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周期性騒音のアクティブ制御アルゴリズムに関する研究

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Academic year: 2021

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Title 周期性騒音のアクティブ制御アルゴリズムに関する研究( 内容の要旨(Summary) ) Author(s) 中村, 満 Report No.(Doctoral Degree) 博士(工学) 甲第077号 Issue Date 1997-09-03 Type 博士論文 Version publisher URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/1798 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本 籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題目 中 村 溝(神奈川県) 博 士(工学) 甲第 77 号 平成 9 年 9 月 3 日 生産開発システム工学専攻 周期性騒音のアクティブ制御アルゴリズムに関する研究 (凱咄=氾ActiYe恥iseq氾trY)1AIprithbOfPeridic恥ise) 学位論文審査委且 (主査)教 授 掘 康 郎 (副査)教 授 川 崎 晴 久 教 授 佐々木 実 論文内容の要旨 近年、振動や騒音の有力な低減手法として、アクティブ制御が注目を集めるようになっ てきている。この展開軋最近のエレクトロニクス技術の急速な発展によりディジタル シグナルプロセッサなどの高速演算素子が登場し、当初実用的でないと考えられていた 高度な制御理論の応用が可能になってきたことが背景にある。吸音材や遮音材を用いる 従来のパッシブな騒音低減法は、安価であり現在でも騒音対策の主流である。これに対 して、電子回路で構成されるコントローラを必要とするアクティブ騒音制御は、基本的 に高価な騒音低減法であるにもかかわらず、次の理由により適用が期待されている。 1.従来のパッシブ方式で不得手とされる低周波額域に効果的である。 2.桑境に対する意識の向上から騒音対策の要求水準が高度化している。 3.自動車など移動体では軽量化による燃費改善の可能性がある。 一方、現段階で実際の製品にアクティブ騒音制御が適用された例は多くない。その 理由は、多くの場合騒音対策のコスト的制約がかなり厳しいために、コストに見合う十 分な騒音低減効果が得られないと採用されないという現実があるためである。したがっ て、製品への適用に関しては低コスト化が最大のキーポイントになる。 本研究で軋自動車車室内に発生する騒音の低減をねらいとしたアクティブ騒音制 御システムの確立を目指している。特に、ディーゼルエンジン搭載車は、騒音成分のな かでもエンジン回転に同期した周期性騒音の占める割合が大きい。そして、この騒音は 回転数や加速/減速等の運転モードに応じて励起される複数個の正電波スペクトルで構 成されている特徴を有している○本研究では、このような周期性騒音を対象とした制御 アルゴリズムとして適応ノッチフィルタ方式に着目し、これをベースとしてさらに演算 皇の最小化を試みている。そして、8ないし16ビットの安価なローエンドのマイクロコ ンピュータでの制御を可能とした制御アルゴリズムの実現を目指している。 そこで、まず第2章では、基本となるフィルタードⅩ型LMS(L"娼tM由nS叩は托)適応 アルゴリズムをもとに、適応ノッチフィルタの定式化を行っている。そして、適応ノッ

