ト.臨床試験
総括 ... 361 1. 臨床試験成績 ... 382 1-1 各臨床試験の成績 ... 382 (1) 日本における第Ⅰ相試験... 382 1) 単回投与試験 ... 382 2) 食事による影響を検討した試験... 391 3) 反復投与試験 ... 395 4) 単回経口投与時及び単回静脈内投与時の薬物動態の検討試験 ... 401 (2) ブリッジング試験及びブリッジング対象試験 ... 405 1) 第Ⅱ相用量反応試験(プラセボを対照とした二重盲検比較試験)(治験No.160-901) .... 405 2) 第Ⅱ相用量反応試験(プラセボを対照とした二重盲検比較試験)(治験No.160-314) .... 417 3) 第Ⅲ相比較試験(プラセボを対照とした二重盲検比較試験)(治験No.160-102) ... 431 (3) 外国臨床試験成績を日本人に外挿可能と判断した根拠 ... 449 (4) 第Ⅲ相比較試験(外国)... 475 1) プラセボを対照とした二重盲検比較試験(治験No.160-305) ... 475 2) スマトリプタンを対照とした二重盲検比較試験(治験No.160-318) ... 493 3) スマトリプタンを対照とした二重盲検比較試験(治験№160-104) ... 510 4) カフェルゴット®を対照とした二重盲検比較試験(治験№160-307) ... 528 5) 漸増投与による二重盲検比較試験(治験No.160-103) ... 543 (5) 長期投与試験(外国) ... 560 1) 長期投与試験(治験No.160-317)... 560 2) 長期投与試験(治験No.160-108)... 583 1-2 複数の臨床試験成績に基づく検討 ... 608 (1) 20mgから40mgに増量した症例における検討 ... 608 (2) 追加服用の検討 ... 615 1-3 その他の臨床試験成績 ... 623 (1) 臨床薬理試験(特別な集団) ... 623 1) 高齢者における成績 ... 623 2) 腎機能障害を有する被験者における成績 ... 628 3) 肝機能障害を有する被験者における成績 ... 633 4) 女性(月経周期の与える影響)における成績 ... 638 5) 授乳中の女性における成績... 642 (2) 臨床薬理試験(薬物相互作用) ... 645 1) エリスロマイシン併用時の成績 ... 645 2) ケトコナゾール併用時の成績 ... 650 3) ベラパミル併用時の成績 ... 655 4) フルコナゾール併用時の成績 ... 6605) プロプラノロール併用時の成績 ...665 6) カフェルゴット®併用時の成績 ...670 (3) 高齢者に対する臨床試験成績のまとめ...675 2.臨床試験成績のまとめ(有効性) ...679 3.臨床試験成績のまとめ(安全性) ... 695 4.効能・効果,用法・用量,使用上の注意(案)及びその設定根拠 ... 779 5.毒薬・劇薬等の指定審査資料のまとめ ... 800
ト.臨床試験の項の略号一覧表
略 号 内 容 E20 エレトリプタン20mg E40 エレトリプタン40mg E80 エレトリプタン80mg P プラセボ S25 スマトリプタン25mg S50 スマトリプタン50mg S100 スマトリプタン100mg Caf カフェルゴット®POT Physician Optimized Treatment
(医師の判断と選択に基づく片頭痛に対する一般的な治療) AUEC The Area Under the Effect Curve(血圧−時間曲線下面積) SBP Systolic Blood Pressure(収縮期血圧)
DBP Diastolic Blood Pressure(拡張期血圧) PR Pulse Rate(脈拍数)
QTc Corrected QT(補正QT)
EVAL集団 Evaluable集団(評価可能集団) ITT集団 Intent to Treat集団
ANCOVA Analysis of Covariance(共分散分析) QOL Quality of Life
IHS International Headache Society(国際頭痛学会) FDA Food and Drug Administration(米国食品医薬品庁) MCA Medicines Control Agency(英国医薬品庁)
WHO World Health Organization(世界保健機関) ICH International Conference on Harmonization
(日米EU医薬品規制整合化国際会議)
hCG Human Chorionic Gonadotrophin(ヒト絨毛性ゴナドトロピン) COSTART Coding Symbol for Thesaurus of Adverse Reaction Terms MedDRA Medical Dictionary for Regulatory Activities
資料概要中における有害事象の用語について 資料概要中において,国内及び外国臨床試験の有害事象は,治験責任医師が症例報告書に記載した有 害事象の用語を優先語に読み替えて表記している。 治験責任医師が用いた有害事象の用語はファイザー社にて使用されている有害事象の辞書(以下「フ ァイザー・コーポレート辞書」)を適用し,有害事象の優先語への読み替えを行った。 国内臨床試験においては,外国臨床試験との有害事象の優先語への読み替えの一貫性を図るため,治 験責任医師が用いた用語を一旦英訳した後,ファイザー・コーポレート辞書を適用し,優先語に読み換 えたものを,再度,和訳し日本語の優先語とした。 ファイザー・コーポレート辞書は,WHOの国際医薬品モニター制度で使用されているART(Adverse Reaction Terminology : WHO ART)を基本骨格として,ファイザー社にて構築した有害事象の辞書である。 読み替えに際しては,治験責任医師が用いた用語をファイザー・コーポレート辞書でWHO ARTの優先語と し,これに対応するCOSTART注1)用語を優先語にまとめた。 資料概要中に表記するため,読み替えられた優先語の翻訳に際しては,医薬品副作用用語集注2)を最優 先して使用し,用語が医薬品副作用用語集にない場合はMedDRA注3)を使用した。いずれの辞書にもない場 合は医学辞典注4)を用いた。 主な読み替えの例について,治験責任医師が用いた有害事象の用語とその優先語について以下に示し た。 また,治験責任医師が用いた全ての有害事象の用語とその優先語について,「有害事象用語集」とし てまとめ,資料概要別冊とした。 注1) COSTART:Coding Symbol for Thesaurus of Adverse Reaction Terms(FDAによって作成され,公表された用語
体系であり,米国当局に提出される有害事象のコード化,分類,遡及に用いられる。)
注2) 医薬品副作用用語集:医薬品副作用用語集(厚生省薬務局安全課 監修 96年版) 注3) MedDRA:Medical Dictionary for Regulatory Activities
主な読み替えの例示 器官分類 優先語 治験責任医師が用いた有害事象 感染 熱性感染,ウイルス疾患,ウイルス感染など 胸痛 胸部不快感,胸部重圧感,胸部圧迫感,胸部ひっ迫感,胸痛,心臓痛など 腹痛 腹部不快感,腹痛,心窩部不快感,心窩部重感,心窩部圧痛,胃腸不快感, 胃部異和感など 無力症 上腕が重い,重感,疲労感,全身疲労,全身脱力(感)など 全身系 疼痛 上腕部の圧迫感,上腕痛,顔面痛,身体不快感,身体圧痛,非心臓性胸痛 など 心・血管系 血管拡張 潮紅,頭部から足指までの温感,熱感及び冷感−ほてり,再発性熱感及び 冷感,全身温感など 歯牙障害 歯痛,歯牙感染,歯牙過敏,歯性疼痛など 直腸障害 痔核の腫脹及び①痒,肛門周囲痛など 消化器系 嚥下障害 咽頭部緊張感,絞扼感,嚥下困難など 内分泌系 内分泌障害 更年期症候群,ホルモン失調など 浮腫 浮腫,咽頭腫脹感,全身腫脹感など 代謝・栄養系 末梢性浮腫 手指腫脹,両手浮腫,上腕腫脹,くるぶし浮腫など ミオパシー 筋の重感など 関節症 手指関節のこわばり,肩の重感,肩回旋筋腱板症候群,肋軟骨炎,腰椎症, 変性関節疾患,関節硬直など 関節障害 側頭下顎関節痛など 関節痛 肩痛など 筋・骨格系 筋無力症 筋肉疲労,四肢筋力低下,全身性筋力低下など ニューロパシー 頸部神経の絞扼,腰部神経の絞扼,神経絞扼,椎間板脱出など 異常感覚 足部灼熱感,上腕部灼熱感,眼瞼灼熱感,四肢のぴりぴりする感覚,刺痛 感,皮膚灼熱感,蟻走感,皮膚刺痛(感),非定型胸部刺痛感など 運動過多 エネルギー過剰,運動亢進,下肢静止不能など 