大
日
経
の
十
喩
の
法
門
金 山 穆 詔 十 喩 の 観 門 は 大 日 経 住 心 品 の 終 り に 説 か れ た る 法 門 で あ る。 大 日 経 は 如 來 邊 よ り い へ ば、 大 毘 盧 遽 那 如 來 の 自 謹 成、 佛 の 罷 よ り、 受 用 攣 化 等 流 の 無 蓋 の 加 持 身 を 奮 迅 示 現 し 給 ふ 秘 趣 を 開 説 せ ら れ た る も の に し て、 衆 生 邊 よ り い へ ば 無 蓋 の 加 持 身 の 中 の 一 門 の 三 密 門 を 修 し、 加 持 身 を 見、 本 地 身 を 知 り、 自 心 の 大 菩 提 を 現 成 す る 道 を 明 か さ れ た る も の で あ る。 し か し て 十 喩 の 観 門 は、 本 尊 の 三 密 門 を 習 修 し 加 持 身 を 感 見 す る と き、 無 相 観 に 住 し 主 客 能 所 の 見 を 離 れ、 本 地 身 を 知 り 究 寛 の 佛 果 を 成 就 す る 修 道 の 要 諦 を 説 か れ た る も の で あ る。 か く の 如 く 十 喩 の 観 門 は 諸 法 の 無 自 性 無 相 の 義 を 明 す も の な れ ば、 一 往 観 れ ば 三 句、 三 却、 六 無 畏 の 法 門 と 異 る な き や う 思 は る。 さ れ ば 無 畏 の 疏 に 十 喩 の 法 門 は 九 句 の 中 の 修 行 の 句 を 答 す と 繹 せ ら れ た る よ り 観 て、 眞 言 門 の 意、 菩 提 心 を 起 す 外 に 修 行 と て 之 れ な か る べ き 旨 を 明 か さ ん と し て、 無 相 塞 義 を 説 か れ た る 十 喩 の 法 門 を ば 修 行 の 句 を 答 す と 繹 せ ら れ た る も の な り と 観 ん と す る 義 あ り ( 義 繹 捜 決 抄 ) し か も 眞 言 門 の 修 行 を 明 す 具 縁 品 に 入 ら ん と し て、 こ の 十 喩 の 法 門 を 説 か れ た る は、 更 に 深 意 が 存 す る の で あ る。 師 ち 眞 言 門 の 修 行 と は 輩 な る 理 観 に あ ら す、 具 縁 品 以 下 に 明 か さ れ た る が 如 く、 曼 茶 羅 の 諸 尊 の 三 密 門 を 修 し、 諸 尊 の 三 昧 を 現 身 に 禮 得 す る に あ り、 如 來 の 三 密 門 を 修 し 加 持 身 を 見、 本 地 身 を 知 り、 自 心 を 知 る に あ り、 所 謂 慮 身 を 見、 報 身 を 見、 つ ひ に 法 身 毘 盧 遮 那 と 同 一 罷 の 秘 義 を 盟 す る に あ り、 し か し て そ の 慮 報 の 加 持 身 を 感 見 し、 そ 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 一大 日 経 の 十 喩 の 法 門 二 の 加 持 身 の 當 位 に 留 着 せ す、 そ の 愛 慢 の 念 を 除 浮 し て、 本 地 法 身 に 悟 入 す る 道 を 明 す も の は 十 喩 の 観 門 な る が 故 に、 十 喩 の 法 門 を ば 修 行 の 句 を 答 せ ら れ 九 る も の に し て、 殊 に 眞 言 行 者 の 至 要 の 観 門 と な す も の で あ る。 さ れ ば 十 喩 の 法 門 を 読 か れ た る 経 文 に、 眞 言 行 を 修 し て 成 じ た る 悉 地 の 相 を 無 自 性 無 相 と 観 す べ き こ と を 説 示 せ ら れ あ る の で あ る。 普 遍 法 界 の 大 日 如 來 の 大 豊 禮 は、 我 等 の 分 別 意 識 を 以 て 知 ら る べ き 罷 に あ ら す、 し か も 法 身 如 來 は 三 切 衆 生 の 最 深 至 高 の 欣 求 要 求 の 禮 な る ゆ ゑ、 分 別 意 識 の 上 に 往 々 に 如 來 の 片 影 を 感 見 す る こ と が あ る の で あ る。 起 信 論 に 事 識 に 依 つ て 慮 身 を 見、 業 識 に 依 つ て 報 身 を 見 る と 繹 せ ら れ 九 る が 如 く、 眞 言 門 に 於 て 三 密 門 を 習 修 す る と き、 如 來 不 思 議 の 境 界 を 感 見 す る こ と あ り、 し か も こ の 暁 に 留 着 し 愛 執 せ ば、 所 謂 鏡 を 磨 す る も の、 少 分 影 像 の 現 す る を 見、 そ の 當 位 に 停 留 す る と き は、 つ ひ に 明 鏡 の 全 貌 を 見 る こ と を 得 ざ る 如 く、 本 地 法 身 を 見、 自 心 の 大 菩 提 を 成 じ 得 ざ る が 故 に、 三 密 門 を 習 修 し 如 來 加 持 の 境 を 感 見 す る と き、 十 喩 の 観 に 往 し、 能 所 分 別 の 念 を 離 れ、 阿 字 の 大 塞 三 昧 に 住 し、 法 身 如 來 金 剛 の 艦 に 同 す る こ と を 明 か さ れ た る も の で あ る。 法 身 如 來 は 普 遍 法 界 の 身 な る が 故 に、 我 身 は 本 よ り 如 來 の う ち に あ り、 か く の 如 く 如 來 の 身 は 法 界 身 な れ ば、 こ れ 我 等 の 分 別 の 識 を 以 て 認 識 し 得 ら る る 境 に あ ら ざ る と 共 に、 自 心 の 本 性 も ま た 如 來 の 如 く 法 界 罷 な れ ば こ れ ま た 分 別 識 所 知 の 禮 に あ ら す、 ま た 所 見 の 佛 身 と 能 見 の 自 心 と 一 禮 不 二 な れ ば、 こ れ ま た 能 知 所 知 の 分 別 を 絶 す。 さ れ ば 能 所 の 相 を 絶 せ る 法 身 如 來 を 膿 得 せ ん に は、 た ゞ 能 所 の 細 念 を 絶 し、 無 相 観 に 住 す べ き こ と を 明 か さ れ 九 る も の は 十 喩 の 観 門 で あ る。 十 喩 の 観 は 無 自 性 無 相 の 理 趣 を 表 す る も の な れ ど も、 し か も 観 密 二 教 そ の 所 観 の 義 趣 異 な る も の が あ る。 顯 教 は へ 室、 入 法 二 室、 無 所 得 中 道、 三 諦 圓 融、 重 重 無 蓋 観 等 所 明 一 な ら ざ る も、 要 約 し て い へ ば、 こ れ 法 の 無 我 性 を 観 じ、
我 執 煩 悩悩 を 断 じ て、 無 上 大 菩 提 の 佛 果 を 現 讃 す る 法 門 で あ る。 師 ち 法dharma を 教 の 中 心 観 念 と な し、 そ の 法 の 無 性 を 観 し て 無 上 大 菩 提 を 禮 す る 道 を 明 す も の で あ る。 し か る に 眞 言 密 教 は 入 佛 道 の 最 初 よ り 佛 地 の 三 昧 に 住 す る 道 を 開 示 す る も の で あ る。 師 ち 法 を 観 じ て 現 謹 し 給 ひ た る 如 來 の 果 艦 に 直 入 直 謹 す る 道 を 開 演 す る も の で あ る。 し か も 能 所 の 念 を 離 れ 得 ざ る 我 等 衆 生 は、 一 念 に 能 所 の 細 念 を 絶 し、 法 身 如 來 金 剛 の 身 に 同 じ 難 き よ り、 初 め 加 持 身 を 念 じ、 如 來 の う ち に 己 を 室 う し、 能 所 の 見 を 離 れ、 法 身 如 來 金 剛 の 身 に 同 す る 妙 門 を 開 設 す る も の で あ る。 郎 ち 顯 教 は 己 を 室 う し て 我 執 を 断 じ、 無 上 の 大 菩 提 を 成 す る 道 な る も、 密 教 は 入 佛 道 の 初 め よ り 如 來 を 念 じ 如 來 の う ち に 己 を 室 う し、 如 來 の 果 徳 を 罷 す る 秘 趣 を 読 か れ 九 る も の で あ る。 さ れ ば 岡 じ く 室 無 相 の 観 を 明 し、 幻、 陽 炎、 夢、 影 像 等 に 比 況 し て 室 観 を 読 く も、 二 教 そ の 義 趣 異 な る も の が あ る。 こ は 二 教 そ の 所 観 の 封 象 を 異 に す る よ り 観 る も 知 ら る る の で あ る。 部 ち 惑 業 苦 の 縁 起 の 法 の 無 相 を 観 す る は 顯 教 に し て、 密 教 は 如 來 を 念 じ て 感 見 す る 喩 伽 の 境 界 の 無 自 性 無 相 を 明 す も の で あ る。 こ は 本 経 の 経 文 及 び 無 畏 の 繹 文 等 に 依 て 知 ら る る の で あ る。 か く の 如 く 本 経 に 説 か れ た る 十 喩 の 法 門 は、 所 観 の 境 た る 佛 境 界 も、 能 観 の 念 も 共 に 無 自 性 無 相 な り と 艦 し て、 能 所 主 客 の 細 念 を 絶 す る 秘 趣 を 明 す。 し か し て こ の 秘 義 を 得 せ ざ る 以 前 は、 衆 生 と 如 來 と の 封 立 あ る も、 こ の 観 に 住 せ ば 衆 生 と 如 來 と の 封 立 を 絶 し、 無 相 一 法 界 の 玄 底 に 至 る を 得、 し か も こ の 三 法 界 の 玄 底 に 多 法 界 あ り、 都 絶 能 所 の と こ ろ に 能 所 あ り、 無 我 の 中 に 大 我 あ り、 こ の 眞 理 趣 に 達 せ ば 馬 我 れ は 法 界 身 を 全 う せ る 金 剛 薩 錘 な り、 如 來 の 加 持 身 な り、 所 観 の 佛 身 は こ れ 毘 盧 遮 那 具 農 を 全 う せ る 法 身 で あ る。 し か し て か か る 表 徳 の 義 趣 は 今 の 十 喩 の 文 相 に 明 か な ら ざ る が 如 く な る も、 疏 に 十 喩 の 法 門 に 師 室 幻 馬 即 心 幻、 師 不 思 議 幻 の 三 重 の 義 存 す る こ と を 明 し、 更 に 金 剛 幻 の 義 を 以 て 十 喩 を 繹 せ ん と す る 読 あ る が 如 き は、 如 上 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 三
