研
究
﹁天草版平家物語﹂
の
敬
語
法
に
つ
いて
序 ﹁天草版平家物語﹂は、一五九二年︵文様元年﹀天草学林で日本 人イル 7 ン・不干ハビヤンが編者となり、完成したローマ字本であ る 。 開き手に右馬の允、語り手に喜一検校といれ紋空の人物からなる 対話形式をとり、﹁平家物語﹂十二巻を四巻に絡め、﹁平家興亡﹂ を 中 心 と し て 物 語 は 展 開 し て い る 。 ﹁ 一 半 家 物 語 ﹂ の 数 多 い 異 本 の な か か ら ﹁ 天 草 版 平 家 ﹂ が 底 本 と し た﹁原平家﹂は、巻一が﹁一方系本﹂︵覚一別本︶、巻二以下は、 ﹁ 百 二 十 句 本 ﹂ の 本 文 に 近 い 。 ζ れ ら の ﹁ 原 平 家 ﹂ を 底 本 と し て 、 きふたん ﹁両人相対して、雑談そなすがごとく、ととばのてにはを書写せ ほんじよ よ と な り 。 ﹂ ﹁ 乙 の 物 一 訟 を 力 の 及 ぶ と と ろ は 本 書 の ζ と ば を た が へ 自主が事 ず、書写し、抜書となしたるものなり、﹂︵序文四ベ︶という両市 を﹁口語教科書﹂﹁慌史教科書﹂という成立目的のもとに達成させ る た め 、 表 現 上 の 相 当 の 苦 心 が 考 え ら れ る 。 このような諸点のもとに口語訳された﹁平家物語﹂は‘先学によ り各稀研究がなされているが、なお幾多の研究課題を蔵している。J
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畑岬
子
淑
本 研 究 は 、 ﹁ 敬 語 法 ﹂ を と り 扱 う も の で あ る 。 日 . 教 師 の ﹁ 犠 悔 を きくこと、説教をするとと云々。﹂の任務は、日本人としての﹁正 しい話しととば﹂のもとになされるべきである。それは、あらゆる 階級の人々の間でおとなわれ、そのため、敬語訟を学ぶことは、不 可 欠 の 問 題 に ち が い な か っ た ・ テキストは、亀井高孝、阪国雪子翻字﹁ハピヤン抄、キリシタン 版平家物語﹂︵古川弘文館︶、﹁原平家﹂は、山岡孝雄校訂﹁平家 物 語 ﹂ ︵ 岩 波 文 庫 ︶ を 用 い た 。 敬語法の分類は、諸説があるが‘﹁尊敬、謙譲、丁由ごとする分 類 に よ る 乙 と に し た 。 なお本稿は、先に提出した字業論文、第一本の﹁原平家﹂との対 応部分のみであり、各敬語も、その代表的なものに限った。 第 一 章 ﹁原平家﹂との対応関係からみた﹁天草版平家﹂の敬語 法 に つ い て ﹁天草版平家﹂と、その底本である﹁原平家﹂との対応関係につ いて調査し、﹁天草版平家﹂における敬語法の位置を知ろうとする の が 本 章 の 目 的 で あ る 。ー コ t i) 乙 て こ お で こ は tJ
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天 草. 板 平 家 '- -巻 と 第 節 諮 法 ﹁ 覚 一 別 本 ﹂ と の 対 応 部 分 に 一 円 、 る ・ ら る ﹁ 天 草 版 平 家 ﹂ に お い て 、 ﹁ る ・ ら る ﹂ は 、 約 一 二OO
例用いられ ている。この使用数は、口訳者が、物語の登場人物に用いているも の と 、 A i 場人物の間で諾される会話を口訳者が語る部分に用いてい るものとにわけられる。ここでは、前者を、地の文とよび、後世内 を、会話文とよび、それぞれを区別して考察することにする。ま ず 、 地 の 文 か ら 述 べ る ・a
