Komazawa University
NII-Electronic Library Service 駒 澤 大 學 佛 教 學 部 論 集 第 十 五 號 昭 和 五 十 九 年 十 月 『
正
法
眼
蔵
抄
』口
語
訳
の
試
み
ー
仏
性
6
1
伊
藤
一 七 〇秀
憲
N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
Kom 三1z三1w三1 Umversrty 正 法 眼 蔵 第 三
仏 性 第 一 段
ノ グ マ ハ ク ( − = : : : ; : − ) 釈
迦
牟 尼 仏 言 、一 切 衆 生 、 悉
有
仏 性 。如
来 常 住 、 無 有 変 易 。( 2 ) こ れ わ れ ら が 大 師 釈
尊
の 師 子 吼 の 転 法 輪 な り と い へ ど も 、 一 切 諸 仏 、 一 切 祖 師 の 頂 頻 眼 睛 な り と 参 学 し き た る こル ニ レ ワ ニ と 、 す で に 二 千 一 百 九 十 年 、 〈 当 二 日 本 仁 治 二 年 辛 丑 歳一 〉 正 嫡 わ つ か に 五 十 代 、 〈 至 二 先 師 天 童 浄 和 尚 一 〉 西 天 二 十 八 代 、 代 代 住 持 し き た り 、
東
地 二 十 三 世 、 世 世 住持
し き た る 。 十 方 の 仏 祖 、 と も に 住 持 せ り 。( 3 ) 世
尊
道
の 一 切 衆 生 悉有
仏 性 は 、 い か む 。 是 什麼
物 恁 麼 来 の 道転
法 輪 な り 。 あ る い は 衆 生 と い ひ 、有
情
と い ひ 、 群 生( 4 ) ( 5 ) と い ひ 、
群
類 と い ふ 。 悉有
の言
は 、 衆 生 な り 、 即 有 也 。 す な は ち 悉 有 は仏
性 な り 、 悉 有 の 一 分 を 衆 生 と い ふ 。 正 当恁
( 6 ) 麼
時
は 、衆
生 の 内 外 す な は ち こ れ 仏 性 の 悉有
な り 。 単 伝 す る 皮 肉 骨 髄 の み に あ ら ず 、汝
得
吾 皮 肉骨
髄 な る が ゆ へ に 。 し る べ し 、 い ま 仏 性 に 悉有
せ ら る る 有 は 、有
無
の 有 に あ らず
。 悉 有 は 仏 語 な り 、 仏 舌 な り 。 仏 祖 眼 購 な り 、衲
僧鼻
孔 な り 。 悉 有 の 言 、 さ ら に 始 有 に あ ら ず 、 本有
に あ ら ず 、 妙 有 等 に あ らず
。 い は ん や 縁 有 ・ 妄 有 な ら ん や 。 心 ・境
・性
・ 相 等 に か か は れ ず 。 し か あ れ ば す な は ち 、 衆 生 悉 有 の 依 正 、 し か し な が ら 業 増 上 力 に あ らず
、 妄 縁 起 に あ ら( 7 )
ず
、法
爾 に あ ら ず 、 神 通 修 証 に あ ら ず 。 衆 生 の 悉 有 、 そ れ 業増
上 力 お よ び 縁 起 法 爾 等 な ら ん に は 、諸
聖 の 証 道 お よ び諸
仏 の菩
提
、仏
祖
の 眼 睛 も 、業
増
上 力 お よ び 縁 起 法 爾 な る べ し 。 し か あ ら ざ る な り 。 尽 界 は す べ て 客塵
な し 、 直 下 さ ら に 第 二 人 あ ら ず 、 直截
根
源 人 未 識 、 忙 忙 業識
幾 時休
な る が ゆ へ に 。妄
縁 起 の有
にあ
らず
、偏
界 不 曾 蔵 の ゆ へNII-Electronic Library Service に 。
偏
界 不 曾 蔵 と い ふ は 、 か な ら ず し も 満 界 是有
と い ふ に あ ら ざ る な り 。 偏界
我 有 は 外 道 の 邪 見 な り 。 本 有 の 有 に( 8 ) あ ら
ず
、 亘 古 亘今
の ゆ へ に 。 始 起 の有
に あ ら ず 、 不受
一 塵 の ゆ へ に 。 条 条 の有
に あ らず
、 合 取 の ゆ へ に 。 無 始有
の有
に あ ら ず 、 是 什麼
物
恁
麼 来 の ゆ へ に 。 始 起有
の有
に あ ら ず 、 吾常
心 是 道 の ゆ へ に 。 ま さ に し る べ し 、 悉 有 中 に 衆 生快
便難
逢 な り 。 悉有
を 会 取 す る こ と か く の ご と く な れ ぽ 、 悉 有 そ れ 透体
脱 落 な り 。 仏性
の 言 を き き て 、学
者
お ほ く 先 尼 外道
の 我 の ご と く 邪 計 せ り 。 そ れ 人 に あ は ず 、 自 己 に あ は ず、 師 を み ざ る ゆ へ な り 。 い た づ ら に風
火 の 動 著 す る 心 意識
を 、 仏 性 の 覚 知覚
了 と お も へ り 。 た れ か い ふ し 、 仏性
に 覚 知 覚 了 あ り と 。覚
者
知
者
は た と ひ諸
仏 な り と も 、 仏 性 は覚
知覚
了 に あ ら ざ る な り 。 い は ん や諸
仏 を 覚 者 知 者 と い ふ 覚 知 は 、 な ん だ ち が 云 云 の 邪 解 を覚
知
と せ ず 、 風 火 の 動 静 を覚
知 と す る に あ ら ず 。 た だ 一 両 の 仏 面 祖 面 、 こ れ 覚 知 な り 。 往往
に 古 老 先 徳 、 あ る い は 西 天 に 往 還 し 、 あ る い は 人 天 を 化 道 す る 、 漢唐
よ り 宋朝
に い た る ま で 、 稲 麻 竹 葦 の ご と く な る 、 お ほ く 風 火 の 動 著 を 仏 性 の 知覚
と お も へ る 、 あ は れ ん べ し 。 学 道転
疎
な る に よ り て 、 い ま の 失 誤 あ り 。 い ま 仏道
の 晩 学 初 心 、 し か あ る べ か ら ず 。 た と ひ覚
知
を 学 習 す と も 、覚
知 は動
著
に あ ら ざ る な り 。 た と ひ 動 著 を 学 習 す と も 、 動 著 は 恁 麼 にあ
ら ざ る な り 。 も し 真箇
の 動 著 を 会取
す る こ と あ ら ぽ 、真
箇 の覚
知覚
了 を 会 取 す べ き な り 。 仏之
与 性 、 達 彼達
此
な り 。 仏 性 か な ら ず 悉 有 な り 、 悉 有 は 仏 性 な る が ゆ へ に 。 悉有
は 百雑
砕 に あ ら ず 、 悉 有 は 一 条( 9 ) 鉄 に
あ
ら ず 。 拈拳
頭 な る が ゆ へ に 大 小 に あ らず
。す
で に 仏性
と い ふ 、 諸 聖 と斉
肩 す べ か らず
、 仏 性 と斉
肩
す べ か ら ず 。 あ る 一 類 お も は く 、 仏性
は 草 木 の 種 子 の ご と し 、法
雨 の う る ひ し き り に う る ほ す と き 、 芽 茎 生 長 し 、 枝 葉 花 菓 も す こ とあ
り 、 果実
さ ら に 種 子 を は ら め り 。 か く の ご と く 見 解 す る 、 凡 夫 の情
量 な り 。 た と ひ か く の ご と く 見 解 す と も 、 種 子 お よ び 花 果 、 と も に 条 条 の 赤 心 な り と 参究
す べ し 。 果裏
に 種 子 あ り 、 種 子 み え ざ れ ど も 、 根 茎 等 を 生 ず 。 あ つ( 10 ) ( 11 ) め ざ れ ど も そ こ ぼ く の 枝 葉 大 囲 と な る 、
内
外 の論
に あ らず
、 古 今 の 時 に 不 空 な り 。 し か あ れ ば 、 た と ひ 凡 夫 の 見解
( 12 ) に 一
任
す と も 、根
茎 枝葉
、 み な 同 生 同 死 同 悉有
な る 仏 性 な る べ し 。 釈 尊 与 二 一 切 諸 仏 一 切 祖 師一 ノ 皮 肉 相 通 ス ル 上 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) 釈 尊 と 一 切 諸仏
・ 一 切 祖 師 と の 本来
の姿
が 相 い 通 じ る 上 に お い て は 、 な る ほ ど 「大
一 七 一 N工 工一Eleotronlo LlbraryKomazawa University
