2018年度前期
『教養セミナー』 (情報セキュリティ学科)
文献の引用と参照
2018年5月10日
本日の話題
自分の言葉と他人の言葉を区別する
事例1.
2012年,ドイツ連邦政府の教 育研究大臣に対し,32年前の 1980年に取得した博士号の 盗博が発覚した.2013年には 博士号がはく奪され大臣を辞 任した. • 剽窃:他人の文章・語句・ 説などを盗んで使うこと. • 捏造:本当は無い事を, あたかもあるかのように 偽って作り上げること. でっちあげ. http://haklak.com/page_Annette_Schavan.html 図.剽窃チェッカーで判明した剽窃箇所関連する話題
事実と不実を区別する
事例2.STAP細胞事件 1. データ改ざん・捏造 O氏のSTAP細胞に関するNature誌の Article論文とLetter論文の多数の実験画 像において不適切なデータ処理・加工 (改竄)・流用が疑われています.特に, STAP細胞の多能性を示す図(Fig.2d, Fig.2e)が,STAP細胞とは無関係の小保 方氏の博士論文からの流用であることが 発覚し,共著者のW教授が論文撤回を 呼びかけることとなりました. 2. 剽窃・不実記載 STAP細胞論文には,G. J. 氏らの論文から 「17行」にわたる文章の剽窃や,R. B. 氏 らの論文からの文章剽窃が認められ, 「古い実験機器・試薬までコピペしている ため,論文の記述通りに実験を行ってい ないのではないのか?」という疑惑も浮 上しています. http://stapcells.blogspot.jp/ 図.剽窃箇所剽窃,改ざん,捏造,不実
なぜ自分の考えと他人の考えを区別すべき?
それが
不誠実な行為
だから
不誠実な行為をしないため,二つの視点が必要
1.
自分の言葉と他人の言葉を区別する
2.
事実と不実を区別する
http://www.weiaozhou.com/portal.php?mod=view&aid=25248 図.他人のアイデアの盗用なぜ自分の考えと他人の考えを区別すべき?
掘り下げて考えよう
• 『人間社会の進歩はゼロ・サムゲームではない』 https://www.ted.com/talks/robert_wright_on_optimism/transcript?language=ja • 概要:「他者と相互に関連した運命と協力のネットワー クが人類の社会的進化を現在に至るまで導いてきまし た.「ノン・ゼロ・サム」の考え方を活かすことで現代の 人間性をいかに救えるかについて語ります.」 • キーワード: 互恵行動 (vs 適者生存), • 講演者:ロバート・ライト(Robert Wright,1957年生) アメリカのジャーナリスト,科学作家で,進化心理学, 歴史,宗教,ゲーム理論などを専門としている.ペン シルベニア大学の客員研究員であり,ニュー・アメリ カン財団のシュワルツ上級研究員である. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83% 90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A 9%E3%82%A4%E3%83%88なぜ自分の考えと他人の考えを区別すべき?
掘り下げて考えよう
「私がより遠くを眺めることができたのだ としたら, それは巨人の肩の上に乗っ たからです.」(科学者ニュートン) JST SIST 02 [1] 皆さんの研究成果は先人・先輩の業績の上に発展させたものなのです. 皆さんの研究成果を発表する際に,その先輩達の業績を参考文献(引用文献)とし て示すことは,自らの成果を明確にすると共に,自身の研究基盤の提示,先輩達の 成果への敬意を示すことにもなります. [1] 独立行政法人科学技術振興機構(JST)SIST 02:2007. 科学技術情報流通技術基準 参照文献の書き方. 図.巨人の肩の上に乗り,更に積み上げるなぜ自分の考えと他人の考えを区別する?
更に掘り下げて考えよう
二重継承 人間は他の動物と比べて豊かな 生活を営むことができるように なった.この変化は長く見積もっ てもここ六百万年のことであり, 驚異的に速いと言うことが出来る. この速さをDNAの遺伝的な継承 だけで説明することはできない. では何によるのか? この速さは文化的な継承による [2]. [2] マイケル・トマセロ(著), 大堀壽夫, 中澤恒子, 西村義樹, 本多啓 (訳):“心とことばの起源を探る” 勁草書房, 2006年 http://www.seibutsushi.net/blog/2013/06/1396.html 図.遺伝的な継承なぜ自分の考えと他人の考えを区別する?
更に掘り下げて考えよう
文化的な継承[2] 「巨人の肩」「先輩達の成果」を 継承し,更に一工夫する 図.文化的継承 [2] マイケル・トマセロ(著), 大堀壽夫, 中澤恒子, 西村義樹, 本多啓 (訳):“心とことばの起源を探る” 勁草書房, 2006年なぜ自分の考えと他人の考えを区別する?
