A N A グ ル ー プ
ISSN 1881-2023
Good Times Fly
C O N T E N T S
1 巻頭対談「地球環境と安全を守るためには、妥協は許されません」 6 トップメッセージ 8 ANA グループ紹介 10 路線図、保有機 12 特集−航空運送事業を中心に社会に貢献する ■特集1 お客様の高い信頼が私たちの誇りです ■特集 2 ANA の協力に期待しています ■ 特集 3 おからだのご不自由な方に安心できる海外旅行を マネジメント 18 経営理念、経営ビジョン 19 CSR の基本的な考え方と推進体制 20 コーポレートガバナンス 21 内部監査 22 コンプライアンス 23 リスクマネジメント 安全 24 インタビュー 「現場で安全を守る」 28 安全についての考え方 29 安全への取り組み 経済 34 対談 「拡大均衡型の価値創造ができる企業が理想です」 36 ステークホルダーとの経済的なかかわり 37 IR 活動─株主・投資家の皆様とのコミュニケーション 社会 38 お客様の声 40 CS 活動 42 多様なお客様への配慮 44 地域・社会に広く貢献 46 次世代への支援 47 取引先との関係 48 挑戦する人材の創造 50 安全で働きやすい職場環境づくり 51 従業員とのコミュニケーション 環境 52 インタビュー 「代替燃料の実用化まではCO2相殺のためのグローバル規制が必要です」 54 環境理念 55 環境マネジメント 56 ANA グループエコロジープラン 2003∼2007 58 環境経営の推進 61 地球温暖化対策 66 大気汚染対策 69 騒音対策 71 資源循環の実現 72 化学物質の使用削減 73 環境社会貢献活動 75 環境をめぐる世界の動きと ANA 76 ANA グループ環境データ 80 外部からの評価 81 GRI ガイドライン対照表 ●プロフィール 1952 年に創業した ANA は、安全運航を第一に 50 年以 上にわたり航空輸送サービスを提供してまいりました。お 客様からの信頼を得て、おかげさまで旅客数で世界 11 位 の航空会社に成長することができました。 ANA グループはさらなる飛躍に向けて、安全運航を堅 持し、お客様の満足度を高め、「アジア No.1 のエアライン」 を目指して、努力を続けてまいります。 ●CSR レポート概要 編集方針 ANA グループは社会的な責任を念頭に事業活動を行っ ています。その取り組みをステークホルダーの皆様に分 かりやすくご紹介するために、昨年より CSR レポートを 作成しています。本年の CSR レポートは、環境への取り 組みを拡充し、詳細なデータを紹介しています。 報告対象組織 ANA グループ全体にかかわる CSR に関する取り組み を中心に、一部については ANA または ANA グループ会 社独自の活動についても紹介しています。 報告対象期間 2005 年 4 月1日から 2006 年 3 月 31 日を対象期間とし ています。対象期間前後の一部の活動についても報告し ています。 参考ガイドラインGlobal Reporting Initiative 発行
Sustainability Reporting Guidelines Version3.0 環境省「環境報告書ガイドライン 2003 年度版」 発行 2006 年 10 月 表紙紹介 表紙は ANA 主催の第 3 回「私の青空」国際環境絵本 コンクールで入賞した作品の一部を使ってデザインしま した。また、入賞作品の一部をさし絵として本誌に掲載 しています。 大賞作品 「FOUR SEASONS(四季)」 余皓 昕さん(中国)
ANA グループが大事にしている青空。
その青空を 2005 年、スペース・シャトルで
宇宙から見下ろした野口聡一さんに、
宇宙開発と航空の役割、安全への姿勢、
地球環境への影響などについて聞きました。
全日本空輸株式会社 環境・社会貢献部長大槻 みち子
全日本空輸株式会社 代表取締役社長山元 峯生
宇宙航空開発研究機構 宇宙飛行士野口 聡一
巻頭対談
宇宙から見た地球は変化しています
山元:ANA は、アジアを中心に世界を結ぶ航空 グループとして、地球環境を大事にしながら持続 的な成長を目指しています。CO2の排出や天然資 源の消費の抑制に努めるとともに、植林活動など を通じて、地球の大気をはじめとする環境保全に 力を入れています。野口さんは 2005 年にスペー スシャトルで宇宙に行かれましたが、私たちの暮 らす地球の印象は、宇宙から見ていかがだったで しょうか。野口さんの著書「オンリーワン」でも 紹介されていますが、宇宙から見た地球の印象を お聞かせいただけますか。 野口:地球の美しさの漠然としたイメージは持っ ていましたが、実際に宇宙から地球を見ると、地 球という惑星の存在を実感することができ、地球 を守っていきたいという気持ちになりましたね。 大槻:宇宙から地球温暖化の影響を見ることはで きましたか。 野口:ガガーリン氏が初めて宇宙を飛行した 1961 年から 45 年経ちますが、当時の映像や 1960 年代後 半にアポロ宇宙船から撮影した地球の映像と現在の 地球を比較するとすでに違いが出てきています。ア マゾンや東南アジアの森林など、地球温暖化の影響 は目に見える形で進んでしまっています。 山元:オゾンホールも拡大していると聞きますが、 何かお感じになりましたか。 野口:直接、体で感じるようなことはありませんが、 計測値には表れました。南極のオゾンホールのほ かにも、南アフリカ上空にオゾン層が薄く放射線 の影響が強い領域があり、そこを通過する時には 船内のコンピューターに異常が起きないか、地上 のミッション・コントロール・センター(管制セ ンター)とともに監視をしていました。 山元:私たちは、美しい地球との共存を前提に航 空輸送を中心とするサービスを誠実に提供するこ とが、ANA グループの最も重要な社会的責任だ と考えています。CO2
削減への努力を続けています
大槻:ANA グループでは航空輸送を通じた環境 への影響が最も大きく、地球環境にやさしい取り 組みが、環境への責任を果たす上での中心的な活 動になると思っています。 野口:どのような取り組みを行っているのですか。 大槻:省エネやリサイクルはもちろん、航空燃料 の搭載量を細かくコントロールして機体を軽くし て燃料消費量を減らすという、効率的な運航を推 進しています。2005 年度の 1 年間に 18,000 キロ リットルの航空燃料を前年から削減しました。ド ラム缶に換算すると、約 9 万本になります。これ は、東京−ニューヨーク間をボーイング 777-300 型機で 69 往復分の燃料に相当します。また、2008 年からは、高性能のボーイング 787 型機(B787) を順次導入して環境負荷を大幅に減らしていきま す。B787 は機体に複合材が多く使われ軽量化さ れますので、従来の飛行機に比べて消費燃料が約 20%も削減されます。 山元:また、これまでの飛行機に比べて機内はよ り快適な気圧と湿度が設定できますので快適性も 高まります。地球環境のみならず機内の環境にも 配慮した航空機を製造するために、ANA も世界 で最初に同機を発注したエアラインとして、B787 の開発にも携わっています。 野口:2008 年に就航するのが楽しみですね。 大槻:ANA では機内食に使う食器や座席の軽量 化も行い、燃料消費を減らす努力をしています。地球環境と安全を守るためには、
