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「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」第18回の議事概要について

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1 2018 年 1 月 18 日 日本銀行決済機構局 「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」第 18 回の議事概要について 日本銀行は、「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」の第18回会合を2017年12月 14日(木)に開催しました。議事概要および資料等につきまして、別紙のとおりお知ら せします。 以 上 (本件に関する照会先) 日本銀行決済機構局 決済システム課 【電子メール】post.pssd57@boj.or.jp 【電話】03-3277-1173 ※ 件名は、「協議会に関する質問の件(法人名)」としてください。

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2 (別紙) 「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」第 18 回会合の議事概要 Ⅰ.日 時 2017 年 12 月 14 日(木)16:00~17:10 Ⅱ.場 所 日本銀行本店会議室 Ⅲ.参 加 者 別添 1 のとおり Ⅳ.議 題 (1)前回協議会までの議論 (2)日銀ネット端末の国外設置(グローバル・アクセス)に ついて ―― グローバルベースでの事務処理態勢の構築に向けて (3)円建て顧客送金に関する今後の取組みについて (4)フェーズⅡ(更なる稼動時間の拡大)に向けて ―― フェーズⅠの利用状況、外部環境の変化等 (5)事務連絡 Ⅴ.議論の概要 1.開会挨拶(日本銀行 桑原理事)  日銀ネットについては、平素より安定的な運行に協力を頂くとともに、その 有効活用に向けて様々な取組みを積極的に進めて頂いており、改めて厚く御 礼を申し上げる。  本年 4 月に開催された前回会合では、①日銀ネット端末の海外設置を可能と するグローバル・アクセス、②事業法人向けのクロスボーダー円建て決済 サービスに関する今後の取組みについて、議論を頂いた。  その後、グローバル・アクセスについては、日本銀行において所要の準備を 進め、本日より、利用申請を受け付けることとした。これまでのところ、国 内での業務継続が困難になった際のバックアップのために、活用を検討した いとの話を伺っている。昨今、業務継続に関して、より幅広いリスクへの備 えが求められる状況にあり、こうした観点から積極的に関心を寄せて頂いて いることは、大変心強く思っている。グローバル・アクセスについては、グ ローバルな事務処理体制の高度化を進める際のツールとして、是非とも、積 極的に活用頂ければと考えている。  また、円建て顧客送金の活性化や稼動時間に関する「フェーズⅡ」(更なる

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3 稼動時間の拡大)に関し、前回までの議論やその後の取組みの状況を踏まえ、 ご意見を頂ければと思う。  この協議会での議論が、日銀ネットの有効活用に繋がり、決済の効率性や安 全性の一層の向上に寄与することを期待しており、本日も積極的に意見を頂 くようお願いを申し上げ、私からの挨拶とさせて頂く。 2.前回会合までの議論 ○ 日本銀行より、前回(第 17 回会合)までの議論について、資料(別添2) に沿って概略を説明。 3.「日銀ネット端末の国外設置(グローバル・アクセス)」について ○ 日本銀行より、同日に利用申請の受付を開始した「日銀ネット端末の国外 設置(グローバル・アクセス)」の具体的な利用要件や承認審査にあたっての ポイント、活用を検討中の金融機関において想定されている利用目的等につ いて、資料(別添3)に沿って説明。 ○ その後、自由討議が行われた。概要は以下の通り。  日銀ネット端末の国外設置については、従前より要望させて頂いていた事項 であり、今回対応頂いたことに感謝申し上げる。既に一部の先から、BCP 目的を中心とした活用につき、日本銀行に相談が寄せられていると聞いてい る。今後、グローバル・アクセスの利用や日銀ネットの稼動時間の拡大等に よる日銀ネットの利便性や利用シーンの拡大を通じて、円の国際化が推進さ れることで、短期金融市場も発展していくことを期待している。  当社としては、ご紹介のあったようなBCP目的での利用を想定した場合で も、サポート体制が日本語に限られる現状では、なかなか利用に向けた検討 を進めることは難しいと捉えている。もっとも、今後のBCP体制の拡充余 地を考えた場合、グローバル・アクセスの承認審査にどの程度の期間を要す ると見込んでいるか参考までに確認したい。  (日本銀行より)利用申請を頂いてから実際にご利用頂くまでの期間は、端 末を設置する国や地域による違いのほか、事務処理態勢の審査内容等により 幅があるが、標準的には 15 週間程度と考えている。事務処理態勢を審査す るプロセスと、ネットワーク回線を延伸する工事を併せて、同程度の期間が 必要となる見込み。  グローバル・アクセスについて、BCP体制の強化に向けた導入を考えてい る。当行では、極度の流動性ストレス下においても、中央銀行の決済システ ムへのアクセスを常時確保することが、重要な課題と認識されてきた。

