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特 定 が 必 要 であり, 法 7 条 の 裁 量 的 開 示 を 求 める 第 3 諮 問 庁 の 説 明 の 要 旨 1 本 件 開 示 請 求 について 本 件 開 示 請 求 は, 処 分 庁 に 対 して, 特 定 法 人 が 大 森 税 務 署 に 提 出 した, 特 定 期 間 の

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諮問庁:国税庁長官 諮問日:平成23年5月19日(平成23年(行情)諮問第247号) 答申日:平成24年4月27日(平成24年度(行情)答申第25号) 事件名:特定会社に係る売掛金内訳書等の不開示決定(存否応答拒否)に関する件 答 申 書 第1 審査会の結論 別紙に掲げる文書(以下「本件対象文書」という。)につき,その存否を明ら かにしないで開示請求を拒否した決定は,取り消すべきである。 第2 審査請求人の主張の要旨 1 審査請求の趣旨 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)3条の規 定に基づく本件対象文書の開示請求(以下「本件開示請求」という。)に対し, 平成23年2月4日付け大森総総第5002号により大森税務署長(以下「処 分庁」という。)が行った不開示決定(以下「原処分」という。)について,そ の取消しを求める。 2 審査請求の理由 審査請求人の主張する審査請求の理由は,審査請求書の記載によると,おお むね以下のとおりである。 (1)本件対象文書は存在すると思われる。 (2)本件対象文書の開示を求めているのであり,文書の有無は問い合わせてい ないことから,開示拒否の理由としては不適当である。 (3)本件対象文書については,法人税申告書に添付されている総勘定元帳内訳 書の売掛金(未収入金)の内訳書及び預貯金の内訳書のみと部分的に限定し ており,容易に区分することが可能である。 (4)特定会社は,裁判所の再三の呼出状を受け取らず,代表取締役Aの住所に ついても住所調査中再三転居していることから,最終的に,公示送達となっ た。 実質的に会社経営は破綻していると思われるので,国税庁の行政機関の保 有する情報の公開に関する審査基準第3の3(3)の法的保護に蓋然性は必 要としないと思われる。 (5)特定会社に対して,東京簡易裁判所において強制執行付与判決(平成22 年(少コ)特定号)が出ているので強制執行が可能である。下請け代金に対 して強制執行する場合,民事執行規則133条2項により差押下請け代金の

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特定が必要であり,法7条の裁量的開示を求める。 第3 諮問庁の説明の要旨 1 本件開示請求について 本件開示請求は,処分庁に対して,特定法人が大森税務署に提出した,特定 期間の事業年度に係る法人税確定申告書に添付された勘定科目内訳明細書のう ち,売掛金(未収入金)の内訳書及び預貯金の内訳書の開示を求めるものであ る。 2 本件対象文書について 内国法人である普通法人は,法人税法74条に基づき,原則として事業年度 終了の日の翌日から2月以内に税務署長に確定申告書及びその添付書類を提出 しなければならないとされている。 また,確定申告書には,法人税法施行規則(以下「規則」という。)35条1 項に基づく当該事業年度の貸借対照表及び損益計算書(以下「決算書等」とい う。)及び同条3項に基づく当該決算書等に係る勘定科目内訳書明細を添付する こととされている。 本件対象文書は,規則35条3項に規定された勘定科目内訳明細書のうち, 「売掛金(未収入金)」及び「預貯金」の内訳明細書である。 通常,確定申告書に添付される決算書等における資産や負債等の各項目は, 一般的な勘定科目(「売掛金」及び「預貯金」等)を用いて表示されており,そ れら各勘定科目の詳細な説明資料として,規則35条3項は,勘定科目内訳明 細書を添付することを義務付けている。これは,国税当局においては,法人の 決算が税法に定められている諸規定や企業会計原則に従って公正妥当に行われ, その結果が決算書等に適正に表現されているかどうかを確認する必要があるた めである。また,確定申告書に添付すべき勘定科目内訳明細書は,当該事業年 度の決算書等に係るものに限定されているところ,当該決算書等に記載のない 勘定科目に係る勘定科目内訳明細書については提出する必要はないとされてい る。 3 原処分について 処分庁は,平成23年2月24日付け大森総総第5002号により,本件対 象文書の存否を明らかにすることは,当該法人の財務状況や経営状況等を公に することになり,当該法人が同業他社との競争関係において不利となるなど, 当該法人の正当な利益を害するおそれがあるため,法5条2号イの不開示情報 を開示することになるとして,法8条の規定により,原処分を行った。 これに対し審査請求人は,原処分の取消し及び本件対象文書の開示を求め, 平成23年2月25日に審査請求を行ったことから,以下,原処分の妥当性に

