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中央学術研究所紀要 第28号 L31深田伊佐夫「大都市周辺地域における土地の有効利用に関する研究-1-都市近郊の中山間地域森林の役割と諸課題について-」

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大都市周辺地域における土地の有効利用

に関する研究一I

− 都 市 近 郊 の 中 山 間 地 域 森 林 の 役 割 と 諸 課 題 に つ い て 一

l は じ め に 2 本 研 究 の 問 題 意 識 3 中 山 間 地 域 の 定 義 と 機 能 4 都 市 圏 の 拡 大 と 農 林 生 態 系 の 保 全 5 保 育 作 業 を 中 断 し た 造 林 地 の 諸 問 題 6 総 括 文 献 1 は じ め に 深 田 伊 ・ 佐 夫 都市圏の拡大による都市近郊地域の居住空間化や諸環境の変化は、わが 国が高度経済成長期をむかえた1960年代から、現在に至るまでみられる現 象である。 近年では、国・都・県および地方自治体の開発法令や条例の整備もすす み、計画化をともなう地域開発と土地利用が施行されるようになった反面、 開発面積の増大にともない、平地面での開発行為に限界がきているのが実 状である。 (31)

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一方、法令を無視した不法開発も多くみられ、各地で土地の開発と保全 の問題が論議されている。 その結果、それらの問題が大都市周辺の都市近郊林をはじめ、中山間地 域におよぶ傾向がみられるようになった。川 中山間地域は、環境保全機能をもちながら、農産物と林産物の有力な供 給地帯となってきた。 しかし、上述の開発的要因と産業構造の変化により、その機能と役割は 失われようとしている。 したがって、役割の再評価が必要と考えられる。 ところで、中山間地域(とくに大都市近郊の同地域)の森林には、産業 的視点から造林を実行しながら、現在は除伐・枝打ち・間伐などの保育作 業を中断した造林地も多く存在する。 これら森林の林相は、スギ・ヒノキなどの人工林が大部分であるが、① 大都市周辺地域の土地有効利用の促進と利用秩序の回復、②中山間地域の もつ諸機能の再評価および山村振興を図る上で、その活用法に着目し、そ のあり方を検討すべきである。 報告では、大都市近郊の中山間地域の森林=とくに保育作業を中断した 造林地の活用を通して、大都市周辺地域の土地有効利用について検討する ために、東京都青梅市・埼玉県飯能市の中山間地域の土地利用状況と林業 の実情を事例に考察をすすめることにした。 なお、内容としては、IおよびⅡの2部構成とし、Iでは総論としての 中山間地域の定義と課題、大都市周辺地域の都市化と農林生態系保全、E・ Howardの田園都市論などをとりあげ、本題へのアプローチとして、保育を 中断した造林地の諸問題をとりあつかった。 Ⅱでは、事例対象地域の住的環境・森林環境などの調査を中心に、保育 を中断した造林地の活用について、いくつかの視点から課題を提示し、論 旨にそった結論を導きだすことにした。

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大都市周辺地域における土地の有効利用に関する研究一I なお、本報告の一部は日本国際地域開発学会春季大会個別報告会(1999 年4月・於東京農業大学)にて発表したことを付記する。 2 本 研 究 の 問 題 意 識 大 都 市 周 辺 地 域 の 都 市 圏 拡 大 と 、 そ の 地 域 に 隣 接 す る 中 山 間 地 域 の 森 林 を中心とした土地利用上の調和の問題は、地域計画および地域開発の面で 極めて重要な要素であり、開発と保全の問題の最少単位に位置づけられる。 すなわち、大都市周辺の中山間地域の土地開発は、都市圏の拡大と中山 間地域の産業構造の変化による諸環境への影響が問題となっている。 このため、住宅開発が進行する地域内およびその周辺の森林は形質の変 更を待つ体勢にあるが、現実は利用目的を失い放置されているのが多いと みなされる。 その状況を概説すれば、一つは主に拡大造林期に造林された5∼10齢級 のスギとヒノキを中心とした造林地である。従来ならば10齢級のスギ・ヒ ノキの立木は市場価値があったが、外材の輸入量増加によって、用材とし ての利用価値が失われる一方、林業後継者の不足、産業構造や地域の社会 環境の変化により保育作業を中断し、長期間放置されたために、一層林木 自体の経済的価値と、森林のもつ諸機能の低下が著しい。 もう一つは二次自然林である。かつて中山間地域で農業がさかんであっ た頃には、林木の活用をはじめ落葉の家庭用燃料や堆肥化など、密度の高 い利用が行われていたが、現在ではとくに利用されていない。2) 本研究では上述の現況をふまえて、前者の保育作業を中断した造林地の 保育作業を早期に実施し、森林が本来果たすべき機能の回復を図るために 諸問題を検討し考察をすすめる。 (33)

