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MSE 型ゼオライトは [1] 方向に酸素 12 員環ストレートチャンネル [] および [11] 方向に2つのうねった 1 員環チャンネルを有し これらが互いに交わった三次元大細孔ゼオライトである ( 図 1-1a) また 1 員環チャンネルを通ることによってのみアクセス可能なスーパーケージを有す

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Academic year: 2021

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[S4.1.4] 炭化水素の接触分解触媒としての大細孔ゼオライト合成

技術の開発

(基盤技術研究グループ) 横浜国立大学大学院 ○ 窪田 好浩

1.研究開発の目的

ガソリンの製造と基礎化学品の製造のいずれにおいても、ゼオライト触媒は鍵とな る物質である。我々は二種類の研究開発を並行して行っている。一つは高オクタン価 ガソリンの製造のための炭化水素接触分解用ゼオライト触媒の開発、もう一つはプロ ピレン製造を指向した炭化水素接触分解用ゼオライト触媒の開発である。前者は石油 の高効率利用の観点から重要であり、流動接触分解(FCC)の触媒系の画期的な改良 によりこれを達成するのが目的である。FCC ではアモルファスシリカアルミナや平衡 化処理した USY 型ゼオライトおよび ZSM-5 系のゼオライトの組合せが長い間使われ ている。これらの組合せ以外の触媒系、特に新型ゼオライトを含む触媒系でブレーク スルーを図ることが研究の趣旨である。FCC プロセスをあえて反応前期と後期にわけ ると、やや小さいが多次元の細孔をもつゼオライトが反応後期の触媒としての有力候 補である。これを踏まえて新型ゼオライトの構造を精査すると、12 員環と 10 員環を 含む高シリカ組成で安定性の高いゼオライトが候補物質として浮上してくる。そこで その要請に合致する MCM-68 の合成法と応用の検討を行っている。一方、プロピレン 製造を主目的とする後者の趣旨は次のとおりである。近年需要が増加しているプロピ レンは最も重要な石油化学基礎原料の一つであるが、そのほとんどは副生品として供 給されている。世界のプロピレン生産量の約 70%がナフサなどのスチームクラッキン グによるエチレン製造プロセスからの供給である。石油精製の流動接触分解(FCC) プロセスからの回収によるものが約 28%であり、プロピレン生産を目的とするプロセ ス(プロパンの脱水素など)からの供給はわずか 2%にすぎない。ナフサのスチームク ラッキング装置は、プロピレンとエチレンの重量比が 0.45~0.65 の範囲で運転されて おり、プロピレンの需要が大幅に増加したときなどに適用しにくい。また、新たに建 設されるエチレンプラントはプロピレンの副生量が少ない安価なエタンや LPG などを 用いるものが多い。そのため、今後のプロピレン需要の拡大に対する供給不足を解消 するには、FCC プロセスのプロピレン増産が重要な選択肢の一つであり、高選択的に プロピレンを得るための触媒開発が必要である。 上で述べた MCM-68 ゼオライトは、2000 年に米国 Exxon Mobil が開発した新しいゼ オライトである。このゼオライトは N,N,N’,N’-tetraethylbicyclo[2.2.2]oct-7-ene-2,3:5,6- dipyrrolidinium diiodide という第 4 級アンモニウム塩を構造規定剤として水熱合成によ り得られるアルミノシリケートである。結晶化可能な Si/Al 比は 9~12 程度と合成ゼオ ライトの中では Al 含有量が多い。MCM-68 ゼオライトの結晶構造解析も Exxon Mobil の研究者によって行われ、その後 International Zeolite Association(IZA)から骨格コー ドとして MSE(MCM-Sixty Eight)が与えられた。なお、我々のグループでは、MSE 構造をもつ純シリカゼオライトを初めて合成し、これを YNU-2(Yokohama National University – 2)と名づけている。

(2)

