宮城県製材企業の現況と問題点(1)
著者 仁昌寺 正一
雑誌名 東北学院大学論集. 経済学
号 83
ページ 71‑112
発行年 1980‑09‑30
URL http://id.nii.ac.jp/1204/00024460/
宮城県製材企業の現況と 間題点(1)
仁 昌 寺 正 -
号本班
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一 一
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富城県水産林業部林政課
「
製材エ
場実態調査結果」
(昭和53年) のはし
が き は 次 の よ う に述ぺて い る。 「
我が国の経済は,昭和48年のオイル'シ ョ ッ ク 以 降 低 迷 し , 依 然 として不況が続いておりますが,
昭和52年には本 県においても, 木材業界の大型企業を含む倒産企業が続出する等製材業の 経営内容は思化の傾向にあったので,
早急に製材エ
場の実態を把握して,その対応策を講じ, 製材業の振異を図る必要があるため
,
昭和53年度にお いて製材エ
場の実態調査を実施した」
と。
こ の よ う な 厳 し ぃ状況下に あ る 官城県の製材業をとりあげ,
それが高度成長時より今日まで如何なる変貌 を と げ て き た の か,
そして今日如何なる間題に直面しそれにどのような対 応策を講じようとしているのか等々を検討するのが本稿の観題である。
こ-
7 l-
l富城県製材企業の現況と間題点
t
1)うした課題はさしあたり
,
公表されている各種の統計資料の分析にもとめ ら れ る。
しかしまたこれらの統計資料のみでは当該業種の実態解明には限 界があると恩われる。
したがってさらに編密な調査が必要とされることは 当然である。
尚, 本稿では
,
)宮城県における製材業の特質を主として時系列的にク ローズ・
ア ッ プ す る。
(ロ)富城県の統計のみではその意義が明確にされない 場合には全国統計の中に位置づけることによって明きらかにする。 n
実態 把握に主眼をおき理論的考察については他日を期した い。
2 . 富城県製材企業の動向分析
一 統計資料を中心として 一一
(
l 、
製材業をめぐる需結動向① 製材品の需要動向
農林水産省
「
木材需給報告書」
によれば製材企業より出荷される製材品 は(イ)建築用材(板類,
ひき割類,
ひき角類), t
ロ»土木建設用材, l ' ' l
l木箱仕組板相包用材
, e
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節造船車両用材e '
,l
その他に大別される。
そしてこれらの全体に占める割合を昭和53年の富城県についてみると
,
) が87. 0 %
を占めている。
このように製材業界は住宅建設をはt
め と す る 建 設部門の動向に大きく左右される。
そこでまず総理府統計局に よ っ て 5 年 毎に実施されている
「
住宅統計調 査報告」
に よ り 昭 和 3 3-
53年の住宅増加率をみてみよう。
表一l に 示 さ れ て い る よ う に 昭 和 3 3-
48年では全国,
富 城 県 と も 1 0-
20%
の増加率を示 し て い る が 4 8
-
53年では(!)両 者 と も 5- 10 %
に 増 加 率 が 鈍 化 し て い ( ll
住宅増加率的化の原因について「
図説・
林業自書j (昭和53年) は「 一
つには
,
住宅戸数が48年には全都道府県において総世帯数を上回り, その絶対 量が一
応充足されたこと,
また, 居住水準についてもかなりの程度に改響さ れっ
つあること」
(37買)をあげている。
しかし, 確かに戸数的には「
l 世2
-
72-
宮城県製材企業の現況と間題点(l)
表一1 住宅総数の推移
単位: 戸
全 国 富 城 県
実 昭. 33
38 43 48 53
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303,000 338000
4()fi,710 492,400 535,400 数
前 回 比
33 38 43 48 5
:
i117.6 l 2 l .3 l21.4 l04.4
l l l . 6 120.3 l 2 l . l l08.7 資料'総理府統計局「住宅統計調査報告
」
よ り 作 成る
。
次 に 表 一 2に よ って用途別製材品の出荷量を宮城県について時系列的 に み て み よ う。
大宗を占めている建築用材は,
昭和40年400千lfi
(指数基 準100) が45年では609千m
(150.3) と伸び, 46年では若干落ち込んだも のの48年にはす«,596千m' (149.0) に ま で 回 復 し て ぃ る。
