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第
6
章---近江の中小企業における
経営環境・経営戦略・経営行動
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本 章 の 目 的
この章では近江(滋賀県)の企業家(社長)に率いられた中小企業がこれまで 存続・成長を図るために経営環境をどう認識し,どのような経営戦略が重要と 考え,どのように行動してきたのかを探索しようとした。このため近江企業の 具体的な存続・発展要因は何で, とくに重要な要因は何であったのか,近江の 各種条件が事業経営上メリットだったのかデメリットだったのか, とくに重 要 なメリット・デメリットは何だったのかを解明してみた。 ここでもアンケート調査回答企業l38社の回答結果に基づいて記していくこと にする。結果の分析に当たっては,それぞ、れの質問項目ごとにまず回答企業全 体の内訳を提示してその特徴点を明らかにした。ついで、成長別 (過去5年間ぐら いの平均年間売上高成長率が5%未満とした32企業を低成長, 5 -10%未満とした64 企業を中成長, 10%以上とした39企業を高成長と 3区分)にクロス分析したものを 観察して目立った特徴なり傾向なりを特記した。その│禁,低成長,中成長,高 成長それぞれのサンプル数が60-99なら全体と比べて 7%以上の差異を示した もの, 40-59なら10%以上, 30-39なら13%以上, 20-29なら15%以上の差異 を示したものを記している。この条件にわずかに満たない場合には,r
やや」と いう言葉を添えて拾い出したものもある。このようにして成長性による差異と 特徴点が明らかにされていくことになろっ。すなわち低成長企業,中成長企業,高成長企業の戦略や行動の特質が浮き彫りにきれ, とりわけ厳しい環境下でも 企業が高成長を達成しうるそのあり方が解明されていくのである。そしてここ に浮き彫りにされた企業の特徴はもとより回答中小企業のものであり,回答企 業の特徴からみて中小企業でもやや規模の大きい意欲あふれる企業の特徴であ ることはあらかじめお断りしておきたい。
2 近江中小企業の存続・発展要因
( 1 ) 経 営 者 要 因 近江中小企業存続の最大の要因として経営者要因,経営戦略要因,組織・労 務要因,財務要因,技術・生産要因,マーケテイング要因,企業外要因それぞ、 れごとに 3つまでずつあげてもらっている。 まず経営者要因では,図6
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1
に示されるように,経営者の優れたパーソナリ ティ48.6%,旺盛な企業家精神37.7%,同族・役員・幹部の結束36.2%などを 3人に 1人以上があげている。さらに忍耐・努力30.4%,人脈・情報収集28.3 %,豊富な実務経験・知識26.1%,アイデア・工夫・企画カ25.4%,健康・体 図6-1 会社が今日まで続いた最大の要因 (A.経営者要因)(3つまで) 経営者の優れたパーソナリティ 旺盛な企業家精神 同族・役員・幹部の結束 忍耐・努力 人脈・情報収集 豊富な実務経験・知識 アイデア・工夫・企画力 健康・体力 番頭・後継者に恵まれた 優れたリーダーシップo
10 20 30 40 50 60 70% 148.6%(67) 137.7%(52) 136.2%(50) 130.4%(42) 128.3%(39) 126.1%(36) 125.4%(35) 123.2%(32) 117.4%(24) 112.3%(17)第6章 近江の中小企業における経営環境・経営戦略・経営行動 75 力23.2%などが続いている。 成長別にみると,経営者の優れたノマーソナリティは高成長で61.5%とやや多 いし,高成長ほど高まる傾向がある(低成長40.6%→中成長46.9%→高成長61.5 %。以下この順序で数字のみ記載)。旺盛な企業家精神も高成長ほど高まる傾 向が ある (28.1%→35.9%→46.2%)。人脈・情報収集 は 中 成 長 で34.4%とやや多い。 豊富な実務経験・知識は高成長で38.5%とやや多い。 つまり近江企業を存続・発展させた経営者要因のうち最大のものは何といっ ても経営者の優れたパーソナリティそのものであり, 続いて旺臓な企業家精神 なのであるが,これらは企業の成長を促進する傾向も如実に示していることが 明らかである。