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4 グローバル・アクセスの利用により、例えば、自然災害時等において、国内 のBCP拠点への交通網が遮断された場合でも、海外の拠点から日銀ネット の機動的なオペレーションが可能となる。BCP体制のレジリエンスの観点 から、非常に有効な手段を確保できると認識している。また、私どものグルー プ会社にとっても、緊急時の円資金の流動性確保に繋がる利点がある。  (日本銀行より)グローバル・アクセスは、本日、利用申請の受付を開始し たところ。国内拠点での検討や国外拠点との調整も含めて、今後、活用に向 けた検討を進めていかれる段階かと思う。その中で、不明な点があれば、決 済機構局まで何なりと相談頂きたい。 4.「円建て顧客送金に関する今後の取組み」について ○ 日本銀行より、前回会合時に取り決めた 3 つの柱(日本銀行、金融機関、 円建て顧客送金WGの三者の取組み)に沿って順に説明。日本銀行の取組み として、2017 年 6 月の日銀レビューの公表や雑誌への寄稿、対外的な講演・ プレゼンテーションの実施状況等を紹介。 ○ 続いて、金融機関の取組み(事業法人との対話やニーズ・課題に応じた提 案)について、代表メンバーより、以下の通り説明を頂いた。  日銀ネットの有効活用については、日銀ネットの拡大時間帯における取引活 性化という大命題があり、業界全体として、特に円建て顧客送金での利用を 促進していくことが必要。この点、日本銀行が行った事業法人アンケートに より、業界全体として、多くの顧客と直接対話を行う機会を得られ、感謝申 し上げる。当行でも、多くの顧客から貴重な意見を頂いたため、参考までに 紹介させて頂く。 まず、事業法人である顧客は、日銀ネットに直接接続していないため、今回 のアンケートを通じて、日銀ネットの存在を初めて知った先も多かった。こ のため、稼動時間の拡大について認識しておらず、拡大時間帯における送金 利用についても、イメージが湧き難いとの意見が多数あった。その中で、事 業法人から聞かれた声は、主に次の 4 点に集約できる。 1 点目としては、夕方・夜間に円建てクロスボーダー決済を行えるとしても、 現時点では、日常的に利用するニーズは見えていないとの声が聞かれた。こ れは、国内向けの送金について、日本時間の夜間に送金できるメリットはあ るものの、夜間に国内側で着金しても資金の活用ニーズが見出し難いとの意 見である。 2 点目として、海外向けの送金については一定のニーズが確認された。例え ば、海外支店や海外子会社の当日の資金繰りの観点から、日本時間の夜間に 即時送金できるのであれば、活用したいとの声が聞かれた。また、当日着金

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5 が確実に出来るのであれば、月末や期末日の締め処理タイミングには有効と の指摘も聞かれた。 3 点目として、国内への円資金の集中といったキャッシュマネジメントの観 点からの活用については、企業規模別でみると、大企業では資金が余剰気味 であることから明確なニーズがみられ難かった一方、中堅企業からは、グ ループ全体の資金効率の向上が図れるとの声が聞かれた。 4 点目として、夜間の事務体制整備や要員確保について、ほとんどの顧客か ら対応が難しいとの声が寄せられた。もっとも、この点については、来年予 定されている全銀システムの 24 時間 365 日稼動が開始されれば、社内外で 体制整備が進み、日銀ネットの拡大時間帯におけるクロスボーダー円建て送 金も増加していくのではないかとの意見が寄せられた。 最後になるが、円建て顧客送金の活用に向けた取組みは、業界全体の足並み を揃えて進めていかないと、なかなか浸透しないとの指摘も頂いている。顧 客との対話を通じ、本WGを中心に業界全体として取組みを進めていく必要 があると実感した次第。業界全体で、日銀ネットの拡大時間帯の認知度を高 めていくことが重要であると考えており、本日事務局よりご提案頂いている WGの情宣資料の作成(後述)については、こうした方向感に資するもので あるため賛同する。 ○ その後、日本銀行より、円建て顧客送金WGの今後の取組みとして、金融 機関が顧客と対話する際に活用頂くための情宣資料について説明(別添4)。 参加者より同WGの資料として策定することに同意を得た。 5.「フェーズⅡ(更なる稼動時間の拡大)」に向けて ○ フェーズⅡ(更なる稼動時間の拡大)に向けて、フェーズⅠにおける夜間 時間帯の取引状況や環境変化について、討議が行われた。概要は以下の通り。  フェーズⅠの利用状況について、カストディアンの立場から紹介すると、 2016 年度の取引件数は増加がみられたが、2017 年度は概ね横ばいといった ところ。利用目的では、ICSD経由の取引のリカバリー目的で活用される 例が多いとみている。今後の取組み方針として、まずはフェーズⅠにおける JGB取引の有効活用策を検討し、同取引を活性化していく必要があると考 える。  当社では、フェーズⅠの開始以降、担保の最適化の観点からJGBを欧州拠 点で利用しており、欧州時間帯において、担保の入替えや担保の差入れ先の 変更が効果的に行えるようになってきた。従来では対応が難しかった欧州時 間におけるICSD間の担保の移動が可能となり、JGBの効率的な利用に 繋がっている。

