第14回 医療・介護・保育ワーキング・グループ
議事録
1.日時:平成29年4月17日(月)14:00~15:07 2.場所:中央合同庁舎第4号館12階1214特別会議室 3.出席者: (委 員)林いづみ(座長)、森下竜一 (専門委員)川渕孝一、土屋了介 (政 府)山本内閣府特命担当大臣(規制改革)、松本内閣府副大臣 (事務局)刀禰規制改革推進室次長、福島規制改革推進室次長、中沢参事官 (厚生労働省)保険局 迫井医療課長 医政局 医療経営支援課 岩下国立病院機構管理室長 医薬・生活衛生局 総務課 紀平医薬情報室長 4.議題: (開会) 議題1:医薬分業推進の下での規制の見直しについて 議題2:新医薬品の14日間処方日数制限の見直しについて (閉会) 5.議事概要: ○中沢参事官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより規制改革推進会議第14回 「医療・介護・保育ワーキング・グループ」を開催いたします。 皆様には、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。 本日は、江田委員、安念委員、戸田専門委員が御欠席となっております。また、本日は、 山本規制改革担当大臣、松本副大臣にも御出席を賜る予定でございますが、若干遅れてお られるということで、後ほど御挨拶を賜りたいと思います。 それでは、早速本日の議題を説明させていただきます。本日の議題は、お手元の議事次 第にございますとおり、「医薬分業推進の下での規制の見直しについて」と「新医薬品の 14日間処方日数制限の見直しについて」、以上の2件となっております。 ここから進行は林座長にお願いいたします。 ○林座長 ありがとうございます。 早速議事に移りたいと思います。 ただいま御紹介がありましたとおり、まず「医薬分業推進の下での規制の見直しについ て」のフォローアップを行います。取り分け、保険医療機関と保険薬局に係る構造規制の 問題につきましては、今期のワーキング・グループで取り上げるのが今日で3回目になります。これまで厚労省におかれましては、このワーキング・グループにお越しいただいた り、委員からの質問に書面で御回答いただいたりしておりますが、現状、相変わらず議論 が平行線で、なかなかかみ合わない状態となっております。 本日は、厚生労働省より、紀平哲也医薬・生活衛生局総務課医薬情報室長、岩下正幸医 政局医療経営支援課国立病院機構管理室長にお越しいただいております。また、後ほど迫 井正深保険局医療課長にもお越しいただく予定となっております。 厚生労働省におかれては、この問題について、患者目線、利用目線に立って、私たちが 納得のいくような御説明を是非お願いしたいと思います。 それでは、資料1に沿って御説明をお願いします。 ○厚生労働省(岩下室長) それでは、資料1につきまして、御説明を申し上げます。 前回、第9回の会議のときに御指摘を頂戴しました、国立病院機構災害医療センターの 敷地内薬局の関係について、私のほうから御説明いたします。 まず、5ページでございます。薬局ビジョンについてということで、これは平成27年10 月に公表した資料でございます。これにつきましては、患者本位の医薬分業を推進するた め、27年10月に「患者のための薬局ビジョン」を公表し、その中で2025年までに全ての薬 局がかかりつけ薬剤師、かかりつけ薬局としての機能でございます、服薬情報の一元的・ 継続的把握と、それに基づきます薬学的管理・指導、24時間対応ないしは在宅対応、医療 機関などとの連携を持つことを目指しております。これは直接私ども国立病院機構管理室 の所管ではございませんで、医薬・生活衛生局のほうから各都道府県宛てに出された薬局 ビジョンでございます。 これに基づきまして、次の6ページでございますが、国立病院機構の災害医療センター で、敷地内の薬局を公募という流れについて、私のほうから御説明をさせていただきたい と思います。 まず、御承知かもしれませんが、災害医療センターの概要でございますが、所在地は東 京都立川市緑町にございます。これはJR中央線立川駅の北口より徒歩約15分のところに所 在しております。まず、この近辺には立川広域防災基地というのがございます。 平常時の病床数でございますが、455床で運営してございます。ただ、災害時には455床 を900床に増床して、患者様を収容できるような機能を持たせてございます。 診療科はここにございますように、31の診療科を標榜してございます。中ほど左のほう にございますが、救命救急科という診療科も持っているところでございます。救命救急科 ですので、災害医療センターにつきましては、平常時では救命救急センターを34床で運営 しておりまして、平常時は各種疾患に係る高度総合医療を実践しているところでございま す。 外来の1日平均患者数でございますが、27年度の実績では、728.7名という状況でござい ます。それと、その下で、平均救急車受入れ件数でございますが、1か月平均約446件でご ざいます。1日に直しますと、単純に30で割りますと、1日約15台の救急車が来ていると
いう状況でございます。 この病院の院外処方箋率の割合でございますが、85.7%ということでございます。基本 的に時間外につきましては、院内処方で対応しているという状況でございます。ですから、 患者さんがわざわざ病院から離れた薬局まで行かなくても、薬は調剤できるという状況で ございます。 (山本大臣入室) (報道関係者入室) ○林座長 一回区切ってよろしいですか。 それでは、山本大臣から御挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。 ○山本大臣 遅くなりまして、すみません。 委員の皆様におかれましては、お忙しいところ御出席を賜りまして、ありがとうござい ます。 本日は、2年前の規制改革実施項目であります医薬分業推進の下での規制の見直し、新 医薬品の14日間処方日数制限の見直しの2件について、フォローアップを行うと伺ってお ります。これらは昨年もフォローアップを行っているにもかかわらず、なかなか実が上が っていないということで、厚生労働省には、利用者、すなわち患者さん目線でしっかりと 取り組んでいただきたいと思います。 委員の皆様には、具体的な改革が進むよう、活発な御議論をよろしくお願いしたいと思 います。 ありがとうございます。 ○中沢参事官 報道の皆様、御退室をお願いします。 (報道関係者退室) ○林座長 山本大臣、ありがとうございました。 それでは、引き続きまして、資料1について、ただいまの岩下様からの御説明をお続け くださいませ。 ○厚生労働省(岩下室長) それでは、引き続きまして、災害医療センターの関係での厚 生労働省の見解についてということで、御説明いたします。 まず、災害医療センターの敷地内薬局の公募につきましては、公募要件といたしまして、 災害医療センターが発行いたします院外処方箋、平均発行枚数の全て、これは1か月で約 6,000枚を処方できる体制を公募要件の中で求めておりまして、災害医療センターからの 処方箋の集中的な応需が可能になっていることに加えまして、病院周辺の大部分が、冒頭 申し上げましたように、立川広域防災基地内ということで、国有地でございますので、そ ういう地理的事情を鑑みますと、災害医療センターを受診します患者様が、自宅近くの診 療所など、他の医療機関を受診した場合に当該薬局を利用するということは想定し難く、 当 該 薬 局 が か か り つ け 薬 局 と し て の 機 能 を 果 た す こ と は 難 し い と 考 え ら れ ま し た こ とか ら、かかりつけ薬局を推進いたします厚生労働省の政策に合致せず、厚生労働省として所