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Kom 三1z三1w三1 Umversrty 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) ニ ハ 、 誠 大 師 釈 尊 ノ 師 子 吼 ノ 転 法 輪 也 ト ハ 云 ヘ ト モ 、 [ 切 諸 仏 一 切 祖 師 ノ 頂 顎 眼 睛 也 ト 可 二 参 学一 也、 頂 顯 眼 精 ト 云、 全 体 其 ナ ル 道 理 ナ リ 、 師 子 吼 ノ 転 法 輪 ト 者 、 師 子 ノ ホ ユ ル 時 ハ 、 諸 ノ 畜 類 等 恐 テ ナ リ ヲ シ ツ メ テ 恐 怖 ス 、 ( 13 ) 其 定 二 仏 説 法 シ 給 時 ハ 、 諸 ノ 外 道 二 乗 等 謹 慎 ニ シ テ 不 レ 任 二 我 意 → 師 子 吼 ノ 転 法 輪 ト ハ 此 喩 也、 ( 五 三 b ) 又 達 磨 大 師 西 天 ニ テ ハ 廿 八 祖、 東 土 ニ テ ハ 初 カ ス エ 祖、 ニ タ ヒ 奉 ・ 算 也、 一 度 奉 γ 算 時 ハ 五 十 世、 二 度 奉 レ 算 時 ハ 五 十 一 世 ナ リ、 夊 十 方 ノ 仏 祖 共 二 住 持 セ リ ト ハ 、 右 一 切 衆 生 悉 有 仏 性 言 也 、 世 尊 道 ノ 一 切 衆 生 悉 有 仏 性 ハ イ カ ム、 是 什 麼 物 恁 麼 来 ノ 道 ト ハ 、 六 祖 与 二 南 嶽 一 問 答 ノ 御 詞 也、 衆 生 悉 有 仏 性 何 モ 此 道 理 ナ リ、 一 ツ ヲ ヘ ヌ シ ニ シ テ 談 セ ハ 是 什 麼 物 恁 麼 来 ノ 儀… ハ ア ル ヘ カ ラ ス 、 是 ハ 衆 生 モ 悉 有 モ 皆 同 タ ケ ナ ル ( 五 四 a ) ア ヒ タ 恁 麼 来 ノ 道 理 ナ リ、 或 ハ 衆 生 ト イ ヒ 乃 至 群 類 ト 云 ト ア 〃 ロ ヒ バ 、 衆 生 ノ 異 名 共 ヲ 被 二 呼 出 一 也 、 悉 有 ノ 言 ハ 衆 生 也 ト 有、 悉 有 ト 衆 生 ト 一 也 ト 云 事 ヲ 、 打 任 テ ハ 衆 生 ハ 五 薀 積 聚 ノ 身 、 其 内 二 仏 性 ト 云 物 力 具 足 シ テ、 是 ヲ 不 y 修 時 ハ 不 レ 被レ 顕、 或 従 知 識 或 従 経 巻 シ テ 修 行 ス ル 時 仏 性 ア ラ ハ ル 、 顕 一 七 二 師 釈 尊 の
師
子吼
の 転法
輪
な り 」 と は 言 う け れ ど も 、 〔 釈 尊 一 人 に限
ら ず 〕 「 一 切諸
仏
、 一 切 祖 師 の 頂 顛 眼 睛 な り 」 と 参学
す べ き で あ る 。 「 頂 顧 眼 晴 」 と 言 う の は 、 〔 一 切 諸仏
・ 一 切 祖 師 の 〕 全 身 が そ れ 〔 即 ち 「 一 切 衆 生 、 悉有
仏 性 。 如来
常 住 、無
有 変 易 」 〕 で あ る 道 理 で あ る 。 「 師子
吼 の転
法 輪 」 と は 、 師 子 が 吼 え る 時 は 、 多 く の 獣 な ど は こ わ が っ て 、 鳴 り を 静 め て 恐 れ お じ る 。 そ の よ う に 、仏
が 説 法 さ れ る 時 は 、多
く の 外 道 や 二 乗 な ど は 、 慎 み 深 く し て勝
っ て気
ま ま に 振舞
わ な い 。 「 師 子 吼 の転
法 輪 」 と は 、 こ の 喩 で あ る 。 ま た 、達
磨 大 師 は イ ン ド に お い て は 第 二 八 祖 、中
国 で は 初祖
と い う よ う に 、 二度
数
え 申 し 上 げ る の で あ る 。 一 度 数 え 申 し 上げ
る 時 は 〔 天 童如
浄 和 尚 は 〕 五〇
世 、 二 度 数 え申
し 上 げ る時
は 五 一 世 で あ る 。 ま た 、 「 十方
の 仏 祖 、 と も に 住 持 せ り 」 と は 、 例 の コ 切 衆 生 、 悉有
仏 性 」 二 切 衆 生、 悉 く 仏 性 有 り ) の こ と ぽ で あ る 。 「 世 尊 道 の 一 切 衆 生 悉有
仏 性 は い か む 。 ( 14 ) 是 什麼
物
恁 麼 来 の 道 」 と は 、 六祖
と 南 嶽 懐 譲 と の 問 答 の お こ と ぽ で あ る 。 「 衆 生 」 「 悉有
」 「 仏 性 」 の ど れ も が こ の 道 理 で あ る 。 一 つ を 中 心 に し て 説 け ぽ 、 「 是 什麼
物 恁麼
来 」 の 意 味 は あ る は ず が な い 。 こ れ は 、 「衆
生 」 も 「 悉有
」 も 「 仏 性 」 も 皆 同 じ ほ ど で あ る か ら 、 「 恁麼
来 」 の道
理 で あ る 。 「 あ る い は 衆 生 と い ひ 、 〔有
情
と い ひ 、 群 生 と い ひ 、 〕群
類 と い ふ 」 と あ る の は 、衆
生 の 別 名 を 呼 び出
さ れ た の で あ る 。 「 悉有
の 言 は 衆 生 な り 」 と あ る 。 〔 こ れ は 〕 「 悉有
」 と 「 衆 生 」 と が 一 つ で あ る と い う こ と を 〔 表 わ し て い る 〕 。 普 通 、 一 般 に は 、 「衆
生 は 〔 色 ・ 受 ・ 想 ・ 行 ・ 識 の 〕 五 蘊 が集
ま っ て 身 を構
成 し て お り 、 そ の 内 に 仏性
と い う も の が具
わ っ て い て 、 こ れ を修
行 し な い 時 に は 顕 わ れ な い 。 或 い は 直接
師 に つ い て 、 或 い は 経巻
に 従 っ て 修 行す
る 時 に は 仏 性 は 顕 わ れ る 。 顕 わ れ た な ら ば 、 そ の ま ま 仏 で あ N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service ヌ レ ハ 則 仏 也 ト 談 故 、 悉 ヲ ハ 衆 生 ユ ツ ケ、 有 ヲ ハ 仏 性 ニ ツ ケ テ 心 得 、 今 ノ 悉 有 非 此 義 也、 悉 有 ノ 一 分 ヲ 衆 生 ト 云 ト ア ル ハ 、 悉 有 ハ 迷 也 、 悉 有 ハ ( 五 四 b ) 悟 也、 乃 至 悉 有 ハ 生 也 、 悉 有 ハ 死 也 ト モ 談 セ ム 不 ・ 可 二 相 違 噛 然 而 今 ハ 悉 有 ハ 衆 生 也 ト ア ル 所 ノ 詞 ヲ 、 今 悉 有 ノ 一 分 ヲ 衆 生 ト 云 ト ハ 被 レ 書 也、 叉 正 当 恁 麼 時 ハ 、 衆 生 ノ 内 外 則 コ レ 仏 性 ノ 悉 有 也 ト 云、 打 任 テ ハ 衆 生 ノ 内 ニ コ ソ 仏 性 ハ 有 ト 談 ス レ 、 内 外 則 コ レ 仏 性 ノ 悉 有 也 ト 被 レ 書 事 モ 難 二 心 得 哨 然 而 今 所 レ 談 之 衆 生 仏 性 ナ リ 、 此 上 内 外 叉 勿 論 始 非 レ 可 二 不 審} 也 、 単 伝 ス ル 皮 肉 骨 髄 ノ ミ ニ ア ラ ス ト 云 ハ 、 物 ヲ 相 対 セ ス 、 ヘ タ ツ ル 所 ナ ク、 ヤ カ テ 其 理 ノ 上 二 談 ( 五 五 a ) ス ル ヲ 、 単 伝 皮 肉 骨 髄 ト ハ 可 v 云 歟、 仮 令 尽 十 方 界 真 実 人 体 ト 談 ス ル 詞 力、 単 伝 ノ 皮 肉 骨 髄 二 可 ・ 当 歟、 但 叉 如レ 此 談 ス ル 許 ス チ ニ テ モ ナ シ 、 汝 得 吾 皮 肉 骨 髄 ト 等 談 ス ル 筋 モ 有レ 之 、 此 分 ヲ 単 伝 ス ル 皮 肉 骨 髄 ノ ミ ニ ア ラ ス 、 汝 得 吾 皮 肉 骨 髄 ナ ル カ 故 ニ ト ハ 有 也 、 但 如 レ 此 面 バ カ ハ リ タ ル 様 二 被 レ 談 レ ト モ 、 只 同 事 也 、 聊 モ 其 理 不 ・ 可 二 相 違 → シ ル ヘ シ 、 今 仏 性 二 悉 有 セ ラ ル ル 有 ハ 、 有 無 ノ 有 二 非 ト ア リ 、 尤 有 二 其 謂 → 悉 有 ハ 仏 語 也、 仏 舌 也 、 ( 五 五
b
) 仏 祖 眼 精 也、 衲 僧 鼻 孔 也 ト ア ル ハ 、 此 悉 有 ノ タ ケ カ 是 等 程 ノ 義 ニ テ ア ル 也 、 打 任 タ ル 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) る 」 と説
く の で あ る か ら 、 「 悉 」 を 「衆
