Title
道路交通環境問題のシステム(資料)
Author(s)
上間, 清
Citation
琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science &
Engineering Division, University of the Ryukyus.
Engineering(7): 63-76
Issue Date
1974-03-01
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12000/26214
63
(資料)
道路交通環境問題のシステム
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一つの現象がある時,それはH何らかの原因に基づ く結果としての事実である"との判断は,理論組立て の前提だし,諸学の前提的命題でもある内この現象 (結果あるいは解決を要するものとしての問題〉が,
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量的においてまた質的において多様な性質を有する数 多くの原因(要因〉群の結果であるとき,それらの適 確な指摘は,当該現象〈問題〉の解析(解おの前提 でありながら,現実には極めて困難を件なう場合が多 い内例えばその原因群が技術的なもの,経済的・社会 的なもの,政治政策的なものを含み,複雑に絡みあう 環境問題のような場合がそれであろう角by
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結果と特定要因 (1) ①警察庁:その交通事故統計によれば,原因とし て指摘されるのは多くの場合,道路交通法規違反群で ある角 図l (2) ②交通裁判における判決:専ら事故当事者の事件 発生時における行為が中心であるの (3) ③ 技術者〈道路,交通,自動車) :道路構造また 自動車構造面からの原因慨庁を主体とするe ④評論家:経済政策,交通政策,都市政策の欠陥 の指摘をする面が強いの このような場合,現実における問題指摘は,種々の 専門分野において,特定原因論が展開される場合が多 い内省略された他の原因項との関連は無視されるか, 一般言及に終わるのが常である角 (図-1) 例えば交通事故の問題の場合を考えてみると,その 原因と指摘されるところは,専門分野によって次のよ うに多様である内 受付:1973年四月31日 *琉球大学理工学部土木工学科64 上問:道路交通環境問題のシステム(資料〕 交通事故の外,交通公害〈道路交通法第2条23号〉 についても,同様に多様な原因指摘がなされている内 このように複雑な問題の解析に, システム・アナリ シスまたはシステムズ・アナリシス手法が多方面で試 みられつつあるが,道路交通・環境の面では,交通制 御の場合を除いてはまだ十分解析が試みられていない ようであるm 以下においては,筆者が日本交通政策研究会の一員 として考えた,交通・環境問題のシステムズアナリシ スにおける問題構造についてレビュー資料とともに述 べるものとする内この種の問題検討に際してまとまっ た資料がないので,問題発見に際し参考になると恩わ れる内
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システムズ・アナリシスについて (4) 詳しい事項は文献にゆずるとして簡単にレビューす るものとする内 (1)定義〈システム〉 研究者により,また強調点の相違により種々の提案 がある角 ・ある共通の計画に伴う,または共通のー目 的 に 奉 仕する多種多様の部分から形成されるlつ の 複 合 体 (Webster's Dictionary) ・あるLつまたはいくつかの目的を逢:するためのl つの手段であって,それを完全に記述するためには① それによって達成されるものと②達成のプロセスにお いて用いられるメカエズムおよび手続きとを明確にし なければならない (A.M. McDonough, L.J
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Garret) ・ あ る 様 式 に 従 っ て 動 く 装 置 (device),手順 (procedure) ,あるいは機構 (scheme)であってそ の機構は情報ないしエネルギーないし物質と時間的に 作用して,情報ないしエネルギー,ないし物質を産み だすもの(D.C.Ellis,F.J. Ludwig) ・ある共通の目的に奉仕する複数(通常は多数のさ まざまな〉構成要素と,それら構成要素間のさまざま な相互依存関係からつくられるLつの複合体C