管しております独立行政法人の開設する病院としては望ましくないという見解を、当方医 政局のほうから国立病院機構本部に示したものでございます。それに基づきまして、災害 医療センターにおきまして、敷地内薬局の公募の取りやめというのを10月に判断されたと いう状況でございます。 それと、私のほうからの発言としまして、他の病院でも同様の動きが見られた場合にも、 本件と同じ対応を採るという報道がされました件について、災害医療センターの場合と同 様に、国立病院機構立の病院の敷地内薬局がかかりつけ薬局としての機能を果たすことが 難しいと考えられるといった状況がありました場合には、同様に望ましくないという見解 になるのであろうということを、取材がありましたときにプレスに御説明したものであり ます。 国立病院は、昔、国のときの経緯からしまして、急性期を専ら担います国立病院、昔は 結核を中心に医療として担っておりました旧国立療養所という二つのものがございます。 後者の旧国立療養所のほうにつきましては、結核医療を担うということから、立地的には 市街地から離れた場所に設置されている場合が非常に多うございます。したがいまして、 このような旧国立療養所的に市街地から離れている場合には、仮に門前薬局ないしは敷地 内薬局を設置するとなった場合にも、今回と同様に、かかりつけ薬局としての機能を果た すのが難しいのではなかろうかと考えております。 私からの説明は以上でございます。 ○林座長 迫井課長もお着きになりましたので、順番に続けて御説明いただければと思い ます。 ○中沢参事官 迫井課長がお見えになったので、続けて資料1について全て御説明いただ ければと思います。 ○厚生労働省(迫井課長) 遅れてまいりまして、大変申し訳ございませんでした。 続きまして、資料1の7ページ、8ページ、こちらに構造規制の見直しの関係の資料が ございます。 7ページ目は、これまで御議論いただいた中でも御紹介していると思いますけれども、 「一体的な構造」「一体的な経営」であってはならないということでございまして、これ までは公道等を介することを求めた結果、フェンスを設置するといったことにつきまして は、見直しをいたしまして、10月1日からこのようにさせていただいたということであり ます。細かい資料の御説明というよりも、実際にそれがどうなったのか、特に、この規制 の見直しをした後の対応について、事例として幾つかあるのかというお話だったと思いま すので、おめくりいただきまして、8ページを御覧いただきまして、まず、不可と回答し た事例でございますが、3件でございます。3件の内訳を個別に御説明させていただきま すと、うち2件はこの図にお示ししておりますけれども、保険医療機関①、保険医療機関 ②、それぞれが該当するので、これは2件とカウントしますが、実質は一つの事例という ことになります。
資料は平面で書いているので見づらい、分かりにくいと思いますけれども、二つの医療 機関の間に薬局がございますが、実際には横から見たほうが分かりやすいかもしれません が、坂道になっておりまして、公道に面してはおりますが、公道からは全く見えないとい うことになっております。ですので、公道から見上げても薬局の建物を確認できておりま せんので、個別事例ということになりますが、この例につきましては不適切であるという ことで、不可といたしましたというのが2件でございます。 もう一件は、図にはございませんけれども、薬局の開設予定者が当該敷地内の保険医療 薬局の副院長ということでございますので、経営が一体的になされているということが明 らかでございますので、不可といたしました。 以上、3件が実例でございます。 私からは以上でございます。 ○林座長 ありがとうございました。 それでは、ただいまの御説明について、御意見、御質問をよろしくお願いいたします。 ○川渕専門委員 2年前に公開ディスカッションがあって、塩崎大臣がおっしゃった「見 える風景が変わる」という題目を受けて、平成28年10月1日に保険薬局の構造規制の見直 しがなされました。私は結構思い切った改正だったのかなと思いながら、国立病院機構管 理室の岩下室長の話を聞いていますと、ちょっと分からなかったのは、かかりつけ薬局の 定義です。 先ほどの言葉尻を捉えるわけではないけれども、85.7%は院外処方ですが、基本的に時 間外は、院内処方ですよと。わざわざ外に行かなくてもいいとおっしゃったときに、私も そう思う一方で、今はどんどん院外に薬局ができている。 そこで資料の5ページ目を見たときに、いわゆるかかりつけ薬剤師・薬局が真ん中にあ りますけれども、服薬情報の一元的・継続的把握とか、24時間対応・在宅対応がある一方 で経済的独立性さえ担保できれば、私は門内、門前、面分業と、いろいろあっていいので はないかと思うのですがいかがでしょうか。 ○林座長 どなたにお答えいただけますか。 ○厚生労働省(紀平室長) かかりつけ薬剤師・薬局の話ですので、お答えさせていただ きます。 川渕専門委員にお話しいただきましたとおり、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を発揮す るために、どういう薬局でなければいけないかという立地の面で制限がかかっていたこと はないと思います。ただ、この薬局ビジョンをつくる中の議論におきましては、次の6ペ ージ目の一番下のところに「患者のための薬局ビジョン」の抜粋を記載しておりますけれ ども、こちらの基本的な地域包括ケアシステムの中で、薬局がどういった機能を担ってい くかというところを主たる話としておりまして、地域の中で、薬剤師が患者のために、薬 学的な管理指導をいかに行っていくかという視点においては、薬局というのが地域の中で かかりつけ薬剤師という機能を持つべきではないかというのを、こういった形のまとめに