生 」 に つ け 、 「 有 」 を 「 仏 性 」 に つ け て 、 〔 「 衆 生 に は 悉 く 、 仏性
が有
る 」 と 〕 理 解 す る 。 こ の 「 悉有
] は 、 こ の 意昧
で は な い 。 「 悉有
の 一 分 を 衆 生 と い ふ 」 と あ る の は 、 悉有
は 迷 で あ る 、 悉有
は悟
で あ る 、 乃 至 悉 有 は 生 で あ る 、 悉 有 は 死 で あ る と説
い て も 相 違 は な い 。 そ う で あ る か ら 、 こ こ に は 「 悉有
〔 の 言 〕 は 衆 生 な り 」 と あ る と こ ろ の こ と ぽ を 、 こ こ で 「 悉 有 の 一 分 を 衆 生 と い ふ 」 と 書 か れ た の で あ る 。 ま た 、 「 正 当 恁麼
時 は 、 衆 生 の 内 外 す な は ち こ れ 仏 性 の 悉 有 な り 」 と 言 う 。普
通 、 一 般 に は 、 衆 生 の 内 に 仏 性 は あ る と説
く 。 「 内 外 す な は ち こ れ仏
性
の 悉 有 な り 」 と 書 か れ る こ と も 理 解 し が た い 。 そ う で は あ る が 、 こ こ で 説 く と こ ろ の 衆 生 は 仏 性 で あ る 。 こ の よ う で あ る か ら 、 内外
は ま た 言 う ま で も な く 、 あ ら た に 疑 問 と す べ き で は な い 。 「 単 伝 す る 皮 肉 骨髄
の み に あ ら ず 」 と 言 う の は 、物
を 相 対 せ ず 、 隔 て る と こ ろ な く 、 そ の ま ま 〔 そ の も の が そ の も の で あ る と い う 〕 そ の 理 の 上 に 説 く こ と を 、 「 単 伝 〔 す る 〕皮
肉骨
髄 」 と 言 う べ き で あ ろ う か 。 た と え ば 、 「 尽 十 方 界 真実
人 体 」 と 説 く こ と ば が 、 「 単 伝 」 の 「 皮 肉骨
髄
」 に 当 た る で あ ろ う か 。 し か し な が ら 、 ま た 、 こ の よ う に説
( 15 ) く だ け で も な い 。 「 汝 得 吾 皮 肉 骨髄
」 ( 汝 、 吾 が 皮 肉 骨 髄 を 得 た り ) な ど と 説 く 道 理 も あ る 。 こ の こ と を 〔 表 わ す た め に 〕 「単
伝 す る 皮 肉 骨髄
の み に あ ら ず 、 汝得
吾 皮 肉 骨 髄 な る が ゆ へ に 」 と あ る の で あ る 。 し か し な が ら 、 こ の よ う な こ と は 、 相 違 し て い る よ う に 説 か れ る け れ ど も 、 全 く 同 じ こ と で あ る 。少
し も そ の 道 理 は 相 違 し て い な い 。 「 し る べ し 、 い ま 仏 性 に 悉 有 せ ら る る 有 は 、有
無 の有
に あ ら ず 」 と あ る 。 い か に も そ の 理 由 が あ る 。 「 悉有
は 仏 語 な り 、 仏 舌 な り 、 仏 祖 眼 睛 な り 、 衲 僧 鼻 孔 な り 」 とあ
る の は 、 こ の 悉 有 の 程 度 が こ れ ら ほ ど の意
味 で あ る の で あ る 。 普 通 、 一 般 に 言 う 「 悉有
」 は こ の こ と で は な い 。 「 悉 有 の 言 、 さ ら に 始 有 一 七 三 N工 工一Eleotronlo LlbraryKomazawa University
NII-Electronic Library Service
Kom 三1z三1w三1 Umversrty 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) 悉 有 更 非 一 一 此 儀 → 悉 有 ノ 言 サ ラ ニ 始 有 本 有 妙 有 等 二 非 サ ル 条 勿 論 ナ リ 、 況 ヤ 縁 有 妄 有 心 境 性 相 等 ニ カ カ バ レ サ ル 道 理 必 然 也、 夊 衆 生 悉 有 ノ 依 正 乃 至 業 増 上 力 及 妄 縁 起 法 爾 神 通 修 証 等 イ ハ レ ニ ア ラ サ ル 尤 有 ’ 一 其 謂 { 衆 生 ノ 悉 有、 ソ レ 業 増 上 力 及 縁 起 法 爾 等 ナ ラ ム ニ ハ 、 諸 聖 ノ 証 道 及 諸 仏 ノ 菩 提 、 仏 祖 眼 精 モ 、 業 増 上 力 及 縁 起 法 爾 ナ ル ヘ シ 、 ( 五 六 a ) シ カ ア ラ サ ル 也 ト 云 ハ 、 衆 生 具 足 ノ 業 増 上 力 等、 我 等 ハ 皆 凡 夫 ノ 如 ソ 思 心 得 タ リ 、 然 而 仏 性 ノ 方 ヨ リ 是 皆 仏 ニ 性 也、 更 如 二 衆 生 思 一 ノ 非 二 業 増 上 力 等 → 皆 仏 M 性 ナ リ 、 仍 シ カ ア ラ サ ル 也 ト ハ 被 レ 決 也、 尽 田 弁 惚 労 廿 宙 屋 ナ シ ト 一 云 ハ 、 尽 亠 − 十 刀 界 ノ 談 ニ ハ 、 偬 此 外 不・ 可 ・ 有 二 客 塵一 故 非 二 第 二 人一 ト ア リ、 直 截 根 源 人 未 識 、 忙 忙 業 識 幾 時 休 ト 文 、 此 業 識 ハ ワ 指 昌 仏 姓一 ト 可 二 心 得 → 故 此 道 理 力 幾 時 休 ト ハ イ ハ ル ル ナ リ 、 妄 縁 起 ノ 有 ニ ア ラ ス 、 褊 界 不 曾 蔵 ノ 故 ( 五 六
b
) ト ア リ 、 全 界 ナ ル 故 不 曾 蔵 ノ 道 理 ア リ 、 偏 界 不 曾 蔵 ト 云 ハ 、 必 シ モ 満 界 是 有 ト 云 ニ ア ラ ス ト 云 ハ 、 打 任 テ ハ 世 界 ハ 世 界 ニ テ 其 内 二 雪 ナ ソ ト ノ プ リ 積 タ ル 様 二 、 お 万 象 等 ノ ア ラ ム ス ル 様 二 思 タ リ 、 非 二 其 儀 → 偏 界 我 有 ト 云 ハ 、 我 等 力 法 界 ニ ヒ ロ マ リ タ ル 様 二 外 道 ハ 談 也 、 仍 被 レ 嫌 レ 之 、 此 悉 有 、 打 任 ハ ル カ コ コ エ テ 心 得 タ ル 様 二 遥 越 タ リ 、 仍 所 所 二 此 悉 有 一 七 四 〔 に あ ら ず 〕 、 本有
〔 に あ らず
〕 、妙
有
等
に あ ら ざ る 」 こ と は 言 う ま でも
な い 。 ま し て や 、 「 縁 有 .妄
有
」 「 心 ・境
・性
・ 相 等 」 に か か わ ら な い 道 理 は 必然
で あ る 。 ま た 、 「衆
生 悉有
の 依 正 」 乃 至 「 業 増 上 力 」 及 び 「 妄 縁 起 」 「 法爾
」 「神
通 修 証 」 等 で は な い こ と は 、 い か に も そ の 理 由 が あ る 。 「衆
生 の 悉有
、 そ れ 業増
上 力 お よ び 縁 起 法 爾 等 な ら ん に は 、 諸 聖 の証
道 お よ び諸
仏 の 菩 提、 仏 祖 の 眼 睛 も 、 業増
上 力 お よ び 縁 起 法 爾 な る べ し 。 し かあ
ら ざ る な り 」 と 言 う の は 、 衆 生 が具
え て い る 業 増 上 力 等 を 、 我 々 は 皆 凡 夫 が 考 え る よ う に 理解
し て い る 。 そ う で は あ る が 、 仏 性 の方
よ り 見 れ ば 、 こ れ は皆
仏 性 で あ る 。 決 し て衆
生 が 考 え る よ う な 業 増 上 力 等 で は な い 。皆
仏 性 で あ る 。 そ れ 故 、 「 し かあ
ら ざ る な り 」 と 決着
を つ け ら れ た の で あ る 。 「 尽 界 〔 は 〕 す べ て 客 塵 な し 」 と 言 う の は 、 尽 十方
界 と 説 く と き に は 、 す べ て こ の ほ か に客
塵 が あ る は ず が な い か ら 「 第 二 人 あ ら ず 」 と あ る 。 「 直 截 根 源 人未
識 、 忙 忙 業 識 幾 時 休 」 ( 直 に 根 源 を 截 る も 人 未 だ 識 ら ず 、 忙 忙 た る 業 識 幾 時 か 休 せ ん ) と 〔 言 う 〕 。 こ の 「 業 識 」 は 仏 性 を 指 す と 理 解 す べ き で あ る 。 だ か ら こ の 道 理 が 「幾
時 休 」 ( い っ 休 む の か ) 〔休