宮川公 男ほか〉 (2) 定義〈システムズ・アナリシスj ・不確実性の下あある複雑な選択の問題に対する接 近法またはものの見方であって,それは適切な目的を 体系的に調べ,それを達成するための代替的な政策ま たは戦略に関係する費用,有効度および危険を定量的 に比較し,もしあれば,それと追加すべき代替案を作 成することによって意思決定者の行動の選択を助ける 探究ということである (F.S. Quade) ・将来のことを深くつっこんで洞察しより多くの要 因を含みより広範囲に可能な行動案を検討し,より高 次元の代替案を考慮されるような軍事問題にOR
が応 用される場合に,相互関連的な要因から構成される広 範なシステムの比較のこと (R.N. Mckean) ・複雑な問題を解決するために意志決定者の目的を 的確に定義し,代替案を体系的に比較評価し,もし必 要とあらば,新しく代替案を開発することによって, 意志決定者が最善の代替案を選択するための助けとな るように設計された体系的な方法ぐ宮川公男ほか〉 (3) システムズ・アナリシスの手J[慎(図-2) (1)問題の明石在化 問 題 の 枠組 みl 目標およびfI的│ !の 評価~/:; 1;"ト目立 仮 , ,11I以 仮 定j 計量できない~囚 省略された袈囚 不確実性 検 征 結 E歯 (2)宮:1 査 デ ー タ の 収 集 加 工 哀f;l{r.¥Jの関係の調10 代 脊 案 内 列 挙 開 発 相 「 モデルの作成 壬デルの操作(代特 集の~~用と f史益{有 効[主)の11tH) 代持集のnJn
・!il!益 ( ギi;:))I.(O比 較 不碓~性とその分割i 図- 2 システムズ・アナリシス手順 (4) システム分析とシステムズ・アナリシス 両者を特に区別しない場合もあるが,厳密には,次 (6) のように内容が具ると指摘する分析者もある内 「システム工学は,ハードウェアシステムについて, その分析と設計を工学的に研究する方法の体系であっ て,問題となっている機械あるいは人問機械の組合せ をシステムとしてとらえ目的や意図に合致するように システムを作りあげることを目的としている合 (分析 のタイプに〉システム分析 (Systemanalysis) とシ ステム設計 (Systemdesign)がある」r
(システム分析では〉システムを構成している要素 の種類,内容を吟味し,そのシステムのインフ.ットと アウトプットとの関係,すなわち,要素聞の相互依存 関係, J順序ならびに各要素とインフ.ットおよびアワト琉球大学理工学部紀要(工学篤〉 65 プットとの関係の仕方を分析する」 「システムズアナリシス CSystemsanalysis)は,主 としてハードウェアの部分を取り扱うシステム工学の システム分析およびシステム設計という考え方を重視 して,これを社会全般の複雑な問題にまで応用してゆ こうとしているのであるが(社会に応用される場合社 会工学〕この際システムズ・アナリシスはこの側面ば かりであく,問題の設定,代替手段の開発検討,費用 と効果の徹底的比較,目的の再検討といった他の分析 的側面をも同時に重視しておりより広い体系的な分析 なのである内」 (5) システムズ・アナリシスと隣接科学(図-3) 図- 3 システムズ・アナリシスと隣接科学 (6) シミュレーシヨンとその手1)頂図 複雑な現象あるいは結果を説明するための表現のこ とを Model というがそれには, ① 表 現 の 形 式 によ り視覚モデル Ciconicmodel) ,アナログ・モデノレ Canaloguemodel)記号モデル (Symbolicmodel) があり,②手法によって分類すると分析的モデル Canalytic model) シ ミ ュ レ ー シ ヨ ン ・ モ デ ノ レ CSimulationmodel) , 発 見 的 モ デJレCheuristic model) などがある角 シミュレーション CSimulation) とは,現実を上 記のようなモデ〉レの形式のどれか〈多くの場合記号モ デルまたはアナログ・モデルを用いるが〉によって表 現しそれを用いてあるインプット(現象を様成する要 因に量的な種々の値を与えたもの・入力〉に対し,い かなる結束 〔アウトプット)が得られるかを見ょうと する操作のことである内 シミュレーションは図
