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血液内科とは

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Academic year: 2021

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(1)

血液疾患と無菌エリア

高松赤十字病院 血液内科

脇 房子

2017年5月18日 モーニングセミナー

(2)

BCR(Bioclean room)ってどんなところ?

1立方フィートの空気中に、

0.5μmの塵やほこりが100個以下

である状態。

通常の病室などはクリーン度が30~50万ほど。

Fed.Std.209D 0.1μm 0.2μm 0.3μm 0.5μm 5μm クラス1 35 8 3 1 -半導体工場 クラス10 350 75 30 10 -クラス100 3,500 750 300 100 -精密工場 BCR クラス1,000 35,000 7,500 3,000 1,000 7 クラス10,000 - - - 10,000 70 クラス100,000 - - - 100,000 700 自動車部品工場手術室 ただし今はISO規格に移行されている。クラス100 = ISO 5 相当

(3)

0.5μmって?

(4)

当院の血液病棟

2016年11月 リニューアルOPEN

(5)
(6)
(7)

産生低下による貧血 ・鉄欠乏性貧血 ・慢性疾患に伴う貧血 ・サラセミア ・鉄芽球性貧血 ・慢性腎不全 ・再生不良性貧血 ・骨髄異形成症候群 消費亢進による貧血 ・出血 ・溶血性貧血 ・DIC, TTP ・遺伝性球状赤血球症 ・PNH ・脾機能亢進 etc 多血症 顆粒球系の異常 ・急性骨髄性白血病 ・慢性骨髄性白血病 リンパ球の異常 ・急性リンパ性白血病 ・慢性リンパ性白血病 ・悪性リンパ腫 ・多発性骨髄腫 好酸球の異常 ・アレルギー ・寄生虫 ・悪性腫瘍 etc 血小板産生低下 ・再生不良性貧血 ・白血病 ・無効造血(MDS,PNH) ・薬剤性 ・骨髄抑制 ・肝硬変 ・ウイルス 消費亢進、分布異常 ・免疫性(ITP、膠原病) ・TTP, HUS ・DIC ・体外循環 血小板機能異常 ・Bernad-Soulier, etc 凝固異常 ・血友病 ・DIC etc

(8)

BCRではどんな治療がされている?

免疫

腫瘍

感染症

闘い 抗がん剤 分子標的治療薬 造血幹細胞移植 免疫抑制剤 抗菌剤 抗真菌剤 抗ウイルス剤

(9)

白血病の治療・治療目標

寛解導 入療法 地固め療法 (強化維持療法) 顕微鏡下検出限界 PCR法検出限界 再 発 血液学的 完全寛解 分子生物学 的完全寛解 治 癒 完全寛解 治療後の時間経過 体 内 白 血 病 細 胞 数 1012 1010 108 106 104 102 100 移植

(10)

症例1) AML-M2 20歳代

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 9/16 9/23 9/30 10/7 10/1410/2110/28 11/4 11/1111/1811/25 12/2 12/9 12/16 WBC (/μl) 地固め1 前処置 寛解導入 菌血症 Asp 肺炎 AML1/MTG8 (copy/μRNA) 88万 1.6万 3200 1700 150 1000 芽球 80% 19% 3% 3% 3% 3% 3% 3週間 2週間 2週間 CRP (mg/dl) 地固め2 地固め3 2週間 3週間 FN CD腸炎 移植 髄注 FN L-ampB MEPM 精 子 保 存 MEPM FN 下顎骨炎 M➡DRPM VCM➡C VRCZ イ ン フ ル エ ン ザ MCFG MEPM VCM MCFG FN MEPM➡DRPM VCM MCFG 免疫抑制剤 FK506 完全ドナー キメリズム CMV腸炎 GCV 0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月

免疫

腫瘍

感染症

ドナー 検索開始

(11)

発熱性好中球減少症(FN)の初期治療

発熱性好中球減少症診療ガイドラインより

(12)

化学療法における感染対策

抗癌剤

7日目

14日目

21日目

血球数

発熱

ウイルス

β-D-glucan

抗原

CTなど

細菌培養

生検など

予防投与

Empiric治療

Presumptive治療

Preemptive治療

Targeted治療

(13)

CNS n=74 (50%) グラム 陽性球菌 n=33 (22%) グラム 陰性桿菌 n=20 (14%) 真菌 n=3 (2%) グラム 陽性桿菌 n=17 (12%) MRSA レンサ球菌 腸球菌 緑膿菌 大腸菌 Bacillus Spp.

造血器悪性腫瘍患者における菌血症の内訳

血液患者において CNSはコンタミでは ないことが多い! FNの 4人に1人は 菌血症

(14)

クリーンルームは本当に無菌?