み な き 業 識 が そ の ま ま 仏 性 の 現 前 で あ る 〕 と 言 わ れ る の で あ る 。 「 妄 縁起
の有
に あ ら ず 、 偏 界 不曾
蔵 の ゆ へ 〔 に 〕 」 と あ る 。 全 界 で あ る か ら 「 不 曾 蔵 」 ( 曾 て 蔵 さ ず ) の道
理 が あ る 。 「 偏 界 不 曾蔵
と い ふ は 、 か な ら ず し も 満 界 是有
と い ふ に あ ら ざ る 〔 な り 〕 」 と 言 う の は 、 普 通 、 一 般 に は 、 世 界 は 世 界 で あ っ て 、 そ の 内 に 雪 な ど が 降 り積
っ た よ う に 、 万 象等
が存
在 す る よ う に 思 っ て い る 。 そ の こ と で は な い 。 「 偏 界 我 有 」 と 言 う の は 、我
々 が 法界
に 広 ま っ た よ う に外
道 は 説 く の で あ る 。 そ れ 故 、 〔 「 外道
の 邪 見 な り 」 と 〕斥
け ら れ た の で あ る 。 こ の 「 悉有
」 は 、普
通 、 一 般 に 理解
し て い る こ と に 〔 比 べ て 〕 は る か に 越 え て い る 。 そ れ 故 、 あ ち ら こ ち ら に こ の 「 悉 有 」 の こ と ば を詳
し く 解釈
さ れ N工 工一Eleotronlo LlbraryKomazawa University
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Kom 三1z三1w三1 Umversrty 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) ル ナ リ、 仏 ハ 修 ニ ア ラ バ レ 、 性 ハ 内 二 具 足 ス ト 思 ヘ リ 、 是 ハ 達 彼 達 此 ノ 儀 ニ ア ラ ス 、 悉 有 ハ 百 雑 砕 ニ ア ラ ス ト 云 ハ 、 諸 ノ ス カ タ ヲ 集 タ ル ニ モ 非 ス 、 夊 一 条 鉄 二 非 ト 云 ハ 、 一 ヲ マ ロ メ テ ヲ キ タ ル 姿 ニ モ ア ラ ス 、 只 拈 拳 頭 也、 悉 有 ニ 又 非 ご 大 小一 道 理 必 然 也 、 仏 性 諸 聖 ト 斉 肩 ス ヘ カ ラ ス 、 諸 ( 五 八 b ) 聖 ハ 諸 聖 仏 性 ハ 仏 性 ナ ル 故、 仏 性 ト 斉 肩 ス ヘ カ ラ ス 、 悉 有 ハ 悉 有 仏 ル イ 性 ハ 仏 性 ナ ル 故 、 夊 或 一 類 ノ 儀 被レ 挙 レ 之 如・ 文 、 是 ハ 被レ 嫌 也 、 縦 如 二 凡 夫 見 解+ ナ リ ト モ、 只 種 子 及 花 菓 、 ト モ ニ 条 条 ノ 赤 心 也 ト 参 究 ス ヘ シ ト ア ル ハ 、 喩 ヘ ハ 凡 夫 ノ 思 カ コ ト ク ノ 草 木 種 子 芽 茎 枝 葉 花 菓 ナ リ ト モ 、 只 フ サ ネ テ 皆 仏 性 ト 可 ・ 談 也 、 実 ニ モ 根 茎 ア ッ メ サ レ ト モ ソ コ ハ ク ノ 枝 葉 大 囲 ト ナ ル 、 内 外 ノ 論 ニ ア ラ ス 、 古 今 ノ 時 二 不 空 也 ト ア ル 、 是 ハ 眼 前 ノ 謂 ナ リ 、 タ ト ヒ 凡 夫 ノ 見 解一 二 ( 五 九 a ) あ ム 任 ス ト モ 、 根 茎 枝 葉 等 皆 仏 性 ト 同 生 同 死 同 悉 有 可レ 学 也 へ 先 仏 法 ノ 様 ニ ハ 宗 宗 ヲ 立 ツ 、 華 厳 ハ 余 教 ヲ ハ 皆 助 法 也 、 方 便 ノ 教 也 ト イ ヒ 、 法 華 ハ 四 十 余 年 ノ 説 皆 是 仏 ノ 本 意 二 非 ス 、 法 華 已 前 ヲ 爾 前 ノ 教 ト テ 是 モ 方 便 ト 下 ス 、 法 華 コ ソ 仏 ノ 出 世 ノ 本 懐 ナ レ ト イ フ 、 如 ン 此 云 事 宗 宗 ノ 定 レ ル 習 也、 今 ノ 禅 宗 モ 達 磨 西 来 不 立 丈 字 、 直 指 人 一 七 六 ( 仏 と 性 と は 、 彼 に 達 し 、 此 に 達 す ) と 言 わ れ る の で あ る 。 仏 は 修 す る と こ ろ に あ ら わ れ 、 性 は 内 に 具 わ っ て い る と 思 っ て い る 。 こ れ は 「
達
彼 達 此 」 の こ と で は な い 。 「 悉 有 は 百 雑砕
に あ らず
」 と 言 う の は 、 多 く の物
質 を 集 め た の で も な い 。 ま た 、 「 一条
鉄 に あ ら ず 」 と 言 う の は 、 一 つ の も の を 丸 く 固 め て 置 い た様
子 で も な い 。 単 に 「 拈 拳 頭 」 ( こ ぶ し を ふ り あ げ る こ と ) で あ る 。 「 悉 有 」 が 「 大 小 に あ ら ざ る 」 道 理 は 必 然 で あ る 。 仏 性 は 「 諸 聖 と斉
肩 す べ か ら ず 」 〔 と は 〕 、 諸 聖 は 諸 聖 、 仏 性 は 仏 性 で あ る か ら 。 〔 仏 性 は 〕 「 仏 性 と斉
肩 す べ か ら ず 」 〔 と は 〕 、 悉有
は 悉 有 、仏
性 は 仏 性 で あ る か ら 。 ま た 、 あ る 一 類 の こ と を こ こ にあ
げ ら れ た の は 、 丈 の 通 り で あ る 。 こ れ は 、 〔 「 凡 夫 の情
量 な り 」 と 〕 斥 け ら れ た の で あ る 。 た と え 凡夫
の 見解
の よ う で あ っ て も 、 単 に 「 種 子 お よ び花
果
、 と も に条
条 の 赤 心 な り と参
究 す べ し 」 と あ る の は 、 た と え ば 、 凡 夫 が 思 う よ う な草
木 ・ 種 子 ・ 芽 茎 ・枝
葉 ・ 花 果 で あ っ て も 、 そ の ま ま 、 ま と め て 皆 仏 性 と 説 く べ き で あ る 。 ま こ と に根
茎 を 「 あ つ め ざ れ ど も そ こ ば く の枝
葉 大 囲 と な る 。内
外 の 論 に あ ら ず 、 古今
の時
に 不 空 な り 」 と あ る 。 こ れ は 眼 前 の 意 味 で あ る 。 「 た と ひ 凡 夫 の見
解
に 一 任 す と も 、根
茎 枝 葉 等 は 、 皆 仏 性 と 「 同生
同 死 同 悉 有 」 で あ る と 学 ぶ べ き で あ る 。舜
ず 、仏
法
の あ り さ ま と し て は 、 そ れ ぞ れ の宗
派
を 立 て る 。華
厳
〔 宗 〕 は 、 「 他 の 教 え は皆
華 厳 経 の教
え を助
け る 教 え で あ る 。方
便 の 教 え で あ る 」 と 言 い 、 法 華 〔 宗 〕 は 、 「 四〇
余
年 間 の 仏 の 説 法 は 、 皆 仏 の 本 意 で は な い 。法
華
〔 経 が 説 か れ た 〕 以前
〔 の 教 え 〕 は 『 爾前
の 教 』 〔 で あ る 〕 」 と 言 っ て、 こ れ も 方 便 であ
る と 判断
す る 。 「 法華
〔 経 の 教 え 〕 こ そ 、 仏 が 世 に現
わ れ た 本懐
で あ る 」 と 言 う 。 N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service ス ヘ テ 心 見 性 成 仏 ト 云 テ 、 都 詞 ニ テ イ ヒ 、 文 字 ニ テ 書 出 サ ム 程 ノ 事 ハ 仏 法 二 非 ス ト 習 方 モ ( 五 九
b
