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(1)

日本薬学会北陸支部平成23年度第 1 回総会及び第123回例会

プログラム・講演要旨集

主催:日本薬学会北陸支部

日時:平成23年11月27日(日)8時30分∼17時40分

会場:金沢大学自然科学講義棟

(2)

同日,日本病院薬剤師会北陸ブロック第22回学術大会が大講義室A,Bで開催されます.

日本薬学会北陸支部平成 23 年度第 1 回総会及び第 123 回例会

主催:日本薬学会北陸支部

日時:平成 23 年 11 月 27 日(日)8 時 30 分∼17 時 40 分

会場:金沢大学自然科学講義棟

(103 講義室,104 講義室,

レクチャーホール,アカデミックプロムナード)

(〒920-1192 金沢市角間町)

◎ 日本薬学会北陸支部平成 23 年度第 1 回総会・学術奨励賞授与式 (レクチャーホール) 12:50∼13:20 ◎ 特別講演 (レクチャーホール) 尾 紀之 (金沢大学医薬保健研究域医学系機能解剖学分野) 「動物モデルを用いた疼痛メカニズムの解明」 13:25∼14:10 ◎ 学術奨励賞受賞講演 (レクチャーホール) 小川数馬 (金沢大学医薬保健研究域薬学系臨床分析学研究室) 「転移性骨腫瘍の核医学診断・治療を目的とした薬剤の開発研究」 宝田剛志 (金沢大学医薬保健研究域薬学系薬物学研究室) 「間葉系幹細胞に由来する各種細胞の機能制御に関する研究」 14:15∼14:55 ◎ 教育シンポジウム (アカデミックプロムナード) 「薬学 6 年制実務実習の 1 年目の成果」 18演題 (討論時間11:15∼12:15) 10:00∼15:00 ◎ 大学院優秀発表賞応募講演 (103, 104講義室) 14演題 8:30∼10:45 ◎ 優秀ポスター賞応募発表(アカデミックプロムナード) 12演題 (討論時間10:50∼12:00) 10:00∼15:00 ◎ 一般講演(103, 104講義室) 28演題 15:00∼17:30 ◎ 休憩室(第101講義室,アカデミックプロムナード) ◎ 大学院優秀発表賞と優秀ポスター賞の発表と表彰式 (103講義室) (表彰式にいないと受賞できません) 17:30∼17:40

(3)

発表要領および連絡事項

① 座長,演者の方は,該当セッションの開始前に受付を行ってください. 大学院優秀発表賞応募講演および一般講演 ② 大学院優秀発表賞応募講演は1演題につき,発表10分,質疑応答5分(計15分/名),一般 講演の発表時間は,1演題につき,発表8分,質疑応答2分(計10分/名)とします.発表は 時間厳守でお願いします. ③ 大学院優秀発表賞応募講演および一般講演の演者は,発表開始前に,例会事務局が用意したパ ソコンに発表ファイルをダウンロードし,動作の確認等を行ってください. ④ 大学院優秀発表賞応募講演発表者は,第 1 部門は 8 時 15 分までに,第 2 部門は 9 時 15 分まで に,また一般講演発表者は 12 時から 12 時 50 分の間に各々の発表会場のコンピュータに発表 ファイルをダウンロードしてください. ⑤ 発表には液晶プロジェクタを使用します.例会事務局では Windows 版ラップトップコンピュー タのみを用意します

⑥ Windows 版 PowerPoint でスライドファイルを作成し,それを「PowerPoint スライドショー」 形式で保存した USB メモリーを各自ご持参ください.

⑦ PowerPoint 2003 以降のバージョンで発表スライドを作成された場合,PowerPoint 2003 で映 写できるように変換してください.

⑧ Macintosh 版 PowerPoint で作成した場合は,当日,Macintosh ラップトップコンピュータと外 部ディスプレー(液晶プロジェクタ)専用接続コネクタを各自ご持参ください(事務局では用意 しませんのでご注意ください). 教育シンポジウムおよび優秀ポスター賞応募発表 ⑨ 教育シンポジウムの討論時間はポスター番号が奇数の場合,11 時 15 分から 11 時 45 分まで, ポスター番号が偶数の場合,11 時 45 分から 12 時 15 分までになります.示説時間の最初に各々 1 分で発表の要旨をお話しください.その後各自のポスター前で閲覧者と対応をしてください. ポスターは 10 時までに掲示し,15 時まで展示してください. ⑩ 優秀ポスター賞応募発表者はポスターを 10 時までに掲示し,15 時まで展示してください.討論時 間の 10 時 50 分から 12 時までの間,ポスター前で閲覧者と対応をしてください. ⑪ ポスター発表演題は,タイトル部分が 90 x 20 cm,発表部分が 120 x 160 cm のポスターボー ドに掲示願います.ポスター番号と掲示用ピンは事務局で用意してあります. その他 ⑫ 大学院優秀発表賞と優秀ポスター賞について,発表と表彰式の席上に不在の場合は受賞を無効 とされます. ⑬ 日本薬学会北陸支部例会は薬剤師研修センターの集合研修会の対象とし,希望者には研修認定 薬剤師制度の受講シールを配布します. ⑭ 当日は大学の生協食堂が 11 時 00 分∼13 時 30 分の間のみ営業します.会場のまわりには昼 食を取る場所がありませんのでご注意ください. ⑮ 上記の件に関するお問い合わせは,金沢大学医薬保健研究域臨床薬物情報学研究室 日本薬学会北陸支部第 123 回例会事務局までお願いします. 電話:076-264-2833; ファックス:076-234-4212; e-mail: [email protected]

(4)

プ ロ グ ラ ム

平成 23 年度総会・学術奨励賞授与式 (レクチャーホール)

12:50∼13:20

特別講演 (レクチャーホール)

13:25∼14:10

座長:荒井國三(金沢大院薬) 「動物モデルを用いた疼痛メカニズムの解明」

尾 紀之(金沢大学医薬保健研究域医学系機能解剖学分野)

学術奨励賞受賞講演−1 (レクチャーホール)

14:15∼14:35

座長:木津治久(北陸大薬) 「転移性骨腫瘍の核医学診断・治療を目的とした薬剤の開発研究」 小川数馬 (金沢大学医薬保健研究域薬学系臨床分析学研究室)

学術奨励賞受賞講演−2 (レクチャーホール)

14:35∼14:55

座長:新田淳美(富山大院薬) 「間葉系幹細胞に由来する各種細胞の機能制御に関する研究」 宝田剛志(金沢大学医薬保健研究域薬学系薬物学研究室)

大学院優秀発表賞応募講演

第1部門 (生物系・医療系) (104 講義室)

8:30∼10:45

8:30∼9:45 座長:中西猛夫(金沢大院薬) 1 シグマ受容体を標的とした癌イメージング剤の合成・評価 ○神原弘弥1, 小川数馬1, 柴 和弘2, 北村陽二2, 小阪孝史2, 黄檗達人1, 小谷 明1 ( 1金沢大院医, 2金沢大学際科学実験センター) 2 水酸化多環芳香族炭化水素のメダカとウニの胚発生に及ぼす影響 ○川部季美¹, Mohamed Nassef², 大嶋雄治², 鈴木信雄3, 笹山雄一3, 服部淳彦4, 中野 淳¹, 鳥羽 陽¹, 亀田貴之¹, 早川和一¹(¹金沢大院薬,²九州大農,3金沢大臨海, 4東医歯大教養) 3 脳脊髄液からのL-glutamate排出輸送解析 ○ 櫻井達彦1,赤沼 伸乙1,立川 正憲2, 久保 義行1, 細谷 健一1 (1富山大院薬, 2東北大院薬) 4 GABABR1サブユニットによる脂肪細胞のleptin発現調節 ○中村由香里,檜井栄一,宝田剛志,高畑佳史,米田幸雄 (金沢大院薬)

(5)

5 網膜 Müller 細胞における taurine 輸送機能 ○安藤大介1, 赤沼伸乙1, 立川正憲2, 久保義行1, 細谷健一1 (1富山大院薬, 2東北大院薬) 9:45∼10:45 座長:中島美紀 (金沢大院薬) 6