運動失調 ふらふら感(平衡障害),不安定など 寡動(症) 軽度不活発,「緩慢な反応」の印象,動作緩徐など 感覚鈍麻 末梢感覚の低下,身体のしびれ感,上腕しびれ(感)など 感情鈍麻 自発性欠如,白日夢など 感情不安定 涙ぐむ感じ,不機嫌など 傾眠 眠気,嗜眠状態,傾眠など 激越 落ち着きのなさ,情緒不安,刺激過度など 健忘(症) もの忘れ,記憶障害など 言語障害 不明瞭言語,構音障害,言語障害など 昏迷 意識低下,酪酊感など 錯乱 ぼうっとした感じ,混乱した感じ,思考錯乱,失見当識など 思考異常 集中力障害,思考緩徐,精神鈍麻など 振戦 両手振戦,四肢振戦,身体振戦,全身の震えなど 神経過敏(症) 神経過敏,神経質など 神経痛 頚部神経痛,腰部坐骨神経痛,坐骨神経痛,三叉神経痛など 知覚過敏 触覚過敏,熱に対する全身の過敏,熱感/冷感過敏など 敵意 攻撃的行動,怒りなど 不安 不安感,いらだち感,緊張感,パニック発作など 離人症 分離感,解離感など 神経系 攣縮 不随意四肢収縮,不随意筋収縮,顔面筋収縮など 呼吸困難 息切れ,呼吸苦など 呼吸器系 呼吸障害 鼻部緊張感,副鼻腔うっ血,上気道うっ血,吸息時の胸部痛など 皮膚・皮膚付属器 皮膚変色 両手の浅黒い変化,口唇変色など 視力異常 眼前の黒点,眼前の点,霧視(感),光のちらつきなど 味覚倒錯 口中のいやな味,苦味,金属味など 特殊感覚器系 羞明 眼の光に対する敏感,眼の光過敏など 尿路障害 排尿欲求増加など 排尿困難 尿道不快感,痛みと灼熱感を伴う排尿,排尿困難など 泌尿生殖器系 無月経 試験中の閉経,続発性無月経など
総括 ト.臨床試験 ... 添付資料ト−1∼25 総括 本資料概要に各臨床試験毎の成績を記載した臨床試験の一覧を表ト−1に示した。また,安全性の成績 のみを用いた第Ⅱ/Ⅲ相試験及び長期投与試験の一覧を表ト−2に示した。 なお,総括の末尾に,臨床試験の説明及び成績に用いた用語について定義した。 表ト−1 臨 床 試 験 一 覧 表 試験区分 試験の種類 対 象 症例数a) 用法・用量(mg) 及 び 投 与 期 間 代表施設名 及び施設数 又は実施国 治験期間 資料番号 (治験No.) 二重盲検 健常成人 男子 プラセボ:8例 エレトリプタン:各6例 プラセボ,20mg,40mg,80mg又は120mg単回 投与 ほうせん診 療所 1996年∼ 10月 1997年1月 ト−1 (160-701) 二重盲検 健常成人 男子 プラセボ:6例 エレトリプタン:6例 プラセボ又は160mg 単回投与 ほうせん診 療所 1997年∼ 2月 1997年3月 ト−2 (160-701A) 単回 空腹時・食後 2× 2ク ロ ス オ ー バー 健常成人 男子 空腹時:16例 食 後:16例 80mg×1回 朝空腹時及び朝食後投与 ほうせん診 療所 1997年∼ 2月 1997年5月 ト−3 (160-702) 反復 二重盲検 健常成人 男子 プラセボ:4例 エレトリプタン:各6例 1回40mg又はプラセボ×3回/日又は1回 80mg又はプラセボ×2回/日 7日間反復投与 ほうせん診 療所 1997年∼ 2月 1997年10月 ト−4 (160-703) 第 Ⅰ 相 試 験 ︵ 国 内 ︶ 絶対生物学的利用率及 び血漿中濃度と唾液中 濃度の関係(2×2クロスオ ーバー) 健常成人 男子 経口投与:24例 静脈内投与:24例 経口単回投与80mg 静脈内単回投与6mg 志都呂クリニック 1999年∼ 7月 1999年8月 ト−5 (A1601026) 第Ⅱ相 用量反応 試験 (国内) 二重盲検 (プラセボ対照) 片頭痛 1回発作 プラセボ:84例 20mg:80例 40mg:80例 80mg:77例 プラセボ,20mg,40mg又は80mgを発作発現 時単回投与 日本 55施設 1998年∼ 10月 2000年1月 ト−6 (160-901) 第Ⅱ相 用量反応 試験 (外国) 二重盲検 (プラセボ対照) 片頭痛 1回発作 プラセボ:142例 20mg:144例 40mg:136例 80mg:141例 スマトリプタン100mg: 129例 初回服用:プラセボ,20mg,40mg,80mg又はス マトリプタン100mgを発作発現時単回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から4-24時間に単回投与 英 国 , ド イ ツ,フランス など 80施設 1995年∼ 8月 1996年6月 ト−7 (160-314) 二重盲検 (プラセボ対照) 片頭痛 3回発作 プラセボ:292例b) 20mg:290例b) 40mg:296例b) 80mg:312例b) 1回目発作 プラセボ,20 mg,40mg又は80mgを発作発現 時単回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から4-24時間に,無効例に対して4 時間後に単回投与 2-3回目発作 1回目発作と同一の服用方法 米国 48施設 1996年∼ 7月 1997年12月 ト−8 (160-102) 第 Ⅲ 相 試 験 ︵ 外 国 ︶ 二重盲検 (プラセボ対照) 片頭痛 3回発作 プラセボ:238例b) 40mg:453例b) 80mg:462例b) 1回目発作 初回服用:プラセボ,40mg又は80mgを発作 発現時単回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から2-24時間に,無効例に対して2 時間後に単回投与 2-3回目発作 初回服用:40mg又は80mgを発作発現時単 回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から8時間以内に,再発予防の目的で 8-16時間に,無効例に対して2時間後 に単回投与 英 国 , ド イ ツ,フランス など 75施設 1996年∼ 8月 1997年9月 ト−9 (160-305) a)実際に治験薬を服用した被験者数 b)初回服用量別の例数 総 括
総括 試験区分 試験の種類 対 象 症例数a) 用法・用量(mg) 及 び 投 与 期 間 代表施設名 及び施設数 又は実施国 治験期間 資料番号 (治験No.) 二 重 盲 検 (スマトリプ タン対照) 片頭痛 3回発作 プラセボ:84例b) 40mg:175例b) 80mg:164例b) スマトリプタン50mg: 181例 スマトリプタン 100mg:170例 1回目発作 プラセボ,40mg,80mg,スマトリプタン50mg又は 100mgを発作発現時単回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から2-24時間に,無効例に対して2 時間後に単回投与 2-3回目発作 1回目発作と同一の服用方法 英 国 , ド イ ツ,フランス など 64施設 1996年∼ 11月 1998年1月 ト−10 (160-318) 実 薬 対 照 試 験 二 重 盲 検 (スマトリプ タン対照) 片頭痛 3回発作 プラセボ:93例b) 40mg:184例b) 80mg:180例b) スマトリプタン25mg: 180例 スマトリプタン50mg: 181例 1回目発作 プラセボ,40mg,80mg,スマトリプタン25mg又は 50mgを発作発現時単回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から2-24時間に,無効例に対して2 時間後に単回投与 2-3回目発作 1回目発作と同一の服用方法 米国 2施設 1996年∼ 12月 1998年1月 ト−11 (160-104) 二 重 盲 検 (カフェルゴ ッ ト®対 照) 片頭痛 1回発作 プラセボ:106例b) 40mg:210例b) 80mg:214例b) カフェルゴット®:203例 1回目発作 プラセボ,40mg,80mg又はカフェルゴット®を発 作発現時単回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から2-24時間に,無効例に対して2 時間後に単回投与 英 国 , ド イ ツ,フランス など 51施設 1996年∼ 12月 1997年12月 ト−12 (160-307) 第 Ⅲ 相 試 験 ︵ 外 国 ︶ ︵ 続 き ︶ 二重盲検 (漸増投与) 片頭痛 2回発作 1回目発作に対し て プラセボ:124例 40mg:508例 1回目発作 初回服用:プラセボ又は40mgを発作発現時 単回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から2-24時間に,無効例に対して2 時間後に単回投与 2回目発作 初回服用:プラセボ,40mg又は80mgを発作 発現時単回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から2-24時間に,無効例に対して2 時間後に単回投与 米国,カナダ 41施設 1997年∼ 3月 1998年2月 ト−13 (160-103) 片頭痛 エレトリプタン:638例 POT:154例 用量設定期間 1-3回目発作:40mg又はPOTを発作発現 時単回投与。