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2.2 各指針の位置づけ工水指針の位置づけと構成は 図 2に示すとおりであり 施設更新指針 および 耐震対策指針 を用いて 主に個別の工業用水道施設に対して 設備診断及び耐震性評価を行う 次に アセットマネジメント指針 を用いて 施設全体の診断 評価結果や財政収支見通しを踏まえた 資産管理の最適な将

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Academic year: 2021

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工業用水道施設更新・耐震対策・アセットマネジメント指針

の留意点と指針を用いたケーススタディ

日本上下水道設計(株) 石橋 敏昌、大嶽 公康

1.指針策定の背景・工業用水道の現状

工業用水道は、ユーザー企業へ工場の操業に不可欠な工業用水を供給する日本産業界の 根幹を担う産業インフラであり、その重要性は今後も不変である。しかしながら、工業用 水道施設の多くは建設から40~50 年を経過し、老朽化による大規模な漏水事故が急増する 等、本格的な施設の更新時期を迎えつつある。加えて、東日本大震災による被害状況を鑑 みると、施設の耐震化等の災害対策を早急に行う必要がある。 一方、水需要は減少傾向にあり、工業用水道事 業者の約3 割が赤字となっているように、その経 営は厳しく、ユーザー企業も国内空洞化への懸念 が増大する等厳しい経営状況に直面している。 このような背景から、経済産業省では、持続可 能な工業用水道事業実現のため、「施設更新指針」、 「耐震対策指針」及び「アセットマネジメント指 針」(以下、「工水指針」)を策定した。 本稿では、工水指針の留意点、これらを用いた ケーススタディを紹介する。

2.指針の留意点

2.1 工業用水道と上水道の違い 工業用水道の各指針の多くは、上水道の指針を引用して策定されているが、双方には表 1に示す違いがある。特に工業用水道は、上水道のように不特定多数の市民に供給するの ではなく、特定企業に低廉で安定的に供給することが求められていることに留意しなけれ ばならない。したがって、これらを踏まえ工水指針の運用を図っていく必要がある。 表1 工業用水道と上水道の違い 項 目 工業用水道の規定 上水道の規定 法令 工業用水道法 工業用水施行令 工業用水道事業法 水道法/水道法施行令 水道法施行規則 水質基準に関する省令 水道施設の技術的基準を定める省令 給水対象 特定の企業(工業) 家庭、事業所、企業等 水質基準 水温、濁度(10~20 度以下)pH ほか 省令で水質基準を規定 50 項目 供給条件 水量の確保 水圧(0.15MPa 以上)の確保 料金体系 責任水量制が基本 基本料金+従量料金が基本 事業内容、料金改定 ユーザー企業の合意が必要 議決が必要 図1 指針策定の背景 工業用水道事業の現状 「施設更新指針」 「施設更新指針」 持続可能な工業用水道事業実現のために、 3つの指針を作成した。 目的 東日本大震災による被害 本格的な施設更新時期 厳しい事業経営 ユーザー企業の厳しい経営状況 資産維持費の導入 水需要の鈍化 耐震化促進等の新たな補助制度 「耐震対策指針」 「耐震対策指針」 「アセットマネジメント指針」 「アセットマネジメント指針」