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のような手順で実行され る向図5, 6, 7, 8はいま少し具体的に,交通(主 (5) として道路交通)に適用された場合の例示である内 問 題 の 定 株 化 ↓ デ ー タ の 収 集 モ デ ノ レ の 作 成じ之の糊哨
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上問:道路交通環境問題のシステム(資料〉 図- 5 道路環境シミュレーションの概略機構図 道路条件(縦断勾配.視距.附加車線内有無) 自動車内性能(駆動力分布.車種分布.希望速度分布) 自動車内走行条件(車頭間隔の式.迫い越し視距) 観測地点.交通量等諸数値読み込み 初期交通発生(道路上に自動車を並べる) 舌L数により車頭間隔 自動車発生 前車との距離と速度円相互関係によって 自由走行,追従走行.追い越し走行など の走行状態を判断 n。
下0・次の進入車向車DJi時間だけ〈り返したか n。
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本州一四国連絡架橋の経済および交通の総合的シミュレーシヨン68 上問:道路交通環境問題のシステム(資料〉
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カリフォルニアの運輸モデル 3 従来の道路計画プロセス 計画とはLつの問題解決のプロセスといって良い内 問題に包含されるどのような要因を取り上げるか,そ の何れにどれ程のウェイトをおくかによって,システ ムとしての計画のプロセスが異なって 来 る と い え よ う.今日,道路交通に関して,交通公害が多面的に出 現し,それを無視しては,今後の道路交通整備が困難 視されつつあるものの,その方法論は確立していな い角道路交通環境をシステムとして把え,その環境ア セスメントの手法が模索されつ〉あるというのが現状 である内 従来の方法というのは,簡潔に表現すると,交通量 一交通容量体系とでも表現できょう内つまりVolume-Ca
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上関:道路交通環境問題のシステム(資料〉 東 京 (都市計画 街 路 再 検 討 ) 阪神都市圏 ( 阪 神 高速道路網 計 画 ) 図- 9 東京・阪神都市圏における予測のメインプロセス4
道路交通環境問題の発見 問題をシステム的に考察するということは,前掲図 - 2のプロセスを注意深く追跡することになるのであ るが,その最も基本的項目である問題の明確化の段階 の考察が,本稿の述ぺるところである勾そのため,問 題の内容,その対応としての手段の内容分類について 略説し,そのあと,交通環境問題のシステムの構成に ついて述ぺるものとする内 (1)道路交通環境問題とは何か 表工は,道路環境問題を,単に強い意味の生活空間 における交通公害に限定せず,自動車交通の広域化, 高速化,大量化に伴なって,その量的(又は物理的〕 にあるいは質的に,環境に及ぼしているH好ましくな いHインパクトとして把えた時,道路種別ごとのイン パクトを,インパクトを受ける側(主体〉に対応させ て示したものである内 もちろん,狭い意球とはいえ,生活空間における交 通公害(道路交通法2条23号〉と交通の危険(歩行危 険,自動車問の危険〉が問題の中心的なものであると はいうまでもないの (2) 手段とインパクトマトリクス 表2は,先に途ペたインパクトを左側に,整理し, それらに対応する手段を横に整理したもので,何らか の手段評価基準が設定されれば,特定インパクトに対 する特定手段のウェートの評イ国が可能になり,そのク ロスにそれらを記入することができる角単にO
印をつ けるだけでも対応関係の理解に役立とう伶 (3)道路交通環境問題のシステムの構成 工) システムの一般的特徴 交通環境問題のシステム的考察を行なうにあた って,その基本的な特徴をまとめる必要がある内 おおよそ次のようにいうことができょう内 ①道路交通環境問題としての諸インパクトは, 人・車両というこつの交通主体からなる道路交通 のうち後者すなわち自動車交通と,その通過交通 路治線地域(広狭〉の利用者(居住者・通勤従業 者,歩行者etc)および自然との問の関係から生 れたものをその根元的なものとする拘 ②道路交通環境問題は多様異質なものの集合で ある内 (例・交通危険・排出ガス公安〉 ③ これらの問題への対処手段もまた多様異質な