しかし49年以降 は減少状態の中で一
年 ご と に 小 幅 の 增 減 を 繰 り 返 し て い る。
出荷量合計の 40-
5 3 年 に お け る 動 き も 建 築 用 材 の こ う し た 動 き と ほ ほ 同 様 で あ る。
と こ ろ で 表一
2 に は も う一
つ 特 徴 的 な 動 き が あ ら わ れ て ぃ る。
(イ)の全体に占め る 割 合 は そ の 絶 対 量 が 減 少 し て ぃ る 年 度 に お い て も 增 大 し て い る。
こ れ は, 他の製材品出荷量の落ち込みの激しさを示している。
代替品の進出が 原 因 で あ る。
例えば('
、;l
l木箱仕組板梱包用材につ
い て ぃ う な ら ば,
木箱から ダ ン ポール箱へ
と い う よ う に 素 材 転 換 が す す ん で き た の で あ る。
表 一 3 で (前ページ注(1)の続き) 帯1住宅」 が 達 成 さ れ た と い っ て も , わが国住宅が 他 国 よ り「
ウサギ小屋」 と 評 さ れ る ほ ど 狭 く ,一
般に動務地より違隔な場所に存在し, かつ聯入費が平均的サラリーマンの年収の4
-
5倍と高額である等の事情からすれば, 短絡的に上述の如き結論を導出することには疑間があ る
。
住宅增加率鈍化の最大の原因はやはり「
安定成長経済への移行の中で, 従来のような高い所得の伸びが期待できないこと等住宅建設に慎重な態度が み ら れ る こ と」 ( 前 掲 書 , 3 7 頁 ) に よ る の で あ ろ う 。-
7 3-
3富城県製材企業の現况と間題点
t
l ) 表一 2
用途別製材品の出荷量の推移(富城県)」
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富城県製材企業の現況と間題点
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3 代普材生産量の推移(東北6県) 段 ポ-
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,
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仙台通産局統計課み る よ う に段ポールに限れば昭和40
-
5 3 年 ( 東 北 6 県 ) で約7倍にも達し て お り,
しかもオイル・
ショックの影響を短期間のうちに克服し増大を続 け て い る。
もちろん巨視的にみればこうした代替品の浸透は(ロ開の分野 のみでなされているのではなく「
住宅建設資材については,
価格面での有 利性,
機能性,
施エ
面での合理性,
セ メ ン ト,
石管,
ア ル ミ ニ ウ ム,
鉄等 の代替材の進出が顯著になって因」 ぃ
る こ と が一
般的超勢である。
表一
4は建築着工面積の視点からそうした素材転換の状況を富城県についてみた ものである
。
昭和45年には木造建築2,102,
407㎡,
非木造建築l,681,390
㎡表
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(2)
a
林統計協会「
図説・
林業自書」
(昭和53年度版),48買。
-
75-
5富城県製材企業の現況と間題点ll)
であり木造率55.0
%
と い う 状 態 に あ っ た が,
昭和48年にはこの位置が逆転 し, 木造建築3,029,497㎡, 非木造建築3,626,257㎡となり木造率45.5%
とい う 状 態 に な っ た(3)
。
こ う し た 建 築 分 野における木造率の相対的減少に も かかわらずさきの(イ)建築用材は(ロ)(ノ畑に比して比較的堅実な動きを示して い る。
それは40-
48年についていえば専ら旺盛な住宅需要の増大という要 因 に よ る の で あ り , 49年以降についていえば国民の「
木への志向」
の再興 に も と め ら れ よ う(41。
今後どの程度までこうした代替品の木造分野への進 出 が な さ れ る か は 景 気 , 建築様式, 建 設 技 術 等 と の 関 連 も あ り 今 の と こ ろ 予測不可能であるl51。
さて
,
製材品に対 す る 需 要 動 向 を み る う え で さ ら に 看 過 で き な ぃ の は,
近年における海外からの製材品輪入の增大傾向である。
表 一 5 は 宮 城 県 のl31 全国の場合もみておこう (付表一1)
。
昭和40-
48年をみると, 木造建築は絶対量では約3倍になっている
。
しかし全体に占める割合では40年47.9% , 48年36.4%
と大幅に減少している。
逆に同期間の非木造建築の構成比をみる と.