しているというものでございます。 ですので、基本的には、地域住民においてということを念頭に置いて、この薬局ビジョ ンそのものは書いているというものでございます。 ○林座長 お答えがよくわからないですね。 ○川渕専門委員 いわゆるかかりつけ薬局・薬剤師は、物理的な場所に余り制限されなく てもいいのでは。実際「患者のための薬局ビジョン」も、よくできていると思うのですが、 「かかりつけ薬剤師指導料」の施設届出件数が2万8,000件と比べ、健康サポート薬局は今 年1月末時点で152軒しかないのが実態です。おそらく診療報酬点数も付いていないから そうなのかなと思う一方で、地域包括ケアへの貢献に代えて薬局を地域密着の健康情報拠 点にという条件を公募要件に付せば、努力する薬局は報われるし、いわゆる政策医療を柱 に掲げる国立病院機構にとっても非常にいい話ではないかと思うのですが、いかがでしょ うか。 ○厚生労働省(岩下室長) 繰り返しになってしまうのかもしれませんが、そもそも災害 医療センターというのは、飽くまでも周りが立川の広域防災基地の中で、病院の近くに患 者さんが住んでいるというのは、半径何百メートルだったかはあれですが、余り民家がな いという状況でございまして、冒頭申し上げましたように、JR中央線立川駅から徒歩で約 15分ぐらいでして、当然ながら、JRの駅のほうには民家は多うございます。ですから、そ こから患者さんが例えば地域のかかりつけ医ないしはクリニックなりにかかって、ちょっ と重症だからということで、災害医療センターに紹介状を持って受診をされるという患者 さんが、地域的なものもございまして、結構多うございます。そうすると、患者さんが病 院を出たところ、ないしは敷地内に薬局が仮にあれば、もらって、御自宅に帰るというの は非常に便がよくなることだと思う一方で、やはりお住まいは病院の近くにはないもので すから、そうしますと、厚生労働省で進めておりますかかりつけ薬局ないしはかかりつけ 薬剤師の機能が果たせないのではないでしょうかということで、我々のほうから国立病院 機構本部に対して、実際、公募をした後に、我々も、このような案件が公募されていると いうことに気がついて、これは医薬・生活衛生局さんのほうで出しています薬局ビジョン とちょっと並びがとれないのではないでしょうか、もう一度お考え直しいただいた方がよ ろしいのではないでしょうかということで、見解を伝えた結果、国立病院機構本部と、実 際に公募していますのは、災害医療センターの病院長名で公募していますので、そこでお 話合いをした結果、今回はそういうビジョンもあるので、ちょっと考え直しますというこ とで、昨年10月でしたか、公募を取りやめますというお話が我々のほうに来た次第でござ います。 ○林座長 お待たせしました。森下先生、どうぞ。 ○森下委員 そういうものを詭弁と言うのですよ。もともと今回の議論、公開ディスカッ ションの中で出たのは、患者さんが例えば大学病院の近くで必要な薬が手に入らない。ま すます家の近くのかかりつけ薬局では手に入らない。当然ながら、今回の災害医療センタ
ーみたいな場合はより手に入りにくいわけですね。それをわざわざ家の近くに取りに行け というのは、正に公開ディスカッションで出た、患者さんの利便性を考えるという観点が 全く入っていないわけですよ。そこを無視してでもかかりつけ薬局をしたいというのであ れば、かかりつけ薬局制度は間違っていますよ。患者さんに不自由を強いてまでやる制度 というのがあり得るというのは理解できない。全ての薬局がかかりつけ薬局になるという のだったら、それはおかしいでしょう。それぞれ専門性があって当然だし、そこの近くに ある薬局はそれぞれ別の機能をもって当然だと思うのです。多くが入るというのは否定し ませんよ。でも、言われているのは100%ならなければいけないと。そんな議論になってい たとは思わないでけれどもね。もしそういう議論を本当に言われるのであれば、規制改革 を正にすべきであって、患者さんの不利益を得てまで厚労省の政策を推し進める理由が全 く分からない。 お話合いをしたと言うけれども、それは脅しではないですか。だって、本省から言われ たら普通びびりますよ。患者さんは、先ほど言ったように、便利だというのを認めている のに、なぜそれが駄目なのか、私は理解できないですね。非常に特殊な薬剤を扱っている というのは想定できますね。 ○林座長 以前の議論でも、私どもは、物理的な構造規制自体、政策的な合理性がないの ではないかということと、今、御説明があったように、自宅のそばの1か所に限定したか かりつけ薬局というものを持つのだということになると、むしろ患者を物理的に制約して、 患者の利便性を犠牲にするものにほかならないということは、このかかりつけ薬局の話が 出たときから私たちは申し上げました。厚労省からは、当時、そうではありませんと、そ んなつもりはありませんというお話でした。情報の一元的な把握ということであって、む しろ患者が電子的なお薬手帳などを使うことで、患者情報を一元化する、どこでもかかり つけ薬局になり得ると、そういうお話だったはずですが、今のような運用が行われている ということは、どうやら、私たちの恐れていた形に今、なっているのではないかという危 惧を持ちます。 その点、もう一度質問しても同じお答えを頂くような気がするので、是非真摯に御検討 いただきたいと思います。 もう一点ですが、今年の3月29日の中医協の議論でも、2016年度新設のかかりつけ薬剤 師指導料が、どんな薬剤師でも、どんな患者でも、同意を取る構図になっているというこ とについて、問題提起されていると。これは3月31日付けの薬事日報でも報道されている ところですが、こうした問題について、厚労省はどのようにお考えなのでしょうか。 迫井課長、お願いします。 ○厚生労働省(迫井課長) 当方は中医協の事務局でございますし、医療保険の報酬設定 の所管でございますので、医薬局とはちょっと立場が異なるという前提で、私のほうでお 答えいたしますと、実際に質疑があったのは、かかりつけ薬剤師さんの評価をどうしてい くのかということについて、前回改定の対応も踏まえて、今後、次の改定だけにとどまら
