男のくせに
福 岡 博 太 October 2010 男 「こりゃなんだい、なぜ牛蒡(ゴボウ)なんか入ってるんだ?こんな親子丼聞いたこ ともないぞぉ、これじゃまるで牛蒡丼じゃないか」 女 「牛蒡いいじゃない、私は好きなんだから、第一もったいないでしょう」 男 「なにが?」 女 「何がってもう一カ月も冷蔵庫に入ったままでしょう、ゴボーが。そのまま腐らせた らもったいないでしょ」 男 「えぇ???!!!それじゃ勿体ないからぶち込んだというわけか」 女 「そうよ、牛蒡おいしいじゃない、体にいいし、無駄もなくせるしぃ」 男 「しかし・・・」 女 「何が問題なわけ、私が好きなんだからいいじゃない」 男 「馬鹿言うな、おれは親子どんぶりが食いたいんだ、牛蒡丼とか聞いたこともないぞ」 女(静かにたしなめるように)「あなたねぇ、柳川丼知らないでしょ、あれはごぼうがたく さん入ってるわよ」 男 「名前くらい知ってるさ、しかしあれは確かドジョウだろう」 女 「そうよ、だけどドジョウなんかないんだから仕方ないじゃない」 男 「えぇ!?何を言ってるんだ??おれは柳川丼じゃなくて・・・」 女 「男のくせにごちゃごちゃいってないで食べなさいよ」 男 「何を言って・・・・」 女(男が言い終わらないうちに)「いいから食べなさいよ、おいしいんだから。造る者の身 にもなりなさいよ。だいたいあなたはねぇ、出したら出しっぱなし、開けたら開けっぱな し、脱いだら脱ぎっぱなし、食べ物はこぼすしトイレではおしっこまき散らかすしぃ・・・」男 「それとこれとは・・・」 女(男が言い終わらないうちに)「イイヤ、同じです」 男(深呼吸して)「いいか、おれは親子どんぶりが食べたい。卵と鶏肉、玉ねぎかなんかそ ういうものの混じった800円くらいのあれだ」。 女 「だからぁ・・」 男(おっかぶせるように)「親子どんぶりだ。牛蒡丼じゃない。こんなものが出るくらいな らはじめから外に食いに行く」 女(みなまで言わせずに)「あなたねえ、ごぼうが嫌いだからといって食わず嫌いでしょ、 あたしが作ったものが食べられないというならどうぞ、ずっと外食すればいいでしょ」 男 「なにおぅ!」 女 「私はあなたの召使いじゃないんだからね」 男 「そんならさっさと出て行け、このバカ女」 女 「あなたが出ていけばいいでしょ」 男 「な、なにお・・」 女 「だってそうでしょ、ここは私が住んでるんだから、いやならあなたが出ていけばい いじゃない」 男 「ここは俺が契約して借りているし、おれが家賃を払っている。お前行くところがな いからって転がり来たんじゃないか。それが今ではおまえの荷物だらけじゃないか」 女 「男のくせに詰まらないことをいつまでも言わないでよ、結婚してくれって土下座し たのはあなたでしょう」 男 「男のくせにって・・・」 女 「そうよ、契約がどうのって、男らしくない」 男 「何を、この・・・・」 女 「あんたなんかね、偉そうに言っても掃除も洗濯もできないし、ごみも私が捨ててる
でしょう。あんたなんかにそんなこと言う権利ない」 男 「権利って、掃除くらいあたりまえじゃないか、お前三食昼寝付きでほかにすること ないじゃないか」 女 「男のくせにいつまでもゴチャゴチャうるさいわねえ、さっさと食べて出て行きなさ いよ」 男(ぐっとつばを飲み込んで)「いいか、おれは普通に親子どんぶりが食べたい。牛蒡がも ったいないなら鶏肉と一緒に煮込んだ料理があるだろう。あれはあれで俺は食べるよ。そ うすれば品数も増えるし、無駄もなくせる。おまえこんにゃくが余ったら今度はこんにゃ くを大量にぶち込むつもりか?」 女 「そうよ、でもこんにゃく無いもん。