MSE 型ゼオライトは、[001]方向に酸素 12 員環ストレートチャンネル、[100]および

[110]方向に2つのうねった 10 員環チャンネルを有し、これらが互いに交わった三次元

大細孔ゼオライトである(図1-1a)。また 10 員環チャンネルを通ることによって のみアクセス可能なスーパーケージを有する(図1-1b)。ここで他の代表的なゼオ ライトの骨格構造と MSE 構造(図1-2a)を比較してみる。ZSM-5 ゼオライト(MFI) は、2 種類の 10 員環チャンネルが互いに交差した細孔構造をもつ(図1-2b)。モ ルデナイト(MOR)には一次元 12 員環チャンネルがあり、これに直交するように 8 員環ミクロ孔が存在する(図1-2c)。ゼオライトベータ(* BEA)では 12 員環チャ ンネルが三次元に交差しており、そのインターセクションは細孔よりもわずかに広い (図1-2d)。Y 型ゼオライト(FAU)は広い内部空間が 12 員環チャンネルで三次 元に互いに連結した構造を有している(図1-2e)。 (a) (b) 図1-1 (a) MCM-68 ゼオライトの骨格構造モデル,(b) スーパーケージのモデル (a) (b) (c) (d) (e)

図1-2 (a) MCM-68 (MSE),(b) ZSM-5 (MFI),(c) モルデナイト(MOR), (d) ゼオライトベータ(*BEA),(e) USY (FAU)の細孔構造の模式図

(3)

このように比較してみると、MSE 構造は MFI と MOR の「合の子」のような構造を しており、なおかつ FAU のように細孔内部にスーパーケージを有している。さらに* BEA のように三次元に交差したミクロ孔をもつ。我々は、MSE 構造がこれまで触媒と して活用されているいくつかのゼオライト骨格構造の「いいとこどり」をしているこ とに注目して研究を進めている。 MCM-68 ゼオライトの細孔構造の特長を利用した研究は国内外で行われており、た とえば自動車排ガス処理における未燃炭化水素のトラップ剤として特異な吸着特性を 示すことが見出され、またアルキレーション触媒としてテストされている。さらに杉、 窪田らもビフェニルやナフタレンのアルキル化の固体酸触媒として形状選択性を示す ことを報告している。さらに最近では、Al-MCM-68 の Al サイトを Ti で同型置換した Ti-MCM-68 を調製し、フェノールの過酸化水素酸化の触媒として、既存の触媒である TS-1(MFI)よりも高い活性およびパラ体(ヒドロキノン)への高い選択性を示すこ とを見出している。 本研究では、高性能な分解触媒に異性化能も加味した新規な FCC 触媒系の開発を最 終目標とするが、その一つのアプローチとして、12-12-12 員環系の大細孔ゼオライト (ベータなど)と 12-10-10 員環系のゼオライト(MCM-68 など)、10-10-10 員環系の 中細孔ゼオライト(ZSM-5 など)を比較しつつ、それぞれが重質成分の接触分解にお ける反応前期から後期にわたってどのような影響を及ぼすのかを調べた。特に MSE 独 特の細孔構造に由来する吸着・触媒特性についてのこれらの研究を踏まえ、我々は MCM-68 の FCC 触媒としての可能性を検討した。 ガソリン製造プロセスとしてはナフサの接触改質プロセスや残油を利用した流動接 触分解(FCC)プロセスが挙げられるが、高効率製造の観点から後者のプロセスに注目し た。モデル反応としてドデカンおよびヘキサンの接触分解を種々のゼオライト触媒を 用いて行い、活性および選択性を比較・検討した。

2.研究開発の内容

2.1 MCM-68 の合成 2.1.1 構造規定剤(SDA) TEBOP2+ (I-)2の合成

酸無水物 bicyclo[2.2.2]oct-7-ene-2,3:5,6-tetracarboxylic dianhydride (BOTA)にエチルア ミンを加えイミド体 N,N’-diethylbicyclo[2.2.2]oct-7-ene-2,3:5,6-tetracarboxy diimide とし、 さらに水素化リチウムアルミニウムで還元しアミン体 N,N’-diethylbicyclo[2.2.2]oct-7- ene-2,3:5,6-dipyrrolidine を得た。最後に、このアミンにヨウ化エチルを加え、第4級ア ンモニウム塩 N,N,N’,N’-tetraethylbicyclo[2.2.2]oct-7-ene-2,3:5,6-dipyrrolidinium diiodide (TEBOP2+(I-)2) を得た。これをそのまま SDA として用いた。 2.1.2 Al-MCM-68 の合成 フッ素樹脂(PFA)製容器(180 mL)にコロイダルシリカ (デュポン社,LUDOX (登録商