ず、引き続き医薬分業全般について議論して、必要な対応をしていくというのが基本スタ ンスでございますので、前回は、まだ調剤についての審議の始まったところですので、何 ら結論めいた話は出ておりませんし、御指摘のとおり、いろいろな御意見が出たのは事実 でございます。 ○林座長 かかりつけ薬局として、一人の患者がいろんなところでかかりつけ薬局の同意 をすれば、都度その薬局は指導料がもらえているのが現状なのでしょうか。今、中医協の 総会では、薬剤師委員からも、一定の歯止めが必要という御意見も出ていると伺っており ますが。 ○厚生労働省(迫井課長) これは事実関係でまずお答えをするのかなと思いますので、 同意書は当然のことながら、一つ出てきていて、それをどう評価するのかということが議 論の対象になっていますということであります。 御指摘のとおりといいますか、いろいろな御意見があったのは事実でございまして、そ こについては引き続き第1回のセッションを、さらに次に2回、3回と何回やるかという のはあるのですけれども、次の改定に向けてさらに議論を進めていくと。現時点では、私 のほうからそれ以上のことは申し上げにくいかなと思います。 ○林座長 森下先生。 ○森下委員 かかりつけ薬局に対してこれだけいろいろな問題が出るというのは、制度上 非常に問題があるのではないかと思わざるを得ないですね。 先ほど林座長からもありましたけれども、これは前会議体の規制改革会議でも、かかり つけ薬局を議論するときに話に出るのは、働いている方が勤務の途中で薬を持って帰る、 あるいは、病院で薬を頂いてから勤務先に来る。そういう柔軟な対応ができるという前提 で行われるということでした。前会議体としても、その方向ならいいのではないか、とい う話をしたと思うのです。 でも、今の話だと、正に住所にひっ付いているみたいなことを言われた。かかりつけ薬 局というのは、むしろ患者さんに不利益を強いるということになりかねない。それでは趣 旨と違うのではないか。 そうした観点から、制度をもう一度しっかり作ってもらわないと、中医協での議論が出 ているように、本来の目的とは違うのではないかという話が、この時点でも出ているとい うのは、正直、私は異常な状態だと思うのです。スタートして早々、既に悪用されている というのであれば、考え直してもらわなければいけないのではないか。 そういう意味では、何回もこの問題について言っていますように、飽くまでもベースは、 患者さんの利便性向上である。そのために、厚労省としてどういうことをやってもらうの か。その中で、先ほどのように病院と薬局の経営が一緒であるというのは、もちろん論外 なのですけれども、そういう極端なケースは除くにしても、例えば公道から見えないとい うのは、もし坂だから見えないというのだったら、逆に言うと、坂に上がって、坂の上に ある病院に行った人が、わざわざ降りていって薬をもらうというのもどうかなという気が
するのです。だから、構造規制の見掛けだけの話を言うのも、必要以上に言い過ぎている のではないかという気もします。飽くまでも、厚労省にお願いしたいのは、患者さんの利 便性を考えて、どうするのが一番理想的なのかということ。その中で、かかりつけ薬局と いうものが機能するというのが大前提だということを、是非忘れずにお願いしたいと思い ます。 ○林座長 今のお話の関係ですが、資料1の8ページで、公道から見上げても薬局の建物 を確認できないという例が挙げられている。薬局の建物を確認できるかどうかが、どうし て保険薬局の独立性に影響するのか、全く理解できないのですが、例えばビルの中に薬局 がある場合など、この付近でもたくさんございます。公道から見て、その中の薬局が見え るかどうかというのは、関係ない話ではないでしょうか。どうして、公道から見上げて薬 局の建物を確認できないということが、厚労省の医薬分業の政策上、判断のメルクマール になるのですか。 ○厚生労働省(迫井課長) 保険局医療課長でございます。 これは、一連の議論の延長線上にあるのかなと思います。今回、先ほど御紹介もいただ きましたが、28年10月1日に見直すということを行った、そのときの考え方は、お手元の 7ページに書いてあるようなことでございますけれども、一体的な構造の解釈、これは結 局、公道等を介することを一律に求めることはやめますという話なのですが、前提として は、独立性の確保を基本原則として考えていて、あとは現場の実務といいますか、いろい ろなバリエーションがある中で、どこに線を引くのかという話になっていくのだろうと思 います。 今までの10月1日以前の一律の運用は改めて、もちろん個々に判断せざるを得ない状況 は生じますけれども、あくまで自由に選択できる環境になっているかどうか。例えば今、 御指摘がありましたけれども、看板のようなケースはあり得るわけでございますけれども、 ただ、実際に看板が出ていても、敷地内の奥まった場所にあってということを、どこで線 を引くかという問題にはなるのですが、実際には同じ敷地内の医療機関を受診した患者さ んの利用しか想定できないようなケース、実質的にそれは看板はあるけれどもという話に なりますので、その辺りを、これは結局、最終的には、もちろん個別には判断するのです けれども、このケースの場合には、公道から見えないということが一つの整理としては適 切ではないということを我々としては判断したということでございます。 ○林座長 そうすると、では、公道から坂道に入るところの電信柱に薬局の広告でも出て いれば足りるのですか。 ○厚生労働省(迫井課長) 医療課長でございます。 私としては、看板が出ていたとしても、それは不適切ですというつもりで御説明をした つもりなのですが、情報として、結局、看板さえあればいいということになってしまえば、 実質、医療機関と事実上物理的に隣接した関係しかないというケースも生じ得ますので、 あくまで、どういう形で独立性を担保するかという線引きの問題なのですけれども、今回
は今までの一律の判断を少し実質的な形にするために、先ほどから繰り返し申し上げてお りますとおり、同一敷地内の形態であっても、一体的な構造の解釈というものを少し見直 して運用を改めたということでございますので、現時点では少なくとも見えないというこ とが、今回のケースについては、自由な選択という環境になっているかどうかということ については疑義があるので、認めなかったということでございます。 ○林座長 構造という言葉の解釈として、外から見えるかどうかという、公道から見上げ て確認できるかという要件を盛り込むというのは、かなり無理があると思います。予測可 能性もありません。むしろ、見えるか見えないかの話であれば、患者が薬局を選択する上 で、その存在が見えるかどうかいう表示の問題になるわけです。しかるに、構造で規制す るというアプローチを採りながら、今度は見えるかどうかを持ち出すというのは、本当に、 これを何と言うのでしょうか、うまい言葉が思いつきませんけれども、結論ありきなので はないでしょうか。それで一番不便を被るのは患者であると思います。特にこの国立病院 機構災害医療センターは、先ほど厚労省から御説明があったとおり、一般のクリニックな どでは得られないようなお薬を処方される病院であると思いますので、こういったところ で、なぜこの薬局が認められないのかということについては、かなり患者の利便性を犠牲 にした御判断ではないかと思います。