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2.2 各指針の位置づけ 工水指針の位置づけと構成は、 図2に示すとおりであり、「施設 更新指針」および「耐震対策指針」 を用いて、主に個別の工業用水道 施設に対して、設備診断及び耐震 性評価を行う。次に、「アセット マネジメント指針」を用いて、施 設全体の診断・評価結果や財政収 支見通しを踏まえた、資産管理の 最適な将来計画を立案する。 2.3 各指針の概要 更新・耐震・アセットマネジメント指針は、第1 編「総論」、第 2 編「施設更新指針」、 第3 編「耐震対策指針」、第 4 編「アセットマネジメント指針」の 4 編で構成されている。 (1)総論 工業用水道における「施設更新指針」、「耐震対策指針」及び「アセットマネジメント指 針」の構成と運用方法、施設重要度の設定、事業実施における留意点などが示されている。 この中でも、特に施設重要度の定義が上水道と異なっている。 図3に示す構造物及び管路の重 要度の設定例のように、取水施設か らバイパス管が整備され、薬品を常 時注入していない浄水施設の場合 は、上水道のようにランクA1 では なく、ランクA2 に区分されている。 ここで示す各重要度ランクは、一 般的な施設形態で整理したもので あるが、複数系統の取水施設・浄水施設等を有する事業体の場合、バックアップが可能と なるため、異なる重要度となることがある。したがって、重要度については、工業用水道 施設の施設形態や事業特性を勘案し、独自に設定することが可能となっている。 (2)施設更新指針 施設更新指針では、「水道施設更新指針、(社)日本水道協会、平成17 年 5 月」に準拠す ることを基本として策定されている。この中で、更新判断における診断方法の基本的事項 が示されている。更新診断は、①土木施設・建築施設、②機械・電気・計装設備、③管路 に区分して行うものとされている。また、その結果から重要度を加味し、更新優先順位を 設定し、施設更新計画を策定する一連の流れがまとめられた内容となっている。 図2 工水指針の位置づけと構成 貯水施設 浄水施設 排泥処理施設 配水ポンプ 配水池 取水施設 バイパス管 ユ ー ザ ー 企 業 ランクA2 ランクA1 ランクB 【凡例】 図3 構造物及び管路の重要度の設定例 ※ 供給する水質基準が上水道に 比べて厳しくないため、平常時 は薬注しない浄水場が多い。 ※ ・アセットマネジメントの基本方針(導入効果、実施体制) ・マクロマネジメントの実践(更新需要見通しの検討、財政収支見通しの検討) ・必要情報の整理 ・ミクロマネジメントの実践 ・土木・建築施設の更新診断方法 ・機械設備等の更新診断方法 ・管路の更新診断方法 ・更新優先度の設定 施設更新指針 ・耐震化の考え方、重要度、耐震性能 ・耐震計算法等の準拠図書 ・東日本大震災の教訓(津波、液状化、 広域災害、資機材備蓄、相互応援等) 耐震対策指針 アセットマネジメント指針 工水指針

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(3)耐震対策指針 工業用水道施設の耐震対策は、(社)日本水道協会による「水道施設耐震工法指針・解説、 2009 年版に準拠して実施されている場合が多く、同指針を踏襲することを基本として策定 されている。ただし、工業用水道施設と水道施設では重要度等の観点で異なる点があるこ と、同指針には津波対策が述べられていないこと、工業用水道としての応急対策等が必要 であるため、耐震対策指針ではこれらが反映されている。 (4)アセットマネジメント指針 アセットマネジメント指針は、「水道事業におけるアセットマネジメント(資産管理)に 関する手引き、厚生労働省、平成21 年 7 月」に準拠して策定されている。工業用水道は、 事業規模が比較的大きく、事業創設から企業会計を導入しているため、上水道のように 4 ×4 の組み合わせではなく、マクロマネジメント検討手法の選定にあたっては、表2に示す 標準型と詳細型のうち、検討可能なもののいずれかを選択することになっている。 表2 検討手法の選定 財政収支 更新需要 標準型(財政収支) 詳細型(財政収支) 標準型(更新需要) 標準型 標準型(財政収支詳細※1 詳細型(更新需要) 標準型(更新需要詳細※2 詳細型 ※1 民間資金活用の可能性や二部料金制、資産維持費の計上についての検討結果を反映 ※2 機能診断や耐震診断結果に基づく施設の更新需要の反映

