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学位論文題名 工nfluences of Land Use and Water Management onWater Balance anduality in the Shinotsu Canal Watershed

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Academic year: 2021

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博 士 ( 農 学 ) モ ノ ヽ メ ド カ ム ラ ル ハ ッ サ ン

     学位論文題名

     工 nfluences of Land Use and Water Management on Water Balance anduality in the Shinotsu Canal Watershed

(篠津運河流域における土地利用と水管理が運河の      水収支と水質に及ぼす影響)

学 位論文内 容の要旨

本研 究は 、(1) 石狩 川 下流 左岸 にひ ろが る 篠津 運河流域の土地利用と 運河の水質特陸、(2) 水利 シス テム の 角編 缶讃 調水 路 のパ イプ ライ ン化 )に伴う灌漑期間にお ける運河上下流ブロツ クの水収支と水質およぴ 負荷収支の関係、(3)運河 ヒ下流域の排水が運河の水質に及ばす影響、

(4)農 業用 水の 反復 利 用による運河水質へ の影響、などを検討し、畑地 転換が進んだ水田農業 地域の水質環境問題を明 らかにすることを目的とし たものである。

  篠津運河流域は、面積 が10,864ヘクターッレであ り、地目が水田、畑地、森林、その他からな る農業地帯である 。流域全体を10に区分し、 そ加ぞゎ,の面積や土地利用 を把握して分析に供し た 。 運河 の上 流 から 下流 にか けて 水 質測 定点 を11カ 所(Pl〜11) 設定 し、2006年5月か ら2009 年4月 に か け て サ ン プ ル を 採 取し た 。こ こでP1は 、 運河 への 流入 水、 す なわ ち石 狩川 佑狩 川 頭 首 工 地 点 ) の 河 川 水 質 を 表 す もの とみ な せる 。ま たP2からP11は、 そ れぞ れの 集水 域( # 流域面積)からの流出水 の影響を受けた水質を表す 地点である。得られたサンフシレを5つの期間 に区 分し ,季 節 的特 徴を 検証した。す栓わち 、5月の代掻き・移植期(PP)、6月〜8月中旬の普 通灌漑期(NIP)、8月中 旬〜11月中旬の無灌漑期(PIP)、11月中旬〜3月の積雪期(SCP)、そし て4月 の 融雪 期(SMP)で ある 。各 期 間に おけ るサ ン プリ ング 回数 は、PPで10回、NIPとPIPで 各 11回 、SCPで9回 、SMPで 8回 で あ る 。 分 析 し た 水 質 項 目 はNとP、SSで あ る 。   10区分 面積 が 最少 のP9を除くと、水質濃度 は―聞嬲(I点ほど高い傾向 を示した。また、篠津 運河 の水 質の 季 節的 特陸 は、SS.TN.TP濃度 のい ず れも がPPで最 も高 い 値を示し、NIPにおい て最も低い(ただしSCPのSS以外)。PPにおいては、 代掻きのため水使用量が灌漑期間中最大で、

かつ移植に際して 化学肥料が施用される。そ の結果、水田水は高い水質濃 度を呈し、表面および 地下を経由して汚 濁物質が運河に排出される ことになる。N03ーN濃度はSMPで最も高く、NIPに韜 いて最も低い結果 となった。これは、この期 間以前に施用きれた肥料の余 剰成分が融雪水ととも に浸 透し て地 下 排水 ナる ことによると考えら れる。またNHf・N濃度はSCPにおいて最も高い結果 を示したが、これf翻責 雪による農地嚠覆により還元状態に韜かれ、積雪下.層の融雪水の流出によ ってNHrNが排出する影響 と考えられる。

  各 観 測 点 の 集 水 域 に 関 す る 積 算水 田面 積 叫) と積 算畑 地面 積 (AUA) は、PPとNIPの2期 間 にお いてSS濃 度 と有 意な 相関 性 が認 めら れた 。他 の期間では相関性が低 いことから、これらの 期間 にお ける 活 発な 栽培 管理 に よる もの であ ると 判断される。TP濃度はSSと同様な傾向を示す

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(2)

一 方、TN濃度 はSMP、PIPに 船 いてAUAと高い 相関性を示し、APAとも相関 することが示された。

ま た、PP、SCPに おけ るTN濃度 とAPAの 関係 に も有 意な 関係 が認 められた が、NIPにおいてはこ う した 関 係は 認め られ詮かった。NIPのTN濃度 が他の期間に比べて低いの は、イネの生長時期に あって は日巴料成分の吸収が旺盛 なためと考えられる。見方を変えると、TN濃度は水田に対する施 肥 と代 掻 きに 左右 され るこ と を示 して いる 。 他の 期間 よりSMPにおいてTN濃度が高いのは、融 雪水の 浸入・浸透が余剰N成分を随 伴するからである。