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6  当社では、欧州拠点での担保利用や自社取引にJGBを活用しており、日本 時間の夜間において、ICSDや日銀ネットの決済を利用。例えば、昨日も 東京時間で照合不一致となった取引に関し、ロンドン時間入り後、具体的に は東京時間 18 時頃にリカバリー取引を行った。こうした取引は、従来であ れば難しかったところ、稼動時間の拡大に伴う安心感の醸成やマーケットで の共通認識の広がりにより、実現可能になってきていると認識。 来年 5 月には、JGBの決済期間短縮化により、T+0決済のレポ取引が開 始され、担保玉の確定時刻が当日の遅い時間帯に後ズレすることから、拡大 時間帯におけるJGBの決済が増加すると予想している。この点、日本時間 の夜間に決済が行える安心感が、レポ取引における担保繰りの自由度を高め るほか、JGBの担保としての利用価値の向上に寄与する。今後も、稼動時 間の拡大に向けて、欧州拠点でのJGBの利用を含め、日銀ネットの有効活 用に向けた取組みを進めていきたいと考えている。  クロスボーダー円建て顧客送金につき、日銀ネットを利用する取引かどうか にかかわらず顧客と対話を行っているが、現状では、日銀ネットでの取引件 数の増加はみられていない。その背景として、顧客が利用方法をイメージ出 来ていないほか、事務処理体制整備の難しさがある。現在、内為取引におい ても夜間の事務処理体制の整備が行えていない中、外為取引のために体制を 整えることは難しいと想定される。 この点、来年には、全銀システムの 24 時間化が実施され、夜間決済に顧客 の注目が集まる可能性があるため、クロスボーダーの円建て顧客送金につい ても活性化することを期待している。 ○ 最後に、日本銀行より、フェーズⅡ(更なる稼動時間の拡大)を展望して いく上では、次の 3 点を念頭に置きつつ、金融機関の皆様と意見交換を続け ていきたい旨を説明。 ①フェーズⅠでの利用状況、フェーズⅡに関する金融機関の利用ニーズおよ び稼動時間延長への対応可能性 ―― 引き続き、夜間における利用状況や金融機関の利用ニーズの変化 などを認識していく必要 ②円滑な決済の確保という中央銀行の使命に基づく決済インフラの提供 ―― 例えば、平時ではなく、災害や市場における大きなショックなど、 異例な事態も念頭において、中央銀行としてどのような決済インフラ を提供していくべきか、という観点 ③海外決済システムの動向 ―― 現在、ECBやBOEを始め主要な中央銀行が、決済システムの