3.ケーススタディ

3.1 ケーススタディの検討内容 図4は、工水指針の検討フローに今回の ケーススタディの内容を追記したもので ある。まず、施設更新指針を用い診断を行 い、施設の更新優先順位を設定した。次に、 アセットマネジメント指針を用い、今後40 年間の更新需要を求め、事業費の平準化を 図ったうえで財政収支見通しを行った。 3.2 更新診断 施設更新指針では、土木・建築、機械・電気・計装、管路の分類で診断を行うことにな っているが、ここでは土木建築の例を示す。 ①土木建築施設の診断例 土木施設・建築施設の更新診断は、(1)老朽度(SY)、(2)コンクリートの中性化度(SN)、 (3)コンクリートの圧縮強度(Sσ)、(4)漏水(SL)、(5)耐震度(SS)、(6)容量・能力(SC)の 図4 ケーススタディにおける検討内容 3.3事業費の平準化 3.4財政収支見通し 3.2更新診断 ①施設の診断 ②更新優先順位 日常の点検、維持管理 更新計画・耐震化計画 の対象施設の選定 更新診断・耐震診断 更新・耐震化が必要か? 財政面の検討 事業計画の策定 協議会等にて情報共有 ユーザー企業 実施可能判断 事業計画の実施 END START 協議会等にて情報 共有 更新診断・耐震診断 ケーススタディ ・アセットマネジメント ・アセットマネジメント 指針の活用 指針の活用 ・施設更新指針の活用 ・施設更新指針の活用

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6 項目について行い、それぞれの評価点数の相乗平均値を総合評価点数とした。 土木施設・建築施設の総合評価点数S=(SY×SN×Sσ×SL×SS×SC)1/6 沈殿池①を例として診断を行った結果は、表3に示すとおりである。 表3 沈殿池①の診断例 評価項目 評価点 諸元等 (1)老朽度 SY 36 経過年数 45 年 (2)コンクリートの中性化度 SN 100 コンクリートの中性化残り厚さ 37.6mm (3)コンクリートの圧縮強度 Sσ 92 設計強度 24N/mm2 、既存構造物の圧縮強度 23.5N/mm2 (4)漏水 SL 100 漏水なし (5)耐震度 SS 25 耐震基準制定前施工 (6)容量・能力 SC 100 供給能力 1.3h 分 総合評価点数 S 66 一応許容できるが弱点を改良、強化する必要がある ②更新優先順位 工業用水道の場合、建設時期が集中しており、 改良工事を実施してない場合が多く、耐用年数通 りに更新すると、更新需要が偏在してしまうため、 更新優先順位を用いて事業費の平準化を行った。 平準化のイメージは図5に示すとおりである。 更新順位を設定するため、各施設の評価点を沈 殿池①と同様に診断した。この結果及び重要度で 表4に示す更新優先ランクに分類した。 当該事業は、上水道と異なり浄水場を経由しな いバイパス管が存在するため、浄水施設は重要度 ランクをA2 とし、水供給に直接関係の無い汚泥 槽はランクB、それ以外の施設をランク A1 とし た。そのときの各施設の更新優先ランクは表5に 示すとおりであり、重要度ランクA2 施設の更新 優先ランクが上水道より1 下がる結果となった。 各施設を更新優先ランクに分けた上で、評価点 の低い順に並び変えた結果が更新順位である。各 施設の更新優先順位は表6に示すとおりとなる。 施設 重要度 評価点S 更新優先ランク 取水口 A1 60 7 着水井① A2 64 8 着水井② A2 75 11 沈砂池① A2 48 5 沈砂池② A2 55 8 沈殿池① A2 66 8 沈殿池② A2 77 11 ポンプ井① A1 65 7 ポンプ井② A1 76 10 汚泥槽 B 58 9 管理棟 A1 63 7 配水池① A1 67 7 配水池② A1 78 10 更新順位 更新優先ランク 施設 評価点S 1 5 沈砂池① 48 2 7 取水口 60 3 管理棟 63 4 ポンプ井① 65 5 配水池① 67 6 8 沈砂池② 55 7 着水井① 64 8 沈殿池① 66 9 9 汚泥槽 58 10 10 ポンプ井② 76 11 配水池② 78 12 11 着水井② 75 13 沈殿池② 77 表4 更新優先ランク 表5 更新優先ランクの評価結果 表6 各施設の更新優先順位の設定 評価点 重要度 S A1 A2 B 0~25 1 2 3 25~50 4 5 6 50~75 7 8 9 75~100 10 11 12 ※ 点数が低い方が更新優先順位高い。 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1期 2期 3期 4期 更新需要 (百万円) 1期 2期 3期 4期 図5 更新順位による平準化のイメージ 更新順位 1~3 耐用年数どおりに更新 事業費の 平準化 更新順位 8 更新順位 9 更新順位による平準化 更新順位 6

