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生後のマウス網膜においてRaxホメオ蛋白質はCrxと協同して視細胞の成熟と生存を制御する

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Academic year: 2021

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Title Rax homeoprotein regulates photoreceptor cell maturation andsurvival in association with Crx in the postnatal mouse retina( Abstract_要旨 )

Author(s) Irie, Shoichi

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 2015-09-24

URL http://dx.doi.org/10.14989/doctor.k19274

Right

Type Thesis or Dissertation

Textversion ETD

(2)

京都大学 博士(医学) 氏 名 入 江 彰 一

論文題目

Rax homeoprotein regulates photoreceptor cell maturation and survival in association with Crx in the postnatal mouse retina (生後のマウス網膜においてRaxホメオ蛋白質はCrx と協同して視細胞の成熟と生存を制御する) (論文内容の要旨) Rax は網膜前駆細胞に高発現するホメオボックス型転写因子で、脊椎動物の 網膜発生に重要な機能を有する。多くの脊椎動物においては、Rax と Rax2 の 2 種類が存在し、Rax が網膜初期発生を制御し Rax2 は視細胞成熟を制御する ことが報告されてきた。しかしながら、マウスなどの齧歯類では1 種類の Rax 遺伝子しか存在せず、生後の網膜後期発生におけるRax の機能は未知であった。 そこで生後マウス網膜において、Rax を時期および視細胞特異的に欠損させる ことで、マウス網膜視細胞の成熟過程及び生存維持におけるRax の機能を解析 した。生後のマウス網膜において、Rax は生後 14 日目までの成熟過程の視細 胞に発現していた。また in situ ハイブリダイゼーションによって視細胞での Rax の発現は生後 1 ヶ月程度まで続くことを観察した。次に視細胞に発現する Rax を時期及び視細胞特異的に欠損させるために、Raxflox/floxマウスと視細胞特

異的プロモーターCrx (cone-rod homeobox)駆動性 CreERT2 トラスジェニック マウスを掛け合わせて、Raxflox/flox;Crx-CreERT2 マウスを作製した。生後 4 日

目で Rax を欠損させたマウス網膜では、生後 20 日目までに視細胞に発現する 複数の遺伝子の発現が減少し、錐体視細胞が脱落することを見出した。さらに 生後2 ヶ月のRax 欠損マウスにおいて網膜電図(ERG)を測定したところ、網膜 生理機能に異常を示した。次に1 か月齢でRax を欠損させたマウス網膜では、 生後 2 ヶ月において錐体視細胞特異的遺伝子の発現が特異的に減少した。この マウスにおいて ERG を測定したところ、錐体視細胞特異的な生理機能異常が 観察された。 さらに視細胞の成熟過程において、視細胞特異的遺伝子発現制御を司る転写 因子Crx および転写因子 Nrl (neural retina leucine zipper)と Rax を明らかに するために、視細胞特異的遺伝子のロドプシン、S-オプシン及び M-オプシンの プロモーター領域を用いてルシフェラーゼアッセイを行った。その結果、これ らオプシン遺伝子の発現は Rax の濃度依存的に制御されること、また Rax は Crx と協同して視細胞遺伝子の発現を制御することが示唆された。さらに Rax とCrx が直接相互作用することを免疫沈降法により明らかにした。 以上の結果から、転写因子 Rax は視細胞成熟過程において視細胞特異的遺伝 子の発現制御と錐体視細胞の生存に必須であり、成体の網膜生理機能にも重要 な機能を有していることが明らかになった。また成熟視細胞において、Rax は 錐体視細胞特異的な遺伝子発現制御及び生理機能に必須の役割を有しているこ とが明らかになった。またこれらの遺伝子発現制御は、Rax 蛋白質による量依 存的な制御を受け、さらにRax は Crx と協同して視細胞特異的遺伝子の発現制 御を行うことが示唆された。 (論文審査の結果の要旨) ホメオボックス型転写因子 RAX は、網膜前駆細胞に高発現し、脊椎動物の網膜発 生に重要な機能を有する。多くの脊椎動物ではRAX と RAX2 の 2 種類が存在し、RAX が網膜初期発生を制御し、RAX2 は視細胞成熟を制御する。しかしマウスを含む齧歯類 では1 種類のRax 遺伝子しか存在せず、生後の網膜後期発生における RAX の機能は未 知であった。そこで生後のマウス網膜視細胞の成熟過程及び生存維持における RAX の 機能を調べた。生後のマウス網膜視細胞におけるRax の発現は生後1ヶ月程度まで続い

た。次に Raxflox/flox;Crx-CreERT2 マウスを作製し、Rax を時期及び視細胞特異的

に欠損させたところ、生後20 日目までに視細胞遺伝子の発現が減少し、錐体視細胞が脱 落した。1 ヶ月齢でRax を欠損させたマウス網膜では、2 ヶ月齢において錐体視 細胞特異的遺伝子の発現が特異的に減少し、錐体視細胞特異的な網膜電図の異 常を示した。次に視細胞特異的遺伝子のプロモーター領域を用いたルシフェラーゼア ッセイ及びRAX と転写因子 CRX 間の免疫沈降を行い、RAX は CRX と相互作用して視 細胞遺伝子の発現を量依存的に制御することを明らかにした。以上の結果より、転写因 子 RAX は視細胞成熟過程において視細胞遺伝子の発現制御と錐体視細胞の生存に必須 であり、成体の網膜生理機能にも重要であることが明らかになった。以上の研究は、網 膜視細胞の成熟と生存の分子メカニズムの解明に貢献し、網膜変性機構の理解や網膜再 生医療の発展に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士(医学)の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成27年 9月 2日実施の論文内容とそれに関連 した試問を受け、合格と認められたものである。 要旨公開可能日: 年 月 日 以降

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