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 四 の 深 趣 を 開 顯 せ ん 乏 す る も の で あ る。 以 下 経 疏 の 文 に つ い て 此 等 の 義 趣 を 繹 述 せ ん と す、 し か し て 表 て 無 畏 の 疏 に 依 る も の な る も、 ま た 西 藏 傳 の 大 日 経 の 繹 及 び 弘 法 大 師 の 繹 等 を 参 照 せ ん と す、 こ こ に 十 喩 法 門 の 玄 義 を 知 ら る る と 共 に 印 度、 支 那、 日 本 の 三 國 に 亘 り 密 教 の 理 趣 が 如 何 に 開 顯 せ ら れ た る や の 一 端 を も 知 り 得 ち る と 思 ふ。 経 に 曰 く ヤン ニ ス ル ノ ヲ ノ ハ メ シ ヲ ニ テ ニ ス ン カ ト ク シ 秘 密 主 若 眞 言 門 修 二 菩 薩 行 一 諸 菩 薩。 深 修 観 二 察 十 縁 生 句 幻 當 下 於 二 眞 言 行 一 通 達 作 謹 上。 云 何 爲 レ 十 謂 如 二 幻 陽 焔 夢 影 乾 閾 べ シ シ 婆 城 響 水 月 浮 泡 盧 室 華 旋 火 輪 一等。 藏 文 の 和 澤、 秘 密 主 通 そ の 時 眞 言 門 に ょ り て、 菩 薩 行 を 修 行 す る 者 は、 十 を 以 て 諸 の 縁 生 を 観 察 し て、 眞 言 道 に 通 達 せ む。 十 と は 何 か、 謂 く 幻 化 と 陽 焔 と、 夢 と 影 像 と 乾 闊 婆 城 と 反 響 と 水 月 と 浮 泡 と 盧 室 華 と 旋 火 輪 と に 等 し と 観 察 す お な り。 次 に 無 畏 の 疏 の 繹 を 掲 ん に、 ニ レ ノ ス ル ナ リ 経 云 二 秘 密 主 若 箕 言 門 修 菩 薩 行 諸 菩 薩 深 修 観 察 十 縁 生 句 當 於 眞 言 行 通 達 作 詮 乃 至 如 實 遍 知 三 切 心 相 一 者。 是 略 答 ニ ノ ノ ノ ノ ヲ キ ハ モ ノ ノ ノ ノ カ ノ シ ス ト 云 コ ヨ ツ テ ノ ニ セ ヲ ノ ニ サ ニ 七 タ リ ニ ク 前 間 中 修 行 句 一 也。 如 二 下 文 萬 行 方 便 中 二無 レ 不 下 籍 二 此 十 縁 生 句 一浮 中 除 心 垢 上。 是 故 當 レ 知 最 爲 二 旨 要 殉 眞 言 行 者 特 宜 ニ シ ヘ シ メ テ ヲ フ モ ス ル ニ ノ ノ ノ ヲ ノ テ ス ル ヲ ノ カ ニ フ カ セ ン ト ヲ ニ ス ノ ヲ キ キ ノ 留 レ 意 思 下 之。 然 統 二 論 此 品 中 十 縁 生 句 二略 有 二 三 種 殉 一 者 以 三 心 没 二 悪 中 一欲 レ 封 二 治 實 法 一故 観 二 此 十 縁 生 句 鴫 如 二 前 ノ レ ナ リ テ ス ル ヲ ノ ニ フ セ ン ト ノ ヲ ニ ス ノ キ キ ノ ノ ノ ノ 所 論 一師 室 之 幻 是 也。 二 者 以 三 心 没 二 法 中 一 欲 レ 封 二 治 暁 界 肇 縁 二故 観 二 此 十 縁 生 句 殉 如 二 前 所 読 一蒲 阿 頼 耶 部 心 之 幻 是 也。 テ ス ル ヲ フ ノ フ カ ン ト ヲ ニ ス ヲ キ ノ ノ ス レ モ ノ ヲ タ リ チ 三 者 以 三 心 浸 二 心 實 際 中 一欲 レ 離 二 有 爲 無 爲 界 一 故 観 二 此 十 縁 生 句 殉 如 二 前 所 説 一 解 二 脱 一 切 業 煩 悩 一 而 業 煩 悩 具 依 部 不 思 ノ ノ モ サ ニ ム ノ ヲ マ ノ ニ ト チ レ ハ ス ヲ ク キ ハ テ ノ カ ニ ニ ヲ 議 之 幻 也。 煙 詞 般 若 中 十 喩 亦 具 含 二 三 意 幻 今 此 中 云 二 深 修 観 察 一者。 部 是 意 明 二 第 三 重 殉 且 如 下 行 者 於 二 喩 伽 中 一 似 二 自 心
シ ト ス ル ト ノ ヲ ニ シ ノ ヲ 玉 フ ノ テ モ カ モ タ ナ リ モ タ ナ リ シ ム レ ハ ヲ 爲 レ 感 佛 心 爲 レ 慮 感 癒 因 縁 一。 帥 時 砒 盧 遮 那 現 ニ 所 悪 見 身 一 説 中 所 宜 聞 法 上。 然 我 心 亦 畢 寛 浄。 佛 心 亦 畢 尭 浄。 若 望 ニ 我 心 ス ル ニ ト チ ヲ ト マ ノ ハ セ ン ス ト ヤ ヨ リ ス ル カ メ ス ル カ ニ ノ ス ル カ テ ノ ノ ヲ ス ル ニ ヲ ナ ワ モ 爲 フ 自 師 佛 心 爲 レ 他。 今 此 境 界 爲 ニ 從 レ 自 生 一 耶。 他 生 耶 共 生 無 因 生 耶 獄 ニ 中 論 種 種 門 一観 レ 之 生 不 可 得。 而 ト ノ レ ナ リ ス レ ハ ト チ ナ リ ス レ ハ ト チ ナ リ ス レ ハ ト チ ナ リ ス ル カ ト ニ ト 形 聲 宛 然 師 是 法 界 論 レ 幻 離 幼 論 ニ 法 界 一 帥 法 界 論 ニ 遍 一 切 塵 一即 遍 一 切 塵 論 レ 幻 故 名 ニ 不 可 思 議 幻 一也。 ニ ツ ト ウ ル ヨ リ ヲ リ ス ル ヲ マ テ ノ タ ノ ノ サ ニ ニ ノ ヲ ス ヲ ル カ タ キ ニ 復 次 言 ニ 深 修 一 者 謂 ク 得 二 浮 心 一 己 去 從 二 大 悲 生 レ 根 乃 至 方 便 究 章 其 間 一 一 縁 起 皆 當 下 以 ニ 十 喩 一 観 ケ 之。 由 ニ 所 謹 韓 深 一 ヘ シ エ フ ク キ ハ ノ ス ニ ニ リ ノ ノ ヤ ノ ノ ノ ソ キ ス マ 故 言 二 深 観 察 一 也。 且 如 二 四 諦 義 一直 示 二 娑 呵 世 界 一己 有 ニ 無 量 無 邊 差 別 名 殉 又 況 無 蓋 法 界 中 逗 機 方 便 何 可 二 窮 蓋 殉 今 行 者 テ ノ ノ カ ニ ス ク ノ ニ ナ ル 寸 ハ チ ナ リ ナ ル 寸 ハ チ ス ノ ヲ ナ ル 寸 ハ チ ナ ナ リ テ ノ キ ヲ ニ 於 ニ 一 念 浄 心 中 一 通 二 達 如 レ 是 塵 沙 四 諦 一。 室 財 畢 寛 不 生。 有、 財 蓋 ニ 其 性 相 殉 中 則 墾 禮 皆 常。 以 三 三 法 無 ニ 定 相 一故 テ ト キ ハ ノ ノ モ ノ シ カ ナ リ ノ ニ シ テ ノ ミ チ ク ノ テ ノ シ 玉 フ ノ ニ ノ ニ ハ ト テ ノ 各 爲 ニ 不 思 議 幻 殉 姐 一西 諦 一者 餓 一 切 法 門 例 耳。 是 故 唯 有 ニ 如 來 一乃 能 窮 ニ 此 十 喩 一達 ニ 其 源 底 囎 此 経 所 下 以 次 ニ 無 垢 菩 提 ニ チ ス シ ヲ セ ン ト ナ リ ヲ 心 二 凱 明 中 十 喩 上 者。 包 ニ 括 始 終 一 綜 ニ 該, 諸 地 殉 次 に ブ ッ ダ グ フ ヤ (Buddha-guhya ) の 本 経 の 繹 文 を 引 用 せ ん に ブ ッ ダ グ フ ヤ は 西 暦 八 世 紀 頃 印 度 に 在 り し 密 教 の 阿 闇 梨 に し て、 大 日 維 に 繹 々 な ぜ し 人 な り、 そ の 繹、 酉 藏 経 繹 部 中 に 存 す。 以 下 本 丈 に ば 善 無 畏 三 藏 の 講 傳、 一 行 阿 閣 梨 の 記 な る 二 十 巻 の 疏 々 ば 軍 に 大 疏 と 記 し、 酉 藏 傳 の プ ヅ ダ グ フ ヤ の 本 経 の 繹 々 ば、 藏 繹 と 稻 ぜ ん。 次 に 此 の こ と を 観 察 す べ し、 眞 言 の 総 相 は 菩 提 心 な り と 経 の 中 に 読 け ば、 菩 提 心 は 葱 界 虞、 所 執 能 執、 業、 所 作 の 相 貌 を 離 れ、 室 性 の 自 性 と し て 又 禮 性 無 き も の な る に、 眞 言 は 諸 佛 菩 薩 と 能 読 の 聲 と 字 母 等 な り、 而 し て 其 等 は 叉 上 中 下 の 悉 地 と 息 災、 壇 盆、 阿 毘 遮 羅 等 の 所 作 を 作 す も の な り、 然 れ ば 是 の 如 く 矛 盾 す れ ば、 其 等 を 如 何 に 知 る べ き と 云 ふ に、 そ の 爲 め に 読 か く こ こ に ﹁ 秘 密 主、 そ の 時 眞 言 門 に よ り て、 菩 薩 行 を 行 す る 諸 の 菩 薩 は、 十 句 を 以 て 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 五
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 六 諸 の 縁 生 を 観 じ て 眞 言 道 に 通 曉 す べ し ﹂ と 然 れ 共 俗 諦 の 諸 法 は 智 を 以 て 観 察 す る に 堪 へ す、 所 謂 第 一 義 諦 に は 室 の 自 性 な り と 難 も、 而 も 又 俗 諦 に は 各 各 の 因 果 決 定 の 所 作 等 を 爲 す べ け れ ば 無 と 名 く 可 か ら す。 是 の 如 く 室 の 自 性 よ り 世 俗 に は 有 と 現 す る は 師 ち 幻 等 の 如 し、 而 し て 同 様 に 箕 言 の 自 性 た る 夫 の 菩 提 心 も 亦 第 一 義 に は 室 な れ ど も、 法 界 の 加 持 と 成 就 者 の 喩 伽 力 と に ょ つ て 種 種 の 成 就 の 果 を 世 俗 に は 現 じ 受 用 す べ し、 其 等 は 又 幻 等 の 喩 を 以 て 読 か る る こ と 此 の 如 し ﹁ 幻 と 陽 炎 と 夢 等 ﹂ 乃 至 ﹁ 秘 密 主、 復 次 に 誰 か 自 身 の 手 に 炬 火 を 把 り て 廻 ら せ ば、 恰 も 輪 の 如 く 見 ゆ る が 如 く、 そ の 如 く 室 な る も の よ り 生 す ﹂ と。 十 喩 の 観 門 は 一 切 諸 法 の 無 自 性 無 相 の 義 趣 を 明 す も の で あ る。 郎 ち 一 切 法 は 幻 の 如 く、 陽 焔 の 如 く、 夢 ま た は 影 の 如 く、 乾 闊 婆 城gandharva-nagara の 如 く、 響、 水 月、 浮 泡、 盧 塞 華、 旋 火 輪 の 如 く、 無 自 性 無 相 な る こ と を 宣 読 せ ら れ た る も の で あ る。 か く の 如 く 一 切 法 の 無 自 性 無 相 の 義 は 大 乗 佛 教 の 等 し く 説 く と こ ろ な る も、 そ の 観 境 如 何 に 依 つ て そ の 教 の 特 異 性 が 知 ら る る と 共 に、 ま た そ の 観 の 淺 深 に 依 つ て 教 の 優 劣 が 生 す る の で あ る。 前 叙 の 如 く 顯 教 は、 こ れ を 概 説 す れ ば 所 観 の 境 は 法dharma で あ る。 郎 ち 四 諦、 十 二 因 縁、 五 落、 十 二 慮、 十 八 界、 乃 至 事 理 の 心 識 等 の 法 蒔 観 境 と し て、 こ れ ら 観 境 の 無 自 性 無 相 な る こ と 幻、 陽 焔 等 の 如 く な る こ と を 観 じ、 我 執 無 明 を 断 じ て 無 上 菩 提 を 成 す る 道 を 明 す も の で あ る。 し か る に 箕 言 密 教 は 入 佛 道 の 最 初 よ り 如 來 に 蹄 命 し、 如 來 金 剛 の 身 に 同 す る 理 趣 を 開 読 す る も の で あ る。 随 て そ の 観 境 は 事 理 の 法 に あ ら す し て、 佛 身 を 観 暁 と な す も の で あ る。 師 ち 佛 身 の 無 相 な る こ と 幻、 陽 娼 等 の 如 く な る 秘 義 を 明 す も の で あ る。 秘 藏 記 に