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3.3 事業費の平準化 更新需要は、策定期間を40 年とし、5 年 度ごとの事業費を求めた。各ケースの算定条 件を表7に、それぞれのケースにおける更新 需要の年次計画を図5、図6に示す。 (1)ケース① 施設更新を耐用年数通りに行うと、それぞ れの事業費は、非常にばらつきが生じる結果 となった。特に、既に耐用年数を経過してい る施設の更新需要のピークがH24~28 の期 間に集中して発生する見通しとなった。 (2)ケース② 施設更新を耐用年数の1.5 倍とし、施設の 更新診断結果を考慮して、前ページに示した 手法により事業費の平準化を行った。その結 果、事業費は各 5 年度で同等の金額となっ た。 3.3 財政収支見通し 工業用水道料金は、実績の供給単価から求 めた。初回の料金改定は、更新計画策定や料 金改定の審議期間を考慮し、平成29 年度に 実施するものとした。それ以降は、資金残高 に着目し、現状と同じ約 5 億円確保できる よう、料金算定期間を 5 年として必要に応 じて改定した。 建設改良費は、前述の更新需要を計上した。 起債償還条件は、30 年償還(半年賦元利均 等償還)、据置5 年、年利率 2.0%とした。 (1)ケース① ケース①では企業債充当率を100%とし、 H29 以降 5 年毎に料金改定を行った。その 結果、資金残高は現状と同程度で更新が可能 であるが、途中年度で赤字が発生し、全体の 料金改定率が 210%と非常に高い結果とな った。 0 10 20 30 H24~28 H29~33 H34~38 H39~43 H44~48 H49~53 H54~58 H59~63 更新 需要 (億 円) 機械電気 管路 構造物 図6 更新需要(ケース②) ケース① 表7 ケース設定 ケース② 算定条件 ケース① ケース② 施設更新 耐用年数 耐用年数 の頻度 どおり の1.5倍 事業費 なし あり 更新診断 を考慮 企業債 100% 50% 充当率 の平準化 図5 更新需要(ケース①) 0 10 20 30 H24~ H29~ H34~ H39~ H44~ H49~ H54~ H59~ H64~ H69~ H74~ H79~ 更新 需要 (億円 ) 機械電気 管路 構造物 図8 財政収支見通し結果(ケース②) -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 H19 H24 H29 H34 H39 H44 H49 H54 H59 資金残 高、企業債 残高( 億円 ) -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 純利益(億円) 純損益 資金残高 企業債残高 ケース② 改定率 40% 5% 図7 財政収支見通し結果(ケース①) 10% 15% 25% 15% 10% 5% 改定率 ケース① ・耐用年数通りに更新 ・耐用年数の 1.5 倍で更新 ・前ページに示した事業費 平準化を実施 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 H19 H24 H29 H34 H39 H44 H49 H54 H59 資 金残高 、企 業債 残高( 億円 ) -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 純利 益( 億円) 純損益 資金残高 企業債残高