、 地 の 文 地の文における﹁る・らる﹂は、約二六八例用いられている。さ て、﹁陳平家﹂との対応を示せば、表ω
のとおりである ω 表ω
か ら わ か る よ う に 、 ﹁ 天 草 版 平 家 ﹂ の ﹁ る ・ らる﹂は、﹁原平家﹂の ﹁ る ・ ら る ・ 給 ふ ﹂ お よ び、﹁倣活動詞﹂と対応 している。まず、﹁原平 家 ﹂ の ﹁ る ・ ら る ・ 給 ふ ﹂ 表\
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給 ふ I 83 敬語動詞 I6
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な し I 24 と の 対 応 例 を 示 せ ば 、 次 の と お り で あ る 。 原 平 家 ︽ 以 オ コ 原 押 し F と 記 す . ︶ 例 一 、 天 草 版 平 家 ︵ 以 下 ﹁ ︵ 天 ︶ ﹂ と 記 す 。 ︶ 町E
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パ 引 制 l i l −−よ戸﹂だへ 3 さ れ た 山 る 刀 令 部日なさにかひそかにまかりいでらるるとて、横たへ℃さされたか ば ii ︵ 四 五 ペ ︶ の 刀 を ・ : ︵ 七 ベ ﹀ ︵i
線 は 策 者 、 以 下 同 じ ︶ ︵ 原 ︶ 大 納 言 の 北 町 方 は 此 世 に 無 き 人 と 開 制 川 て ・υ h
ト 一 一 九 ペ ﹀ 例 二 、 ︵ 天 ︶ 、 成 親 卿 の 北 の 方 は こ の 世 に な い 人 と 、 聞 か る れ ば 、 ・ ︵ 五 五 ベ ︶ 敬語動詞との対応には、会話交の結びの部分で、﹁原平家﹂の ﹁ : と 官 一 へ ば ﹂ を ﹁ ・ : と 言 は れ た れ ば 、 ﹂ に 改 め て い る 例 が 四 一 例 あり、他には﹁おはしけり﹂﹁召す﹂を﹁ゐられた﹂などがあげら れ る 。 注 一 ﹁ 口 氏 大 文 典 ﹂ に よ れ ば 、 ﹁ る ・ ら る ﹂ は 、 ﹁ 話 し こ と ば と 警 き と とばにおいて用い、﹂︵五七九ベ︶﹁給ふ﹂は、﹁書きととほとし て使はれる。﹂︵五八四ベ︶とある。との説明から考えあわせて、 ほぼ﹁天草版平家﹂は、口語調であり、﹁照平家﹂は、女否問調であ る と 言 え よ う 。 次 に 、 主 な 世 情 場 人 物 に つ い て 、 ﹁ 原 平 家 ﹂ の ﹁ る ・ 九 一 る ・ 給 ふ ﹂ との対応関係をみると、表的のとおりである。巻一ば、情感の威勢栄 華のととから、資盛の関白殿への狼籍、成親媒抜、重盛の小教訓、 少将などの流罪のこと、俊寛のことなどが語られる。そのため、登一
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-L E 賞 作 i J げ B a t a − V 1;