In vitro

蛍光イメージング(QTLI)法を用いた MRP2 機能変動評価 − 肝代謝を考慮した 薬物間相互作用予測への応用− ○池永美穂,中西猛夫,福田 元,白坂善之,玉井郁巳 (金沢大院薬) 7 健常成人のミゾリビン消化管吸収に対する遺伝と食塩摂取の影響 ○深尾美紀¹,渡邉ひとみ¹,石田和也¹,田口雅登¹,橋本征也¹,松倉裕喜²,宮脇利男³ (¹富山大院薬,²済生会高岡病院小児科,³富山大院医小児科) 8 ヒトがん細胞における 5-アミノレブリン酸(ALA)誘導性プロトポルフィリンⅨ蓄積機構 の解明 ○小川哲郎,柳原千泰,中西猛夫,白坂善之,玉井郁巳 (金沢大院薬) 9 トランスポーターを介した薬物-ジュース間相互作用機構 ○七里 恵,白坂善之,森 貴則,中西猛夫,玉井郁巳 (金沢大院薬)

第2部門 (化学系・物理系) (103 講義室)

9:30∼10:45 座長:佐々木陽平 (金沢大薬) 1 フコシダーゼ阻害活性を有するポリヒドロキシピペリジン誘導体の合成研究 ○ 坂 知樹1,湊大志郎1,杉本健士1,松谷裕二1,中川進平2,山下侑子2,加藤 敦2 足立伊佐雄2,Peter G. Kirara3,尾野村治3,豊岡尚樹41富山大院薬,2富山大病院薬 剤部,3長崎大院薬,4富山大院理工) 2 (±)-Lycoflexine,(±)-Lycoposerramine-Q の全合成研究 ○伊藤直哉,稲垣冬彦,岩田 隆,向 智里 (金沢大院薬) 3 [2.2]パラシクロファン骨格を有する面不斉ホスフィン触媒の開発 北垣伸治,○太田有羽,高橋亮平,向 智里(金沢大院薬) 4 銅塩/アミンを用いた 1,4-ビスアレンの[2+2]環化付加反応 北垣伸治,○梶田幹人,成田 集,向 智里 (金沢大院薬) 5 68Ga 標識 PET 骨イメージング薬剤開発のための基礎検討 ○高井健一郎1,小川数馬1,黄檗達人1,北村陽二2,柴 和弘2,小谷 明1 (1金沢大院医,2金沢大学際科学実験センター)

(6)

優秀ポスター賞応募発表 (アカデミックプロムナード)

(討論時間:10:50

12:00)

10:00∼15:00

P-1 ミッドカイン再発現誘導を介した合成レチノイド Am80 による中枢神経再生効果 ○加藤彩香1,郡山恵樹2,荒井國三1,加藤 聖21金沢大院薬,2金沢大院医) P-2 癌化学療法薬誘発アロディニアに及ぼす5-HT1A受容体作用薬ザリプロデンの効果 ○坂本歩美,安東嗣修,倉石 泰(富山大院薬) P-3 皮膚糸状菌誘発掻痒反応へのプロテアーゼとプロテアーゼ活性化受容体2の関与 ○高山祐輔1,安東嗣修1,山腰高子2,清水忠道2,佐野文子3,倉石 泰1 (1富山大院薬, 2富山大院医皮膚科,3琉球大農) P-4 蚊アレルギー性掻痒反応へのlangerin陽性樹状細胞とIL-18の関与 ○高木あゆ美,安東嗣修,原田絢子,倉石 泰(富山大院薬) P-5 神経障害性疼痛マウスの静的アロディニアと動的アロディニアに対するアミトリプチリ ンの作用態度とその作用発現メカニズム ○田中真衣,佐々木淳,倉石 泰(富山大院薬) P-6 がん細胞におけるATR-Chk1経路亢進に関する解析 ○藺上圭子,井村真由美,若杉光生,松永 司(金沢大院薬) P-7 RapamycinによるCD4+T細胞,CD8+T細胞増殖抑制効果の相違に関する解析 ○安岡知香,猪部 学,松永 司(金沢大院薬) P-8 アミノ酸加熱分解生成物Trp-P-1による肝細胞毒性発現機構の解析 ○ 山縣由佳,佐久間勉,亀井美穂,留場麻衣,近藤佐千子,河崎優希,櫻井宏明, 根本信雄(富山大院薬) P-9 マウスCYP3Aの酵母内発現系の構築と基質特異性の解析 ○立石裕樹,佐久間勉,河崎優希,櫻井宏明,根本信雄(富山大院薬) P-10 マウス脳および肝シトクロム P450 の発現解析ならびにカンナビジオールによる誘導 ○ 蒋 融融1,前田千佳子,小川梨少,山折 大,山本郁男2,渡辺和人1 (1北陸大薬, 2九州保福大薬) P-11 新規酸触媒O-ベンジル化反応の開発 ○藤田 光,山田耕平,国嶋崇隆(金沢大院薬)

(7)

P-12 人参の本草考証∼中国古代の人参の原植物について∼ ⃝坂本郁穂,御影雅幸(金沢大院薬)

教育シンポジウム (アカデミックプロムナード)

「薬学 6 年制実務実習の 1 年目の成果」

10:00∼15:00

(討論時間:11:15

12:15) 座長:松下 良(金沢大院薬),清水 栄(金沢大院薬) S-1 福井県における薬剤師会主導型「薬局実務実習協力体制」の評価と再構築 ○木村嘉明1,上田泰之,千知岩祐次,嶋田千穂,福岡美紀,梅木誠一郎,西田敦 司1,中村裕幸,野辺久美代,山内辰朗,小林昌巳,森中裕信,山下 泉,廣部 満1,政田幹夫1,2,3福井県薬剤師会薬学生実務実習運営委員会,2福井県病院薬剤師会, 3福井大学病院薬剤部) S-2 薬局実務実習1年を振り返って ○北山朱美,橋本昌子,三浦智子,今村信雄,神田哲雄,渡辺誠治,吉藤茂行 (石川県薬剤師会薬局実務実習委員会・WG) S-3 薬局実務実習における富山県薬剤師会の取組み 浜野邦彦,藤森毅至,○永野康已(富山県薬剤師会薬学教育推進委員会) S-4 薬局実務実習 2 年目における富山大学薬学部の試み ○今村理佐1,岡崎史泰1,藤 秀人1,永野康已21富山大院薬,2富山県薬剤師会) S-5 金沢大学における多施設型薬局実習への取り組み 〇大 賀津夫1,2,荒井國三1,2,神田哲雄2,永長智愛1,2,山島 糸2,木村和子 松下 良1,清水 栄,石 純子,坪井宏仁,菅 幸生,吉田直子金沢大院薬,アカンサス薬局) S-6 実務実習先の 2 局を比較して学んだこと-総合病院隣接と住宅地域の調剤薬局との違い ○和田惇子1,石川雄大,前田憲邦2,中田美由貴3,藤 秀人4,新田淳美1 (1富山大院薬薬物治療学,2チューリップ牛島薬局,3西尾薬局下堀店,4富山大学院薬医 学薬学) S-7 薬局実習で漢方薬と抗菌薬の併用例を通して学んだこと ○北山祥平1,平野旬美2,今村理佐1,藤 秀人11富山大院薬,2ふれあい新湊薬局) S-8 患者さんの「なぜ」を考える ○吉村真理1,嶋田千穂2北陸大学薬,福井調剤薬局)

(8)

S-9 薬局実習を体験して ○ 大島鉄矢1,○砂川直美1 (共同演者),中川加代子2,山崎眞津美1(1北陸大学薬, 2クスリのアオキ高岡京田店) S-10 市中薬局における在宅医療関連実習 ○三尾明日香1,針田昌子2,藤沢美和2 (金沢大薬,2菜の花薬局) S-11 薬局実習での実務体験と症例報告 ○ 御勢智香1,橋本篤子2,梶山恵美子2,山本志保子2,藤井洋子2 (1金沢大薬,2玉川町薬局) S-12 病院実務実習の取り組み ○ 谷本定子,矢口邦子,板井進悟,長田幸恵,前田大蔵,崔 吉道,宮本謙一 (金沢大学附属病院薬剤部) S-13 病棟業務実習の評価と改善 ○ 砂田結希乃,宮東利恵,谷村裕香里,角 佳亮,宮東剛文,小堀 勝,西尾浩次 (金沢医科大学病院薬剤部) S-14 薬学教育6年制における実務実習 ∼福井県で行った複数施設協働型実習∼ ○ 萱野勇一郎1,中村敏明1,白波瀬正樹1,佐野正毅2,荒木隆一3,寺尾文恵4,竹内哲夫5, 斉藤孝次6,内田博友7,三田村康浩8,加納みゆき9,高嶋孝次郎2,濱 一郎10,平賀貴志11, 政田幹夫 1 1福井大病院薬,2福井県済生会病院薬,3市立敦賀病院薬, 4春江病院, 5福井 社会保険病院薬, 6福井赤十字病院薬, 7公立小浜病院薬, 8中村病院, 9福井循環器病院, 10 国立病院機構福井病院薬, 11福井県立病院薬) S-15 富山大学薬学部・病院実務実習23年度1期における成果 ○ 新田淳美,宮本嘉明,宇野恭介(富山大院薬) S-16 北陸大学生の金沢医科大学病院薬剤部におけるアドバンスト病院実習の試み ○中川輝昭1,宮本悦子,多田昭博,野村政明,尾山 治,西尾浩次2,宮東利恵2 山本康彦2,高桑直子2,高橋喜統2北陸大薬臨床薬学教育センター,2金沢医科大学病 院薬剤部) S-17 金沢大学附属病院の病棟における実務実習を終えて ○小嶋崇弘,○滝沢佑太(共同演者)(金沢大薬) S-18 金沢大学附属病院における病院実習 ○野口絢加,○寺口 敦(共同演者)(金沢大薬)