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(2)ケース② ケース②では企業債充当率を50%(H24~29 は 100%)とし、不足資金に対し H29 に 40%、H49 に 5%の料金値上げを行った。その結果、最初に大幅な改定を伴うものの、全体 の料金改定率は147%であり、ケース①より料金値上げを抑えることができる結果となった。 3.4 資産維持費について 各ケースの供給単価及び給水原価 の推移は表8に示すとおりである。 資産維持費は、従前より上水道の料 金算定要領に示されている適正利潤 であり、この額が純利益に相当する。 今回のケーススタディでは、企業債借入額を減少させ、不足額を料金値上げで対応する ように設定した。このため、ケース②では企業債抑制により、支払利息の削減効果が表れ、 給水原価(費用)が低く抑えられ、供給単価(料金)が安くなる見通しである。 ケース②において、算定期間内に発生する純利益を資産維持率(保有資産に対する資産 維持費の割合)に換算すると約1%相当となる。 また、資産維持費導入で施設の更新・耐震化を促進することにより、健全経営の持続の みならず、地震被害等のリスクを低減し、工水の安定供給に寄与することが期待される。 3.5 二部料金制について 二部料金制は、基本料金と従量料金に 分けて徴収する制度であり、上水道で多 く採用されている。ただし、この制度導 入により料金総額が変わるものではない。 今回ケーススタディで試算した事業の 場合、総費用に対し13%程度が変動費に 該当する。二部料金制を導入した場合の イメージは図9に示すとおりである。 実給水率が高いユーザー企業は、二部料金制を採用すると負担が増加する可能性が高い。 そこで、企業間における負担の公平性を是正するためには、責任水量制と二部料金制の選 択制の導入も視野に入れる必要がある。 年度 料金改定率(%) 供給単価(円/m3) 給水原価(円/m3) ケース① ケース② ケース① ケース② ケース① ケース② H24~28 - - 26 26 30 28 H29~33 10 40 28 36 35 30 H34~38 15 - 33 36 41 32 H39~43 25 - 41 36 45 32 H44~48 15 - 47 36 48 34 H49~53 10 5 52 38 48 35 H54~58 5 - 55 38 47 34 H59~63 - - 55 38 46 35 表8 各ケースの供給単価と給水原価 197 百万円 責任水量制 ※各ユーザー企業の契約水量 に応じて配賦 A 社 B 社 C 社 D 社 二部料金制 171 百万円 26 百万円 動力費 薬品費 など A 社 B 社 C 社 D 社 基本料金 従量料金 ※動力、薬品費を従量料金とし 残りを契約水量に応じて配賦 図9 二部料金制の導入イメージ

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4.おわりに

(1)施設更新・耐震対策 ・ 本稿で紹介した工水指針は、上水道の指針を引用する形で策定されているため、工業用 水道特有の条件、事業の実態を踏まえた上で指針の運用を図り、適正な更新・耐震化計 画を策定する必要がある。 ・ ケーススタディに示したように、建設時期が集中しているため、耐用年数どおりの更新 を行うと更新需要のピークが顕著なものとなることが多くなると想定される。事業費平 準化のために更新診断結果を活用し、財政収支見通しを行い、事業実施の可能性を検討 することが重要である。 (2)アセットマネジメント ・ 資産維持費の計上による適正な企業債借入額の設定を行い、事業者とユーザー企業双方 の負担がケース①より小さくなるように資金計画を立てた結果、費用(支払利息)が抑 えられ、将来的にはユーザー企業の料金負担が抑えられる結果となった。 ・ 上水道では、実使用水量に基づいた供給単価が広く用いられているが、工業用水道では 契約水量に基づいた供給単価が一般的な指標となっている。実使用水量に基づいて算定 される二部料金制導入にあたっては、上水道と横並びに評価可能な指標とすべきである。 (3)その他 ・ 上水道では事業を実施するために議決を経ることが必要であるが、工業用水道では事業 の必要性を示し、ユーザー企業からの理解を得る必要がある。よって、事業者とユーザ ー企業間で、必要な情報共有を図った上で相互理解を深めることが重要である。 ・ 最近では、耐震化事業に対する補助メニューが追加され、制度上でも事業促進が図られ ている。しかし、現在の補助基準は、高度成長期以来の大規模事業を対象とした内容と なっており、施設更新をこれから迎える中小規模事業体にも柔軟な対応が望まれる。 以上

参照

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