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3 中 山 間 地 域 の 定 義 と 機 能 (1)中山間地域の定義 中山間地域とは、行政が農業地域の地域区分をする用語である。すなわ ち、一般的に農業地域は「都市的地域」、「平地農業地域」、「中間農業地域」 および「山間農業地域」の4つに分類され、後者2つを合わせて「中山間 地域」と称する。31また、農林統計に用いる農業地域類型によりこれをみれ ば、表一lのようになり、人口密度や耕地率・林野率により地域区分がなさ れている。4) なお、ここでの地域区分は土地条件としての標高・傾斜・土質および土 壌等の地形的、地理的な意味での地域区分や行政堺による地域区分とは一 致しない場合もある。 X 分 郁 揃 的 地 域 、Iz地農梁地域 中間農業地域 山林農業地域 表 − 1 農 業 地 域 類 型 区 分 X 分 基 嶋 人:『密度が500人/平方キ:.『メー・トル以上と高く、郡・;了的な 集積が.定程度進んでいみ!晴町,トリ 耕地率が20%以I。.とI漸く、かつ林野率が50%永満と低いか、 50%以上であっても、Iz此な耕地が『;心の*町荊. 林野率は主購50∼8C%で、耕地は傾斜M1が多くなっている Iij町イ1 林野率が80%以北と高く、耕地率がユ0%/I調の副1身村 資 料 : 農 林 省 食 料 ・ 農 業 ・ 農 林 基 本 問 題 調 査 会 (2)中山間地域のもつ諸機能 ここでは、中山間地域のもつ諸機能のうち、農林生態系保全機能、国土 保全機能等の公益的機能の概略を述べることにする。 (34)

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大都市周辺地域における土地の有効利用に関する研究一I ')水域保全機能 水域保全機能には、河川流域に関係し「水資源のかん養」、「洪水防 止」、「地表水の流量調整」、「地下水位の維持」および「流域河川の水 質浄化」があげられる。51 2)土壌保全機能 土壌保全機能には、物理的作用としての「風食.水食による土壌侵 食防止」、「表層土の崩壊●移動防止」、「土砂災害の防止」、化学的作用 としての「各種汚染物質の分解●浄化」などがあげられる。‘) 3)大気保全機能 大気保全機能には、二酸化炭素●二酸化チッ素等の大気汚染ガスの 吸収と酸素供給による大気の粗製改善と浄化、および気候緩和等があ げられるo7j 4)その他機能 その他の機能として考えられることは、各種鳥獣の保護、景観保全、 保健●休養的分野での活用があげられる。 また、大都市周辺地域では、都市と農村の双方における秩序ある緑地 帯の形成や、非常時に活用可能な公共用地の確保につながる機能であ るn8) (3)中山問地域のもつ課題 前項では、中山間地域の定義と機能を概説したが、機能に関しては秩序 ある農林生態系が保全されることが前提となる。 しかしながら、現実にはその機能が果たされていないために諸問題が発 生する。したがって、ここでは中山間地域のかかえる諸問題をあげ、課題 の抽出を行う。 なお、考察にあたっては1998年11月6日に日本学術会議が主催した「水 源地域としての中山問地シンポジウム」の報告のうち、本報告書のテーマ (35)

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と関係の深い演題の要旨を示す。 1)農業総合化への道-中山間地のための農学を(総論) 日本の農業問題の基本は、後継者-農業青年の不足と、生産・流通に 関わる情報の一貫性の欠如、農産物の高い輸入依存率である。 今後は、後継者が現地に定着できるような社会基盤の整備、地場産業 の育成による雇用促進、インターネット等の活用による農業情報の活 用が必要である。,’ 2)水源地としての中山間地と森林(東京大学愛知演習林での事例研究) 水源地としての中山間地域のかかえる問題は、林業の不振により保 育を中断したために荒廃した森林と環境保全・林業後継者の不足と高 齢化等の問題が山積している。 しかし、時代の推移の中で日本の森林の状態をみれば、明治初期に は荒廃していた森林の再生は、砂防事業や治山・治水事業、第2次世 界大戦後の拡大造林事業の展開により、一定の成果をおさめている。 森林のもつ機能は多岐にわたるが、水源かん養の役割は大きな部分を 占めている。 今後は、中山間地域の森林の状態が、水循環におよぼす影響と、か ん養域としての中山間地域の役割と管理方法を研究する必要がある。'0’ 3)かん養域としての水質不荷問題(埼玉県秩父地方での事例研究) これまで、土地生産性の中山間地域の生産性向上のため、N系化成 肥料の多用により耕地面積あたりの収穫量が増大した反面、土壌養分 の偏りや病害虫への抗薬性低下等の環境劣化が進行している。 また、環境基準を満たさない廃棄物処理場が中山間地域に設けられ るようになり、水質汚染が問題になっている。 いずれの場合も、かん養域の水質に負荷(水質汚染)がかかってい る。 今後は、中山間地域の有機性廃棄物のリサイクル利用と施肥を組み