• アスペルギルス肺炎は有意に減少。

• 埃に乗っている細菌などは多少防げるが・・

• 感染症の大半は口腔内や腸管の常在菌

(15)

「無菌室」と呼ばれている病室は、特別な空調設備 (高性能フィルター)を使用して、きれいな空気を循環 させている病室です。特に、カビの一種である「アス ペルギルス」を除去し、 アスペルギルス肺炎を予防する効果があります。 「無菌室」という名前のため、誤解されやすいですが、 決して菌のいない部屋ではありません。

(16)

60歳代 自家末梢血幹細胞移植

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 35.5 36 36.5 37 37.5 38 38.5 39 39.5 40 -8 -3 2 7 12 17 22 27 32 37 42 79 喀血 体温(度) WBC(/μl) day 移植 FLCZ ME PM VCM 抗菌薬 抗真菌薬 CFPM DRPM VRCZ MCF G L-AMB 2.5mg/kg L-AMB 5mg/kg 前処置: LEED療法 節外性NK/T細胞リンパ腫-鼻型 SMILE療法 4コース後 PR 既往歴)2型糖尿病、アルコール性肝硬変

(17)

大脳、脾臓にも病変を認める。

播種性ムコール症

と診断。

便培養、喀痰培養から

Cunninghamella sp.(ムコールの一

種)が同定された。

※経過中、β-Dグルカン、Asp抗原は陰性で あった。 ムコールのrisk factor:リンパ腫、DM、アルコー ル、副鼻腔病変 etc

Hyphae in lung tissue, hematoxylin and eosin stain. Courtesy of www.doctorfungus.org. Copyright ©2007.

培養検査を繰り返 すことが大切!

(18)

血液悪性腫瘍患者の感染症

 発熱性好中球減少症(Febrile neutropenia;FN)

→口腔粘膜や腸粘膜からのBacterial translocationが多い;

MRCNS, 腸球菌, E.coli, etc.

 カテーテル関連菌血症(CR-BSI)

→MRCNSが最多

 侵襲性肺アスペルギルス症

 ムコール症

 カンジダ肝膿瘍

監視培養で菌 は想定可能 口の中はいつもきれ いにしてくださいね!

(19)

血液内科 三種の神器

マルク

髄注

CVC

||

骨髄穿刺

||

腰椎穿刺

(20)

骨髄穿刺(マルク)

顕微鏡を自分で見て、

診断と治療効果判定

ができる。

(21)

腰椎穿刺&髄注

髄腔内に投与できる 抗がん剤

メソトレキセート;MTX シタラビン;AraC

(22)
(23)

血球の分化と骨髄系腫瘍

造血幹細胞 骨髄系幹細胞 CFU-GEMM CFU-GM BFU-E CFU-Meg 骨髄芽球 前骨髄球 好中球 単芽球 単球 赤芽球 赤血球 慢性骨髄性白血病 骨髄異形成症候群

M0

M4

M2

M3

M1

網状赤血球

M6

M7

巨核球 血小板

M5

骨髄系細胞

急性骨髄性白血病

(24)

血球の分化とリンパ系腫瘍

造血幹細胞

リンパ系幹細胞

pre-pre-B pre-B immature B mature B 形質細胞

pre-T early-T mature-T,T-suppressor mature-T,T-helper common-T

リンパ系細胞

Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫, NOS

Tリンパ芽球性白血病/リンパ腫, NOS

成熟Bリンパ球 成熟Tリンパ球

悪性リンパ腫

多発性骨髄腫

慢性リンパ性白血病 バーキットリンパ腫

(25)

急性骨髄性白血病

遺伝子変異による予後の層別化

(26)

AML発症に関わる遺伝子

IJH 2013; 97: 165 • CBF-AMLでもKIT, FLT3を 併せもつ症例は予後不 良。 • CN-AMLでNPM1変異は 寛解導入に良好な因子 • FLT3-ITD変異は予後不 良 • CEBPA変異+NPM1変異 +FLT3-ITD変異陰性は 予後良好 (NCCNガイドライン) M4 M3

遺伝子異常の発見と予後予測により、

分子標的療法や同種造血幹細胞移植などの

個別化治療が今後有用となる可能性が高い。

(27)

CR到達患者でのHLA適合ドナーの

有無による無再発生存率の違い

N Engl J Med 2008; 358:1909

Mutant NPM1 without FLT3-ITD

→同種骨髄移植での治療成績

向上が得られない。

Other Genotypes

→同種骨髄移植により治療成績

向上が得られる。

(28)

AMLの予後分類(NCCNガイドライン)

染色体核型

遺伝子異常

予後良好群

inv(16), t(8;21), t(15;17)

(付加的染色体異常の有無を

問わない)