) ア リ 、 但 今 ノ 談 ハ 不 レ 可 レ 然、 一 向 詞 ヲ 不 レ 用 ハ 、 ヤ カ テ 不 立 文 字 ノ 詞 モ 直 指 人 心 ノ 詞 モ 難 ン 用 、 是 不 受 ノ 法 ヲ ハ ゥ ク ヤ ト 仏 ノ 外 道 ヲ ツ メ マ シ マ シ シ カ コ ト シ 、 我 有 正 法 眼 蔵 付 属 摩 訶 大 迦 葉 ト 被 レ 仰 御 詞 モ 不 レ 可 レ 用、 太 無 レ 謂 、 三 乗 十 二 分 教 ソ 一 二 十 七 口 叩 苙 目 提 分 法 ナ ム ト 云 ハ 、 ム ネ ト シ テ 小 乗 ノ 談 ナ レ ト モ 、 是 ヲ 一 言 モ 不 レ 棄 、 皆 仏 家 二 用 γ 之、 諸 教 諸 乗 卜 更 不 レ 可 レ 下 、 今 ノ 一 切 衆 生 悉 有 仏 性 ノ 詞 モ 、 教 二 心 得 様、 仏 家 二 談 様 各 別 ナ レ ト モ 、 共 二 此 文 ヲ 引 用 テ コ ソ 仏 性 義 ヲ ハ ( 六 〇 a ) 談 ス レ 、 叉 此 丈 ハ 釈 迦 一 仏 ノ 御 詞 ナ レ ト モ 、 今 ハ 一 切 諸 仏 一 切 祖 師 ノ 頂 頴 眼 睛 ト 云、 釈 迦 一 仏 ニ モ カ キ ラ ス 、 如 三 世 諸 仏 説 法 之 儀 式 ノ 心 地 ナ ル ヘ シ 、 叉 必 詞 ト ノ ミ 思 ヘ カ ラ ス、 頂 頸 眼 睛 ナ ル 故 二 、 尽 十 方 界 沙 門 眼 ト モ 、 尽 十 方 界 沙 門 家 堂 蚩 胆 ト モ 云 程 ノ 詞 ニ テ コ ソ ア レ ハ 、 悉 有 モ 是 程 ナ ル ヘ シ 、 直 指 人 心 ト 云 人 モ、 イ タ ツ ラ ナ ル 凡 夫 ノ 身 ヲ 人 ト 云 ニ ア ラ ス 、 尽 十 方 界 真 実 人 躰 ノ 人 ナ ル ヘ シ 、 本 分 人 ナ ル ヘ シ 、 本 来 人 ナ ル ヘ シ 、 直 指 ト 云 心 モ 、 ( 六 〇b
) 凡 夫 慮 知 念 覚 ノ 心 ナ 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) こ の よ う に 言 う こ と は 、 そ れ ぞ れ の 宗 派 の決
っ て い る し き た り で あ る 。 当 世 の禅
宗 で も 、 「達
摩 西 来 、 不 立 丈 字 。 直 指 人 心 、 見 性成
仏 」 と 言 っ て 、 す べ て こ と ぽ で 言 い 、 丈 字 で書
き 表 わ すく
ら い の こ と は 、 仏 法 で は な い と す る 学 び方
も あ る 。 し か し な が ら 、 こ こ で 言 わ れ て い る こ と は 、 そ の よ う な こ と で は な い 。 全 く こ と ぽ を 用 い な い な ら ば 、 ま さ に 「 不 立 丈 字 」 の こ と ぽ も 、 「 直 指 人 心 」 の こ と ぽ も 用 い る こ と は難
か し い 。 こ れ は 、 与 え ら れ な い 教 え を受
け る の か 、 と 仏 が 外 道 を 追 い つ め ら れ た よ う な も の で あ る 。 「 我 有 正 法 眼 蔵 、 付属
摩 訶 大 迦葉
」 ( 我 に 正 法 眼 蔵 有 り 、 摩 訶 大 迦 葉 に 付 属 す ) と お っ し ゃ っ た お こ と ぽ も 用 い て は い け な い 〔 こ と に な る 〕 。 た い し て 理 由 が な い 。 三 乗 ・ 十 二 分 教 ・ 三 十 七 品 菩 提 分 法等
と 言 う の は 、 も っ ぱ ら 小 乗 の 説 で あ る け れ ど も 、 こ れ を 一 言 も捨
て な い 。 皆 仏 家 ( 禅 家 ) で こ れ を 用 い る 。諸
教
諸 乗 で あ る と 、 決 し て け な し て は い け な い 。 こ の コ 切衆
生 、 悉 有 仏 性 」 の こ と ば も 、 教 家 で 理 解 す る 場合
、 仏 家 で 理解
す る 場 合 、 そ れ ぞ れ 異 な る け れ ど も 、 ど ち ら も 、 こ の 丈 を引
用 し て 仏 性 の 意味
を説
く 。 ま た 、 こ の 丈 は 、 釈 迦 一 仏 の お こ と ば で あ る け れ ど も 、 こ こ で は こ切
諸 仏 、 】 切祖
師 の 頂 ( 17 ) 願 眼 睛 」 と 言 っ て い る 。 釈 迦 一 仏 に 限 ら な い 。 「如
三 世 諸 仏 説 法 之儀
式
」 ( 三 世 諸 仏 説 法 の 儀 式 の 如 し ) の 意味
で あ る 。 ま た 、 必ず
し も こ と ぽ だ け と 思 っ て は い け な い 。 「 頂 額 眼 晴 」 で あ る か ら 。 「 尽 十方
界 沙 門 眼 」 と も 、 「 尽 十方
界 沙 門 家 常 語 」 と も 言 う く ら い の こ と ぽ で あ る か ら 、 「 悉 有 」 も こ れ く ら い で あ る 。 へ 「直
指
人 心 」 と い う 「 人 」 も 、役
に 立 た な い 凡 夫 の身
を 「 人 」 と い う の で は な い 。 「 尽 十方
界 真 実 人 体 」 の 「 人 」 で あ ろ う 。 「 本 分 人 」 で あ ろ う 。 「 本 来 人 」 で あ ろ う 。 「 直 指 〔 人 心 〕 」 と い う 「 心 」 も 、 凡 夫 に お け る 慮 知念
覚
の 「 心 」 で は な い で あ ろ う 。 コ ニ 界 唯 心 」 と 説 く く ら い の 「 心 」 で あ ろ う 。 「直
指
人 心 、 見 性成
一 七 七 N工 工一Eleotronlo LlbraryKomazawa University
NII-Electronic Library Service
Kom 三1z三1w三1 Umversrty 1 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) ル ヘ カ ラ ス、 三 界 唯 心 ト 談 ス ル 程 ノ 心 ナ ル ヘ シ、 直 指 人 心 見 性 成 仏 ト 談 セ ム 事 モ、 能 能 知 識 二 習 ヘ キ 物 也 、 一 切 衆 生 卜 云 、 此 衆 生 ハ 螻 蟻 蚊 虻 ヨ リ 仏 マ テ ヘ タ 也、 衆 生 ノ 方 ヨ リ ハ 仏 ヲ 隔 ツ 、 仏 ノ 方 ヨ リ ハ 不 レ 隔 二 衆 生一 也 、 隔 ト 云 ハ 仏 ニ ク ラ キ 也 、 感 応 ナ ム ト イ フ 感 ハ 衆 生 ノ 機、 応 仏 ノ 応 ナ リ 、 教 二 談 ス ル 三 種 世 間 ト 云 事 ア リ、 衆 生 世 間 五 ウ ン 陰 世 間 国 土 世 間 也、 衆 生 ニ ハ 仏 ヲ, モ ノ コ サ ス 、 然 而 一 切 諸 仏 悉 有 仏 性 ト モ イ ハ ム カ 如 シ、 ( 六 一 a ) 転 法 輪 ト 云 ハ 、 転 惑 摧 破 ノ 義 也 、 転 ト ハ 惑 ヲ 転 ス ル ナ リ 、 惑 ハ 煩 悩 也、 輪 ハ 輪 王 ノ 輪 ノ サ キ タ チ テ 物 ヲ ク タ ク ニ 喩 フ 、 法 輪 ノ 煩 悩 ヲ ク タ ク 事 如 レ 此 、 有 漏 無 漏 ト 云 モ 、 漏 ハ 煩 悩 、 声 聞 ノ 無 漏 ト 云 ハ 三 界 ヲ 断 ス ル 許 也 、 不 レ 及 二 仏 法 一 通 教 別 教 ニ モ 猶 不 レ 及、 初 地 初 住 証 道 同 円、 有 教 無 人 ト 云 、 別 教 ハ 初 地 ヨ リ 有 教 無 人 也 、 世 尊 道 ノ 一 切 衆 生 悉 有 仏 性 ハ イ カ ム 、 是 ( 六 一
b
) 什 麼 物 恁 麼 来 ノ 道 転 法 輪 也 ト イ フ 、 此 仏 」 と 説 く こ と も 、 一 七 八 十分
に 善 知 識 に つ い て 学 ぶ べぎ
道
理 で あ る 。 ナ ら あ ウ か あ ぶ ヘコ
切衆
生 」 と 言 う 、 こ の 「 衆 生 」 は 、 劇 。 蟻 ・ 蚊 ・ 虻 よ り 仏 ま で 〔 を 言 う の 〕 で あ る 。衆
生 の 方 か ら は 、 仏 を 〔 衆 生 と は異
な る も の と し て 〕隔
て る 。 仏 の 方 か ら は、 衆 生 を 隔 て な い 。 隔 て る と い う の は 、 仏 を 知 ら な い の で あ る 。 「 感 応 」 な ど と 言 う 感 は 衆 生 の機
( 機 縁 ) 、 応 は仏
の 応 ( 衆 生 の 機 縁 に 仏 の 力 が 応 じ る こ と ) で あ る 。 教 家 で 三 種 世 間 と い う こ と を 説 く 。 衆生
世 間、 五 陰 世間
、 国 土 世 間 で あ る 。 衆 生 〔 世 間 〕 に ヘ へ は 、 仏 を も 残 さ な い 〔 で 含 ん で し ま う 〕 。 そ う で あ る か ら 、 〔コ
切衆
生
、 悉有
仏
性 」 ヘ へ と い う の は 、 、 言 い 換 え れ ば 〕 「 一 切 諸 仏 、 悉 有 仏 性 」 と も 言 う よ う な も の で あ る 。 へ 「 転 法輪
」 と 言 う の は 、 転 惑摧
