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地方分権の視点から見た都市計画行政のあり方について : 日本の経緯分析とこれからの中国への提言

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Academic year: 2021

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Title

地方分権の視点から見た都市計画行政のあり方について :

日本の経緯分析とこれからの中国への提言( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

劉, 嘉茵

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第350号

Issue Date

2008-09-10

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/33511

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 学位授与番号 学位授与日付 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 劉 嘉 薗(中華人民共和国) 博 士(工学) 甲第 350 平成 20 年 9 月10 生産開発システム工学専攻 地方分権の視点から見た都市計画行政のあり方について 一日本の経緯分析とこれからの中国への提言-(Aboutthewayoftheadm血istrationofcityplan血gfromtheviewof

decentralization:the analysis ofJapaneSe PrOCeSSandthe proposals to

Chinainthefuture) (主査)教 授 秋 山 孝 正 (副査)教 授 高 木 朗 義 教 授 佐 藤 健 教 授 竹 内 侍 史

論文内容の要旨

2000年5月,日本では地方分権一括法とともに,「都市計画法および建築基準法の一部を改正する法律」 が公布された。また,これに続いて都市計画法の改正が行われた。これら一連の改正で,従来は機関委任 事務として国の基準に従い,画一性・硬直性が指摘されることもあった都市計画に対して,基礎的自治体 である市町村自らが考え,自主性に高い都市計画を実行できる可能性が広がった。日本では,今日,成熟 社会の時代を迎えている。人々は,経済的成長よりも,ゆとりある文化的薫りの高い,自然と共生できる 豊かな地域の暮らしを求める。このような社会情勢の変化を受けて,都市計画について自立した個性豊か な都市計画の確立を望まれる。本論文では①都市計画審議会の実態分析,②都市計画マスタープランの策 定における実態分析,③既成都市MP資料による地域の独自性についての解析,の三項目に対して,地方 分権の視点から見た都市計画行政のあり方について考察を行う。最後に,日本における地方分権的な都市 計画の定着過程における都市計画の経緯と問題点をまとめ,日本の都市計画経緯と問題点を意識しながら, 中国における地方分権の定着に向けて提言する。本論文は6章から構成されている。 第1章は序論として,研究の背景,目的について説明するとともに,本研究の構成と内容を示している。 第2章では,まず中国における現行の地方行政制度と都市計画法律体系について簡単に述べる。中国の 地方行政の階層を明確化する。つぎに,中国と日本の都市計画について歴史的経過を比較する。この結果, 中国の都市計画の現状を日本都市計画の経過の中で位置づける。さらに,都市計画の理念の変化をまとめ るため,新旧の「城市規劃編製方法」を比較するとともに,日本の都市計画の経緯を参考として,今後の 中国の都市計画における課題を探し出す。 第3章では,都市計画審議会の活動を踏まえて,2000年都市計画法改正後,都市計画審議会の現実的運 用実態と役割の変化を明確化する。このため,2001年度と2003年度の都市計画審議会の設置状況・運営実 態の分析比較を行い,都市計画審議会の類型化を行う。さらに,各類型の都市計画審議会をもつ市町村の 特徴を整理する。また,広東省を例として,中国における城市規劃委員会の現状を整理する。日本の実態 調査から得られた問題点を踏まえて,中国の民主的地方分権的な都市計画の定着方法を提案する。 第4章では,中部7県下の市町村都市計画マスタープランの策定における取り組み状況を全体的に把握 するため,策定状況,決定手続きなどを調べ,地方分権の観点から,都市計画マスタープランの実態を分 析する。また中国における城市総体規劃(都市計画マスタープラン)の現状を整理する。中国の都市計画 行政の面から,今後民主的地方分権的な都市計画を推進するため,日本の都市計画との相違点に基づいて 課題を整理する。 第5章では,中部7県下の市町村から収集した都市計画マスタープランの資料から,都市計画マスター プランの独自性を検討した。具体的には既成の都市計画マスタープラン資料から得られた情報をデータ化 し,都市計画マスタープランの構成及び内容の独自性の特徴をみる。さらに,それらの資料に基づき,都 市計画マスタープランを類型化し,都市計画マスタープランの独自性と策定過程との関連性を整理する。 第6章は結論である。①日本の都市計画における地方分権の発展について,②中国における地方分権の 定着に向けての提言の二項目について,本研究の成果を示す。