キ ハ ノ ニ ル カ ノ ヒ ノ ヲ サ ニ テ ニ ス サ ニ ツ ネ ニ ケ ヲ ニ ノ 如 三 境 界 中 見 ニ 界 會 聖 衆 及 鯨 一 切 事 殉 皆 當 下 入 ニ 十 縁 生 句 一観 察 上。 不 信 而 信 レ 之 唯 當 毎 係 二 心 於 本 不 生 際 殉 無 レ 留 二 所 現 二 壕 一。 こ の 繹 文 は よ く 密 教 の 十 喩 の 観 の 要 諦 を 明 か さ れ た る も の で あ る。 郎 ち 佛 教 は 實 相 平 等 と 因 果 差 別 之 の 理 を 開 読 す る と 共 に、 こ の 二 門 不 二 の 玄 旨 を 談 す る も の で あ る。 し か し で そ の 因 果 差 別 門 よ り い へ ば、 衆 生 と 佛 と、 迷 悟、 眞 妄 の 匿 別 あ る が 故 に 佛 を ば 高 く 法 界 の 頂 に 在 し ま す と 観 じ、 佛 に 浮 信 を 凝 ら す べ き で あ る。 し か も 實 相 平 等 門 よ り い へ ば、 生 佛 司 じ く 三 如 平 等 の 無 相 法 身 に 住 す る の で あ る。 さ れ ば 観 佛 の 要 は 不 信 而 信、 無 執 無 着 に し て 佛 を 念 す る と き、 自 ら 能 所、 主 客 の 細 念 浄 離 れ、 如 來 金 剛 の 身 た る 本 地 法 身 に 契 謹 せ ら る べ き で あ る。 具 縁 品 の 疏 に 凡 夫 は 直 に 無 所 住 の 如 來 の 大 住 に 住 し 得 ざ れ ば、 心 を 措 く に 地 有 ら し め ん が 爲 め に、 有 相 の 曼 茶 羅 を 建 立 す べ き こ と を 明 し、 有 相 の 曼 茶 羅 よ り 無 相 の 曼 茶 羅 に 悟 入 す べ き 理 趣 を 繹 す。 例 へ ば 海 に 游 泳 せ ん と し て、 し か ゆ 其 術 を 得 ざ る も の は、 初 め 浮 き 袋 を 持 し、 練 習 久 し き に 亘 り 漸 く、 自 在 に 游 泳 せ ら る る に 至 る が 如 く、 佛 智 の 大 海 に 游 ぶ こ と も ま た く 此 の 如 く、 凡 夫 は 直 に 無 相 本 地 法 身 の 果 を 禮 し 得 ざ る が 故 に、 加 持 身 を 念 諦 せ し め、 所 謂 不 信 而 信、 無 執 無 着 十 縁 生 句 の 観 に 住 し、 浄 信 を 凝 ら す と き 能 所 の 二 相 冷 離 れ 如 來 の 大 住 に 住 し 得 ら る べ き で あ る。 此 く の 如 く 十 縁 生 句 の 観 に 住 し、 無 執 無 着 に し て 如 來 を 念 諦 す べ き こ と は、 加 持 身 を 見、 本 地 身 を 見、 自 心 の 大 菩 提 を 膿 得 す る 要 門 た る の み な ら す、 三 切 如 來 の 三 昧 を 艦 得 す る 妙 道 で あ る。 大 師 の 十 喩 の 詩 に ニ ノ シ ニ ヒ テ ヲ ノ キ ノ ブ ト ノ シ ケ レ ハ ニ メ ニ リ フ 閑 房 囁 念 無 明 断。 蘭 室 焚 レ香 讃 響 暢。 三 密 蓼 寂 同 二 死 次 殉 諸 奪 感 鷹 忽 來 訪。 三 密 蓼 寂 と し て 死 灰 に 同 じ、 無 執 無 我 に し て 人 間 性 の 蓋 き る と こ ろ に、 本 地 加 持 塵 藪 の 諸 尊 と 同 會 の 位 に 住 せ ら る べ 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 七
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 八 き で あ る。 さ れ ば 大 疏 に は 自 身 の 三 業 の 不 可 得 實 相 を 観 じ、 自 身 を 如 來 に 奉 献 し て、 如 來 金 剛 の 身 に 同 す る 佛 性 三 昧 耶 戒 を 得 せ す は、 口 に 眞 言 を 諦 じ 身 に 密 印 を 持 じ、 心 本 奪 の 三 昧 に 住 し、 三 密 門 を 修 す と も、 こ れ な ほ 眞 實 の 眞 言 の 菩 薩 行 に あ ら ざ る こ と を 繹 せ ら る。 周 遍 法 界 の 本 地 法 身 は 封 象 的 に 見 ら る べ き 佛 身 に あ ら す、 さ れ ば 主 客 能 所 の 念 を 絶 せ る 純 一 無 雑 の 三 昧 の 一 念 漸 く 相 磨 せ ら る べ き の み で あ る。 師 ち た ゞ 否 定 的 に 一 致 せ ら る べ き 罷 に し て 肯 定 的 に 見 ら る べ き 境 に あ ら す、 今 眞 言 行 者 の 修 行 要 道 を 明 さ ん と し て 十 喩 の 塞 観 を 説 か れ た る は、 こ れ 人 間 性 を 養 く し て 佛 位 に 直 入 直 謹 す る の 妙 道 を 示 さ れ た る も の で あ る。 し か も そ の 室 観 に 淺 深 重 重 の 意 義 あ れ ば 大 疏 に は 三 劫 の 教 旨 に 約 し て 十 喩 を 三 重 に 繹 せ ら る。 師 ち 客 観 に 見 る 佛 身 を も 無 相 無 自 性 な り と し て 留 着 せ す、 更 に 唯 心 観 に 住 し て 見 る 佛 も 無 自 性 な り と し て 愛 慢 を 生 せ す、 つ ひ に 心 内 心 外、 主 客 の 差 相 を 離 れ、 阿 字 の 大 室 位 に 住 し、 本 地 法 身 を 見、 自 心 の 大 菩 提 を 成 す る に 至 る 要 諦 を 明 か さ る。 師 ち 大 疏 に 十 喩 を 統 論 し、 帥 室 幻、 即 心 幻、 部 不 思 議 幻 の 三 重 の 繹 を な し て 曰 く 然 も 此 の 品 の 中 の 十 縁 生 句 を 統 論 す る に 略 し て 三 種 あ り、 一 に は 心、 葱 の 中 に 浸 す る を 以 て 實 法 を 封 治 せ ん と 欲 ふ が 故 に 此 の 十 縁 生 句 を 観 す、 前 の 所 説 の 如 き 師 室 の 幻 是 れ な り。 二 に は 心、 法 の 中 に 浸 す る を 以 て、 境 界 の 肇 縁 を 封 治 せ ん と 欲 ふ が 故 に、 此 の 十 縁 生 句 を 観 す。 前 の 所 説 の 如 き 葱 の 阿 頼 耶 の 帥 心 の 幻 是 れ な り。 三 に は 心、 心 の 實 際 の 中 に 浸 す る を 以 て、 有 爲 無 爲 界 を 離 れ ん と 欲 ふ が 故 に、 此 の 十 縁 生 旬 を 観 す。 前 の 所 説 の 如 き 一 切 の 業 煩 悩悩 を 解 脱 す れ ど も 而 も 業 煩 悩 の 具 依 た り、 師 ち 不 思 議 の 幻 な り。 こ は 三 劫 段 の 義 趣 に 依 り、 十 喩 の 法 門 に 三二 重 の 繹 を な せ る も の で あ る。 今 そ の 繹 文 の 意 を 明 か さ ん に、 第 一 の 邸 室 幻
と は 初 劫 の 教 旨 に し て 入 塞 無 我 の 理 を 明 す の み な ら す、 分 析 塞 観 に よ つ て 五 藻 の 法 禮 の 塞 を 観 す る 謹 寂 然 界 の 菩 薩 所 詮 の 理 で あ る。 帥 ち 初 劫 の 中 に 於 て 學 摩 詞 衛 の 菩 薩 入 塞 湛 寂 の 心 を 得 と い へ ど も、 猫 五 藩 實 有 の 心 を 帯 す、 し か る に 菩 提 心 の 勢 力 を 以 て 五 葱 無 性 の 恵 を 起 し、 聚 沫、 浮 泡、 芭 蕉、 陽 焔、 幻 等 の 五 喩 を 以 て 五 葱 の 性 塞 を 観 す る を 謹 寂 然 界 の 菩 薩 の 師 室 幻 と い ふ。 大 疏 に 一 に は 心、 薄 の 中 に 浸 す る を 以 て、 實 法 を 封 治 せ ん と 欲 ふ が 故 に 此 の 十 縁 生 句 を 観 す、 前 の 所 読 の 如 き 師 室 の 幻 是 れ な り。 こ の 文 の 中 に 心、 荘 の 中 に 浸 す と は、 こ れ は 所 治 を 明 す、 即 ち 初 劫 は 小 乗 の 法 門 な れ ど も、 聲 聞、 縁 豊、 菩 薩 あ り、 そ の 學 摩 謂 街 の 菩 薩 人 我 を 室 す と い へ ど も、 猫 五 盤 の 法 禮 の 實 有 を 帯 し、 五 荘 の 法 に 留 着 す る を 心、 慈 の 中 に 浸 す と い ふ、 實 法 を 封 治 せ ん と 欲 ふ と は こ れ は 能 治 を 明 す、 部 ち 謹 寂 然 界 の 菩 薩、 五 葱 實 有 の 見 を 封 治 せ ん が 爲 め に 五 喩 を 観 じ て、 五 悪 の 法 室 を 誰 す る を 云 ふ。 師 ち 初 劫 の 法 門 を 指 し て 即 室 幻 と 云 ふ は、 帥 室 と は 五 瀟 を 塞 す る 観 相 で あ る。 初 劫 は こ れ 唯 悪 無 我、 人 塞 法 有 の 法 門 な れ ど も、 そ の う ち に 折 室 観 に 依 つ て 法 塞 を 謹 す る 謹 寂 然 界 の 菩 薩 あ り、 今 そ の 謹 寂 然 界 の 菩 薩 の 作 謹 に 約 し て、 初 劫 の 法 門 を ば 即 室 幻 と 云 ふ。 師 ち 初 劫 は こ れ 人 室 法 有、 五 葱 實 有 の 執 を 帯 す、 こ れ 心 外 に 法 を 見 る 客 観 的 實 在 論 で あ る、 し か る を 今 菩 提 心 の 勢 力 を 以 て 五 薙 無 性 の 恵 を 起 し、 五 悪 の 性 塞 を 観 す、 師 ち 客 観 的 實 在 を も、 分 析 観 に よ つ て 室 な り と 観 す る を 云 ふ。 此 の 如 き は こ れ 所 謂 所 寄 齊 の 顯 教 の 説 な る が、 眞 言 行 者 よ り い へ ば、 心 外 に 佛 を 見、 そ の 佛 境 界 を ば 十 喩 の 観 に 依 り、 無 相 無 自 性 と 観 じ、 愛 執 を 生 ぜ ざ る 位 で あ る。 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 九