こんにゃくがほしければ買ってくればいいじゃ ない」 男(ぐっと抑えて)「いいか、こんにゃくがほしいと言っているわけじゃない、モノの例え だ」 女 「もうゴチャゴチャうるさいわねえ、そんならこれから料理も掃除も洗濯も自分でや ったらぁ、だいたいねえ、ごぼうゴボウって自分だって役にも立たない牛蒡ぶら下げてさ あ」 男 「え?・・・・!さんざんお世話になっているくせに牛蒡とは何だ」 女 「何がお世話よ10秒でおしまいのくせに」 男 「何だとぉ、こないだひーひー言ってたじゃないか、つい一か月前のことじゃないか、 2カ月かな」 女 「ナニ言ってんのよ、こっちはせっかくやらしてやってんのに。ほかの女と間違えて んじゃないの」 男 「?!・・・・・・・」 女 「あなたのメールにいっぱい変な女のアドレス入っているでしょ、あれ何よ。感想文
でも集めたら。私が知らないとでも思ってんの」 男 「仕事以外は入っていない。お前俺の携帯調べてるのか?」 女 「そんなの当たり前じゃない、テーブルの上にほったらかしなんだから」 男 「あたりまえじゃないか、どこに置けというんだ。お前の携帯も見せろ」 女 「冗談じゃない、夫婦でもプライバシーというものがあるでしょ」 男 「そのプライバシーを一方的に無視しているのはお前だろうがぁ!!」 女 「なにがプライバシーよ。あなたにそんなものあるわけないじゃない」 男 「何だとぉ、お前にはプライバシーがあるが俺にはないというのか。一体お前の頭ど うなってるんだ」 女 「うるさいわねえ、男のくせに。そんなにプライバシーが大事なら首から携帯ぶら下 げて寝たら。いつまでグジグジ言ってんのよ。どこの女か知らないけど、今から行って食 べさせてもらったら、もう帰ってこなくていいから」 男 「ウ~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 女 「フン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 男 しばらくして 「うむ、せっかく作ったのに俺が悪かった・・・・・かもしれん。しか しね、おれが親子どんぶりを頼んだのは、普通の親子どんぶりを食いたかったから で・・・・・・・」 女 「かもしれんって、あなたも反省がないわねえ」 男 女をにらみつけて「反省するのは……」 女 「聞いた風なこと言ってないでさっさと女のところに行ったらぁ」 男 「よおし、それじゃこれからリカちゃんとこ行ってうまい親子どんぶりつくろう。つ いでにやりまくってくるぞぉ」 女 「どーぞ、どーぞ、何言ってんのよ太平洋の牛蒡洗いのくせに」 男 ニヤニヤしながら「俺が牛蒡なら、太平洋ってお前のことか」
女 「でてけぇ!このバカ男、もう帰ってくんな」 男 「はいはい、今いくよぉ、リカちゃ~ん」 ・・・・・・・・・・・・・しばらくして男帰ってくる 女 「あらぁ、もう済んだわけ、相変わらず早いわねえ」 男 「馬鹿言うな、金持っていくの忘れた。リカちゃんが待っているから金くれ」 女 「お金?ないわよ、自分のを使ったら?」 男 「金は全部お前に渡しているだろうが、おれが持っているわけないじゃないか」 女 「何言ってんのよ、安月給のくせに。そのリカちゃんだかバカちゃんだかに出しても らえばいいじゃない」 男 「バカとは何だ、人の女捕まえて」 女 「ハイハイ、バカちゃん、スカちゃん、さっさと行きなさいよ、もう帰ってくんな」 男 「帰ってくんなとは何事だ。お前のほうこそ出て行け」 女 「へえ~、いいわよ」 女さっさと着かえ始める。 男 「ほんとにでてくの?」 女 バタンとドアを閉め出ていく…… 友人「ふうん、そうか、そりゃ立場ないなあ、いいよここは俺が払う」 男 半分泣きべそをかく。「だけど、何で俺がこんな目に会わなきゃならないんだ、お前牛 蒡たっぷりの親子どんぶりって食ったことあるか、おれが遊んでいるというなら文句も言 えないさ、しかし俺は毎日外で稼いでいる。それを安月給だの俺のことをゴボウだのひど いだろう」 友人「え?お前牛蒡って呼ばれているの?」 男 「いや、それはまあいいが、おれ、このままやっていく自信がないよ」