破 ( 惑 を 転 じ 摧 き 破 す ) の意
味 で あ る 。 「転
」 と は 惑 を 転 ず る こ と で あ る 。 惑 は 煩 悩 で あ る 。 「輪
」 は 転 輪 聖 王 の輪
が 先 に 立 っ て 物 を 摧 く こ と に喩
え る 。法
輪 が 煩 悩 を 砕 く こ と は こ の よ う で あ る 。 へ有
漏 無漏
と 言 う の も 、漏
は 煩悩
で あ る 。 声 聞 ( 蔵 澂 ) の 無漏
と 言 う の は 、 三 界 〔 の 惑 〕 を 断 じ る だ け であ
る 。 仏 法 ( 円 教 ) に 達 し て い な い 。 通 教 ・ 別 教 に も ま だ 耄 ノ 匸 宀 」 よ 、 o と ヌ り し リ ノ ル粉
地 初 住 証 道 同 円 ( 別 教 の 初 地 と 円 教 の 初售
は 同 じ钁
を
証 す ) °姦
先
( 教 は 有 っ て も 人 は 無 い ) と 言 う 。 別教
は初
地 に 達 す る と 〔 円 教 の 悟 り が 開 け、 悉 く 円教
の 人 と な る か ら 〕有
数 無 人 で あ る 。 へ 「 世尊
道
の 一 切 衆 生 悉有
仏 性 は い か む 。 是 什麼
物 恁 麼来
の 道 転法
輪
な り 」 と 言 う 。 こ の 「 い か む 」 と 言 う の は 、 い つ も の 問 答 の 〔 疑 問 の こ と ば と し て の 〕 「 い N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service イ カ ム ト 云 ハ 例 ノ 問 答 ノ イ カ ム ト ハ 不 レ 可 二 心 得 → 如 何 是 仏 ノ 心 ナ ル ヘ シ 、 是 什 物 恁 麼 来 ノ 道 転 法 輪 ナ ル 故 二 、 所 詮 尽 十 方 界 自 己 光 明 ト モ 、 沙 門 一 隻 眼 ト モ ト ク 、 此 上 ハ 、 何 力 何 ニ ヨ ル ト モ ヨ ラ ヌ ト モ 云 ヘ キ ナ ラ ネ ハ 、 証 不 γ 由 ン 他 ノ 詞 モ ヤ ス ク 心 得 ラ ル ル ナ リ、 \ ( 20 ) 従 無 住 法 立 一 切 法 ト 云 詞 ア リ 、 此 義 ニ テ 是 什 麼 物 恁 麼 来 ノ 詞 ニ テ コ ソ 仏 性 義 モ ア キ ( 六 二 a ) ラ ム レ 、 タ ト ヘ ハ 一 切 ト ハ 何 物 ソ 、 衆 生 ト ハ 何 物 ソ、 悉 有 ト ハ 何 物 ソ ト イ ハ ム ホ ト ノ 義 ヲ 、 フ サ ネ テ 是 什 麼 ト 云 ヘ シ 、 ユ ヘ ニ コ ノ 詞 ヨ セ 引 寄 ラ ル ル 也、 自 証 自 悟 ト 云 ヘ ハ ト テ 、 師 二 不 レ 習 シ テ 自 サ ト ル ト 云 事 ア ル ヘ カ ラ ス 、 初 マ レ で ノ イ ン 祖 二 祖 伝 法 シ 御 シ キ 其 時 、 初 祖 皮 肉 骨 髄 印 可 マ シ マ シ 御 ス 、 初 祖 ノ 皮 肉 シ カ シ ナ カ ラ ニ 祖 ト ナ ル ユ ヘ ニ コ ソ 無 師 ナ レ 、 是 ヲ 無 師 自 悟 ト 云 ヘ シ 、 世 間 ノ 凡 夫 ノ 師 モ ナ ク テ 自 ラ サ ト ル ト 云 ハ ム 妄 見 ナ ル ヘ シ 、 不 レ 足 二 信 用 一 ( 六 二
b
) 衆 生 ト ト ク 時 モ 説 似 一 物 即 不 中、 悉 有 ト ト ク 時 モ 説 似 一 物 即 不 中 、 仏 性 ト ト ク 時 モ 説 似 一 物 即 不 中、 コ ノ 故 ニ コ ソ 是 什 麼 物 恁 麼 来 ノ 道 転 法 輪 ナ 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) ( 19 ) 、 、 、 、 、 か む 」 と は 理解
し て は い け な い 。 「 如 何 是 仏 」 ( い か な る も 是 れ 仏 ) ず で あ る 。 「 是 什 麼物
恁 麼 来 の 道転
法
輪 」 であ
る か ら 。 の 意 味 で あ る は へ 紹 局 、 「 尽 十 方界
〔 是 〕 自 己 光 明 」 と も 、 「 〔 尽 十 方 界 是 〕 沙 門 一隻
眼 」 と も説
く 。 こ の よ う な こ と を ふ ま え た 上 で は 、 何 が 何 に 依 る と も 依 ら な い と も 言 う べき
で な い か ら 、 「証
不 由 他 」 ( 証 は 他 に 由 ら ず ) と い う こ と ば も た や す く 理 解 せ ら れ る の で あ る 。 へ 「 従 無集
立 一騒
. (盤
の 本 よ り 一 切 の 法 を 立 つ ) と い う 〔羅
摩 経 』 の 〕 こ と ば が あ る 。 こ の 意 味 に よ っ て 、 〔 ま た 〕 「 是 什 麼物
恁 麼来
」 の こ と ば に よ っ て 、 仏 性 の 意味
も は っ き り わ か る 。 例 え ば 、 一 切 と は何
物
、 衆 生 と は 何 物 、 悉 有 と は何
物
と い うく
ら い の 意味
を 、 ま と め て 「是
什 麼 」 と 言 う こ と が で き る 。 だ か ら 、 こ の こ と ば が引
用
さ れ る の で あ る 。 「 自 証 自 悟 」 と 言 う か ら と 言 っ て 、 師 に つ い て学
ぽ ず に 自 か ら 悟 る と い う こ と は あ る は ず が な い 。 初 祖 〔 菩 提 達摩
〕 が 二 祖 〔慧
可 〕 に 伝法
さ れ た そ の 時 、 初 祖 の 皮肉
骨
髄
を 印 可 さ れ た 。 初 祖 の 皮肉
〔 骨 髄 〕 が す べ て 二祖
と な る の で あ る か ら 無 師 で あ る 。 こ れ を 無 師 自 悟 と 言 う ぺ き で あ る 。 世 間 の 凡 夫 が 、 師 も な く し て 自 か ら 悟 る と 言 う の は妄
見 で あ る 。信
用 す る に 足 ら な い 。 へ 衆 生 と説
く 時 も 「 説 似 一物
即 不 中 」 、 悉有
と 説 く 時 も 「 説似
一 物 即 不中
」 、 仏性
と 説 く時
も
「 説 似 一物
即 不 中 」 〔 で あ る 〕 。5
」 の故
に 、 「是
什麼
物 恁麼
来 の 道 転法
輪
」 で あ る 。 一 七 九 N工 工一Eleotronlo LlbraryKomazawa University
NII-Electronic Library Service
Kom 三1z三1w三1 Umversrty 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) レ 、 悉 有 ノ 言 ノ 上 即 有 ト ア ル ハ 、 悉 有 ヨ リ ハ 即 有 ニ ト イ フ カ 親 切 ナ ル ヘ キ 歟 、 不 審 也 、 但 非 レ 爾 、 ナ ヲ 悉 有 ノ 詞 二 仏 性 ハ 極 タ レ ト モ 、 猶 世 間 ノ 人 ノ 心 ニ ハ 、 悉 有 ヲ ハ 只 詞 ト ノ ミ フ カ ク 執 心 カ ア ル 所 ヲ ノ ケ ム ト テ 即 有 ト ハ 云 ヘ ト モ 、 ( 六 三 a ) 悉 有 ト ヒ ト シ カ ル ヘ シ、 悉 有 ノ 有 ハ 、 タ ト ヘ ハ 火 ノ 中 二 火 ア リ 、 水 ノ 中 二 水 ア リ ト 云 程 ノ 事 也 、 別 二 物 ヲ 置 テ ア リ ト ハ 云 ハ ス 、 只 仏 性 ノ 悉 有 ハ 衆 生 也、 悉 有 ノ 一 分 ト 云 ハ 無 辺 際 一 分 也 、 更 対 レ ニ タ ル 一 分 ニ テ ナ シ 、 単 伝 ト 云 ハ 、 何 コ ソ ウ ケ ツ タ フ ト 云 ハ ス 、 衆 生 ノ 内 外 仏 性 ノ 悉 有 ナ ル 単 伝 ナ リ 、 汝 ニ ア ラ ス 誰 ニ ア ラ ス ト モ イ ハ ル 、 ユ ヘ ニ 単 伝 ス ル 皮 肉 骨 髄 ナ リ、 汝 ス ナ ハ チ タ レ ナ リ 、 誰 叉 汝 ナ リ 、 ユ ヘ ニ ( 六 三
b
) 衆 生 二 仏 性 ア リ ト 云 、 ユ ヘ ニ 汝 得 吾 皮 肉 骨 髄 也、 天 台 義 ニ モ、 絶 ノ 心 地 ニ ハ 、 タ ト ヘ ハ 薪 ヲ ク フ レ ハ 火 モ エ ウ ツ リ テ 、 タ エ ス 見 ル 程 二 、 薪 ウ セ ヌ レ ハ 火 モ ト ト マ ル カ 如 ク 、 イ マ ハ 可 γ 対 モ ノ ナ ケ レ ハ 、 絶 対 妙 ト 云 ヘ ト モ 、 イ カ ニ ソ ク モ 、 妙 ヲ モ 生 死 涅 槃 ヲ 一 ニ ナ シ 触 セ サ ス ル マ 一 八 〇 へ 「 悉有