更に掘り下げて考えよう
どこへ行くのか
と同じ位(ひょっとするとそれ以上に)どこから来たのか
が重要 図.『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』引用・参照
• 引用:他の文献や資料から文や語句の表現を借りること • 参照:要約された引用 • 参考文献:文章末直後に載せる,引用・参照された文献のリスト 論旨やメッセージが どこから来たのか を示す(文化的継承) 例. http://stapcells.blogspot.jp/引用・参照の仕方
1. Microsoft Word の機能を使う[3]
「参考資料」「引用文献の挿入」
https://support.office.com/ja-jp/article/%25E6%2596%2587%25E7%258C%25AE%25E7%259B%25AE%25E9%258C%25B2%25E3%2582%2592%25 E4%25BD%259C%25E6%2588%2590%25E3%2581%2599%25E3%2582%258B-81b1ba4a-6d0b-4475-88ca-f150ed6f49a0?ui=ja-JP&rs=ja-JP&ad=JP&fromAR=12. LaTeXの機能を使う[4]
[3] Microsoft Office サポート「引用文献の挿入」 [4] LaTeX – A document preparation system引用・参照の例
例1 文献 [牧原・深川 2006]によれば,「最も深刻な問題は問題の深刻さに気づかないこと」である. ・・・ 参考文献 [牧原・深川 2006] 牧原太郎, 深川次郎. 問題の深刻さ.文化評論集, 2006年,第21巻,第3号,pp.12-34. 例2 文献 [1] によれば,「最も深刻な問題は問題の深刻さに気づかないこと」である. ・・・ 参考文献 [1]牧原太郎, 深川次郎. 問題の深刻さ.文化評論集, 2006年,第21巻,第3号,pp.12-34. 例3 文体論の目的は,それを解明すべく文体について論じるものである.但し,ムーナン(1970:219)は, 次のように指摘している. 文体は人間的な現象で非常な複雑性を持つ……したがって,いつの日にか文体についての 説明をまとめあげられるとしたら,その説明は極度に複雑なものであろう.文体の定義の簡潔 に縮めた表現はすべて一方的な貧困化であろうし,そのことはずっと変わることはあるまい.引用・参照の仕方
「参照文献の書き方」
([1]より抜粋)
[
1] 独立行政法人科学技術振興機構(JST)SIST 02:2007. 科学技術情報流通技術基準 参照文献の書き方. https://jipsti.jst.go.jp/sist/pdf/SIST02-2007.pdf https://jipsti.jst.go.jp/sist/handbook/sist02_2007/main.htm1.基本的事項
1.1 適用範囲
この基準は,文献を参照する際に記述すべき要素,その
選定,表記法について
原則と指針を与える
ものである.
この基準は,次のような文献を参照するときに用いる.
雑誌 図書 論文集 レポート 学位論文 会議資料 プレプリント 特許文献 規格文書 ウェブサイト, ウェブページ メーリングリスト 電子掲示板 データベース コンピュータプロ グラムなお,この基準でいう参照文献には,参考文献,引用文
献を含む.
1.3 参照文献の役割と要件
(1) 論文を作成する際に引用した文献,参考にした文献は,著者がその 出典を明示しなければならない. (2) 参照文献の記述にあたっては,読者がその参照文献にたどり着ける だけの十分な書誌事項を示さなければならない. (3) 参照した文献を明示することは,著者と読者が共に既存の論点を整 理することを助け,論文に示される新規性,独創性を明らかにすることで もある. (4) 参照した文献を明示することにより,著者側から読者に関連資料の 存在を伝えると同時に,読者側からはその研究分野の動向を確認・評価 することが可能になる.5.1 雑誌
5.1.1 通常の1記事
著者名.論文名.誌名.出版年,巻数,号数,開始ページ – 終了ページ 例. [1] 西潔, 石原和弘. 火山地域における震源計算についての提案. 火山. 2003, vol. 48, no. 5, pp. 407-413.[2] Pisciella, Paola; Pelino, Mario. FTIR spectroscopy investigation of the crystallisation process in an isron rich glass. Journal of the European
5.1 雑誌
5.1.1 通常の1記事(電子文献)
加えてURLを記述
[3] 下山昌彦. セキュリティスキャナを用いた偽札の新しい検査手法の開発.
CICSJ Bulletin. 2005, vol. 23, no. 3, p. 95-98.
http://www.jstage.jst.go.jp/article/cicsj/ 23/3/23_95/_article/-char/ja/, (参照
2006-03-07).
[4] Takayama, Chitoshi; Inoue, Yoshiro. Morphological development and maturation of the GABAergic synapses in the mouse cerebellar granular layer. Developmental Brain Research. 2004, 150(2), p. 177-190.
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/17162/1/DBR150-2.pdf, (accessed 2007-03-01).
5.2 図書
5.2.1 図書1冊
著者名.書名.版表示,(出版地,)出版者,出版年,総ページ数 [5] 照明学会編. 照明ハンドブック. 第2版, オーム社, 2003, 573p. [6] 井尻憲一. 宇宙の生物学. 朝倉書店, 2001, 148p., (シリーズ応用動物 科学/バイオサイエンス, 5).5.2 図書
5.2.1 図書1冊(電子文献)
加えてURLを記述 [7] 内閣府編. 交通安全白書. 平成17年版, 2005. http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/index-t.html, (参照 2006-03-07). [8] 農林水産省農林水産技術会議事務局編. レタスの土壌伝染性病害 発生抑制技術の開発. 2004, 109p., (研究成果, 425). http://rms2.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/seika.html, (参照 2006-04-14).5.8 規格文書
規格番号:制定年.規格標題.出版者.
5.10 ウェブサイト, ウェブページ,
ブログ(電子文献)
[10] 坂本和夫編. “パルスレーザーアブレーションにおけるドロップレット フリー薄膜の作製技術”. J-STORE. 2005-11-01.
http://jstore.jst.go.jp/cgi-bin/techeye/detail.cgi?techeye_id=32, (参照 2006-06-23).
[11] “Grants.gov Application Guide SF424 (R&R)”. U.S. Department of
Health and Human Services.
http://grants1.nih.gov/grants/funding/424/SF424_RR_Guide_General.pdf, (accessed 2006-07-01).
[12] smine. “Wellcome Trust, Blackwell/OUP/Springerと助成研究の即時 オープンアクセス提供を契約”. オープンアクセスジャパン. 2005-12-15.
http://www. openaccessjapan.com/archives/2005/12/wellcome_trustb.html,