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ついて検討する。 4 原処分の妥当性ついて 本件対象文書の存否を答えることは,特定法人が特定の事業年度(終了の日 時点)において,「売掛金(未収入金)」及び「預貯金」を有しているか否かに 関する情報(以下「本件存否情報」という。)を明らかにする結果を生じさせる ものと認められる。 以下,本件存否情報の不開示情報該当性について検討する。 (1)法5条2号イ該当性 勘定科目内訳明細書は,上記2のとおり,法人の決算書等の内容を具体的 に反映するものであり,それらは一体として当該法人の財務状況等を明らか にするものである。 したがって,本件存否情報は,これを公にした場合,特定法人の財務状況 等が明らかとなり,当該法人が同業他社との競争関係において不利となるな ど,特定法人の正当な利益を害するおそれがあるため,法5条2号イの不開 示情報に該当すると認められる。 (2)法5条6号柱書き及びイ該当性 我が国においては,申告納税制度が採用されているところ,国税庁は納税 者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現することをその使命とし ている。そのため,善良な納税者が課税の不公平感を持つことがないよう, 納税義務が適正に果たされていないと認められる納税者に対しては,的確な 指導や調査を実施することによって誤りを確実に是正することとしている。 このような国税庁の使命に鑑みると,法人から提出される法人税確定申告 書及びその添付書類は,国税当局において,当該法人の納税義務が適正に果 たされているかどうかを確認するための重要な手掛かりとなるものであると 認められる。 本件存否情報を公にした場合,上記(1)のとおり,特定法人の正当な利 益を害するおそれがあるため,じ後,書類の提出をちゅうちょするなど,適 正な申告が行われなくなるおそれがある。 そして,このような事態が生ずれば,国税当局が行う調査事務等において, 特定法人の内部関係や財務状況を把握することが困難となり,ひいては,正 確な税額の計算が困難になるなど,税務行政の適正な遂行に支障を及ぼすお それがある。 したがって,本件存否情報は,法5条6号柱書き及びイの不開示情報に該 当するものと認められる。 5 審査請求人の主張について

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審査請求人は,上記第2の2(1)ないし(5)のとおり主張するが,以下 のとおり,その主張に理由はない。 (1)上記第2の2(1)ないし(3)について 処分庁は,本件対象文書の存否を答えるだけで,本件存否情報という不開 示情報を開示することになるため,その存否を明らかにせずに開示請求を拒 否する旨の原処分を行ったのであり,上記4のとおり,その処分は妥当であ る。 (2)上記第2の2(4)について 審査請求人は,本件対象文書に係る特定法人が破綻状態にあることを前提 として開示請求している。 しかしながら,特定法人が破綻状態にあるか否かは不明であること,本件 存否情報を公にした場合,当該法人の財務状況等が明らかとなり,当該法人 が同業他社との競争関係において不利となるなど,当該法人の正当な利益を 害するおそれがあるため,法5条2号イの不開示情報に該当することから, 審査請求人の主張には理由がない。 (3)上記第2の2(5)について 法に定めた開示請求権制度においては,開示請求者が誰であるか,開示請 求に係る行政文書に記録されている情報について利害関係を有しているかど うかなどの個別的事情は,当該行政文書の開示決定等の結論に影響を及ぼさ ない。したがって,特定法人に対し民事訴訟において強制執行付与判決が出 ているとの審査請求人の主張は,当該結論に何ら影響しない。 また,法7条に規定する裁量的開示とは,開示請求に係る行政文書に不開 示情報が記録されている場合であっても,行政機関の長が,公益上特に必要 と認めるときは,これを開示することができるとするものである。その判断 は,当該不開示情報を公にすることについて,保護すべき利益を上回る公益 上の必要性があると認められるかどうかによって行われる。 本件において,審査請求人の主張をもって,本件存否情報を開示すること に,これを不開示とすることにより保護される利益を上回る公益上の必要性 があるかどうかの判断はできない。 6 結論 以上のことから,本件開示請求につき,本件対象文書の存否を答えるだけで, 特定法人が特定の事業年度において,「売掛金(未収入金)」及び「預貯金」を 有しているか否かに関する情報(本件存否情報)という法5条2号イ並びに同 条6号柱書き及びイの不開示情報を開示することになるため,処分庁が行った 法8条に基づく原処分は妥当であると判断する。