近江企業は企業家的資質をもった企業 家 精神に裏打ちされた企 業家に率いられて発展してきたことがはっき りと示されているといえよう。 (2)経 営 戦 略 要 因 経営戦略要因では,図6-2に示されるように,業 種・取扱製品63.0%,最 適 規模の維持55.1%,本業重視52.9%,絶えざる経営革新45.7%などをあげるも のが多い。そしてぐんと離れて,立地条件16.7%,多角化・ 新 分 野 進出・ 国際 的展開14.5%が続いている。 成 長別にみる と, 業 種・取扱製品は中成長で54.7%と少ない。 絶えざる経営 図6-2 会社が今日まで続いた最大の要因 (8.経営戦略要因)(3つまで) 業程・取扱製品 最適規模の維持 本 業 重視 絶えざる経営革新 立地条件 多角化・新分野進出・国際的展開 協同・協業・融業化 のれん分け ・分社経営
o
10 20 30 40 50 60 70% 16.7% (23) 14.5% (20) 63.0% (87)革新は高成長で61.5%と多い。そして高成長ほど高まる傾向がある (34.4%→42.2 %→6l.5%)。立地条件は中成長で23.4%とやや多い。 つまり近江企業は存続に貢献する業種・取扱製品を本業として重視し,最適 規模を維持しつつも,絶えざる経営革新をも展開して,着実かつ堅実な発展を 図ってきたといえよう。それゆえ多角化・新分野進出・国際的展開などリスク の多い戦略はやや等閑視されているといわざるをえないであろう。 (3) 組織・労務要因 組織・労務要因では,図6-3に示されるように, 自由・岡達な雰囲気47.8 %,経営理念の社員への徹底47.1%,権限の委譲44.9%などを多くのものがあ げ,続いて,機動的な組織31.9%,従業員教育の徹底25.4%,従業員の質が高 い21.7%となっている。 図6-3 会社が今日まで続いた最大の要因 (c 組織・労務要因)(3つまで) 自由・閲達な雰囲気 経営理念の社員への徹底 権限の委譲 機動的な組織 従業員教育の徹底 従業員の質が高い 高 賃 金 充実した福利厚生 O 10 20 30 40 50 60 70% 147.8%(66) 147.1%(65) 144.9% (62) 1 3l.9% (44) ~4%(35) 121.7%(30) 113.8%(19) L J 6妨 げ ) 成長別にみると,機動的な組織は高成長ほど低下する傾向がある (40.6%→31.3 %→28.2%)。従業員教育の徹底は高成長ほど高まる傾向がある (15.6%→26.6% →33.3%)。 つまり近江企業は自由・閲達な雰囲気を作り上げ,経営理念を徹底し,権限 委譲を図って社員の力を最大限発揮させることにその最大の存続要因を認めて いるのである。その中で従業員教育も徹底させて成長を高めているのである。
第6j章 近江の中小企業における経営環境・経営戦略・経営行動 77
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)
財 務 要 因 財務要因としては,図6-4に示されるように,過大な借入をしない55.1%, 内部留保の重視5l.4%,計数管理の重視44.2%, メインパンクをもっ34.1%, 高い投資効率27.5%などがこの順で多くあげられている。 図6-4 会社が今日まで続いた最大の要因 (D.財務要因)(3つまで) O 10 20 30 40 50 60 70% 過大な借入をしない 155.1% (76) 内部留保の重視 1 51.4% (71) 計数管理の重視 144.2%(61) メインパンクをもっ 134.1%(47) 高い投資効率 1 27.5% (38) 現 金 商 売 110.9%(15) 豊富な資金力 110.1%(14) 財テク等による別途収入確保112.2%(3) 成長別にみると,高い投資効率は高成長ほど高まる傾向がある (18.8%→26.6 %→38.5%)。豊富な資金力は高成長ほど低下する傾向がある (21.9%→9.4%→ 2.6%)。
つま り近江企業は過大な借入をせず,内部留保,計数管理を重視し,メイン パンクをもつなど堅実かつ安定的な成長に助けとなる財務戦略を重用して企業 の存続を確かなものとし,その上で高い投資効率でもって成長を促進している といえよう。(
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)