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7 大規模なリニューアルを進行中。金融取引や決済分野のグローバル化 が一段と進んでいく中で、日銀ネットの稼動時間のあり方も、こうし た海外の動向も念頭において考えていく必要 6.閉会挨拶(日本銀行 山岡局長)  決済システムというネットワーク性を持つインフラは、理論的にみても、サ ブオプティマルな均衡が生じやすい。  その理由の一つとしては、既存の制度や実務をベースに現状が構築されがち であることが挙げられる。本日の議論で、「夜間の事務体制構築の難しさ」 等を指摘する意見を頂いたように、既にできあがっている現状の実務を変え るのは、難しい面がある。また、制度についても、「国内へ夜間送金を行っ ても、その資金をどう利用すればよいのか」といった問題が生じるのは、資 金を夜間に運用する手段や、そのための制度が未整備であることに起因して いるように思う。このように、「既存の制度や実務を変えることのサンクコ スト」が、サブオプティマルな均衡が生まれがちな一因となる。  もう一つの要因として、「ネットワーク外部性」も挙げられる。すなわち、 一人だけで現状を変えることは難しい、ということである。例えば、一つの 商店だけでキャッシュレス化を進めても、その商店は現金を利用したい客を 失うリスクがある。このような中では、利害関係者が足並みを揃えて対応を 行わないと、より良い均衡に移行することは難しい。  このような、決済インフラが、「サブオプティマルな均衡」に陥るリスクは、 日本の決済インフラが「ガラパゴス化」し、海外の決済インフラに後れを取 るリスクにも繋がり得る。このような帰結にならないよう、中央銀行として、 常にアンテナを高く張っておく必要がある。  同時に、中央銀行の提供する決済インフラは、広い意味での国民経済のリ ソースを利用して運営している。したがって、中銀のインフラ提供は、国民 経済の役に立つものである必要がある。すなわち、利用先のニーズに応え、 金融の安定性や効率性に資することが求められる。  この点に関連して、本日の議論でも「担保の効率的な利用」というお話を頂 いた。ECBの vision2020 というプロジェクトでも、「担保の効率的利用」 は、その「3 つの柱」の一つと位置付けられている。「担保の効率的利用」 は、安全資産が潤沢である間はその重要性がさほど意識されないが、安全資 産が希少になってくると、非常に重要な問題となる。このような「担保の効 率的な利用」や、本日も話題に上がった「BCP体制の強化」といった、金 融の安定性に資する取組みが民間イニシアチブにより進められていること は、大変心強く感じた。

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8  決済システムの発展に向けて、利用先の皆様を置き去りにして日本銀行が先 に進むのは、健全な姿ではない。むしろ、利用先の皆様から中央銀行を「突 き上げて」頂く姿が、最も望ましい。その観点では、「グローバル・アクセ ス」は、まさに日銀ネットを利用される皆様からご要望を頂き、これに日本 銀行が対応したものであり、健全な対話の成果といえるように思う。  今後とも、日本の金融市場全体を盛り上げていくため、皆様の側から、是非 中央銀行のインフラについて、「もっとこうしたことができるようにして欲 しい」と、日本銀行を突き上げて頂きたい。さらに、只今申し上げた「ネッ トワーク外部性」の問題を克服し、日本の決済インフラをよりオプティマル (最適)な状態に近づける上では、やはり、関係者間の対話が非常に重要と なる。ぜひとも、本日のような対話の機会を続けさせて頂き、このような皆 様との健全な対話の成果を、日本の決済インフラの改善に最大限活かしてい きたいと考えている。今後とも宜しくお願いしたい。 7.今後の予定 ○ 日本銀行より、次回会合は 2018 年上半期中の開催を予定している旨連絡。 以 上

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2017年12月14日(木) (於 日本銀行 大会議室B) 日本銀行(事務局) 日本銀行(事務局) 日本銀行(事務局) 日本銀行(事務局) 日本銀行(事務局) 日本銀行(事務局) 信託協会 国際銀行協会 日本証券業協会 み ず ほ 銀 行 三 井 住 友 信 託 銀 行 シ テ ィ バ ン ク 、 エ ヌ ・ エ イ 日 本 銀 行 ( 事 務 局 ) 短資協会 全国地方銀行協会 第二地方銀行協会 J P モ ル ガ ン ・ チ ェ ー ス 銀 行 香 港 上 海 銀 行 シ テ ィ グ ル ー プ 証 券 短期金融市場取引 活性化研究会 全国銀行協会 日 本 銀 行 ( 事 務 局 ) 全国信用金庫協会 J P モ ル ガ ン 証 券 野 村 證 券 農 林 中 央 金 庫 バークレイズ銀行 ニューヨークメロン 銀行 り そ な 銀 行 三 菱 U F J 信 託 銀 行 ゴ ー ル ド マ ン ・ サ ッ ク ス 証 券 クレディ・アグリコル証券 バークレイズ証券 ドイツ証券 オーストラリア・ コモンウェルス銀行 モ ル ガ ン ・ ス タ ン レ ー M U F G 証 券 み ず ほ 証 券 大 和 証 券 S M B C 日 興 証 券 三 菱 東 京 U F J 銀 行 三 井 住 友 銀 行 ス タ ン ダ ー ド チ ャ ー タ ー ド 銀 行 (別添1)

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前回協議会までの議論

2017 年 12 月 14 日

日本銀行決済機構局

日銀ネットの有効活用に向けた協議会 第 18 回資料 (別添2)

(11)