友人「たかが夫婦喧嘩じゃないか、そういうなよ、おれは思うんだけど、女は少々のこと は許されると思うよ。考えても見ろよ、女は長い間男の犠牲で虐げられてきた。自分の考 えを発表できるようになったのはついこの頃だよ、大目に見ろよ、男じゃないか。」 男 「・・・・・・・・・・」 友人の携帯が鳴る「もしもし、え、うん今友達と…え、はい、すぐ帰ります」 男 「おいおい、なんだよ、慰めてくれないのか、そんなに奥さんが怖いのか、男のくせ に」 友人「うん、怖い、怒らせてみろ、3 日くらい口を利かない。あれこたえるだろう。よく 3 日も口きかないなんてできるなあ。それでそういう時に限って妙に行動が完ぺきでさあ。 おれが謝るまでやめないんだぜ。お前も早く帰って謝ったほうがいいぞ。あの方々と俺た ちは同じ人類じゃない。絶対かなわないから」 男 「いやうちの場合は口を利かないどころか、こちらが利かせてもらえないというか、 没論理と言うか、とにかく俺の 3 倍くらいしゃべるぞ」 友人「いや、だからさ、理屈の合わないことをしゃべり続けるって奴だろ?突然理屈が通 じなくなるだろ?あれはね、人類じゃないんだよ。「女」っていうよく似た哺乳類なんだよ。 わからせようとしても無駄なのさ」 男 「そうかなあ・・・」 友人「そうだって、何を言っても無駄です。かないません。最後は泣きだしてこっちが謝 る羽目になるんだから」 友人の再び携帯が鳴る 友人「もしもし、いやちょっとケーキでも買って帰ってやろうかと思って…え?玉子と豆 腐?はいわかりました。おい、悪いけど俺ほんとに帰るよ。いやな予感がする。買ってき てクダサイだとさ」
男トボトボと家に帰る。ドアを開ける、開かない、チェーンがかかっている。チャイムを 鳴らす。 女 「はい、どちらさまですかぁ」 男 「俺に決まっているじゃないか、早く開けろ」 女 「開けろ?誰に向かって言ってるの」 男、ぐっとこらえて「開けてくれ、寒い」 女 「寒いって、ゴボー好きのリカちゃんに温めてもらうんじゃなかったの」 男 「おい、隣に聞こえるだろうが、早く開けろよ」 女 「お願いしますは?」 男 「えーくそ、お願いします、このくそ女」 女 「え?よく聞こえないけど」 男 「おねがいします!」 女 「最初からそう素直にいえばいいのよ、ひねちゃってさあ」 男やっと中に入れてもらう。まっすぐ無言で奥の部屋に直行。しばらくして・・・・・ 男 「やっぱり腹減った、何か食わせてくれ」 女 「もう 11 時よ、そのまま寝たらぁ」 男 「馬鹿言うな、はばかりながら晩飯抜きで寝たことたないんだ。朝起きたら飢え死に してたなんてことになったらどうするんだ」 女 「じゃ、わたしの手作りの親子ドンブリを召し上がったらぁ」 男 「う~ん、あれはいくらなんでも・・・・お、こりゃなんだ、コンビニ弁当じゃない か。お前親子ドンブリ食ってないのか」 女 「うん、ちょっとね、食べてみたけどね、さすがに。ハハハハ・・・あなた食べたら」 男 「食べたらって、お前自分が食ってみて、まずくて食えなかったものを俺には食えと いうのか」