いかがでしょうか。 ○厚生労働省(迫井課長) 医療課長でございます。 私の説明がもしかしたら適切でなかったことが原因かもしれませんけれども、看板が出 る出ないがイシューというよりも、やはり自由に選択ができるかどうかということで、こ れまで一律にルールだからとやってきていたものを、少し個別的に判断していこうという 話であります。 ですから、今回、私どもの整理といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、坂道 があって見えないということなのでございますけれども基本的には、患者さんが自由に薬 局を選択できるという趣旨で、個々に見ていく必要があるわけでありますが、逆に言いま すと、看板さえ出ていればいいんだよということではなくてという趣旨で、私は御説明さ せていただいたので、すみません、余り言葉のやり取りをするつもりはないのですけれど も、あくまで、もともとの通知、今回運用を改めた趣旨はそういう考え方なのだというこ とを御説明したかったということでございます。 ○林座長 薬局が営業できるかどうかという判断をするときに、今のような厚労省の恣意 的な都度の判断によって左右されるというのは、全くもって営業の自由を侵害するもので はないかと思います。このような運用の在り方いうのは非常に疑問だと思うのですが、こ れまでの御回答、書面回答では、昨年4月1日以降、昨年11月15日までの期間が指定可能 と回答したのが17件、指定不可の回答が3件と承っており、今日、その御説明も受けまし たが、その後、11月16日以降、直近の件数は指定可能、指定不可、それぞれ何件ぐらいあ り、また、指定不可とした場合の理由についても教えていただけますか。 ○厚生労働省(迫井課長) 本日時点で集計をしておりますけれども、地方厚生局から41
件照会が提出されておりまして、そのうち指定可能ですと答えたのは36であります。 指定不可、あるいは契約方法の改善が必要だと答えたのは5件でありますが、5件のう ちの3件はお話をさせていただいているものですけれども、それ以降に新たに指定不可と お答えをしたのは2件でありまして、そのうち1件は、先ほどと類似の話ですけれども、 一体的な経営ですというのが1件。それから、契約方法の改善を求めたものが1件という ことでございます。 ○林座長 ありがとうございます。 一体的経営というのは、同じということなのですけれども、もう一度教えていただきた いということと、契約形態の改善というのはどの点が問題になったのでしょうか。 ○厚生労働省(迫井課長) 医療課長でございます。 失礼いたしました。一体的な経営、類似の事例と申しましたものをもう少し正確に、個 別的に申し上げますと、保険医療機関の理事が建設予定の薬局の役員を同一人物がやって いたというのが経営的な理由であります。 契約方法の改善を求めたというのは、一部報道をされていると思いますが、和泉市立病 院の賃料、これは変動させて賃料を設定するという形を採っておられましたので、契約上、 変動賃金という形を導入されることにつきましては、患者さんが増えれば増えるほど賃料 が上がっていくという趣旨につながっていきかねませんので、それは経営的な独立性とい う観点で、疑義が生じる恐れがありますということを申し上げて、それで先方が対応され たということでございます。 ○林座長 森下先生、どうぞ。 ○森下委員 今の後半の事例ですけれども、飽くまでもリベートを求めて連動していると いうことが問題だという認識で、薬局そのものが駄目というわけではないという理解でい いですね。 ○厚生労働省(迫井課長) 医療課長でございます。 契約の変更でございますので、根っこの物理的な要件ということではなくて、あくまで 契約の内容についてでございます。 ○林座長 ありがとうございます。今の2例のうちの一つの、病院の理事と薬局の役員の 一人が共通していたということでございましょうか。そういった場合、代表者ではなくて、 一般の理事の場合などであれば、通常は、理事会や取締役会の決議の際に、利益相反関係 にあることを理由に決議から外れるとか、そういう判断もあると思います。共通する者が 代表者ではない事例であっても、理事と役員が同一人物であるというだけで、独立性に欠 けるという御判断なのでしょうか。 ○厚生労働省(迫井課長) 医療課長でございます。 ルール上は、役員と明記をしておりますので、今の規定上、それははっきり明記して、 明確に不適切だと規定しております。 考え方としては、おっしゃるとおり、経営の一体性というのはどこまでの範疇かという
のは、恐らく幅がある議論だろうとは思いますが、役員というので一つの線を引いて、こ れは明確に一体性に疑義があるという整理で運用しているということでございます。 ○林座長 ありがとうございます。 土屋先生、何かございましょうか。 ○土屋専門委員 2点なのですが、先ほどからかかりつけ薬局という連想が、病院から離 れて自宅の近くという印象で、おっしゃっているかと思うのですが、私は東京都のがん診 療拠点病院の委員を十数年やっておりますけれども、そのときに、東京都内のがんの入院 患者を見ますと、40%は都民でないのです。埼玉県民とか、神奈川県民、千葉県民という ことで、彼らは自宅は都外にあるわけで、病院は、入院も外来も都内の病院に通っている ということで、これがさらに第3点の薬局に寄るというのは大変不自由な話で、やはり通 院になったときに、病院にかかったそこで薬をもらいたいというのが、患者としての自然 な要求だと思うのです。そのときに、先ほど森下委員が言われた利便性を考えたときに、 通常は、通っている病院の近くでもらいたいというのが一般的ではないか。その利便性を 落とさずに、今、厚労省さんのおっしゃっている医薬分業をどう進めるかということをま ず考えるべきではないか。医薬分業で敷地内にあってはいかぬ、鉄則があるから駄目だと いうのは本末転倒で、これは患者さん本位の医療ではないのではないかという気がいたし ます。 2点目は、医薬分業の本質ですけれども、これは薬剤師が豊富な薬の知識を持っている ものを、医師の支配下ではなく、独自の判断をして、患者のために最も適当であると思わ れるお薬を処方するというのに関与するということであるので、これはむしろ同じ場所で 働いていたほうが、情報の共有という点では、いかにICTが発達しても、目の前で一緒にデ ィスカッションするというのは大変大事な点だと思います。 私は、だいぶ前になりますが、パリのグスタフ・ルーシーというがんセンターに行った ときに、そこで回診につきましたら、6~7人で回診をやっているのですが、日本の大学 教授の回診と違って、全部職種が違うわけです。これは医師が指導医と訓練医が一人、医 師だけが複数ですけれども、あとは看護師と薬剤師と栄養士とリハビリの技師とソーシャ ルワーカーと、そういう者が組んで回診している。そのときに、医師が患者と話をして、 この人にはこのためのお薬が必要ではないかというディスカッションをやり、薬剤師がそ のときには主体的にいろいろな指示をする。医師も看護師も納得した上で、最終的にはも ちろん医師がサインをするわけですけれども、それが本来の医薬分業であって、場所の問 題とか、あるいは建物の中が一緒ではいかぬとか、これは非常にくだらない議論でありま して、患者を中心にやるということからいったら、同じ場所でなければおかしいのは当た り前のことでありまして、外来になったときにどうかということは、当然外来に来たとき に、その近くで相談ができる薬剤師がいるということが最も理想的なわけです。ただ、そ のときに、先ほどからおっしゃっているように、1か所に誘導してはいかぬというのは当 然でありますので、これをどうやって避けるかということに知恵を絞るべきで、最初から