(9)

一般講演

一般講演−I (104 講義室)

15:00

17:10 15:00∼15:50 座長:杉浦智子 (金沢大院薬)

I-1 喫煙行動に及ぼすセロトニントランスポーター遺伝子多型の影響 ○大本まさのり,平腰 都,光本 泰秀(北陸大薬)

I-2 マウス全 CYP3A 分子種の mRNA 発現量の比較解析

栗本夕夏,○佐久間勉,宅間祐太郎,池松怜美,河崎優希,櫻井宏明,根本信雄 (富山大院薬) I-3 培養ヒト腸上皮細胞を用いたミゾリビンの消化管吸収機構解析 ○横田 篤,森川真圭,石田和也,田口雅登,橋本征也(富山大院薬) I-4 海馬スライス培養系における持続的な NMDA 誘発細胞死に対する内在性アセチルコリンの 抑制効果

○稲田千香子,Le Thi Xoan,趙 琦,常山幸一,松本欣三(富山大和漢研) I-5 内側血液網膜関門におけるL-dopaの輸送解析 ○ 大貫理沙1,赤沼伸乙1,2,立川正憲3,久保義行1,2,細谷健一1,2 (1富山大薬,2富山大院薬,3東北大院薬) 15:50∼16:40 座長:深見達基(金沢大院薬) I-6 血液網膜関門を介した hypoxanthine 排出輸送機構 ○ 五月女達也1,赤沼伸乙1,2,立川正憲3,久保義行1,2,細谷健一1,2 (1富山大薬,2富山大院薬,3東北大院薬)

I-7 血液網膜関門薬物輸送における

in vivo-in vitro

相関性

○福井恵理1,赤沼伸乙1,2,立川正憲3,久保義行1,2,細谷健一1,2 (1富山大薬,2富山大院薬,3東北大院薬) I-8 脳神経系におけるアクチン結合性転写活性化因子MKL2新規スプライスバリアントの同定 と機能解析 ○庄司しずく,袴田知之,石川 充,久保友喜美,津田正明,田渕明子 (富山大院薬) I-9 タイプⅡピレスロイド Deltamethrin 投与による BDNF 遺伝子発現変化と抗うつ効果の解析 ○大瀬京平1,高崎一郎2,斉藤 顕宜3,山田光彦3,福地 守 1,田渕明子1,津田正明1 (1富山大院薬,2富山大生命科学先端研究センター・遺伝子実験施設,3国立精神・神経 医療研究センター 精神保健研究所)

(10)

I-10 インスリンおよび持効型インスリンアナログのマウス脳機能に対する作用特性の検討 ○細尾脩史,恒枝宏史,森 規彦,和田 努,笹岡利安 (富山大院薬) 16:40∼17:10 座長:若杉光生(金沢大院薬) I-11 小胞体膜上に存在するABCタンパク質P70R(ABCD4)の存在状態の解析 ○上杉泰介,柏山共範,今中常雄 (富山大院薬) I-12 癌アポトーシスイメージングを目的とした放射性プローブの開発 ○柴田知美1,小川数馬1,北村陽二2,黄檗達人1,浅野智哉2,柴 和弘2,小谷 明1 (1金沢大院薬・臨床分析科学,2金沢大学学際科学実験センター) I-13 pH滴定による薬物のアルブミン結合におけるCaの影響 ○勝野次乃,黄檗達人,小川数馬,小谷 明(金沢大院薬)

一般講演−II (103 講義室)

15:00

17:20 15:00∼15:50 座長:山田耕平(金沢大院薬) II-1 (+)-Indicanoneの全合成研究 向 智里,○小川久美子,林佑次郎,稲垣冬彦(金沢大院薬) II-2 毒ガエルアルカロイド239Qおよび類縁体の合成 ○浦田統子1,王 旭1,Ralph A. Saporito2,手塚康弘3,門田重利3,豊岡尚樹1

(1富山大院工,2John Carroll University,3富山大和漢研)

II-3 ラムノシダーゼ阻害活性が期待されるポリヒドロキシイミノ糖の合成研究 岡城 徹1,○伊福翔平1,中川進平2,加藤 敦2,足立伊佐雄2,豊岡尚樹1 (1富山大院工,2富山大病院薬剤部) II-4 o-ヒドロキシ桂皮酸型ジアジリン誘導体の合成と光反応 ○猪ノ口裕二,山本章人,大井睦美,千葉順哉,友廣岳則,畑中保丸(富山大院薬) II-5 新規な末端修飾エチニルピリジンオリゴマーの合成開発 ○阿部 肇,鈴木理仁,牧田浩樹,井上将彦(富山大院薬) 15:50∼16:40 座長:黄檗達人(金沢大院薬) II-6 銅塩を用いた1-アルキン,アルデヒド,アミンの三成分連結反応を経る1,3-二置換アレン の合成 北垣伸治,○小水美佳,向 智里(金沢大院薬)

(11)

II-7 塩基を用いるフルオロメチルヒドラゾン誘導体の脱フッ素置換反応 ○八島 淳,谷口剛史,石橋弘行(金沢大院薬) II-8 鉄触媒とヒドリドを用いたC-H酸素酸化を経る単純アルケンからの1,4-ジオールの合成 ○橋本卓磨,谷口剛史,石橋弘行(金沢大院薬) II-9 フルオロニトロベンゼンの光化学反応 -光反応経路に対する溶媒の影響 ○山崎利徳,福吉修一,徳村邦弘,中垣良一(金沢大院薬) II-10 フルタミドおよび関連化合物の光反応 -多様な反応経路と溶媒効果 ○渡邉友里江,宇田川周子,福吉修一,徳村邦弘,中垣良一(金沢大院薬) 16:40∼17:30 座長:中道範隆(金沢大院薬) II-11 転写制御因子 Pax5 による骨芽細胞分化成熟化調節 ○藤田弘幸,檜井栄一,米田幸雄(金沢大院薬)

II-12 褐色脂肪細胞分化に対するTGF-β スーパーファミリーGrowth Differentiation Factor 5の作用 ○高田紗矢,檜井栄一,米田幸雄(金沢大院薬) II-13 ミクログリア細胞における骨制御因子 Runx2 の発現 ○中里亮太,宝田剛志,米田幸雄(金沢大院薬) II-14 神経系前駆細胞に発現する神経性ニコチン型アセチルコリン受容体の機能解析 ○北島聖也,宝田剛志,米田幸雄(金沢大院薬) II-15 骨制御因子 Runx2 のアストロサイトにおける発現 ○藤川晃一,宝田剛志,米田幸雄(金沢大院薬)

大学院優秀発表賞・優秀ポスター賞の発表と表彰式(103 講義室) 17:30∼17:40

(12)

第 22 回 日本病院薬剤師会北陸ブロック学術大会 プログラム

平成 23 年 11 月 27 日(日) 金沢大学(角間キャンパス)

9:30 開会挨拶

政田幹夫 (福井県病院薬剤師会会長)

9:35 一般口演(発表 8 分,質疑応答 2 分)