女 「いいじゃない、人によって好みが違うんだから。それにあなた作ってもらっている 立場でしょ、ぜいたく言える立場じゃないでしょ」 男 「で、自分だけコンビニ弁当買ってきたのか?おれの分はなしか」 女 「何言ってんのよ、あなたリカちゃんとこで食べるって言ったじゃない。ついでにゴ ボー洗いもしてくるってことだったでしょ。私もよっぽど彼氏のとこ行こうと思ったけど。 少しはありがたいと思いなさいよ」 男 「あれは弾みで言ったことで、そもそもリカちゃんなんか…え!お前彼氏いるの?」 女 「何言ってんのよ、男のくせに自分の言葉に責任持ちなさいよ。だいたい私のことを 太平洋ってどういう意味よ」 男 「自分が最初に太平洋のゴボー洗いって言い出したんじゃないか、役に立たないゴボ ーって言ったのはお前が最初だ」 女 「どちらが最初かなんて問題じゃないわよ。男のくせに言っていいことと悪いことの 区別もつかないの」 男 「ええ?!」 女 「女はねえ、あんなこと言われたらキズつくし今後に差し支えるわけ。あなた言って はいけないことを言ったわけよ。そんなこともわからないの」 男 「そんなこと言うならおれの立場はどうだ、ゴボーだぞ、10 秒だぞ」 女 「あなた男でしょ、男ならそのくらい耐えなきゃ、事実だし」 女・たたみかけるように「大体ねえ、男のくせに女と五分に喧嘩するようじゃ駄目よ」 男 「そ、そうか・・痛いところを、でも元々そういう話じゃ」 女 「絶対そうよ、私の友達の旦那さんなんかねえ、座っておしっこするよう頼んだらす ぐ協力してくれたらしいわよ、男ならそのくらいの度量がないと」 男 「それは度量とは関係のない話だろう、おれはご免だけど。それに今度のことはそも そもゴボー飯から始まったことであって」
女 「それ、そこ、それがだめなのよ。男のくせにいつまでも細かいことをゴチャゴチャ 言ってさあ」 男 「そうかなあ、その隣の旦那とか言うやつはゴボー飯食わされてんのか」 女 「となりの旦那じゃなくって、友達の旦那さん。何でもおいしいと言って食べるらし いわよ、偉いわねえ」 男 「そりゃ、女房が料理上手なだけじゃないかぁ。生ゴーヤと生ミョーガのサラダなん か食ったことあるかどうか聞いてみたらいい。あれは馬でも食わない、料理じゃない」 女 「何よ、私が料理下手だとでもいうの、聞き捨てならない侮辱だわ。ちょっと湯通し するのを忘れただけじゃない」 男・聞こえないように「下手どころか、ただ材料を皿に載せただけじゃないか」 男 「カレーに豚肉も最低だが、その豚肉が長さ 20 センチもある。魚を焼けば全く焼けて ないか炭状態。ご飯たかせりゃまるでお粥のようにベチャベチャ、トウモロコシ丸々の醬 油かけなんかおやつにもならない、まだあるぞ」 女・半泣きになりながら「だって露店でトウモロコシの醬油掛け売ってあるじゃない、あ れおいしいじゃない」 男 「ハムエッグつくらせりゃコテコテに焼き上げてあるし、チンさせりゃ皿までやけど しそうに熱い、刺身はベトベトに温もっているし、トーストはいつも黒こげ状態」 女・完全に泣き声になって「もういいわよ、何さ男のくせいに詰まらないことをいつまで も」 男・勝ったかな、もうひと押しと「いやあ、どうかすると朝・昼・晩こうですよ。朝はハ ムエッグとサラダ、それもキュウリを切っただけのものがドンブリのなかで混じってんだ ぜ、皿はちゃんとあるのにドンブリだぜ、サニーサイドアップどころかすでにゴチャゴチ ャ混ざってんだぜ。いくら胃の中に入れば同じったってものには限度が…」 女・ビービー泣きだす。男・言いすぎたかなと反省、だが本当だもんねと自己弁護。