協議会・WGにおけるこれまでの議論<ポイント>

 協議会第 16 回会合(昨年 9/29 日)では、次のとおり、各WGにおいて、今後の検討課題・対応案

および共通理解が取り纏められた。

(a)「「円と JGB のグローバルな有効活用 WG」における検討課題・対応案」 ―― 「グローバルな事務処理態勢の構築にかかる検討」として「海外拠点から日銀ネットをオペレーションする 必要」が挙げられている。また、「さらなる稼動時間拡大」については、「実現時期の議論とは切り離して、 仮に実現するとした場合に、考慮すべき課題について議論」と整理。 (b)「「円建て顧客送金・銀行間送金 WG」における検討課題・対応案」 ―― 「潜在需要の掘り起こし・取引活性化」が課題として挙げられ、「各金融機関等において国内外での情宣を 如何に進めるか、検討」と整理。 (c)「「クロスボーダー決済インフラ WG」における議論のポイント(共通理解)」

 これを受けて、協議会第 17 回会合(本年 4/21 日)では、上記の対応案に沿って、以下の取組みを

推進していくことが決定。

(1)グローバルベースでの事務処理態勢の構築に向けて

グローバル・アクセス(国外拠点に日銀ネット端末を設置して国外から日銀ネットの利用を可能とすること)を 活用して、グローバルベースでの事務処理態勢の構築に向けた検討を進めていく。

(2)円建て顧客送金の活性化に向けて

「事業法人向けクロスボーダー円建て決済サービスに関するアンケート調査」により確認された潜在的なニーズ に対して、以下の3つの柱により、取組みを進めていく。

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(a)日本銀行 ―― アンケート結果を活用したさらなる情報提供 (b)各金融機関 ―― 潜在ニーズを有する事業法人との対話およびニーズや課題に応じた提案 (c)円建て顧客送金・銀行間送金WG ―― 潜在ニーズを有する事業法人の割合が高いと考えられる業界団体との意見交換、個別行では解決でき ない課題等に関する議論・検討

 協議会第 18 回(本日)に向けて開催された各WGでは、以下の3点について議論を頂いたところ。

(1)グローバル・アクセス

受付開始に向けた利用要件や審査ポイントに関する日本銀行のリリース資料(11/13 日)を踏まえた、グローバ ルな事務処理体制の構築に向けた活用余地

(2)フェーズⅡ(更なる稼動時間の拡大)に向けて

フェーズⅠの利用状況や外部環境の変化、想定される取引例

(3)円建て顧客送金の活性化に向けて

各主体(日本銀行、各金融機関、円建て顧客送金・銀行間送金WG)の取組み内容について共有し、円建て顧客 送金・銀行間送金WGとして、事業法人向けの情宣資料を策定

(13)

海外市場との決済時間帯の重なりが増えることで、 クロスボーダーの資金・証券決済が迅速化 決済リスク削減、資金・担保効率向上を通じ、わが 国決済全体の安全性・効率性向上や金融市場の活 性化、金融機関の企業向け決済サービス等の高度 化にも資する。

「新日銀ネットの有効活用に向けた協議会」報告書

(2014 年3月)

の概要

<外部環境>

<稼動時間拡大の意義>

<夜間における有効活用の具体例>

 協議会では、下記の具体例について、実現に向けた実務的な論点を抽出し検討。その結果、いずれも稼動時間拡大 の実施時期までに対応可能との認識をメンバー間で共有。

<稼動時間の拡大幅と実施時期>

 上記の環境認識や、稼動時間拡大の意義・想定される取引類型を踏まえると、できるだけ早期の 21 時までの稼動時間拡大 の実現が望ましい。もっとも、第2段階稼動開始の予定時期には債券税制の見直しも予定され、金融機関において大きなシ ステム対応や事務フローの変更が発生することから、稼動開始当日から一定期間経過後に実施することが考えられる。

アジア等への本邦企業の進出 → クロスボーダーの資金決済ニーズが拡大

本邦金融機関の海外貸出等の増加 → 安定的な外貨調達のニーズが増大  非居住者の日本国債保有の増加 → 日本国債のカストディ・サービスの余地  店頭デリバティブ等の国際的な規制の導入 → 優良担保としての日本国債の重要性 ① グローバルベースでの日本国債の有効活用 → 欧州市場での日本国債を担保とした外貨調達や、欧州の清算機関・取引相手とのデリバティブ担保の機動的な受払等 ② 海外との円建て顧客送金の迅速化 → アジア夕刻や欧州午前中の本邦企業の海外拠点等からの送金依頼の当日中処理や資金のプーリング・サービスの提供

参 考

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日銀ネットにおける稼動時間拡大のロードマップ

フェーズⅠ

(2016 年 2 月 15 日~)

