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損金算入できる税金 1. 概要消費税の計算を税抜経理処理して決算時点で課税売上割合が 95% 未満になった場合 控除対象外消費税が出てきます この仮受消費税と仮払消費税の差額と 確定納付額のずれは 損金算入できます 課税売上割合が 80% 以上 95% 未満の場合は 全額を租税公課として損金計上でき

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Academic year: 2021

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平成 22 年 4 月 1 日現在の法令等に準拠

 損金算入できる税金  租税公課の損金算入時期  少額減価償却資産の特例

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損金算入できる税金

1.概要 消費税の計算を税抜経理処理して決算時点で課税売上割合が 95%未満になった場合、控除対象外消費税が出 てきます。この仮受消費税と仮払消費税の差額と、確定納付額のずれは、損金算入できます。課税売上割合が 80% 以上 95%未満の場合は、全額を租税公課として損金計上できます(法令 139 の 4①②)。ただし、課税売上割合が 80%未満の場合で固定資産に関する 20 万円以上のものは繰延消費税として 5 年償却するか資産の取得原価に含 めます。これらは、別表十六(九)の明細書に記入します。 上記のように法人税の実務上、損金算入で判断に迷いやすい税金は以下の通りです。 損金算入できないもの(法法 38、55) 損金算入できるもの 1.法人税(利子税は除く) 1.事業税及び地方法人特別税(法基通 9-5-1、2) 2.都道府県民税・市町村民税(利子割も含む) 2.税込経理の消費税額、控除対象外消費税 3.税額控除を選択した所得税、外国法人税(法法 41) 3.酒税等の消費税 4.延滞税、加算税、印紙税の過怠税(国税) 4.固定資産税・都市計画税・自動車税・自動車取得税・自動車重量税 5.延滞金、過少申告加算金、重加算金(地方税) 5.事業所税 6.交通違反等の罰金、科料(法基通 9-5-5) 6.利子税 7.独占禁止法の課徴金(海外の罰金等も含む) 7.社会保険料、労働保険料の延滞金・追徴金 8.金融商品取引法の課徴金、外国の罰金や科料 8.税額控除しない所得税、外国法人税 9.還付加算金 9.印紙税本体(過怠税は損金計上不可) ※損金不算入の税金(例えば法人税や住民税)が還付された場合は、益金にも不算入(法法 26①一) →損金算入の税金、例えば消費税や事業税の還付金は益金に算入されます。 国税や地方税の延滞税や重加算税、過少申告加算税は損金不算入です。各種ペナルティーを損金算入するの は、悪事を奨励していることになり社会正義の観点から不適切だからです。ただし、社会保険料の延滞金は損金計上 できます。 なお、不動産の売買取引の際には、固定資産税や都市計画税相当額を月割精算する実務上の取引慣行がありま す。固定資産税や都市計画税は、1 月 1 日現在の不動産の所有者に課税されます。これは法人税や所得税・消費税 の計算において、税金ではなく取引代金の一部=譲渡対価として扱われます(消基通 10-1-6、国税不服審判所 平成 14 年 8 月 29 日 裁決事例)。よって、売り手にとってはその部分も売却代金の一部として法人税や消費税が課 税されます。買い手にとっての未経過固定資産税等相当額は、購入代金の一部となるので消費税で仕入税額控除 できます。自動車税も、4 月 1 日現在の自動車の所有者に課税されます。中古自動車を売買する際の自動車税も、 月割り額を負担したのに過ぎないため、同様の取り扱いです。

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2.不動産取得税・登録免許税の取り扱い 購入者 用途 不動産取得税の取り扱い 関連法令 個人 事業用 必要経費に算入する 所基通 37-5 自家用 取得価額に算入する 所基通 38-9 法人 在庫 取得価額に算入しないことができる (損金計上するか棚卸資産計上するかは任意) 法基通 5-1-1 の 2 固定資産 取得価額に算入しないことができる (損金計上するか固定資産計上するかは任意) 法基通 7-3-3 の 2 例えば不動産賃貸業を開始するために収益物件(賃貸ビル、マンション等)を個人で購入すると、不動産取得税等 は不動産所得の必要経費になります。しかし、法人を設立して購入すればそれを資産計上するか損金計上するか、 収支状況により選択できます。