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 一。 第 二 の 師 心 幻 と は、 こ れ 諸 法 唯 心 の 理 を 明 す 第 二 劫 の 法 門 で あ る。 郎 ち 初 劫 の 謹 寂 然 界 の 菩 薩 は 萬 法 唯 心 の 理 を 知 ら ざ る が 故 に、 心 外 に 五 悪 の 法 實 存 す と な し、 し か も 聚 沫 浮 泡 幻 等 の 響 喩 を 以 て 五 葱 の 無 自 性 窒 を 観 じ、 師 室 幻 の 理 を 作 謹 す と 云 ふ も、 五 葱 法 塞 の 眞 義 は 諸 渋 唯 心 観 に 依 り、 諸 法 は 心 面 に 現 す る 影 像 な る 理 趣 を 了 す る に あ ら す ば、 そ の 深 趣 を 得 ら れ ざ る も の と す。 ま た 師 室 幻 の 理 を 謹 す る 寂 然 界 の 菩 薩 は 五 喩 の 観 に 依 て 五 悪 法 室 を 了 す れ ば、 そ の 所 解 甚 深 な れ ど も、 し か も そ の 室 観 は 輩 室 観 に し て、 室 有 不 二 の 眞 實 の 観 に あ ら ざ る よ り、 偏 眞 の 室 理 に し て 大 乗 の 中 道 観 に あ ら す と 云 ふ。 し か る に 今 師 心 幻 は こ の 偏 眞 の 室 理 を 越 え た る 室 有 不 二 の 大 乗 眞 實 の 察 観 な り。 師 ち 唯 心 縁 起 の 理 を 明 し、 心 外 に 室 す べ き 實 法 な し 而 も 唯 心 所 攣 の 依 他 起 法 の 假 有 を 認 む、 此 の 如 く 唯 心 義 よ り い へ ば 萬 法 は 心 的 現 象 に し て 心 外 實 存 の 有 法 に あ ら す、 た ゞ 有 に あ ら す し て 有 に 似 た る 非 有 似 有 の 中 道、 有 室 不 二 の 妙 道 を 開 説 す る も の で あ る。 こ は 第 二 劫 の 所 寄 齊 の 顯 教 の 所 明 な る が、 眞 言 行 者 よ り い へ ば、 喩 伽 の 境 界 は 皆 唯 心 所 憂 に し て 無 性 無 相 な り と 了 す る を 云 ふ。 疏 に 此 の 義 を 繹 し て 二 に は 心、 法 の 中 に 浸 す る を 以 て、 境 界 の 撃 縁 を 封 治 せ ん と 欲 ふ が 故 に、 此 の 十 縁 生 句 を 観 す、 前 の 所 説 の 如 き 悪 の 阿 頼 耶 の 即 心 の 幻 こ れ な り。 経 文 に 心、 法 の 中 に 浸 す と は、 十 縁 生 句 の 法 を 観 じ て、 五 慈 實 有 の 見 を 除 く 初 劫 の 謹 寂 然 界 の 菩 薩 の 作 謹 で あ る。 随 て 心、 法 の 中 に 没 す と 云 ふ、 そ の 法 と は 十 縁 生 句 の 法 な り、. 即 ち 寂 然 界 の 菩 薩 此 の 十 縁 生 句、 偏 室 の 法 に 住 す る を 法 の 中 に 没 す と 云 ふ。 経 黛 境 界 の 饗 縁 を 封 治 せ ん と 欲 ふ、 そ の 境 界 と は 見 ら る べ き 封 象 に し て 偏 眞 の 塞 理 な り、 室 理 も 封 象 的 に 見 れ ば 一 の 實 在 で あ る、 撃 縁 と は 能 縁 の 心 の 作 用 に し て、 か ゝ る 境 界 を 見 ん と す る 能 縁 の 作 用 な り、 今 第 二
劫 に 於 て 萬 法 唯 心 の 観 に 住 し、 か ゝ る 能 所 の 念 を 離 れ ん が 爲 め に 十 縁 生 句 の 観 を な す、 師 ち 諸 法 は 第 八 阿 頼 耶 識 よ り 現 行 す る 唯 心 の 理 を 悟 り、 唯 心 所 攣 の 依 他 の 事 法 は、 幻 の 如 く、 陽 娼 等 の 如 く 虚 假 無 相 な り と 観 す る と 共 に、 そ の 唯 心 の 自 罷 も ま た 幻 の 如 く 室 な り と 観 す る を 部 心 の 幻 と 云 ふ。 第 三 師 不 思 議 幻 に は 遽 情 表 徳 淺 深 重 重 の 義 が あ る。 遮 情 の 邊 よ り い へ ば、 喩 伽 の 佛 境 界 の 當 艦、 畢 寛 室 な り と 了 達 す る を 云 ふ。 大 師 陽 焔 の 喩 を 詠 せ ら る ゝ 句 に ノ ト ナ リ ハ ト ニ ナ リ ノ ク ハ レ カ ナ リ 五 恵 皆 室 眞 實 法。 四 魔 與 レ佛 亦 夷 希。 喩 伽 暁 界 特 奇 異。 法 界 炎 光 自 相 暉。 莫 レ慢 莫 レ欺 是 假 物。 大 室 三 昧 是 吾 妃。 ま た 下 の 疏 の 文 に 行 者 喩 伽 の 中 に 於 て 自 心 を 以 て 感 と し、 佛 心 を 慮 と 爲 し、 感 慮 の 因 縁 に 依 り、 砒 盧 遮 那 の 加 持 身 を 感 見 す る こ と あ り、 し か も か ゝ る 加 持 身 は こ れ 行 者 の 自 心 を 因 と し、 如 來 の 大 悲 を 縁 と し て 現 す る と こ ろ の 奪 な り、 師 ち 行 者 の 観 心 中 に 現 す る 影 像 に し て、 こ れ 因 縁 所 生 の 佛 身 な る が 故 に、 墾 罷 畢 寛 塞 な る 理 趣 を 明 す。 所 謂 こ れ 事 識 業 識 等 な ほ 無 明 所 帯 の 因 位 の 心 識 海 に 現 せ る 佛 果 の 相 に し て、 無 明 を 破 し、 人 間 性 を 蓋 し た る と こ ろ に 開 顯 せ ら る 斗 眞 實 の 佛 境 界 に あ ら ざ る が 故 に、 喩 伽 の 観 心 中 に 感 見 す る 佛 境 界 の 當 位 に 愛 着 せ す、 無 執 無 着 大 室 三 昧 に 住 す べ き こ と を 開 読 せ ら る。 こ こ に 於 て 所 謂 有 爲 無 爲 界 を 離 れ、 諸 法 平 等 の 観 に 住 し、 生 死 浬 葉 に 於 て 其 心 平 等 な る 虚 室 無 垢 の 大 菩 提 心 を 艦 し、 如 來 の 大 住 九 る 眞 實 畢 寛 の 大 安 住 の 地 に 入 ら る ゝ の で あ る。 我 等 は 有 爲 を 厭 ひ 無 爲 を 欣 求 し、 生 死 を 捨 て 浬 葉 を 求 め ん と す る 厭 離 欣 求 の 分 別 の 念 の 存 す る 間 は、 な ほ 眞 實 畢 寛 の 大 安 住 の 地 を 罷 し 得 な い の で あ る。 我 等 は 生 死 を 否 定 す る と 共 に 浬 葉 を も 否 定 し、 地 獄 を 否 定 す る と 共 に 天 堂 を も 否 定 す る 否 定 力 を 有 す。 し か も 一 切 を 否 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 一 一
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 一 二 定 し つ く す と こ ろ に 否 定 し 得 ざ る 眞 實 相 を 禮 し 得 ら る ゝ の で あ る。 師 ち 因 縁 因 果 の 差 別 界 よ り い へ ば 佛 あ り 衆 生 あ り、 地 獄 あ り 天 堂 あ り、 し か も 實 相 室 の 平 等 界 よ り い へ ば 地 獄 と 天 堂 と 佛 と 衆 生 と の 差 相 そ の 衷 ゝ 自 禮 室 寂 滅 相 に し て、 二 相 の 相 を 離 る。 か ゝ る 無 住 の 住 九 る 阿 字 の 大 室 位 に 住 す る と き、 和 合 の 識 相 を 破 し、 相 綾 の 心 相 を 滅 し、 あ ら ゆ る 人 間 性 を 蓋 し、 微 細 妄 執 を 離 れ て 大 日 の 光 り を 見、 如 來 金 剛 の 眞 身 に 同 す る こ と を 得 ら る べ き で あ る。 大 師 十 喩 の 中 の 如 夢 の 喩 を 詠 ぜ ら る ゝ 句 に ノ ノ メ ニ カ ル ハ ナ リ ノ モ レ ス ル ノ ニ ハ ル レ ハ ツ 無 明 暗 室 長 眠 客。 庭 二 世 之 中 一多 者 憂。 悉 地 樂 宮 莫 二 愛 取 殉 有 中 牢 獄 不 レ 須 レ 留。 剛 柔 氣 聚 浮 生 出。 マ レ ハ シ ス ル ト ト ハ エ ハ ヅ ク コ シ カ 地 水 縁 窮 死 若 レ 休。 輪 位 王 侯 與 二 卿 相 殉 春 榮 秋 落 逝 如 レ流。 深 修 メ 観 察 ス ハ 得 二 原 底 殉 大 日 圓 圓 萬 徳 卜 メ 周。 所 謂、 不 信 而 信、 無 執 無 着 に し て、 如 來 を 念 す る と き、 深 修 観 察 そ の 原 底 に 至 り、 無 明 妄 執 融 ら け て、 圓 圓 と し て 萬 徳 周 ね き 大 日 の 眞 光 を 見 る こ と を 得 ら る ゝ の で あ る。 こ れ 即 ち 遮 情 極 ま る 所 に 開 顯 せ ら る ゝ 眞 實 表 徳 の 佛 果 で あ る。 か く の 如 く 第 三 不 思 議 幻 は こ れ 第 三 劫 の 教 旨 を 明 す も の に し て、 喩 伽 の 境 に 師 し て 畢 寛 室 寂 の 理 趣 を 開 示 し、 生 死 浬 葉、 有 爲 無 爲、 生 佛 等 の 一 如 平 等 の 観 に 住 す る、 遮 情 の 義 と、 遽 情 の 源 底 に 大 日 の 光 を 見、 群 聖 同 會、 三 相 一 味 到 於 實 際、 如 來 大 豊 の 境 に 連 ら な る 曼 茶 の 果 徳 開 顯 の 表 徳 の 眞 趣 と を 明 す も の な れ ど も、 し か も 十 喩 の 観 は そ の 遮 情 の 義 を 表 と せ る 法 門 で あ る。 大 疏 の 第 三 不 思 議 幻 の 繹 に 三 に は 心、 心 の 實 際 の 中 に 浸 す る を 以 て、 有 爲 無 爲 界 を 離 ん と 欲 ふ が 故 に、 此 の 十 縁 生 句 を 観 す。 前 の 所 読 の 如 く 二 切 の 業 煩 悩悩 を 解 脱 す れ ど も、 而 も 業 煩 悩悩 の 具 依 た り、 邸 ち 不 思 議 幻 な り 云 云。 こ の 第 三 の 帥 不 思 議 幻 に つ い て は 藏 繹、 及 び 大 疏 ま た 大 師 の 所 繹 等 を 封 照 す る に 自 ら 三 意 存 す。 師 ち 藏 羅 は 般 若 経 の