一般口演①(9:35∼10:25) 座長 渡辺享平(福井大学病院) 古俵孝明(福井大学) 1.テモゾロミドワークシートの電子カルテ化とチーム医療における運用 ○笹山 ササヤマ 潔 キヨシ 1,光田幸彦,鍋島千佳,室井令子,藤本直也,新田圭子 船戸元子1,森正昭(浅ノ川総合病院 薬剤部,脳神経外科,看護部) 2. NSAIDs 併用時,非併用時におけるペメトレキセドの副作用発現頻度の比較 ○井関 イ セ キ 真理子 マ リ コ ,前田康裕,五十嵐弘幸,伊藤妃佐子,佐野正毅,高嶋孝次郎 (福井県済生会病院 薬剤部) 3. 好中球減少症を起こした化学療法施行患者における栄養指標の変動に関する検討 ○岩城 イ ワ キ 尚子 ナ オ コ ,林誠,杉村勇人,山谷明正,相宮光二 (金沢医療センター薬剤部) 4. 高齢者糖尿病患者における理解度の評価と効果的な教育ツールの作成 ○佐藤 サ ト ウ 一哉 カ ズ ヤ 1,池上陽久,岩 幹茂,村田麻巳子,野原安寿子,木澤元之,但田敏 恵1,手丸理恵(南砺市民病院 薬剤科,内科) 5. プレガバリン使用状況からみる減量要因の考察と漸増により副作用を軽減し得た一例 ○五十 イガラシ 嵐一彦 カ ズ ヒ コ 1,髙尾知里,梅下翔,宇夛裕基,今井富紀子,小池伸彦2 河原昌美1 (金沢市立病院 薬剤室,内科) 一般口演②(10:30∼11:10) 座長 塚本仁(福井大学病院) 佐野正毅(福井県済生会病院) 6. 非心原性脳梗塞の 2 次予防における抗血小板薬の処方状況 ○中根 ナ カ ネ 論士 ノ リ オ ,高嶋孝次郎,佐野正毅,笠松依子,向畠卓哉 (福井県済生会病院薬剤部) 7. 当院手術室薬剤師による PCA ポンプの薬剤調製業務の取り組みについて ○平木 ヒ ラ キ 祥子 シ ョ ウ コ 1,桶谷純子,飛山繭子,小池田玲子,曽我亜紀子,谷村裕介 佐々木利佳1,成徳理代,橋本あかね,岡田隆史,土田英昭2,西尾浩次1 (金沢医科大学病院 1薬剤部,麻酔科)

(13)

8. 東日本大震災における薬剤師の活動状況と問題点 ○青柳 アオヤギ 哲冶 テ ツ ジ ,安藤和也,坂口純子,大森丈,谷澤範彦,渋谷貞一,笠川益夫, 吉村はるみ,小川純也,斉藤孝次 (福井県赤十字病院薬剤部) 9. 災害派遣医療救護班における処方と後方支援に関する考察 ○脇田真之 ワ キ ダ マ サ ユ キ 1,6,竹中久善2,6,渡部有貴3,6,三谷和恵4,6,今村理佐5 (1射水市民病院薬剤科,2厚生連高岡病院薬剤部,3富山大学附属病院薬剤部, 4南砺中央病院薬剤科,5富山大学医学薬学研究部,6富山県病院薬剤師会会報編集委員会)

教育シンポジウム(日本薬学会北陸支部 第 123 回例会と合同開催)

(11:15∼12:15 ポスター閲覧・討論 アカデミックプロムナード)

12:15∼13:00 昼食・休憩

13:00∼13:45 基調講演

座長 政田幹夫(福井大学病院) 日本病院薬剤師会の最近の動向について 日本病院薬剤師会 副会長 北田光一

13:45 パネルディスカッション

座長 中村敏明(福井大学病院) 崔 吉道(金沢大学病院) ① 神戸中央市民病院における病棟専従薬剤師の業務(仮題) 13:50∼14:20 ② 射水市民病院における取り組み(仮題) 14:25∼14:40 ③ 金沢大学医学部附属病院における取り組み(仮題) 14:45∼15:00 ④ 福井県済生会病院における取り組み(仮題) 15:05∼15:20 ⑤ 総合討論 15:25∼15:55

15:55 閉会挨拶

次年度主管県病院薬剤師会 会長

16:00 終了予定

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特別講演 (レクチャーホール)

動物モデルを用いた疼痛メカニズムの解明

金沢大学医薬保健研究域医学系機能解剖学分野 尾 紀之 1. 内臓の痛み 痛みは重要な警告系であるが,強い痛みや慢性痛は私たちを苦しめる.痛みの中でも内臓の痛み は,我々が医療機関を受診する大きな理由となっているが,内臓がからだの内部にあってアプロー チが難しいこと,皮膚とは異なり,組織の損傷が必ずしも痛みを引き起こさず,痛みを起こす 適 刺激 が皮膚のものとは異なること,などから皮膚の痛みに比べて,その研究が立ち遅れていた. また,欧米では結腸,直腸の研究が内臓痛の先行研究として進んでいたが,日本人にとって馴染み 深い胃の痛みについては大きく立ち遅れていた.そこで,我々は,胃の痛みの解明に取り組んでい る. 1-1)胃の知覚神経が痛みを受容するメカニズム バルーン伸展による定量性再現性のある胃の痛みの動物モデルを開発し,迷走神経と大内臓神経 に含まれる胃の知覚神経の性質を電気生理学的に調べた.その結果,大内臓神経には強い機械刺激 に反応する高閾値機械受容器が含まれ,バルーン伸展による急性の胃の痛みは大内臓神経が受容・ 伝達していた.また胃の一次知覚神経の機械刺激の受容には,MAP キナーゼのリン酸化が関わって いた. 1-2)胃の疾患に伴う痛みのメカニズム 実験的に潰瘍や炎症を作成しそれに伴う痛みを解析した.潰瘍や炎症による胃の痛みには,電位 依存性ナトリウムチャネルの興奮性の亢進を介した,神経成長因子による胃の知覚神経の感作が関 与していた.上腹部の痛みなど症状を呈するものの明らかな病変の無い機能性の疾患として,機能 性胃腸症(FD)が問題となっている.反復した水回避ストレスは胃に組織学的な病変を起こさないも のの胃の痛覚を亢進させ,しかも,CRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)拮抗薬はストレス後の 亢進した胃の痛みを抑制した.ストレスでみられた胃の痛覚過敏には CRF が関与し,機能性胃腸症 のメカニズムとして重要と考えられた. 2. 痛みを受容伝達する基礎的メカニズム 痛みの受容伝達や調節に関わるメカニズムは,対象となる組織や臓器,疾患によって異なる.我々 は,顎関節症,三叉神経因性疼痛,癌性疼痛,薬剤性神経因性疼痛,筋痛,骨折痛などさまざまな 動物モデルを作成し,それに伴う痛みのメカニズムの解明に携わってきた.抗がん剤シスプラチン による神経因性疼痛には,ATP の受容体である P2X3, 2/3 や酸受容体 ASIC3 の発現の亢進が関わっ ていた.末梢動脈疾患(PAD)に伴う痛みの動物モデルを開発したが,本モデルの痛みにも P2X3, 2/3 や ASIC が関与していた.また筋筋膜性疼痛症候群に特徴的な,筋硬結を伴う持続性の筋痛を示す 動物モデルを開発した.筋の変性・再生に伴う神経成長因子の発現や,脊髄マイクログリアの活性 化が筋痛に関与していた. 3. 内臓の痛みから筋骨格系を含めた深部組織の痛みのメカニズムの解析へ,

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近年の分子生物学の発展により,皮膚の痛覚神経の興奮やその変化に関与する分子が急速に解明 されつつある.それに伴い,これら分子の関連遺伝子やその産物を標的とした新しい痛みの治療法 が提唱されている.しかし筋骨格系や内臓など深部組織の痛みの研究は,現状では皮膚の痛みの知 見の後追いの感が否めない.内臓や筋骨格系の痛みは頻度が高く,疾患や加齢に伴って見られるの で臨床的にも重要であり,今後は皮膚での知見を踏まえつつ,皮膚とは異なった特徴のある筋骨格 系や内臓などの深部組織の痛みのメカニズムを明らかにすることが重要と考えている.