技術・生産要因 技術・生産要因としては, 図6-5に示されるように,省力化・自動化35.5 %,技術カ・技術開発力33.3%, 新 技 術 の 積 極 導 入27.5%, 独 自 の 製 品 開 発 26.8%,多品種少量生産26.1%,高品質25.4%,短納期20.3%,低コスト 18.1 %,設備能力16.7%となっている。 成長別にみると,多品種少量生産は中成長で18.8%と少ない。短納期は中成図6-5 会社が今日まで続いた最大の要因 (E. 技術・生産要因)(3つまで) 省力化・自動化 技術力・技術開発力 新技術の積極導入 独自の製品開発 多品種少量生産 高 品 質 短 納 期 低 コ ス ト 設備 能 力 O 10 20 30 40 50 35.5% (49) 33.3% (46) 60 70% 長で12.5%と少ない。 設 備 能 力 は 中 成 長 で25.0%と多い。 つまり近江企業は省力化・ 自動化,技術力・技術開発力などプロセス ・イ ノ ベーションに力を入れてその存続を図ってきたように思われる。 (6) マーケティング要因 マーケティング要因としては, 図6-6に示されるように,エンドユーザーへ の密着48.6%,差別化された商品34.1%,独自の販売ルート 32.6%,充実した 図6-6 会社が今固まで続いた最大の要因 (F マーケティング要因) (3つまで) エンドユーザーへの密着 差別l化された商品 独自の版売ルート 充実したサービス体制 強力な販売力 品 揃 え 広告・宣伝力 廉 価 商 品
o
10 20 30 40 50 60 70% 148.6%(67) 134.1%(47) 132.6%(45) 1 27.5% (38) 125.4%(35) 123.9%(33) 115.2% (21)一~
8.7%(12)第B章 近江の中小企業における経営資境・経営戦略・経営行動 79 サービス体制27.5%,強力な販売力25.4%,品揃え23.9%と続いている。 成長別にみると,強力なj仮売力は低成長で9.4%と少なく,中成長で34.4%と 多い。 つま り近江企業はエン ドユーザーへの密着や差別 化された商品といった最終 需要にするど〈迫って自らの存続を図ってきたといえよう。 (7)企 業 外 要 因 企業外要因としては, 図 6-7に示されるように,親企業・取引先の指導・援 助47.8%,旺盛な商品需要38.4%,幸運に恵まれた31.9%,人材 ・信用の容易 な 獲 得29.0%,消 費 者 晴 好 の 変 化22.5%,資 産価値 の 高 騰17.4%, 地 元 の 支 持 ・応援16.7%の順となっている。 成長別にみると,旺盛な商品需要は低成長で'18.8%と少ない。そして高成長 ほど高まる傾向がある (18.8%→42.2%→48.7%)。消費者晴好の変化は中成 長 で 29.7%と多く,高成長では5.1%と少ない。資産価値の高騰は中成長で29.7%と 多<,高成長で5.1%とやや少ない。 つまり近江企業は親企業・取引先の指導・援助をえ,旺盛な商品需要や幸運 に恵まれてその存続を確かなものとしているのである。そして旺盛な商品需要 がまた成長を促進してもいるのである。 図6-7 会社が今日まで続いた最大の要因 (G.企業外要因)(3つまで) 親企業・取引先の指導・援助 旺感な商品需要 幸運に恵まれた 人材・信用の容易な獲得 消費者晴好の変化 資産制il値の高騰 地元の支持・応援 行政による援助・支援 O 10 20 30 40 50 60 70% 47.8% (66)
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近江中小企業存続の最大要因
上記の経営者要因,経営戦略要因.組織・労務要因, 財務要因,技術・ 生産 要因,マーケティング要因,企業外要因のうち 1番重要な要因 2番目に重 要な要因,3番目に重要な要因をあげてもらったところ図6-8がえられている。 l番重要な要因としてあげられたのは,何といっても経営者要因で52.0%と 過半のものがあげている。ついで経営戦略要因で25.5%と4人に 1人があげて いる。あとはぐんとウエイトが減って技術・生産要因8.8%,組織・労務要因3.9 %,マーケテイング要因3.9%,企業外要因3.9%,財務要因2.0%の順となって いる。 2番目に重要な要因としてあげられたもののうちトップは技術・生産要因24.3 %,ついで経営戦略要因2l.4%,組織・労務要因20.4%の順となっている。 3番目に重要な要因としてあげられたもののうちト ップは財務要因26.7%, ついで経営戦111各要因15.8%,マーケテイ ング要因13.9%の順となっている。 