ る 。 重 く
感 じ た 場 合 は 不 歡 喜 の 死 、 軽 く 感 じ た 場 合 は 歡 喜 の 死 で あ り 、 何 も 感 じ な か つ た 場 合 は 老 人 に 多 く 、 宿 命 の 死 と さ れ て い る 。 ⑫ 死 者 の 家 族 が 始 め 少 し 土 を か け る 。 ⑬ 長 男 か 、 死 者 と 一 番 濃 い 人 が 土 を か け る 。 ⑮ 墓 に あ る 蓮 臺 の 上 で 、 五 重 ・ 授 戒 を 受 け て い な い 人 は 左 よ り 三 回 廻 り 、 受 け て い る 人 は 廻 さ な い 。 又 身 近 な 人 よ り 一 握 り ず っ 土 を 入 れ る 。 ⑰ 墓 地 で は 左 か ら 棺 を 三 回 廻 す 。 納 め た ら 相 續 人 、 近 親 者 が 一 鍬 ず つ 土 を か け る 。 ⑳ 墓 で 左 よ り 三 回 廻 り 、 近 親 者 は 一 鍬 ず っ 土 を か け る 。 ⑳ 棺 を 擔 ぐ 人 は ワ ラ ジ を 墓 の 中 に 入 れ 何 も 持 つ て 歸 ら な い 。 20 ﹁ 墓 地 で 役 目 を 擔 っ た 人 々 が 飲 食 す る か ﹂ ① 墓 地 で の 飲 食 は 、 墓 穴 を 掘 つ た 人 に 限 る 。 穴 を 掘 つ た 人 は 死 者 と 最 も 親 し か つ た 人 を 加 え 三 人 で 掘 る 。 そ の 場 合 死 者 が 生 前 穴 掘 り を 友 人 に 依 頼 し て あ れ ば 、 依 頼 さ れ た 人 が 掘 る こ と に な る 。 こ の 地 方 で は 村 内 の 親 し い 知 人 に 依 頼 し て お く こ と が 普 通 の 樣 で 、 依 頼 を 受 け た 人 は 最 後 ま で そ れ を 秘 密 に し 、 出 棺 前 に 喪 主 に 申 出 る の で あ る 。 も し な け れ ば 喪 主 が 知 入 を 通 じ て 三 人 を 選 擇 し て 掘 つ て も ら う こ と に な つ て い る 。 こ の 三 人 に 對 し て 酒 一 升 、 ッ マ ミ を 出 し 、 一 人 が 掘 る 時 は 二 人 が 飲 食 す る と い う 一 働 二 休 式 で 掘 ら れ る 。 ③ 穴 掘 り を 擔 當 し た 人 は 、 ア ゲ ・ デ ン マ イ ・ 握 り 飯 ・ 酒 一 本 で 飲 食 す る 。 ⑨ 夜 墓 地 で 飲 食 し な が ら 火 を 燃 や し 、 盆 踊 り の 歌 を う た い 乍 ら 夜 と ぎ を す る 。 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 二 〇 九
一 二 〇 ⑰ 穴 掘 り を 擔 當 し た 人 の み が 飲 食 す る 。 ⑳ 墓 穴 を 掘 つ た 人 の み 少 量 飲 酒 す 。 ⑳ 燒 く 人 が 冷 酒 を 飲 む 。 21 ﹁ 火 葬 の 場 合 、 そ の 遺 骨 の 處 置 ・ 灰 の 處 置 ﹂ ③ 日 没 後 親 族 蘭 係 者 で 火 を つ け 、 翌 朝 八 時 頃 骨 を 迎 え に 行 く 。 ④ 火 葬 の 翌 日 親 族 に よ つ て 骨 を 拾 い に 行 く 。 ⑦ 殘 つ た 骨 及 び 灰 は カ マ ス に 入 れ 、 河 原 (自 村 の 土 器 川 ) に 流 す 。 