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﹁る・らる﹂の用いられる登場人物は、清盛・重盛などから、女 房・侍にまでおよぶ。宮中関係者には一例もない。以上のととか ら、﹁る・らる﹂の敬意度が、それ程高くないとと、身分の高い人 には用いないことなどが、ほぼ、予測できよう。事実、﹁口氏大文 典﹂によれば、平日通に最も低い程度の敬意を動請に添へるのはこ の 助 辞 を 用 ゐ て 話 す 場 合 で あ る 。 ﹂ ︵ 五 八 一 ペ ︶ と あ る 。 乙 の ﹁ る ・ らる﹂を、一代の英雄といわれた清盛に用いているととになろう。 乙の事実は、活感が乱暴な政治をお乙なド、悪評をかった描写を語 り手が強調していると思ラのである。乙の点からも、清盛に対し て、敬意度のそれ程高くない敬語を用いている口訳者の態度がうか が わ れ よ う 。 b 会 話 文 会話文の﹁る・らる﹂は、地の文の約十四パーセントになってい る。三五例である。地の文が約二六八例と圧倒的におおいのに対 し 、 ζ れは極端にすくなくなっている。乙の事実は、次項に述べる ﹁せらる・させらる﹂が、逆に、地の文にすくなく、会話文におお いことを考えあわせると、興味ある現象であると恩われる。 使用数と人物関係については表
ω
にしめすとおりである。乙の他 重 盛 ← 清 盛 戸 糟 曜 の こ と ︶ に 、 ﹁ 天 草 版 平 家 ﹂ だ け に あ る も の 、 八 例 ︵ ﹁ : ・ お ほ せ つ け ら れ て ﹂ 清 盛 ← 教 盛 ︷ 成 親 の こ と ︸ ﹁ : ・ と く は た て ら れ た 。 ﹂ は 、 ﹁ 原 平 家 ﹂ の ﹁ お ほ せ つ け て ﹂ ﹁ 企 て あ り 。 ﹂ の 形 で 用 い て あ る 。 ︶ 表 現 の と と な る 例 八 例 ︵ ﹁ ・ : 集 め らるる﹂﹁難かるる﹂は、﹁原平家﹂の﹁召され候﹂﹁難き申候﹂ と対応している a ﹀ な ど が あ げ ら れ る ・ 主な人物の敬語については、表ω
にあげた以外の敬語もあわせ用 い ら れ て い る 。 件 に っ て 、 次 項 の ﹁ せ ら る ・ さ せ ら る ﹂ と あ わ せ 考 え て (3)孟
止
「
話 る .~らる 1 給ふ 重盛→清盛 清盛の乙と 重 盛,
,
成 親,
,
教盛→清盛,
,
教盛盛国→→成重盛経,
,
,
,
2
一一漕教重盛二→1
重画面盛一 // 院中の人々 成重点堅静J
三→主重盛経E
量重一
成 親,
,
// 重 腐 侍 共,
,
法 皇,
,
重 磁 → 侍 [!同ヨ2
-重 盛 → 侍 側互の后 2 有王→乞食 俊 寛 成親の北の(文方) 成親の幼い人3
-表|せらる拘る I~
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|原平家|二~号
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竺主二土ーリらさ
天蓬百~--←一一一--1 士言
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家 る い ら と 「 」 の が 例 」 l乙 る ほ 給 の (4) 表ら る ﹂ が 、 ﹁ 原 平 家 ﹂ の ﹁ 給 ふ ﹂ と 対 応 し て い る 例 が 二 例 み ら れ る 。 乙の二例は次の箆由により例外と考えてよかろう。すなわち、成親 に対する尊敬語は、﹁る・らる﹂三八例で、乙れは、﹁原平家﹂の ﹁ る ・ ら る ・ 給 ふ ﹂ に 対 応 し て い る 。 い ま 、 ﹁ せ ら る ・ さ せ ら る ﹂ が 用 い ら れ て い る 部 分 を 検 討 し て み よ う 。 ︵ 原
γ
