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週刊原油181227米国の原油増産が原油価格を緩める.xlsx

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: 2018/12/27 発行日

世界の原油情報がここに凝縮されています。

毎週木曜日午後発行

週刊原油

NY原油反発

26日のNY原油2月限は+3.69ドル高の46.22ドル。クリスマス・イブまで急激な値下がりが続いた反動で買い戻しが 強まった。クリスマス商戦の米国の消費が堅調だったと伝わったことは米経済に対する不安感を後退させ、米株式市場 を押し上げた。マスターカード・スペンディングパルスが11月1日から12月24日までの米ホリデーシーズンの小売売 上高を発表し、前年比で5.1%増加した。 来年1月から石油輸出国機構(OPEC)を中心とした産油国が新たな協調減 産を開始し、供給が抑制されることも支援要因。ただ、今月のOPEC総会で合意に至った日量120万バレルの減産は、 各国に対する減産割当がなく合意の実現性が疑問視されている。OPECのバルキンド事務局長は各国に生産枠を設定す る計画があると述べているものの、次回のOPEC総会は来年4月であり、産油国が集まって協議する機会は当面ない。 ロシアのノバク・エネルギー相は臨時会合開催の提案はなされていないとしている。 世界的な景気減速は引き続き懸念要因。米中貿易戦争を背景として、中国やユーロ圏では景気がすでに減速しており、 その他の国の景気を圧迫する可能性が高い。原油安は、米石油企業に設備投資を手控えさせ、米経済の足を引っ張る見 通し。ただ、良好な雇用環境のもとで米国の消費は依然として強く、景気の屋台骨が揺らぐ気配は乏しい。 時間外取引から2月限は底堅く推移し、通常取引開始後は買いが強まった。47.00ドルまで上昇し、前営業日の高値を 上回った。 改質ガソリンとヒーティングオイルは反発。原油に連動して反動高となった。ヒーティングオイルの需要地である米北 東部で強い冷え込みは予報されていない。今週28日のニューヨークの最高気温は15℃と予想されており、週末にかけ て気温が上がる見通し。 今日の材料 ・ベネズエラ海軍から妨害を受けつつも、米エクソンはガイアナ沖で開発を継続へ ・ダウ平均は1000ドル超上昇。(ミンカブ)

TOPICs 2015年からのNY原油価格とダ

ウ平均株価は0.79という

かなり強い正の相関があった。

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★ 船舶運航事業者は、新たなIMOの硫化 物制限措置に対していくつかの選択肢があ る。一つは、The International Maritime Organization (国際海事機関:IMO)の 規則に合致する低硫黄排出燃料に切り替え ることである。しかし、どれだけコストが 嵩むのかとか、その入手は十分可能なのか といった問題がまだ不透明である。二つ目 の選択肢は、Scrubberを使って高い硫黄 分の燃料を使用し、船の排気ガスから硫黄 分等の汚染物質を除去することである。 これにもScrubber設置費用等コスト アップになることには変わりがない。すで にScrubberを装備した船舶もあるが 2020年までにその数か多くなるとは思わ れない。たとえScrubberが広範に広まっ たとしても、2020年以降も高硫黄燃料を 長期にわたって使用可能なのか不明である。 ★ 船舶を石油燃料を使用しないものに変えることも検討されている。液化天然ガス(LNG)を使ういくつかの新しい 船が建造中で、また石油と液化天然ガスのDual 燃料エンジンも検討されている。しかし予想燃料としてLNGを使うこと をサポートする港湾施設がその規模と利用可能性の両面で今のところ制限がある。たとえScrubberが一般的に広く利用 されたとしても、この場合は高濃度の硫黄の燃料を使うため、そうした高濃度硫黄の燃料が2020年以降も製造されるの か、あるいはその価格はどうなるのかといった問題がある。 ★ 原油から軽油やガソリン等軽くて短い構造式の化合物を取り除いた後の残油と呼ばれる長鎖感化水素は現在大半は船 舶用燃料としてバンカーオイルとして知られる大型の外航船舶によって使われている。こうした残油から硫黄分を除去し たり、軽油やガソリン等を更にアップグレードしてより価値の高い軽質油を造るなど、資本集約的なプロセスとなる。 ★ 石油精製業者にとっては、海上輸送用燃料の選択はリスクを伴う。Scrubberが多く採用されれば、高濃度の硫黄燃 料が依然として使われることになる。これまでの船舶用燃料設備を廃棄して残油をアップグレードする能力を有する精製 設備を新たに設置するかが問題となる。 ★ 石油精製業者が採用する選択肢の一つは、低硫黄留出油をバンカーオイル用として投入することである。それは、外 航船舶用燃料がトラック用や重機、列車、航空機用の留出油市場と競合することになる。石油精製業者は、留出油の需要 増に対応するために原油を精製する割合を変え、留出油製造設備能力を追加する必要がある。どちらも原油需要は増加す る。