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学術奨励賞受賞講演 (レクチャーホール)

1. 転移性骨腫瘍の核医学診断・治療を目的とした薬剤の開発研究

金沢大学医薬保健研究域薬学系臨床分析学研究室 小川数馬 前立腺癌,乳癌などの癌は骨に転移し易く,その多くは激しい痛みを伴うために患者の quality of life は著しく損なわれる.この疼痛の緩和のための治療法として,副作用が少なく,一回の投与で 複数の部位に長期間の効果が期待できる,放射性薬剤を用いた内部照射療法(内用療法)が期待さ れ,その薬剤の一つとして,2007 年に国内でも 89Sr が承認され成果をあげている.この内用療法 に用いる放射性薬剤としていくつかの化合物が検討されているが,中でも rhenium-186 (186Re, 半 減期 91 時間)の標識化合物は,186Re が治療に適した β線と診断に適した γ 線を同時に放出する ことから,腫瘍への放射能の分布を確認しながら治療することができ,その利用が注目されている. 実 際 , こ れ ま で に , 造 骨 部 位 に 高 い 親 和 性 を 有 す る ビ ス ホ ス ホ ネ ー ト の 一 つ で あ る 1-hydroxyethylidene-1,1-diphosphonate (HEDP)と186Re とが直接配位した錯体186Re-HEDP が開発さ

れ,臨床研究が進められている.しかしながら,186Re-HEDP は錯体の安定性が乏しく,生体内で解 離して 186ReO 4−が生成するため,血液クリアランスの遅延,胃への放射能集積が起こり,問題とな る.そこで,本研究では,生体内で安定で,骨腫瘍部位に高く集積する 186Re 標識薬剤の開発を計 画した. 我々は,標的分子への親和性に関与する部位と,それとは独立して放射性核種を安定に保持する 部位とを具備する二官能性放射性薬剤の概念を提唱し,造骨部位に高い親和性を有することが期待 さるビスホスホネート誘導体を母体化合物として,この化合物の標的分子への親和性に関与する部 位とは独立して,186Re と安定な錯体を形成する mercaptoacetylglycylglycylglycine (MAG3)を配 位子とした 186Re-MAG3 錯体を結合した[[[[(4-hydroxy-4,4-diphosphonobutyl)carbamoylmethyl]

carbamoylmethyl]carbamoylmethyl]-carbamoylmethanethiolate] oxorhenium(V)(186Re-MAG3-HBP)

を設計,合成した.その結果,186Re-MAG3-HBP は,既存の化合物である 186Re-HEDPよりも高い生体

内安定性を示し,その安定性と高いハイドロキシアパタイトへの結合親和性に基づく,優れた骨特 異的な体内放射能分布を示した.次いで,得られた186Re-MAG3-HBP の転移性骨腫瘍に対する治療効

果を評価するため,乳癌細胞 MRMT-1 をラットの脛骨に注入して転移性骨腫瘍モデルを作製し,

186Re-MAG3-HBP を投与して,経時的に腫瘍の大きさを測定した.その結果,186Re-MAG3-HBP 投与群で

は,非治療群と比較して有意な癌の増殖抑制作用が認められた.また,von Frey filament test による痛み検定の結果,186Re-MAG3-HBP 投与群は,非投与群に対して有意な疼痛緩和効果を示した.

以上の結果は,転移性骨腫瘍の内用療法を目的とした 186Re 標識放射性薬剤の開発に基礎的な成

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2.

間葉系幹細胞に由来する各種細胞の機能制御に関する研究

金沢大学医薬保健研究域薬学系薬物学研究室 宝田剛志 個体が構築されるまでの発生と成長段階だけでなく,損傷や病態による組織欠損の修復には,組 織中に存在する体性幹細胞が重要な役割を果たしている.その一つである間葉系幹細胞は,自己複 製能とともに,骨芽細胞,軟骨細胞,脂肪細胞等への多分化能を有する原始細胞である.骨関節組 織を構成する骨芽細胞および軟骨細胞は,それぞれ骨密度の恒常性や関節の維持を担うとともに, 骨粗鬆症を主とする骨代謝性疾患や,関節リウマチ・変形性関節症などの関節疾患の病態発症に深 く関与する細胞種である.一方,脂肪細胞は脂肪組織を構成し,肥満やメタボリックシンドローム との関連性が近年注目されている. 多様な細胞の集団である組織においては,細胞同士が協調して機能するシステムを構築するため に,細胞間連絡を媒体する情報伝達物質は非常に重要な役割を果たすと考えられる.それ故,細胞 に対して特異的あるいは重点的に作用する物質を新たに同定することは,各細胞の分化・機能の制 御機構の理解に止まらず,疾患の予防または病態に対する理解を深める上で,重要な手がかりにな ると思われる.この細胞間ネットワーク形成には,ホルモン分泌に代表される「エンドクライン」, サイトカイン等の分泌による「オート・パラクライン」,および神経伝達物質放出に伴う「ニュー ロクライン」が関与する.間葉系幹細胞由来細胞群の機能制御機構に関しては,「エンドクライン」 や「オート・パラクライン」に関する知見は多く見受けられるが,「ニューロクライン」シグナル 分子に関する解析は,ほとんど行われていないのが現状である.そこで本研究では,グルタミン酸, γ-アミノ酪酸(GABA)あるいはアドレナリンに注目して,間葉系幹細胞に由来する各種細胞種の 「ニューロクライン」シグナル分子による機能制御の可能性を追究した. ○間葉系幹細胞の機能制御 間葉系幹細胞のモデル細胞として C3H10T1/2 細胞およびマウス骨髄由来間葉系幹細胞を使用し解析 を行った.その結果,グルタミン酸が間葉系幹細胞に発現するシスチン/グルタミン酸アンチポー ターに作用することにより,グルタチオン濃度変動を介して幹細胞の自己複製能および骨芽細胞へ の分化能を抑制すること,および間葉系幹細胞には機能的なβ2アドレナリン受容体が発現し,そ の活性化により細胞の酸化ストレスに対する抵抗性が上昇することを見出した. ○骨芽細胞の機能制御 骨芽細胞のモデル細胞として MC3T3-E1 細胞およびマウス頭蓋骨由来初代培養骨芽細胞を使用し解 析を行った結果,骨芽細胞に発現するシスチン/グルタミン酸アンチポーターにグルタミン酸が作 用すると,骨芽細胞の増殖性が抑制されること,閉経後骨粗鬆症モデルマウスの骨組織では,シス チン/グルタミン酸アンチポーターのサブユニットである xCT が高発現すること,および骨芽細胞 に xCT を強制発現させると骨芽細胞の分化能が顕著に抑制されることを見出した.さらに,骨芽細 胞には GABA 受容体サブタイプである GABAB受容体が発現し,破骨細胞分化決定因子である RANKL

の発現制御を通じて,骨リモデリングを制御する事実を見出した. ○軟骨細胞の機能制御

軟骨細胞の解析は,モデル細胞である ATDC5 細胞,およびラット肋軟骨由来初代培養軟骨細胞を使 用して行った.その結果,軟骨細胞には NMDA 受容体が発現し,その受容体の活性化は軟骨細胞の

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成熟化を促進させることを発見した.また,軟骨細胞には D-セリン合成酵素である Serine racemase が発現すること,および軟骨細胞自身が D-セリンを合成・放出して NMDA 受容体の内在性調節因子 として作用することを見出した.また,軟骨細胞に対してアドレナリンは,β2アドレナリン受容 体の活性化に伴う転写制御因子 Sox6 の発現抑制を介して,分化・成熟過程を抑制することを見出 した. ○脂肪細胞の機能制御 脂肪細胞の機能解析を行うにあたり,3T3-L1 細胞やマウス胎児由来繊維芽細胞を人為的に脂肪細胞 に分化誘導させて解析を行った結果,脂肪細胞には GABAB受容体が発現し,抗肥満ホルモンである レプチンの発現を正に制御することを見出した. 以上より,間葉系幹細胞および由来細胞種において,ニューロクラインシグナル分子による機能制御機 構が存在する事実が明らかとなった.本研究成績は,これら細胞の増殖・分化メカニズムの解明だけでなく, 細胞機能破綻に起因する疾患への治療学的アプローチの重要な足掛かりになると考えられる.今後,間 葉系幹細胞由来の各種細胞種におけるニューロクライン分子の生理学的および病態生理学的重要性を 認識することにより,各種疾患治療に新たな展望をもたらすことが期待される.

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大学院優秀発表賞応募講演 第1部門(生物系・医療系) (104 講義室)

1 シグマ受容体を標的とした癌イメージング剤の合成・評価

○神原弘弥1,小川数馬1,柴 和弘2,北村陽二2,小阪孝史2,黄檗達人1,小谷 明1 (1 金沢大院医学系研究科,2 金沢大学際科学実験センター) シグマ受容体は種々のヒト癌細胞に過剰発現しているため,癌イメージングの有望な標的となり得 る.我々はこれまでに(+)-pIV (Fig. 1)がシグマ受容体に対し非常に高い親和性を有することを見出し てきた.さらに,(+)-[125I]-pIV の癌移植マウスにおける体内分布実験を行った結果,(+)-[125I]-pIV は高い癌集積を示すことを報告してきた.この 125I を 76Br に代替し,高感度かつ定量性に優れる PET イメージングへの応用を目指し,(+)-pBrV (Fig. 1)を合成し評価を試みた.本研究では76Br に比べ長 半減期を持つ77Br を用い基礎検討を行った.親和性実験の結果,(+)-pBrV はシグマ受容体に対し高い 親和性示した.体内分布実験の結果,(+)-[77Br]-pBrV は高い腫瘍集積性を有することも確認された. さ ら に , 過 剰量 の シ グマ リ ガ ンド に よ り受 容体 を 阻 害 する こ と で (+)-[77Br]-pBrV の癌集積は有意に低下し,(+)-pBrV の癌集積は受容体特 異的なものであることが示された.以上の結果より,放射性臭素標識 (+)-pBrV は,シグマ受容体を標的とした癌イメージング剤として有用で ある可能性が示された.