標)HS-40,SiO2: 40 wt%)を 15.02 g (100 mmol)入れ、Al(OH)3 (Pfalz & Bauer) 0.78 g (10

mmol)を溶かして 10 分間撹拌した。次に KOH (8 mol/L,6.047 mmol/g) (Wako) 6.20 g

(4)

加え 4 時間撹拌した。ゲル組成比は SiO2–0.1 TEBOP 2+ (I-)2– 0.375 KOH–0.1 Al(OH)3–30 H2O とした。調製したゲルを 125 mL オートクレーブに移し、160 ºC のオーブン中で 16 日間静置した。得られた生成物を遠心分離し、その後 80 ºC オーブン中で乾燥して 白色粉末 5.93 g (Al-MCM-68-as-synthesized)を得た。このうち 5.80 g をアルミナ製のシ ャーレに入れ、マッフル炉を用いて空気雰囲気下室温より 2 ºC/min で 600 ºC まで昇温、 650 ºC で 10 時間保持した。放冷して Al-MCM-68-calcined (白色粉末,5.13 g)を得た。 2.1.3 Al-MCM-68 の酸処理による脱 Al

Si/Al 比が 45 付近の Al-MCM-68 を調製するために Al-MCM-68-calcined をガラス製 の 200 ml ナス型フラスコに入れ、次に濃度を 0.5 M に調製した硝酸水溶液を加えて、 100 ºC で 2 時間還流しながら攪拌した。その後、この混合液を吸引濾過し、洗液がほ ぼ中性になるまで蒸留水で固体を洗浄し、80 ºC のオーブン中で乾燥して白色結晶

(de-Al-MCM-68)を得た。サンプルと硝酸水溶液の混合比は、Sample : 0.5 M HNO3 aq. =

1.50 g : 45 ml とした。 2.2 種々のゼオライトを用いた接触分解反応 2.2.1 ドデカンの接触分解 ドデカンの接触分解反応は固定床流通式反応器(図2-1)を用いて行った。 microfeeder vaporizer heater catalyst 4-way valve ice bath Vent mass flow controller

gas products

Soluble products (solvent: decaline ) stop valve

( : ribbon hea ter )

Vent 3-way valve reactant: dodecane 115 ml/min micro syringe CH4/Ar (CH4 10.1 vol%) 40 cm3/min He Air 図2-1 固定床流通式反応器の概念図

(5)

触媒は Al-ZSM-5, Al-MCM-68, Al-CIT-1, Al-Beta それぞれを 400 MPa で加圧成形し 500-600 µm に整粒したものを用いた。キャリアガスとして CH4/Ar 混合ガス(CH4 10.1 vol%)を用い、ドデカン(和光純薬)の分圧は 23.9 kPa とした。石英管に触媒 100 mg を充填し、空気流通下 600 °C で 1 時間、前処理を行った。前処理と同時にドデカンお よびキャリアガス中の CH4の検量データをとった。ドデカンの回収は溶媒(デカリン (和光純薬), 2.5 g)に内部標準物質(ビフェニル(和光純薬), 0.1 mmol)を溶かした溶 液で、生成物回収時間と同じ 5 分間行った。キャリアガスの採取はマイクロシリンジ を用い、生成物の採取と同様、回収開始から 2.5 分後に行った。それぞれを GC(FID) で分析した。これを複数回(5 回程度)行い、その平均値をとった。 石英管に触媒を充填したまま、反応温度を 300, 400, 500 ºC の順に変化させ、各温度 で 70 分間反応を行った。生成物の回収は上記と同様の溶液中へトラップし、トラップ しきれなかったガス成分はマイクロシリンジで採取した。各温度反応開始から 5,55 分から 5 分ずつ回収し、ガス成分は回収開始から 2.5 分後に採取した。生成物はそれ ぞれ GC(FID)で分析した。 2.2.2 ヘキサンの接触分解 ヘキサンの接触分解は固定床流通式反応器で行った。石英管に触媒 100 mg を充填し、 空気気流下 650ºC で 1 時間前処理を行った。反応ガスは、キャリアガスとしてメタン/ ヘリウム混合ガス(メタン 4.99 vol%)を用い、ヘキサンの分圧は 7.8 kPa とした。石英 管に触媒を充填したまま、反応温度を 450, 500, 550, 600ºC の順に変化させ、各温度で 70 分間反応を行った。生成物は GC(FID)で分析した。反応後のコーク析出量は TG-DTA 分析によって測定した。