22 ﹁ 埋 葬 し た 上 へ の 作 り も の に つ い て ﹂ ① 埋 葬 し た 上 に 花 を さ し (白 ・ 金 ・ 銀 ・ 四 花 等 ) 又 塔 婆 三 枚 を さ す 。 又 土 盛 り の 上 に 石 を 置 く こ と も あ る 。 ③ 標 目 ・ イ ガ キ ・ オ デ ン 。 ⑥ 墓 標 を た て 花 を 供 え 、 周 り を 竹 で 一 米 四 方 に 圍 む 。 ⑩ ハ タ に 使 用 し た 竹 を 曲 げ て 埋 葬 し た 上 に 突 き さ し 、 そ の 上 か ら タ ワ ラ を か ぶ せ る こ と も あ る 。 ⑮ " 先 ダ イ マ ツ " と 云 つ て 長 さ 三 十 糎 餘 の 割 つ た 竹 を 突 き さ す 。 ⑰ 墓 の 上 に カ マ を 立 て る 風 習 が あ る 。 凾 埋 葬 し た 上 へ は 墓 標 を た て 、 竹 垣 で と り ま き 、 供 華 ・ 燈 明 な ど を あ げ 、 翌 朝 墓 直 し を し て 死 者 の 法 名 を 三 度 呼 ぶ 。 ⑳ 墓 標 を 圍 む よ う に 竹 で 垣 を 作 つ て 四 角 に 圍 む 。
⑳ 墓 標 ・ 膳 ・ 四 方 に 幡 を 立 て て ナ ワ で 圍 む 。 小 幡 を 寺 で 用 意 し 全 部 の 墓 に 立 て る 。 23 ﹁ 野 歸 り 、 墓 よ り 歸 宅 し て か ら の 作 法 、 飲 食 に つ い て ﹂ ① 墓 に 供 え た も の を 〃 ホ ゲ ル " と 云 う が 、 供 え た も の は 絶 對 に 家 に 持 ち 込 ん で は な ら な い 。 歸 り の 場 合 、 墓 よ り 出 て 喪 家 に あ ま り 近 く な い 所 で ゾ ー リ を ぬ ぎ 素 足 で 歸 る こ と に な つ て い る 。 本 來 は 墓 地 を 出 る と す ぐ 素 足 に な つ た 樣 で あ る 。 家 に 入 る 前 に 木 炭 で 手 を こ す り 、 更 に 鹽 で 手 を 洗 い 、 口 を う が い し て 入 る の で あ る 。 續 い て " 三 十 五 日 の 法 事 " と 云 わ れ る も の が 僣 侶 に よ つ て 行 わ れ る 。 そ の 間 に 親 族 は 水 を 供 え る 。 後 、 精 進 料 理 で 會 食 す る 。 ⑦ 錦 宅 後 、 ガ ン モ ド キ ・ ア ゲ ・ ア ラ メ ・ フ を 用 い た 精 進 料 理 で 會 食 す る 。 ⑨ 同 じ 道 を 通 っ て 歸 る こ と を 嫌 う 。 歸 宅 後 戸 口 で 食 鹽 を な め 、 そ し て 足 の 先 で " ミ " ' に 少 し さ わ る 。 ⑩ " ミ " に 鹽 を 入 れ て ま つ る 。 ⑲ 歸 り は ワ ラ ゾ ー リ の 緒 を 切 つ て 素 足 で 歸 る 。 家 に 入 る 時 は 一 人 一 人 鹽 を ふ り か け て も ら つ て か ら 入 る 。 ⑳ 鹽 を 手 に つ け て 水 で 洗 う 。 飲 食 の 場 合 は 無 常 講 が 給 仕 す る 。 ⑳ " 仕 上 げ " と 云 つ て 、 手 傳 人 ・ 親 族 等 が 飲 食 す る 。 ⑳ 野 歸 り の 際 は 入 口 に て 鹽 を ふ り か け 手 足 を 洗 い 清 め る 。 讀 經 後 一 同 飲 食 す る 。 ⑳ 家 の 前 に 鹽 を ま き 、 歸 つ て 來 る と そ れ を 踏 ん で か ら 入 る 。 ⑳ ) 玄 關 前 で 鹽 を ふ り か け る 。 24 ﹁ 願 も ど し の 作 法 に つ い て ﹂ 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 二 一 一