フェーズⅡ~

(外部環境) ◇新日銀ネット第 2 段階の稼動開始(2015 年 10 月) ◆ユーロクリアの稼動時間拡大(2014 年 1 月) ◆流動性規制(LCR)の導入(2015 年 3 月~) ◆清算機関を利用しないデリバティブ取引に 対する証拠金規制の導入(2016 年 9 月~) ◆債券税制見直し(2016 年 1 月) ◆CLS による同日決済の対象通貨 拡大に向けた検討(2014 年~) ◆JGB アウトライト決済の T+1 化(2018 年度上期)

欧州の取引での JGB 担保差入・返戻(清算機関向け、相対) 米国の取引での JGB 担保差入・返戻(清算機関向け、相対) 2019 年にフル適用 即日物為替スワップ(欧州市場) 海外との円建て顧客送金(顧客口座への入金) 夜間の円資金決済代行 即日物為替スワップ(米国市場) 海外との円建て顧客送金(銀行間資金取引) 非居住者との JGB 取引におけるフェイル解消 ・当預系・国債系ともに 21 時まで拡大 ・フェーズⅠでの利用状況等を踏まえた追加的な拡大の可能性 ―― グローバルベースでの事務処理態勢の整備や、海外拠点からの 日銀ネットへのアクセス等が検討課題 ( 利 用 イ メ ー ジ ) 【 国 債 系 】 【 当 預 系 】 取引規模 (件数・先数) のイメージ (段階的に適用) . . . 2020 年にフル適用

(15)

主な海外中銀の資金決済システムの稼動時間

稼動時間(現地時刻) 日本との時差 8:30~21:00 ― 前日21:00~18:30 -14 前日19:30~18:00(注1) -8 6:00~18:00 (注2) -9 9:00~翌日8:30 +4 8:30~18:30(注3) -1 8:30~20:30 -1 9:00~20:00 -1 (注1) (注2) (注3) (注4) (注5) 21 0 3 6 9 3 6 9 12 15 18 13 16 19 日本 (日銀ネット) (前日) (当日) 13 16 19 22 1 米国 (Fedwire) (前日) (当日) 19 22 1 4 7 10 12 15 18 21 0 英国 (CHAPS) 22 1 欧州 (TARGET2) (当日) 18 21 0 3 6 9 4 7 10 13 16 19 4 7 10 13 ニュージーランド (ESAS) (当日) (翌日) 7 10 13 16 19 22 1 17 20 23 2 5 8 (当日) 2 5 8 11 14 23 2 5 8 中国 (CNAPS<HVPS>)(注4) 香港 (HK CHATS) (当日) 2 5 8 11 14 17 20

China National Advanced Payment System(CNAPS)のうち、大口決済システム(High-Value Payment System<HVPS>)。 人民元クロスボーダー決済システム(Cross-border Interbank Payment System<CIPS>)。

中国 (CIPS)(注5) 前日19:30~前日22:00および1:00~6:45は、民間決済システムのバッチ処理専用時間帯。また、6:45~7:00および22:00~翌日1:00は、メンテナンスのため使用不可。 2016年6月20日より稼動終了時刻が16:20から18:00に延長。 人民元決済の稼動時間は8:30~翌日5:00。 (現地時刻ベース<欧米冬時間、オセアニア夏時間>、T日決済分) T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日 T日

(16)

1 2017 年 11 月 13 日 日 本 銀 行 日銀ネット端末の国外設置(グローバル・アクセス)の受付開始について 日本銀行は、本年 4 月 21 日、日銀ネット端末の国外設置(グローバル・アクセ ス)(注)を認める方針であることを公表しましたが、今般、利用金融機関等からの 利用申請の受付を、12 月 14 日より開始することを決定しましたので、利用要件 の概要や審査のポイントと併せて公表します。 (注)日本銀行金融ネットワークシステム(「日銀ネット」)の利用金融機関等に対し、 国内拠点に加えて、国外拠点にも日銀ネット端末を設置し、国外から日銀ネット の利用を可能とすること。 グローバル・アクセスは、①国外拠点における通常業務のほか、例えば、②業 務継続体制の強化、③事務拠点の集約といった目的でも活用が可能です。既に国 外からのアクセスが可能な日銀ネットのコンピュータ接続と比較して低コストで 利用が可能なこともあり、グローバルな事務処理体制を構築する有効な手段とな り得るものです。 利用金融機関等の皆様には、こうした点も踏まえ、グローバル・アクセスを有 効にご活用頂くとともに、不明な点などがありましたら、後掲の照会先まで何な りとご照会を頂ければと存じます。 ▽ グローバル・アクセスの概要 日銀ネット端末 【グローバル ・アクセス】 日銀ネット端末 国内 海外 利用先 ホスト 利用先 CCS 利用先 CCS 利用先 ホスト 【CPU接続の 海外利用】 端末接続 <ご参考> コンピュータ (CPU)接続 本行 CCS 日銀 ネット 端末 サーバ 日銀 ネット ホスト