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大 都 市 周 辺 地 域 に お け る 土 地 の 有 効 利 用 に 関 す る 研 究 一 I 合わせたシステムの確立が必要である。’'’ 以上が、シンポジウムでの関係演題の要旨である。 これらに基づき中山間地域のかかえる課題を抽出すれば、以下のように なる。 ①農業後継者の不足と従事者の高齢化。 ② 都 市 圏 の 拡 大 に よ り 、 低 質 な 市 街 地 が 中 山 間 地 域 に 混 在 す る 問 題 へ の対応。 ③社会環境の変化により、利用目的を失い放置されたのうち・森林の 活用法。 ④地域に定着し、雇用を促進する規模の地場産業の育成。 ⑤農地や森林のもつ諸機能の低下への対応。 4 都 市 圏 の 拡 大 と 農 林 生 態 系 の 保 全 (1)東京市街地の拡大 前章で中山間地域の定義・機能・課題について考察してきた。 そして、課題を5つにまとめたが、これらは農林生態系の均衡のとれた 土地利用のはかられるところに解決の契機もあると考える。 そのためには、計画化をともなう土地利用の促進、すなわち都市化の制 御と農地・森林の保全が必要である。 計画化をともなう土地利用は、農村計画・都市計画の両者の区別なく行 われるものであり、以下の4つの要件を満たすものである。’2) ①該当する地域住民の意志が反映される計画。 ②地域住民参加のもとに、関係技術者がプロジェクトを構成して、マ スタープランを立案する。 ③ 資 金 面 で の 保 証 が あ る こ と 。 ④計画理論の性格が土地利用の各専門分野の知識を1つの地域に集結 して、体系的に活用することが可能となるものであること。 (37)

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し か し 、 急 速 に 拡 大 す る 都 市 圏 の 問 題 は 、 こ う し た 計 画 理 論 に 必 ず し も あてはまらない状況におかれている。 ここで、東京多摩地域を例に「市街地拡大の年代と地域特性」「地目別面 積の変化」を諸資料により確認し、都市圏の拡大と、それによって発生す る森林や農地など、農林生態系の環境変化の問題を明らかにしたい。 市街地の拡大を年代別にみると図一lのように、1960年代は武蔵野地区と JR中央線沿線、70年代は旧北多摩地区の各市、80年代は南多摩地区の丘陵 地帯、90年代は西多摩地区と西部山間地域の一部となっている。 地形区分でこれをみれば、東部台地∼南部丘陵∼西部山間地という地形 的特色が解明される。 地形別・地目別面積は、表−2と3に示されたように、1960年代から90年 代まで一貫して「宅地面積の拡大と、農地・森林(山林)面積の減少傾向」 が続いている。 さらに、表−3でこれをみれば、1970年時点では宅地面積と農地面積が、 90年時点では宅地面積と山林面積が、それぞれ交点をなして面積比が均衡 となっている。 これは、宅地開発を中心とした市街地の拡大が、時代の推移とともに農 地の転化から山林の転化へと開発対象地域が変化していることを表わして いる。

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大 都 市 周 辺 地 域 に お け る 土 地 の 有 効 利 用 に 関 す る 研 究 − 1 東京:573 区部:466 多摩:107 東京:807 区部:549 多摩:258 東京:97 区部:59 多摩:38 東京:1,0 区 部 : 6 多 摩 : 4 資料:「東京都緑の保全計画」(1997) 図 − 1 東 京 都 市 圏 の 拡 大 図面左下の数字は市街地面積の変遷を示す。 (39)

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(40) 7,672.4 23,525. 62,177‘5 21.740.3 資料:PLANET及びランドサットデータより作成 「東京都緑の保全計画」(1997) 表 - 2 地 域 別 樹 林 地 ( 緑 化 ) 面 積 の 変 遷 地ス 1W;地 _r則凌地 1 今 地 Iロ守 晶u2d 合 計 I、弓一・1 ,-‘」・アサ』 19721 :985 :9別 197'1 二985 』994 1974 :985 :99'1 :974 :985 :991 二974 :985 :994 樹 林 地 :坐I然林 (、) 6‘306‘9 7.:46 064.4 372.0 :20.7 二.3 733.4 204.5 83.8 260.: 可 ハ ハ n L U U p U 34,6 7,57:、9 54.二 ::次,M <ha〉 、,ミ7.4q ÷ 、 ' q . = 色 色 唖 ユ3.371.0 良3i238.5 '157.5 7,万6.9 4.968.1 :1566.2 938.b 402.二 786.7 513.二 344.8 22,0ユ2.5 ユ8‘953.5 赫和、山 植阻 29.019.( 28.2コ4.4 27.981,9 ユ.697.8 ユ,249.二 二,二04.3 』34,0 36.7 23.6 128‘,i 鮒: 62.4 30,979.$ 29、595‘3 29-.,72.Z 小計 :ha〉 49.94:.』 48,732.1 18,284.8 9.527.3 3.526.7 6,143.? 21』33.6 二,179.7 ;inq員 1.二75.2 4二.2 44:.8 59,179,7 55‘379.s 草地・ 農勝也 〈1,a》 0 '1,:孔72.二03.6 x,987.9 2.265.7 6,609.0 5,畠87,4 6,557.3 ・・qq?、 一 一 ■ 。 P 凸 P ご 凸 L 』 8,575.4 RRQAI, 9.833 5.989.1 6,i01.4 30,609.4 23.633.9 そ・の他 (hal 2.769.2 7‘200.0 9、622.2 :0,625.3 38,162.(』 42.833.0 43‘382.K 饗.758.9 49,037.0 .19,221.6 92,225.0 104,09:、9 05.9鯖-2 合博 53,319.7 53,3二9.? 53.319.7 23.336.3 鋪,336,3 23.336.3 52,588.W 52,588.ユ 52,588.ユ 55.767.8 55.767.8 65.767.8 185,0塁,9 :85.0里.9 185,鏡.9