鉄筋コンクリート は ほ ぼ現状維持傾向を保つて い る も の の , 鉄 筋コンク リート造40年5.7% -
53年10.4%
, 鉄骨造41年20.2%-
48年29.9%
と 大 き く增大している
。
昭和53年における木造率は45.2%である。
尚 , 富城県の場合,
昭和53年の木造率は:o8. 0 % で あ る か ら , この点では全国の場合と大きく異なっている。
(4) 林野庁『林業の動向に関する年次報告』 (昭和52年)は次のように述べて いる。 「近年, 住宅建築を中心に木造率の低下が進む中にあって代替材の進 出 が 顯 著 に な っ て い る が , 他 方 , 最 近 に お い て は , 木 造 住 宅 , 木 製 の 家 具
・
国度品のも
っ
良さが再認識される傾向がでてきている」
(23頁) と 。 (5) ここでは具体的にとりあげないが, さらに大きな問題は今後住宅建設分野で大々的な新建材の使用が予定されているということである。 例えl;
f
身近な も の と し て は ツー・バイ・フ ォ一工法やハウス55号計画などである。 前 者 は 北アメリカにおいて百年もの伝統をもち木造系建築の9O%を占めている工法 で.
厚 さ 2 イ ン チ , 幅 4 イ ン チ の 新 建 材 を 組 み 立 て て い く と こ ろ か ら そ う 呼 ばれている。 その画期的工法は世界でも定評のあるところである。 後者は数 年 前 よ り 建 設 , 通 産 両 省 が セ ン ト ラ ル ヒーテ ィ ン グ 付 き 延 べ 面 積 l 0 0 平 方 メ ートルのプレハプ住宅をS00万円台の価格で提供しょ うと推進している計画 で あ り , 開始目標年度が昭和55年であったところからそのように名付けられ たのである。この計画は建築用材に木質系代替材(合板.
観維板.
削片等)及び非木質系代替材(鉄
.
ア ル ミ ニ ウ ム , セ メ ン ト 等 ) を 使 用 す る こ と に な っている。 この計画はマスコミを通じて徐々
に国民に浸透しはじめていると ころから今後, 従来の製材品需要構造に大きな影響を与えることは間違いな い だ ろ う 。-
76-
l
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表
一5
外材輪入量の
推移C
言城:
環l.
)富城県製材企業の現況と間題点
a
)外材輪入量を年次別に み た も の で あ る
。
これをみると昭和48年から始まっ た製材品の輸入は,
48年84,333ni(指数100),53年l35,412 ni ( l 6 l ) と な
っており5年間で急激に増大している。
その内訳をみると常時全体の9割 以上を占め,
系統的に輸入されているのはアメリカの製材品である。
南洋 からの製材品は未だ断続的な輪入状態に あ り し か も 量 的 に 統一
されていない
。
製材品の輸入増大理由は後述するとして,
今後もこうした製材品の輸 入増加傾向は続< と 考 え ら れ る。
したがって富城県の製材企業にとっては 製材品販売市場における競争の一
居の激化が予想される。
も ち ろ ん こ う し たt a
向 は全国的にも全く同様である。
② 製材用素材の供結状況
次に製材企業に対する素材の供結状況をみよ う
。
素材の供給には国内か ら の も の と 海 外 か ら の も の と が あ る。
今日,
前者の場合には自然制約性か らくる木材費源の不足によって,
後者の場合には対日木材輸出国における 木材輪出の制限によって,
それぞれ先行不安な状態に 置 か れ て い る。
以下 ではこうした事態に至るまでの過程を考察する。
そ の さ い,
全国,
富城県 とも共通の間題に 直 面 し て い る と 思 わ れ る こ と,
また富城県における当該 間題に関する資料的制約のあること等により,
ここでは全国の動向を中心 に み,
その中で富城県の動向を把握する。
わが国における戦後の木材需給 の変選を林野庁「
林業の動向に関する年次報告」
(昭和52年)は次のよう に要約している。 「
①国産材によって iば自給が可能であった35年までの 戦後の復異・
発展期,
②增大する木材需要に対応して次第に外材が供始の 主流を占めるようになる36年から48年までの高度経済成長の時期, ③木材 需結が不足基調から緩和基調に変わった49
年から今日までの減速経済の時 期 の 3 期」
(17買)。
このなかで,