3回発作終了後40mgから 80mgへの増量可能 4-6回目発作:40mg,80mg又はPOTを発 作発現時単回投与。6回目発作終了後 80mgから40mgへの減量可能 用量固定期間(12ヵ月) 40mg,80mg又はPOTを発作発現時単回投 与 英国,ドイツ ,フランスな ど 68施設 1996年∼ 10月 1999年6月 ト−14 (160-317) 長 期 投 与 試 験 ︵ 外 国 ︶ 非盲検 片頭痛 エレトリプタン:906例 POT:217例 用量設定期間 1-3回目発作:40mg又はPOTを発作発現 時単回投与。3回発作終了後40mgから 80mgへの増量可能 4-6回目発作:40mg,80mg又はPOTを発 作発現時単回投与。6 回目発作終了後 80mgから40mgへの減量可能 用量固定期間(12ヵ月) 40mg,80mg又はPOTを発作発現時単回投 与 米国,カナダ 99施設 1996年∼ 11月 1999年5月 ト−15 (160-108) POT:医師の判断と選択に基づく片頭痛に対する一般的な治療 a)実際に治験薬を服用した被験者数 b)初回服用量別の例数
総括 試験区分 試験の種類 対 象 症例数a) 用法・用量(mg) 及 び 投 与 期 間 代表施設名 及び施設数 又は実施国 治験期間 資料番号 (治験No.) 高 齢 者 二重盲検 2×2クロスオーバー 健常高齢 者及び若 年者 高齢男子:8例 高齢女子:8例 若年男子:8例 若年女子:8例 プラセボ又は80mg 単回投与 英国 1施設 1996年∼ 9月 1996年10月 ヘ−35 (160-215) 腎 機 能 障 害 非盲検 腎機能障 害者及び 健常成人 正常:6例 軽度:6例 中等度:5例 重度:5例 80mg 単回投与 英国 1施設 1997年∼ 4月 1997年11月 ヘ−33 (160-229) 肝 機 能 障 害 非盲検 肝機能障 害者及び 健常成人 健常者:12例 慢性安定性肝硬変 被験者:12例 40mg又は80mg 単回投与 ドイツ 1施設 1996年∼ 12月 1997年7月 ヘ−32 (160-220) 月 経 周 期 非盲検 健常成人 女子 16例 80mg 単回投与 米国 1施設 1997年∼ 1月 1997年5月 ヘ−37 (160-004) 特 別 な 集 団 母 乳 中 排 泄 非盲検 健常成人 女子 8例 80mg 単回投与 米国 1施設 1996年∼ 11月 1996年12月 ヘ−34 (160-003) 二重盲検 2×2クロスオーバー (エリスロマイシン併用) 健常成人 男子:9例 女子:11例 エリスロマイシン500mg又はプラセボを1日2回7 日間反復投与後7日目の朝にエレトリプタン 80mgを単回投与 英国 1施設 1997年∼ 1月 1997年4月 ヘ−47 (160-226) 非盲検 2×2クロスオーバー (ケトコナゾール併用) 健常成人 男子:12例 女子:6例 ケトコナゾール400mg又はプラセボを1日1回4 日間反復投与後3日目の朝にエレトリプタン 80mgを単回投与 ベルギー 1施設 1999年∼ 9月 1999年10月 ヘ−48 (A1601045) 非盲検 2×2クロスオーバー (ベラパミル併用) 健常成人 男子:9例 女子:9例 ベラパミル120mg(3日目以降240mg)又はプ ラセボを1日2回6日間反復投与後6日 目の朝にエレトリプタン80mgを単回投与,7日 目の朝にベラパミル240mg又はプラセボを1 回投与 ベルギー 1施設 2000年∼ 5月 2000年7月 ヘ−55 (A1601058) CYP 3A4 阻 害 薬 非盲検 2×2クロスオーバー (フルコナゾール併用) 健常成人 男子:9例 女子:9例 フルコナゾール200mg(2日目以降100mg)又は プラセボを1日1回6日間反復投与後6 日目の朝にエレトリプタン80mgを単回投与,7 日目の朝にフルコナゾール100mg又はプ ラセボを1回投与 英国 1施設 2000年∼ 7月 2000年9月 ヘ−56 (A1601059) β 遮 断 薬 二重盲検 2×2クロスオーバー (プロプラノロール併用) 健常成人 男子:6例 女子:6例 プロプラノロール80mg又はプラセボを1日2回 7日間反復投与後7日目の朝にエレトリプタ ン80mgを単回投与 英国 1施設 1996年∼ 12月 1997年2月 ヘ−49 (160-222) 臨 床 薬 理 試 験 ︵ 外 国 ︶ 薬 物 相 互 作 用 片 頭 痛 治 療 薬 二重盲検 2×2クロスオーバー ( カ フ ェ ル コ ゙ ッ ト®併 用) 健常成人 男子:6例 女子:6例 パート1:エレトリプタン80mg又はプラセボ投与 2時間後にカフェルゴット®を単回投与 パート2:エレトリプタン80mg又はプラセボ投与 1時間後にカフェルゴット®を単回投与 英国 1施設 1996年∼ 7月 1996年9月 ヘ−50 (160-216) a)実際に治験薬を服用した被験者数
総括 表ト−2 安全性の成績のみ評価対象とした試験 試験区分 試験の種類 対 象 症例数a) 用法・用量(mg) 及 び 服 用 期 間 代表施設名 及び施設数 又は実施国 治験期間 資料番号 (治験No.) 非盲検 片頭痛 30mg: 発作時;34例 間歇期;35例 30mgを発作発現時又は発作間歇期に単 回投与 米国,カナダ 4施設 1995年∼ 7月 1996年3月 ヘ−38 (160-101) 二重盲検 片頭痛 1回発作 プラセボ:90例 5mg:87例 20mg:97例 30mg:91例 プラセボ,5mg,20mg又は30mgを発作発 現時単回投与 英 国 , ド イ ツ,フランス など 71施設 1994年∼ 4月 1995年3月 ト−16 (160-302) 二重盲検 片頭痛 6回発作 プラセボ:1例 5mg:2例 20mg:5例 30mg:0例 プラセボ又は5mg,20mg,30mgを発作発 現時単回投与 フランス 6施設 1994年∼ 11月 1995年11月 ト−17 (160-302A) 第 Ⅱ 相 試 験 ︵ 外 国 ︶ 二重盲検 片頭痛 9回発作 5mg:52例 20mg:58例 30mg:52例 スマトリプタン100mg: 51例 5mg,20mg,30mg又はスマトリプタン100mgを 発作発現時単回投与 英国,ドイツ など 38施設 1994年∼ 11月 1996年7月 ト−18 (160-302C) 二重盲検 (プラセボ対照) 片頭痛 1回発作 前兆期 プラセボ:44例 80mg:43例 初回服用:プラセボ又は80mgを前兆期 単回投与 英国,ドイツ など 33施設 1996年∼ 11月 1998年2月 ト−19 (160-306) 第Ⅲ相試 験(外国) 二重盲検 (プラセボ対照) 片頭痛 1回発作 小児 (12∼17 歳) プラセボ:133例b) 40mg:141例 初回服用:プラセボ又は40mgを発作発現時 単回投与 追加服用:頭痛の再発例に対して初回服 用から2-24時間に,40mgを単回投与 米国 31施設 1997年∼ 4月 1998年2月 ト−20 (160-105) 長期投与 試 験 (外国) 二重盲検 片頭痛 20mg:94例 40mg:48例c) 60mg:89例 80mg:55例c) スマトリプタン100mg: 139例 20mg,60mg(治験実施計画書を改訂後 40mg,80mg)及びスマトリプタン100mgを発作 発現時単回投与 英 国 , ド イ ツ,フランス など 61施設 1996年∼ 1月 1999年1月 ト−21 (160-316) a)実際に治験薬を服用した被験者数 b)初回服用量の例数 c)治験実施計画書改訂前に20mg又は60mgを服用した患者を含む