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(ha) 35000 30000 25000 20000 15000 10000 5000 0 大都市周辺地域における土地の有効利用に関する研究一I 表 − 3 多 摩 地 域 の 地 目 別 面 積 の 推 移 多 摩 地 域 の 地 目 別 面 積 の 推 移 ← 農 地 面 積 酷 山 林 面 積 ○ 堰 芭 地 面 積 式 予 一

一○一へ、埠一診=_

O診,,〆''〆〆ー‐. 昭和30年昭和35年昭和40年昭和45年昭和50年昭和55年昭和60年平成2年 資料:東京都総務局「東京都統計年鑑」 (2)農林生態系への諸影響 つぎに、農林生態系への諸影響について述べる。 以下、上述の年代別の東京都市圏(市街地)が拡大する途上で発生した 問題を整理してみる。 ①1960年代∼70年代; 主に、平地および台地の農地が宅地に転化した時期であり、都市と しての基購整備のともなわない低質な市街地の形成や、農住混在のス プロール化現象の発生も多くみられた。'31 ②1970年代∼80年代; 主に丘陵地帯が宅地開発の対象となった時期で、多摩ニュータウン や民間ディベロッパーによる大規模開発が行われた時期である。 計画化をともなう地域開発が行われた反面、地形・地質などの土地条 件と開発行為との不調和から、急傾斜地域での土砂災害の発生する例 も多くみられた。 (41)

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③1980年∼90年代(現在) 宅地開発の対象地域が、多摩西部地域に拡大した時期である。 この年代では、平地部や丘陵部での開発行為が物理的限界に達したた め、山間地との縁辺部や中山間地域の一部にまで開発行為が拡大した。 今回の報告書でとりあげようとしている諸問題も、この圏域で発生し ている。 (3)EHowardの田園都市論 l)中山間地域の諸問題と田園都市論 中山間地域の諸問題を秩序ある地域計画の実施により緩和する手法 のひとつとして、E、Howardの田園都市論についてふれておく。 田園都市論は、1898年にEHowardが提唱した都市・農村計画の理 論である。 わが国でも1922年に、東京城南地区の住宅開発の手法として一部を 活用したのをはじめ、1930年代における関東大震災復興期の都市計画 や東京市街地および多摩地区を視野に入れた東京緑地計画、1960年代 以後に行われた大都市近郊の地域計画(ニュータウン開発)、1980年当 時に政府が推進した「定住圏構想」等の地域計画にも応用がみられる。 田園都市論の基本的な考え方は、大都市周辺の地域計画を推進する 際、田園(農村)と都市(都会)が、それぞれもつ長所を計画的に配 置した、秩序ある土地利用をはかろうというものである。 具体的には、無秩序な市街地の拡大を防止するため、近郊農村地帯 に衛星都市を建設して、田園のもつ農業生産性・景観保全をはじめと した公益的機能と、都市のもつ社会性や機能性を兼備した新しいコミ ュニティーを形成しようとした。’41 2)都市・農村磁石 E、Howardは、田園都市の性格を「三つの磁石」に例えて説明して (42)

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大都市周辺地域における土地の有効利用に関する研究一I $、かれらはどこへ行くか? 都 市 。 農 村

し 図 − 2 三 つ の 磁 石 「明日の田園都市」鹿島出版会P、78

j

いる。(図−2参照) その内容は、「都市」、「農村」および「都市・農村(田園都市)」と いう異なる三つの社会の長所も短所も含めた特性を、三つの「磁石」 に置きかえて「鉄」に例えられた人民がどの磁石に引きよせられて、 新しい社会を構築するかという理論である。 (43)

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さらに「都市・農村」磁石について「都市磁石も農村磁石も、いず れも自然の全計画と目的を表現するものではない。人間社会と自然の 美しさが共に享受されるように工夫されなければならない。二つの磁 石は1つにならなければならない。男と女が異なる資質と能力によっ てたがいに補っているように、都市と農村も相互に補完しなければな らない。」とし、都市か農村かという二者択一の原理では、田園都市の 構築は成り立たないことを強調している。’51 3)現代の地域計画と田園都市論 中山間地域の農林生態系保全のために、秩序ある地域計画が必要と なる。 その計画手法の一例として、田園都市論をとりあげた。 ここで、田園都市論に基ずく地域計画によって期待できる効果を記 すことにしたい。