①と②を区分するメルクマールが外材 輪入量の增大に買 か れ て い る こ と に注意すべきである (その状況は付表一
2参照)
。
このように増大した外材は,
それまで国産材の補完材としての 性格しかもちえなかったが,
その後加速度的に増大した。
そして40年代半8
-
'l8-
富城県製材企業の現况と間題点
a
)ばには製材用素材の入荷量において国産材を凌ぐに
至
つ た。
全国的には昭 和45年に,
富城県においては46年にそうした逆転が行われた。
用途におい ても35年頃までは主として加工貿易のための合板用ラワン材が中心であっ た が,
それ以降は製材用にも利用され建築用材など各種用途に浸透するに至
つた。
表一
6は昭和53年における富城県製材企業の用途別出荷量をみた ものである。
これによれば外材は建築用で大半を占め,
その他の分野でも 満通なく利用されている。
表
一
6 富城集における用途別製材品出荷量 (用和53
年)●lt:「・n1
x
ll a ●,
l■最a3 n0●l :ts本m用●l63 *二 4 l ll 7●ol:o alll l1 l t ;l lll,̲
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l l 川・
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'
9 1 lg
t 1 0 l00 a l l l l 21 !00 6 !00 0no
ではB召和40年代に国産材に比して外材がかく も急激に進出した理由は何 で あ ろ う か
。
第一
に国産材に比して価格が低廉であったこと,
その他大径 木が多く品質において均一
性を有するという外材それ自体に付随する優位 性, 大 量 入 荷 が 可 能 で あ る と い う 取 引 上 の メ リ ッ ト 等 が 指 摘 さ れ るlo' 。
表-
7 の l lll2)によって木材価格の推移をみよう。
昭和40年をl00とすれば45 年には国産原木147.
l で あ る の に対し輪入原木l28.
l,
45年をl00とすれば 49年には国産原木l67.
2に対し輸入原木l55.
2 と な っ て い る。
転じて,
国産 材価格の高購原因は何であろうか。
それは木材需要に比してのわが国木材 資源の不足である。
周知の如くわが国においては第2次世界大戦中の過 伐・
乱伐により表林が療弊し,しかも戦後においては「
木材需要が増大の傾l61 もちろん外材
t
命入増大の背景には貿易の自由化等政策的推進力もあった。
戦後における外輪入増大原因の詳細な分析については, 野村勇
「
外材の●a
入事情と間題点
」
( 宏 林 タ イ ム ス 社 ) 6 2 66買参照 。
.-
79-
9富城県製材企業の現況と間題点(1) 表
一 7
木 材 卸 売 価 構 指 数 ( 全 国 )( l ) 昭和40
-
・l!i年 Im.
40=l00房年平均 木・
t
l ・同a
品総合 報 t,l 製 t l 加 工 木 材合転 類 本 製 品国産原木 ll入原本 略
.
4 l;・2 43 44 l5
1ll8
.
0 l10.2 1 l l.
7 l05.1 l08.7 108.
8 1B.5 l02・3 l2(' .
7 129.
3 l 3 3.
5 ll・l.8 12i.
l l09.
l 105.
8 106.5l23.4 l38
.
9 1・l4.
8 1lS.8 132.9 l09.
0 103.
8 113.
5 132. l 4 l.
2 1.l6.7 1':1'2.
6 136.
8 l09.
8 l04.
5 124.
2 l38.5 l.l2.
8 1.l7.1 128.
l 138.
9 12l.4 l l 8 ・ l 140・0 資料:農体省械計對能部 「 ポ ケ ッ ト農林水産続針一
l972- .
◆(2) 昭和・l5
-
・l9年 略.40=100解年平均 製材・木
製品総合
林 産 物 ( 報ti) 加
エ
板 材合 低 類
家 長 ・
建 異
製 村
国産原木
l
始入原木路
.
46・11i 48 49
97
.
4 95.
3 95.
1 98.
2 97.
4 87.9 85.
5 102.
7108
.
3 96.
9 102.
3 96.2 l l 8.
7 90.
5 88.
8 l07.
4 l56.
1 1・l0.
8 la .
4 l・l 3.9 168.
5 l46.
l l45.
5 153.
2 164.