総括 1. 第Ⅰ相試験(国内試験) (1) 単回投与試験 健常成人男子を対象としてエレトリプタン20mg,40mg,80mg及び120mgの用量による単回経口投与 試験(治験No.160-701ト−1))を実施した結果,120mgまでの安全性に問題がないことが確認された。 また,反復投与における血漿中濃度の上昇を考慮し,160mgによる単回経口投与試験(治験No.160-701Aト−2))を実施した。その結果,160mgの安全性に問題がないことが確認された。経口投与後の 曝露量(Cmax及びAUC)は本薬の投与量の増加に応じてほぼ線形に増加したが,いずれも外国人にお ける成績より低かった。 (2) 食事による影響を検討した試験 健常成人男子を対象として,エレトリプタンの血漿中濃度に及ぼす食事の影響を検討する試験を本 薬80mgの用量にて実施した(治験No.160-702ト−3))。その結果,外国人における成績と同様に,食後 投与では空腹時投与に比べ曝露量(Cmax及びAUC)は約30%増加したが,空腹時及び食後投与ともに安 全性に問題はないことが確認された。 (3) 反復投与試験 健常成人男子を対象として,本薬40mgを1日3回及び80mgを1日2回7日間反復投与する試験を実 施した(治験No.160-703ト−4))。その結果,いずれの投与群においても,7日間反復投与することに より曝露量(Cmax及びAUC)は,単回投与時の結果から予測された値をやや上回ったが,安全性に問題 はないことが確認された。なお,いずれの投与群においても投与2日目には定常状態に達すると考え られた。 (4) 絶対生物学的利用率及び唾液中濃度と血漿中濃度の関係を検討する試験 国内における第I相単回経口投与試験及び食事の影響を検討した試験が終了した後,外国における 第I相単回経口投与試験の薬物動態と比較(メタ・アナリシス)した結果,日本人の曝露量(Cmax及 びAUC)は外国人と比較して約35%低いことが示された。この曝露量(Cmax及びAUC)の違いの要因を 検討するため,健常成人男子を対象として,80mg経口投与及び6mg静脈内投与を行い,本薬の絶対生 物学的利用率を求めた(治験No.A1601026ト−5))。その結果,本薬経口投与時における日本人の絶対 生物学的利用率は36%であり,外国人の第I相試験(治験No.160-227へ−29))でみられた47%に比べて 低く,また日本人における本薬経口投与時の曝露量(Cmax及びAUC)は外国人に比べて低いことが確認 された。しかし,日本人と外国人の静脈内投与時における薬物動態は類似していた。また,本薬経口 投与時の唾液中濃度と血漿中濃度の関係を検討したところ,血漿中濃度と唾液中濃度の推移は類似し ており,唾液中濃度を血漿中濃度の指標とすることが可能であると考えられた。 2. ブリッジングに用いた試験 国内における第Ⅱ相用量反応試験(治験№160-901ト-6))は,外国臨床試験成績の日本人への外挿可能 性を評価するためのブリッジング試験として,外国の第Ⅱ相用量反応試験(治験No.160-314ト−7))の治 験デザイン及び外国臨床試験成績(治験№160-314,102,305ト-7∼9))に基づいて計画・実施した。なお, 1997年10月の治験相談において,治験デザインがブリッジング試験として妥当であることを確認した。 外国臨床試験の選択にあたっては,国内の第Ⅱ相用量反応試験と同じ用量(20mg,40mg,80mg及びプラ セボ)を用いている第Ⅱ相用量反応試験(治験No.160-314ト−7))及び第Ⅲ相プラセボ対照試験(治験 No.160-102ト−8))をブリッジングの対象試験とした。
総括 (1) 第Ⅱ相用量反応試験(国内) 321例(服薬例)の片頭痛患者の1回の発作を対象として,本薬20mg,40mg,80mg及びプラセボの第 Ⅱ相用量反応試験を実施した(治験No.160-901ト−6))。また,本薬の唾液中濃度を測定し,片頭痛患 者における薬物動態を検討した。 その結果,主要評価項目である服用2時間後の頭痛の改善率は,本薬20mg,40mg,80mg及びプラセボ でそれぞれ,64%,67%,76%及び51%であり,統計的に有意な用量反応が認められた。また,頭痛 の改善率はいずれの用量もプラセボに比較して統計的に有意に高かった。副次的評価項目である初回 服用後24時間以内の頭痛の再発率は,本薬20mg,40mg,80mgでそれぞれ10%,17%,14%であり,い ずれもプラセボの24%に比較して低かった。 因果関係が否定されない有害事象の発現率は用量に依存して増加し,20mg,40mg,80mg及びプラセボ でそれぞれ,16.3%,32.5%,45.5%及び15.5%であった。主な有害事象は,無力症,倦怠感,嘔気, 嘔吐及び傾眠であった。有害事象のほとんどは軽度又は中等度で,処置を必要とすることなく消失し, 一過性のものであった。 また,本治験及び外国臨床試験(治験№160-318,103ト-10,13))で得られたエレトリプタンの唾液中 濃度を比較したところ,日本人は外国人に比べ約13%低かった。 以上の結果から,本薬20mg,40mg及び80mgは,片頭痛発作に対して有効かつ安全な薬剤であること が示された。 (2) ブリッジングの対象とした2つの外国臨床試験 1) 第Ⅱ相用量反応試験(欧州) 692例(服薬例)の片頭痛患者の1回の発作を対象として,本薬20mg,40mg,80mg,プラセボ及び スマトリプタン100mgの二重盲検比較試験を実施した(治験No.160-314ト−7))。 その結果,主要評価項目である初回服用2時間後の頭痛の改善率は,20mg,40mg,80mg及びプラセ ボでそれぞれ,54%,65%,77%及び24%であり,スマトリプタン100mgで55%であり,本薬におい て統計的に有意な用量反応が認められた。また,本薬のいずれの用量もプラセボに比較して統計的 に有意に高かった。さらに,80mgの頭痛の改善率は,スマトリプタン100mgに比較して統計的に有意 に高かった。 因果関係が否定されない有害事象の発現率注)は,本薬20mg,40mg,80mg及びプラセボでそれぞれ 26.4%,24.3%,37.6%及び7.7%で,スマトリプタン100mgでは28.7%であった。主な有害事象は, 本薬及びスマトリプタンともに無力症,嘔気,めまい,異常感覚及び傾眠であった。また,有害事 象のほとんどは軽度又は中等度で,処置を必要とすることなく消失し,一過性のものであった。 以上の結果から,本薬20mg,40mg及び80mgは,片頭痛発作に対して有効かつ安全な薬剤であるこ とが示された。 2) 第Ⅲ相プラセボ対照試験(米国) 米国において,1190例(服薬例)の片頭痛患者の3回の発作を対象として,本薬20mg,40mg,80mg 及びプラセボの二重盲検比較試験を実施した(治験No.160-102ト−8))。 その結果 ,主要 評価項目である1回目発作に対する初回服用2時間後の頭痛の改善率は, 20mg,40mg,80mg及びプラセボでそれぞれ,47%,62%,59%及び22%であり,統計的に有意な用量 注) 1回目発作における有害事象を服用回数に関わらず初回服用量別に集計した。
総括 反応が認められた。また,本薬のいずれの用量もプラセボに比較して統計的に有意に高かった。3 回発作に対して治験薬を服用した患者において,2回以上又は3回とも頭痛の改善を認めた患者の 割合から,複数回の発作に対する効果の再現性を検討したところ,本薬のいずれの用量もプラセボ より大きく,複数回発作に対して本薬の一貫した効果が認められた。副次的評価項目である初回服 用後24時間以内の頭痛の再発率は,本薬20mg,40mg,80mgでそれぞれ28%,32%,23%であり,い ずれもプラセボの44%に比較して統計的に有意に低かった。 1回目発作における因果関係が否定されない有害事象の発現率注)は,20mg,40mg,80mg及びプラセ ボでそれぞれ,21.4%,32.4%,41.0%及び27.1%であり,用量に依存して増加した。この傾向は 3回の発作を通して同様であった。服用回数や発作回数に関わらず認められた主な有害事象は,無 力症,嘔気,めまい及び傾眠であった。また,有害事象のほとんどは軽度又は中等度で,処置を必 要とすることなく消失し,一過性のものであった。 以上の結果から,本薬は,片頭痛発作に対して有効かつ安全な薬剤であることが示された。 3. 外国臨床試験成績の外挿可能性の評価 外国臨床試験成績の日本人への外挿可能性について,ICH E5ガイドライン「外国臨床データを受け 入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に基づき,国内用量反応試験及び外国臨床試験成績 を検討した。 国内用量反応試験の開鍵前の1999年12月に治験相談を行い,外国臨床試験成績の外挿可能性を評価す るための解析計画及びブリッジングの対象とする外国臨床試験の選択について確認した。 治験相談の結果を踏まえ,国内及び外国の内因性・外因性要因の比較,薬物動態,用量反応,有効性 及び安全性の面から類似性を評価した。 1) 片頭痛の診断基準,有病率,臨床症状及び治療法 国内及び外国臨床試験において,片頭痛の診断に用いた国際頭痛学会の診断基準は日本及び外国 で広く受け入れられている。その診断基準を用いた国内及び外国における片頭痛の有病率は同程度 であった。片頭痛の病態生理及び発現機序は明確に解明されていないが,前駆症状,前兆,頭痛, 病状の消失及び病後症状から成ることは,国内及び外国で共通の認識となっている。また,片頭痛 に随伴する症状,片頭痛の誘因及び片頭痛発作時に対する治療方法についても同様であった。以上 のことから,片頭痛の診断基準,有病率,臨床症状及び治療方法は,国内及び外国で同一であると 考えられた。 2) 薬物動態 日本人と外国人の健常成人における本薬の薬物動態プロファイル(線形性,食事の影響,分布容 積,血漿蛋白結合率,全身クリアランス,血漿中代謝物及び尿中排泄率)は類似していた。しかし, 経口投与時における曝露量(Cmax及びAUC)は,日本人の方が外国人に比べて,記述統計による比較 で約30∼40%,併合した解析(メタ・アナリシス)で約35%低いことが示された。そこで,日本人 の絶対生物学的利用率を求めたところ,外国人に比べて約22%低かったが,静脈内投与時における 薬物動態は日本人と外国人で類似していることから,経口投与による薬物動態の違いは,吸収又は 初回通過代謝によるものと考えられた。 日本人と外国人の片頭痛患者の発作時におけるエレトリプタンの薬物動態を国内用量反応試験 注) 1回目発作における有害事象を服用回数に関わらず初回服用量別に集計した。