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第4 調査審議の経過 当審査会は,本件諮問事件について,以下のとおり,調査審議を行った。 ① 平成23年5月19日 諮問の受理 ② 同日 諮問庁から理由説明書を収受 ③ 平成24年4月12日 審議 ④ 同月26日 審議 第5 審査会の判断の理由 1 本件対象文書について 本件開示請求は,開示請求書の記載によれば,別紙に掲げる文書(本件対象 文書)の開示を求めるものである。 処分庁は,原処分において,本件対象文書の存否を答えるだけで法5条2号 イの不開示情報を開示することとなるため,法8条に基づき開示請求を拒否し ており,諮問庁は該当条項に同条6号柱書き及びイを加えた上で,原処分は妥 当であるとしている。 これに対し,審査請求人は,法7条に基づく裁量的開示を求めるなどと主張 し,原処分の取消しを求めていることから,以下,本件対象文書の存否応答拒 否の適否について検討する。 2 法人が提出する確定申告書の添付書類について 内国法人は,法人税法74条1項に基づき,原則として事業年度終了の日の 翌日から2月以内に税務署長に対し確定申告書を提出しなければならないとさ れ,同条3項により,当該事業年度の貸借対照表,損益計算書その他の財務省 令で定める書類を添付しなければならないとされている。 そして,法人税法74条3項(確定申告書の添付書類)に規定する財務省令 で定める書類について,規則35条1号で,当該事業年度の貸借対照表及び損 益計算書,同条3号で,同条1号に掲げるものに係る勘定科目内訳明細書を添 付する書類として規定している。 3 本件対象文書の存否応答拒否について 本件対象文書は,特定法人が,国税当局に対して売掛金(未収入金)の内訳 明細書及び預貯金の内訳明細書を提出していることを前提としたものであり, 本件対象文書の存否を明らかにすることは,特定法人が特定の事業年度(終了 の日時点)において,売掛金(未収入金)及び預貯金を有しているか否かに関 する情報(本件存否情報)を明らかにすることと同様の結果を生じさせること から,以下,本件存否情報の不開示情報該当性について検討する。 (1)法5条2号イ該当性について ア 諮問庁は,理由説明書において,次のとおり説明する。

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確定申告書に添付すべき勘定科目内訳明細書は,当該事業年度の決算書 等(本件においては,貸借対照表)に係るものに限定されているところ, 当該決算書等に記載のない勘定科目に係る勘定科目内訳明細書については, 提出する必要はないとされている。 そして,勘定科目内訳明細書は,法人の決算書等の内容を具体的に反映 するものであり,それらは一体として特定法人の財務状況等を明らかにす るものである したがって,本件存否情報は,これを公にした場合,法人の財務状況等 が明らかとなり,当該法人が同業他社との競争関係において不利となるな ど,当該法人の正当な利益を害するおそれがあるため,法5条2号イの不 開示情報に該当する。 イ 上記アの諮問庁の説明を踏まえ,本件存否情報の法5条2号イ該当性に ついて検討する。 (ア)会社を設立した場合には,会社法911条1項及び3項により,商号 や本店所在地など必要事項を登記しなければならないと規定されており, 登記した事項については,何人も手数料を納付して,登記簿(登記すべ き事項が記録される帳簿)に記録されている事項を証明した書面の交付 を請求できる(商業登記法10条1項)とされていることからすると, 特定法人が存在するか否かについては,制度上,公にすることが予定さ れているものである。 そして,特定法人は,諮問庁の説明及び審査請求人の主張から内国法 人であることは明らかであるので,当該法人は上記2のとおり,原則と して,確定申告書及びその添付書類を税務署長に対し提出しなければな らない法人であるので,特定法人が確定申告書の添付書類である本件対 象文書を提出することは,法人税法等によって当然に予定されているこ とであると言える。 したがって,本件存否情報は,特定法人が法人税法等で提出すること が規定されている書類を提出したか否かを明らかにする情報にすぎない ものと認められる。 (イ)諮問庁は,本件対象文書(売掛金(未収入金)及び預貯金の内訳明細 書)について,上記アのとおり,決算書等と一体として特定法人の財務 状況等を明らかにするものであると説明する。 しかし,法人が事業活動を行うに際して,売掛金(未収入金)又は預 貯金を有していることは一般的なことである。また,売掛金(未収入金) 及び預貯金については,法人が継続的に事業活動を行う中で増減するの