鳳= 二 ① あ る 樣 で あ る が 具 體 的 な こ と は 不 明 。 25 ﹁ 死 人 を 船 に の せ て 送 り 出 し た と い う 傳 承 は な い か ﹂ ① 過 去 に お い て 青 森 縣 西 津 輕 郡 木 造 町 大 字 出 來 島 で 行 わ れ て い た ら し い が 現 在 は 全 く な い 。 26 ﹁ 昔 は 一 定 の 墓 を 作 ら ず 洞 穴 の 中 な ど に 死 人 を 放 り 込 ん で い た と い う 云 い 傳 え は な い か ﹂ な し 27 ﹁ 墓 は 一 ケ 所 だ け か (兩 墓 制 の 場 合 は 兩 墓 の 位 置 ) ﹂ ① 埋 葬 地 と 屋 敷 墓 の ニ ケ 所 あ る 。 ⑰ 死 體 を 埋 葬 す る 場 所 と 、 檀 那 寺 の 境 内 に 石 牌 を 立 て て 墓 と し て 祠 る 。 ⑳ 埋 葬 墓 地 は 墓 標 を た て る が 、 數 年 後 他 の 死 者 を 埋 葬 す る 故 、 寺 院 境 内 に 代 々 の 石 牌 が あ る 所 に 初 七 日 よ り 永 年 合 詞 す る 。 雹 ニ ケ 所 あ り 、 寺 の 境 内 と 近 郊 の 一 ケ 所 (共 同 墓 地 ) 。 ⑭ 埋 葬 す る 所 は 隣 村 の 墓 地 で 、 石 牌 は 寺 に た て る 。 28 ﹁ 僭 侶 の 役 目 、 權 限 ﹂ ① 僭 の 役 目 は 引 導 の み で 權 限 は な い 。 ⑩ 僭 侶 は 儀 式 を 喪 家 の 都 合 通 り に 行 う だ け で あ る 。 ⑰ 葬 式 を 執 行 す る 役 目 、 法 名 の 付 與 ・ 過 去 帳 へ の 記 入 ・ 引 導 等 で あ る 。 ⑳ 僣 侶 は 儀 式 を 行 う の み で 、 執 行 ・ 時 間 等 に つ い て は 全 て 世 話 人 が 決 定 す る 。
⑳ 枕 經 ・ 法 名 の 付 與 ・ 引 導 等 の 役 目 あ り 。 ⑳ ) 引 導 或 は 納 骨 回 向 の み で 、 葬 式 の 執 行 に つ い て 權 限 と し て は な い が 相 談 役 に な る 。 ○ 死 後 の 供 養 29 ﹁ 忌 明 け の 時 期 と そ の 行 事 内 容 ﹂ ① 三 十 五 日 も あ る が 普 通 四 十 九 日 が 多 く 、 こ の 時 は 僣 侶 の 讀 經 の あ と 會 食 あ り 。 こ の 地 方 で は 中 陰 以 外 の 法 事 を " ジ セ コ " と 云 つ て を り 、 そ の 由 來 は 不 明 で あ る が 普 通 の 年 回 だ け に 云 う 言 葉 で あ る 。 ③ 三 十 五 日 や 四 十 九 日 に は 親 族 や 手 傳 者 を 招 待 す る 。 ⑤ 忌 明 け は 四 十 九 日 。 ⑥ 男 は 五 十 日 、 女 子 は 三 十 日 で 忌 明 け で あ る 。 ⑭ 男 子 は 死 去 よ り 四 十 九 日 、 女 子 は 三 十 五 日 で 忌 明 け で あ る 。 ⑰ 四 十 九 日 を 忌 明 け と す る 。 ⑳ 四 十 九 日 に は " カ サ ノ モ チ " と 云 つ て 小 さ い 餅 を 一 升 で 四 十 九 個 作 り 、 そ の 上 に う す く の ば し た 丸 い 形 の 大 き な 餅 を か ぶ せ た も の を 作 る 。 30 ﹁ 中 陰 申 の 行 事 内 容 (講 ⋮ ⋮ 念 佛 講 ・ 觀 音 講 な ど に 注 意 ) ﹂ ① 特 に 取 り 上 げ る も の は な い 。 念 佛 講 ・ 觀 音 講 が あ る が 、 通 夜 ・ 出 棺 時 に 念 佛 を 唱 和 す る の み で 中 陰 申 は 僭 の 讀 經 が 中 心 と な る 。 ③ 親 族 及 び 近 隣 者 に よ つ て 念 佛 及 び 詠 歌 を と な え る 。 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 二 = 二
i l l 四 ④ 七 日 毎 に 檀 那 寺 の 僣 に よ る 中 陰 回 向 が あ る の み で 、 家 族 だ け が 詣 る 。 ⑥ 尼 講 の 講 員 が 死 ん だ 時 は 、 月 の 十 七 日 、 二 十 四 日 の い ず れ か の 日 に " 別 れ の 念 佛 " を 行 う 。 ⑬ 中 陰 中 一 度 觀 音 講 に よ る 詠 歌 が あ る 。 ⑯ 百 萬 遍 念 珠 を 繰 り 御 詠 歌 を と な え る 。 ⑰ 和 讃 講 が あ る が 通 夜 の 時 に 詠 唱 す る 。 申 陰 中 初 七 日 か ら 七 七 日 迄 寺 に 塔 姿 ・ 供 養 物 を 持 つ て 參 り 、 本 堂 に て 回 向 す る 。 ⑲ 三 七 日 に 念 佛 講 が 參 る 。 ⑳ 念 佛 講 が あ り 初 七 日 の 日 に 參 る 。 ⑳ 觀 音 講 が 參 加 す る 。 ⑳ 寺 の 住 職 と 念 佛 講 は 初 二 二 ・ 五 ・ 七 七 日 に 參 る 。 31 ﹁ " 佛 お ろ し " と い う こ と が 行 わ れ て い る か 。 (特 に 葬 儀 の 日 に 近 接 す る も の に 注 意 ) ﹂ ① " 佛 の 口 お ろ し " " イ タ コ の 口 お ろ し " と 云 い 、 青 森 縣 下 で は 非 常 に 行 わ れ た も の で あ る が 現 在 は 少 く な つ ノ て い る 。 葬 儀 に 近 接 し て い る も の は な い 樣 で あ る 。 " 佛 お ろ し " は 佛 へ の 追 善 供 養 の 爲 と 云 わ れ て い る 。 32 ﹁ 最 終 年 回 に つ い て (石 塔 と 位 牌 に 注 意 ) ﹂ ① 年 回 は 丁 三 ・ 七 ・ 十 三 ・ 十 七 ・ 二 十 三 ・ 二 十 七 ・ 三 十 三 ・ 三 十 七 ・ 五 十 回 忌 の 十 回 で 最 終 年 忌 は 五 十 回 忌 で あ り 、 こ の 時 に " 角 塔 婆 " を た て る 。 (五 寸 角 十 二 尺 、 頭 部 五 輪 ) ③ 忌 明 け と 同 時 に 位 牌 を 作 る 。