」 の 言 に 加 え て 更 に 「 即 有 」 と あ る の は 、 「 悉 有 」 よ り は 「 即有
」 と い う の が ぴ っ た り す る の で あ ろ う か 。 は っ き り し な い の で あ る 。 或 い は そ う で は な い 。 「 悉 有 」 の こ と ぽ に仏
性 〔 の 意 味 〕 は 尽 き て い る け れ ど も 、 そ れ で も 世 間 の 人 の 心 に は 、 「 悉 有 」 を 、 単 に 〔 悉 く 有 る と い う 意 昧 の 〕 こ と ば と の み 深 く 執 す る 心 が あ る こ と を 除 こ う と 思 っ て 「 即有
」 と は 言 う け れ ど も、 「 悉 有 」 と 同 じ で あ る は ず で あ る 。 「 悉 有 」 の有
は 、 た と え ば 「 火 の 中 に 火 が あ る 。 水 の中
に 水 が あ る 」 と い う く ら い の こ と であ
る 。 他 に 物 を 置 い て有
り と は 言 わ な い 。 ま さ し く 、 「仏
性 の 悉 有 」 は 「 衆 生 」 で あ る 。 へ 「 悉 有 の 一 分 」 と 言 う の は 、 無 辺 際 の 一 分 で あ る 。 決 し て 二 つ の も の が 対 し た う ち の 一 分 で は な い 。 へ 「 単伝
」 と い う の は 、何
か を 受 け 伝 え る と い う の で は な い 。 「衆
生 の 内外
」 が 「 仏 性 の 悉 有 」 で あ る 〔 と い う こ と が 〕 「 単 伝 」 で あ る 。 「 汝 」 で は な い 。 誰 で は な い と も 言 わ れ る 。 〔 「単
伝 」 と は 、 汝 に 、 或 い は 誰 に 「 皮 肉 骨 髄 」 を 伝 え た と い う こ と で は な い 。 〕 だ か ら 「 単 伝 す る 皮 肉 骨 髄 」 で あ る 。 〔 「 汝得
吾 皮 肉 骨 髄 」 と あ る が 〕 「 汝 」 が そ の ま ま 誰 で あ り 、 誰 が ま た 「汝
」 で あ る 。 だ か ら 衆 生 に 〔 即 ち 誰 に も 〕 仏 性 が 有 る と 言 う 。 だ か ら 「 汝 得 吾 皮 肉骨
髄 」 で あ る 。ミ
台 の 教 理 に も 「 絶 」 の 意 味 に は 、 た と え ば 、薪
を 火 に 入 れ れ ば 、 火 が 「薪
に 」 燃 え 移 り 、 じ っ と 見 て い る う ち に 薪 が 〔燃
え て 〕 な く な っ て し ま っ た と す る と 、 火 も 燃 え る こ と が で き な く な る よ う に 、 天 台 で は 、 対 す る も の が な い の で 、 〔 そ れ を 〕 絶 対 ( 待 ) 妙 と 言 う け れ ど も 、 ど う み て も 、 「 妙 」 〔 と い う こ と 〕 も 、 生 死 と涅
槃
を 一 つ に し 触 れ さ せ る ぐ ら い 〔 の 意味
〕 で あ る 。 明快
に 、 仏 性 を 悉 有 N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service テ コ ソ ア レ 、 サ ハ ヤ カ ニ 仏 性 ヲ 悉 有 ト ツ カ フ 程 ノ コ ト ナ シ 、 コ ノ 心 ヲ 見 成 公 按 二 、 諸 法 仏 法 ナ ル 時 節 二 迷 悟 ヲ ヒ ト ツ ニ 談 セ シ 心 地 也、 ナ ワ 是 モ 迷 与 レ 悟 ヲ 一 ト 云 ハ ハ 猶 相 対 ノ 心 地 ナ ル ヲ、 一 方 ヲ 証 ス レ ハ 一 方 バ カ ク ル ( 六 四 a ) ト 云 時 コ ソ 、 仏 性 ノ 独 立 ニ テ ハ ア レ 、 依 正 ト 云 ハ 、 依 ハ 国 土 等 也、 正 ハ 身 也 、 無 明 力 法 性 ヲ ヲ ヲ フ ト 云 ハ 、 ヤ カ テ 法 性 力 法 性 ヲ ヲ ヲ フ ト 可 γ 習 也、 亘 古 亘 今 ノ ユ ヘ ニ ト 云 、 古 ト 今 ト ヲ 云 ハ ム ト ニ モ 非 ス 、 只 是 ニ モ ア タ リ カ レ ニ モ ア タ ル 義 也 、 悉 有 ノ 道 理 衆 生 ノ 道 理 ヲ ア ツ ル ナ リ、 亘 ノ 字 ヲ ワ タ ル ト 心 得 モ、 自 レ 彼 亘 レ 此 ニ テ ナ シ 、 悉 有 ヲ 衆 生 ト モ 仏 性 ト モ イ ハ ル ル 道 理 ヲ ( 六 四
b
) 亘 ト ハ 云 ヘ シ 、 但 悉 有 ト 衆 生 ト 仏 性 ト 非 別 非 同 也 、 悉 有 ハ 悉 有 ニ ワ タ リ 、 仏 性 ハ 仏 性 ニ ワ タ ル ヘ シ 、 所 詮 亘 古 亘 今 ハ 、 本 末 モ ナ ク 、 ハ シ メ ヲ ハ リ モ ナ キ 心 ナ リ 、 カ ツ シ ユ 偏 界 不 曾 蔵、 亘 古 亘 今 、 不 受 一 塵、 合 取、 吾 常 心 是 道 ナ ム ト 云、 是 等 ノ 詞 仏 道 二 用 ル 所 也 、 但 此 詞 ナ ニ ト シ テ カ 通 ス ル 、 詞 各 各 ナ ル ニ ヨ リ テ 義 モ 各 各 ナ ル ヘ キ カ、 詞 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) と 使 う ほ ど の こ と は な い 。 こ の 意 味 を 〔 述 べ れ ば 〕 、 現 成 公 按 〔 の 巻 〕 で 、 「 諸法
〔 の 〕仏
法
な る 時 節 」 に 、 迷 悟 を 一 つ に 説 い た 考 え で あ る 。 こ れ も 、迷
と 悟 と を 一 つ と 言 え ぽ 、 ま だ相
対
の感
じ があ
る が 、コ
方 を証
す れ ば 、一 方
Komazawa University
NII-Electronic Library Service ト 可 昌 心 得 → 悉 有 ノ 一 分 ヲ 衆 生 ト モ 、 悉 有 ノ 言 ヲ 衆 生 ト イ ヒ、 悉 有 ヲ 仏 性 ト 云、 是 ヲ 合 取 ス ル ニ 似 レ ト モ 、 世 間 ノ 合 ニ ハ コ ト ナ リ 、 他 物 ヲ 合 セ サ ル 故 二 、 悉 有 ヲ 悉 有 ニ ア ハ セ、 衆 生 ヲ 衆 生 ニ ア ハ ス ル ポ ト ノ 事 也 、 始 起 ノ 有 ニ ア ラ ス ト イ ヒ、 始 起 有 ノ 有 ニ ア ラ ス ト イ フ 、 ナ カ ノ ノ ノ・ 文 字 一 ヲ 加 減 ス ル 差 別 ノ 心 ア ル カ 、 是 ハ 本 有 ノ 有 二 対 シ テ ト ク ト キ ( 21 ) ハ 始 起 ノ 有 ト ト キ 、 無 始 有 ノ 有 ア ラ ス ト イ フ 有 二 ( 六 六
b
) 対 シ テ ト ク ト キ ハ 始 起 有 ト 、 ノ ノ 字 ヲ 中 二 不 y 置 シ テ ト ク ナ リ、 別 ノ 心 ナ シ 、 亠 乂 字 ヲ 相 対 ス ル 許 也 、 無 始 有 ノ 有 ニ ア ラ ス 、 是 什 麼 物 恁 麼 来 ノ ユ ヘ ニ ト 云 ハ 、 何 モ ノ ヲ サ シ テ コ ノ 有 ソ ト イ ブ ヘ キ 所 ナ キ ヲ 、 是 什 麼 ト 云 ナ リ、 無 始 右四 ノ 有 ニ ア ラ ス ト ハ 、 ハ シ メ ナ キ 事 ヲ 無 始 ト 云 フ 、 衆 生 ノ 事 ヲ 云 二 、 ソ ノ ハ シ メ ハ ル カ ニ シ テ シ リ カ タ ク、 ヲ ハ リ モ 夂 イ ツ マ テ ト ナ キ ヲ 無 始 無 終 ト タ ツ 、 是 ハ 凡 見 チ ヰ サ ク シ テ ハ ル ( 六 七 a ) カ ナ ル 事 ヲ シ ラ ヌ コ ト ハ ト キ コ ユ レ ハ 、 イ マ ハ 無 始 右 ノ 有 ニ ア ラ ス ト キ ラ ハ ル 、 仏 ハ 始 終 ニ カ カ ハ ラ サ ル コ ト ナ レ ハ 、 無 始 無 終 ト イ フ、 衆 生 又 仏 ニ カ ハ ラ サ レ 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) へ 「 悉有
の 一 分 を 衆 生 」 と も 〔 言 い 〕 、 悉 有 の 言 を衆