総括 (治験No.160-901ト−6)),欧州及び米国の臨床試験(治験No.160-318,103ト−9,13))で得られた唾 液中濃度で比較したところ,健常成人と同様に,日本人の曝露量(Cmax及びAUC)は外国人に比べて 低く,その差は13%であった。 3) 用量反応,有効性及び安全性の類似性の評価 国内用量反応試験と,国内用量反応試験と同一の用量(20mg,40mg,80mg及びプラセボ)にて実 施した外国臨床試験(欧州:治験No.160-314ト−7),米国:治験No.160-102ト−8))を対象に用量反 応,有効性及び安全性の類似性を検討した。 ① 用量反応及び有効性の比較 用量反応及び有効性について,国内及びブリッジングの対象とした2つの臨床試験のいずれに おいても,主要評価項目である初回服用2時間後の頭痛の改善率は,統計的に有意な用量反応が 認められ,本薬のいずれの用量もプラセボに比較して統計的に有意に高かった。また,本薬の頭 痛の改善率は,3つの臨床試験の間で同程度であった(表ト−3,図ト−1)。 表ト−3 国内・欧州・米国の各臨床試験における初回服用2時間後の頭痛の改善率(ITT) エレトリプタン 治験№ 20mg 40mg 80mg プラセボ 用量反応 160-901 (国内) 64%* (51/80) 67%* (51/76) 76%* (56/74) 51% (40/79) p=0.0011 a) 160-314 (欧州) 54%* (70/129) 65%* (76/117) 77%* (91/118) 24% (30/126) p=0.0001 a) 160-102 (米国) 47%* (129/273) 62%* (174/281) 59%* (170/290) 22% (60/276) p<0.0001 b) * プラセボとの比較:p<0.05 a) ロジスティック回帰 b) Cochran-Mantel-Haenszelの傾向性検定 (A) (B) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 初回服用 2 時間後の頭痛の改善率 (% ) 国内(治験No.160-901) 欧州(治験No.160-314) プラセボ 20mg 40mg 80mg エレトリプタン 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 初回服用 2 時間後の頭痛の改善率 (% ) 国内(治験No.160-901) 米国(治験No.160-102) プラセボ 20mg 40mg 80mg エレトリプタン 図ト−1 国内・欧州・米国の各臨床試験における初回服用2時間後の頭痛の改善率及び95%信頼区間(ITT) ② 安全性の比較 国内用量反応試験における因果関係が否定されない有害事象の発現率は,本薬20mg,40mg,80mg 及びプラセボでそれぞれ16.3%,32.5%,45.5%及び15.5%であった。また,欧州及び米国の臨 国内(治験No.160-901) 欧州(治験No.160-314) 国内(治験No.160-901) 米国(治験No.160-102) プラセボ 20mg 40mg 80mg エレトリプタン プラセボ 20mg 40mg 80mg エレトリプタン
総括 床試験における因果関係が否定されない有害事象の発現率注)は,本薬20mgで26.4%及び21.4%, 40mgで24.3%及び32.4%,80mgで37.6%及び41.0%,プラセボで7.7%及び27.1%であり,国内, 欧州及び米国の各臨床試験における有害事象の発現率は同程度であった。いずれの臨床試験にお いても発現した有害事象の程度は,ほとんどが軽度又は中等度であった。 国内用量反応試験における因果関係が否定されない主な有害事象は,傾眠,無力症,嘔気,嘔 吐及び倦怠感であった。また,トリプタン系薬剤に特有な有害事象は傾眠,嘔気,無力症,背(部) 痛,血管拡張,異常感覚,めまい及び胸痛であり,いずれの発現率についても欧州及び米国の臨 床試験と類似していた。 安全性について,国内用量反応試験の有害事象の発現頻度,程度及び種類は,欧州及び米国の 臨床試験と類似していた。同様に,国内用量反応試験のトリプタン系薬剤に特有な有害事象の発 現頻度は欧州及び米国の臨床試験の結果と類似していた。また,臨床検査値,血圧,脈拍数及び 心電図について,国内,欧州及び米国の臨床試験のいずれにおいても,臨床的に問題となる変化 は認められなかった。 以上の片頭痛の診断基準,疾病の定義及び治療法,薬物動態,用量反応,有効性及び安全性の 類似性に関する検討結果から,外国臨床試験成績の日本人への外挿が可能であると考えられ,外 国臨床試験の成績を国内承認申請に使用することとした。 4. 外国臨床試験(第Ⅲ相試験及び長期投与試験) (1) プラセボを対照とした二重盲検比較試験(欧州) 欧州において,1153例(服薬例)の片頭痛患者の3回の発作を対象として,本薬40mg,80mg及びプ ラセボの二重盲検比較試験を実施した(治験No.160-305ト−9))。 その結果,主要評価項目である1回目発作に対する初回服用2時間後の頭痛の改善率は,40mg,80mg 及びプラセボでそれぞれ,62%,65%及び19%であり,本薬のいずれの用量もプラセボに比較して統 計的に有意に高かった。3回の発作に対して治験薬を服用した患者において,2回以上又は3回とも 頭痛の改善を認めた患者の割合から,複数回の発作に対する効果の再現性を検討したところ,本薬の いずれの用量もその割合は大きく,複数回発作に対して本薬の一貫した効果が認められた。副次的評 価項目である初回服用後24時間以内の頭痛の再発率は,本薬40mg,80mgでそれぞれ30%,21%であり, いずれもプラセボの40%に比較して低く,80mgとプラセボの間で統計的に有意な差が認められた。 1回目発作における因果関係が否定されない有害事象の発現率注)は,40mg,80mg及びプラセボでそ れぞれ33.1%,45.3%及び21.0%であり,用量に依存して増加した。この傾向は3回の発作を通して 同様であった。服用回数や発作回数に関わらず認められた主な有害事象は,無力症,嘔気,めまい及 び傾眠であった。また,有害事象のほとんどは軽度又は中等度で,処置を必要とすることなく消失し, 一過性のものであった。 以上の結果から,本薬は,片頭痛発作に対して有効かつ安全な薬剤であることが示された。 注) 1回目発作における有害事象を服用回数に関わらず初回服用量別に集計した。