8 16l.
5 167.
2 l55.
2 159.
7 l44.
2 138.
3 184.
0l3) l解和・l8
一
體年 昭.
的=
l00」lll 次 ( le 均 )
製 l l ・ 本 製品
e
合:lll; 産 物C
fiM 、
製 M 加
ェ
板 材合 板
a
家 具 ・
a
異 国i九太a
0入丸太llH「i..l8
・l9 :i0 1lil 1ll2
l02.0
- - - - - - -
l07.7
- - - - - - -
100
.
0 100.0 100.0 llll0.0 100.0 1l)l l.0 l l:l0.0 l00.
0 10.e
1 l、 .
l 0.l.
9 l l 8.
5 l l l.
6 l l 2.
0 l l 2.
9 l03.
3l l 2
.
l l0 9.
5 10:1: .
・l l l・.o 1 l 3.
ll; l l 8.
7 l l 9.
9 1 l l.
6 資科:民体本産省構計fl;
報,
lill 「 ポ ケ ッ トa
体水産u
計一
l 9,
9一
」l 0
-
80-
富城県製材企業の現況と間題点
a
)向を示すに
至
つてから造林が急速に進展した事情にあり,
伐期に達し た立 木が皆無に等しかったl7)」 。
通常,原生林は別として,
人エ
林は植林され 利用可能な材木として伐採されるまでには最低数十年を必要とする9l。
つ まり4Q年代には戦後に植林された樹木も未だ利用可能な状態に は な か っ た のである。
表一
8は所有山林形態別にみた昭和42-
53年の全国及び富城県表
一
8 所有山林形m
別案材生産量単位・・千
n f
計 国
・
公 有 林 私 有 林全 国 富 城 県 全 国 富 城 県 全 国 富 城 県 実
萎
5 l , 8 l 345,35l 4l,584 38,8「'4 32,145
'
1
l84 807 801 713 59016,977 l7,97l l5,15l l8,494 l 4,093
3 l l 264 277 232 280
34,836 27,380 26,433
20,380
l8,052473 543 524 48l 3 l 0 数
構 成 比
42 45 48 49 53
l00
.
0 l00.0 l00.
0 l00.0 l00.0l00
.
0 l00.
0 l00.
0 l00.
0 l00.
032
.
8 39.
6 36.
4 47.6 43.
839
.
7 32.
7 34.
9 32. 5 47.
667
.
2的. 4 63
.
6 52.
4 56.
26 0 3 67
.
3 65.
4 67. 5 52.
5 対42 年 比
42 45 48 49 53
l00.0 87.5 80
.
2 75.
0 62.
0l00
.
0 l02.9 102.l 9 l . l 75.3100
.
0 105.9 89.2 l09.
0 83.0l00
.
0 84.
9 89.
1「'4
.
69 0 0
業
114.8110.810ll0065.5.
. 70資料
:
農林水産省統計情報部「
木材需始報告書」 ょ
り作成 (7) 林野庁『林政20年史一
戦後林政の歩み」 , 2 l-
22買(8) 参考までに仙台
・
白石両営林9
管lB
地域の標準伐期t a
lをみると次のように なっている。 樹 種 伐期a
合(年)ス ギ S0 ヒ ノ キ 60 アカマツ 45
カラマツ 40
プナ
・
広 l00 ナ ラ・
広 30 費料:
仙 台 解 響-
8 l-
li
富城県製材企業の現況と間題点
a
)における素材生産量である
。
生産量全体の推移をみると,
富城県の場合,
42
-
48年には若干ではあるが増大している。
しかし不況の浸透した49年以 降は急激な減少傾向に転じている。
53年の生産量590千ni
は42年の生産量 784千n
i を 大 き く 下 回 る も の で あ り,
42年の数値をl00とすれば53年のそれ は75.
3である。
このように長期的にみるとここ10年間では素材生産量が大 幅に減少しているl9)。
所有山林形態別に み る と,
国・
公有林に比して私有 林の減少度が大きい。
この一
理由としては,
民間山林所有者が木材需要急 増期に価格上昇によるョ
リ大きな利ざやの獲得を日論で木材販売を手控え た こ と も あ げ ら れ る。
さて以上のように国産材と外材の価格差を時系列的にみると
,
昭和50年 以 降 に さ ら に注日すべき状況があらわれている。
表一
7の(3)に示されてい る よ う に50年をl00とすれば5l年には国産材104. 9,
外 材 ll8 . 5,
52年には 国産材l03.