妥協は許されません
巻頭対談
また客室乗務員の制服も新素材で軽量化するなど、 さまざまな側面から環境保全に取り組んでいます。 飛行機は CO2を多く排出しながら飛ぶイメージが ありますが、地道に削減する努力を続けています。 野口:環境にやさしい飛行機に進化していくので あれば、乗客として、喜んで変化を受け入れたい と思います。 山元:宇宙航空開発研究機構(JAXA)でも技術 的な側面から航空機の研究に取り組んでいるとお 聞きしていますが。 野口:JAXA でも航空機エンジンの排気ガスの低 公害化や、エンジンの騒音削減の研究を進めてい ます。航空宇宙技術研究所(NAL)が以前から 取り組んでいた「エコ・エンジン」プロジェクト を継承したり、より良い航空機の機体設計も行っ ています。 山元:ANA グループは環境負荷を小さくする航 空機の運航に引き続き取り組んでいきます。
宇宙開発が航空産業を進化させます
山元:JAXA の H2A ロケットによる運輸多目的衛 星の打ち上げ成功は、航空産業にとってはとても喜 ばしいことです。運輸多目的衛星を活用すれば、選 定可能な飛行高度とルートが増えますので、最適な 運航を通じて消費燃料の削減や CO2の排出抑制が 可能になります。同時に、航路の混雑による地上待 機時間の減少も期待できます。また、気象観測衛星 ● 野口 聡一(のぐち・そういち) 1965 年 神 奈 川 県 生 まれ。1991 年東京大学大学院修士課程修了。 同年石川島播磨重工業に入社。96 年に宇宙開発事業団(当時)の 募集に応募し、宇宙飛行士候補 者に選ばれ、宇宙開発事業団に 入社。同年 NASA で訓練開始。98 年に NASA からミッションスペ シャリストに認定され、2001 年 にスペースシャトル搭乗員に任 命された。2005 年 7 月に打ち上 げられたスペースシャトル・ディ スカバリー号に搭乗。3 度にわた る船外活動では、スペースシャ トルで初めての機体補修作業に 携わった。からの精度の高いデータから、揺れの少ない快適な 飛行をお客様に提供できるようになります。 野口:人工衛星がより良い社会のために果たす役 割は大きいと思います。航空機の航法は、地上の 支援施設から人工衛星に支援される方向に変わり つつあります。私は、米国で毎週操縦している練 習機では、GPS を補強する WAAS(Wide Area Augmentation System = GPS 広域補強システム) を利用しています。こうした航法システムが各国 で統合されると、航空機の消費燃料の削減と安 全性の向上につながると思います。
地上と上空の連携で安全運航を高めています
山元:ANA グループでは毎日世界中を飛ぶ 900 便を超えるフライトの安全運航に努めています。 野口:一便一便に対して安全運航への配慮を重視 してほしいですね。地上と上空との連携は大事で す。スペース・シャトルの場合、しっかりした管 制センターのサポート体制があります。映画の 「アポロ 13」で描かれたように、管制センターは 頼りになる存在です。私のフライトの時も打ち上 げ後に耐熱パネルの間に突起物が挟まる不具合が ありました。管制センターとエンジニア・ルーム との間で危険性を解析し、地上からのデータを基 にスペース・シャトルの船内にあるツールを使っ て、実際の作業手順を考えて、映画さながらに地 上と意見交換をしながら不具合の解消を行いまし た。管制センターは、実際に危機が発生した際に、 それぞれの部門のやるべきことを指示し意見を集 約する重要な組織です。 山元:ANA グループでも同様に安全運航を支援 するオペレーション・コントロール・センターと いう部門があります。世界中を飛ぶ航空機の状況 を、24 時間地上でモニターし、運航、気象、整 備の支援を行っています。また、機内で医療措置 を必要とする緊急時にも、常時専門の医療機関が 支援できる体制を整えています。 野口:JAXA も航空の安全性を高める航空機の飛 行特性、航法・誘導・制御システム、ヒューマン・ ファクター、気象観測、機体構造などの要素研究 を行っており、エアラインの安全運航への貢献に 努めています。安全に決して妥協は許されません
山元:信頼性の高い公共輸送サービスを提供する ために、常に最善の努力を尽くしています。しかし、 安全な運航を確実に提供するために、お客様にご 不便をお掛けすることになりますが、整備作業や 天候の悪化などにより、出発を遅らせなければな らない場合があります。ANA グループの経営の 基盤である安全には、決して妥協は許されません。 野口:私が搭乗したシャトルでも、機体の不具合 のために打ち上げが延期されたことがあります。 耐熱パネルに不具合が生じたときには、安全を第 一に考え、帰還の予定を遅らせても船外で修理を 行いました。 山元:最新鋭の航空機でも、豪雪や濃霧などの悪 天候により安全に着陸することが困難な場合があ り、やむを得ず近隣の空港に着陸したり、出発地 の空港へ戻ることがあります。スペース・シャト ルの場合、天候が悪い時は運航にどのような影響 がありますか。 野口:宇宙船も飛行機と同じく安全が一番大事で巻頭対談
す。そのために打ち上げを延期することはできま すが、宇宙に上がったら帰りはあまり遅らせるこ とはできません。また、地球に帰還する時に、スペー ス・シャトルはゴーアラウンド(着陸のやり直し) ができないので、着陸地点の正確な気象予測は非 常に大事です。 山元:ANA でも運航に気象予報は重要との認識 から、専門の部門で独自に解析した天気予報を基 に運航しています。また、ANA の飛行機は霧の 出やすい釧路や熊本などの空港でも、カテゴリー Ⅲ運航という特別な運航方式で着陸が可能です。 ANA グループでは飛行機を安全に快適に運航す るためにも、パイロット、整備士、客室乗務員を はじめ、あらゆる職種で日々専門性の高い訓練を 積み重ねています。 野口:安全な飛行に向けた地道な訓練を継続する ことの重要性は、空も宇宙も共通していますね。 飛行にかかわる、すべての人の真剣な取り組みに 支えられているわけですね。
航空運送事業を基盤に
持続可能な社会を創造します
