4.報 告 2010-June No.9 27 滋賀県土木交通部 河港課 小川 萌子 地域活性化プランナー「学び直し塾」を受講するきっかけは、県庁に入庁して 3 年目となり、内部庶務を日々漫然と 過ごしている中で、もっと滋賀県の地域と関わりを持てることを始めたいと考えていた際に、課あてに応募案内のメ ールが回覧されてきたことで学び直し塾の存在を知ったことです。地域政策の立案能力の向上を目指し、政策分析 の手法等様々な理論的知識を提供いただけることや現地視察研修、「協働」「ニューパブリックマネジメント」「地域ガ バナンス:里の再生」といったテーマ別の事例研究にも興味を持ち、すぐに応募しました。 受講当初は、講義内容のレベルの高さに圧倒されるばかりでしたが、講師の先生方の最新の研究事例や過去に 実際に政策立案された事例等を用いながらの質の高い講義は、毎回新たな刺激を頂くことができました。 NPO,商工会、学生、行政職員等、様々な立場の受講者が、自分たちの立場にたって、講義内容を習得していった ことであろうかと思います。講義受講後の講師の先生方に対する質問も自分には持ちえない視点や分析からくるも のも多く、とても新鮮でした。 21 年度は 4 回の政策理論の講義後は自分がおこなっている仕事についてのレポート発表(中間レポート発表)が あり、あっという間に視察研修会を迎えることになりました。湖南市長のお話や湖南市の各種福祉施設の現場で働 かれている方々の話を直接聞くことができ、普段内部庶務をしている私にとって、なかなか感じることができない生の 声を聞くことができ、本当に参加してよかったと思いました。湖南市の先進的な福祉の取り組みや現在の課題を聞き、 地域にあった政策立案をすることの重要性を感じました。 後半の 3 つのテーマに分かれてのグループ別事例研究では、社会的包摂をキーワードに多賀町の里の再生につ いて取り組みました。社会的包摂というキーワードを理解するには時間がかかりましたが、ディスカッションを重ねて いくうちに自分なりにかみくだくことができました。また、グループワークに取り組む中で、多賀「里の駅」に実際に参 加したり、多賀町の自然や観光名所へ実際に足を運ぶことで、多賀町の地域資源を再発見することができました。 社会的包摂による多賀町の里の再生についての方向性をメンバーが共有するにはそれほど時間がかかりません でしたが、どうしても議論が抽象的になりがちで、グループとしての具体的な提言をつくりあげていくのには苦戦した ように思います。シンポジウム(各グループの最終発表)を次回に控えた講義では、各グループが政策案のプレゼン テーションをおこないましたが、他のグループ同様、講師の先生方に改善点を指摘いただき、最終発表までに何回 か平日の夜に集まり、改善提案のアイデアを考えたり、社会的包摂による再生というキーワードを 10 分間の発表で よりわかりやすく伝えるための資料の修正作業を積み重ねていきました。私たちが最終的に達した社会的包摂によ る里の再生とは、「ハコモノ」を作るのではなく、全ての人を結いすることで里の再生を進めていくこと、里の再生のプ ラットホームとしての多賀「里の駅」を起点として様々な社会実験を行い、検証し、成果を確認しながら進化していくこ とが多賀町の再生につながるのではないかということでした。また、行政の果たす役割は人と人をつなぎ、そのつな がりを育て、活動を支援していくということです。そのために、地域に信頼される人材の育成をしたり、ワンストップサ ービス窓口を設置したり、中間支援組織への支援体制の一元化をおこなうということです。多賀「里の駅」は発生した 問題に対して、計画立案・組織化・実践・制度化のプロセスで解決する地域デザイン展開の事例の起点であると思い ました。
4.報 告 2010-June No.9 28 21 年度は「協働」「NPM」「里の再生」の 3 テーマに分かれてのグループワークでしたが、最終発表を聞いて感じたこ とはどのグループも「ハコモノ」ではなく「ヒト」がキーワードとなり、横の連携を広げていくことが大切であるということ です。私自身も、学び直し塾に参加して一番よかったと思うことは、学び直し塾の方々との職種を越えたつながりが できたことです。 最後に、グループワークでご指導いただいた山崎先生・北詰先生・柴田先生をはじめ各先生方、事務局の方々、お 世話になりました方々に深くご感謝いたします。ありがとうございました。