4,
外材1l5.
5 と な っ て い る。
すなわち40-
49年の状況とは反対に外材が国産材に比して急激な価格上昇傾向を辿つているol
' 。
い う ま で も なくこの現象は不況による木材需要の減少の中で生じている。
したがって 外材価格上昇の原因をわが国の国内事情にもとめることができない。
では 如何なる対外的要因によるのか。 「 一 一
近年木材輸出国において資源制 約,
環境保發資源ナショナリズムの台頭等輸出制約要因が強まっており,
最近の輪入価格の動向に反映されているように
,
将来の外材供給について は必ずしも楽観を許せない情勢にあるoo。」 昭和54年版の『経済白書』は こ の よ う に述べている。
表一
9は対日木材輪出の制限内容をみたものであ る が,
こ れ を み る と こ こ 4-
5年の間にとくに東南アジア語国において輪 l9l 全国の場合はこの特徴がもっと明確に示される。
すなわち, 42年5l,8l3千nf
(指数l00),53年32, l45千n
f ( 6 2. 0)
と約l0年間で19,668千nf.
3 8 % も減少している
。
しかもこの減少l a
向は途中年度の景気浮沈に全く左右されて いない。
所有山林形態別にみると,
この場合も国・
公有林に比して私有林の 減少割合が大きく,42-
53年で半減している。
00
費料にはあらわされていないが,53年54年もこうした状態が続いている。
林野庁
「
林業自容」 6順参照。
(l
0
経済企国庁「
経済自書」
(l昭和54年度版),
l0
7買。
l 2
-
82-
l
83l
l3表一9 主要国の木材輪出規制の概要 国 名 対 象 地 域 制 限 内 容
丸太の州外・国外 への移輪出禁止
施行時期 対 象 範 囲 等
米 国 アラスカ州有林 連邦有林
l926年 森林局管理連邦有林の場合, 8 イ ンチ以下の角材等l;【対象外。
土地管理局連邦有林及び州有林の場合, l2インチ厚以下のキャ ンツ及び四面加工キャンツは対象外。
オレゴン州有林 部有林・市有林
丸太の輪出禁止 1961年
一
次段階に加工されれlli1
対象外, 丸太の場合も需給バラ ン ス に よる例外規定つき。西経100度以西 の連邦有林
丸太
;
i1
(
私在
出禁止灘案
止
)
l973年 ワ イ ア ッ ト ハ ン セ ン 法
8
j
イ ン チ 以 下 の キ ャ ン ツ , 角材は対象外 カ ナ ダ BC州全域 丸太及び半製品の州外への輪移出禁止 1906年 州政府が余剰材と認めれば対象外 フ イ リ ピン 全 域 天然資源省長官の
許可なく丸太輪出 禁止
1976年 天然資源省長官は, 木材加工工場を所有
.