山元:ANA グループに対するご意見をお伺いし たいのですが。 野口:安全運航を最優先に取り組み、その上で快 適さを追求していただきたいです。訓練のために 世界中を移動していますので、機内でリラックス して過ごせるかどうかはすごく大事です。欲を言 えば、ANA の飛行機に乗ったら、乗る前よりも 体の調子が良くなったというくらいのリラックス 空間をつくっていただきたいですね。 山元:ANA グループでは、航空運送事業を中心 にこれからも安全・快適で、環境にやさしいサー ビスを「あんしん、あったか、あかるく元気!」 な TEAM ANA として進めていきます。こうして CSR を特別なものではなく、航空運送事業を基盤 にステークホルダーの皆さんとともに持続可能な 社会を創造していくことが TEAM ANA の担う最 も大事な社会的責任であると考えています。 野口:CSR への取り組みは多様ですので、企業、 団体、政府など、アプローチ方法はそれぞれある と思います。バランスが取れた役割分担を通じて、 より良い社会の構築ができると思います。 山元:TEAM ANA は、公共交通機関の一部を 担う社会的責任のある航空グループとして、航空 運送事業を通じて社会的責任を果たすことに注力 して、着飾ることなく、今後も CSR を着実に進 めていきます。 野口聡一著 「オンリーワン ずっと宇宙に 行きたかった」TEAM ANA は ANA グループ経営理念を
実行します
国内線を運航する航空会社としてスタートした当社は、国 際線分野においても本年 3 月 3 日に定期便就航 20 周年を迎 えました。国際定期便は 35 路線、週 500 便を運航する規模 となり、年間旅客数は 400 万人を超え、国内線と合わせると 年間約 5,000 万人のお客様にご利用いただいています。 航空運送事業は、社会的基盤(インフラ)であり、安全で 快適な運航を続け、皆様の信頼に応えることが公共輸送機関 としての当社の使命であると考えています。 航空機の運航は、ANA グループ各社が分担し、各々の役 割を確実に遂行することで初めて実現するものです。理念と ビジョンを共有して同じ目標に向かい、互いの役割を尊重し 合える集団として、ANA グループをさらに強固な企業集団 「TEAM ANA」に進化させていく所存です。 TEAM ANA は、基本理念とグループ行動指針6カ条か らなる「グループ経営理念」に基づき、事業運営を行ってい ますが、社会から「安心」・「信頼」していただくことが、 TEAM ANA の存立の基礎だと考えてい ます。私たち TEAM ANA は、必要な役割を担うプロの集合体として、次の ANA グループ経営理念を実行することを皆様にお約束します。 基本理念 ANA グループは、「安心」と「信頼」を基礎に ・価値ある時間と空間を創造します ・いつも身近な存在であり続けます ・世界中の人々に「夢」と「感動」を届けます安全を基盤にステークホルダーの皆様への
責任を果たしていきます
ANA グループは、あらゆるステークホルダーの皆様とのコ ミュニケーションを通じて、社会との持続的な共生と自らの企 業価値向上を目指しています。 私たちは空の安全を堅持することが何よりも重要であると 認識し、この決意を「ANA グループ安全理念」の冒頭に「安 全は経営の基盤であり社会への責務である」と記し、ANA グループ全役職員の最も重要な価値として共有しています。 そしてすべてに優先して、安全への責任を経営の基盤として 守り続けています。航空機の安全運航のみならず、提供するあ らゆるサービスに対する安全は、お客様に安心してご利用して いただき、社会に身近な企業グループとしてステークホルダー の皆様に信頼される前提条件であると考えています。 また、法令遵守のみならず、企業に求められる倫理的領域を も含む幅広いコンプライアンスへの責任も前提条件の一つで す。安全責任とコンプライアンス責任を果たすことにより、企 業存続の基盤である経済責任(収益性の向上、配当、納税な どを通じた社会への還元)が果たせると考えます。 さらにお客様に「安心」と「信頼」を感じていただくためには、 サービス品質の向上と社員価値の増大が不可欠であり、そのた めには、顧客満足(CS)と従業員満足(ES)の向上を図る責 任を果たさなければなりません。 航空会社に求められるこれらの基本的な責任を果たすことを ベースとして、社会的課題、環境問題などへの解決に向け、ANA グループは企業の立場から可能な協力・支援を通じて果たす役 割、いわゆる「ソーシャル・イノベーション」への責任を果た しています。 ANA グループではその CSR(企業の社会的責任)活動を、 昨年 2005 年版 CSR レポートとして初めて皆様にご報告させ ていただきました。2006 年版では、従来別々に発行しており ました「ANAグループ環境白書」を合冊し、環境も含めたトー タルな活動報告として皆様にお届けすることと致しました。トップメッセージ
CSR を推進して皆様からの信頼を得て、
「アジア No.1」の達成を目指します
CSR を推進していくためには、さまざまなステークホル ダーの皆様とのコミュニケーションが重要です。いろいろな 機会をとらえて、皆様からの生の声を頂戴し、ANAグルー プの事業活動に活かしていきたいと考えています。安全に関 しては、より広範な視点からご意見やご助言を賜り、ANA グループの今後の安全施策に活かしていくことを目的として 「ANA グループ安全懇談会」を開催し、航空業界以外で安 全問題に携わっている方々から直接ご意見を頂いています。 ANA グループは、2006 ∼ 2009 年度の中期経営戦略の中で、 「価値創造とクオリティー&顧客満足において、『2009 年度に、 グループ経営ビジョンである「アジア No.1」を達成する』」こ とを目標に掲げています。これは CSR を推進し、皆様からの 信頼を得て初めて成し遂げられるものと認識しています。 今後とも、私どもの取り組みに忌憚のないご意見を賜わり ますようお願い申し上げます。 2006 年 10 月 代表取締役社長航空運送事業 ANA 、エアーニッポン、エアージャパンを中心に、旅客、貨物、郵便の運送サービスを 主に提供しています。年間旅客数は 4,961 万人で、世界第 11 位の航空会社グループです。 国内線旅客事業 138 路線に就航し、毎日 913 便を運航しています。年間旅客数は 4,547 万人で、国 内線シェアの約半分を占めています。 国際線旅客事業 35 路線に週 494 便を自社運航し、年間旅客数は 413 万人に上ります。世界最大の 航空連合「スター アライアンス」の主要メンバーとして、利便性の高い航空輸送サー ビスを提供しています。 貨物郵便事業 貨物専用機と旅客機の貨物スペースを使用して事業を行っています。貨物専用機を さらに増機するなど、第 3 のコアビジネスに成長するための基盤整備を進めています。 旅行事業