大 納 言 心 な ら ず 乗 り 給 ふ . l i l − − 例 三 、 ︵ 天 ︶ : ・ 車 を よ せ て と う と う と 申 せ ば 、 心 な ら ず 乗 ら せ ら れ た を 軍 兵 ど も ・ : ︵ 四 六 ベ ︶ 成 親 が 流 さ れ る 場 面 で あ る 。 成 親 に と っ て、もっとも悲惨な事態であろう。従って、語る者の同情をかうに 十分である。﹁天質版平家﹂の口訳者は、成親に対する感情ぞ﹁せ ちる﹂で表現したものと思われる。こ乙に、口訳者の感情の介入に より、尊敬語の用いかたに違いがあると考えられるのである。 次 に 、 清 盛 の 姫 君 に 用 い て あ る 例 を 述 べ る 。 ︹ 原 ︶ 英 外 庖 八 人 お は し き ・ 怖 と り に 幸 給 へ h . ー ー ー 例 四 、 ︿ 天 ︶ : ・ 姫 君 も 八 人 ま で ご ざ っ た が 、 阿 ? の な 縁 に つ か せ らl
一 人 は 尼 に た 川 凶 陥 凶 い 主 ﹁ 御 誕 生 あ b て、皇太子に立 れ た 。 そ の う ち に 一 人 は 扇 に 立 た せ ら れ て 、 明 日 目 ’ 予 を 御 誕 生 あ っ て の ち . 依 に つ か せ 給 し か ぽ 二 院 号 か う ぶ ら せ 給 ひ て 建 礼 門 院 と ぞ 申 げ る . ︵ 日 一 ぺ ︼ ち に は 建 礼 門 院 と 捕 し た ・ : ︵ 一 三 ベ ﹀ ﹁ 原 平 家 ﹂ に お い て は 、 清 昨 慌 の 姫 君 と 、 姫 対 が 嫁 い だ 後 の 身 分 、 すなわち、建礼門院とは、尊敬語の用いかたにちがいがみられる。 これは、宮中関係者とそうでない者との敬語の使いわけをおとなっ て い る ζ とになる。﹁天草版平家﹂の口訳者は、﹁原平家﹂のこの ような使いわけに気づいたであろうか。気つきながら、両者に﹁せ らる﹂を用いたと仮定すれば、一代の英雄であった清盛の悪評は、 姫君には、関係ないとみて、﹁せらる﹂一本でとおしたとするのは 考えすぎであろうか。以上述べた理由により二例を例外とみたい. b 、 会 話 文 ζ ζ で称する﹁会話文﹂は、聞き手と話し手が直接相対して話す ことから相手を意識する。その意識が敬語を左右すると考えられ る。それらを考えあわせて司る:りる﹂との比較もおこない、登場 人物についての尊敬語法の諸相をみたいと思う。表ω
は、人物関係 と、﹁原平家﹂の対応とあわせて表示したものである。表ω
か ら 次 の と と が 注 意 さ れ よ う 。 一、話し手、聞き手のちがいによらず、宮中関係者に用いてい る。﹁口氏大文典﹂によれば﹁せらる・させらる﹂は、﹁話し ζ と 表ω
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2ばにおいて、最も高い敬意を示すロ﹂︵五七九ベ︶、﹁せ給ふ・さ せ 結 ふ ﹂ は 、 ﹁ 書 き こ と ば に お い て 、 最 も 高 い 程 度 の 敬 意 を 示 す 。 ﹂ ︵ 五 七 九 ベ ︶ と あ る 。 と の 説 明 か ら も 解 さ れ よ う 。 二、臣下が主人に、主人の近親者に、目前にいる時といない時に か か わ ら ず 用 い る 。 ︻ 原 ︶ ・ ・ ・ 吉 ぜ 給 ひ て l 幼 い 人 例 五 、 ︵ 天 ︶ : ・ 幼 い 人 は あ ま り に 恋 ひ 乙 が れ さ せ 劃 判 て ; と む つ か せ 給 ひ し が ・ . らせられたが、︵七六ぺ︶乙れは、有王が、主人である俊寛の近親 者 を 最 高 に 尊 敬 し て い る 。 