総括 (2) スマトリプタンを対照とした二重盲検比較試験(欧州及び米国の各1試験) 本薬と同じ5-HT1受容体作動薬であり,欧州及び米国で既に承認されていたスマトリプタンを対照と した臨床試験を実施した。 欧州及び米国において,それぞれ774例, 818例(服薬例)の片頭痛患者の3回の発作を対象として, 本薬40mg,80mg,スマトリプタン2用量(50mg及び100mg又は25mg及び50mg注))及びプラセボの二重盲 検比較試験を実施した(欧州:治験No.160-318ト−10),米国:治験No.160-104ト−11))。 その結果,欧州で実施した治験では,主要評価項目である1回目発作に対する初回服用1時間後の 頭痛の改善率は,40mg,80mg及びプラセボにおいて,30%,37%及び12%であり,スマトリプタン50mg 及び100mgではそれぞれ24%,27%であった。本薬40mg及び80mgはプラセボに比較して,80mgはスマト リプタン50mgに比較して統計的に有意に高く,服用早期から頭痛の改善が認められた。服用2時間後 の頭痛の改善率では,本薬40mg及び80mgにおいて,プラセボ及びスマトリプタンの2用量に比較して 統計的に有意に高かった。 また,米国で実施した治験では,主要評価項目である1回目発作に対する初回服用1時間後の頭痛 の改善率は,40mg,80mg及びプラセボにおいて,22%,35%及び22%であり,スマトリプタン25mg及 び50mgではそれぞれ24%,27%であった。本薬80mgはスマトリプタン25mg及びプラセボに比較して統 計的に有意に高く,服用早期から頭痛の改善が認められた。服用2時間後の頭痛の改善率では,本薬 40mg及び80mgはプラセボに比較して,80mgはスマトリプタンの2用量に比較して統計的に有意に高か った。両治験において,3回の発作に対して治験薬を服用した患者において,2回以上又は3回とも 頭痛の改善を認めた患者の割合から,複数回の発作に対する効果の再現性を検討したところ,本薬の いずれの用量ともその割合は,プラセボ及びスマトリプタンより大きかった。複数回発作に対する本 薬の一貫した効果はスマトリプタンより優れることが認められた。 1回目発作における因果関係が否定されない有害事象の発現率は,いずれの治験においても他の投 与群に比較して,本薬80mgで高く,本薬の用量に依存して増加した。この傾向は,3回の発作を通し て同様であった。服用回数や発作回数に関わらず認められた主な有害事象は,本薬及びスマトリプタ ンともに無力症,嘔気,めまい及び傾眠であった。また,有害事象のほとんどは軽度又は中等度であ り,処置を必要とすることなく消失し,一過性のものであった。なお,有害事象の発現率は本薬80mg で高かったが,患者の満足度において本薬40mg及び80mgはスマトリプタン2用量及びプラセボに比較 して高かった。 以上の結果より,本薬40mg及び80mgはスマトリプタンと比較し優れた効果を有することが示された。 (3) カフェルゴット®を対照とした二重盲検比較試験(欧州) 733例(服薬例)の片頭痛患者の1回の発作を対象として,本薬40mg,80mg,カフェルゴット®及び プラセボの二重盲検比較試験を実施した(治験No.160-307ト−12))。 その結果,主要評価項目である服用2時間後の頭痛の改善率は,40mg,80mg及びプラセボでそれぞ れ54%,68%及び21%,カフェルゴット®で33%であり,40mg,80mgはともにカフェルゴット®及びプ ラセボに比較して統計的に有意に高かった。服用1時間後における頭痛の改善率についても同様に, 本薬40mg及び80mgは,カフェルゴット®及びプラセボに比較して高く,服用早期から頭痛の改善が認め 注) スマトリプタンの承認推奨用量は,英国で50mg及び100mg,米国で25mg,50mg及び100mg(ただし,初期用量として の100mgは50mgより十分に有効であるという証拠はない)である。そのため,欧州の試験ではスマトリプタン50mg 及び100mg,米国の試験ではスマトリプタン25mg及び50mgを使用した。
総括 られた。 因果関係が否定されない有害事象の発現率注1)は,40mg及び80mgでそれぞれ31.9%,43.5%であり, カフェルゴット®及びプラセボでは34.5%,34.0%であった。主な有害事象は,無力症,嘔気及びめま いであり,カフェルゴット®においても共通していた。また,有害事象のほとんどは軽度又は中等度で あり,処置を必要とすることなく消失し,一過性のものであった。 以上の結果より,片頭痛発作に対し本薬40mg及び80mgはカフェルゴット®より優れた効果を有するこ とが示された。 (4) 漸増投与による二重盲検比較試験(米国) 1回目の片頭痛発作に対して40mgを服用し,その後2時間以内に頭痛の消失が認められなかった304 例(服薬例)の患者を対象として,2回目発作に対する本薬40mg及び80mgの二重盲検比較試験を実施 した(治験No.160-103ト−13))。 その結果,主要評価項目である2回目発作における初回服用2時間後の頭痛の消失率は,80mgに増 量した群で26%であり,40mgを継続した群の20%に比較して高かった。 2回目発作に対して初回服用のみ行った患者での因果関係が否定されない有害事象の発現率は, 40mgで31.4%,80mgで30.4%と同程度であった。 本治験で認められた主な有害事象は口内乾燥,嘔気,めまい及び傾眠であった。また,有害事象の ほとんどは軽度又は中等度で,処置を必要とすることなく消失し,一過性のものであった。 以上の結果から,本薬40mgを服用後2時間以内に頭痛の消失が認められなかった患者において,2 回目発作に対して80mgに増量することより,有害事象の発現率を増加させることなく,片頭痛の改善 効果が認められた。 (5) 長期投与試験(欧州及び米国の各1試験) 欧州及び米国において,片頭痛患者を対象とした長期投与試験をそれぞれ実施した(欧州:治験 No.160-317ト−14),米国:治験No.160-108ト−15))。治験デザインは,いずれも同様であり,用量設定 期間(最初の3回の発作に対して本薬40mgを服用し,続く3回の発作に対しては患者毎に40mg又は80mg を服用して用量を設定)及び用量固定期間(用量設定期間で至適と判断された用量を固定して投与) において,POT(医師の判断と選択に基づく片頭痛に対する一般的な治療注2))と比較する非盲検試験 とした。なお,投与期間は用量固定期間として最長12ヵ月間とした。 欧州で実施した治験では792例(本薬40mg又は80mgが638例,POTが154例),米国で実施した治験で は1,123例(本薬40mg又は80mgが906例,POTが217例)の片頭痛患者が治験薬を服用し,それぞれ623 例,553例が治験を完了した。 いずれの治験においても,用量設定期間中に40mgから80mgへ増量した患者では,40mg服用時に比較 して80mg服用時での頭痛の改善率は高く,増量による効果が認められた。また,最長12ヵ月の長期投 与においても一貫した頭痛の改善が認められた。 因果関係が否定されない有害事象の発現率は,本薬40mgを継続した患者に比べ40mgから80mgに増量 した患者ではわずかに増加したが,本薬40mg,80mgのいずれにおいても,長期投与による有害事象の 増加は認められず,各発作毎における有害事象の発現率は,治験期間を通して一定していた。また, 注1)1回目発作における有害事象を服用回数に関わらず初回服用量別に集計した。
注2)POT(Physician Optimized Treatment):POTとして選択された薬剤は,ほとんどがスマトリプタンであり,その他 に非ステロイド抗炎症薬などがあった。
総括 主な有害事象はいずれもトリプタン系薬剤服用後に一般的に認められるもの,あるいは片頭痛に随伴 して認められる症状であり,長期投与による新たな有害事象の発現傾向はなかった。なお,有害事象 のほとんどは軽度又は中等度であり,処置を必要とすることなく消失し,一過性のものであった。 以上の結果から,40mgで十分な効果が得られなかった場合でも80mgに増量することによって,片頭 痛発作に対する増量効果が認められた。また,40mg及び80mgの長期投与において,各回の片頭痛発作 に対し一貫した有効性が認められ,有害事象の増加もないことから安全性に問題はないことが示され た。 (6) 20mgから40mgへの増量による有効性及び安全性の検討 本薬を20mgから40mgへ増量した場合の有効性及び安全性を,第Ⅲ相試験(治験№160-102ト−8))で 20mgを服用し,引き続いて行われた長期投与試験(治験№160-108ト−15))で40mgを服用した147例にお いて検討した。 その結果,20mgから40mgに増量した患者における頭痛の改善率は,20mg服用時で39%∼46%であっ たが,40mgに増量することによって49%∼59%と高くなった。因果関係が否定されない有害事象の発 現率は,20mg服用時で9.5%∼22.4%,40mg服用時で12.4%∼21.2%であり,増量による有害事象の発 現率の上昇は認められなかった。主な有害事象は,無力症,嘔気,めまい,筋緊張亢進,異常感覚及 び傾眠であり,いずれの用量においても同様であった。147例のうち,第Ⅲ相試験及び長期投与試験の それぞれ3回の発作で治験薬を服用し,20mg服用時に頭痛の改善を全く認めなかった,又は1回だけ 認めた患者66例における,20mg服用時及び40mg服用時のそれぞれ3回の発作における服用2時間後の 頭痛の改善率は,20mg服用時で12%∼24%であったが,40mgに増量することによって35%∼56%と高 くなった。一方,因果関係が否定されない有害事象の発現率は,40mg服用時で15.2%∼21.2%であり, 20mg服用時の10.6%∼22.7%と同程度であった。