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コーポレートガバナンス論議にインセンティブの観点を

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(1)視点. 視 点. コーポレートガバナンス論議に インセンティブの観点を 東京大学 金融教育研究センター 副センター長. 新 井 富 雄 CMA コーポレートガバナンス・コードの導入や東芝事件を契機にコーポレ ートガバナンスをめぐる議論が盛り上がっている。ただ、これらの議論 においては、理想論が先行しインセンティブとか経済合理性の観点が軽 視され過ぎてはいないかという印象を受ける。 例えば、独立社外取締役の問題がある。社外取締役は、建前としては 経営者をモニターするために企業内部に送り込まれたことになってい る。しかし、社外取締役制度が幅広く行き渡っており、その独立性が重 視されていると言われている米国においてさえ、社外取締役の選任と解 任は実態上、CEOによって決められている。その結果、社外取締役のイ ンセンティブ構造は通常の経営状況の下では従業員と大差ない。取締役 としての法律的な責任が問われるような特別な状況にならない限り、社 外取締役はCEOの経営政策に強く反対するインセンティブを持たない。 また内外企業の事件で明らかになった通り、経営者は知られたくない 情報は社外取締役に知らせないこともできる。社外取締役制度が企業価 値の向上に有効に機能しているという明らかな証拠も存在しない。米国 での実証研究によると、多くの場合、取締役会における社外取締役の占 める構成比が高いからと言って、財務会計上の収益性、トービンの q で 測った企業価値の市場評価額、および株式リターンが統計的に有意に高 いという結果は得られていない。. 68. 証券アナリストジャーナル 2015.10.

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