①大都市周辺および辺縁地域において、無秩序な都市圏や市街地

の拡大を制御し、スプロール化現象が緩和される。

②衛星都市の計画的な建設により、大都市圏の人口調整機能が充

実し、合わせて都市部・農村部両者の基盤整備が期待できる。

③中山間地域(都市近郊農林業地域も含む)のもつ機能の保全と

回復が可能となる。 5 保 育 作 業 を 中 断 し た 造 林 地 の 諸 問 題 (1)保育作業中断によって発生する諸問題 人工造林地の林木にとって、保育作業は必要不可欠である。

保育作業の主な内容は、「下刈り」「つる切り」、「除伐」、「枝打ち」およ

び「間伐」などであり、材木の成長過程に応じた作業手順である。(図−3

参照)

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2526 鴇f ;虹 大都市周辺地域における土地の有効利用に関する研究−1 密 度 5 千 本 樹 高 3 3 3 5 13.6 14.9 1 抽 固 凸 R 抽 歯 舘 由 細 廿 W … も 誼 も l 粍 晶 冒 一 抄 一 幸 岡 部 騨 金 4 1 L 唾 I 周 毎 曲 面 角 館 = 唖 毎 屯 … ③ 鈎 守 r r n n 司 司 千 引 一 . = 4 5

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15m 可︶ 蕊蕊r聴雷 蕊蕊蕊 10m 5m Z

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《 0m g︼ 林 齢 : 7︾0 69雫8 ︽刷哩 ﹃4 (45) 図−3ヒノキ造林地(芯持正角無節桂材)生産育林管理図 「西川林業」埼玉県飯能林業事務所(1998)P、3 5 !C1113 8.919 ” 7 1 Z 3 15 10.5 3( 1920 13.7 10.C 5 9,7 ツ ハ F〆副ずし 蛇・﹄鯉﹃焔 平均隣高直掻齢. 。 , , , … b … … … ロ ー … 一 ロ ー 衿 平均樹高IT1 枝回……数:

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11,も 3屯 3 除侭伐回数…....…, 下メI;回数F……・・・・・・・13-15回 ど の 作 業 も 特 殊 な 技 能 を 必 要 と し 、 労 働 力 集 約 的 な 要 素 を も つ 。 人工造林地の林木は、上述の保育作業が中断した場合、現象に以下のよ うな特徴が現われるともに、林木の成長や林床の保全にも影響をもたらす。 ①中断された保育作業の過程は、枝打ち.、除伐・間伐・である。 ②この傾向は、植林後20∼50年(4∼10齢級)の人工造林地にみられ る。 ③林木の成長が劣え、樹幹の直径が細く曲がり木が目立ち、全般に生 育不良がみられる。 ④ 樹 冠 が 、 う っ 閉 し て お り 林 内 の 日 照 度 が 低 下 す る か ら 、 下 層 植 生 が 消失する。 ⑤下床植生の消失が進行して、表層土層(AC層)の堆積が貧弱になる。 同時に、表面侵食・ガリー(Gully)・クラック(Crack)も発生し、 土砂災害発生の素因を形成している。 ⑥ 林 木 の 成 長 が 不 良 な た め に 、 樹 根 の 発 達 が 未 熟 と な り 、 倒 木 の 発 生 帝・…、・−−−−−渉 職iI195X105X熱>癖 恥一卵 45 1.5 ︽齢︾い町 戸 h ザ 丹 4 軸 34 3 .1)

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がみられる。(写真−1∼4参照) これらの特徴や影響は、適切な保育作業が中断したため、林分内の密度 や、樹-冠に不均衡や偏向が発生した結果であると考える。 また、春期に問題となる「スギ花粉」や、雨期に人工造林地を中心に発 生する「土砂(地盤)の流出災害」も、上述の環境と深い因果関係がある。'‘''711剛1,’ なお、「保育の中断と森林の土砂災害」については、別の機会にとりあげ たいと考えている。 (2)保育作業中断と雪害 前項で、保育作業を中断した人工造林地の林木や林床、森林に発生する 諸問題について述べたが、1998年1月と3月に東京多摩地区西部と埼玉県 南部のスギ造林地に大きな被害をもたらした降雪による被害状況を事例と してとりあげる。 1998年1月9日、16日および3月1日の3回にわたり、東京多摩地区西 部と埼玉県南部で、大量の降雪があった。 積雪量の累計は、地域によって差異があったが、青梅市役所総務課防災 係の観測データおよび、筆者らが青梅市小曽木地内にて測定した結果から 判断して、100cm程度に達したものと推定する。 同地域で森林が降雪被害を受けた最近の例は、1986年3月20日の60cm の積雪によるもので、13年ぶりである。 被害状況の特色を以下にあげる。 ①今回の被害は、標高200∼400m程度のところに施業されたスギ造林 地に集中した。 ②スギ造林地の林木は、3∼5齢級(植林後10∼25年)を経過したも のが大半を占めた。 ③被害状況は、「抜け(倒れ)」「曲り」「割れ」「折れ」の典型的な雪害 の様相を呈していた。(写真−6参照)