また,20mg服用時に頭痛の改善を全く認めなかった 患者のうち,40mgに増量することにより頭痛の改善を1回以上認めた患者は29例中17例(59%)であ った。 以上の結果から,本薬20mgで効果が得られない場合,次の片頭痛発作時に40mgに増量することによ って,有害事象の発現頻度の上昇及び程度を悪化させることなく,効果が得られることが示された。 (7) 追加服用の有効性及び安全性 第Ⅲ相試験のうち,プラセボ対照試験(2試験:治験No.160-102,305ト-8,9)),スマトリプタン 対照試験(2試験:治験No.160-318,104ト−10,11))及びカフェルゴット®対照試験(治験No.160-307ト −12))の5つの試験注)において,本薬(20mg,40mg又は80mg)において頭痛の改善が認められ,24時 間以内に頭痛が再発した患者(再発例),及び初回服用後2時間以内に頭痛の改善が認められなかっ た患者(無効例)における本薬の追加服用による有効性を検討した。また,無効例及び再発例におけ る本薬の追加服用の安全性について,プラセボを対照とした9つの外国第Ⅱ/Ⅲ相試験(治験No.160-314,102,305,318,104,307,103,302,105ト-7∼13,16,20))を用いて検討した。 再発例における追加服用の有効性 再発例における追加服用の有効性 再発例における追加服用の有効性 再発例における追加服用の有効性:::: 370例の再発例における追加服用2時間後の頭痛の改善率は,本薬20mg,40mg又は80mgを追加服用し た群でそれぞれ90%,74%,82%であり,プラセボを追加服用した群ではそれぞれ42%,33%,28% であった。本薬を追加服用した群における頭痛の改善率は,プラセボを追加服用した群と比較してそ 注)試験の選択基準については,「追加服用の検討」の項(概要615頁)を参照。
総括 れぞれの用量において統計的に有意に高かった。 無効例における追加服用の有効性 無効例における追加服用の有効性 無効例における追加服用の有効性 無効例における追加服用の有効性:::: 832例の無効例において,本薬を追加服用した群における頭痛の改善率は,プラセボを追加服用した 群と比較して,いずれの用量においても統計的に有意な差は認められなかった。 再発例及び無効例における追加服用の安全性 再発例及び無効例における追加服用の安全性 再発例及び無効例における追加服用の安全性 再発例及び無効例における追加服用の安全性:::: 本薬20mg,40mg又は80mgを追加服用した患者における有害事象の発現率はそれぞれ27.0%,27.6% 及び35.8%であり,本薬を初回のみ服用した患者のそれぞれ20.4%,32.7%及び47.3%と比較して同 程度であった。また追加服用した後に発現した有害事象に新たな発現傾向は認められなかった。主な 有害事象は,無力症,嘔気,めまい及び傾眠であった。有害事象のほとんどは軽度又は中等度であり, 処置を必要とすることなく消失し,一過性のものであった。 以上の結果から,無効例においては,その頭痛発作に対する追加服用の効果はプラセボとほぼ同程 度であったが,再発例においては,本薬を追加服用することにより,効果が得られることが示された。 また,本薬を追加服用しても,安全性に問題はないことが確認された。 (8) 臨床薬理試験 1) 特別な集団における検討 特別な集団における検討として,「高齢者(治験No.160-215ヘ−35))」,「腎機能障害者(治験 No.160-229ヘ−33))」及び「肝機能障害者(治験No.160-220へ−32))」を対象に,本薬80mg単回投 与時の安全性及び薬物動態を検討した。また,片頭痛患者は思春期から閉経前までの女性に多い とされていることから,健常成人女子を対象として,「月経周期の薬物動態に及ぼす影響(治験 No.160-004ヘ−37))」及び「授乳中の女性における本薬の母乳中排泄(治験No.160-003ヘ−34))」 を検討した。 高齢者 高齢者 高齢者 高齢者:::: 高齢者(65歳以上)における消失速度定数は若年者(18歳∼36歳)と比較して統計的に有意に小 さかった。高齢者でのエレトリプタンのt1/2(5.72時間)は若年者(4.35時間)よりも長かったが, 他の薬物動態パラメータについては,高齢者と若年者の間で統計的な有意差はみられなかった。一 方,薬力学的検討として血圧の変化を比較したところ,高齢者では若年者に比べ統計的に有意に血 圧が上昇したが,本薬の安全性に問題がないことが確認された。 腎機能障害者 腎機能障害者 腎機能障害者 腎機能障害者:::: 腎機能障害者(軽度,中等度及び重度)における薬物動態では重度の腎機能障害者において,Tmax が健常者の約2倍になったが,他の薬物動態パラメ−タについては,健常者との間に統計的な有意 差はみられなかった。 肝機能障害者 肝機能障害者 肝機能障害者 肝機能障害者:::: 肝機能障害者(軽度及び中等度)においては,健常者と比較して曝露量(AUC)が統計的に有意に 増加したが,血圧に対する影響は臨床的に問題となるものではなかった。 月経周期 月経周期 月経周期 月経周期:::: 月経周期が本薬の薬物動態に及ぼす影響については,周期の4相(月経期,卵胞期,排卵期及び黄 体期)のいずれにおいても影響がないことが確認された。また,安全性に問題は認められなかった。 授乳中の女性 授乳中の女性 授乳中の女性 授乳中の女性:::: 投与後24時間までに母乳中に排泄されたエレトリプタンは投与量の0.02%であり,エレトリプタ
総括 ンの母乳中への排泄量は極めて少ないことが確認された。また,安全性に問題は認められなかった。 2) 薬物相互作用の検討 本薬の主要な薬物代謝酵素CYP3A4の強力な阻害薬であるエリスロマイシン(治験No.160-226へ−47)) 及びケトコナゾール経口剤(治験No.A1601045へ−48))との併用投与時の薬物動態を検討した。その結 果,これらの薬物との併用により,エレトリプタンのAUCはそれぞれ約4倍及び約5.9倍,Cmaxは約2 倍及び約2.7倍に増加することが認められ,同時に軽度の血圧上昇が認められた。また,CYP3A4の中程 度の阻害薬であるベラパミル(治験No.A1601058へ−55))及びフルコナゾール(治験No.A1601059へ−56)) との併用投与時の薬物動態を検討した。その結果,これらの薬物との併用により,エレトリプタンの AUCはそれぞれ2.7倍及び2.0倍,Cmaxは2.2倍及び1.36倍に増加したが,臨床的に問題となる血圧への 影響は認められず,安全性に問題はなかった。なお,ベラパミル併用によるエレトリプタンの曝露量 増加の程度はフルコナゾール併用時に比べ大きかったが,これはベラパミルの代謝物によるCYP3A4活 性の低下,及びベラパミルによる肝血流量増加作用によるものと考えられた。 片頭痛の治療薬として用いられているβ遮断薬のプロプラノロール(治験No.160-222ヘ−49))又はエ ルゴタミン製剤のカフェルゴット®(治験No.160-216ヘ−50))との併用投与時の薬物動態又は薬力学及 び安全性を健常成人において検討した。その結果,プロプラノロールと併用投与した場合,エレトリ プタンのAUCは,エレトリプタン単独投与時に比較して33%増加したが,臨床的に問題は認められなか った。また,カフェルゴット®と併用した場合は,エレトリプタン単独投与時に比較し,血圧のわずか な相加的上昇が認められたが,臨床的に問題は認められなかった。 5. 臨床試験の説明及び成績に用いた用語の定義 臨床試験の説明及び成績に用いた用語一覧は表ト−9(概要380頁)にまとめた。さらに臨床試験成績 で用いる特徴的な用語については以下にまとめた。 (1) 発作回数 片頭痛発作の発現は突発性であり,一定の期間にどれだけの回数の発作が発現するか特定はできない。 そこで,第Ⅱ/Ⅲ相試験では,治験薬服用の対象となる発作の回数及び期間を各治験毎の目的に応じ て規定し,規定した発作回数に対する治験薬の服用が終了するか,又は規定した期間が終了するまで のいずれか早い時点までを服用期間とした。対象とした発作回数及び期間を治験毎に表ト−4に示す。 本資料概要中では,治験薬服用の対象となる初めての発作を「1回目発作」,2度目,3度目の治 験薬服用の対象となる発作をそれぞれ「2回目発作」,「3回目発作」と記載した。 表ト−4 対象とした発作回数と期間 試験の種類 治験No. 資料番号 発作回数 期間 国内 用量反応 160-901 ト−6 1 12週間 第Ⅱ相試験 外国 用量反応 160-314 ト−7 1 24週間 160-102 ト−8 3 3ヵ月間 プラセボ対照 160-305 ト−9 3 16週間 160-318 ト−10 3 12週間 スマトリプタン対照 160-104 ト−11 3 3ヵ月間 カフェルゴット®対照 160-307 ト−12 1 12週間 第Ⅲ相試験 外国 漸増投与 160-103 ト−13 2 3ヵ月間