ANA セールスを中心に ANA グループの航空運送サービスと ANA ホテルズの宿泊 などを素材とした商品の開発・販売を行っています。 ホテル事業 ANA ホテルズ&リゾーツを中核に、国内主要都市を中心としたホテル経営と、運営受 託によるホテルチェーンを展開しています。 その他の事業 情報通信、商事、物販、不動産、ビル管理、陸上運送、物流、航空機内の装備品修理 など、航空運送事業に関連する事業を中心に展開しています。
ANA グループ紹介
ANA グループは、全日本空輸株式会 社(ANA)と子会社 129 社、関連会社 42 社※により構成されており、航空運 送事業を中心に旅行事業、ホテル事業、 その他の事業を行っています。 ※ 2006 年 6 月現在事業概要
監査役室 監査役 監査役会 監査部 関連事業室 営業推進本部 ・ANAセールス ・ANAテレマート ・ANAロジスティク サービス ・エアーニッポン ・エアージャパン ・エアーセントラル ・エアーニッポンネットワーク ・エアーネクスト ・ANA総合研究所 ・ANA&JPエクスプレス ・ANAホテルズ&リゾーツ ・エーエヌエーホテル東京 ・全日空商事 ・全日空整備 ・ANAエアクラフトテクニクス ・ANAエアロサプライシステム 貨物郵便本部 オペレーション統括本部 株主総会 グループ経営戦略会議 オペレーション推進会議 CS推進会議 CSR推進委員会 総合安全推進委員会 地球環境委員会 IT戦略推進委員会 リスクマネジメント委員会 コンプライアンス委員会 取締役会 会長 社長 副社長 国内支店、海外支店、海外空港所 主要グループ会社 ANA ANAグループ組織図 ・全日空システム企画 ・インフィニ トラベル インフォメーション 運航本部 整備本部 客室本部 ・ANAケータリングサービス ・エーエヌエースカイパル ・国際空港事業 ・新東京空港事業 ・全日空モーターサービス 国内空港支店、空港所 本社各部署 IT推進室 ・インターナショナルフライト トレーニングアカデミー ANA グループの事業運営を担う TEAM ANA報告会社概要 会社名 全日本空輸株式会社 代表者 代表取締役社長 山元 峯生 設立 1952 年 12 月 27 日 本社所在地 東京都港区東新橋 1-5-2 汐留シティセンター ホームページ http://www.ana.co.jp 資本金 160,001 百万円 従業員数 30,322 人(ANA グループ) 営業収入 14,000 13,000 12,500 13,500 12,000 11,500 11,000 2001 12,045 2002 12,159 2003 12,175 2004 12,928 2005 13,687 億円 年度 事業別収入構成比 ● 国内線旅客事業収入 43% ● 国際線旅客事業収入 14% ● その他航空運送事業収入 8% ● 旅行事業収入 13% ●ホテル事業収入 4% ● その他の事業収入 12% ● 貨物郵便事業収入 6% 営業利益・営業利益率 1,000 600 400 800 200 0 -200 10 6 4 8 2 0 -1 2001 229 2002 -25 -0.2 2003 343 2004 777 2005 888 6.5 6.0 2.8 1.9 営業利益率 営業利益 億円 % 年度 当期純利益 300 100 0 200 -100 -200 -300 2001 -94 2002 2003 247 2004 269 2005 267 -282 億円 年度 従業員数 30,500 29,500 30,000 29,000 28,500 28,000 2001 2002 2003 28,870 2004 29,098 2005 30,322 28,907 29,095 人 年度 旅客数 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 2001 2002 2003 2004 2005 国内線 国際線 45,796 47,133 44,784 44,486 45,474 3,438 3,784 3,301 4,116 4,135 千人 年度 貨物郵便重量 600 400 500 300 200 100 0 2001 2002 2003 2004 2005 国内線 国際線 472 462 487 510 528 160 207 234 248 263 千トン 年度
各種データ
路線図、保有機
国内線ネットワーク
(2006年6月現在) 成田 大島 能登 八丈島 根室中標津 札幌 (千歳) 東京 (羽田) 稚内 利尻 旭川 札幌 (丘珠) 釧路 女満別 オホーツク紋別 大館能代 函館 秋田 福島 萩・石見 対馬 宮古 石垣 五島福江 庄内 仙台 富山 岡山 神戸 大阪 (関西) 大阪 (伊丹) 大分 熊本 長崎 鹿児島 松山 高知 徳島 福岡 佐賀 高松 鳥取 山口宇部 米子 金沢 (小松) 新潟 広島 沖縄 (那覇) 名古屋 (中部) 宮崎 成田 大島 能登 八丈島 根室中標津 札幌 (千歳)【旅客】
路線:138 路線
便数:913 便/日
【貨物】
路線:4 路線
便数:4 便/日
●ANA 便就航都市 IBX(IBEX エアラインズ)、ADO(エア・ドゥ) とのコードシェア便を含む ボーイング 747-400 23 機 ボーイング 777-300 14 機 エアバス A321 4 機 ボーイング 767-300 53 機 ボーイング 777-200 23 機 エアバス A320 28 機保有機:12 機種 201 機
(2006年10月現在)ボルチモア 瀋陽 北京 西安 大連 ソウル 青島 天津 上海 重慶 成都 台北 厦門 香港 広州 バンコク チェンマイ チェンライ ドーハ クアラルンプール プーケット ホーチミンシティ ハジャイ シンガポール ロンドン パリ ウィーン ザルツブルグ リンツ インスブルック グラーツ フランクフルト ミュンヘン チューリッヒ デュッセルドルフ ニューヨーク (J.F.ケネディ) (ニューアーク) シャーロット ワシントンD.C.(ダレス) フィラデルフィア サンフランシスコ ポートランド ホノルル グアム ボストン シカゴ セントルイス バンクーバー シアトル デンバー 成田 仙台 関西 中部 福岡 広島 メキシコシティ ソルトレイクシティ ラスベガス フェニックス サンディエゴ トロント ミネアポリス シンシナティ バッファロー ハンブルグ ワルシャワ エジンバラ グラスゴー ベルファスト ベルリン ジュネーブ ミラノ マイアミ オーランド タンパ ヒューストン ロサンゼルス クリーブランド モントリオール ピッツバーグ オタワ コロンバス リッチモンド 杭州 マンチェスター アバディーン ダブリン リーズ ハノイ サンタアナ ナッシュビル
