Keysight Technologies
InfiniiSimを使用したDe-Embedding
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De-Embedding
ディエンベディングとは
冶具やケーブルによる観測信号の劣化を
Sパラメータ
データを利用して計算により補正する
冶具
ケーブル
TX
TX
冶具、ケーブル等の影響を受けた波形 冶具、ケーブル等の影響のない波形 冶具、ケーブル等の Sパラメータデータ被測定物の出力
被測定物の出力
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InfiniiSimを使用したDe-Embedding
– Channel設定のInfiniiSim欄でPortを選択
し、Setupをクリックする。
・2Port
シングルエンド測定の場合に選択
・4Port(Channels1 & 3)
Channel1,3を使用した差動もしくはコモン
モード測定の場合に選択
・4Port(Channel 1)
Channel1で差動プローブを使用した差動も
しくはコモンモード測定の場合に選択
– Create Transfer Function from Modelを
クリック
InfiniiSim
De-Embedding 3
InfiniiSim Modelの選択
– メニューから
Remove Insertion loss of a fixture or
cable
を選択
※左図はInfiniiSim Advased版の表示。
Basic版は下記の2つのモデルのみが選択可。
Add insertion loss of a fixture or cable
Remove Insertion loss of a fixture or cable
Sパラメータについて 高周波用の回路や伝送路などのデバイスに信号を入射した場合、信号が進む経路は2つあり、1つはデバイスの入力で反射される経路、 もう1つはデバイス内部を伝送して出力される経路となります。 デバイスに正弦波信号を入射し、正弦波信号の周波数を変化させて周波数ごとの反射信号、伝送信号の大きさを測定したものがSパラ メータです。反射信号、伝送信号は入射信号に対する測定信号の比で表します。 測定にはネットワーク・アナライザを使用します。回路や基板の設計に使用するシミュレータにはSパラメータを生成する機能を持つものも あります。また、デバイスメーカーが自社のデバイスのSパラメータを提供している場合もあります。 InfiniiSimではTouchstone形式で保存したSパラメータ・データを利用することができます。 冶具、ケーブル、基板等の伝送路は伝送信号、反射信号のSパラメータ(S11,S21,S12,S22)を格納した拡張子.s2pのファイルを使用しま す。差動伝送路の場合には4ポートのデバイスのSパラメータ(.s4pファイル)を使用します。
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Sパラメータデータの指定
– Channelと書かれたブロックをクリッ
ク
– Measurement
CircuitタブのS-parameter File欄にSパラメータデータ
ファイル(シングルエンドでは.s2p、
差動では.s4p)を設定
– Simulation CircuitはデフォルトのIdeal
Thruのまま
– 以上が治具等の特性(Sパラメータ)を
理想伝送路(ロス0、長さ0)に置き換
える設定(=ディエンベディング)と
なります
InfiniiSim De-Embedding 5Transfer Function Modelの保存
– ファイル名を指定してSave Transfer
Functionをクリック
– 保存時にエラーやワーニングが出る場
合にはSパラメータデータが適切なもの
でない可能性があります。
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Frequency Responseの確認
– Frequency Response画面上の黄色のト
レースがInfiniiSimが行うゲインの補正
量です。
– 補正量が大きい部分ではノイズの増幅
も顕著になります。Bandwidth Limitを
使用して帯域を制限することで信号周
波数の帯域を超える周波数成分をカッ
トしInfiniiSim後の波形のノイズを減ら
すことができます。
InfiniiSim De-Embedding 7Bandwidth Limitの設定
← 高周波でロスが大きい 治具やケーブルの周波数応答 ← ロスを取り除き周波数応答が フラットになるようにInfiniiSim が適用するゲイン補正量Step Responseの確認
– Step Response画面の波形が両端とも
フラットになっている必要があります。
波形が両端で収束していない場合には
Max Time Spanの値を波形の両端とも
フラットになるまで増やしてください。
Filter Sizeの設定
Max Time Span
Normalize Gain: 0Hzでのゲインが0dBとなるようにゲイン補正量をオフ セットするものです。通常は不使用で結構です。 Response Correction: InfiniiSimによる補正の効きを弱くする設定です。通常は 100%で結構です。
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Transfer Function Modelの適用
InfiniiSim De-Embedding 9
オシロスコープ上で適用
Port Extraction:
・Differential 差動プローブでの測定 ・Common Mode 差動プローブによるコモンモード測定 ・Use Port A->B シングルエンド測定にPort A-B間の Transfer Function Modelを適用Filter Delay:
・Remove Filter Delay 通常ディエンベッドの場合はディ レイの適用は不要ですのでこれを選択してください。 ・Include Trigger Corrected Delay モデル適用後の波形が 画面上0秒の位置でトリガレベルに設定した電圧を横切る ように表示位置が調整されます。トリガジッタが問題にな る場合に使用してください。
・Include Filter Delay モデルに含まれるディレイが適用 されます。De-Embedの場合には治具、ケーブル等で発生 する遅延が除かれ、その分波形が前に(画面上で左に)移 動します。
Transfer Function Modelの適用
オシロスコープ上で適用
Port Extraction: (4port Channel <n> のみ)
・Differential 差動プローブでの測定
・Common Mode 差動プローブによるコモンモード測定 ・Use Port A->B シングルエンド測定にPort A-B間の Transfer Function Modelを適用
Filter Delay:
・Remove Filter Delay 通常ディエンベッドの場合はディ レイの適用は不要ですのでこれを選択してください。 ・Include Trigger Corrected Delay モデル適用後の波形が 画面上0秒の位置でトリガレベルに設定した電圧を横切る ように表示位置が調整されます。トリガジッタが問題にな る場合に使用してください。
・Include Filter Delay モデルに含まれるディレイが適用 されます。De-Embedの場合には治具、ケーブル等で発生 する遅延が除かれ、その分波形が前に(画面上で左に)移 動します。
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Transfer Function Modelの適用
InfiniiSimはDDR、USB、Ethernetをはじめ様々なコンプライ アンスアプリケーションでも使用することができます。作成 したInfiniiSimのモデル(.tf2、差動は.tf4)をコンプライアン スアプリケーションから読み込むことができ、コンプライア ンステスト内で測定された波形にInfiniiSimが適用されます。 InfiniiSimモデルを適用するにはコンプライアンスアプリケー ションのメニューTools->Infiniium->InfiniiSim..を選択します。 表示された画面のBrowseをクリックしてInfiniiSimモデル (.tf2、差動の場合は.tf4)を読み込みます。画面上のパラ メータを適宜変更します。表示されている設定項目はオシロ スコープのInfiniiSim Setup 画面に表示されるものと同じです。 使用するチャネルすべてについて上記の設定を行ってくださ い。これによりInfiniiSimが適用された波形に対してコンプラ イアンステストが行われます