(注)CCS(Computer-to-Computer Connections System)は、利用先のホストコンピュータと 日本銀行のホストコンピュータとの通信を中継するコンピュータシステム。

(17)

2 1.利用要件の概要 利用先 (国内拠点)  日本銀行本店管下の日銀ネット利用先 国・地域  システム環境や法令面等から利用を認めることが適当でな いと認められる特段の事情がない国・地域 設置を認める 国外拠点  利用金融機関等の海外支店または別法人 ―― 国外拠点に設置した日銀ネット端末は、国内拠点の指示 に基づき利用して頂くことになります。 対象業務  全利用業務 ―― 但し、オペレーション・貸出等関係事務および国債発 行関係事務の両事務のうち入札にかかる事務は除きます。 利用環境・ サポート体制  日本語(入力画面・出力帳票・利用マニュアル) ネットワーク  日本銀行指定の電気通信事業者が提供する IP-VPN 網を 利用 ―― 但し、日銀ネット端末の利用先社内ネットワークとの直 接接続は、行うことができません。 コスト  回線敷設費・回線使用料等(利用条件により異なりますの で、個別にご照会下さい。) 2.事務処理体制面の審査におけるポイント  国外拠点における適切な事務処理体制の確保 ―― 国内拠点の障害発生時の円滑な業務継続手順、各種マニュアル整備  円滑な連絡体制の確保(国外拠点⇔国内拠点、国内拠点⇔日本銀行) ―― 国外拠点による日銀ネット利用時にも、国内拠点で円滑に連絡を行う 体制が確保されていること等  国内拠点による国外拠点の管理・指導体制の確保 3.申請の受付開始日  2017 年 12 月 14 日(木) ―― 申請のために必要な願書などは、本日(11 月 13 日)以降、希望する 利用金融機関等に対して配布しますので、希望される場合には、後掲 の照会先までご連絡下さい。

(18)

3 (照会先) 決済機構局 決済システム課 決済企画グループ 柳井(Tel:03-3277-1173) 井上(Tel:03-3277-1018) E-mail:post.pssd57@boj.or.jp(件名に「グローバル・アクセス」と記載)

(19)

企業による「日銀ネット」の有効活用事例

~夕方・夜間を活用した円建て海外送金~

「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」

円建て顧客送金・銀行間送金WG

(事務局 日本銀行決済機構局)

(別添4)

(20)

はじめに

日銀ネットの稼動時間は2016年2月、21時(夜9時)まで拡大。

夕方・夜間の時間帯の活用により、従来よりも迅速な円建

て海外送金が可能に。

東京 21時

バンコク

19時

ムンバイ

17時30分

フランクフルト

13時(冬時間)

ロンドン

正午(冬時間)

1

(21)

企業による「日銀ネット」の利用

企業は、取引先金融機関を通じて、間接的に「日銀ネット」

を利用。他行宛て円建て海外送金

はその典型例。

企業A

企業B

金融機関X

日本銀行

「日銀ネット」

<国内>

<海外>

金融機関Y

③即時振替 ①送金依頼 ②振替指示 ④振替連絡 ⑤着金通知

[円建て海外送金(円資金の流れ:海外⇒国内)]

※取引先金融機関によるコルレス口座を通じた決済の場合、他行宛て送金でも「日銀ネット」が利用されないケースがある。

2

(22)

特定日・緊急時における夕方・夜間の活用例

月末日など特定日における当日付の着金

•月末日など決済が集中する日の当日付の着金

•日本と海外の休日が相違する場合など、休前日付の着金

•決算反映のための決算締め日当日付の着金

急な依頼や事務不備などへの急ぎの対応

•取引先からの急ぎの送金依頼や着金確認依頼への対応

•社内の営業部署などからの急ぎの依頼への対応

•事務手続きの不備などに伴う急ぎの対応

システム障害や災害発生時などへの緊急時対応

•システム障害時における未処理取引の当日中のリカバリー

•災害発生時における資金繰り支援などの緊急時対応

3

(23)

通常時における夕方・夜間の活用例(1)