生 と 言 い ( 「 悉 有 の 言 は 、 衆 生 な り 」 ) 、 悉有
を 仏性
と 言 う ( 「 悉 有 は 仏 性 な り 」 ) 。 こ れ を 合 取 す る こ と の よ う に 見 え る け れ ど も、 世 間 の 合 と は 異 な り 、他
の物
を 合 わ せ な い の で あ る か ら 、 悉有
を悉
有 に合
わ せ、 衆 生 を衆
生 に 合 わ せ る ほ ど の こ と で あ る 。 も へ 「始
起
の 有 に あ らず
」 と 言 い 、 「 始 起有
の 有 に あ ら ず 」 と 言 う 。 中 の 「 の 」 の 女字
一 つ を 加 え た り 減 ら し た り し て 区 別 し よ う と す る 意 図 が あ る の か 。 こ れ は 、 ヘ へ 「 本有
の 有 」 に 対 し て 説 く と き は 「 始起
の有
」 と 説 き 、 「無
始有
の 有 〔 に 〕 あ ら ず 」 と い う 有 に 対 し て 説 く と き は 「 始 起有
」 と 、 「 の 」 の 字 を 中 に 置 か な い で説
く の で あ る 。 特 別 の意
味 は な い 。 丈字
を 相 い 対 し て い る だ け であ
る 。 へ 「無
始 有 の 有 にあ
ら ず 、 是什
麼
物 恁麼
来 の ゆ へ に 」 と言
う の は 、 何 も の ( 言 語 で 衷 現 し 得 な い 真 実 ) を 指 し て 、 こ の 存 在 と 言 わ れ な い の を 、 「是
什 麼 」 と 言 う の で あ る 。 へ 「無
始 有 の有
に あ ら ず 」 と は 、 始 め が な い こ と を 「 無 始 」 と 言 う 。 衆 生 の こ と を 言 う の に 、 そ の 始 め が き わ め て 隔 っ て い て 知 る こ と が難
し く 、 終 り も ま た い っ ま で と い う こ と が な い の を 、無
始 無終
と 表 わ す 。 こ れ は 、 大 体 に お い て考
え方
が 小 さ く 、 き わ め て隔
っ て い る こ と を 知 ら な い こ と ば と 思 わ れ る の で 、 こ こ で は 、 「 無 始有
の 有 に あ ら ず 」 と 斥 け ら れ る 。 仏 は 始終
に か か わ ら な い こ と で あ る か ら 、無
始
無
終 と 言 う 。 衆 生 も 仏 に か わ ら な い か ら 、無
始 無 終 で あ ろ う 。生
仏 一如
と い う こ と が あ る 。 生 と は 衆 生 の こ と で あ る 。 喩 え ば 、 衆 生 と 仏 と 一 如 と 説 く 。 一 八 三 N工 工一Eleotronlo LlbraryKomazawa University
NII-Electronic Library Service
Kom 三1z三1w三1 Umversrty 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) ハ 、 無 始 無 終 ナ ル ヘ シ、 生 仏 一 如 ト 云 事 ア リ 、 生 ト ハ 衆 生 ノ 事 也 、 喩 ハ 衆 生 仏 ト 一 如 ト 談 ス 、 是 モ 強 為 シ テ 仏 モ 衆 生 モ 同 ト ハ 難 7 云 、 衆 生 ト 云 モ 仏 ト 云 モ、 今 ノ 悉 有 仏 性 ノ 義 ニ テ コ ソ 心 得 ラ ル レ 、 如 此 ノ 談 ニ ツ キ テ、 教 ニ モ 又 無 始 有 終 ト 云 事 ア リ 、 始 ハ 不 レ 知 事 ナ レ ハ 無 始 ト イ フ 、 ヲ ハ リ ハ ナ ト カ ナ カ ラ ム 、 今 流 転 ノ 衆 生 、 或 従 知 識 シ 、 ( 六 七
b
) 或 従 経 巻 シ テ 成 仏 得 道 シ ヌ レ ハ 、 ス テ ニ 終 ア ル ニ 似 タ リ 、 コ ノ 事 ヒ ト ヘ ニ 世 間 ノ 見 二 似 タ リ 、 都 仏 カ タ シ ニ 始 終 ナ キ ユ ヘ ニ 難 レ 用 、 ウ タ カ ウ 吾 常 心 是 道、 此 吾 常 ハ 仏 道 也 、 非 ソ 可 レ 疑、 我 等 慮 知 念 覚 ノ 心 ヲ、 仏 道 ニ ハ 不 レ 可 レ 用 、 悉 有 中 二 衆 生 快 便 難 逢 ト 云 ハ 、 悉 有 中 ト 云 ハ 、 タ ト ヘ ハ 衆 生 中 、 仏 性 中 ト 云 ハ ム カ 如 シ 、 難 逢 ノ 詞 二 付 テ ニ ノ 心 可 y 有、 一 ニ ハ 日 来 キ ラ ヒ ツ ル 衆 生 二 、 悉 有 ノ 心 地 ニ テ ハ ア ヒ カ タ シ ト 云 義 有 ヌ ヘ シ 、 ( 六 八 a ) ニ ニ ハ 衆 生 力 皆 衆 生 ナ ラ ム ニ ハ 、 又 ハ ナ レ テ ア フ ヘ キ モ ノ ナ シ ト 云 義 モ ア リ ヌ ヘ シ 、 叉 人 ニ ア ハ ス ト 云 人 ハ 、 尽 十 方 界 真 実 人 躰 ナ ル ヘ シ、 凡 悉 有 中 ニ ハ 別 ノ 衆 生 不 レ 可 レ 有 、 タ ト ピ ア フ 一 八 四 こ れ も 、 無 理 に 仏 も 衆 生 も 同 じ と は 言 う こ と は 難 し い 。 衆 生 と 言 う の も 仏 と 言 う の も 、 こ の 「 悉 有 仏 性 」 の 意 味 で 理 解 さ れ る 。 こ の よ う な 説 に つ い て 、教
〔 家 〕 に お い て も 、 ま た 、 無 始有
終 と い う こ と が あ る 。 始 め は知
ら な い こ と で あ る か ら 無 始 と 言 う 。 終 り は ど う し て な い で あ ろ う か 。 こ の 流転
の衆
生 が 、 或 い は 直 接師
に つ い て 、 或 い は 経 巻 に従
っ て 成 仏得
道 し た な ら ぽ 、 す で に 終 り が あ る の に 同 じ で あ る 。 こ の こ と は 、 ま っ た く 世 間 の 考 え 方 に 同 じ で あ る 。 〔 だ が 〕 す べ て 仏 に は 始 終 が な い の で あ る か ら 、 〔 こ の 考 え 方 は 〕 用 い る こ と は難
し い 。 へ 「 吾常
心 是 道 」 の 「 吾常
」 は 仏 道 で あ る 。 疑 っ て は いけ
な い 。 我 々 の 慮 知 念覚
の 心 を 仏 道 に 用 い て は い け な い 。 へ 「 悉 有 中 に衆
生 快 便 難 逢 」 と 言 う の は 、 「 悉有
中 」 と 言 う の は 、 例 え ば 「 衆 生 中 」 「 仏 性 中 」 と い う よ う な も の で あ る 。 へ 「難
逢 」 と い う こ と ば に 関連
し て 、 二 つ の意
味 が あ る はず
で あ る 。 へ 一 つ に は 、 日 頃 き ら っ て い る 衆 生 に 、 悉有
( 叮 仏 性 ) の 意 味 で は 逢 い難
い ( 仏 性 中 に 衆 生 快 便 難 逢 ) と い う意
味 が あ る はず
で あ る 。i
一 つ に は 、 衆 生 が 皆 な 衆 生 で あ る と ぎ に は ( 悉 有11
衆 生 ) 、 ま た 、 離 れ て 逢 う べ ぎ も の が な い ( 衆 生 中 に 衆 生 快 便 難 逢 ) と い う意
味 も あ る はず
で あ る 。 ま た 、 「 人 に あ はず
」 と い う 「 人 」 は 、 尽 十方
界 真 実 人体
で あ ろ う 。A
天体
、 悉 有 中 に は 別 の 衆 生 が あ る は ず が な い 。 た と え逢
う と し て も 、衆
生 が衆
N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service ト モ 衆 生 衆 生 ニ ア フ ト 可 二 心 得 → 親 切 ニ ア フ 義 也、 自 己 ニ ア ワ ス ト 云 ハ 、 自 己 ノ ヤ ウ ヲ シ ラ ス ト ナ リ 、 覚 者 知 者 ハ タ ト ヒ 諸 仏 ナ リ ト モ ト イ ヘ ハ 、 覚 知 覚 了 ヲ モ チ ヰ ヌ ユ ヘ ニ 、 覚 者 知 者 ハ 諸 仏 ナ リ ト モ 用 シ ト 云 様 二 聞 ユ 、 不 レ 可 財 然 、 真 箇 ノ 覚 知 覚 了 ハ 仏 ノ 道 ナ リ 、 ナ ム タ チ カ 云 云 ノ 邪 解 二 ( 六 八