同一建物ではいかぬという原則が先に立つ議論自体がおかしいということを申し上げたい と思います。 ○林座長 土屋先生、ありがとうございます。 数年前にこの議論をしたときに、正にそこの点を私どもは中心に議論してきたにもかか わらず、制度の運用が実際にはこのような形で行われているというのは、非常に残念でご ざいます。 今一度、迫井課長に、2点質問します。物理的規制をして、その運用を今のような形で 行うことは医薬分業にとって本末転倒で、患者の利便性を犠牲にするものではないかとい う質問が1点目。 2点目は、医薬分業の本質に照らして、今のかかりつけ薬局制度の在り方というものを 見直すべきではないかという点。 この2点について、迫井課長からお答えいただければと思います。 ○厚生労働省(迫井課長) 医療課長でございます。 前者につきましては、医療保険の評価の観点でということだろうと思いますが、後者は もしかしたらかかりつけ薬局の在り方みたいな話であれば、私がお答えするのかどうかと いうのがあるのですが、まずは、現時点で、薬局が持つ調剤の機能といいますか、薬局の 機能が、医療機関が持つ薬局の機能と一定程度異なるという前提で評価をしておりますし、 異なるもう一つの理由が医薬分業という趣旨に基づきまして、独立して運用されていると いうことでございます。ここは御指摘をいろいろ頂いてはいるのですが、やはり物理的に 建物が同一でありますと、そこの運用の独立性という部分については、疑義が生じざるを 得ないのかなということでございますので、現時点では、少なくとも、建物については物 理的にということは申し上げております。 一方でというのは、重ねての説明は避けますけれども、敷地の問題とか、フェンスの問 題とか、ここは運用上改善をさせていただいたということでございます。 2点目の、薬剤師さんの専門性をいかに引き出し、評価をしていくのかという観点は、 基本的には診療報酬は特にそうだと思いますけれども、質の高い医療、質の高いサービス をより提供していくという観点で評価をするということが大原則でありますので、そこの 原則にのっとって、薬剤師さんの専門性、それはかかりつけ薬剤師さんであったり、分業 であったり、これがどうあるべきなのかということにのっとって、私どもとしては評価し ているという原則論にとどめさせていただきたいと思っております。 ○林座長 土屋先生、どうぞ。 ○土屋専門委員 これは最後にコメントととしてですけれども、欧米の病院に行くと、外 来のところに、同じ建物内に薬局があって平然とやっておる。それを経験して帰ってくる 日本人がたくさんいるときに、どうして日本に帰ってくると、それができないのかという のが、患者さんの素朴な疑問だということであります。 ○林座長 ありがとうございます。
私も、迫井医療課長も本当は気持ちの中では理解してくださっていると感じているので すけれども、残念ながら、本日の議論でも、厚生労働省と我々とは平行線でございました。 厚生労働省におかれましては、本件について、一昨年の規制改革実施計画の趣旨、医薬分 業の本質を踏まえての制度改革という趣旨をよく御理解いただいて、患者の利便性への配 慮について引き続きしっかりとお考えいただきたいと思います。 ワーキング・グループとしましては、本件について、今後も注視していきたいと思いま す。 それでは、次の議題に移りたいと思います。 次の議題は「新医薬品の14日間処方日数制限の見直し」についてのフォローアップにな ります。 まずは、本件の概要について、事務局から3分程度で説明をお願いします。 ○中沢参事官 事務局でございます。 それでは、本件に係るこれまでの検討の概略について、口頭で御説明させていただきま す。 まず、議題の新医薬品の14日間処方日数制限、これが何かについて簡単に御説明いたし ます。これは、新医薬品は、薬価収載されてから1年たつまでは、14日分までしか処方で きないという現在存在する規定のことでございます。つまり、例えば血液がんや血友病な ど、長期の投薬が必要な患者さんが新しい薬を試したいと思っても、14日間隔で通院しな ければならないということになります。このため、働きながら困難な病気と闘う患者さん や、住まいから非常に離れた医療機関へ2週間ごとに通わなければならない患者さんにと りましては、金銭的にも、肉体的にも、非常に大きな負担を感じておられるという実態が ございます。これをどうにか見直せないかということで、実際に御苦労されている患者さ んや医療機関からの声を吸い上げる形で、一昨年、平成27年4月に当時の規制改革会議健 康・医療ワーキング・グループにおきまして、本件に係る議論を行いまして、それを踏ま えまして、14日制限の見直しにつきましては、中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協 にて検討し、結論を得るという文言で、規制改革実施計画の項目の一つとして、平成27年 6月に閣議決定されたわけでございます。 その後、本件につきましては、平成28年4月に健康・医療ワーキング・グループにおい てフォローアップを行いました。厚生労働省から、中医協において、閣議決定どおりに検 討した結果として、14日処方の見直しはしないこととなったと説明があり、この項目につ いては措置済みの扱いとしております。 この厚生労働省の説明に対しまして、当時の委員からは、中医協に丸投げしているので はないかと、これでは14日でないとなぜ安全が保てないのか、という質問に対する回答に なっていない。根拠が示されていない。あるいは、これでは措置済みとは言えないといっ た意見が相次ぎました。1年前の議論の結論といたしましては、厚生労働省さんが次回の 診療報酬改定の中でもう一度議論させてほしいという形で引き取り、引き続きフォローア