④ 最 終 年 忌 は 五 十 回 忌 。 位 牌 は 滿 中 陰 ま で に 作 り 、 石 塔 は 一 周 忌 ま で に 作 る 。 ⑰ 五 十 回 忌 が 最 終 年 忌 。 ⑳ 最 終 年 忌 は 五 十 回 忌 。 こ の 時 " 花 シ バ ( シ キ ビ ) " の 木 を 塔 婆 と し て 、 こ れ に 戒 名 を 書 い て 墓 の 後 に た て る 。 ⑳ 五 十 回 忌 が 最 終 年 忌 。 四 十 九 日 か ら 百 ケ 日 又 は 一 周 忌 に 白 木 の 位 牌 か ら 塗 の 位 牌 に か え る 。 33 ﹁ 年 内 に 不 幸 が あ つ た 家 の 迎 年 準 備 と 正 月 の 行 事 に つ い て ﹂ ① 普 通 の 迎 年 準 備 は し な い 。 例 え ば 、 し め な わ ・ ヨ ジ レ 葉 ・ 鏡 餅 ・ 紳 像 の 軸 を か け て 紳 樣 を 遊 ば せ る と い う 樣 な こ と は し な い 。 ⑤ 歳 の 瀬 の 夕 食 後 、 僭 侶 が " お 寂 し い お 歳 取 り " の 法 要 を 行 い 、 近 親 者 ・ 近 所 の 人 々 が " お 寂 し い お 歳 取 り " の 挨 拶 に 行 く 。 正 月 の 準 備 は し な い 。 ⑩ 四 十 九 日 が 濟 ん で い れ ば 普 通 に す る 。 濟 ん で い な け れ ば 二 月 入 り に す る 。 又 海 岸 の 村 で 不 幸 の あ つ た 家 は " カ ケ " の 魚 を 掛 け る 木 を 取 り か え る 。 ⑳ 正 月 の 時 に " 身 グ ヤ ミ " が あ る 。 ⑳ 四 十 九 日 ま で の 家 は 正 月 の 行 事 は 全 く し な い 。 34 ﹁ 死 者 の 魂 の 行 方 、 死 後 に 生 ま れ 替 る と い う 云 い 傳 え が あ る か 。 ﹂ ① 死 者 の 魂 の 行 方 に つ い て 死 後 七 日 目 に " 三 途 の 川 " を 渡 る と 云 う 。 ま ず 三 途 の 川 の 所 で 、 川 邊 の 樹 の 下 に い る 奪 衣 婆 に 白 裝 東 を 取 ら れ 、 婆 は そ の 着 物 を 樹 に 投 げ あ げ て そ の 樹 の 枝 の 垂 れ 方 に よ つ て 罪 の 輕 重 を 判 定 す る と 云 い 、 そ れ に よ つ て 六 文 錢 を 拂 つ て 三 途 の 川 を 渡 る が 、 川 の 流 れ に 急 ・ 緩 急 ・ 緩 の 三 つ の 流 れ が あ り 、 罪 の 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 1 l 1 五
二 一 六 輕 重 に よ っ て そ の 何 れ か に 落 ち る 。 落 ち れ ば そ れ ぞ れ の 地 獄 へ 行 く と さ れ 、 無 事 橋 を 渡 れ た 者 は 極 樂 に 行 く も の と 云 わ れ て い る 。 ○ 其 他 35 ﹁ 村 内 の 寺 院 ・ 庵 ・ 堂 ・ 塚 ・ 土 ハ同 墓 地 を 地 圖 に 記 入 ﹂ 省 略 36 ﹁ 村 内 の 無 縁 墓 ・ 萬 靈 塔 ・ 地 藏 ・ 五 輪 石 な ど を 地 圖 に 記 入 ﹂ 省 略 37 ﹁ 村 内 又 は 近 隣 の 八 十 八 ケ 所 ・ 三 十 三 ケ 所 ・ 二 十 五 靈 場 な ど あ れ ば そ の 所 在 、 又 巡 禮 の 札 納 め に つ い て ﹂ 省 略 38 ﹁ 村 内 に 特 に 太 子 ・ 行 基 ・ 空 也 な ど の 高 僣 ・ 民 間 獪 の 傳 承 が あ る か ﹂ ① 淨 土 宗 金 光 上 人 の 傳 承 あ り 。 