ものの集合であり,それらは単独に特定目的(② の問題個々の解決のため設定された〉に対応する ことは稀であり,複合・重復して特定目的達成の ためのシステムに導入される伶 (例・交通量時間帯別規制→交通安全の目的,交 通公害ぐ振動,排出ガス,騒音〉低減目的〉 ①道路交通環境の全体のシステムは,従って, その全ての要素(インパクト,手段,環境的要 因〕を一つのレベルで関連ずけられた構造とする ことは極めて困難で,特定目的に対応するサプシ ステムから構成されるものとして把渥されるべき ものであるう伺 ⑤ このサブシステムは,その特定目的を可能な 限り量的な表現の可能なものとし,その達成のた めの手段のかかわP
を(これも可能な限り量的処 理を指向する〉明らかにするものとなるべきであ ろうの (6) トーノレシステムからアウトプットとしての解 決手段は,前述のサブシステム解析をそのプロセ却開制神U
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(GOAL)
とは「必らず達成できるとは限 らないが,問題解決のための努力が方向づけられ るべき最も望ましい状態J
,目的 (objective)と は「利用可能な資源、と手段範閤内で,目標と斉合 し,現実に達成しようとすることがらをいう」 ① 道 路 交 通 環境問題の場合の目標:視点のおき かたー需要の達成か,需要達成のインパクトとの バランスが,インパクト解消かなどーによってそ の表現も種々あり得るか,環境マイナスインパク を,別途定められるであろう基準あるいは許容限 度範囲におさめつつ,道路交通要求または需要を 充足すると考える時は次の表現となろう角すなわ ち「沿道地域利用者の生活環境及び自然環境の退 化を伴なわない道路交通利便の確保」 ② 目標に斉合する目的:問題の多様性から必然 的に目的もタテ,ヨコの系列に広がりをもつもの となることが考えられ,タテの場合は,目的の階 層 的 構 造 (ノ、イアラキ,hierarchy)を有すると いうことであろう" (表-3)
表-3
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治道土地利用 交通規制 燃料の改良 低排出ガスエンジン開発 小 々 目 的 省TOTAL-SYSTEM 一 手 段 の 代 替 案一
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道路計l自l・設計・建設の工学的制調に関す る諸手段n
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道路交通の制御にかかわる交通技術的な諸 手段m
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Yl~;!ilj・;!iljl支・政官((1りT段 ・交通の:!i:.企 ・tJ;w~恭íW ・土地利用 ・国土都m
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の 制 ム -抑 テ パ 一 ん ス 由 一 せ シ 刊 一 汚 の 寸 一 気 め 仙 一 排 た (f.p. m. ng) (ppm) (db) 全体的説(出l 基準の設 定 ¥".道路交通市要の外的条件 (社会的・経済的)の抑制による手段 騒音抑制jのための システム の め た 3 -の 制 ム 抑 テ 動 ス 振 シ 4 交通危険軽減のた ゐうU)ンス、子ム '11'1 KM) i)、Ikm') 適正空 間利 用のた めのノステム (ha ! p叩 ) 6 エコ ・〆、ランス0) ためのー〆ステム ~'!'f!由l' 分fJf 手 段の実 行 図-1
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道路環境問題対処のためのシステム構 成 .._,-~C'"j;..r""->Jい""'"'''''_...,噌叫叫血...w曲面以内 4・ ‘品 会M -一.~岡山市…,_"~,-"..…一目、n一一 手段適 用 地域 の 自 然 的 社 会 的 文 化的 特 殊 条 件 No "-l"
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その実施 ' 1吋、 11間体、法制度) 交通管理・運用計画?
YES 図-11環境問題処理を考えた計画システム76 上関:道路交通環境問題のシステム