教 旨 を 以 て 繹 す る も の に し て、 な ほ 未 だ 支 那 に て 開 顯 せ ら れ た る 三 諦 圓 融、 事 々 無 碍 の 玄 趣、 ま た は 眞 如 縁 起 等 の 實 大 乗 の 積 極 的 實 相 観 を 明 か さ ゞ る も の で あ る。 随 て 十 喩 の 繹 段 に 於 て、 大 疏 の 如 く、 郎 室、 師 心、 師 不 思 議 幻 等 の 繹 な く、 上 に 引 用 せ る が 如 く、 菩 提 心 の 罷 性 た る 眞 諦 は 性 本 よ り 塞 な れ ど も、 如 來 の 加 持 力 と 行 者 の 喩 伽 観 念 の カ と に 依 つ て、 種 々 悉 地 の 果 相 を 俗 諦 に 現 す、 こ の 俗 諦 に 攣 現 す る 果 相 を ば 幻、 陽 焔 等 の 如 く、 無 相 室 な る 理 趣 を 明 す も の な れ ば、 藏 繹 は 大 疏 の 師 心 幻 の 義 に 同 す る も の と も 観 ら る。 師 ち 藏 繹 に も 三 劫 の 説 あ る も、 大 疏 よ り 観 れ ば、 第 二 劫 の 義 趣 を 出 で ざ る も の と も い は る べ き で あ る。 師 ち 藏 繹 は 能 執 所 執 を 離 れ た る 無 自 性 室 の 自 性 清 浮 心 を 禮 す る を 本 と な す も の な る が 故 に、 眞 言 悉 地 の 相 を ば 俗 諦 幻 夢 と 観 じ、 自 性 室 の 三 心 に 餓 す る 旨 を 明 す も の で あ る。 し か る に 大 疏 は 三 諦 圓 融 の 義 を 本 と し、 無 相 と 云 ふ も 相 と し て 具 せ ざ る こ と な き、 遍 法 界 の 具 禮 實 相 の 玄 趣 を 説 く も の で あ る。 萬 差 の 諸 法 は 自 性 室 に し て 彼 此 相 碍 へ ざ る が 故 に、 一 に 一 切 を 具 す、 帥 ち 即 室 即 假 師 中、 圓 融 無 碍 法 界 具 罷 の 眞 實 在 観 を 立 す る も の で あ る。 さ れ ば 下 韓 縁 起 の 三 界 六 道 の 當 相 に て も、 ま た 上 韓 縁 起 の 浮 法 た る 佛 果 の 當 盟 に て も、 縁 起 の 當 禮 は 法 界 の 全 有 に 融 合 せ る 具 艦 法 身 な る 秘 義 を 談 す る も の で あ る。 師 ち 不 思 議 幻 と は、 縁 起 幻 假 の 當 禮 一 一 法 界 の 全 有 に 融 合 せ る 圓 融 無 碍 の 絶 封 禮 な る 義 を 開 演 す る も の で あ る。 大 疏 に 幻 と 論 す れ ば 師 ち 幻 な り、 法 界 と 論 す れ ば 郎 ち 法 界 な り、 遍 一 切 虚 と 論 す れ ば 郎 ち 遍 三 切 慮 な り、 幻 と 論 す る が 故 に 不 思 議 幻 と 名 く る な り。 こ の 繹 は よ く 如 上 の 意 を 表 す る も の で あ る。 し か る に 大 師 の 教 義 よ り い へ ば、 縁 起 の 法 の 無 常 無 我 を 談 す る 小 乗 教 も、 縁 起 の 法 の 無 自 性 室 を 明 す 無 相 般 若 の 大 乗 教 も、 ま た 縁 起 の 法 は 無 自 性 室 な る が 故 に、 彼 此 融 即 し 一 一 の 法 が 法 界 の 全 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 一 三
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 一 四 有 に 融 合 す る 具 罷 的 實 在 観 を 開 説 せ る 華 天 一 乗 の 教 に 依 る も、 そ の 縁 起 の 法 は こ れ 無 明 有 力 に 依 つ て 開 襲 せ ら れ た る 迷 妄 な り と 説 く に 至 つ て は 三 で あ る。 ま た 無 常 を 観 じ、 因 縁 師 室 を 観 じ、 或 は 三 諦 の 圓 融 を 観 す る 等、 そ の 理 観 に 相 違 あ る も、 し か も 皆 こ れ 無 上 正 等 菩 提 を 現 讃 せ ん と す る も の で あ る。 し か る に 無 上 菩 提 を 現 謹 し こ の 如 來 無 上 の 聖 智 を 以 て 照 見 せ ら れ た る 世 界 が あ る。 眞 理 自 ら 眞 理 を 露 呈 し、 眞 理 自 ら 眞 理 を 語 る 世 界 が あ る。 眞 實 在 の 妄 的 獲 現 に あ ら す し て、 實 在 の 正 當 な る 開 獲 の 世 界 が あ る。 無 明 を 帯 び た る 衆 生 の 自 心 を 因 と し て、 感 見 せ る 報 慮 の 佛 身 に あ ら す し て、 如 來 の 自 謹 三 摩 地 の 自 艦 自 ら 萬 徳 開 敷 の 佛 境 界 が あ る。 大 師 は か ゝ る 佛 境 界 に 直 入 直 謹 す る 道 を 開 き 給 う た の で あ る。 こ の 大 師 の 教 義 よ り い へ ば 十 縁 生 句 の 観 門 は、 如 來 に 蹄 命 し 如 來 の う ち に 己 れ を 室 う し、 如 來 金 剛 の 身 を 罷 得 す る 法 門 で あ る。 此 の 如 く 所 明 の 義 趣 異 な る に 依 て 同 三 十 喩 の 観 も 所 詮 の 旨 趣 同 じ か ら ざ る も の が あ る。 藏 繹 よ り い へ ば、 十 喩 の 法 門 は 生 佛 感 慮 の 因 縁 に 依 り 感 得 せ る 悉 地 の 果 を ば、 俗 諦 幻 假 の 法 と 了 達 し て、 無 自 性 室 の 心 源 に 露 す る 要 諦 を 明 す と な す も の に し て、 大 疏 よ り い へ ば、 十 喩 の 法 門 は 縁 起 幻 有 の 法 の 常 艦 が、 法 界 の 全 有 に 融 合 せ る 遍 一 切 慮 の 無 相 絶 封 の 妙 禮 な る こ と を 諦 見 す る 道 に し て、 大 師 の 教 義 よ り い へ ば、 自 身 を 如 來 に 奉 獣 し、 如 來 の う ち に 己 れ を 室 う し、 如 來 金 剛 の 身 を 成 す る 妙 道 な り と な す も の で あ る。 し か し て 藏 繹 は 経 の 文 相 よ り 観 た る 説 に し て、 大 疏 は 支 那 に で 開 顯 せ ら れ た る 大 乗 の 實 相 観 を 以 て 解 せ ん と す る も の で あ る。 高 租 大 師 は 深 く 経 疏 の 秘 奥 を 關 顯 し て、 如 來 内 謹 の 實 義 を 演 説 せ ら れ 九 る も の で で あ る。 さ れ ば 大 疏 の 第 三 即 不 思 議 幻 の 繹 は、 大 疏 に 明 か さ れ た る ご 一諦 圓 融 の 義 を 以 て 解 す べ き も の な れ ど も、 般 若 寺 抄 に 第 七 住 心 の 箆 心 不 生 心 を ば 第 六 無 畏 に 撮 せ ら れ 九 る 等 よ り 観 る も、 ま た 経 の 文 相 に 観 近 せ る 繹 を な せ る 藏 繹 の 義 も 自 ら 第 三 不 思 議 幻 の う ち に 存 す る な る べ く、 ま た 疏 家 高 租 の 教 義 一 致 と 観 冗
む し ろ 高 祀 の 教 義 を 以 て 無 畏 の 疏 を 繹 せ ん と す る は、 中 古 以 來 の 宗 學 者 の 態 度 な る と と も に 第 三 郎 不 思 議 幻 は 第 三 劫 の 教 旨 で あ る。 し か し て 大 師 は 第 三 劫 を 開 い て 第 八 九 十 の 住 心 を 建 立 せ ら れ た る 等 よ り、 第 三 不 思 議 劫 の 繹 文 は、 種 々 の 義 趣 を 以 て 解 せ ら る ゝ の で あ る。 即 ち 大 疏 に 三 者 心、 心 の 實 際 の 中 に 浸 す る を 以 て、 有 爲 無 爲 界 を 離 れ ん と 欲 ふ が 故 に、 此 の 十 縁 生 句 を 観 す。 此 の 繹 に 心、 心 の 實 際 の 中 に 没 す る と は、 こ れ 第 三 劫 に 於 て 封 治 せ ん と す る 心 病 で あ る。 し か し て そ の 心 の 實 際 と は 如 何 な る も の な り や に つ き、 上 述 の 義 に 依 て も 知 ら る ゝ が 如 く、 幾 多 の 義 が あ る の で あ る。 一 義 に 依 れ ば 心 の 實 際 と は、 三 劫 の 中 に は 第 二 劫 の 後 心、 六 無 畏 の 中 に は 第 五 の 無 畏、 十 住 心 に は て 第 七 の 住 心 な り と な す。 師 ち 三 重 の 繹 の 第 二 の 郎 心 幻 は 既 に 初 劫 の 部 室 幻 を 以 て 封 治 す べ き 心 病 と し て、 こ れ を 離 れ た る も の な れ ば、 今 第 三 劫 の 即 不 思 議 幻 は、 ま た 第 二 劫 の 即 心 幻 を 以 て 所 封 治 の 心 病 と な す も の で あ る。 郎 ち 第 二 劫 に 初 後 の 二 心 あ り、 そ の 初 心 よ り い へ ば、 諸 法 は 阿 頼 耶 識 の 所 憂 に し て、 心 面 に 現 じ た る 影 像 な れ ば、 墾 罷 塞 な り と な す も、 し か も な ほ 能 生 の 心 の 有 を 明 し、 能 生 の 心 ど 所 生 の 萬 法 と に、 能 所 生 本 末 の 差 を 見、 ま た 無 爲 の 眞 如 と 有 爲 の 萬 法 と に 匿 別 を 見、 有 爲 無 爲 三 如 の 妙 趣 を 明 か さ ざ る も の で あ る。 し か る に 第 二 劫 の 後 心 な る 豊 心 不 生 心 部 ち 三 論 宗 に て は、 所 生 の 境 の 室 な る の み な ら す 能 生 の 心 の 自 罷 の 室 を 説 き 心 境 の 倶 室 を、 談 す る と ゝ も に、 有 爲 の 萬 法 の 墾 盟 師 室 の 玄 旨 を 開 演 す る も の な れ ば、 有 爲 無 爲 分 別 の 念 を 離 れ た る が 如 く 思 惟 せ ら る ゝ も、 第 三 劫 よ り 観 れ ば、 心 境 を 室 し て 絶 塞 に 蹄 し、 有 を 混 し て 室 に 蹄 す る は、 有 爲 を 捨 て ゝ 無 爲 に 入 ら ん と す る も の な り、 俗 諦 に 幻 有 を 見 る も 眞 諦 は 絶 室 な り と し、 こ の 絶 室 無 爲 の 室 性 の 心 に 住 す る は、 こ れ 遮 情 権 門 の 教 説 に し て な ほ 有 爲 無 爲 一 如 中 道 の 妙 法 を 開 顯 せ ざ る も の と し、 こ れ を 所 離 の 心 病 と な す、 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 一 五