国際線ネットワーク
(2006年6月現在)【旅客】
路線:35 路線
便数:494 便/週
(ANA グループの運航のみ)【貨物】
路線:17 路線
便数:52 便/週
●ANA、AJX(エアージャパン)、ANK(エアーニッポン)便 就航都市 ● コードシェア便就航都市 ボーイング 737-700 6 機 ボーイング 767-300 貨物専用機 4 機 ボーイング 737-500 25 機 ボンバルディア DHC8-Q300 5 機 ボンバルディア DHC8-Q400 12 機 フォッカー 50 4 機52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 ANAの累計旅客数 定期便が就航した1953年度の旅客数は664人でした。
お客様の高い信頼が私たちの誇りです
創業以来 10 億人を超えるお客様にご利用していただいています
1952 年に創業した ANA は、国民の皆様の空の足として安全運航を第一
に 50 年以上にわたり航空輸送サービスを提供してきました。国際線へも活
躍の場を広げた ANA は、おかげさまで創業以来 10 億人を超えるお客様に
ご利用いただき、年間旅客数が 4,961 万人の世界第 11 位の航空会社に成長
することができました。これは ANA グループへのお客様の高い信頼の証で
あると誇りに思っています。ANA の足跡をたどってみました。
1952∼
1960∼
1970∼
創業期−日本人操縦士による定期便運航開始 創業した翌年の 1953 年、ANA(当時は日本ヘリコ プター輸送)は日本人操縦士による戦後初の定期便 の運航を開始しました。55 年にはダグラス DC-3 型 機が東京−名古屋−大阪線に就航し、第1期スチュ ワーデスが乗務を開始しました。56 年に社会貢献活 動として第1回すずらん慰問を行い、この活動は 50 年後の現在も続いています。57 年に日本ヘリコプター 輸送と極東航空が合併し全日本空輸に名称を変更し、 ANA として運航を開始しました。 国民の空の足として定着 1960 年度に累計旅客数は 100 万人を突破しました。 63 年には東京と地方都市を直接結ぶビームラインを 開設し、東京から宮崎を 2 時間 25 分で結ぶなど、航 空機のスピードを遺憾なく発揮しました。64 年には YS-11 型機で東京オリンピック聖火リレーを担当し ました。高度経済成長に沸く日本は、航空需要も大 きく伸び、ANA は 65 年にボーング 727 型機を導入し、 ジェット機による高速輸送時代に突入しました。1966 年度には累計旅客数は 1,000 万人を突破し、ANA は 国民の空の足として定着しました。 大量輸送時代に突入 70 年代に入ると ANA も活躍の場を海外に広げ、71 年に香港に向けた国際チャーター第1便が就航しま した。オイルショックの影響で日本経済は 74 年に マイナス成長となりましたが、航空需要はその後も 増え続け 1976 年度の累計旅客数は 1 億人を超えま した。78 年には成田空港が開港しました。79 年に はスーパージャンボの愛称で親しまれたボーイング 747 − 100SR 型機が就航し、大量輸送時代が本格 化しました。 第1期スチュワーデス乗務開始 YS‐11 型機での東京オリンピック聖火リレー ボーイング 747 − 100SR 型機が就航1
特集 航空運送事業を中心に社会に貢献する
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 0 2 4 6 8 10 12 億人 年度
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1990∼
2000∼
国際定期事業に進出 日本経済が安定成長期に入る中で、経済性を重視し、 環境へも配慮した航空機への転換が求められるように なりました。ANA は 83 年に経済性に優れ環境にも優 しいボーイング 767 型機を導入し、運航を開始しま した。86 年には念願であった国際定期事業に進出し、 成田−グアム線に就航。その後、ロサンゼルス線、ワ シントン線と路線を広げ、87 年には成田−北京・大 連線を開設して中国路線に進出しました。1985 年度 の累計旅客数は 3 億人を突破しました。 新たなステージへ 91 年の湾岸戦争、92 年のバブル景気終焉の影響 を受け航空需要も低成長期に入りましたが、その中 で 1992 年度の累計旅客数は 5 億人に達しました。93 年には羽田空港西旅客ターミナルが完成し、世界で 初めてボーイング 747 − 400 型機に特別塗装を施し たマリンジャンボが好評を博しました。94 年に関西 国際空港が開港し、大都市での空港が拡充されまし た。95 年にはボーイング 777 − 200 型機を導入し、 経済性と環境に配慮した機材への転換を進めました。 99 年には世界最大の航空連合であるスター アライア ンスに加盟し、時代は新たなステージに入りました。 アジア No.1 のエアラインを目指す インターネットが急速に普及し、簡単・便利なイン ターネットによる予約が大きく伸びています。また、 割引運賃を拡充してお客様の選択の幅も広がっていま す。04年には羽田空港第 2 ターミナルビルがオープ ンし、05年には中部国際空港が開港しました。また 06 年には成田第1ターミナル南ウイングがオープンし、 事業運営の基盤が拡充しました。10 億人を超えるお 客様にご利用いただいている ANA グループは、安全 運航を堅持し、お客様の満足度をさらに高め、アジア No.1 のエアラインを目指して努力を続けています。 国際定期便就航 マリンジャンボ就航 羽田空港第 2 ターミナルビル中尾市長から見て五島市はどのような
ところですか。
真っ白い砂浜、島ごとに違う海岸、五 島には表情が豊かで目で見て楽しい海が あります。耳を澄ませば、寄せては返す 波の音、とびうおが跳ねる音、海辺の林 には野鳥のさえずりが聞こえ、耳でも自 然が楽しめます。食材も豊富です。魚、 海草はもちろん、野菜もおいしい。それ に五島牛。べべんこ(子牛)のときに三 重県に出荷された五島牛は、松坂牛にな るんですよ。空気もきれいなので、こち らで肺がんの治療をしている人もいます。 そういった自然の豊かさに加えて人情 が豊かです。みんな世話好きですから ね。2003 年に長崎県で開催された全国 高校総合体育大会で、離島として初め て剣道の会場になったときは、選手や 応援に来た 4,000 人の方を一般の民家に 泊まっていただいたんですよ。 こういった五島の豊かさを「しまの豊 かさを創造する海洋都市、五島市」とい うキャッチフレーズで表現しています。 みんなの故郷だから、「都会の生活に疲 れたら、いつでも帰っておいで」ってい う、五島はそういう場所なんですよ。ANA の協力に期待しています