2 水酸化多環芳香族炭化水素のメダカとウニの胚発生に及ぼす影響

○ 川部季美1 , Mohamed Nassef2, 大嶋雄治2, 鈴木信雄3, 笹山雄一3, 服部淳彦4, 中野 淳1, 鳥羽 陽1 ,亀田貴之1, 早川和一1(1金沢大院薬, 2九州大農, 3金沢大臨海, 4東医歯大教養) 重油に汚染された海水で孵化したヒラメ稚魚に生ずる脊柱湾曲の原因はこれまで不明であった.そこ で演者らは,酵母 two-hybrid 法を用いて解析した結果,水酸化多環芳香族炭化水素(OHPAH)類の中に 強いエストロゲン様活性或いは抗エストロゲン活性を示すものがあること見出し,OHPAH が骨代謝を調 節する因子の一つとしてエストロゲンの受容体を介して骨代謝に影響する可能性を指摘した.本研究で は,in vivoにおける OHPAH の作用を調べるため,メダカ及びムラサキウニの受精卵を用いて解析した. 試験物質は,酵母 two-hybrid 法によりエストロゲン活性を示した 4-hydroxybenz[a]anthracene ( 4-OHBaA ) と そ の 親 物 質 で あ る benz[a]anthracene ( BaA ), 抗 エ ス ト ロ ゲ ン 作 用 を 示 し た 3-hydroxybenzo[c]phenanthrene (3-OHBcP)とその親物質である benzo[c]phenanthrene (BcP)とし た.メダカの受精卵にナノインジェクション法を用いて,10-8∼10-10 M の試験物質の含有油滴をマイク

ロキャピラリーにより投与し,定期的にメダカの胚を立体顕微鏡で観察した.ウニ胚の実験では,受精 膜の形成を確認後,卵を 5 群に分け,4 種類の試験物質(10-8 M)を海水に添加し,エタノールを添加

した対照群と比較した.その結果,メダカの胚発生では,致死率は 4-OHBaA > BaA,3-OHBcP > BcP と, いずれも PAH より OHPAH のほうが高かった.さらに PAH 及び OHPAH 投与群において孵化遅延が観察され, 孵化率は BaA > 4-OHBaA,BcP > 3-OHBcP であり,PAH よりも OHPAH のほうが低かった.また,ムラサキ ウニの胚発生においても,PAH 及び OHPAH を添加することにより,運動性の低下が観察され,特に発生 遅延は,OHPAH により引き起こされた.以上より,重油の毒性の本体は PAH ではなく,その水酸化代謝 物(OHPAH)類であり,メダカ及びウニの初期胚発生を攪乱している可能性が高いことがわかった.

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3 脳脊髄液からの L-glutamate 排出輸送解析

○ 櫻井達彦1,赤沼伸乙1,立川正憲2, 久保義行1, 細谷健一1 (1富山大院薬, 2東北大院薬) 【目的】酸性アミノ酸である L-glutamate (L-Glu) は,生体内において興奮性神経伝達物質として重 要な役割を持っている.一方,高濃度の L-Glu はニューロンに毒性を及ぼすことが知られており,その 細胞外液中濃度の上昇によって神経変性疾患を引き起こす可能性が考えられる.生理的には,脳間質液 (ISF) 中の L-Glu 濃度は低濃度 (1∼3 µM) であり,この維持機構として,アストロサイト,ニューロ ン,脳毛細血管内皮細胞による L-Glu 取り込みが知られている.また,脳脊髄液 (CSF) 中の L-Glu 濃 度 (11 µM) は脳 ISF 中濃度より高く,脳 ISF 中濃度上昇および神経細胞の機能異常を引き起こす可能 性が示唆される.従って,本研究では,CSF 中からの L-Glu 消失経路の解明を目的とした. 【方法】ラット CSF からの[3H]L-Glu 排出を解析するため,[3H]L-Glu をラット脳室内に投与した後, CSF 中に残存する[3H]L-Glu を測定し,残存率を解析した.また,ラットから単離した脈絡叢を用いて, ラット脈絡叢における[3H]L-Glu 取り込みを解析した.免疫染色法によって,ラット脳室における興奮 性アミノ酸輸送担体 (EAAT1, 2) の発現および局在を解析した.

【結果・考察】ラット脳室内における[3H]L-Glu の消失速度定数は 0.194 min-1であり, bulk flow マ

ーカーである[14C]D-mannitol より 5 倍高い値であった.さらに,[3H]L-Glu の消失は,非標識 L-Glu 同

時投与によって有意に阻害された.ラット単離脈絡叢における[3H]L-Glu 取り込みは時間依存性を示し, 非標識 L-Glu 共存下において,その取り込みは有意に阻害された.ラット単離脈絡叢での取り込み解析 で得られた L-Glu 排出クリアランス値は,ラット脳室内投与法で得られた排出クリアランス値の 1%未 満であり,これらの結果から,CSF 中からの L-Glu 排出に対する血液脳脊髄液関門 (BCSFB) の寄与は 小さいことが示唆された.また,免疫組織学的解析の結果では,EAAT1 および EAAT2 が脳室の上衣細胞 に発現していることが示唆された.以上の結果から,L-Glu が CSF 中から消失する主要な経路は,BCSFB を介する循環血液中への排出ではなく,上衣細胞による取り込み輸送であることが示唆された.

4 GABA

B

R1 サブユニットによる脂肪細胞の leptin 発現調節

○ 中村由香里,檜井栄一,宝田剛志,高畑佳史,米田幸雄 (金沢大院薬・薬物学) 【目的】γ-アミノ酪酸(GABA)は中枢神経系の多くの部位で抑制性伝達物質として働いているが,近年 我々はそのシグナルを受容する GABA 受容体(GABAR)が骨芽細胞や軟骨細胞に機能的に発現する事実を見 出した.また,これらの細胞と同じ間葉系幹細胞を起源とする脂肪細胞においても,GABABR を形成する サブユニットのうち GABABR1 が発現することを本学会第 120 回例会にて報告した.そこで今回は GABABR1 欠損マウスを用いて,脂肪細胞に発現する GABABR1 の機能的役割の解明を試みた.【方法】野生型マウス および GABABR1 欠損マウスから単離した初代培養脂肪細胞(EF 細胞)について,RT-PCR 法により脂肪細 胞関連遺伝子の発現検討を行った.また,野生型および GABABR1 欠損マウスから摘出した内臓脂肪組織 についても同様の検討を行った.さらに,ELISA 法による血中 leptin 濃度の測定と食餌摂取量の比較も 行った.【結果】摂食行動に重要な leptin の mRNA 発現には EF 細胞および内臓脂肪組織ともに,GABABR1

欠損マウスにおいて有意な減少が観察された.さらに,GABABR1 欠損マウスでは血中 leptin 濃度の有意

な減少が確認されただけでなく,摂食量には GABABR1 欠損マウスで有意な増加が見られた.【考察】脂肪 組織において発現が認められる GABABR1 サブユニットは,leptin の発現調節に重要な役割を果たす可能

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5 網膜 Müller 細胞における taurine 輸送機能

○安藤大介1, 赤沼伸乙1, 立川正憲2, 久保義行1, 細谷健一1 (1富山大院薬, 2東北大院薬) 【目的】網膜における活発な神経活動は,神経細胞容積の増加および細胞外液中浸透圧の減少を誘発す ることが知られており,シナプス周囲の空間が減少することからニューロンの興奮性亢進を惹起する可 能性がある.このため,網膜細胞間隙液中の浸透圧の調節は網膜の機能維持において重要である. Taurine は網膜に高濃度(約 12 mM)存在し,細胞内外に輸送することで細胞容積の調節と細胞内外の 浸透圧バランスを維持する有機浸透圧調節物質である.また,網膜グリア細胞である Müller 細胞は網 膜細胞間隙液中に存在する低分子の量的調節を担う.そこで本研究では,Müller 細胞における taurine の細胞膜透過機構の解明を目的とした.

【方法】条件的不死化ラット Müller 細胞株(TR-MUL5 細胞)を用い,[3H]taurine の輸送特性を解析し

た.Taurine transporter(TauT/Slc6a6)mRNA の発現は,RT-PCR 法にて解析した.