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 二 六 郎 ち 心 の 實 際 に 浸 す と は、 か ゝ る 室 病 に 堕 す る を 云 ふ。 さ れ ば 豊 苑 の 演 密 紗 に ノ ノ ノ ス ル ヲ 今 此 中 十 喩 復 爲 下 封 三 治 前 劫 心 没 二實 際 一欲 レ 令 レ 離 申 有 爲 無 爲 界 上 故 観 二 十 喩 一 亦 成 戯 論。 こ れ 等 は 第 三 劫 の 一 實 中 道 の 理 に 往 し、 塞 病 を 封 治 す と な す も の な れ ば、 今 第 三 劫 の 義 を 表 す る 即 不 思 議 幻 の 所 封 治 の 心 病 は 第 二 劫 の 後 心 た る 豊 心 不 生 心 な り と な す も の で あ る。 し か る に 他 の 一 義 に は 心、 心 の 實 際 に 没 す と は 第 三 劫 の 初 心、 十 住 心 の 中 に て は 第 八 住 心 な り と な す。 こ れ 大 師 の 十 住 心 の 建 立 よ り 観 る 義 な る も、 ま た 大 疏 に 第 八 住 心 の 室 性 無 境 心 を 心 の 實 際 と 繹 さ れ た る に 依 る。 即 ち 大 疏 に ル ノ テ ス ル ニ ノ ノ ヲ シ ク モ シ ビ リ ズ ル ハ チ シ シ キ ハ 行 者 得 二 如 是 微 細 慧 一時。 観 一二 切 染 浮 諸 法 一乃 至 少 分 猫 如 二隣 盧 一無 下 不 二 從 レ 縁 生 二者 上。 若 從 レ縁 生 師 無 二 自 性 刈 若 無 二 チ レ ナ リ ハ チ レ ノ ナ リ 自 性 一師 是 本 不 生。 本 不 生 郎. 是 心 實 際。 十 住 心 よ り い へ ば 塞 性 無 境 の 心 の 實 際 に 没 す る も の は 第 八 住 心 で あ る、 第 八 佳 心 に 於 て 一 道 無 爲 の 心 に 住 し 沈 室 滞 寂 あ る が 故 に 警 畳 開 示 を 蒙 る の で あ る。 こ の 義 に よ れ ば、 第 八 住 心 は 三 諦 圓 融、 一 實 中 道 の 妙 旨 を 開 顯 し、 有 爲 無 爲 一 如 の 理 を 明 す が 故 に、 初 二 劫 に 封 せ ば、 一 往 有 爲 無 爲 隔 歴. の 念 を 離 る と い へ ど も、 後 位 に 望 む れ ば、 な ほ こ れ 有 爲 の 非 眞 を 厭 う て 無 爲 の 離 妄 を 欣 ぶ 義 あ り、 故 に 實 に は 有 爲 無 爲 の 分 別 の 念 を 離 れ す、 師 ち 第 八 住 心 に て 萬 法 は 三 諦 圓 融、 三 實 中 道 の 理 な る 妙 趣 を 明 す も、 し か も 萬 法 の 生 起 た る や、 こ れ 實 相 に 違 背 せ る 無 明 我 執 に 因 る と な し、 こ の 我 執 煩 悩悩 を 断 す る を 主 と す る が 故 に、 そ の 實 相 観 も 畢 寛 は 遽 情 無 相 の 室 観、 無 爲 一 道 の 不 可 得 一 心 の 理 に 蹄 す る の で あ る、 し か る に こ の 室 性 の 心 の 實 際 に 住 す る と き、 自 心 本 有 の 菩 提 心 の 勢 力 と 諸 佛 の 警 畳 開 示 と に 依 り、 こ の 室 性 の 一 心 も 無 自 性 な る こ と を 知 り、 そ の 心 の 實 際. に も 住 せ ざ る を 第 九 極 無 自 性 心 と な す、 こ の 一 道 無 爲 の 心 の 實 際 に 住 す る と き、 こ の
心 の 實 際 も 亦 復 無 自 牲 不 可 得 と し て 遮 邉 す る と 云 ふ は、 こ れ 三 諦 三 實 の 實 罷 観 念 を 乳 離 る ゝ も の な る が、 こ ゝ に 三, 切 の 無 明 我 執 断 ぜ ら れ、 有 爲 無 爲 の 別 執 を 離 る ゝ こ と を 大 疏 に 繹 し テ ス ル ヲ ル ノ ル ト ノ ニ ノ キ ヲ ス ト シ テ キ ヲ ム ノ シ テ 行 者 初 観 二 室 性 一 時。 豊 三 一 切 法 皆 入 二 心 之 實 際 犯 下 不 レ 見 二 衆 生 可 ジ度。 上 不 レ 見 二 諸 佛 亘 レ 求。 爾 時 萬 行 休 息 謂 レ 爲 二 究 ヲ ス ル 片 テ ニ テ ル ﹁ ヲ ニ テ ト ト モ テ ノ ト ヒ ノ 寛 殉 若 住 レ 此 者 郎 退 不 レ 堕 二 二 乗 地 鱒 不 三 進 得 レ 上 二 菩 薩 地 殉 名 爲 二 法 愛 生 殉 亦 名 二 無 記 心 殉 然 以 二 菩 提 心 勢 力 及 如 來 加 持 ト テ ク ヲ ノ ニ ノ ニ シ テ シ フ ヲ ノ ル コ ノ ヲ ニ シ テ ス ヲ モ カ 殉 復 能 護 二 起 悲 願 幻 爾 時 十 方 諸 佛 同 時 現 前 而 勧 二 喩 之 一。 以 レ 蒙 二 佛 教 授 一故 韓 生 二 極 無 自 性 心 殉 乃 至 心 之 實 際 亦 不 ナ リ サ ニ セ リ ロ 可 得。 錐 レ 解 二 脱 一 切 業 煩 悩 一 而 業 煩 悩悩 具 存。 云 云 上 述 の 如 く 心、 心 の 實 際 の 中 に 没 す る に つ い て は 第 七 住 心、 或 は 第 八 住 心、 ま た は 第 九 住 心 の 意 に て 解 せ ら る べ き 義 あ る も、 疏 の 當 分 よ り い へ ば 浸 二 心 實 際 中 一す る は こ れ 第 八 住 心 三 諦 一 實 の 理 を 心 の 實 際 と 了 し、 こ の 心 に 住 す る と き、 室 智 自 性 を 守 ら す、 こ の 心 の 實 際 も 極 に あ ら す と 豊 る と こ ろ に 有 爲 無 爲 の 隔 執 を 離 る 意 で あ る。 さ れ ば 心 の 實 際 も 如 幻 室 と 了 蓬 し、 有 爲 無 爲 の 執 を 離 る ゝ も の は こ れ 第 九 住 心 師 ち 華 嚴 宗 で あ る。 師 ち 華 嚴 経 の 文 に 依 る に 菩 薩 解 レ 法 無 レ 有 レ ニ。 於 二 不 二 法 一 無 二 所 著 殉 其 心 不 レ 住 二 諸 世 間 殉 又 亦 不 レ 離 二 於 世 間 殉 又 曰 く 分 別 無 二 不 レ 捨 二 諸 業 境 界 方 便 幻 於 二 有 爲 界 一出 二 無 爲 界 殉 而 亦 不 レ 壊 二 有 爲 之 性 殉 於 二 無 爲 界 一 出 二 有 爲 界 殉 而 亦 不 レ 壊 二 無 爲 之 性 殉 如 レ 是 菩 薩 樂 二 観 諸 法 寂 滅 之 相 殉 又 曰 く 知 二 一 切 佛 法 是 世 間 弔 於 二 佛 法 中 一 不 レ 取 二 世 間 相 刈 於 二 世 間 法 中 一 不 レ 取 二 佛 法 相 殉 一 切 諸 法 悉 入 二 法 界 一無 二 所 入 二故。 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 一 七
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 二 八 解 二 三 切 法 悉 無 二 一不 二 攣 易 殉 こ れ 等 は 何 れ も 無 二 寂 滅 観 に 住 し、 有 爲 無 爲 の 二 相 を 離 れ、 有 爲 無 爲 に 大 自 在 を 得 た る 解 脱 境 を 明 か さ れ 九 る も の で あ る。 疏 に 三 諦 一 實 の 心 の 實 際 に 住 す る と き、 心 の 實 際 も 不 可 得 塞 な る こ と 幻 夢 等 の 如 く な る こ と を 観 じ、 心 の 實 際 も 極 に あ ら ざ る こ と を 贅 り、 夏 に 金 剛 際 に 進 む を 極 無 自 性 の 第 九 の 住 心 と な す も の な る が、 天 台 華 嚴 の 所 明 に よ る も 天 台 は 因 心 の 實 相 を 開 顯 せ ん と す る も の に し て、 華 嚴 は 因 果 二 分 を 明 し、 普 賢 因 分 よ り 遮 那 果 界 に 浸 同 す る を 詮 く も の な る が 故 に、 こ の 因 心 の 實 際 よ り 起 つ て 遮 那 の 果 界 に 韓 入 す る 當 位 を 第 九 住 心 と な す は、 よ く 渠 の 教 意 に 符 合 す る も の で あ る。 さ れ ば 大 疏 の 第 三 師 不 思 議 幻 の テ ス ル ヲ ノ ニ ニ ス ノ ノ ノ ス レ モ ノ タ リ 以 三 心 没 二 心 實 際 中 鴫 欲 レ 離 二 有 爲 無 爲 界 一故 観 二 此 十 縁 生 句 殉 如 二前 所 読 一 解 二 脱 一 切 業 煩 悩悩 殉 而 業 煩 悩 具 依。 師 不 思 議 之 幻 也。 如 上 の 文 は こ れ そ の 當 分 よ り い へ ば 第 九 住 心 の 繹 な り と 観 ら る べ き も の で あ る。 し か も 第 九 住 心 と 第 十 往 心 相 望 せ は、 第 九 住 心 は な ほ 寂 滅 室 の 心 の 實 際 に 浸 同 せ る も の で あ る。 郎 ち 大 師 戒 序 に 極 無 自 性 心 者。 錐 レ 云 下 臨 二 法 界 一而 説 二 三 世 間 島 一 篭 二 帝 緻 一 傷 中 三 大 法 饗。 獲 急 成 佛 之 因 初 心 之 鵬 吻 五 柑 成 身 四 種 曼 茶 ス ル コ ノ ニ ク ヲ ト ヲ ヘ リ 羅 未 レ 能 二 具 晃 是 故 不 レ 可 レ 住。 謂 未 得 爲 レ 得 未 到 謂 レ 到。 云 云 こ れ 所 謂 無 書 法 界 観 も な ほ こ れ 普 賢 因 入 の 法 門 に し て、 遮 那 果 入 の 内 謹 を 開 説 せ ら れ た る も の に あ ら す と な す も の
