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要旨 日本では病院や薬局で患者が錠剤を受け取る場合 PTP 包装されているもの 或は一包化されているものが殆どである 一方 海外では錠剤の入ったボトル包装で提供する場合が多い PTP 包装の欠点として 製造過程で規定の大きさ以外は除くためコストがかかること 一包化調剤時の労力や衛生面で問題があること

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Academic year: 2021

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平成

27 年度新潟薬科大学薬学部卒業研究Ⅱ

市販小型食品・医薬品の形状調査研究

~形態の変動について~

Investigation of form of small size foods and medicines on the market

薬物動態学研究室 6 年

10P077 松本 万里奈

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要 旨

日本では病院や薬局で患者が錠剤を受け取る場合、PTP 包装されているもの、或は一 包化されているものが殆どである。一方、海外では錠剤の入ったボトル包装で提供する場合 が多い。PTP 包装の欠点として、製造過程で規定の大きさ以外は除くためコストがかかるこ と、一包化調剤時の労力や衛生面で問題があること、手指や目の不自由な患者において錠 剤が取り出し難いこと、服用時に包装の誤飲事故が発生する恐れがあること等を考えると、 錠剤の形状や包装様式について検討する必要がある。そこで本研究では、一般の人々に 馴染みのある市販小型食品に着目した。小型食品は咀嚼するのに対し、錠剤の医薬品は 飲み込むことで体内に取り込むという違いがあるものの、小型食品の形状や包装は多種多 様であることから、直径や厚さ等の形状を評価することで、医薬品との相違点を調査した。 その結果、変動係数(CV)について、医薬品と同程度の直径・厚さをもつ円形小型食品 では、医薬品と大差がなかったが、小型食品全体で比較すると、直径と厚さのCV は医薬品 の方が小さい傾向にあった。そもそも医薬品は成分含量に規制があるが、直径や厚さには 規制がない。しかし、一錠ずつに仕切るPTP 包装で市販されているものが殆どであるため、 PTP 包装に入るように直径や厚さについても厳密にそろえ、ばらつきを小さくしていると考え られた。

キーワード

1.市販小型食品 2.直径 3.厚さ 4.平均値 5.変動係数(CV) 6.円形小型食品 7. 包装様式 8.一包化 9.PTP 包装 10.ボトル包装

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目 次

1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3.結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3.1 対象医薬品の品目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3.2 対象の直径・厚さ平均値 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 3.3 直径・厚さ平均値と変動係数(CV)の関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3.4 直径・厚さにおける変動係数(CV)の頻度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 3.5 変動係数(CV)の平均値 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 4.考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 謝 辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 引用文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

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論 文

1. はじめに 日本では病院や薬局で患者が錠剤を受け取る場合、PTP 包装されているもの、或は 一包化されているものが殆どである。一方、海外では錠剤の入ったボトル包装で提供す る場合が多い。PTP 包装の利点としては、気密性があり錠剤の安定性を保つこと、少な い日数の処方に適していること等が挙げられる。しかし、錠剤一粒ずつを包装するには製 造過程で規格外のものを除かなければならないため、コストがかかるという欠点がある。さ らに、ボトル等のバラ包装が市販されていない場合は、PTP 包装してあるものを一包化 するために一錠ずつ取り出さなければならない。このような調剤時の労力や衛生面での 問題、手指や目が不自由な患者における錠剤の取り出し難さ、包装の誤飲事故の発生 等を踏まえ、錠剤の形状や包装様式について検討する必要がある。 そこで本研究では、一般の人々に馴染みのある市販小型食品に着目した。小型食品 は咀嚼するのに対し、錠剤の医薬品は飲み込むことで体内に取り込むという違いがある ものの、小型食品の形状や包装は多種多様であることから、直径や厚さ等の形状を評価 することで、医薬品との相違点を調査した。 2.方法 調査対象として、一般的に使用頻度が高いと考えられる医療用医薬品10 品目(アバ プロ錠50mg のみ楕円形、他全て円形)を選択した。さらに、多種多様な形状または包装 様式をもつ市販小型食品55 品目(清涼菓子、タブレット菓子、ラムネ菓子、砂糖菓子、チ ョコレート、キャンディー、グミ等の種類を含む)を選択した。 調査項目は各品目の直径と厚さであり、デジタルノギス(測定範囲0~100mm)を用い て平均値、最大値、最小値を測定した。医薬品は品目ごとに無作為に抽出した20 錠ず つを、小型食品は容器に入っていた全ての粒を測定した。さらに、実測値から標準偏差、 変動係数(CV)を算出し、数値は有効数字 3 桁で処理した。