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租税公課の損金算入時期

法人の支払う租税公課で損金算入が認められるものの損金算入時期は、次の区分に応じて定められています(法 基通 9-5-1)。 区分 時期 ①申告納税方式 (原則) 申告書提出日の属する事業年度 (例外) 消費税等の場合、経理処理が税込経理処理で、その事業年度に損金経理で未払金計上した場合には、その未 払計上した事業年度 具体例) 消費税、地方消費税、事業税、事業所税、酒税 ②賦課課税方式 (原則) 賦課決定日の属する事業年度 (例外) その納付すべき税額につき、下記に掲げる日の属する事業年度において損金経理をした場合には、その事業年度 ① 納期の開始の日(納期が分割されているときは、それぞれの納期の開始の日) ② 実際納付日 具体例) 固定資産税・都市計画税、不動産取得税、自動車税等 ③特別徴収方式 申告日の属する事業年度 具体例) 特別地方消費税、ゴルフ場利用税、軽油引取税、通行税等 ④その他 (原則) 納付日の属する事業年度 (例外) 発生した事業年度に損金経理により未払金計上した場合にはその計上事業年度 具体例) 利子税、延滞税(道府県民税等の納期限の延長分) 例えば固定資産税や都市計画税は、通常は納税通知書が 5 月頃に届きます。その納期は、年 4 回です(6、9、12、 2 月)。3 月決算であれば、損金計上時期は問題になりません。しかし、12 月決算会社の場合は 2 月分を支払ってい なくても、決算で未払計上すれば損金計上することが出来ます。6 月決算会社の場合は 9、12、2 月分を支払ってい なくても、決算で未払計上すれば同様に損金計上することが出来ます。 税込経理方式の消費税を租税公課として損金計上出来るのは、原則的には実際に納付した事業年度です。しか し、未払計上した場合はその事業年度での損金計上も認められます(消費税法等の施行に伴う法人税の取り扱いに ついて 7)。これは、継続適用が条件とされていません。このため、赤字決算の場合は翌期に損金経理して、黒字決 算の場合は当期に未払い計上して所得圧縮をすることが出来ます。

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少額減価償却資産の特例

1.概要 PC は、通常は 4 年で減価償却します。しかし、1 台 10 万円未満のものは消耗品費として即時損金算入することが できます(法令 133)。例えば 1 台 98,000 円のデスクトップ PC10 台=980,000 円は、全額を今期に損金算入する事が 出来ます(法基通 7-1-11)。また、1 台 198,000 円のノート PC5 台=990,000 円があれば、3 年で一括償却すること が出来ます(法令 133 条の 2)。また、個人や法人が青色申告の中小企業者等に該当すれば、全額を今期に損金算 入することもできます(措置法 28 条の 2、67 条の 5)。この「少額減価償却資産の損金算入」特例は非常に便利ですの で、決算時点での対策でよく利用されます。上限金額は、300 万円までです。 2.適用対象法人 (1)中小企業者 (2)農業協同組合等 中小企業者の定義(措置法 42 条の 4⑥⑫五、措置令 27 条の 4⑩) 中小企業者とは、以下の①または②に該当するものです。 ①資本金または出資金が 1 億円以下の法人、個人事業主も含まれます。ただし、大企業の子会社は除外されます。 具体的には、発行済株式の 50%以上を資本金 1 億円超の大規模法人に所有されている子会社等です。 ②資本や出資の無い法人は、従業員数 1,000 人以下 3.決算対策の類型 対策の 4 類型 A:免税 B:課税繰り延べ ①支出を伴う ①-A ①-B ②支出が不要 ②-A ②-B ①-A の具体例:上記の「少額減価償却資産の損金算入」特例や短期前払費用特例の利用 ②-A の具体例:租税特別措置法上の試験研究費控除等の各種の税額控除特例の利用 ①-B の具体例:逓増定期保険、レバレッジドリース、倒産防止共済等の利用 ②-B の具体例:租税特別措置法上の買換え特例等の利用 上記の 4 類型では、②-A が最も有利です。

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4.決算対策の選択肢 比較項目 ①通常 ②一括償却 ③中小企業者等の特例 関連法令 法令 133 法令 133 条の 2 措置法 28 条の 2、67 条の 5 適用期限 なし 平成 24 年 3 月 31 日まで ※2 限度額 なし 年間 300 万円まで 対象法人 全て 青色申告の中小企業等 個人の場合の取扱い 同上(所令 138) 同上(所令 139) 同上(措置法 28 条の 2) 取得価額の金額基準 ※1 10 万円未満 20 万円未満 30 万円未満 損金算入額 全額 3 年で 1/3 ずつ 月数按分は不要 全額 損金経理要件 あり 明細書添付 必要なし 必要(別表十六(七)) 必要(別表十六(六)) 償却資産税の扱い 課税なし(対象外、地令 49) 課税対象 ※1 取得価額は、消費税込抜処理している場合は税込価額で判断、税抜経理の場合は税抜価額で判断 ※2 平成 22 年度税制改正により、この特例は 2 年間延長されました。 資本金 1 億円以下の中小法人は上記の通り 3 通りの選択肢がありますが、大法人は 2 通りです。なお、上記①通 常のケースでその資産を廃棄した場合は、未償却残高はその除却した年に除却損として損金算入する事が出来ま す。しかし、②一括償却している場合は除却した年の損金にはならず、あくまでも 3 年間で規則的に償却されます(法 基通 7-1-13)。また、③少額資産特例は償却資産税の対象となるため、出来るだけ②3 年一括償却を選択した方 が有利です。地方税の償却資産税の対象となるのは、取得価額 10 万円以上の固定資産です(地法 341①四、地令 49)。合計 150 万円以上になれば、税率 1.4%で課税されます。

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本レターに掲載している情報は、一般的なガイダンスに限定されています。この文書は、個別具体的ケースに対する会計・税務のア ドバイスをするものではありません。会計上の判断や税法の適用結果は、事実認定や個別事情によって大幅に異なることがありえます。 また、解説の前提となる会計規則や税制が変更されている可能性もあります。実際に企画・実行される場合は、当事務所の担当者にご 確認ください。

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