運転資金の圧縮

•売掛金の回収前倒しによる運転資金圧縮

•買掛金の支払い繰り延べによる運転資金圧縮

•在庫期間の短縮による運転資金圧縮(着金側、代金先払い)

信用リスクの削減・回収確認

•売掛金の回収前倒しによる信用リスク削減

•新興国企業など支払遅延が懸念される先宛ての売掛金に

ついて、支払期日当日の回収確認

取引条件の改善・取引関係の強化

•夕方・夜間の着金に対応し、取引先の支払いを繰り延べる

ことによる取引条件の改善・取引関係の強化

•支払いの迅速化による取引条件の改善・取引関係の強化

4

(24)

通常時における夕方・夜間の活用例(2)

商品の迅速な発送・仕入れ(代金先払い)

•夕方・夜間の着金を活用した、迅速な商品発送(着金側)

•送金から仕入れまでに要する仕入期間の短縮(送金側)

円資金キャッシュマネジメントの効率化

•海外拠点から国内拠点への円資金集中・配分の迅速化

•国内拠点から海外拠点への円資金集中・配分の迅速化

•海外拠点間の円資金集中・配分の迅速化

その他

•国内送金の24時間・365日可能化

に伴い、夕方・夜間に着

金した円資金を国内の支払いなどに活用

•クロスボーダーM&Aに伴う資金移動 etc

※全銀モアタイムシステムは、2018年後半から稼動予定。新たに拡大する決済時間帯の対象業務は、1 億円未満の振込に限られる。

5

※夕方・夜間の物流サービスが前提となる。

(25)

関係金融機関との対話

•仕向け・被仕向け双方の金融機関による個別対応が必要

•とくに、一時的・緊急時のみ夕方・夜間を活用する場合は、

必要な際にスムーズに対応できるよう、事務フローなど事

前の摺合せが重要

社内の事務処理態勢の調整(必要な場合)

•日締め処理時刻の調整(夕方・夜間決済分の当日付反映)

•経理・財務スタッフの夕方・夜間の労務管理面での対応

•キャッシュマネジメントシステム等のシステム変更

•社内の送金・入金受付時限など、決済慣行の変更 etc

社外の関係先との調整(必要な場合)

•取引先・海外拠点に対し、夕方・夜間の活用について周知

•取引先・海外拠点と支払期日や納期の変更などに関し対話

•物流・IT関連サービス業者との調整 etc

実務上の留意点

6

(26)

ご参考

7

「事業法人向けクロスボーダー円建て決済サービスに関するアンケート調査

※2017年2月、海外拠点を有する本邦企業および本邦進出の外資系企業、計390社に対して実施。回答企業は170社(有効回答率43.6%)。 58.6 26.4 23.0 59.8 5.7 9.2 11.5 9.2 6.9 65.8 9.2 9.2 32.9 14.5 6.6 3.9 27.6 2.6 0 10 20 30 40 50 60 70 80 既存の決済慣行を前提に 事務を構築しており、活用… 日締め処理以降の _ 着金に対応できない ★ 決算処理に _ 不都合が生じる ★ 経理・財務スタッフ の労務管理 ★ _ 円建て決済を行って _ いない、または少ない 「日銀ネット」の利用が ない、または少ない _ 金融機関の決済サービス が対応していない _ 具体的な活用イメージ が湧かない _ その他 夕方・夜間を活用した海外送金の課題 潜在的ニーズを有する企業 潜在的ニーズを有しない企業 (回答比率、%) 既存の決済慣行を前提に 事務を構築しており、 活用の必要性が乏しい (注)海外から日本への着金に関する課題。アンケート結果をもとに選択肢を集約して集計 (最大3つまでの複数回答)。★印は夕方・夜間活用ニーズを有する企業で有意に高い項目。 11.0 6.7 2.4 10.4 40.2 28.0 11.0 9.8 0.6 17.7 9.1 5.5 11.6 29.9 25.0 15.2 7.3 0.6 0 10 20 30 40 50 所要運転資金の圧縮 取引条件の改善・ 取引関係の強化 _ 信用リスクの削減 仕入期間の短縮 円資金管理の効率化 日常的な急ぎの対応 日本と海外の休日の _ 相違による急ぎの対応 決算反映のため の当日処理 _ システム障害・災害 発生時等の緊急対応 その他 夕方・夜間を活用した海外送金ニーズ 日本から海外への送金 海外から日本への着金 (回答比率、%) (注)アンケート結果をもとに選択肢を集約して集計(送金・着金各々、最大3つまでの複数 回答)。なお、本設問に回答した企業には、潜在的ニーズ無しと回答した先を含む。

参照

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