バーチャル市民 10 万人、交流人口 50 万人の実現のために
長崎市から西に 100 キロの海上に浮かぶ 11 の有人島からなる五島市は、
2004 年に1市 5 町が合併して生まれました。五島市は日本の典型的な離島
の町でもあります。ANA グループは福岡空港と五島福江空港を結ぶ路線に
毎日 4 便運航し、4 万 6 千人の市民の空の足としての役割を担っています。
初代五島市長として市政をリードする中尾郁子市長に、五島市の現状と ANA
の役割について聞きました。
特集 航空運送事業を中心に社会に貢献する
五島市が抱える課題とその対策につい
てお話しいただけますか。
人口減少が課題ですね。人口は現在 4 万 6 千人ですが、10 年後には 4 万人に 減少すると予測しています。五島市に は大学がありませんし、働く場所も限 られていますから、若い人は島を出て いってしまいます。 しかし、人口減少を負の要素だけでと らえてしまうと、新しい発想は生まれて きません。それで私は、五島市から出て 働いている人を「バーチャル市民(五島 市心のふるさと市民)」として登録して もらって、定住人口にバーチャル市民人 口を加えて 10 万都市を目指そうと考え ています。そして五島市を訪れる交流人 口を 50 万人にするという目標と併せて、 10 年後の目標として掲げています。 バーチャル市民は五島市のサポーター のようなもので、五島市出身の方でなくて も海や島が好きな人なら誰でもなれるよう に、わずかな市民税(年会費)を払って いただくかわりに、いろいろな特典を用意 する予定です。バーチャル市民の皆さん には、お客さんではなくて、故郷としてい つでも帰ってきてもらいたいですね。2
五島列島 五島市の所在地 五島市長中尾 郁子
さん
アイアンマンジャパン この目標を実現するために何をやるか が行政の仕事で、農業をどうするのか、 海をどう守るのか、福祉をどうするのか、 医療をどうするか、教育をどうするか、 交通のアクセスを含めた交通のラインを どうするのかといったテーマについて きっちりと計画を立て、年度ごとの達成 目標を決めて実行しているところです。 例えば、離島では子供が減少する中で 小学校、中学校、高校をそれぞれ維持す るのが難しい。それで、教育特区として 指定してもらい、小・中・高校の一貫教 育を2008 年からスタートすることが決まっ ています。現在、各島を結ぶ光ケーブル の敷設作業中ですが、教育面にも活用し て、遠隔地にいる音楽の先生が、インター ネットを介して大きな画面と音響設備を通 じて生演奏をするような授業などを行う考 えです。長崎県は離島が多いので、全国 の先駆けとなれればいいですね。
ANA についてはどのような感想をお
持ちですか。
急ぐ場合には何と言っても飛行機が一 番で、五島市と本土を結ぶ重要な交通 機関です。昨年は福岡便に 11 万人を超 える利用者がいました。東京で午後1 時に始まる会議に、朝一番の飛行機で 間に合いますから便利ですね。 私が市長に就任してから、ジェット機 からプロペラ機に代わると ANA さんか ら聞かされ、島民から不安の声が出さ れた時は悩みました。でも 4 便に増や していただいたので、乗客も増えて、 ひとまず安心しています。パイロットは 腕が良くて、大きな飛行機と違ってス チュワーデスさんも身近にいる感じが して、島の大きさに見合った飛行機だ と思います。だけど、新しい機種だか らでしょうか、故障が多くて、これは改 善してもらいたいですね。 ANA さんには 2006 年 5 月に開催した トライアスロンの大会「アイアンマンジャ ●中尾郁子(なかお・いくこ) 1935 年 4 月 24 日生まれ。五島市三井楽 町出身。長崎県立長崎東高等学校卒。長 崎県離島医療圏組合 五島中央病院理事 長。1990 年 9 月から 2004 年まで福江市 議会議員を 4 期務めた後、2004 年 9 月に 初代五島市長に就任。 パン」に協力していただき感謝しています。 一方、プロペラ機に代わってから、 エビを飛行機で出荷できなくなって、 やむなく船で運んでいますが、セリに 出 す の が 遅 れ る の で 値 段 が 下 が っ て 困っています。また、東京から福岡ま でのツアーは多くありますが、五島ま でのツアーはなかなかありません。交 流人口を増やす上で、五島を訪れやす いように、運賃面などで協力していた だくことを希望しています。今後の抱負をお話しいただけますか。
五島市は生活基盤がまだ十分に整備 されていません。合併した 5 町は自主 財 源 が 1 割 し か な い の で 何 も で き な かったのが現状です。学校給食がない という町や配水管が古くて水を送って も半分しか届かないところもあります。 学校給食は何とか隣の町から給食車で 持っていくようにしましたが、財政は どん底の状態で、非常に厳しい状況が 続いています。 目で楽しむ自然、耳で聞く自然、豊 富でおいしい食材、そして人情。それ がある五島市は、私は宝の島だと思っ ています。その五島市の将来のために、 3 年間、職員給与は 10%カット、私の 給与は 20%カットして、費用を徹底し て削減して努力しているところです。 ANA さんには、五島市に誰でも気軽 に行けるように、そして離島の活性化 にご協力いただけるように、大きな期 待をしています。 五島福江空港、ボンバルディア DHC8-Q400 型機が運航しているおからだのご不自由な方に
安心できる海外旅行を
ANA セールスでの「ユニバーサル・ツーリズム」の取り組み
ANA セールスでは、ご高齢の方やおからだの不自由な方にも海外旅行パッ
ケージ商品「ANA ハローツアー」を安心して気持ちよくご利用していただく
ために、
「ユニバーサル・ツーリズム
※」を実践しています。おからだの不自
由なお客様だけでも、すでに 2,000 名の方にご利用いただいている、その取
り組みについてご紹介します。
オリジナルカード特集 航空運送事業を中心に社会に貢献する
3
旅行会社で初めて専任スタッフを配置
1998 年ごろから海外旅行パッケージ商 品「ANA ハローツアー」におからだの 不自由なお客様の申込みが増え始め、予 約センターではベテランのスタッフが都 度対応させていただいていました。しか し、それぞれのお客様の状態には違いが あるため、対応に時間がかかり、結果的 に苦情を頂いてしまうなど、お客様のご 満足につなげることができませんでした。 そのため、ANA セールスでは 2001 年 4 月、ご高齢の方や障がいをお持ちの方が 「ANA ハローツアー」に参加していただ けるようにコーディネートする専任スタッ フを予約センター内に配置しました。バリ アフリー旅行や障がいのあるお客様だけ を対象とした旅行商品を企画して販売す る旅行会社はいくつかありましたが、一般 の方を対象にした募集型企画旅行商品を 販売している旅行会社で、このような体 制をとる旅行会社はありませんでした。 ユニバーサル・ツーリズムの先駆けと してスタートすることになった ANA セー ルスは、ANA スカイアシスト・デスク から航空運送事業で培った経験とノウハ ウを学び、具体的なアドバイスを受ける などして、お客様へのご案内の質を高め ていきました。具体的な情報提供で