あるいは所有計画を持つなど
一
定条件をそなえた木材ライセンス所有者に対し, 総量で許容伐採量の25%を越えなぃ範囲で丸太輪出を許可するこ と が で き る 。
マレー シ ア 西マレー シ ア 丸太の輪出禁止 従来から主要1l樹組について丸太輪出を全面禁止していたが,
l 9 7 6 年 9 月 l 日 よ り , 他 樹 組 につ い て も ll5インチを越える丸太 は輪出が禁止された。
プ ラ ジ ル l 全 域 l丸太の輪出禁止 l
1
厚さ78mm以下の製材,一
部のt
Si
爾は対象外タ イ 全 域 原料木材の輪出禁
止 l977年 個人の私用に供し,または商品見本として使用するための輪出
する場合は対象外 イ ン ド ネ シ
ア 全 域 唐木類の原木輪出
禁止 l978年 唐木類 ( フ ァ ン シー ウ ッ ド) 17品目のうちチーク等l6品目につ い て は l 9 7 8 年 1 月 か ら , エ ポ ニー に つ い て は 1 9 7 9 年 2 月 l 日 か ら輪出禁止
資料:林野庁
「
木材需始と木材工業の現況」 (昭和5:;年版), 24-
25頁富城県製材企業の現況と間題点
a
) 国一
l ウニアハウザ一
杜の
日本向け
ll
出価格資料
:
長谷川義正「
木材工業の動向と経済的枠組 ( そ の 2 )」
(
「
和光経済」
第 的 管 第 l 号 ) l O2買
出規制が強化されている
。
また図一
1はアメリカ最大の木材独占ウエアハ ウ ザ一
社の昭和48-
54年の対日木材価格であるがo,
5l年以降当該社が価 格つり上げ方針に転じていることは一
日ll開然であるoo 。
尚,
さきにみた製材品輪入増大の傾向も
,
木材資源の有効利用をはかろうとする対日輸出国 の政策のあらわれである。
対日木材輸出国にみられるこうした動きは近年 の世界情勢よりみて強まることはあれ弱まることは決してない。 「
資源ナ ショ.ナりズム」 一
すでに木材需要の約7
10 %
を海外に依存するに至
つた現 状において, このことばの意味を現実的に認識する必要に迫られている。
これらの間題がわが国東北地方に位置する官城県にもそのままあてはまる こ と は く り 返 す ま で も な い
。
0 a 「
ウェ
ア ハ ウ ザ一
社の売値は米国内だけでなく世界の木材相場の指標とな るといわれる。」
長谷川義正「木材エ
業の動向と経済的特組(その2)」
(「和 光経済」
第 l 3 書 第 l 号 ) l 0 2 買。
的 野村勇氏は昭和49年以降の動向にふれ次のように述べている
。 「
米材につ
いてみると積極的な意味をもっての費源戦略の探用の高まりがみえてきてい る と い え る。 」 「
中東の頭在的な石油戦略の断行によって, ア メ リ カ は 今 後 パスポートを得た形で大手を振つて暗資源について時に応じて費源戦略を探 用していくものと考えられる。」
(「
新外材號本」,林業新聞社,49項) 14-
84-
富城県製材企業の現況と間題点
t
l )(
2
) 製 材 企 集の企集規複動向まず現在の富城県製材企業の規模を全国との比較においてみ
,
その特徴 を 明 き ら か に す る。
表
一
l 0によって富城県の製材企業数を従業員規模別に区分してみると,
昭和53年には4人以下の製材企業が全体の40
. 6 %
(480企業中195企業), 5 -
9人の企業が32. 9 %
(158企業) を占めている。
つまり9人以下の企業が全体の73
. 5 %
を占めている。
50人以上の企業はわずか0.
4%
( 2 企 業) に す ぎ な い。
全国の場合,
53年の数値をみると,
22,7l8製材企業が存 在 し て お り,
その中で従業員4人以下の企業= 36 . 5 % (8,
288企業), 5
-
9人の企業= 3 l .
8%
(7,5l2企業) と な っ て お り,
全体の構成比率から み る と9人以下の企業が68.
3%
を占めている。
つまり従業員規模別にみる か ざ り,
全国的にも中小・
零細性の強い製材業界にあって富城県の製材企 業の規模はなおそうした水準を大きく下回つ ているのである。
次に表一
l 1によってそうした製材企業の企業規模を製材用動力の出力階
1 9 別
に区分し て み よ う。
昭和53年には富城県の場合480企業中l47企業(30. 6 %
) が 7. 5 -
22 .
5km末満用,に,
ll6企業(24.
2%
) が 2 2. 5 -
37.
5kw未満居に用しており,
全体の54
. 8 %
が37.
5kw未満に属している。
最上居の150O
kw以上届に届 する企業は27企業で全体の5.
6%
で あ る。
全国の場合, 7 .
5-
22.
5kw未満属1の製材企業が22,794企業中5,077企業で
,
全体の22.
3%
で あ る。
ま た 2 2.
5- 37 .
5km
未満用,の企業は5,302企業で23 .
3%
を占めている。
こ こ で も 従 業 員規模別区分の場合と同標,
富城県における製材企業の零細性が浮きば り に さ れ て い る。
と こ ろ で 従 来 よ り
「
わが国において製材業は中小企業の代表的なものoo」と 定 評 の あ る と こ ろ で あ り
,
昭和38年には周知の如く中小企業近代化促進的
a
林省「
戦後a
林統計史」第 3 き , 634買。
-
85-
15