TOPICs 世界の海上輸送用燃料は2020年に規制される by EIA

世界の海上輸送用燃料制限

IMOによる船舶排気ガス規制区 EU規制区域 中国規制区域

(3)

★ 石油精製業者は、低硫黄の原油を処理し、より多くの留出油を生産し、残油の生産を少なくするかもしれない。石油 精製業者が使う原油の種類の変更により原油の油種による価格差が拡大し、原油全体の価格にも影響するかもしれない。 ★ 石油精製業者と船会社のIMO2020ルールに対する選択次第で将来の不透明性や複雑性が増すだろう。EIAによる短 期需給予測2019年1月号で、2020年12月までの毎月の予測を作成する。このレポートではIMO規則に伴う短期的な影 響や不確実性を説明する予定である。また2月に、Annual Energy Outlook 2019において、長期的な規制の影響を説 明する。

TOPICs 韓国のイランからの原油輸入縮小状況 by EIA

★ 韓国はコンデンセート原 油の世界最大の輸入国である。 ★ コンデンセートとは軽質 の炭化水素で、軽質原油と同 様な組成である。一般的に天 然ガスを生産した後で分離さ れるもので、APIの比重が50 以上のものを言う。 ★ 米国による対イラン経済 封鎖の影響を受け過去数か月 イラン産原油とコンデンセー トの輸入を減らしてきた韓国 は、代替ソースを物色してい る。 ★ 2017年約日量50万バレルのコンデンセートを輸入した韓国は、世界のコンデンセート取扱量の25%を占めている。 2018年の最初の7か月における韓国のコンデンセート輸入用の38%がイランからだった。8月にイランからの輸入を減 らし、米国は韓国のイランからの輸入量を規制の例外として6カ月間だけ日量20万バレルの輸入を許可した。 ★ 韓国は急速に石油化学工業を発展させてきた。コンデンセートは、ナフサ等の石油製品とLPGに分離され、プラス チック等の製造原料となる。韓国ではナフサが石油製品需要の4割以上を占め、国内エネルギー需要の主要ドライバーと なっている。

★ FACTS Global Energy Servicesによれば、韓国は現代化学がDesanのコンデンセートスピッターを2016年末に 導入して以来コンデンセート精製能力を拡大した。2014年から16年の間に三つの大きなコンデンセートスプリッター と軽質原油ブレンド設備を導入している。カタールとイランは韓国に対する大手コンデンセート供給国であった。イラン は2016年以来二番目の供給国で、2017年には日量17万8千バレルのコンデンセートを韓国に供給している。

★イランは2017年コンデンセートの輸出を減らしている。それは、the South Pars油田の改修が行われたためである。 またイランは2018年 Persian Gulf Star油田で二番目のコンデンセートスプリッターを装備したので一時的にイランの コンデンセートが市場にでなくなった。 ★ 韓国は米国よるイラン経済封鎖の例外の解除後を考えて、イランのコンデンセートの代替ソースを探し始めている。 180日の例外期間中の2019年初めには韓国はイランからコンデンセートを輸入するものと思われる。 ★ イランのコンデンセートの代替先はカタールや豪州等が考えられる。また韓国のコンデンセートスプリッターを軽質 原油を使えるように改修し、カザフスタンやロシア、ナイジェリア及び米国からコンデンセートの穴埋めするものと思わ れる。また石油精製設備がナフサを代替として輸入することも考慮している。

韓国のコンデンセート輸入量

(2016年~18年:単位日量千バレ

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★ 2018年12月のEIAによる短期需給予測において、 ブレント原油価格の予測は2018年は71ドル、2019年 は61ドルとした。それぞれ▲2ドル、▲11ドル下方修 正した。また来年のWTI原油価格はブレント原油価格よ り7ドル安いと予想している。10月中旬から原油価格は 下落している。ブレント原油価格は11月1日の71ドル から30日には58ドルまで下落した。(図1)11月の平 均価格は65ドルで、10月より▲16ドル安い。 ★ WTI原油価格は3度、稀なかつ大きな価格下落に見 舞われた。11月中旬に10日連続で、どちらも6から 8%の価格下落であった。2015年~18年までの4年間 に▲33%も下落している。11月の価格は高いボラティ リティーがあった。11月中にImpiedボラティリティー は2倍以上となり、将来の需給に対して不透明性が増し ていた。ブレント価格の高値と安値で測られるRealised ボラティリティーは、2012年以来の大きさの17.349 ドルとなり、WTIは2014年以来の大きさの153.98ド ルであった。