ップするということになり、今日に至っております。 本日は、来年度の診療報酬改定に向けた議論が本格化する前に、本件に係るこれまでの 論点を再確認するとともに、今度こそ、一昨年の閣議決定の趣旨に沿った見直しが行われ るように強く求めるために、厚生労働省さんをお呼びした次第であります。 事務局からは以上です。 ○林座長 ありがとうございました。 それでは、保険局の迫井医療課長様から、資料2に沿って御説明をお願いします。 ○厚生労働省(迫井課長) 医療課長でございます。 資料2、今、概略の御説明がありましたので、細かくというより、要点を絞ってという ことで、1ページ目は今の計画の内容でございまして、御指摘のような経過をまとめてい るものでございます。 おめくりいただきまして、内容的にということでございますけれども、No.9というの は、今の項目でありますが、この新医薬品の14日間処方日数制限の見直しに関する内容、 3ページ目であります。これは、この上限がどういう形で設定されているのかという、歴 史的経緯も含めてでありますけれども、比較的前になりますが、平成13年までは、一般的 な投与期間は14日間を限度としていたということでございます。逆に、特定の疾患・医薬 品を対象としたものについて、原則30日ということでございましたけれども、その後、医 療の現場の様々な変遷も含めまして、長期投与というものが一般化していったということ でございます。そこで、平成14年の診療報酬改定のときに、原則としては、投与日数の制 限は行わないけれども、幾つか制限をかけて、一定程度患者さんの観察をする必要がある ものについて、その代表が新医薬品でございまして、新規に収載された医薬品、これは3 ページ目の3つ目の○でございます。 趣旨としては、一定程度診察頻度を確保して、患者さんを見ておかないと、新しい医薬 品ですので、いろいろなことが起こり得るということであります。そのため、ある程度診 察をする、それから、そういった場合に迅速に対処をすることを確保するということで、 14日としております。 ただ、例外の例外になるのですけれども、新しい医薬品といっても、作用機序が以前と 全く同じようなものについて、既にというケースも含めて一定程度個別的に、明らかにこ れは不合理だというケースについては例外にしていると、これが現在の制度の概略でござ います。 4ページ、今、大ざっぱには御説明しましたけれども、投与期間に関する取扱いの一覧 表で、これはお手元はカラーだと思いますが、14日のところに赤で記載しておりますけれ ども、こういった新医薬品について、14日の制限を設けていますということです。 5ページ、6ページが論点といいますか、その御指摘を受けて、中医協総会において審 議をいただいたということでありますが、5ページ目、14日制限につきまして、これは資 料そのものではないのですが、こういう内容についての資料を提示いたしまして、議論い
ただいたということです。課題のところに整理しておりますのは、先ほど概略を御説明い たしました。それから、閣議決定を経て、規制改革の改革実施計画における記載を踏まえ まして、こういった課題を掲げまして、議論をいただきました。論点として掲げたのは、 日数、処方につきましては、外来の受診頻度が基本的に長くなるという傾向があるという ことを前提といたしまして、これは両論といえば両論あるわけで、何らかの制限を設ける べきいう意見もあるけれども、もともと問題提起をいただいたような御指摘もありました ので、そこを含めて、この処方日数制限についてどう考えていくのかということを議論と して投げかけました。 最後のページでありますが、これは概略であります。日付としては、28年診療報酬改定 の前、個別事項を整理する中の一つでありますけれども、薬剤使用の適正化というセッシ ョンの中の一つの課題といたしまして、11月6日に行いました。そのときに指摘をいただ いた、中医協は、御案内のとおり、診療側、支払側、公益の方はおられますが、この件に ついて公益の方の発言はなかったように記憶しておりますけれども診療側の意見といたし ましては、治験が終わったということでありますけれども、実際には治験は一定の条件に 合致する方々に関する臨床の結果でございますので、新薬の場合は、実臨床で使ってみる と、大きい小さいは別といたしまして、一定頻度で様々な反応はあります。ですから、細 かいことも含めまして、そういった実臨床で使ってみたときの様々な対応につきましては、 実際、最初の1年間にいろいろなことが分かるというのも事実でございまして、思っても いない副作用が1年以内に出るということもあるとか、肝機能障害、腎機能障害というの は、実は体の表面に現れませんので、一定程度検査等でフォローしなければ分からなくて、 これを放置しますと、その後重篤な事例になるのも医学的には知られていることでござい ますので、新薬ということで、1年という、ある意味の線引きではありますけれども、こ れについては頻回受診を促すことは守っていったほうがよいという意見でございました。 対する支払い側につきまして、やはり安全性を確保するということが必要で、制限を付 けることについては賛成であるということでございました。個別の医薬品で安全性が担保 されるのであれば、例外として使う措置というのは検討してもよいかもしれないがという お話でございました。 ただ、基本というのはあくまで安全性ということを念頭にしっかり議論すべきであると いうことでございました。最終的に、中医協のプロセスは、11月6日のセッションの後、 年内、このときは27年12月25日でありますけれども、改定に向けての議論を集約するセッ ションがあります。そのときに、明確に支払側から意見として提出されているのが、この 14日制限については、安全性確保の観点から、厳守すべきであると文言としてもまとめら れましたので、このような対応をもって、先般、御報告させていただいたところでありま す。 以上でございます。 ○林座長 ありがとうございました。