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大都市周辺地域における土地の有効利用に関する研究=I ④林齢に応じた、除伐・枝打ち・間伐などの保育作業が適切に実施さ れていた造林地では、ほとんど被害が発生していなかった。(写真一 7参照) ⑤総被害面積については、東京都経済局の速報値で40ha、被害総額15,325 万円である。(表−4参照) (47)

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鴬 織 禽 驚 灘 癖

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写 真 − 3 間 伐 が 行 わ れ な か っ た ス ギ10齢級造林地。根系の未発達が原 因で到木が発生している。 (1999年・埼玉県飯能市阿須) 叢 写 真 − 2 樹 冠 の う っ 閉 は 、 下 層 植 生の消失を促す。 (1999年。東京都青梅市小曽木) 写 真 − 1 適 切 な 時 期 に 枝 打 ち と 間 伐が行われなかったヒノキ3齢級造 林地の林相。 (1999年・埼玉県飯能市阿須) 写 真 − 4 枝 打 ち と 間 伐 お よ び 下 刈 りが行われていないヒノキ10齢級造 林地の林相。 (1999年・埼玉県入間市南峰) 蝋 篭 灘

Lr F・ │望

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蕊 i金罫 写 真 − 5 枝 打 ち と 間 伐 実 施 直 後 の ヒノキ3齢級造林地の林相。 (1999年・東京都青梅市今井) 大都市周辺地域における土地のイj効利川に関する研究−1

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写 真 - 7 保 育 作 業 が 実 施 さ れ た 造 林地では、雪害はほとんどみられな い。 (1999年・東京都青梅市木野下) 蝿 唖 哩々刺嶺翻 陣 写 真 − 6 保 育 作 業 が 実 施 さ れ て い ない造林地の雪害状況。 (1999年・東京都青梅市小曽木) (49) 灘 職 i鷺源

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3 7 2,60 7 6 H 3 9 4 11.077 3.98 0.51 、 H 1 6 5,252 8 2.29 111 9 0.79 6.76 33.078 0 1 1 6.71 0 3 0 0 4 、 5 表-41998年大雪による造林地被害(速報値) 4 8 9 H 1 合 計 *標高200∼400m、林齢20∼40が主に被災 1被害率30%以上I 6 M1害而梢 3 ロ 0 8 0 1H 1H Ⅱ 2.22 11 9 N i 0 0 3.29 東 京 都 経 済 局 内 部 資 料 H 1 合計 H 1 令級 10以呈 へ・詮・芽ー 慨緬噛 hil1 0.00 0.00 0.00 0.皿 0.認 0.46 0.64 0.00 1.74 慨識瀕 〔・『.,:: 378 ユ.982 2.695 〕.046 8.101 証、詞多摩合計 臓緬iii 1hK11 2.50 :、06 3.98 5.81 6.34 8.02 M 3 6.76 40.00 砿嘗金額 (・了・職 b・Zl3 4.256 22.0 17.792 22.里3 33.蝦 25.喪] 33.07W 。53.253 今級 10以: 青 梅 帝 婚面梢 【hnj 2.00 0.00 0.18 0.43 9.00 n R q U D ¥ 口 0.69 0.00 婚金珊 rー_…、 弓 ■ 唖 汀 5.061 5㈱ 皇.333 2,495 2.87 あきる野:.: 瀧間、 ihml 0.00 0.35 344 3.00 5.別 2.45 撫雑iH (ず円) 930 6,886 10.816 里.207 I'R71 6.37且 里.04二 ::の蝿::;』 Ihnl 0.00 00Ⅱ 0.00 0.12 1.4f ().06 n n I q hJuULノ 0-00 鰐綱i f雫一・9 k ロ … 103 4.954 245 桧原.Ⅱ 胤審│鵬 hnj 0.00 0.0() 0.50 0,00 9.00 0.00 0.00 擬識謂 「ず-.エーh h p , ロ ノ 己,396 6.670 奥多摩町 燕引礁 【l1a 鰐金棚 (子ー鱒 両多醗管脚全域 桜害面論 (、) 2.00 C、35 2.90 4.00 4.畠i8 96 6.23 2.59 膜議棚 (T・:j) ;SnR1 U G U V m 帥 6,785 ユ2.552 二6.l6x 15.612 29.247 11,708 / 6 1−91 12,岬 フⅡ, 80,123 2.67 5.602 0.64 2.063 26.51 100.05( 令級 雨了 青梅.弓:. 恢筈i輔 1m) 2.CO 0.週 0.49 0.23 0.脚 蔵害舎顎 i占占....’ も ■ ■ 、 ii、鮎] 封! 1,iil9 814 9.366 3.471 あ き る 野 市 戦課瓶 <hi1) 0.03 1.‘: 2.94 4.ユ9 4.90 5.02 3.29 横害 ・千::』) 3.9 8.2( 12.789 13.960 20‘S鰐 1.別4 ヲ2,840 Hの。i町 鰐而甫 (ha) 、 鵬 0.Ⅸ 0.02 1.03 1.54 0.25 0.25 0.05 敬普金額 (字・円) 稲 5 6 3,106 :,023 ¥90 2 3 桧原村 製諏積 (ha) @.CO 0.〔、 0‘50 0.00 0.03 0.00 0.46 G、0 俄害金甜 〔了.:Ⅱ:〉 ユ.395 105 2‘190 奥多摩町 憤筈鏑 y ■ 、 、llZlj 俄害令穂 ㎡ ー 臨 一 I h . 。 、 両多麿菅'1全域 娠緬欄 Ihilj 1.( 5.7二 同_帥 7.56 4.79 M1識甑 F、ロ.ロ,I,ロ. L , . . 『 5‘23 4.25f 17.‘114 20.13二 3二.286 22.棚5 一一風 今ロ 6.4422.000 65 :08,51 3.:7 10.941 0.99 3,690 38.26 二45.二52