3.研究開発の結果

3.1 種々のゼオライトを用いた接触分解 3.1.1 ドデカンの接触分解 ドデカン転化率の温度依存性を図3-1に示す。いずれの触媒も温度上昇に伴って 転化率が大きくなることがわかった。また、同一温度では、時間の経過により活性の 低下がみられた。さらに、触媒活性は NH3-TPD 測定より求めた酸強度に正の相関があ ることがわかった。 Al-ZSM-5 は時間経過による活性低下が他の触媒(10 – 15 %)よりも小さかった(1 - 3 %)。活性低下の要因の 1 つとして反応中に析出したコークが活性点を覆うことが考え られ、Al-ZSM-5 はコーキングが他の触媒よりも起こりにくかったと考えられる。TG- DTA から得られるコーク析出量の結果からも同様のことが言える。Al-CIT-1 は他の触 媒と異なり 500 ºC での転化率が約 50 %であった。活性低下の要因はコーキングの他に 反応中の脱 Al が考えられる。Al-ZSM-5 などが直接合成なのに対して Al-CIT-1 のみが 同型置換で調製したので、反応中の脱 Al が起きやすく活性が上がらなかったと考えら れる。

(6)

各触媒の反応開始 5 分後の生成物分布を図3-2に示す。いずれの触媒も温度上昇 (転化率が大きくなる)に伴って高炭素数の割合が減少し、低炭素数の割合が増加した。 また、同様に溶解成分が減少し、ガス成分が増加した(図3-2(A)~(C))。これは、高 温では分解反応が有利であり、一度分解した生成物がさらに二度、三度分解したため と考えられる。ガソリン成分(C5 – C8 成分)の生成物分布において Al-ZSM-5 はいずれ の 温 度 で も n-paraffin の 割 合 が 多 く 、 ま た 、 高 温 で 芳 香 族 の 割 合 が 多 く な っ た 。 Al-MCM-68,Al-CIT-1,Al-Beta では、いずれの温度でも iso-paraffin の割合が多く、ま た、Al-MCM-68 は Al-ZSM-5 程ではないが高温で芳香族の割合が多くなった(図3-2 (D))。C4 成分の分布においても Al-ZSM-5 では n-paraffin の割合が多く、Al-MCM-68, Al-CIT-1,Al-Beta では、iso-paraffin の割合が多くなった。12 員環ミクロ孔の大きな空 間は骨格異性化の際の空間的制約がなく嵩高い構造がとれたため iso 体の割合が多い と考えられる。また、10 員環ミクロ孔はベンゼン環より少し大きい細孔径なので、そ れが芳香族の生成に適した空間であったと考えられる。 各触媒のコーク量を比較する。Al-ZSM-5 はほとんどコーキングしないことがわかっ た。また、Al-Beta は Al-MCM-68、Al-CIT-1 とは異なり、400 – 800 ºC の重量減少の他 に 200 – 400 ºC で大きな重量減少がみられた。コークの成分はベンゼン環の縮合体で 大きな縮合体ほど、燃焼温度が高くなる。Al-Beta では、大きな空間を有するためにベ ンゼン環の縮合が点在して起こり、大きな縮合体の他に比較的小さな縮合体が生成す るのではないかと考えられる。

0

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Do

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(%

)

Temperature / ºC

Al-ZSM-5

Al-MCM-68

Al-Beta

Al-CIT-1

図 3-1 ドデカン接触分解における転化率の温度依存性

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C12 C11 C10 C9 C8 C7 C6 C5 C4 C3 C2 C1 300 400 500 300 400 500 300 400 500 300 400 500 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 Temperature / ºC

Al-ZSM-5(45)Al-MCM-68(46) Al-CIT-1(40) Al-Beta(50)

D is tri b ut ion ( % ) (A) 溶解成分の炭素数別生成物分布 C12 C11 C10 C9 C8 C7 C6 C5 C4 C3 C2 C1 300 400 500 300 400 500 300 400 500 300 400 500 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 Temperature / ºC

Al-ZSM-5(45) Al-MCM-68(46) Al-CIT-1(40) Al-Beta(50)

D is tr ibuti on (%) -40 -20 0 20 40 60 80 100 C1' C12 C11 C10 C9 C8 C7 C6 C5 C4 C3 C2 C1 300 400 500 300 400 500 300 400 500 300 400 500 Temperature / ºC