それでは、御意見、御質問をお願いいたします。 ○森下委員 そういう内容の御報告があったので、これは措置済みではないと。閣議決定 違反だと我々は言っているわけです。それに対して、次回はちゃんと検討しますと、当時 の吉田審議官と宮嵜課長が言われて帰っていった。今、言ったのは、また元に戻ったのか なという話。全く申し送りがされていないというのであれば、行政としての連続性はどう なのかなと。それであれば閣議決定違反として扱うしかいないと私は思うのですね。 もともとの議論として、無制限に何も投薬しなさいというお話を言っているわけではな くて、ある程度の期間が、当然ながら新薬には必要だけれども、それは14日では短過ぎる のではないか。14日であると、その新薬を使えない患者さんがたくさんいらっしゃって、 働きながら病気と闘っている方が大変不便である。実際、最近は、多くの新薬が出ている 中で、2週間に1回は来られない方がたくさんいらっしゃるわけですね。薬自体も場合に よっては半年間薬効があるものも出ている。14日というところに合理性がないのではない か。むしろ、働きながら闘っているような患者さんを考えたら、原則30日として、特殊な ものに関して例えば14日と更に厳しくすると、そういうやり方も当然ありだと思いますね。 にもかかわらず、当時の厚生労働省さんのお話は、中医協で、正に無制限に新医薬品でも 同様にしていいのだと、そう言わんばかりの説明をされたということに対して、私はおか しいのではないかということを言っているわけですね。 少なくとも、前回、吉田審議官と宮嵜課長が納得されて、もう一回やっていただくとい うことで、私は合意したと思って納得していたのですが、どうも今の迫井課長の話を聞い ていると、もう終わっている話なので蒸し返すなと言わんばかりの話です。それはちょっ といかがなものかなと。もしそうであるなら、明確に閣議決定違反であるとしてほしいと 思います。決して措置済みではないと。 もう一度頑張っていただけるという理解でよろしいですね。ちゃんと説明してあげると。 ○林座長 あわせて、30年度の診療報酬改定に向けての中医協の議論で、本件はどのよう なスケジュールで議論されるのかということ。また、そこでの議論に向けて厚労省がどの ような対応を検討されているかということも、併せてお答えいただければと思います。 ○厚生労働省(迫井課長) 医療課長でございます。 私の説明は、基本的にはファクトを御説明しているつもりですので、何がし方針をにお わせて御説明したつもりはないのですが、もしそのように受け取られたのであれば、私の 説明が悪かったのかなと思いますけれども、経過としましては、御説明したとおりですが、 確かに議論していただく選択肢として、複数、30日がどうとか、14日がどうとか、そうい うプレゼンは、私は当時おりませんでしたけれども、資料を見る限りではそういう議論を していないというのは、ファクトとしては事実だろうと思います。 ただ、一方で、森下委員もおっしゃいましたが、例えば30日と、実際診療、これは別に 医療に限らずだと思いますけれども、いろいろな対人サービスで、日常生活を過ごしてい る方に対して、一定程度の頻度でいろいろなサービスを受ける場合には、例えば1週間は
7日ですから毎週何曜日にしましょうとか、あるいは診療日はどこの医療機関も大体1週 間単位でプログラムを組まれておりますので、1週間単位で考える。そのときにも、これ は冒頭、御説明申しましたが、歴史的に大体14日の頻度で受診をされるというのは経験的 に医療の世界で患者さんの状況を把握するという一定の期日の設定の仕方であります。た だ、何もこれは14日でなければ駄目と決めつけて議論をしてきてはおりませんし、今後一 切議論をするつもりはないということで御説明したつもりも全くございませんで、合理的 な運用のつもりではありますけれども、このことについては御指摘があれば、引き続き検 討していくというのは当然なのだろうと思いますので、閣議決定違反だからやるのだとい うことではどうなのかと思いますけれども、そういうことではなくて、やはり御指摘のと おり、もう一度しっかり選択肢を御提示して、御議論いただくということについては、私 としては全くそのとおりでよろしいのではないかと思います。 ○森下委員 ちゃんと議論したわけで、大変是といたしますが、恐らく前回の議事録なり、 あるいは録音テープを聞かれていないですね。申し訳ないですけれども、ちゃんと議事録 を読んでいただいて、少なくとも前任の宮嵜課長と吉田審議官には、私はお約束をしても らっていると認識していますので、もう一度議事録の全文を読んでいただくということと、 可能であれば、録音テープまで聞いていただいて、どのように前任者が約束されたかとい うのは確認していただきたいと思うのです。そうでないなら、課長が替わるたびに同じこ とを繰り返さなければいけないというふざけた話はないと私は思っていますので、これは 行政の連続性の問題もありますし、もしそんなことがあるのではあれば、課長交代という こと自体で全てをちゃらにしていいというような話になったら困ると思いますので、是非 御確認の上、趣旨をしっかり酌んでいただく。 14日ということにいかに合理性がないかというのは前回の議題で何回もやった話ですか ら、今更そこを一定のものがあると言われると、大変遺憾だと私は思います。 ○林座長 14日に科学的根拠はないということは、前に議論したときも皆さんがお認めに なっていたところで、今、課長からも歴史的にというお話もありましたけれども、先ほど 私が質問させていただいた30年度の診療報酬改定に向けた中医協での議論における本件に ついての議論のスケジュールと、それに向けて厚労省の対応という点のお答えをまだ頂い ていないのです。 ○厚生労働省(迫井課長) 医療課長でございます。 この点は、診療報酬の議論全般が始まったばかりでありますので、スケジュール自体は 正直、大ざっぱにしか決まっておりません。ですから、今回のこのやり取りを踏まえて、 どう事務局として対応していくのかという中で、しっかりスケジュールを組ませていただ くということだろうと理解しています。 繰り返しになりますが、計画上、そういう記載でしたので措置済みと、確かにさせてい ただいてはいるわけですけれども、改めて検討していくこと自体は、私は前任からも趣旨 としては理解しておりますので、その点は少し御理解賜りたいと思いますのは、記録上と
いいますか書面上のやり取りで措置済みとしたことで、このことを今後一切議論しないと 我々が整理しているものではありませんので、改めまして、御指摘を踏まえて議論してい くことは、前任もそのように答えさせていただいたということはちゃんと聞いております し、議事録もちゃんと手元にあって、私も読んでおりますので、その点については改めて 申し上げさせていただきたいと思います。ありがとうございます。 ○林座長 ありがとうございます。 すみません、私の不手際で時間を過ぎてしまいましたので、本件はここまでとさせてい ただきます。 厚労省におかれましては、昨年のワーキング・グループにおける全医療課長のお約束や、 本日の委員の方々から出された意見を十分に酌み入れた上で、これからの中医協の審議に 臨んでくださるよう、切にお願いいたします。 本日はありがとうございました。 本日の議事は、これにて終了します。 事務局から何かございますか。 ○中沢参事官 次回ワーキング・グループの日程につきましては、追って御案内させてい ただきます。 以上です。 ○林座長 ありがとうございました。 では、本日はこれにて会議を終了いたします。