【結果・考察】TR-MUL5 細胞への[3H]taurine 取り込みは,Na+,Cl-および濃度依存性(Km=38 μM)

を示した.この取り込みは,β-alanine および hypotaurine 等の TauT 基質存在下において,有意に阻 害された.RT-PCR 解析によって,TR-MUL5 細胞において TauT mRNA の発現が示された.一方,TR-MUL5 細胞からの[3H]taurine 排出は低浸透圧条件下で有意に増加した.さらに,低浸透圧条件下において

[3H]taurine 排出は,sphingosine-1-phosphate 共存下にて有意に増加し,この[3H]taurine 排出の増加

は容積感受性アニオンチャネル(VSOAC)特異的阻害剤によって有意に阻害された.以上のことから, Müller 細胞内への taurine 取り込みは TauT を介すること,Müller 細胞外への taurine 排出は低浸透圧 条件下において増加し,その過程に VSOAC が関与することが示唆された.

In vitro 蛍光イメージング(QTLI)法を用いた MRP2 機能変動評価−肝代謝を考慮した薬物間

相互作用予測への応用−

○池永美穂,中西猛夫,福田 元,白坂善之,玉井郁巳(金沢大院薬・薬物動態学) 肝細胞胆管側膜に発現する薬物排出型輸送体 MRP2(ABCC2)は,様々な薬物やその代謝物の胆汁への排 泄を担うため,MRP2 上での薬物間相互作用は薬物の肝蓄積性を高め肝障害の原因となりうる.我々はこ れまでに,胆管腔を形成するサンドイッチ培養肝細胞(SCH)を用いた MRP2 輸送活性の評価法として,細 胞内で加水分解されて MRP2 蛍光基質 5(and)-carboxy-2 -7 -dichloro-fluorescein (CDF)へ変換され る CDF Diacetate (CDFDA)を用いた MRP2 輸送機能の定量的可視化 (Quantitative Time-Lapse

Imaging(QTLI)) 法を提唱してきた (Nakanishi et al., Drug Metab. Dispos. 26:171-179 (2011)). 本発表では,SCH が薬物代謝活性を in vitro 評価系として維持していることを利用し,肝細胞内で生成 される代謝物による MRP2 への影響評価への応用性を検討した.肝細胞内で MRP2 基質 estradiol 17β-glucuronide (E17G)へとグルクロン酸抱合代謝を受ける estradiol (E2)をモデル化合物として用 い,評価を行った.E2 を曝露したラット SCH における rMrp2 輸送活性は,蛍光顕微鏡下で CDF の胆管腔 移行を経時的に観察することで測定した.また,rMrp2 を介した CDF 輸送は rMrp2 発現ベシクルを用い て測定した.rMrp2 を介した CDF 輸送は,E2 存在下(300 µM)では変化しなかったが,E17G によっては濃 度依存的に減少し,IC50 値は約 60 µM であった.E2 を曝露した SCRH において,E17G が検出され,この 時 CDF の胆管腔移行性が有意に減少した.さらに,CDF の胆管腔移行性は E2 の曝露時間や濃度に依存的 に減少した.E2 および E17G は CDFDA からの CDF 生成には影響せず,胆管腔中移行性低下は肝細胞内で 生成した E17G による rMrp2 機能阻害により生じることが強く示唆された.以上の結果より,QTLI は肝 細胞内代謝物による MRP2 上での薬物間相互作用評価が可能であり,肝における代謝物が未同定な物質 に対しても,薬物誘導性肝障害予測系としての応用性が示された.

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7 健常成人のミゾリビン消化管吸収に対する遺伝と食塩摂取の影響

○深尾美紀1,渡邉ひとみ1,石田和也1,田口雅登1,橋本征也1,松倉裕喜2,宮脇利男3 (富山大院薬1,済生会富山病院小児科2,富山大学小児科3 【背景・目的】核酸類似薬物であるミゾリビンの免疫抑制作用は血中濃度と密接に関連するが,経口投 与後の薬物血中濃度には大きな個体差が存在する.ミゾリビンは生体内でほとんど代謝を受けず主に腎 臓から排泄されるため,患者の腎機能がミゾリビンの体内動態の変動要因と考えられてきたが,消化管 吸収過程もミゾリビンの体内動態の個体差の一因として考えられている.本研究では,ミゾリビンの消 化管吸収に対するトランスポーターの遺伝的多型と食塩摂取の影響を評価した. 【方法】日本人健常成人男性 30 名を対象として,ミゾリビン 150 mg を服用後 12 時間までの尿中排泄 速度からバイオアベイラビリティおよび消失速度定数を算出した.また,末梢血から得られた DNA を用 いて,concentrative nucleoside transporter 1 (CNT1) G565A変異,breast cancer resistance protein (BCRP) C421A変異,および multidrug resistance-associated protein 4 (MRP4) G2269A変異の遺伝 子診断を行った. 【結果・考察】CNT1 565-A/A遺伝子を有する被験者におけるミゾリビンのバイオアベイラビリティの平 均値(75.4%)は,CNT1 565-G/G遺伝子を有する被験者のもの(90.1%)と比較して有意に低かった.一方, ミゾリビンのバイオアベイラビリティに対する BCRP C421A変異とMRP4 G2269A 変異の影響は認められ なかった.また,バイオアベイラビリティの低い被験者 8 名を対象として,ミゾリビンの消化管吸収に 対する食塩負荷の効果を追加検討した結果,7 名でバイオアベイラビリティの増加が認められた.以上 の結果より CNT1 G565A 変異はミゾリビンのバイオアベイラビリティの個体差の一因であることが明ら かになった.また,食餌に含まれる食塩の量によって,ミゾリビンのバイオアベイラビリティが変動す る可能性があると推定された.

8 ヒトがん細胞株における 5-アミノレブリン酸(ALA)誘導性プロトポルフィリンⅨ蓄積機構の解明

○小川哲郎,柳原千泰,中西猛夫,白坂善之,玉井郁巳(金沢大院薬・薬物動態学)

5-アミノレブリン酸 (5-aminolevulinic acid, 以下 ALA)は,投与後,代謝物であるプロトポルフィ リンⅨ (以下,PPⅨ) が腫瘍組織選択的に蓄積することから,光線力学療法薬として利用されている. しかし,PPⅨ蓄積性はがん種や悪性度によって異なり,PPⅨ蓄積機構は十分に理解されていない.本研 究では,光線力学療法の有効性予測を目的とし,ヒトがん細胞株における PPⅨ蓄積規定因子の探索を行 った.まず,種々のヒトがん細胞株において,ALA 曝露後の PPⅨ蓄積量,ALA の取り込み,PPⅨ生合成 (ALA 代謝),ならびに PPⅨ消失(代謝および排出)を速度論的に解析した.がん細胞株における ALA の 取り込み速度は細胞内 PPⅨ生合成速度と比較して有意に高く,PPⅨ生合成が律速段階であることが示唆 された.しかし,がん細胞株間の PPIX 蓄積量の差を PPⅨ生合成,代謝,細胞外排出の内,1過程のみ で説明することは困難であった.従って,細胞内 PPIX 蓄積性は PPIX 生合成,代謝および細胞外排出の 3 者のバランスにより決定されるものと考えられた.得られた三つのパラメーター(PPⅨ生合成,代謝, 細胞外排出)を組み合わせ,細胞内 PPIX 蓄積性予測を試みた.5 種のがん細胞から得られたパラメータ ーを基準細胞の値で正規化し算出された PPⅨ蓄積性指標(PPⅨ Accumulation Index, 以下 PAI)は, 基準細胞の PPⅨ蓄積量で正規化された各々の細胞の相対的 PPⅨ蓄積量と有意に相関した.以上の結果 より,PPXI の見かけの蓄積性は細胞毎に規定因子が異なり,その相対的関係で考える必要のあることが わかった.また,本研究で定義した PAI は ALA を曝露した細胞内 PPⅨ蓄積量を予測する上で有用な指標 であることが示唆され,本指標を用いた ALA による腫瘍選択的な PPⅨ蓄積性予測への応用が期待される.