Al-ZSM-5(45) Al-MCM-68(46) Al-CIT-1(40) Al-Beta(50)

D is tri b ut ion ( % ) S o lu bl e pr o d u ct s Ga s aromatic naphthene Ⅲ-olefin Ⅱ-olefin Ⅰ-olefin n -olefin Ⅲ-paraffin Ⅱ-paraffin Ⅰ-paraffin n -paraffin 300 400 500 300 400 500 300 400 500 300 400 500 Temperature / ºC

Al-ZSM-5(45)Al-MCM-68(46) Al-CIT-1(40) Al-Beta(50)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 D is tri b ut ion ( % ) (D) C5 – C8 成分の組成分布の温度依存性 (Soluble products) (C) 全成分の炭素数別生成物分布 の温度依存性 (B) ガス成分の炭素数別生成物分布 図3-2 ドデカンの接触分解

Pretreatment conditions: temperature, 600 ºC; time, 60 min; air flow rate, 40.0 cm3 min-1,

Reaction conditions: catalyst weight, 100 mg; pellet size, 500 - 600 µm; W/F, 3.3 g-cat h (mol-dodecane)-1; partial pressure of dodecane, 23.9 kPa; temperature, 300 ➝400➝500 ºC; CH4/Ar gas flow rate, 40.0 cm3(N.T.P) min-1; time on stream, 5

(8)

3.1.2 ヘキサンの接触分解 各温度でのヘキサンの接触分解開始 5 分後の結果を MCM-68(Si/Al=13),de-Al-MCM- 68(Si/Al=51),ZSM-5(Si/Al=45)についてまとめたグラフを図3.1-3に示す。Al 含 有量の多い MCM-68 は反応温度の上昇に伴い、活性低下が顕著であった。反応中に生 成 し た コ ー ク が 活 性 点 を 覆 っ た こ と が 原 因 と 考 え ら れ る 。 一 方 、 ZSM-5 と de-Al- MCM-68 では反応温度が上昇するに従って転化率は高くなった。これより、MCM-68 では脱 Al 処理によりコーキングが抑制されることがわかった。また、ZSM-5 ではプロ ピレン選択率が 33~38%だったのに対し、de-Al-MCM-68 はどの反応温度においても 40%以上の高いプロピレン選択率を示した。

Reaction conditions: catalyst, 100 mg; temperature, 450 →500→550 → 600ºC;

W/F, 12.1 g-cat h (mol-hexane)-1; p(hexane), 7.8 kPa;

CH4/He flow rate, 40 cm3 (N.T.P.) min-1.

C4

C2

hexane conversion

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C1

C2=

C3=

C3

C5

benzene

ZSM-5

Si/Al = 45

MCM-68

Si/Al = 13

de-Al-MCM-68

Si/Al = 51

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図3-3 ヘキサンの接触分解における転化率と生成物分布

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4.まとめ

12-12-12 員環系の大細孔ゼオライト(ベータなど)、12-12-10 員環系のゼオライト (CIT-1 など)、12-10-10 員環系のゼオライト(MCM-68 など)、10-10-10 員環系の中 細孔ゼオライト(ZSM-5 など)を合成し、ドデカンの接触分解反応に対する触媒性能 を比較したところ、前節に示すような傾向がみられた。すなわち、トデカンの分解活 性は ZSM-5 > MCM-68 > CIT-1 > Beta の順で高いが、反応したドデカンに対するガソリ ン成分(C5 – C8 成分)の割合は 300~400℃の比較的低温では逆の序列であった。つまり、 細孔が大きいほど反応したドデカンに対するガソリン成分の割合が大きかった。500 ℃では 12-10-10 員環系または 12-12-10 員環系で最もガソリン成分の割合が大きかった。 12-12-10 員環系では低温条件でイソパラフィンの割合が特に大きかった。10-10-10 員 環系の場合、高温条件で芳香族の割合が増加した。このように、それぞれの細孔シス テムは生成物分布やそれらの温度依存性に特徴を持っており、目的に応じてゼオライ トの種類を使い分けると良いことがわかった。 さらに、MCM-68 自体はヘキサンの接触分解に有効であることが見いだされ、脱ア ルミニウム処理によって活性・寿命が大きく向上した。プロピレンの収率が特に高く、 プロピレン増産型の FCC などには適するものと考えられる。

参照

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