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大都市周辺地域における土地の有効利用に関する研究一I つぎに、雪害を受けた理由として考えられることをあげる。 ①標高が低く気温が高い地域で樹冠に降雪したため、雪に水分が多く 雪圧が強かった。 ②成長過程で雪害を受けやすい時期に達したスギ造林地に、上述の雪 圧が負荷となった。 ③除伐・枝打ち・間伐などの保育作業が実施されていなかったため、 林木自体の根系の未発達、樹冠・密度調整の不均衡が雪圧による被 害度を増幅させた。 以上が、保育作業の中断を原因とする雪害の事例である。 なお、1998年の雪害による林木の被害に対して、東京都や埼玉県は造林

補助制度を利用した経済的な援助の導入をはじめたが、保育作業の継続や

森林経営の継続について、山林所有者は、採算性の問題から雪害木を放置

する例も多い。 (3)中断の素因と誘因 つぎに、保育作業が中断する素因と誘因について述べる。

素因は直接的原因を、誘因は間接的原因を、それぞれ示すものとする。

素因として考えられるものは、

①用材としての外材流通量が増大し、国産材供給量が減少傾向におか

れている。(図−4.5.6参照)

②建築資材が、国内産林木から外材や金属へと質的な変化をした。

③①と②に関連する用材供給源となる林木は、戦後復興期に用材確保

のために造林されたが、用途を失ったものが多い。 政府の「拡大造林事業」の造林地もこれに含まれている。 (51)

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木材誌市要阜 ヨ産ホ 豊一︾ :§.、 国産材〈用材〉 20.000 資料:東京都労働経済局「東京の森林づくりプラン21」1997年 図−5国産材、外材の供給状況 平成 3 2 6 3 1 3 6 4 1 4 6 5 1 5 6 6 1 8年 資料:林野庁業務資料 注:剛産材について、昭和29年以前は立木伐採材積から推計した。なお、しいたけ原木 は除く。 図−4木材供給量の変化(国産材、外材別) 国産材23 38.3% そ の 他 ( ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 。 オ ー ス ト ラ リ ア ・チリなど) 17.4% 洋 材 ロ シ ア 4 . 4 % 南 洋 材

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0 大 都 市 周 辺 地 域 に お け る 土 地 の 有 効 利 用 に 関 す る 研 究 − 1

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資料:林野庁業務資料 「林業白書1997」P、17 図 − 6 伐 採 量 及 び 成 長 量 の 推 移 誘因として考えられるものは、 ①産業構造の変化にともない、農林業後継者が不足した。 ②林業以外の産業(耕地農業を含む)が、技術集約による省力化が可 能であるのに対して、林業では特殊な技能が要求されるため、労働 力集約要素をもち、省力化の限界がある。 ③高級用材特産地として付加価値の高い製品を産出している地域を除 いては、外材との価格差が拡大し、利益が低下している。(図7. 8参照) ④大都市周辺地域および中山間地域では、都市圏の拡大による森林環 境の悪化が著しい。 以上が、保育作業が中断する素因と誘因として考えられることである。 これらは、民有林と国有林の両者に共通するものである。 (53)

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円/m, 55,000 50'000 45,000 40,000 35,000 30,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 1000 800 600 400 200 0 | − 9 2 9一 9 2 9 -

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昭和40年昭和45年昭和50年昭和55年昭和60年平成元年平成5年 資料:東京都労働経済局「東京の森林づくりプラン21」1997年 注:昭和40年を基準とした実質価格の指数である。 図-7造林費とスギの立木価格の推移 スギ製材品 実質価格 米ツガ製材品 実質価格 スギ丸太 実質価格 スギ立木 実質価格