で あ る。 前 叙 の 如 く 第 七 の 佐 心 た る 三 論 の 説 に 依 る も 俗 諦 の 幻 有 帥 室 に し て 無 爲 の 眞 諦 と な す が 故 に、 一 往 有 爲 無 爲 の 分 別 の 執 を 離 る る 義 立 し、 ま た 三 諦 一 實 の 理 を 開 顯 す る 第 八 住 心、 寂 滅 無 凝 道 を 談 す る 第 九 住 心、 何 れ も 有 爲 無 爲 の 相 を 離 れ 江 る 不 二 中 道 の 實 義 を 明 か さ ざ る は な し、 し か も そ の 極 致 に 至 つ て な ほ 厭 欣 の 念 存 し、 寂 滅 浬 繋 に 脈 せ ん と す る こ と、 か の 二 乗 に 等 し き 義 趣 の 存 す る は 何 に 基 因 す る ぞ と な ら ば、 こ れ 因 縁 郎 室 を 談 じ、 三 諦 圓 融 を 読 き、 無 書 法 界 の 玄 趣 を 明 す も、 し か も 諸 法 の 開 護 は こ れ 實 相 に 達 背 す る 我 執 無 明 に 依 る も の と し、 無 我 塞 を 観 じ て 我 執 を 断 す る を 凡 て の 教 の 基 調 と な す が 故 に、 極 致 は 無 我 塞 の 遮 情 観 に 脈 す る の で あ る。 師 ち 志43 爲 を 捨 て て 無 爲 の 眞 に 館 没 せ ん と す る も の で あ る。 し か る に 第 十 住 心 に て は 無 爲 の 眞 を 現 謹 し、 無 上 正 等 大 蜷 を 成 じ、 不 二 の 智 光 を 以 て 一 切 を 照 見 せ ら る る 如 來 に 蹄 命 し、 佛 智 に 同 し て 三 切 を 見 る 秘 義 を 開 く、 こ こ に は じ め て、 有 爲 無 爲 各 別 の 而 二 隔 執 た る 無 明 妄 執 除 か る る の で あ る。 所 謂 直 住 月 宮、 霧 帥 月 光、 煩 悩 廓 菩 提 の 實 義 を 饅 せ ら る る の で あ る。 上 來 の 所 繹 多 端 な る も、 本 経 に 論 か れ た る 十 喩 の 観 門 は 藏 繹 よ り い へ は、 喩 伽 の う ち に 感 見 す る 佛 暁 界 を ば、 如 來 の 大 慈 と 行 者 の 信 力 に よ つ て 成 せ る 俗 諦 幻 假 と 了 し、 眞 諦 室 の 自 性 清 浮 の 心 に 住 す べ き こ と を 説 か れ た り と な し、 大 疏 よ り い へ ば、 喩 伽 の う ち に 感 見 す る 境 は 因 縁 生 の 幻 假 な る も、 し か も 因 縁 生 法 の 墨 艦、 三 諦 圓 融 の 妙 艦 な る 玄 旨 よ り、 因 縁 生 の 幻 に 部 し て 遍 一 切 慮 の 法 界 無 限 の 理 趣 を 禮 す る 妙 門 を 開 く も の で あ る。 ま た 大 師 の 教 義 よ り い へ ば、 曼 茶 の 諸 奪 は 皆 こ れ 自 性 身 の 大 登 罷 に 往 し、 三 門 部 普 門、 本 地 加 持 不 一 二 禮 な る が 故 に、 幻 有 の 加 持 身 に 師 し て 十 縁 生 句 の 観 を な し、 幻 に 郎 し て 本 地 法 身 を 罷 す る 義 を 明 す も の で あ る。 し か し て 藏 繹 に は 眞 諦 塞 と い ひ、 大 疏 に は 三 諦 一 實 と い ひ、 何 れ も 究 寛 の 妙 果 を ば、 法 と し て 大 日 絶 の 十 喩 の 法 門 一 九
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 二。 説 か ん と し 人 的 な る も の を ば 幻 假 と な し、 法 を ば 眞 實 と な す 常 途 佛 教 に 同 す る が 如 き 義 あ る も、 大 師 は 幻 假 な る 加 持 身 に 師 し て 本 地 法 身 を 畿 す る 義 を 説 き、 究 寛 の 果 罷 を ば、 毘 鷹 遮 那 本 地 の 入 と な す も の で あ る。 大 疏 に、 第 三 師 不 思 議 幻 の 義 を 繹 す 葛 に 四 不 生、 三 諦、 及 び 塵 沙 の 四 諦 の 読 を 以 て せ り、 こ れ 次 の 如 く 般 若、 法 華、 華 嚴 の 教 義 な る が、 此 等 の 諸 経 に 所 見 の 佛 身 を 解 す る こ と 一 な ら ざ れ ど も、 極 致 は 佛 身 の 自 艦 は 無 相 寂 滅 と な す も の で あ る。 こ の 寂 滅 眞 實 究 党 の 地 に 住 す る と き、 法 身 の 警 壁 開 示 を 蒙 り、 如 來 の 果 界 に 入 る こ と を 開 読 せ ら れ た 葛 も の は 密 教 な れ ば、 か か る 教 旨 を 看 取 せ ら れ る 此 等 諸 繧 の 経 文 を 引 用 し、 如 上 所 述 の 義 を 明 か に せ ん に、 摩 調 般 若 波 羅 蜜 多 経 に 常 哺 菩 薩Sadaprarudita-Bodhisattva 般 若 の 眞 理 趣 を 求 め、 身 命 を 惜 ま す、 名 利 を 忘 れ、 道 の 爲 め に 專 心 す る と き、 室 中 に 聲 あ り、 此 を 去 る こ と 五 百 由 旬 に し て 城 あ り 衆 香 と 名 く、 こ の 城 に 法 涌 菩 薩 Dharnogta-Bodisatva あ り、 こ の 菩 薩 の 所 に 往 詣 し て、 般 若 の 實 義 を 聞 く べ き こ と を 教 示 せ ら れ、 諸 佛 に 守 護 せ ら れ、 萬 苦 を 嘗 め て 法 涌 菩 薩 の 許 に 至 り、 先 づ 問 う て 曰 く、 諸 佛 は 何 れ の 所 よ り 來 り、 去 つ て 何 れ の 所 に か 往 く、 我 れ を し て 知 る こ と を 得 己 て、 常 に 諸 佛 を 見 る こ と を 得 せ し ぬ 給 へ と 請 問 し け る に、 法 涌 菩 薩 の 言 く、 諸 佛 は 因 縁 所 生 に し て 幻 の 如 く、 陽 焔 等 の 如 く 自 性 室 な り、 こ の 自 性 室 の 禮 こ れ 諸 佛 の 自 性 な り、 し か し て 塞 は 來 る な く、 ま た 去 る な き が 如 く、 佛 は こ れ 來 な く 去 な く、 生 な く 滅 な く、 不 動 常 寂 の 艦 な り、 し か し て 寂 滅 の 塞 性 は こ れ 諸 法 の 實 性 な り と 共 に、 こ れ 諸 佛 の 實 性 な り、 師 ち 諸 法 の 性 と 諸 佛 の 性 は 一 如 に し て 別 髄 な き こ と を 説 い て 曰 く 善 男 子。 諸 佛 無 レ 所 二 從 來 二去 亦 無 レ 所 レ 至。 何 以 故 諸 法 如 不 動 相。 諸 法 如 部 是 佛。 善 男 子。 無 生 法 無 レ 來 無 レ 去。 無 生 法
師 是 佛。 無 滅 法 無 レ 來 無 レ 去。 無 滅 法 郎 是 佛。 實 際 法 無 レ 來 無 レ 去。 實 際 法 即 是 佛。 室 無 レ 來 無 レ 去。 塞 廓 是 佛。 善 男 子。 無 染 無 レ 來 無 レ 去。 無 染 師 是 沸、 寂 滅 無 レ 來 無 レ 去。 寂 滅 部 是 佛。 盧 室 性 無 レ 來 無 ゼ 去。 盧 室 性 郎 是 佛。 善 男 子。 離 二 是 諸 法 一更 無 レ佛。 諸 佛 如 諸 法 如 一 如 無 分 別。 善 男 子。 是 如 常 一 無 レ 二 無 レ 三。 濃 二 諸 撒 法 一 無 二 所 有 一 故。 ま た 陽 焔、 幻、 夢 等 の 喩 を 纂 げ、 陽 紹、 幻 夢 の 自 罷 室 な る が 如 く、 諸 佛 の 眞 身 た る 法 身 如 來 も 自 罷 寂 滅 な る こ と を 説 き、 或 は ま た 衆 生 の 善 根 の 因 縁 に 依 て、 大 海 の 中 に 諸 費 あ り、 し か も 此 の 諸 蜜 は 衆 生 善 根 の 因 縁 に 依 て 生 ぜ し も の な る が 故 に 東 西 南 北、 四 維 上 下 よ り 來 ら す、 し か も 亦 因 縁 な く し て 生 せ す、 是 の 寳 は 皆 因 縁 和 合 に 依 つ て 生 じ、 随 て 是 の 實 若 し 滅 す る も、 亦 去 て 十 方 に 至 ら す、 諸 縁 合 す る が 故 に 有 り、 諸 縁 離 る る が 故 に 滅 す る が 如 し。 善 男 子、 諸 佛 の 身 も 亦 是 の 如 く、 本 業 の 因 縁 に よ り て 果 報 生 じ、 生 す る と き 十 方 よ り 來 ら す、 滅 す る 時 も 亦 去 て 十 方 に 至 ら す、 但 た 諸 縁 合 す る が 故 に 有 り、 諸 縁 離 る る が 故 に 滅 す。 或 は ま た 笙 後 な る 樂 器 の 聲 を 出 す は、 衆 多 の 因 縁 に 依 て 樂 器 成 り、 し か も そ の 樂 器 の 聲 を 出 'す 時、 そ の 聲、. 生 じ 來 る 虚 無 く 滅 し 去 る 庭 無 く、 衆 縁 和 合 す る が 故 に 乃 ち 聲 あ り、 是 の 因 縁 離 る る 時 も 亦 去 る 慮 無 き が 如 し、 善 男 子、 諸 佛 の 身 も 亦 是 の 如 く、 無 量 の 功 徳 の 因 縁 に よ り て 生 じ、 一 因 一 縁 一 功 徳 に よ り て 生 せ す、 亦 因 縁 無 く し て 有 ら す、。 衆 縁 和 合 す る が 故 に 有 り、 諸 佛 身 猫 り 一 事 に よ り て 成 ぜ す、 來 る に 來 所 無 く、 去 て 至 る 所 無 し、 善 男 子、 當 に 是 の 如 く 諸 佛. の 來 相 去 相 を 知 る べ し、 善 男 子、 亦 當 に 三 切 法 の 來 去 無 き の 相 を 知 る べ し、 汝 若 し 諸 佛 及 び 諸 法 の 來 る 無 く 去 る 無 く、 生 す る 無 く 滅 す る 無 き の 相 を 知 ら ば、 必 す 阿 褥 多 羅 三 貌 三 菩 提 を 得、 亦 能 く 般 若 波 羅 蜜 及 び 方 便 方 を 成 じ 得 べ き こ と を 説 か る。 こ れ 因 縁 所 生 の 俗 諦 に 佛 あ り 衆 生 あ り、 し か も 眞 諦 第 一 義 た る 寂 滅 常 住 の 實 相 の 膿 は 生 滅 來 去 を 離 れ 生 佛 自 他 の 差 別 を 混 し 無 相 一 如 の 法 な り、 こ の 無 相 一 如 の 眞 諦 の 法 を ば 如 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 二 一
大 日 縫 の 十 喩 の 法 門 二 二 來 法 身 の 禮 な り と な す も の で あ る。 法 華 経 よ り 云 ふ も、 佛 身 は こ れ 從 縁 所 生 に し て、 來 る に 所 從 來 な く、 去 る に 所 去 な く、 不 來 不 去 常 寂 滅 の 實 相 を 罷 と な す も の で あ る。 郎 ち 知 二 法 常 無 性 殉 佛 種 從 レ 縁 起。 是 故 読 二 一 乗 殉 是 法 住 二 法 位 崎 世 間 相 常 住。 叉 曰 く 如 來 知 二 是 一 相 三 味 之 法 殉 所 謂 解 脱 相。 離 相 滅 絹。 究 寛 浬 樂。 常 寂 滅 相。 終 聾 二 於 塞 蛤 叉 曰 く 如 來 室 者。 一 切 衆 生 中 大 慈 悲 心 是。 如 來 衣 者。 柔 和 忍 辱 心 是。 如 來 座 者 一 切 法 室 是。 安 二 佳 是 中 叩 然 後 以 二 不 慨 怠 心 噛 爲 二 諸 菩 薩 及 四 衆 一。 廣 論 二 是 法 華 経一。 此 等 の 文 に 依 る も、 法 華 纏 は 常 寂 滅 の 實 相 の 法 を 経 罷 と す る こ と を 知 ら る る の で あ る。 し か し て 本 門 に 読 か れ 弛 る 久 遠 實 成 の 如 來 は 智 者 大 師 法 華 文 句 に 鐸 せ ら れ た る が 如 く、 正 し く は こ れ 報 身 な る べ し、 か く の 如 く の 因 縁 生 の 佛 身 は、 こ れ 迩 門 に 読 か れ た る 常 寂 滅 の 實 相 に 往 す る も の で あ る。 次 に 華 嚴 経 に つ い て 見 ん に、 般 若 法 華 経 等 と 同 じ く、 華 嚴 経 も 諸 佛 は 因 縁 所 生 な る が 故 に 白 艘 無 自 性 寂 滅 な る 理 趣 を 明 す も の で あ る。 し か し て 佛 と は こ の 寂 滅 の 理 を 謹 し、 そ の 寂 滅 の 理 を 膿 と す る も の な る が 故 に 経 に は 諸 法 の 如 と