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2 3.結果 3.1 対象医薬品の品目 対象医薬品の品目について、直径の平均値と変動係数(CV)とともに表 1 に示した。ま た、厚さの平均値と変動係数(CV)とともに表 2 に示した。楕円形のアバプロ錠 50mg に 関しては、厚さのみに含めた。 表1 対象医薬品の品目(直径順) N=9 表2 対象医薬品の品目(厚さ順) N=10 商品名 直径平均値 (mm) 変動係数 (%) リポバス錠 5 mg 6.36 0.0865 フェキソフェナジン塩酸塩錠 30 mg「テバ」 6.41 0.0816 アレグラ錠 30 mg 6.47 0.466 シンバスタチン錠 5 mg「OHARA」 6.53 0.103 アムロジピン錠 5 mg「日医工」 8.15 0.210 25 mg アリナミン F 糖衣錠 8.49 0.340 ロキソプロフェン Na 錠 60 mg「テバ」 9.04 0.0742 ロキソニン錠 60 mg 9.06 0.0555 ストロカイン錠 5 mg 10.5 0.117 商品名 厚さ平均値 (mm) 変動係数 (%) シンバスタチン錠 5 mg「OHARA」 2.30 0.356 リポバス錠 5 mg 2.38 2.03 ロキソニン錠 60 mg 3.11 0.446 アバプロ錠 50 mg 3.16 0.371 ロキソプロフェン Na 錠 60 mg「テバ」 3.23 0.738 フェキソフェナジン塩酸塩錠 30 mg「テバ」 3.42 0.412 アレグラ錠 30 mg 3.49 1.50 アムロジピン錠 5 mg「日医工」 3.50 0.365 ストロカイン錠 5 mg 4.03 0.306 25 mg アリナミン F 糖衣錠 4.60 1.28

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3 3.2 直径・厚さ平均値 本調査で対象とした市販小型食品と医薬品において、直径平均値と各品目数との関 係を図1 に示した。同様に、厚さ平均値と各品目数との関係を図 2 に示した。 0 2 4 6 8 10 商 品 数 直径平均(mm) 医薬品数 小型食品数 図1 小型食品と医薬品における直径平均値 小型食品N=46(三角形や楕円形等、直径を測定できないものは除いた) 0 2 4 6 8 10 商 品 数 厚さ平均(mm) 医薬品数 小型食品数 図2 小型食品と医薬品における厚さ平均値 小型食品N=47(球形等、厚さを測定できないものは除いた) 医薬品 平均7.89 mm 小型食品 平均10.4 mm 医薬品 平均3.32 mm 平均小型食品 6.55 mm

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4 図1 より、医薬品の直径は全て 6~10mm 代であった。一方、6~10mm 代の小型食 品は小型食品全体の52.2%(24/46 品目)であり、その中でも直径平均の小さい 6.0~ 7.99mm の割合は 34.8%(16/46 品目)で、円形のタブレット菓子やラムネ菓子等の清 涼菓子が多くを占めていた。直径平均値の平均については医薬品が7.89mm、小型食 品が10.4mm であった。 図2 より、医薬品の厚さは全て 2~4mm 代であった。一方、2~4mm 代の小型食品は 小型食品全体の21.3%(10/47 品目)であり、全て円形のタブレット菓子やラムネ菓子 等の清涼菓子であった。厚さ平均値の平均については医薬品が3.32mm、小型食品が 6.55mm であった。 3.3 直径・厚さ平均値と変動係数(CV)の関係 小型食品と医薬品において、直径平均値とCV の関係を図 3 に示した。同様に、厚さ 平均値とCV の関係を図 4 に示した。 図3 直径平均値と変動係数(CV)の関係

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5 図4 厚さ平均値と変動係数(CV)の関係 図3 より、小型食品と医薬品のどちらにおいても、直径平均値と CV の関係に規則性は 見られなかった。また図4 より、厚さ平均値と CV についても直径平均値と同様、規則性 は見られなかった。 3.4 直径・厚さにおける変動係数(CV)の頻度 小型食品全体、直径≦10.5mm(直径の平均値が最大の医薬品に合わせる)の円形 小型食品14 品目、医薬品それぞれの直径 CV について、0.5 刻み毎の頻度を図 5 に示 した。 また、小型食品全体、厚さ≦4.6mm(厚さの平均値が最大の医薬品に合わせる)の円 形小型食品8 品目、医薬品それぞれの厚さ CV について、直径と同様に 0.5 刻み毎の 頻度を図6 に示した。

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6 図5 直径変動係数(CV)の頻度 (注1) 直径平均値が最大の医薬品に条件を合わせ、直径≦10.5mm とした。 図6 厚さ変動係数(CV)の頻度 (注2)厚さ平均値が最大の医薬品に条件を合わせ、厚さ≦4.6mm とした。 図5 より、小型食品全体では、直径 CV0.5%未満が 52.2%(24/46 品目)であるのに 対し、医薬品では100%(全 9 品目)であった。一方、直径 10.5mm 以下の円形小型食 品では、直径CV0.5%未満が 85.7%(12/14 品目)で、小型食品全体よりもばらつきが 小さかった。