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チフィルタの収束の速さを規定する収束係数の安定限界の理論式の導出、さらに、制御 パルス数を最小化した簡易演算式の導出を行っている。 次に、第3章では定式化した適応ノッチフィルタの基本特性のシミュレーション評 価を行っている。ここでは、フィルタ更新に用いる収束係数の設定と制御パルス数の関 係を明らかにし、1周期4パルスの制御として演算量を最小化することが可能なことを 示している。また、同定した音響伝達ノッチフィルタに含まれるモデル化誤差がシステ ムの安定性に与える影響について、位相誤差とゲイン誤差に分離してロバスト性を評価 する方法を提案している。そして、ゲイン誤差については収束係数の設定問題に帰着で きることを示し、位相誤差については±90【deg】以内であればロバスト安定であることを 示している。 第4章では、複数の次数成分の同時制御時に発生する次数間の相互干渉を抑制して 制御効果をより向上させる修正アルゴリズムとして、バンドバスフィルタを用いたスペ クトル整形法を提案している。そして、車室内騒音実測データを用いたシミュレーショ ンでは、5偶の次数成分について大幅な騒音低減を図ることができることを示している。 第5章では、従来のフィルタードⅩ型MSアルゴリズムと比較して、提案した制御 アルゴリズムの演算量低減効果の検討を行っている。そして、同程度の制御効果が得ら れる場合の演算量を評価基準とした場合、乗算回数が約1β6、加算回数が約1β4と大幅 に低減できることが示されている。 第6章では、実際のシステムへの応用に関する課題とその解決方法について述べて いる。まず、エンジン回転数額域を分割して制御次数を選択する方法と、位相誤差が± 卯【血g】以内というロバスト安定条件を補償する方法について示している。特に、後者に ついては音響伝達ノッチフィルタの各係数の符号判定により同定する周波数のゾーン分 割設定を行う方法を提案している。さらに、第6章では音響伝達ノッチフィルタの位相 を近似していっそうの簡易演算化を図ることにより、演算量の削減率を乗算約1β3、加 算1〟6に向上できることが示されている。また、3次元空間での制御飯域の拡大を図る 場合の検討課題についても言及している。 最後に、第7章では、提案した制御アルゴリズムの実証検討のために、汎用8ビット マイコンを用いたコントローラを試作して試験車両に搭載し、走行実験を行った結果を 示している。エンジン回転数一定での一定速度走行及び緩加速走行での制御実験の結果、 大幅な騒音低減を達成でき、特に回転4次成分については最大で25.7【dB】の消音が達成で きたことを示している。そして、これらの実験結果より提案した制御アルゴリズムの有 効性を確認できたことを示している。 学位論文に関連する発表論文 (1)周期性騒音に対するアクティブ騒音制御の検討(定式化及び安定性に関する検討), (中村 満,佐々木実,藤澤二三夫,塚原大祐,山田泰稔,柴田清誠),

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日本機械学会論文集,63巻,606号,C編(1997-り,103∼110. (2)周期性騒音に対するアクティブ騒音制御の検討 (モデル化誤差に対するロバス ト性の検討) (中村 満,佐々木実,藤澤二三夫,隅田 熟,山田泰稔, 柴田清誠)、,日本機械学会論文集,63巻,613号,C編(1997-9)(印刷中). (3)高調波次数成分を持つ周期性騒音に対するアクティブ騒音制御の検討(スペクト ル整形法による性能向上),(中村 満,佐々木実,藤澤二三夫,山田泰稔, 柴田清誠),日本機械学会論文集,63巻,613号,C編(1997-9)(印刷中). 論文審査結果の要旨 この論文は自動車串室内の騒音のうち、エンジン回転速度に起因する周期性騒音をア クティブに制御して低減する研究に関するものである。制御アルゴリズムの開発、安定 性、ロバスト性の向上、演算量の低減を行ったもので、得られた成果は以下の通りであ る。 第1章では本研究の背景、研究課題をまとめている。まず、アクティブ制御の研究発 表が多いわりには、実用に供されている例が少ない理由の一つとして、騒音対策のコス ト的制約が厳しいことを示し、研究のポイントをローエンドのマイコンで処理可能な、 小演算量でかつ制御効果に優れるアルゴリズムの開発においている。従来の制御アルゴ リズムを整理し、周期性騒音の制御に適し、演算量が少ない方式として適応ノッチフィ ルタ方式を選び、演算量の最小化を維持しつつ、高速収束、高安定で、なおかつロバス ト性に優れる制御アルゴリズムの構築を研究の目標としたところに特徴がある。過去の 論文の課題が十分検証され、本研究の位置付け、方向付けが正しく行われたことを認め た。 第2章では,単一チャンネルシステムの騒音制御アルゴリズムとして、フィルタード Ⅹ型LMS(L引娼tM由nS叩は托)適応アルゴリズムの式をもとに周期音対象の適応ノッチフィ ルタの定式化を行っている。そして、遺応ノッチフィルタの収束の速さを規定する収束 係数の安定限界の理論式の導出、さらに、制御パルス数を最小化した簡易演算式の導出 を行っている。これらは、いずれも新しく導かれたもので、以降の章における検討の基 礎をなす重要なものである。 第3章では定式化した適応ノッチフィルタの基本特性について数値シミュレーション による評価を行っている。フィルタ更新に用いる収束係数の設定と制御パルス数の関係 として、1周期のパルス数の低減と演算量最小化の可能性を明らかにしている。さらに、 モデル化誤差がシステムの安定性に与える影響について、位相誤差とゲイン誤差に分離 してロバスト性を評価する方法を提案し、ゲイン誤差については収束係数の設定間庵に 帰着できることを示し、位相誤差については±90【d喝】以内であればロバスト安定である ことを示している。以上、数値シミュレーションによって、開発した騒音制御アルゴリ