  篠 津 運 河 流 曦 に 土 地利 用 の異 なる2つ の排 水ブ ロッ ク(TDBとMDB)を 設 定し 、2003〜2008年 の5月 と6月を 対象 とし た水 質 環境 調査 を実 施 した 。2ブ ロ ック のう ち、 ヒ 流側 のTDBは 水田優 勢 の土 地 利用 、下 流側のMDBは畑地優勢の土地 利用状況にある。また、こ の期間において農業水 利シス テムは開水路か`ら管水路に改編が進められた。水田取水と排7kの差分で表す冰収支は、TDB よ りNDBの ほう が 大き いこ とが 分か っ た。こ れは、MDBは域内の多くが畑 地で、かつ水田と畑地 が分散 状態にあるため、水田用水 の浸透や浸潤によって損失す ることが原因と考えられる。排水 のTN、TP濃度が′I、DBよりMDBで 高いのは、畑地より水田から の負荷流出が小さいためである。

ま た、5月 の水 質 濃度 が普 通灌 漑期 の6月より 高いのは、代掻き・移植作 業の影響によるもので あ る。TN、TPの差 し引き負荷は、MDBより1DBで小さいf直となった。この 結果は、水田主体のブ ロック のほうが汚濁成分の流出を 抑制することを示している。

  1、DBとMDBの比較検討結果をさ らに検証するため、運河上下 流域における小規模な排水路を対 象 とし 、2009年と2010年の 灌 漑期 間中 に小 排 水路 (ヒ 流域 で5カ所 、下 流 域で7カ所 お よび排 水 路合 流 点の 運河7カ 所) で水 質調 査 を実施 した。その結果、水質濃度は6月が相対的に低く、

5月は 別に して7月 、8月に ヒ昇 する こ とが 分か った 。7月中 旬に は追肥が 行われること、8月上 旬 には 中 干し にと もな って 水 田か らSSや栄養 塩が流出することが影響し たものと考えられる。

また、6月に相対1的に低濃度とな るのは、イネの生長による養 分吸収が影響していると推測され る。上 下流のいずれにおいても、 排水路の水質濃度は合流点の 運河水質濃度より高く、また変動 も大き かった。排水支配面積が大 きな―F流域にあっては、水 質濃度およぴ変動が上流より大きか っ たす な わち 、下 流曦 は農 地 面積 およ び転作 諛地面積、農業用水量、施 肥量が大きいため、水 質への 影響も相応に大きなものと なると考えられる。

  Plの 水 質は 石狩 川ぼ爾リ‖頭首工地点)の 水質を表し、P11の水質は反 復潅漑の結果としての 篠 津運 河 水質 を表 している。そして、P11の水 質は石狩川下流に影響を与 えるものである。上流 から下 流にかけての運河水質を検 討したところ、NIPを除く全 期間において下流ほど冫K質濃度は 高 く、NIPではN成 分濃 度が 最 も低 いこ とを 確 かめ たと くにPPで は 、代 掻き のた め篠 津 運河の SS濃度 が高く、また反復瀧漑のた め運河下流ほど濃度は高い。 この地域の下流部は畑地害恰が高 く 、ま た 排水 受益 面積も大きいため栄養塩類 の流出も大きなものとなる。 最下流点であるP11の 水質濃 度がほとんどの期間を通じ て高い値を示したことは、運 河錺減内の土地利用と水管理が反 映して いると判断される。したが って、農業にかかわる水土利 用、季節的条件、施肥、そして水 管理が 篠津運河の水環境、ひいて は石狩川下流域の水環境に影 響を及ばしていることが明らかに なった 。

  本研 究を通じて、篠津運河流域 における灌漑用水の反復利用 と農地利用状況は運河の水環境に 影響を 及ぼし、水質を劣化させる ことが明らかになった。水田 用水の反復利用は水質を浄化する とされ るが、調査対象地域では下 流ほど栄養塩濃度が増大した 。しかし、かりに農業用水の反復 利 用が な けれ ば濃 度は もっ と 高く なる ものと 考えられる。いずれにしろ 、水田はNとP負荷発生 の面源 となりうるものであり、水 系の水質環境に寄与する存在 であることから、水管理を通じて 排水に 含まれる栄養成分を削減す ることを検討する必要がある 。たとえば、灌漑用水量の合理的

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(3)

最小化、降雨の有効利用強化、水田落ち口の構造改良、表面排水の抑制、などによって表面排水 量を減少させることは、下流域の水質環境を改善することにっながるものと期待される。

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(4)

学 位 論 文 審 査の 要 旨 主 査    教 授    長 澤 徹 明 副 査    教 授    波 多野隆 介 副 査    助 教    山 本 忠 男

     学位論文題名

    Influences of Land Use and Water Management on Water Balance and Quality in the Shinotsu Canal Watershed      ( 篠 津 運 河 流 域 に お け る 土 地 利 用と 水 管 理 が運 河 の      水収支と水質に及ぼす影響)

本研究は、(1)石狩川―阿に左岸にひろ がる篠津運河流域の土地利用 と運河の水質特性、(2) 水 利シ ステ ムの 再 編に 伴う 灌漑 期間 に おける運河上下流ブ ロックの水収支と水質および 負荷収 支の関係、(3)農地排水が運河の水質に 及ぼす:影響、(4)農業用水の反復利用による運河水質 への影響、な どを検討し、畑地転換が進ん だ水田農業地或の水質環境 問題を明らかにすることを 目的としたも のである。