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7 さらに図6 より、厚さ CV0.5%未満の小型食品が 21.3%(10/47 品目)であるのに対し、 医薬品では60%(6/10 品目)であった。一方、厚さ 4.6mm 以下の円形小型食品では、 厚さCV0.5%未満が 50%(4/8 品目)で、小型食品全体よりもばらつきが小さかった。 3.5 変動係数(CV)の平均値 小型食品と医薬品における直径と厚さのCV 平均値を図 7 に示した。円形小型食品に ついては、直径>10.5mm(N=18)と直径≦10.5mm(N=14)、厚さ>4.6mm(N=24)と 厚さ≦4.6mm(N=8)にそれぞれ分けて示した。 図7 変動係数(CV)の平均値 図7 より、直径 CV の平均値は大きさに関係なく、円形小型食品と医薬品で 0.5 未満と 小さい値を示した。一方、厚さCV の平均値は、円形小型食品の中でも厚さ 4.6mm 以下 で小さい値を示し、厚さ4.6mm よりも大きい小型食品では CV 平均値も大きくなり、小型 食品全体と大差がなかった。また、小型食品と医薬品どちらにおいても、直径CV 平均値 は厚さCV 平均値よりも小さい値を示した。

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8 4.考察 対象医薬品の各添付文書1-10) に記載されている直径・厚さと測定平均値との差を比 較したところ、直径における差は平均0.05mm、厚さにおける差は平均 0.07mm であり、 全て0.2mm 未満であることから、測定における誤差は小さいと考えられる。 本研究結果より、直径と厚さのCV に関して、医薬品の方が小型食品全体よりも CV が 小さい傾向にあった。そもそも、医薬品は成分含量に規制があるが、直径や厚さには規 制はない。しかし、一錠ずつに仕切る PTP 包装で市販されているものが殆どであるため、 直径や厚さについても厳密にそろえ、直径や厚さのばらつきを小さくしていると考えられ る。また、口臭予防や気分爽快感を目的とする清涼菓子や子供向けのラムネ菓子といっ た円形のタブレット菓子等、医薬品と同程度の直径・厚さをもつ円形小型食品では医薬 品のCV と有意差がなかった。これら円形小型食品の中には、容器を振って狭い取り出し 口から少量ずつ粒を取り出すものも多く、取り出し口の幅に制限があるため、粒の大きさ を揃えてばらつきを小さくしていると考えられる。 現在、日本では円形の医薬品が数多く市販されている。しかし、医薬品の形状は他薬 と識別する上での役割が大きく、調剤過誤のみならず複数の医薬品を服用する患者自 身も他薬との服用間違いを防止できる。よって、今後錠剤の形状を多様化した場合、CV が大きくなる可能性があることから、ボトル等の包装様式も必要になると考えられる。さら に、形状の多様化に対して、患者が抵抗感を示すことも予想されるため、錠剤の形状に ついて患者の嗜好を調査する必要があると考えられる。

謝 辞

本研究を進めるにあたり、丁寧かつ熱心にご指導下さいました新潟薬科大学薬物動 態学研究室の上野和行教授に深くお礼申し上げます。また、始終ご助言、ご協力頂いた 同新潟薬科大学薬物動態学研究室の小林真理子先生をはじめ、本研究室の皆様に感 謝申し上げます。

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引 用 文 献

1) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「リポバス錠 5mg 添付文書」, <http:// www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/170050_2189011F1025_2_08.pdf> 2015 年 7 月 8 日アクセス. 2) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「フェキソフェナジン塩酸塩錠 30mg 「テバ」添付文書」, <http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/400061 _4490023F1199_1_02.pdf>2015 年 7 月 8 日アクセス. 3) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「アレグラ錠 30mg 添付文書」, <http:// www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/780069_4490023F1024_1_22.pdf> 2015 年 7 月 8 日アクセス. 4) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「シンバスタチン錠 5 mg「OHARA」添 付文書」, <http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/180095 _2189011F1262_1_03.pdf>2015 年 7 月 8 日アクセス. 5) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「アムロジピン錠 5 mg「日医工」添付文 書」, <http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/530169_2171022F1355_1 _13.pdf>2015 年 7 月 8 日アクセス. 6) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「25mg アリナミン F 糖衣錠添付文書」, <http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/400256_3122007F2039_1 _10.pdf>2015 年 7 月 8 日アクセス. 7) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「ロキソプロフェン Na 錠 60mg「テバ」添 付文書」, <http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/400813 _1149019F1650_1_01.pdf>2015 年 7 月 8 日アクセス. 8) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「ロキソニン錠 60mg 添付文書」, <http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/430574_1149019C1149_1 _06.pdf>2015 年 7 月 8 日アクセス. 9) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「ストロカイン錠 5mg 添付文書」, <http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300220_1219002D1048_1 _03.pdf>2015 年 7 月 8 日アクセス.

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10) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構, 「アバプロ錠 50mg 添付文書」, <http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/400093_2149046F1023_1 _09.pdf>2015 年 7 月 8 日アクセス.

参照

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