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が通常であり,本件存否情報は,事業年度終了の時点という特定の時点 において,売掛金(未収入金)及び預貯金を有しているか否かを表して いるにすぎないことから,本件対象文書の存否を明らかにすることによ って,特定法人の財務状況等が明らかになるとまでは言えない。 (ウ)以上のことから,本件存否情報を明らかにすることにより,直ちに特 定法人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると まで認められる事情は存しないことから,本件存否情報は法5条2号イ の不開示情報には当たらない。 (2)法5条6号柱書き及びイ該当性について ア 諮問庁は,理由説明書において,次のとおり説明する。 本件存否情報を明らかにすることにより,特定法人の正当な利益を害す るおそれがあるため,じ後,書類の提出をちゅうちょするなど,適正な申 告が行われなくなるおそれがある。 そして,このような事態が生ずれば,国税当局が行う調査事務等におい て,法人の内部関係や財務状況を把握することが困難となり,ひいては, 正確な税額の計算が困難になるなど,税務行政の適正な遂行に支障を及ぼ すおそれがある。 したがって,本件存否情報は,法5条6号柱書き及びイの不開示情報に 該当する。 イ そこで検討すると,上記(1)イのとおり,本件存否情報を明らかにす ることにより,直ちに特定会社の権利,競争上の地位その他正当な利益を 害するおそれがあるとまで認められる事情は存しない。 そして,本件対象文書は法人税法等で提出が義務付けられている勘定科 目内訳明細書であることからすると,法人が,これを提出するか否かを判 断する余地はなく,当然に提出されるべきものであり,これが提出されな い場合には,その必要性に応じて,国税当局が法人に対して提出を促すな どの措置を講ずることが当然に想定される。 以上のことからすると,本件存否情報を明らかにすることにより,じ後, 特定法人が当該明細書の提出をちゅうちょするなど,適正な申告が行われ なくなるおそれがあるとする諮問庁の説明は首肯できず,国税当局が行う 調査事務等において,法人の内部関係や財務状況を把握することが困難と なり,ひいては,正確な税額の計算が困難になるなど,税務行政の適正な 遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められないことから,本件存否情報 は,法5条6号柱書き及びイの不開示情報には当たらない。 4 本件不開示決定の妥当性について

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以上のことから,本件対象文書につき,その存否を答えるだけで開示するこ ととなる情報は法5条2号イに該当するとして,その存否を明らかにしないで 開示請求を拒否した決定について,諮問庁が当該情報は同条2号イ並びに6号 柱書き及びイに該当するとして当該決定を妥当としていることについては,当 該情報は同条2号イ並びに6号柱書き及びイに該当せず,本件対象文書の存否 を明らかにして改めて開示決定等すべきであることから,同決定を取り消すべ きであると判断した。 (第4部会) 委員 森田明,委員 大橋洋一,委員 中曽根玲子

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別紙(本件対象文書)

特定会社・代表取締役Aが作成した平成21年度(22年3月期)法人税申 告書に添付された総勘定元帳元内訳書の売掛金(未収入金)の内訳書及び預貯 金の内訳書

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