こ の よ う な 例 は 数 例 み ら れ る 。 三、話し手が開き手のちがいにより、話題、場の雰囲気に左布さ れて用いる。乙れは興味深い現象であると恩われる。例えば、消践 の場合をみると、﹁る・らる﹂で表現されている例が三一例みられ る。従って、清盛に対しては、﹁る・らる﹂で表現されるのが自然 である。ところが会話文に﹁せらる・させらる﹂で表現されている 例が五例ある。さて、これと﹁る・らる﹂の用例と比較してみよ
’ つ 。
げ ︽ 原 γ い ル 陥 池 ・ も ・ 例 六 、 ︵ 天 ︶ た と ひ 清 盛 い か な る 不 思 議 を 下 知 せ ら み 引 と も 、 な ぜ に重盛に夢ほどなりとも知らせなんだぞp
︵ 十 七 ぺ ﹀ 例 七 、 ︵ 天 ︶ い か に い は ん や 、 先 祖 に も い ま だ 聞 か ぬ い 太 政 大 臣 をS
Y
・ 凶 ほ 愉 凶 い 十 担 問 き は め さ せ ら れ 、 か う 申 重 盛 も 愚 か な る 身 に で ご ざ り た が ら : ・ ︵ 四 十 ベ ︶ 例 六 は ﹁ 殿 下 乗 合 ﹂ の 条 で ・ 、 重 盛 が 清 盛 に 立 腹 し 、 周 囲 の 侍 に語った会話である。例七は、成親の罪の許しを、重盛が清盛に懇 願する場面である。成親への罰を軽くしてくれるとすれば﹁させら る ﹂ と い う 最 高 敬 語 を 用 い て も 、 お し く な い 重 盛 の 心 意 で あ ろ う 。 ζ の二例の比較によれば、明らかに重盛が清盛に対して心の変化が 考えられる。乙のような例は﹁足摺の状﹂で、俊寛と少将の会話に も み ら れ る 。 次 に ﹁ 原 平 家 ﹂ と の 対 応 を み れ ば 、 ﹁ せ 給 − ふ ・ さ せ 給 ふ ﹂ と ほ ぼ 対応している。ただ、﹁る:りる・給ふ﹂との対応が数例みられ る。乙れらは敬意度から考えて、﹁天草版平家﹂の口訳者が同等の 敬意度と考えて用いたものとは考えられないロしたがって、口訳者 が、登場人物に﹁原平家﹂に用いている以上の敬意度を、もつ﹁敬 語﹂で語らせたものと考えられないであろうか。会話文に口訳者の 感 情 が 加 わ っ た と い え る で あ ろ う 。 第二節 謙 譲 語 法 村 、 奉 る 巻一における﹁奉る﹂は五七例用いられている。﹁原平家﹂との 対 応 は 、 ﹁ 奉 る ﹂ と 三 二 例 、 ﹁ ま ゐ る ﹂ と 十 六 例 、 ﹁ 申 す ﹂ と 一 例 、 ﹁ 上 る ﹂ と 一 例 、 添 加 さ れ た と 思 わ れ る 例 三 例 な ど が あ げ ら れ る 。 以 下 、 地 の 文 、 会 話 文 に わ け で 、 簡 単 に 述 べ た い 。a
、 地 の 文 - 5一
(6)∞か門害警警
まゐる|奉る 重 盛 法皇 清 盛,
,
成 親,
,
f寺 朝 家 経遠兼康 成親 話 者,
,
2 経 遠 II 信 俊 II 2 成 経 教盛 兼 康,
,
2 話 者 成経 経 遠,
,
有 王 俊寛 2 表人物と用例については表
ω
に 示 す と お り で あ る 。 成 親 卿 ︵ 原 ︸ : 陣 ゆ ・ : 例 八 、 ︵ 天 ︶ ・ ・ と 言 う て 、 地 ヘ 渡 し 奉 り 、 備 前 と : ・ と い ふ 山 寺 に.