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-5-論文審査結果の要旨

本研究は,近年の地方分権的な都市計画行政の推進課程に着目し,都市計画法の改正に伴う具体的な実

態分析を踏まえて,わが国の都市計画制度の課題を整理している。またわが国都市計画の推進課程を踏ま

えて中国の都市計画行政への提言を行っている。具体的には,わが国の東海地区の市町村に対して,地方 分権の推進を意図した2000年の都市計画法改正に関わる都市計画行政について,主として都市計画審議会 と都市計画マスタープランの策定と運用の実態を把握するアンケート調査を実施している。さらに,複数 の時間断面での実態調査により,都市計画行政の変化を把握している。さらにこの蓄積データに基づき, 現実市町村の都市計画行政について,統計的分析を行っている。さらに,都市計画行政に関する特徴を詳 細に検討するため,主成分分析・クラスター分析等の多変量解析手法を適用して,複合的要因の抽出・市 町村都市計画行政の類型的な理解と整理を行っている。これら一連の実証的な検討により得られた本研究 の成果は,以下のように整理できる。 1)東海地区の市町村を対象とした都市計画審議会・都市計画マスタープランに関する実態調査を実行し,

現実の都市計画行政の実態把握に基づく考察を行っている。時間的推移を含めて,広域的な多数の市町村

の都市計画行政の実態を記述できる貴重なデータが蓄積されている。この結果,通常の統計的データでは 分析の困難な実態的な都市計画行政の状況が明確化されている。 2)都市計画審議会の設置状況および活動状況に関する統計的分析から,各市町村の都市計画行政の運用 実態および基本的動向が明確化されている。特に都市計画審議会の開催状況・議事内容・委員構成の面か ら,都市計画行政の望ましい形態,今後の方向性について体系的に整理している。すなわち,都市計画審 議会の活動充実度を複数の視点から検討することで,都市計画行政の具体的な活動に関する有効性を議論 しており,極めて興味深い整理を行っている。 3)都市計画の具体的方針を市町村が規定する都市計画マスタープランに関して,都市策定過程・具体的 内容・住民参加などの点から統計的分析を行った。都市計画の方向性を規定する要因抽出を行い,実態的 に都市計画上の問題を明確に整理している。地方分権的な独創性は都市計画マスタープランの作成過程に おいても顕著な相違として表出することを示している。 4)各市町村における都市計画マスタープランの具体的な記載内容に関する統計的分析を実行している。 都市計画における市町村の独創性・自律性の点から,都市計画マスタープランの記載方法・記載内容に関 する整理を行い,望ましい計画策定の方向性を具体的に示している。 5)上記の都市計画制度・都市計画審議会・都市計画マスタープランの各側面に関して,わが国の実態調 査結果を踏まえて,中国の都市計画に対する提言を整理している。具体的には,都市計画制度の構成につ いての問題点,市民参画などの都市計画運用上の課題について整理している。 以上のように,本研究は,わが国の都市計画行政に関して,具体的な実態把握に基づいて,多数の都市 計画上の課題を整理することで今後の実効性のある地方分権的都市計画の推進方法を示している。また一 方で,わが国の都市計画行政の経緯を踏まえて,国際的な見地から中国における都市計画の方向性を提案 している点は,極めて進歩的であり有意義な研究と考えられる。このようなことから,本論文は博士(工 学)の学位論文として十分に価値のあるものと認める次第である。

最終試験結果の要旨

学位論文申請者は,平成20年8月6日に公聴会を行い,最終博士学位論文の研究成果を発表している。 報告に準備された資料およびプレゼンテーションの内容に関して,極めて適切であり,明確な論文内容の 説明がなされた。また,研究内容についての質疑応答に関しても,極めて適切な説明が行われていた。さ らに,博士後期課程に関する学力諮問を行った結果,都市計画に関する基本的な知識を十分備えており, また都市計画の実務的な知識も獲得しており,当該専門分野についての学術的な議論を行う知識を取得し ているといえる。したがって,学力の点からも十分に学位授与に値するものと判断された。 また,学位論文申請者は,これまでに都市計画および社会基盤計画に関する学術論文として,第1著者 の審査付き論文3編をそれぞれ報告している。また,同様に都市計画および社会基盤計画に関わる国内学 会で計6回の研究発表を行っている。このように,学位授与に値する十分な研究実績を有するものといえ る。また,学業面では,博士後期課程の修了必要単位を,優秀な成績で修得している。 以上の内容について,慎重に審査を行った結果,学位論文申請者は十分に学位授与に催するものと考え, 合格と判定するものである。

参照

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