CN-AMLにおけるNPM1変異

CN-AMLにおけるCEBPA変異

(いずれもFLT3-ITD変異陰性)

中間群

正常核型, +8, t(9;11),

その他の予後良好にも不良にも属

さない染色体異常

t(8;21), inv(16)患者に

おける c-kit 異常

予後不良群

複雑核型 (3個以上の異常),

-5, -7, 11q23異常(t(9;11)を除く),

inv(3), t(3;3), t(6;9), (9;22), 5q-,

7q-正常核型における

FLT3-ITDのみの異常

(29)

同種造血幹細胞移植の適応

AMLでは予後中間~不良患者で適応。

染色体異常、遺伝子変異、寛解の有無等

総合的に判断。

ある一定の確率で治癒 or 長期生存が望

める。

抗がん剤が全く効かない患者の一部で同

種免疫効果によりミラクルが起こり得る!

移植医の 醍醐味・・

(30)

症例2) 30歳代 急性リンパ性白血病

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 8/15 8/22 8/29 9/5 9/12 9/19 9/26 10/3 10/10 10/17 10/24 10/31 11/7 11/14 11/21 11/28 WBC blast WBC (/μl) PSL PSL

JALSG ALL97 clo clo TBI/AraC/CY

Hyper-CVAD 菌血症 腸炎 骨痛 腫瘍熱 骨痛・DIC FN 髄注 髄注 骨髄中芽球(%) 95% 56% 56% 1M 2M 3M 4M 非寛解移植へ

(31)

症例2) 30歳代 血縁者間末梢血幹細胞移植

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 11/21 11/28 12/5 12/12 12/19 12/26 1/2 1/9 1/16 1/23 WBC CRP WBC (/μl) FK506 移植 clo TBI 生着症候群 mPSL40mg VOD AraC CY 腎障害 菌血症 肺炎? CF 高熱 傾眠 ATG 下痢 RRT → → CMV?→ → TMA?GVHD? →下血 Bil上昇 CRP (mg/dl) -15 -7 0 7 14 21 28 35 42 49 骨髄 体重増加 day

退

(32)

症例2) 骨髄像

移植後day30

移植前

初発時

初回化学療法後

完全ドナーキメラ!

移植後半年

完全寛解を維持し

外来通院中

(33)

骨髄移植の歴史

2004年 上映 1968年 HLAの発見によりThomasらが最初の骨髄移植 1974年 日本で最初の骨髄移植 1986年 「世界の中心で、愛をさけぶ」主人公が白血病 1988年 四国で最初の骨髄移植(香川医科大学) 1991年 日本骨髄バンク 設立 1993年 骨髄バンクを介した移植の第1例 1997年 高松赤十字病院で最初の血縁者間移植 2002年 香川医科大学が骨髄バンク認定移植施設に 2010年 高松赤十字病院が臍帯血バンク認定移植施設に 2011年 高松赤十字病院が骨髄バンク認定移植施設に

(34)

高松日赤の移植の歴史

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 臍帯血 血縁 非血縁 四国 No.1 四国 No.1 骨髄バン ク施設に 臍帯血バ ンク施設に

(35)

移植

骨髄 末梢血幹細胞 臍帯血 患者 ドナー HLA適合 ドナー検索 造血幹細胞採取 移植

(36)
(37)
(38)

同種幹細胞移植の目的

1. 強力な移植前処置による抗腫瘍効果

2. 生着したドナーリンパ球による同種免疫

(39)

GVHD(Graft-versus-Host disease)と

GVL効果(Graft-versus-Leukemia effect)

GVHDが強いほど

再発が少ない

⇒GVL効果が強い

Horowitz, et al.

(40)

急性GVHD

皮膚Stage 1

皮膚Stage 4

Stage 4 (水泡)

(41)

GVHDとGVLのバランスをとるのは難しい

GVL

GVHD

ドナーの免疫反応による

抗腫瘍効果

ドナーリンパ球による

組織障害

GVL効果は、単純で同一の現象がみられるわけではな く、多くの場合は患者とドナーの遺伝的相違の数や種 類、移植片のソース、構成、ドナー造血細胞の処理方 法、患者の腫瘍タイプに依存する。

(42)

チーム医療

看護師 リハビリ 栄養士 口腔ケア HCTC 臨床工学士 医師 臨床心理士 専門看護師 MSW 薬剤師 臨床検査技師 研修医

(43)
(44)
(45)
(46)

血液内科の魅力

診断から治療まで一貫して行い

腫瘍、感染症、免疫を網羅でき

チーム医療で日々楽しく

臨床が研究につながり

そして何よりも

ひとりの白血病患者さんを治す喜びは

何者にも代え難い。

(47)

新東館ができたら・・・

参照

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