E − 置 岨 軍 基 . お き 奉 っ た 。 ︵ 五 十 ぺ ︶ 清盛︷駅︶・・悩惨同せん・ 例 九 、 ︵ 天 ︶ 、 法 皇 を 迎 ひ 奉 ら う ず る と と を も は や 恩 ひ と ど ま り ・ ・ ︵ 四 四 ぺ ︶ ﹁ 口 氏 大 文 典 ﹂ を み れ ば 、 ﹁ 身 分 の 低 い 品 白 か ら ︷ 商 い 人 へ 一 : 多 大 の 畏敬と丁寧さを示して、あり得る限りの最高度に謙そんの心持在来 す 。 ﹂ ︵ 五 八 七 ぺ ︶ と あ る ・ ﹁ 原 平 家 ﹂ と の 対 応 を み れ ば 、 ﹁ 奉 る ﹂ は 、 ﹁ 原 平 家 ﹂ の ﹁ 奉 る ﹂ ﹁ ま ゐ る ﹂ と ほ ぼ 対 応 す る が 、 ﹁ ,m
す ﹂ ﹁t
る﹂などのように﹁ネ る ﹂ と 同 じ 機 能 を も っ 謙 譲 一 訟 に も 対 応 す る 吋 能 判 そ も っ て い る と い え よ う 。 b 、 会 話 文 会 話 文 の ﹁ 奉 る ﹂ ー は 、 三 四 例 で あ る 。 地 の 文 よ り や や 多 く な っ て いる。この現象は、話し手と聞き手が門前にいる ζ とから話し手 が聞き手を意識し、へりくだりの意味で川い必ものであると恩われ る 。 ﹁ 原 平 家 ﹂ と の 対 応 は 表m
に し め す と お り で あ る 。 さ て ﹁ 来 る ﹂ の 注 意 す べ 直 明 例 を 二 、 一 ニ 述 べ て み よ う 。 ︻ 附 胤 ︼ 白 能 れ 露 崎 順 ほ ず ・ ・ ・ ・ − 劃 引 せ L − 例 十 、 ︵ 出 入 ︶ : ・ 片 、 時 も 離 れ 奉 ら な 凶 惚 れ ば 、 : ・ 諌 め ら れ 劃4
た お 、 書 ら せ 侯 は ず . 乙 と ば も 、 肝 に 銘 じ て 片 、 時 も 忘 れ 泰 ら ぬ 。 ︿ 信 俊 ← 成 親 申 北 町 方 、 成 調 町 こ と 、 北 町 方 の ζ と ﹀ ︵ 五 三 ベ ︶ 臣下が主人とその近親者に用いている例である。乙のような例U
数 例 み ら れ る ・ の れ し り し 何 じ 読 よ た が 例 か の 例 い 例 |う成「十
れ 遺 十
、十一言電日三聞き手直面玄重亙亘亙;
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恨 二 : ー | ー| | 原 平 家 よ 乙 tc る は も を 、 お 、| | 卜一事す「Z τ 7 り の 清 」 、 誌 も ( ん ( 京 | !L
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用 よ 盛 l乙 成 豪 っ さ 命 号 | 清 盛 → 貞 能 | 禁:
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ー (7) 表 ー も 一第 一 回 一 節 丁 寧 語 法 ぃ ト ど ざ る 使用数は、地の文九五例、会話文一一六例である。乙れは﹁原干 家﹂に一例もみられない。﹁天草版平家﹂独得の丁寧語法といえる で あ ろ う 。
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、 地 の 文 ま ず ﹁ ど ざ る ﹂ の 用 い ら れ か た に つ い て 、 文 中 、 文 末 に わ け て い 波ω
にしめす。表からわかるとおり、文末に用いられている例が過半 数 を し め て い る 。 (8)で