お客様との信頼関係を築く
「ANA ハローツアー」のような募集 型企画旅行商品は、一般の人が歩くス ピードで日程・旅程を組んでいますので、 ご高齢の方やおからだの不自由な方には 予想以上に身体的な負荷がかかる場合 があります。そのため、「こんなはずじゃ なかった」というクレームにつながるこ ともありました。 そういう行き違 いを防ぐためには、 ANA セールスが提供できるサービスを 正確に説明し、お客様のイメージと実際 お客様からの感謝の お手紙 ※障がいの有無、年齢、性別などにかかわらず誰もが気持ちよ く楽しめる観光を目指すこと専任スタッフとして活躍する室井 孝王 のサービスとのギャップをなくすことが、 最も重要です。旅先の状況が想像できる ように、例えば足のご不自由なお客様の 場合には、具体的に階段の段数と段の高 さをご説明すると、お客様の不安を取り 除くことができ、信頼関係を築くことが できました。
オリジナルツールでお客様の旅を快適に
おからだの不自由なお客様は、障がい の種類や程度、病状によって、さまざま な問題が発生します。そのため、お客様 一人ひとりの事例を記録して情報の蓄積 に努めています。その蓄積によって編み 出したのが、オリジナルカードです。 例えば、耳のご不自由なお客様には、 集合時間やトイレ休憩のタイミングを記 載した日程表、バスなどで移動中の確認 事項、緊急時に必要な事項などを記載し たカードを用意してお渡ししています。 指差しなどのジェスチャーでコミュニ ケーションが取れますので、工夫一つで 旅を快適にすることができるようになり ました。専任スタッフのコメント
さまざまな旅 行関係の業務に携 わってきましたが、2001 年 4 月に専 任スタッフとして着任してから、この 仕事は大きな喜びとなっています。 お申し込みいただいたお客様から 喜びの声をお聞きすることも多く、苦 情も少なくなり、申込み後の取消率 も一般的なパッケージ旅行に比べて とても低くなりました。旅を楽しみに して準備を進めているお客様に、私 たちの具体的でていねいなアドバイ スが安心感を生み出しているのでは ないでしょうか。 ほかの旅行 会 社では実現できな かった 海 外 旅 行 が「ANA ハローツ アー」では実現できる。それが、お 客様の信頼感につながっていると思 います。 ANA セールス セールスオペレーション事業部 ツアーアシストグループ 室井 孝王 お客様のご要望をお聞きして、蓄積し た情報を基に、提供できるサービス、提 供が難しいサービスをていねいに説明す るとともに、オリジナルカードで旅の快 適さを高める。このような努力を重ねた 結果、海外旅行に行くことができなった ご高齢のお客様やおからだの不自由なお 客様にも、「ANA ハローツアー」で海 外旅行を楽しんでいただけるようになり ました。 これからも、私たち ANA セールスが 努力すれば旅行に参加できるお客様が大 勢いることを忘れずに、あらゆる人が旅 を楽しめるように努力していきます。 ANAハローツアーのご利用実績 1,800 1,500 1,200 900 600 300 0 01 02 03 04 05 人 年度 272 364 296 515 532 523 701 562 992 1,019 おからだの不自由なお客様 同行のお客様 ANA ハローツアーのパンフレットマネジメント
経営理念、経営ビジョン
ANA グループ経営理念
ANA グループ経営理念は、「ANA グ ループはいつもこうありたい」という姿 勢、ANA グループの存在意義を示すも のであり、日々の活動を行う上で、ANA グループの従業員の約束事となるもので す。すなわち、ANA グループ企業の運 営基盤となるべきものといえます。 ANA グループ経営理念では、「基本理 念」とそれを実現するための「グループ 行動指針 6 カ条」から成っています。熾 烈な競争を勝ち抜き、お客様や社会に選 ばれる企業グループであり続けるため に、「ANA グループとしてのあるべき姿」 「ANA グループの存在意義」を示すもの として、ANA グループ各社の経営層か ら従業員まで幅広いヒアリングを行った 後、2002 年1月に策定しました。ANA グループ経営ビジョン
ANA グループ経営ビジョンは、2002 年に策定した新たな経営理念の下、ANA グループが目指すべき姿(到達目標)を 明らかにするために掲げたものです。「航 空事業を中核としてアジアを代表する企 業グループを目指す」ことを柱に、規模 の大きさではなく、アジアを代表する企 業グループにふさわしく、「クオリティ、 顧客満足、価値創造で一番になること」 を目標にしています。 ANAグループ経営ビジョン ANAグループは、国内および日本とアジ アそして世界の旅客・貨物輸送を担う航 空事業を中核としてアジアを代表する企 業グループを目指す。 アジアを代表するとは、 クオリティで一番 顧客満足で一番 価値創造で一番 になることである。基本理念
―私たちのコミットメント―
ANAグループは、
「安心」と「信頼」を基礎に
・価値ある時間と空間を創造します
・いつも身近な存在であり続けます
・世界の人々に「夢」と「感動」を届けます
グループ行動指針6カ条
①「安全」こそ経営の基盤、守り続けます。 ②「お客様」の声に徹底してこだわります。 ③「社会」と共に歩み続けます。 ④ 常に「挑戦」し続けます。 ⑤「関心」を持って議論し、「自信」を持って決定し、 「確信」を持って実行します。 ⑥ 人を活かし、チームワークを「力」にし、 強いANAグループをつくります。ANA グループ経営理念
ANA グループ経営ビジョンを達成す るために、経営の軸を「利益重視=価値 創造」に置き、その実現のための戦略の 軸を「お客様にこだわり、徹底した差別 化戦略を一貫して、継続して実行するこ と」に置きました。そして、「スピード 重視とお客様重視」「個々人の意欲と持 ち味を活かすこと」に重点を置いて、戦 略実行体制を構築しています。基本的な考え方
CSR の基本的な考え方と推進体制
ANA グループにかかわりのあるス テークホルダーは、お客様、株主・投資家、 従業員、取引先、地域社会などさまざ まです。ステークホルダーとのコミュニ ケーションを通じて社会との持続的な共 生を図りつつ、企業価値を向上させ、ス テークホルダーの皆様に対する責任を果 たしていくことが ANA グループの CSR の基本です。 役職員一人ひとりが「ANAグループ 経営理念」を実現するために行動し、ス テークホルダーの皆様の「安心」と「信 頼」を得ることが、CSR の実践といえます。推進体制