諸 佛 の 如 と は 無 一 二 禮 な り と 説 か る。 し か し て 華 嚴 経 に は こ の 眞 如 の 理 の 重 々 無 審 周 遍 法 界 の 廣 大 無 際 の 玄 趣 を 開 説 せ ら る る と 共 に、 こ の 理 と 同 一 膿 な る 如 來 の 廣 大 無 邊 の 妙 用 を 説 く も の で あ る。 こ と に 牲 起 品 等 に 如 來 の 果 禮 の 無 凝 自 在 の 大 用 を 開 読 せ ら る る も の で あ る。 例 へ ば 十 地 品 に 第 十 法 雲 地 の 行 相 を 説 か る る う ち に、 三 切 法 は 塞 寂 に し て 性 相 な き こ と 虚 塞 に 等 し、 如 來 は こ の 性 相 を 謹 し、 こ の 性 相 に 入 り、 性 相 に 随 う て 諸 の 世 界 に 周 偏 し て、 衆 生 の 爲 め に 無 上 の 法 輪 を 韓 じ、 教 化 を な し 給 ふ こ と を 演 説 せ ら る。 師 ち 三 切 法 室 寂。 先 來 無 二 性 相 殉 同 若 二 如 虚 室 鱒 大 師 亦 如 レ 是。 得 レ 入 二第 三 義。 微 妙 之 性 相 殉 随 二 諸 法 性 相 殉 示 二 佛 大 神 力 殉 一 切 佛 行 性。 法 及 諸 衆 生。 皆 悉 同 無 相。 一 切 法 塞 故。 若 欲 レ 得 二 佛 智 刈 磨 レ 離 二 諸 想 念 弔 有 無 倶 通 達。 疾 作 二 天 人 師 鴫 世 間 浮 眼 品 に 無 蓋 の 妙 法 界 に 如 來 の 身 充 満 し、 妙 色 身 を 十 方 に 現 す る も、 而 も 其 身 有 に あ ら す 無 に あ ら す、 來 も な く 去 も な く、 生 も な く 滅 も な き こ と を 説 き 無 蓋 平 等 妙 法 界。 悉 皆 充 二 満 如 來 身 殉 無 レ 取 無 レ 起 永 寂 滅。 爲 二 三 切 蹄 一 故 出 世。 諸 佛 法 王 出 二 世 間 一。 能 立 二 無 上 正 教 法一。 如 來 境 界 無 二 邊 際 殉 世 間 自 在 樗 二 無 上 殉 佛 難 思 議 無 二 倫 匹 幻 相 好 光 明 照 二 十 方 殉 如 來 光 明 豊 品 に 一 切 の 國 土 は 盧 室 に 依 る も、 虚 塞 は 所 依 な き が 如 く、 一 切 の 衆 崖 は 如 來 に 依 る も、 而 も 如 來 は 所 依 な く し て 慮 室 の 如 く な れ ば、 去 な く 來 な く 三 切 世 界 に 遍 満 せ る こ と を 説 き 佛 身 亦 如 レ 是。 一 切 満 二 十 方 幻 難 レ 知 能 知 者。 彼 是 大 導 師。 讐 如 無 量 刹。 依 二 止 虚 室 一住。 不 下 從 二 十 方 一來。 去 亦 無 レ 所 レ 至。 世 界 若 成 敗。 本 來 無 二 所 依 殉 佛 身 亦 如 レ 是。 充 二 満 盧 塞 界 遍 性 起 品 に 如 來 無 凝 の 大 用 を 説 き 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 二 三
大 日 経 の 十 喩 の 法 門 二 四 如 來 性 起 正 法。 一 切 如 來 平 等 智 慧 光 明 所 レ 起。 一 切 如 來 一 味 智 慧。 出 二 生 無 量 無 邊 功 徳 殉 又 曰 く 一 切 諸 最 勝。 清 浄 妙 法 身。 無 二 慮 而 不 ジ 至。 充 二 満 諸 法 界 幻 最 勝 妙 法 身。 三 切 莫 二 能 見 鴫 教 二 化 衆 生 一故。 導 師 爲 二 示 現 一。 し か し て 性 起 の 性 と は 輩 な る 理 性 に あ ら す、 般 若 の 大 智 と 無 相 法 界 の 理 と 不 二 冥 合 し、 理 行 一 如 の 如 來 の 果 禮 を 性 と 、 名 け、 そ の 果 性 の 感 に 趣 き 機 に 癒 す る 用 を 起 と 云 ふ。 こ の 性 起 門 よ り い へ ば、 如 來 の 大 智 は 本 來 衆 生 の 心 中 に 遍 在 し、 一 切 衆 生 は 修 生 作 佛 を ま た す、 本 來 出 纒 の 果 位 に 住 す る も の に し て、 十 界 の 依 正 色 心 は 果 徳 を 具 せ る 如 來 の 妙 相 妙 用 で あ る。 性 起 品 に か か る 深 旨 を 開 説 す る が 故 に、 八 十 華 嚴 に は 此 品 を 如 來 出 現 品 と 名 く。 華 嚴 の 所 明 に 縁 起、 性 起 の 二 門 あ り、 縁 起 門 は 縁 起 の 末 法 を 観 じ、 開 解 立 行、 普 賢 廣 大 の 因 を 修 し、 舎 那 の 果 界 に 謹 入 す る 從 因 至 果 の 法 門 に し て、 性 起 門 は、 能 縁 起 の 自 性 清 浮 の 一 心 本 豊 を 禮 と す る、 舎 那 果 入 の 境 を 明 し、 一 切 諸 法 は 毘 盧 遮 那 果 相 の 現 起 な る 從 果 向 因 の 秘 趣 を 開 演 し、 三 切 衆 生 は 本 來 自 性 圓 明 の 罷 に 住 し、 久 來 成 佛 せ る が 故 に、 因 位 を 経 歴 し て 果 に 至 る に あ ら す、 舎 那 の 果 界 に 直 入 す る 妙 門 を 開 く。 華 嚴 に は、 か く の 如 く 縁 起、 性 起 の 二 門 あ り、 そ の 説 相 は 多 く 縁 起 を 明 す も、 而 も 天 台 に 封 す れ ば、 天 台 は 縁 起 の 當 分 に 止 ま り、 性 起 の 境 あ る を 知 ら す と し、 む し ろ 性 起 を 華 嚴 の 本 分 の 如 く 読 く も の で あ る。 此 の 如 く 華 嚴 経 に 毘 盧 遮 那 果 相 の 開 顯 を 説 け ば、 ほ と ん ど 秘 密 眞 言 乗 と 同 一 理 趣 を 明 す が 如 き 観 あ り、 こ の 性 起 品 の 果 相 開 顯 を 賢 首 大 師 は 如 何 に 繹 せ ら れ た る や、 ま 九 弘 法 大 師 は 如 何 匹 判 せ ら れ た る や の 詳 蓮 を 略 す る も、 そ の 三 端 を 記 せ ば、 賢 首 大 師 五 教 章 に 因 分 可 説 果 分 不 可 説 の 二 門 の 中、 華 嚴 は 因 分 可 説 の 境 を 明 す も の な る こ と を 繹 す。 し か れ ば 何 故 に 華 嚴 経 の 佛 不 思 議 法 品 乃 至 如 來 性 起 品 に 佛 果 の 境 界 を 説 く や と の
疑 問 を 墾 け、 性 起 品 等 に 佛 果 の 境 界 を 明 す も、 こ の 果 は 十 地 品 と 同 じ く 他 化 自 在 天 に 於 て 説 か れ た る も の、 郎 ち 十 地 品 等 の 因 分 の 義 を 説 け る 會 座、 師 ち 因 位 と 同 會 同 塵 の 説 な る よ り 観 る も、 こ れ 因 果 相 封 の 果 に し て 絶 封 究 尭 の 果 に あ ら す、 華 嚴 経 は 普 賢 因 入 の 境 を 説 け る も の な る が ゆ ゑ に、 因 位 の 菩 薩 に 佛 果 の 境 を 信 知 せ し め、 其 の 果 を 謹 せ し め、 因 行 を 成 ぜ し め ん と し て 説 か れ 九 る 果 相 で あ る。 さ れ ば そ の 果 は 機 根 所 了 の 因 中 の 果 相 に し て、 究 寛 自 在 の 妙 豊 の 果 相 に あ ら ざ る こ と を 繹 せ り。 ま た 華 嚴 宗 に 姓 起 と 性 海 果 分 と の 同 異 の 義 を 論 す る と き、 性 起 と 性 海 果 分 と に は 可 説 不 可 説 の 相 異 あ の と な す も の で あ る。 部 ち 性 起 は 十 佛 の 無 凝 大 用 を 明 す も の に し て、 性 海 は 十 佛 の 自 境 界 な り と い へ ば、 性 起 と 性 海 果 分 は 同 一 の 如 く な る も、 し か も 性 起 と 性 悔 果 分 と に は 可 説 不 可 説 の 異 り あ る と な す も の で あ る。 師 ち 性 起 品 に 佛 身 の 自 在 無 凝 の 大 用 を 明 か す も、 性 起 品 は、 こ れ 十 地 品 の 因 位 と 同 會 の 説 に し て、 し か も 説 主 は 因 位 の 普 賢 菩 薩 で あ る。 随 て 開 演 せ ら れ た る 如 來 の 果 相 も、 因 果 相 封 の 果 に し て、 究 寛 眞 實 の 如 來 の 大 果 に あ ら す と な す。 し か し て 究 寛 眞 實 の 性 海 果 分 た る 遮 那 の 果 艦 は、 唯 佛 與 佛 の 境 に し て、 不 可 説 な れ ば、 性 起 と 性 海 果 分 と に は 可 説 不 可 読、 相 封 絶 封 の 異 な り あ る を 知 ら る べ き で あ る。 し か し て 弘 法 大 師 は 華 嚴 に 明 す 不 可 説 の 性 海 果 分 は、 こ れ 眞 言 密 教 の 法 艦 た る 髭 盧 遮 那 法 身 の 罷 な り と な す も の で あ る。 随 て 大 師 は 二 教 論 に 華 嚴 宗 に 繹 成 せ ら る る 十 身 具 足 融 三 世 間 の 佛 身 は こ れ 因 分 の 一 切 を 囁 す も 果 分 を 無 皿さ ゞ る も の と 判 じ、 華 嚴 の 十 身 具 足 の 佛 身 を ば 報 身 佛 と 観 る も の で あ る。 上 述 の 如 く 般 若、 法 華、 華 嚴 の 諸 経 に 室 寂 一 如 の 法 性 を 説 く と 共 に、 因 縁 縁 起 の 佛 身 を 明 す、 師 ち 一 如 の 法 よ り 報 慮 等 の 無 蓋 の 佛 身 の 顯 現 を 開 説 す、 こ と に 華 嚴 経 に は 廣 大 無 邊 の 佛 身 の 大 用 を 明 か さ る、 然 る に 不 生 而 生、 生 而 不 生、 法 身 十 方 に 至 り、 而 も 亦 所 至 無 く 所 佳 な く、 本 よ り 從 來 す る 所 無 く、 去 て 亦 至 る 所 な し、 或 は 一 切 如 來 の 清 浮 の 性 大 日 経 の 十 喩 の 法 門 二 五