翌日夕方、男帰宅する。女にやりと笑う。いやな予感がする。 女 「あなたねえ、昨日いろいろ言ってくれたけど私にも意地があるからね、勝負しよう じゃない」 男 「いや飯も食わずにいきなり勝負とか言われても、あれは双方の合意に基づき夜中に 行うものであって、それなりの雰囲気と言うか…第一こんないきなりじゃ肝心のモノが…リ カちゃんなら別だが」 女・無視してテーブルの布巾をさっと取り払う。品ぞろえ豊富。 男 「ほう、やるじゃないか・・・・・へえ~、あれぇ、これなに?」 女 「だから、牛蒡ご飯、ゴボーハンバーグ、ごぼうの煮つけ、キンピラゴボー、ゴボー サラダ」 男 「ええ!俺は別にゴボーが食いたいわけじゃ・・・・」 女 「何言ってんのよ、昨日ほかのゴボー料理なら食べるって言ったじゃない!あたしの ゴボーの料理が下手だと散々けなしたじゃない。あたしが下手かどうか食べてみなさいよ」 男 「いいよ、分かったよ、食うよ。モーグモグ、ムーシャムシャ、パークパク・・・・」 男 「う~ん」 女 「どう?おいしいでしょ?」 男 「このキンピラさあ、ヤケに甘いけど何入ってんの?」 女 「いやレシピ通りよ、みりんとか砂糖とか」 男 「ほかには?」 女 「ほかにって・・・・・・・・・・・ちょっと食べさせて・・・・・・・う~ん、あ れ、こんなまずかったかしら、これダメ、これ失敗」 男 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・試食してないのか」 男 「このベーコン巻きさァ、ごぼう下調理してあんの、ナマみたいだけど。いきなりベ
ーコンと一緒に焼いたんじゃないの?竹食ってるみたいなんだけど……お!このゴボーサ ラダうまいじゃない」 女 「いや、それは買ってきたやつで・・・・・・」 男 「この煮つけやたらと辛いな、真っ黒で木の根っこの塩漬けみたいだ、につけという より醤油のつくだ煮というか」 女・泣き被って爆発する「もういいわよ!何さ、男のくせに!小さな事ばかり取り上げて さぁ、こっちの苦労なんかまるでわかってない、もう2度とつくらない!!」 男 いや挑戦するというから言っているだけで・・・・女バタンとドアを閉め出ていく 翌日、男帰宅する。女ボンヤリと座っている。 男 「おう、どうした、具合でも悪いのか」 女 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 男 「何だよ、どうしたんだ、晩飯外に食いに行こうか」 女 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 男 「参ったな、だんまり作戦か・・・・・おい、俺が悪かったよ・・そんなことないけど・・・・機嫌 直せよ、なんか食べに行こう」 女 「・・・・・・・・・・・・・・・・・わたしね、もう自信なくした。妻として失格 だわ、離婚してちょうだい」 男 「自信なくしたって言ったって・・・・・・・自信持ってたわけ・・・・・・・いや気に するなよ、おれも悪かったよ。少しずつ勉強すればいいんだよ・・もう 2 年もたってるけど」 女 「いや、もうダメ・・・・・旦那も悪いけど」 男 「そんなことないって、大丈夫だって・・何が大丈夫か知らんけど」 女 「あたしの料理食べてくれる?」 男 「あたりまえじゃないか・・・・これまで耐えてきたし」
女 「ホント?ほんとうに食べてくれる?」 男 「本当だ、料理だけがすべてじゃあるまいし、元気出せよ」 女 「ええ!料理だけがすべてじゃないって、なによそれ、私には料理の才能がないとで もいうつもり?」 男 「いや、そんなつもりは、自分で自信なくしたって言ってたじゃないか」 女 「それは言葉のあやでしょ、そんな時こそ慰めるとか励ますとかできないの、そんな こともわからないの、男のくせに!」 オワリ 10・09・2010