上 人 開 創 の 寺 と し て 南 津 輕 郡 藤 崎 町 に 攝 取 院 が あ り 、 又 西 津 輕 郡 柏 村 浄 圓 寺 に ﹁ 立 像 ﹂ が あ る と 云 う 。 ④ 日 蓮 上 人 の 辻 説 法 跡 と 云 わ れ る 所 が あ る 。 ⑦ 西 高 篠 村 に 法 然 堂 (法 然 上 人 御 分 骨 所 ) 、 熊 谷 堂 が あ る 。 ⑧ 空 也 上 人 堂 あ り 。 上 人 堂 ど 呼 ぼ れ て を り 上 人 の 建 立 さ れ た も の で あ る と 云 い 傳 え ら れ て い る 。 そ の 字 を " 寺 中 " と 呼 ん で い る ゜ 尚 そ の 起 源 が 空 也 上 人 の 念 佛 踊 か ら な る と 云 わ れ る " 三 申 踊 " ( 幅 岡 縣 無 形 文 化 財 ) が 毎 年 盆 踊 り と し て 盛 大 に 行 わ れ て い る 。 ⑩ " 三 人 組 " と い う 山 が あ る が 、 こ れ は 三 人 の 民 間 僭 が 死 ん だ 場 所 と 云 わ れ て い る 。 ⑬ 徳 本 上 人 が 行 脚 に こ ら れ こ の 寺 に 逗 留 さ れ た と 云 う 。 ⑳ 辨 榮 聖 人 が 居 住 さ れ 念 佛 を 弘 め た 地 で あ る 。
⑭ 聖 徳 太 子 が 法 隆 寺 か ら 橘 寺 へ 通 わ れ る 途 中 必 ず こ の 村 の お 宮 で 馬 を と め 休 憩 さ れ た と 云 う 傳 承 が あ る 。 休 憩 の 場 所 は 現 在 權 現 堂 と 呼 ぼ れ る 地 に あ る 。 雹 村 内 に 行 基 の 開 基 と 傳 え る 寺 が あ る 。 39 ﹁ 妻 や 養 子 を 實 家 の 墓 に 葬 る 例 は な い か 。 又 夫 婦 が 檀 那 寺 を 異 に す る 風 は な い か ﹂ な し 。 40 ﹁ 幼 児 ・ 未 婚 者 ・ 子 の な い 離 婚 者 ・ 子 孫 の な い も の ・ 親 族 以 外 の 同 居 者 な ど の 靈 の 祠 り 方 ﹂ 別 に な し 。 41 ﹁ 變 死 者 の 靈 ・ 産 死 者 の 靈 の 祠 り 方 ・ 流 れ 佛 の 扱 い 方 ・ 無 縁 の 者 の 墓 ・ 家 畜 の 墓 に つ い て ﹂ ⑦ 變 死 者 に 封 し て は 流 れ 灌 頂 を 勤 め る 。 ⑩ 産 死 者 の 場 合 は 千 枚 佛 を 流 す 。 42 ﹁ 宗 旨 に よ る 葬 式 ・ 葬 制 の 差 異 が あ る か ﹂ な し 。 以 上 (附 7111E , 報 告 中 の 特 殊 な 用 語 、 方 言 な ど 色 々 不 明 な 點 に つ い て 一 々 説 明 ・ 解 説 を 加 え る べ き で あ ろ う が 、 調 査 報 告 、 中 間 發 表 の 爲 筆 者 の 注 ・ 解 説 を 殆 ん ど 加 え ず こ こ に 掲 載 し た こ と を 諒 承 せ ら れ た い 。 葬 送 習 俗 に つ い て の 調 査 報 告 一 二 七