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資料:農林水産省「木材需給報告書」,日銀調査統計局「物価指数年報」, (財)日本不動産研究所「山元素地及び山元立木価格調」 注:1)実質価格は,毎年の調査価格(全国平均)を卸売物価指数で除して求めた価格である。 2)製材品の規格は,スギ正角(厚10.5cm,幅10.5cm,長3.0m),米ツガ正角(厚10.5cm, 幅10.5cm,長3.0m)とする。 3)スギ丸太の規格は,中丸太(径14∼22cm,長3’65∼4.0m)とする。 4)()は,昭和44年(米ツガは昭和48年)及び平成8年の調査等による全国平均価格である。 |林業白書1997」P、16 図−8木材価格の推移[スギ(製材品、丸太、立木)と 米ツガ(製材品)の実質価格]

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大 都 市 周 辺 地 域 に お け る 土 地 の 有 効 利 用 に 関 す る 研 究 一 I 6 総 括 Iでは、論旨に基ずいて、大都市周辺地域の土地利用および、中山間地 域で発生している諸問題について考察した。 ここでIの考察で得た結論をまとめることにしたい。

①中山間地域の森林と林業について論ずる場合、森林のみならず農村

と都市のかかえる諸問題をも視野に入れる必要がある。

②中山間地域を保全するためには、農村●都市・森林の3つの地域の

地域計画を一元的に管理し、農林生態系の秩序を回復することが望

まれる。

③人工造林地には、保育作業は必要不可欠であるが、そのおかれた環

境により中断せざるを得ない現実がある。 の3点である。

なお、1999年7月12日の参議院本会議で「食糧.農業.農村基本法」の改

正が可決・成立した。

改正基本法では、食糧自給率の向上、農業の多面的機能の発揮.農村振

興を主軸に、中山間地域支援制度の導入が盛りこまれている。

次報では、Iでの結論とともに、改正基本法の動向も意識して考察をす

すめたい。21)22) 謝 辞

本報の作成にあたり、ご指導賜った東京農業大学地域環境科学部森林総合科学

科.杉浦孝蔵教授、各種農林関係資料の提供とご助言を頂いた日本大学生物資源 科学部国際地域開発学科・早川治助教授、ご助言を頂いた東京農業大学国際食料

情報学部国際農業開発学科・板垣啓四郎助教授、目白学園中高等学校・西木敏夫

教諭、校正およびレイアウトをお手伝い頂いた、立正佼成会佼成サービス事業セ ンター伴文隆氏、各種行政資料を提供して頂いた、東京都労働経済局、東京都 (55)

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青梅市役所、埼玉県飯能市役所、飯能市森林組合および当地の地形・地質データ を提供して頂いた㈱銭高組東京支社に対しまして、厚く御礼申し上げます。 文 献

1)勝野誠(1998):多摩ニュータウン研究の〈これまで〉とくこれから〉財:多

摩ニュータウンの開発の軌跡:(財)多摩市文化振興財団Pp、7∼11

2)多摩市文化振興財団(1990):雑木林の人々とくらし:側)多摩市文化振興財M

pp,7∼69

3)日本学術会議(1998):水源地域としての中山間地シンポジウム講演集Pp、2

∼ 5

4)農林水産省食料・農業・農村基本問題調査会農村部会(1997):第41111・中山

問地域の位置づけと巾山間地域農業のあり方についてpp.’∼34

5)∼8)H本学術会議(1992):文明の選択-都市と農業・農村の共存を目指して:

日本学術協力財団pp、24∼28

9)∼11)H本学術会議(1998):水源地域としての中山間地域シンポジウム講演

集pp,6∼21

12)室島鈴一郎(1973):地域計画手法の学習:地球社p、7

13)深出伊佐夫(1984):大都市周辺地域における土地利用の計画化について:中

央学術研究所紀要14号pp、33∼44

14)米谷栄二・内海達雄(1973):地域および都市計画:コロナ社pp、26∼27

15)EbenezerHoward“GardenCitiesofTomol・row”長素連訳(1968):明日の川

園都市:鹿島出版会p、83

16)竹田泰雄(1995):森林と土砂災害:地理vol、40−3:古今書院pp,40∼47

17)思田裕一(1995):人工林化と土壌侵食:前掲書pp、48∼52

18)足立倫行(1998):森林ニツポン新潮社pp、9∼14

19)矢野義男(1973):山林防災工学111海堂pp、41∼48

20)加藤好武(1998):農林地および農用地のもつ国土保全機能の定量的評価:環

境情報科学voL27-l:環境科学情報センターpp,18∼27

21)生源寺真一(1999):新しい基本法と農業・農政改革:週刊農林第1724号:農

林出版社pp、4∼5

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大都市周辺地域における土地の有効利用に関する研究−1 瓦農業新聞・朝日新聞・産経新聞および1999年7月13

22)1999年7月13日付H本農業新聞・朝日新聞 日付・’4日付・’5日付読売新聞の関連記事。

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