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ズムの有効性を証明するとともに、その用法を明らかにしている。 第4章では、複数の次数成分の同時制御時に発生する次数間の相互干渉を抑制して 制御効果をより向上させる修正アルゴリズムとして、バンドパスフィルタを用いたスペ クトル整形法を提案している。次に、このスペクトル整形法の効果を調べるため、車重 内騒音実測データを用いたシミュレーションで、5個の次数成分について大幅な騒音低 減を得ている。このような周期性騒音の複数次数成分の相互干渉防止のアルゴリズムは 世の中ではじめてであり、制御システムの実用化に大きく寄与するものである。 第5章では、提案した制御アルゴリズムを従来のフィルタードⅩ型MSアルゴリズ ムと比較し、演算量低減効果の検討を行っている。そして、同程度の制御効果が得られ る場合の演算量を評価基準とした場合、乗算回数が約1β6、加算回数が約1佗4と大幅に 低減できることが示されている。 第6章では、実際のシステムへの応用に関する課題とその解決方法について述べて いる。まず、エンジン回転数飯域を分割して制御次数を選択する方法と、位相誤差が± 卯【血g】以内というロバスト安定条件を補償する方法について示している。特に、後者に

ついては音響伝達ノッチフィルタの各係数の緬号判定により同定する周波数のゾーン分

割設定を行う方法を提案している。さらに、第6章では音響伝達ノッチフィルタの位相 を近似していっそうの簡易演算化を図ることにより、演算削減率を乗算約1β3、加算 1仲6に向上できることが示されている。また、3次元空間での制御飯域の拡大を図る場 合の検討課題についても言及している。第6章の結論は、第2章から第4章までの結論 をベースとして、より収束性、ロバスト性に優れる制御システムを構築するための指針 を明らかにしたもので、工学的に有用性が高いと認められる。 最後に、第7章では、提案した制御アルゴリズムの実証検討のために、汎用8ビット マイコンを用いたコントローラを試作して試験車両に搭載し、走行実験を行った結果を 示している。・エンジン回転数一定での一定速度走行及び緩加速走行での制御実験の結果、 大幅な騒音低減を達成でき、特に回転4次成分については最大で25.7【dB】の消音が達成で きたことを示している。そして、これらの実験結果より、提案した制御アルゴリズムの 有効性が確証できたことを示している。この第7章における試みは、ディジタルシグナ ルプロセッサなどの高速演算素子を用いず、低価格の8ビットマイクロプセッサにより アクティブ騒音制御を実現したものであり、これまでにない成果といえるム 以上、要するに、本論文は、周期性騒音としてディーゼルエンジン騒音を例にとり、 理論、シミュレーション及び実験により、小演算量での効果的なアクティブ制御の実現 を図ったものであり、学術上及び産業応用上等与することが大であると結論できる。 よって本論文は博士(工学)の学術論文として価値あるものと認める。

参照

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