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二
三
位
表 …てどざある。 例 十 三 、 ︵ 天 ︶ : ・ と 、 あ る 人 の 書 き お か れ た も 、 今 自 の 前 に 知 ら る ︻ 原 ︼ l 思 し ら れ け れ ・ る 体 で ご ざ る 。 ハ 一 一 二 ベ ︶ ︻ 原 Y ・ L ばらくは抑へ 例 十 四 、 ︵ 天 ︶ ・ : 成 親 卿 は 私 の 宿 意 を し ば ら く は と ど め ら れ も 寸 剖 ら れ げ り ・ っ た 。 ︵ 一 九 ベ ︶ とれらは物語が一くぎりついた所に用いられている。このよう に、物語に﹁しめくくり﹂をつける如くに用いられている例がおお い。﹁話し手﹂と﹁聞き手﹂を設定した口訳者は、物語を発展させ ていく上で全体的な安定を必要とし、文末に﹁ござる﹂を用いたも の で は な い だ ろ う か 。 さ て ﹁ 原 平 家 ﹂ と の 対 応 は 、 次 の 如 く に 分 類 さ れ る 。 一 、 助 動 調 ︵ け り ・ た り な ど ︶ と 対 応 五 二 例 。 一 例 を し め す 。 柚 を 阻 ら 阿 川 十 五 、 ︵ 天 ︶ ・ : と 一 百 う て : 守 護 の 武 士 ど も も み な 鎧 の 袖 を ぬ ら い し げ る ・ 2 ‘ − て 一 ベ ︾ て ご ざ る 。 ︵ 四 六 ベ ﹀ 二、﹁天草版平家﹂で独自に添加している、十三例。口訳者が物 語 を 進 め な が ら 、 対 応 の な い と 乙 ろ に 用 い て い る も の で あ る 。 円 原 ﹀ 目 嘉 応 元 年 七 月 十 対z h
︺ 一
R I l − − − − : 自 1 以 引 円 例 十 六 、 ︵ 天 ︶ : ・ 嘉 応 元 年 の と と で ご ざ っ た に 、 一 院 は 御 出 家 な さ ︻ 七 O ベ ザ れ で ご ざ っ た 。 ︵ 十 三 ぺ ﹀ ごの用例をみれば、対話性が生き生きと感じられると思うのであ る 。 三、右馬の允と喜一検校との対話中に用いている、ニO
例 。 四 、 対 応 不 明 な も の 、 三 例 。 ︹ 原 ︶ i 古 れ ば i 例 十 七 、 ︵ 天 ︶ 、 引 制 判 引 叫 出 剖 寸 剖 叫 判 寸 討 、 平 家 の 悪 し い と と ど も : ・ ︵ 十 二 ベ ﹀ ﹁乙のやうにござったによって﹂と﹁されば﹂を比較するに、後 教のひきしまった固い感じのする語調を前者の如く、くだけた言い 方 に 改 め た も の と い え る で あ ろ う 。 以 上 、 地 の 文 に お け る ﹁ ど ざ る ﹂ に つ い て 、 簡 単 に 考 察 を お 乙 な っ- 7
一
た。口訳者が﹁雑談形式﹂の対話の中で﹁とざる﹂そ選び用いた点 は、﹁天草版平家﹂を特色づけるものといえよう。 話 ﹁原平家﹂との対応を分類すれば、 一、﹁原平家﹂の﹁候﹂と対応八八例 ︵ 原 ︶ 、 ﹃ 攻 辺 何 と た ろ 世 の 物 ー 一 が 凡 ろ 帳 L3 例十八、︵天︶、ゆふべ何とやら世上が物騒がしうござゥた桂、・: : と 余 所 に 忠 て 附 へ ば 、 1 1 1 1 1 1 i f l 山市成績が身の土にて附ひけり。︵一 O 九 ぺ ︶ などとよそに忠うてござったれは、はやそれがしが身の﹂になって ござる e ︵二二ベ︶︵少将←近習の女房達︶﹁ござる﹂と﹁候﹂に ついて、﹁口氏大文典﹂をみれば、﹁候﹂について﹁書きことば、お 状に使い・:﹂︵六七八ベ︶とあり﹁ござる﹂について﹁話しととば のみに使はれる。﹂︵五九