  篠津 運河 流曦 は、面積が10,864ヘクタールの農業地帯で ある。流域全体を10に区分し 、それ ぞ れの 面積 や土 地 利用 を把 握し て分 析 に供した。運河の上 流から下流にかけて水質測定 点を11 カ 所(Pl〜Pll)設定 し、2006年5月か ら2009年4月に かけ てサ ンフ シレを採取した。得ら れたサ ン フン レを5月 の代 掻き ・移 植 期(PP)、6月 〜8月中 旬の 普通 灌漑 期(NIP)、8月中 旬〜n月 中旬 の 無 灌 漑 期(PIP)、11月 中 旬 〜3月 の 積 雪 期(SCP)、 そ し て4月 の 融 雪 期(SMP)の5期 間 に 区 分 し, 季節 的特 徴 を検 証し た。 分析 し た水質項目N、P、SS濃度は、下流観測点ほど高い 傾向を 示 した 。ま た、 篠津運河の水質 の季節的特性は、概ねPPで最 も高い値を示し、NIPにおい て最も 低 かっ た( ただ しSCPのSS以外) 。PPにおいては、代掻きの ため水使用量が灌漑期間中最 大で、

かつ移植に際 して化学肥料が施用される結 果、水田水は高い水質濃度 を呈し、表面および地下を 経由して汚濁 物質が運河に排出される。一 方N03・.N濃度はSMPで最も 高く、NIPにおいて最も低 い結果となっ た。これは、この期間以前に 施用された肥料の余乗峨分 が融雪水とともに浸透して 地下排水する ことによると考えられる。ま たNH4・.N濃度はSCPにおいて最も高い結果を示し、積 雪下層の融雪 水の流出によってNH4―Nが排 出する影響と考えられた。

  各 観 測 点 の 集 水 域 に 関 す る 積 算 水 田 面 積(APA)と積 算畑 地面 積(AUA)は 、PPとNIPの2期間 に おい てSS濃度 と 有意 な相 関性 が認 め られた。他の期間で は相関性が低いことから、こ れらの 期 間に おけ る活 発な栽培管理に よるものであると判断された 。また、PP、SCPにおけるTN濃度と APAの関 係 にも 有意 な関 係が 認 めら れた が、NIPにおいては こうした関係は認められなか った。

NIPのTN濃 度が 他の期間に比べて 低いのは、イネの生長時期 にあっては肥料成分の吸収が 旺盛な ためと考えら れる。

    ―1395ー

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  篠 津 運 河 流 曦 に 土 地 利 用 の 異 な る2つ の 排 水 ブ ロ ッ クを 設定 し、5月(PP)と6月(NIP)を対 象と した 水 質環 境調 査を 実 施し た。2ブ ロッ クのうち、上流側のTDBは水田優勢の土地利用、下 流側 のMDBは 畑地 優 勢の土地利用状況に ある。また、この期間に韜い て農業水利システムは開水 路か ら管 水 路に 改編 が進 め られ た。 用水 と排 水の差分で表す水収支 は、TDBよりMDBのほうが大 きいことが明らかに なった。これは、MDBは域内の多くが畑地で、かつ水田と畑地が分散けミ態1に あるため、水田用水 が浸透や浸潤によって損失す ることに起因すると考えら れる。排水のTN、TP 濃度 がTDBよ りMDBで 高い の は、 畑地 より 水田 か らの 負荷 流出 が小 さ ぃためである。また、5月   (PP)の 水 質濃 度が 普通 灌 漑期(NIP)の6月よ り 高い のは 、代 掻き ・ 移植 作業 の影 響 によ るも ので ある 。TN、TPの 差し 引 き負 荷は 、MDBよ りTDBで小さぃ値となっ た。この結果は、水田主体 のブロックのほうが 汚濁成分の流出を抑制するこ とを示している。

  Plの水 質 は石 狩川 陌狩 川 頭首 工地 点) の、 ま たPllは 反復 灌漑 の結 果としての篠津運河末端 の水 質を 表 して いる 。上流から下流にか けての運河水質を検討した ところ、NIPを除く全期間に おいて下流ほど水質 濃度は高く、NIPではN成分濃 度が最も低いことを確かめ た。とくにPPでは、

代掻 きの た め篠 津運 河のSS濃度 が高 く、 また 運河下流ほと濃度は高 い。この地喊の下流部は畑 地割合が高く、また 排水受益面積も大きいため栄 養塩類の流出も大きをもの となる。最下流点で あるPllの水 質濃 度 がほとんどの期間を 通じて高い値を示したことは 、運河流域内の土地利用と 水管理を反映してい る。したがって、篠津運河の 水環境、ひいては石狩川下 流域の水環境保全に は , 篠 津 運 河 流 或 内 の 農 業 的 水 土 資 源 利 用 ・ 管 理 に十 分配 慮す べ きこ とを 明ら か にし た。

  よって、審査員一 同は、モハメド・カムラル. ハッサンが博士(農学)の 学位を受けるのに十 分な資格を有するも のと認めた。

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