学 び の 総 合 化 を う な が す 学 校 カ リ キ ュ ラ ム の 開 発
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クロス圃カリキュラー圃アプローチの考えを基盤に
学 校 教 育 専 攻 総合学習開発コース
野 口 徹
1 研究の目的
2003年の学習指導要領一部改正によって、
各学校において全教育活動のバランスがとれ たカリキュラム開発を行っていくことが強く 望まれている。ここで間われているのは、子ど もが「主体的Jに様々な学びを相互に関連させ、
総合化していく「経験J
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履歴j としてのカリ キュラムと、このような学びを子どもにうなが すために教師が「主体的jに学校カリキュラム を開発する「計画Jr
実践Jとしてのカリキュ ラムとのバランスである。各 学 校 に は こ れ を 行 う た め の 力 量 と 方 略 が 求められるが、しかし、これらは、バランスの とれたカリキュラム開発を実際に成し遂げる ことからしか獲得することができない、という 大きなジレンマが存在している。その意味から も、学校カリキュラム開発には何等かのモデ、ル が必要となってくる。
そこで、学校カリキュラム開発における先達 としての歴史を有する、英国の「クロス・カリ キュラー・アプローチ」を基盤に置き、その日 本型展開及び拡張を図ることを検討していく。
そして、そこから得られた示唆により、今後の 学 校 現 場 に お け る 学 校 カ リ キ ュ ラ ム 開 発 に 有 効なモデルを提案する。
2 研究の方法
本研究の具体的な手頗と方法は以下の通り である。
指導教員 村 川 雅 弘
①カリキュラム開発に関する文献及び先行研 究から、バランスのとれたカリキュラムを開発 するための基本的な考え方をまとめ、学校カリ キュラムの構造化を図り、それを活用すること で具体的な開発手順を探る。
②英国と日本において取り組まれている、様々 なクロス・カリキュラー・アプローチによる実 践を調査分析し、学校カリキュラムの構造モデ ルの具体的な展開例をとりあげ、その有効性を 検証する。
3 バランスのとれた力リキュラム開発 バランスのとれたカリキュラムを学校が開 発するための方法論としては「工学的アプロー チJと「羅生門的アプローチjの二つが挙げら れている。さらに、カリキュラムには、その性 格によって区別される、様々な種類がある。こ れらは、これまでの歴史の中で背反するものと して捉えられてきたが、バランスのとれたカリ キュラムを開発するときには、むしろこれらを 目的に応じて組み合わせていくことが望まれ る。つまり、クロス・カリキュラー・アプロー チであるO
クロス・カリキュラー・アプローチに関して、
英国において開発された歴史的背景や理論、そ して実践例を分析した。それにより、このアプ ローチが子どもの社会的な発達を促すことを 目指し、様々なタイプのカリキュラムをバラン スよく組み合わせることを可能とするもので
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あることが明らかとなった。
そこで、このクロス・カリキュラー・アプロ ーチを、日本においても機能させるべく、モデ ノレイ乙を図った。
経 験 的 な カ リ キ ュ ラ ム と 教 科 的 な カ リ キ ュ ラムのバランス、教師の主導性と子どもの主体 性のバランス、これらを子どもの実態に適合さ せてカリキュラムを開発することから、この取 組が開始される。そのために、「学習課題と学 習形式のマトリクスJを用いることにする(図 表 1)。そこに期待する「子どもの姿J を記述
し、
していくのである。
さらに、学校カリキュラムを困層構造に区分 し、全校カリキュラム・学年カリキュラム・単 元カリキュラム・学習者カリキュラムと設定す る。これらは、それぞれの層において異なる役 割を果たすことが期待される。先の三層が教師 によって開発されるカリキュラムであり、最後 の 学 習 者 カ リ キ ュ ラ ム は 子 ど も の 学 習 履 歴 の カリキュラムである。これらをバランスよく配 置すすることから、日本型のクロス・カリキュ ラー・アプローチの実践が期待されることにな る(図表 2)。
4 ク ロ ス ー カ リ キ ュ ラ ー ・ ア プ ロ ー チ の ケーススタディ
日本におけるクロス・カリキュラー・アプロ
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図表 2 学校カリキュラムの四層構造 ーチによる実践例として、 3つの学校を対象と
して調査・分析を行った。その結果から、これ らの学校に共通する点が見えてきた。それは、
複数年に渡る学校カリキュラムの開発、教師の 主導性と子どもの主体性とのバランスの重視、
問 題 解 決 型 の 学 習 を 核 と し た カ リ キ ュ ラ ム 構 成、そして、学習者カリキュラムの特徴的な取 組である。特に、吉野町立吉野中学校の「仲吉 ノートJは、子ども自らが学びを意味付け紡ぎ 合わせる、「知の総合化jの実践であり、注目 に値する。これらの取組からも、クロス・カリ キュラー・アプローチの日本型モデルが機能す ることは十分に可能となる。
5 研史の成果と今後の課題
以上の研究から、クロス・カリキュラー・ア プローチが、日本でもカリキュラム開発に有効 であることが明らかである。課題としては、校 内及び地域に、開発したカリキュラムを蓄積・
管理する「カリキュラム・センターJを設置し、
そ れ を 基 盤 に し て 各 学 校 が カ リ キ ュ ラ ム 開 発 に取り組む体制の整備が挙げられる。それらが 十分に活用されていくことにより、教師の学び の総合化を促すことが期待されるからである。