2005 年4月、CSR 推進会議(2004 年 4月設置)を発展的に解消し、社長が統 括する CSR 推進委員会を設置しました。 同委員会は CSR 担当役員を委員長とし て、関連する部署を担当するすべての役 員が委員となり、ANA グループにおけ る CSR 活動の方向付けを行っています。 本業を通じた社会への貢献を CSR の 基本としているため、特別に専門の執行 組織を設けず、CSR 推進委員会で決定 した方針に基づき、各部署がそれぞれ の役割を果たしています。 具体的には、安全責任を中核とし、次の 3 つのカテゴリーでステークホルダーの皆様 に対する責任を果たしていきます。 1. 安全責任、コンプライアンス責任を果 たすことを通じて経済責任を果たす (ベースライン)。 2. 品質向上と従業員価値増大を図るため、 C S(Customer Satisfaction = 顧 客 満 足)とE S(Employee Satisfaction =従 業員満足)を向上させる責任を果たす。 3. さらに、社会的課題、環境問題などの 解決を通じたソーシャル・イノベーショ ンへの責任を果たす。 地球環境 ANAのCSRの考え方 お客様 取引先 地域社会 行政 従業員 株主・投資家*ANAのソーシャル・イノベーション (Social Innovation)
社会的課題、環境問題などへの解決に向け、ANAが企業の立場から 可能な協力・支援を通じて果たす役割 ソーシャル・イノベーション*への責任 お客様満足 (品質向上) 従業員満足 (モチベーション向上) 経済責任 コンプライアンス責任 安全責任 CS ES 「SPIKE」 中村 菜都子さん(英国) 「めぐみをもらいに」 亀井 亜沙子さん(愛知) 「グリちゃんの冒険」 山本 由美子さん(カナダ)
マネジメント
コーポレートガバナンス
経営の透明性と説明責任を強化
ANA がコーポレート・ガバナンスで最 も強く意識しているのは、「経営の透明性」 の維持と「ステークホルダーへの説明責 任」を確実に果たすことです。厳しい経 営環境の下では、競争力のある経営体制 が不可欠であり、事業を熟知し経営に精 通した人材を取締役に選任しています。 ANA グループ運営の基本となる案件 は、代表取締役社長が議長を務め、常勤 取締役、常勤監査役ほかをメンバーとす る「グループ経営戦略会議」で審議し、 意思決定を行っています。また、会社法 上の取締役会に諮る必要のある重要案件 については、取締役会で最終的な意思決 定を行っています。各部門には経験豊か で高い専門性を有する人材を執行役員と して配置し、部門運営についての権限委 譲を行い、機能的で効果的な業務執行を 行っています。 さらに、社外取締役の選任をはじめと する取締役会の監督機能の強化、常勤の 社外監査役の選任などによる監査役の監 査機能の強化を図っています。 一方、リスクマネジメント、コンプラ イアンス、内部監査への取り組みを中心 とする内部統制システムの充実にも取り 組んでいます。 ANA では取締役 15 名、監査役 5 名、 執行役員 33 名(取締役兼務者を含む) を任命しています。適切で迅速な意思決 定、効果的、効率的で機動的な経営体制 と、実効性のある監査監督機能の両立を 目指したガバナンス体制をとっています。 ①取締役会 ANA では取締役会での重要な意思決 定を機動的に行うために、取締役の人数 を少数にしています。また、創業以来、 社外取締役を任命し、外部の客観的な 立場からの意見を尊重するなど、経営監 督機能の充実と重要な意思決定を迅速 に適切に行うことができるように工夫し ています。 さらに取締役の任期を1年として、株 主の皆様の意向を反映した経営体制をと れるようにしています。 ②執行役員制度 業務に精通した人材を執行役員として 登用して、業務執行の権限と責任を与え、 会社の健全な運営に集中する体制づくり を目的に、2001 年に導入しました。経営 の実効性を高めるために、分野ごとに担 当する執行役員を配置しています。 ③監査役制度 5 名の監査役のうち、社外監査役を 3 名とし、常勤監査役にも社外監査役を1 名選任するなど、監査役の機能を強化し、 外部からのチェックが十分に効果を発揮 できる体制となっています。さらに、監 査役による実査、監査役室のスタッフか らの調査・報告に加え、それぞれの内部 統制組織から定期的に報告を受ける仕組 みを整えるなど、内部統制機能とも連携 して、会社の執行機能を十分に監査でき る体制となっています。 ④会計監査 会計監査は、新日本監査法人が ANA および各事業所、グループ各社に対して 会社法および証券取引法に基づく監査を 実施し、監査結果は経営層と監査役会に 報告されています。 ⑤経営諮問委員会 法制上の機関とは別に、各界の有識者 7 名と経営トップをメンバーとする経営 諮問委員会を設置しています。ANA グ ループの経営全般に対して、多彩で有益 なご意見を頂き、ANA グループ経営に 反映しています。経営体制
内部統制システム
内部統制システムの目的は「事業運営 の安定化および効率化」「適正な説明責 任の実行」「法規制と内部規定の遵守」 です。「内部監査」「コンプライアンス」「リ スクマネジメント」をその実現手段とし てとらえています。2002 年 7 月にリス クマネジメント委員会を、2003 年 4 月 にコンプライアンス委員会を設置し、ま た監査部を新設するなど、内部統制シス テムを完成させました。社長直属の監査部が、ANA およびグ ループ会社に対する内部監査を実施し ています。①監査活動を通してグルー プにおける経営諸活動全般にわたる管 理・運営の制度および業務の遂行状況 を合法性、合理性、企業倫理の観点か ら検討、評価すること②監査結果に基 づく情報の提供ならびに改善・合理化 への助言・提案等を通じて、会社財産 の保全ならびに経営効率の向上を図る こと――により ANA グループの企業 価値向上に寄与することが目的です。 取締役会 社長 内部統制システム 監査部 コンプライアンス委員会 チーフコンプライアンスオフィサー (法務担当役員) 法務部 (事務局) コンプライアンスオフィサー (ANAグループ各社のコンプライアンス責任者) コンプライアンスリーダー (各部のコンプライアンス推進者) リスク管理体制 リスクマネジメント委員会 チーフリスクマネジメントオフィサー (総務担当役員) 総務部 (事務局) リスクマネジメントリーダー (各部のリスク管理責任者) リスクマネジメント部会 航空保安・危機管理部会 情報セキュリティ部会