総括 (2) 初回服用,追加服用及び他の治療薬の使用 片頭痛では,1回の薬剤の服用によって効果が認められない場合や,一旦効果が認められても頭痛 が再度発現した場合には,追加の薬剤の服用が必要となるので,治験においては服用方法が複雑とな っている。服用方法の例を図ト−2に示した。 本資料概要中では,発作に対して初めての治験薬の服用を「初回服用」と記載し,初回服用後に各 治験で規定した一定の時間内に頭痛の改善が認められなかった患者(無効例)及び初回服用後に一旦 頭痛の改善が認められたが初回服用後24時間以内に頭痛が再発した患者(再発例)において,同一発 作内で2度目の治験薬の服用を「追加服用」と記載した。また,追加服用後2時間以内に症状の改善 がみられない場合の他の頭痛治療薬の使用を「他の治療薬の使用」と記載した。 初回服用 初回服用 初回服用 初回服用 頭痛の改善 あり 追加服用 追加服用追加服用 追加服用 他の治療薬 他の治療薬 他の治療薬 他の治療薬 の使用 の使用 の使用 の使用 頭痛の改善 なし (無効例) 頭痛の再発 なし 頭痛の再発 あり (再発例) 頭痛の改善 あり 頭痛の改善 なし 中等度又は重度の 片頭痛発作発現から 6時間以内 初回服用後 2時間以内 初回服用後 24 時間以内 追加服用後 2時間以内 1回目発作 1回目発作 1回目発作 1回目発作 1 回 目 発 作 と 同 一 の 服 用 方 法 2回目発作 2回目発作 2回目発作 2回目発作 1 回 目 発 作 と 同 一 の 服 用 方 法 3回目発作 3回目発作 3回目発作 3回目発作 3回の発作に対する治験薬の服用が終了するか,又は1回目発作に対する治験薬の処方が行われた後3ヵ月が経過するかのいずれか早い時点までを服用期間とした。 図ト−2 服用方法の例 (3) 投与群 複数の用量を用いた治験において,初回服用や無効例,再発例への追加服用を行う場合では,初回服 用と追加服用それぞれについて,表ト−5の例に示したように治験薬を無作為に割付けた。 20mg,40mg,80mg及びプラセボを用いた治験の場合には,初回服用として,本薬20mg,40mg,80mg及 びプラセボを均等に割付けた。また,追加服用としては,初回服用と同一用量の本薬又はプラセボを割 付けた。ただし,初回服用がプラセボであった場合には,本薬80mg又はプラセボを均等に割付けた。 本資料概要中の投与群の記載においては,例えば初回服用として本薬20mg,追加服用として本薬20mg を割付けた群を「E20/E20」と記載した。また,初回服用量別に成績をまとめている場合には,E20/E20 及びE20/Pの両投与群を合わせて「エレトリプタン20mg」と記載した。 表ト−5 投与群の例 資料概要中の記載 初回服用 追加服用 初回服用,追加服用の投 与群を記載する場合 初回服用量別に 記載する場合 エレトリプタン20mg エレトリプタン20mg E20/E20 エレトリプタン20mg プラセボ E20/P エレトリプタン20mg エレトリプタン40mg エレトリプタン40mg E40/E40 エレトリプタン40mg プラセボ E40/P エレトリプタン40mg エレトリプタン80mg エレトリプタン80mg E80/E80 エレトリプタン80mg プラセボ E80/P エレトリプタン80mg プラセボ エレトリプタン80mg P/E80 プラセボ プラセボ P/P プラセボ
総括 (4) 有効性及び安全性評価における主な用語の定義 有効性及び安全性評価において,本資料概要中に用いられている主な用語を表ト−6に,用語一覧を 表ト−9に示した。また,臨床検査値異常の基準を表ト−7に,血圧及び脈拍数異常の基準を表ト−8 に示した。 表ト−6 有効性及び安全性評価における主な用語 用 語 定 義 頭痛の程度 頭痛の程度を以下の4段階で評価した。 ・重度の痛み :通常の活動が全くできないほどの強い痛み ・中等度の痛み :通常の活動が制限される痛み ・軽度の痛み :通常の活動が制限されない痛み ・痛みなし :痛みがない 頭痛の改善 治験薬服用直前の程度が「重度の痛み」又は「中等度の痛み」であったものが,治験薬 服用後に「軽度の痛み」又は「痛みなし」になった場合を「頭痛の改善」と定義した。 頭痛の消失 頭痛の程度を4段階(「重度の痛み」,「中等度の痛み」,「軽度の痛み」,「痛みな し」)で評価し,治験薬服用直前の程度が「重度の痛み」又は「中等度の痛み」であっ たものが,治験薬服用後に「痛みなし」になった場合を「頭痛の消失」と定義した。 日常生活への影響 日常生活への影響の程度を以下の4段階で評価した。 ・大いにあり :横にならずにいられない ・あり :仕事や勉強,家事にかなり支障はあるが横になるほどではない。 ・少しあり :仕事や勉強,家事にやや支障がある。 ・なし :仕事など通常の生活には支障がない (頭痛や他の症状が残っていたとしても) 日常生活への影響の 改善 治験薬服用直前の程度が「大いにあり」又は「あり」であったものが,「少しあり」又 は「なし」になった場合を「日常生活への影響の改善あり」と定義した。 患者の印象 治験薬服用直前と比較して,それまでの患者の印象を5段階(「良くなった」,「やや良 くなった」,「変わらなかった」,「やや悪くなった」,「悪くなった」で評価した。 患者の満足度 治験薬服用後に他の治療薬と比較して,患者の満足度を,「次回片頭痛の治療を受ける とき,あなたは今回飲んだこの薬(治験薬)と他の頭痛治療薬と比べると,この薬(治験 薬)を選択しますか?」の質問に対し,患者が「はい・いいえ」で回答した。 効果の一貫性 頭痛の改善を指標として,複数回の発作に対する効果の再現性を検討した。3回の発作 に対して治験薬を服用した患者において,2回以上又は3回とも頭痛の改善を認めた患 者の割合が大きかった場合,一貫した効果があると記載した。 因果関係を問わない 有害事象 有害事象とは: • 治験薬の種類または治験薬との因果関係にかかわらず,治験責任 / 分担医師が治 験中に観察した,または被験者が訴えた全ての事象(副作用,治験中に発症した疾 患,及び治験の開始以前から認められていた疾患の悪化も含む)。 • 治験薬の種類または治験薬との因果関係にかかわらず,臨床的に問題となる客観的 な検査所見(たとえば心電図変化,臨床検査値の異常変動)。 なお,本薬の終末相における半減期が3.2∼5.5時間であることから,治験薬服用から治 験薬服用7日後までに発現した有害事象を安全性の指標とすることが妥当と考えた。本 資料概要及び添付資料(治験総括報告書)中においては,因果関係を問わない有害事象 は有害事象のうち治験薬服用から治験薬服用7日後までに新たに発現した事象,又は治 験薬服用前の状態に比べて悪化した全ての事象とした。 因果関係が否定され ない有害事象 因果関係を問わない有害事象のうち,治験責任 / 分担医師が以下に該当すると判定し た事象。 • 治験薬が有害事象を惹起させたという論理的可能性が存在する場合 • 薬物相互作用が疑われる場合 • 有害事象の原因が不明の場合 重篤な有害事象 投与量に関わらず,発現するなんらかの有害事象のうち,以下のものを指す。 (1)死亡に至ったもの (2)生命を脅かすもの (3)入院または入院期間の延長が必要となったもの (4)永続的または重大な機能不全に陥ったもの (5)先天異常を来したもの (6)その他の医学的に重要な事象
総括 用 語 定 義 血圧及び脈拍数の異 常 治験依頼者が規定した異常値の基準(表ト−8)に該当した場合を「血圧及び脈拍数の 異常」と記載した。 AUEC 測定時間内における全体的な血圧又は脈拍の変動の算出に使用する。縦軸を血圧(mmHg) 又は脈拍(bpm),横軸を測定時間(h)として成績をプロットし,線を引く。その線又 は曲線下の面積を,血圧−時間曲線下面積(AUEC:The area under the effect curve) と定義する。面積は線形台形法により算出し,単位は血圧(mmHg・h)又は脈拍(bpm・h) とする。 臨床検査値異常 スクリーニング時の異常値の有無に関わらず,治験依頼者が規定した異常値の基準(表 ト−7)に該当した場合を「臨床検査値異常」と記載した。また,これらの異常値につ いては,スクリーニング時の値,併用薬,基礎疾患及び合併症を考慮して治験依頼者が 因果関係を判定した。 心電図所見の異常 心電図所見の異常の有無は,心臓専門医が盲検下で判定を行った。 QTc間隔 治験依頼者が規定した基準「QTc間隔が500msec以上,もしくはスクリーニング時の値と 比較してQTc間隔が60msec以上延長」に該当した場合に記載した。