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9 トランスポーターを介した薬物-ジュース間相互作用機構

○七里 恵,白坂善之,森 貴則,中西猛夫,玉井郁巳(金沢大院薬・薬物動態学) フルーツジュース (FJ)は,その併用により薬物吸収動態を変動させるため,医薬品の有効性や安全 性などに多様な影響を及ぼす可能性が示唆されている.これら薬物吸収動態変動はグレープフルーツジ ュース (GFJ)をはじめ,オレンジジュース (OJ) やアップルジュース (AJ) など異なる FJ によっても 観察されており,各 FJ と種々消化管機能間の多様な相互作用により生じると推察されている.そこで 本研究では,FJ による薬物吸収動態変動の発生機序を解明することを目的として,薬物吸収に関与する 消化管トランスポ− タ− に着目し,各 FJ およびその成分のトランスポーターに対する作用機構の違い について検討を試みた.まず,フェキソフェナジンのラット小腸膜透過性に対する FJ の影響を評価し たところ,いずれの FJ によっても吸収性が低下したが,ピタバスタチンの膜透過性は GFJ により上昇 した.有機アニオントランスポーター (Oatp)および P 糖タンパク質 (P-gp)発現細胞を用いたin vitro 実験により,フェキソフェナジンの膜透過性変動は各 FJ による Oatp 阻害に起因し,ピタバスタチンの 膜透過性変動は P-gp 阻害に起因していることが示唆された.また,ヒト OATP および P-gp に関しても 検討を行ったところ,いずれの薬物もラットと類似した結果が得られた.一方,各 FJ が異なる成分を 有していることを考慮すれば,相互作用を引き起こす原因成分は FJ 間で異なっていることが推察され る.そこで,薬物− FJ 間相互作用に関わる原因成分の考察を行うために,FJ 中成分の濃度解析とそれ ら成分による OATP 阻害効果を評価した.その結果,GFJ および OJ による OATP 阻害はそれぞれ naringin および hesperidin に起因することが示唆された.AJ については,phlorizin の関与が示唆されたが, その影響の程度から他の成分との複合的な効果であると考察された.以上より,(i) 関与するトランス ポーター,(ii) 各 FJ による阻害効果,(iii) FJ 中の原因成分などの違いが,種々FJ による多様な薬 物吸収動態変動に関与することが示唆された.

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第2部門(化学系・物理系) (103 講義室)

1 フコシダーゼ阻害活性を有するポリヒドロキシピペリジン誘導体の合成研究

○坂 知樹1,湊大志郎1,杉本健士1,松谷裕二1,中川進平2,山下侑子2,加藤 敦2 足立伊佐雄2,Peter G. Kirira3,尾野村治3,豊岡尚樹4 (1富山大院薬, 2富山大病院薬, 3長崎大院薬, 4富山大院工) 【背景・目的】L-フコースを特異的に加水分解する糖代謝酵素であるフコシダーゼは,細菌の細胞壁の 強度維持に関与していることから,フコシダーゼ阻害剤が新たな作用機序の抗菌薬となる可能性が示唆 されている.そこで,新規フコシダーゼ阻害剤の開発を目的とし,L-フコースを擬態したポリヒドロキ シピペリジン誘導体を合成し,その活性評価を行った. 【結果】L-アラニン (1) を出発物質として,数工程にて共通中間体 6 を調製し,続く変換により十数 種のポリヒドロキシピペリジン誘導体を合成した.フコシダーゼ阻害活性を測定した結果,1-C 位にベ ンゼン環を有する 1-C-(p-chlorophenyl)propyl 体 7a および 1-C-(p-trifluoromethylphenyl)propyl 体 7b の IC50値は,44 nM および 43 nM であり,現時点で最強のフコシダーゼ阻害剤である DFJ (89 nM) を上回る強力な阻害活性が認められた.

2 (±)-Lycoflexine,(±)-Lycoposerramine-Q の全合成研究

○伊藤直哉,稲垣冬彦,岩田 隆,向 智里(金沢大院薬)

Lycoflexine (1)及び lycoposerramine-Q (2)は,4 環性構造を有するlycopodiumアルカロイドであ る.今までに 1 の全合成が二例報告されているが,2 の全合成は全く報告されていない.今回我々は, メチル基に変換可能なエキソメチレンを側鎖に有するジエンイン体 4 を用いて Pauson-Khand 反応(PKR) を行った後,エキソメチレン部を立体選択的に還元できれば,1,2 の A,B 環部及び 15 位に相当するメチ ル基を一挙に構築することが可能となり,効率的な標的天然物群の合成に繋がると考え,その全合成研 究に着手した.文献既知のアルコール体 3 から 4 工程で合成した 4 の PKR を行い二環性骨格を構築後, Wilkinson 触媒を用いた水素添加により,縮環部の水素と六員環上のメチル基が目的の立体化学を有す る閉環体 5 を二工程収率 70%で得ることに成功した.5 から 11 工程の化学修飾を経て,標的天然物群 の共通合成中間体となる三環性化合物 6 を合成した.現在,1 及び 2 への誘導を検討中である.

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3 [2.2]パラシクロファン骨格を有する面不斉ホスフィン触媒の開発

北垣伸治,○太田有羽,高橋亮平,向 智里(金沢大院薬) 【目的】[2.2]パラシクロファンは環上に置換基を有すると面不斉を生じる.我々はこの構造的特性を 活かした,多点認識型の酸-塩基複合型有機分子触媒の創製を計画し,立体的嵩高さと空間的自由度を 与えるスペーサーを介して各種酸性官能基(XH)を pseudo-オルト位に配置したホスフィン触媒 1 を設計 した. 【実験・結果】[2.2]パラシクロファンを出発原料として,既存の手法により光学分割を行った後,ブロ モアルコール体 2 の両官能基を足掛りに光学活性なホスフィン触媒 1 を合成した.各種触媒 1 をイミン 3 とメチルビニルケトン 4 のアザ Morita-Baylis-Hillman 反応に適用したところ,酸性官能基が水酸基の場 合に,最高不斉収率 70%でアリルアミン体 5 が得られた.

4 銅塩/アミンを活用した 1,4-ビスアレンの[2+2]環化付加反応

北垣伸治, ○梶田幹人, 成田 集, 向 智里 (金大院薬) 【目的】ビスアレン誘導体は加熱により分子内の 2 つのアレン間で[2+2]環化付加反応を起こし,ビシ クロ[n.2.0]アルカジエン化合物を与えることが知られている.しかし,アレン間を二原子で連結した 1,4-ビスアレンでは,一般に形式的な[3,3]-シグマトロピー転位によるテトラエン体の生成が主とな る.我々は本反応系で[2+2]環化付加反応を優先させる反応条件の探索を行った. 【実験・結果】種々検討の結果,ジオキサン還流化に銅塩とアミンを共存させるとテトラエン体 3 の生 成が抑制され,所望の環化体 2 が優先して得られることを見出した.安価で良好な結果を与えた臭化銅 (II)とジイソプロピルアミンを用いる条件を採用し,R1∼R4の位置に置換基を有する各種ビスアレンの [2+2]環化付加反応に適用したところ,最高収率 81%で対応する環化体 2 が得られた.

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68

Ga 標識 PET 骨イメージング薬剤開発のための基礎検討

○高井健一郎1,小川数馬1,黄檗達人1,北村陽二2,柴 和弘2,小谷 明1 (1金沢大院医,2金沢大学際科学実験センター) 【目的】近年,ポジトロン放出(PET 用)核種である 68 Ga がその優れた物理的性質から注目を集めている (t1/2 = 68 min, ジェネレーター産生核種).本研究では放射性ガリウムを用いた転移性骨腫瘍診断 PET 用 薬剤の開発を目的として,骨への輸送担体として骨に高親和性を示す酸性アミノ酸ペプチドと Ga-DOTA 錯体とを結合した化合物の設計,合成,評価を行った.尚,本研究では68 Ga より半減期が長く,取扱いが 容易な67 Ga(t1/2 = 3.3 day)を用いて基礎検討を行った. 【方法】DOTA-(Asp)n (n = 2, 5, 8, 11, or 14)を Fmoc 固相合成法により合成し 67 GaCl3と反応させることによ り,67 Ga-DOTA-(Asp)nを得,これら化合物の緩衝液中での安定性,ハイドロキシアパタイト(HA)との結合 親和性,ノーマルマウスにおける体内放射能分布を評価した. 【結果及び考察】67 Ga-DOTA-(Asp)nは緩衝液中で高い安定性を示し,HA との結合実験の結果,アスパ ラギン酸の結合数の増加に依存した HA への結合親和性を示した.体内放射能分布実験の結果, 67 Ga-DOTA-(Asp)nは投与後速やかに骨への高い集積を示し,非標的臓器への集積はほとんど観察され なかった.またアスパラギン酸の結合数によるマウスの体内放射能分布を比較すると HA 結合実験の結果 を反映して,結合数増加に依存した骨への放射能集積の増加を示した.更に,イメージングの指標とな る,血液に対する標的組織の比を算出した結果,67 Ga-DOTA-(Asp)11, 14は実際に臨床で使用されている 骨シンチグラフィ用薬剤である 99m Tc-HMDP と比べても同等の標的組織/血液比を示した.以上の結果よ り,67 Ga-DOTA-(Asp)nは PET 骨イメージング薬剤として有用である可能性が示された.

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