TOPICs 過去最大の生産量が価格を緩ませる

by EIA

(図1)月間原油スポット価格

★ 11月の原油価格の下落要因はいくつか挙げられる。その一つは原油の生産量が米国、ロシア、サウジアラビアと 三大産油国で過去最大になったことがある。イラン原油の大口輸入国は6カ月間の例外が認められたが、11月5日に始 まったイランに対する経済封鎖の再開もその一つの要因であろう。さらに世界経済の成長が今後原油需要の伸びに影響 を与えると思われている。 ★ EIAは米国の原油生産は2019年5月までの間に過去最大を超えると見ている。それが一層原油価格に下向きの圧 力となるだろう。5月から9月までの米国の原油生産量はおおむね横ばいだった。EIAは米国の原油生産量は2018年は 平均日量1,090万バレル、2019年は1,210万バレルとみている。 ★ 12月7日OPEC諸国と一部非OPEC諸国は2019年1月から今年10月の生産量に対して日量120万バレルの減産 を6カ月間することを決定した。これは2019年は供給過剰になるという前提に立ったものであった。その供給過剰の見 通しが市場価格を押し下げている。 ★ 11月の短期需給予測では価格の下方圧力によりは2019年半ばまで続き、世界の石油在庫を減少させるだろうと 述べたが、12月の時点ではEIAは昨今の価格下落とOPECの減産決議により、2019年の需給はバランスすると見てい る。そのため将来の価格はほぼ現状の横ばいだろうと思っている。 ★ EiAは世界の石油在庫は、2018年日量+30万バレル増加し、2019年は日量+20万バレル増加すると見ている。 2019年の世界の原油生産量は日量+140万バレル増加し、米国の増産が他の国ことにOPEC諸国の減産と相殺される と見ている。OPEC諸国は日量▲90万バレル減産すると見ている。一方2019年の世界の原油需要量は日量+150万バ レル増加するとみている。主に中国、米国、およびインドの需要である。 ★ 第三者機関による船舶利用データの示すところによれば、最近船舶上の在庫が増加している。海上在庫は一般的に 石油を保管するには保管コストが高い。こうしたは、積み込んだ石油が売り先が見つからない場合に生じる。あるいは 陸上の保管能力が満杯になった時である。こうした海上在庫の増加が即需給の緩和というわけではないが、一部はイラ ンの経済封鎖により売り先が見つからないという事情もあるかもしれない。EIAはイランの原油輸出量は生産量の伸び以 上に落ち込むと見ている。そうした場合海上在庫が増加する。同様な状況は2012年にも現れた。イランが保管する原 油は図3に示された世界のバランスに反映されているが、詳細なデータは容易には入手できない。

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株式会社コモディティー インテリジェンス4東京都中央区日本橋蛎殼町1丁目11-3-310 会社電話: 03-3667-6130 会社ファックス 03-3667-3692 メールアドレス: kondo@commi.cc 発行元 : 掲載される情報は株式会社コモディティー インテリジェンス (以下「COMMi」という) が信頼できると判断した情報源をもとにCOMMiが作成・ 表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、COMMiは保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもあ りません。 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はCOMMiに帰属し、事前にCOMMiへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修 正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。 COMMiが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。 本資料に掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情などの影響により、その価値を増大または減少す ることもあり、価値を失う場合があります。 本資料は、投資された資金がその価値を維持または増大を補償するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの障害が発生 した場合でも、COMMiは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。 COMMiおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。 原油価格はダウ平均株価とかなり相関して動いている。クリスマス前に急落した米国株は世界の株価を引き連れて下 落した後、反発している。原油価格も休み明けは反発しているが、トレンド的には下落基調が来年も続くものと思われ る。4月のOPEC総会までにOPEC諸国やロシアが減産を順守していることがわかれば、少しは価格は改善するかもしれ ないが、需要面で中国の伸びが一段と低下するものと思われ早急な回復は見込めない。供給面での価格への動きはせい ぜい需給をバランスさせる程度のことであり、供給不足といった事態は現状では考えられない。したがって、原油価格 は弱含みのレンジ相場に終始すると思われる。 石油関係者にとっては、頭の痛い一年であったことだろうが、来年もそれほど明るい展望は描けないのではなかろう か。

今後の予想

本年はご購読誠にありがとうございました。

御蔭様でTOCOM SQUARETVの視聴者も昨年の二倍となり、大きく増加傾向にあります。TOCOMでのReal Trade コンテストは9月からの3か月で5千万円以上の収益を上げた方がいた由、慶賀に存じ上げます。

また来年も商品価格の予測に全力を尽くしたいと思いますので、皆様の一層のご声援よろしくお願い申し上げます。 来年も皆々様のご健康と御繁栄、御多幸を祈念申し上げます。

参照

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