1番目, 2番目, 3番固までのいずれかにあげられた割合で見ると,経営者要 因47.8%,経営戦略要因46.4%,技術・生産要因32.6%,財務要因29.0%,組 織・労務要因27.5%,マーケテイング要因2l.7%,企業外要因16.7%となって いる。 これらから経営者要因は企業存続にとって一番強〈働く, しかも最も多くの ものから重要な要因として認識される要因であることが分かる。つまり会社が 今日まで続いた最大の要因は経営者要因によるところがきわめて大きいのであ る。ついで経営戦略要因が強さの点でも多くのものからあげられる点でも 2番 目を占めている。その後を技術・生産要因が占め,さらに組織・労務要因,マ ーケティング要因,財 要因は企業存統にとつてそれほど重要な要因とは認識きれていないことが明ら かでで、ある。つまり近江企業家は典型的な企業家がそうであるように自らの統制 を超えた企業外の要因に企業存亡の責めを帰することを潔しとしていないとい第B章 近江の中小企業における経営環境・経営戦略・経営行動 81 図6-8 会 社 が 今 日 ま で 続 い た最大 の 要 因 (重要 順 に3つ) "'--~佐 iι完是
o
10 20 30 40 50 60 70 目 白 目 A ロ 番 番 番 1 2 3 総 f l i l -、t i l l --、
灰 ﹂ 要 名 山 呂 経 ( 1番目1
2
番目 経 営lj攻略要因{1
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総 合 ( 1番目1
2
番目 組 織・労務要因{1
3
番目 1:士公 1、
,,'刈ン '" 目 白 目 A 口 番 番 番 1 2 3 総 ' ' 4 ﹄ 4 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ﹄ , 宅 、1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 t、 因 要 々 古 Z A d 財 ( 1番目1
2
番目 技術・生産要因{1
3
番目 i総 合 目 白 目 合 番 番 番 1 2 3 総 fillis---llll 、 グ ン J q - アケ 一因 7 要 目 白 目 合 番 番 番 1 2 3 総 , , , 白 1 ・ 1 a 目 白 目 白 目 白 目 , J 、, 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 I l l --‘、 因 要 外 業 企 53(52.0%) 66(47.8%) 64 (46.4%) 2 (2.0%) 11 (10.7%) 27 (26.7%)一
一
一
1 40(29.腕 ) 45(32.6%) (注)%の値は1番目, 2番目, 3番目それぞれの中での書11合を示している。 総合の%の値はそれぞれの要因ごとに1番目, 2 f在日, 3番目までにあげた企業数 合計を対象企業数138で害Ijった値を示している。ってよいであろう。
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近江(滋賀県)における事業経営上のメリット・デメリット
近江においてさまざまな要素につき事業経営上のメリットとd思われるか,デ メリットと思われるか,どちらでもないかを尋ねて図6-9がえられている。 メリットとするものが多い順にみていくと,まず道路事情についてはメリッ トとするものが69.5%と圧倒的で、,デメリットとするものは15.6%にすぎない。 自然環境もメリットが69.0%,デメリットは7.1%にすぎない。近江商人の伝統 はメリットが50.8%,デメリットは10.5%となっている。以上の道路事情,自 然環境,近江商人の伝統の 3つはメリットとするものが過半数をこえる近江を 代表する事業経営上の好条件であるといえよう。 このうち道路事情, さらに は自然環境については他の都道府県でもメリ ッ卜としてあげられる場合もあり えようが,3
位にはいった近江商人の伝統はまさに近江にしかありえないメリ ットであり注目されるところである。近世以降に全国に雄飛した近江商人の有 形・無形の今に続く財産と伝統が現在の近江企業家の事 業展開に望外のメリッ トをもたらしているのである。 ついで鉄道網についてはメリットが46.8%,デメリッ卜が19.8%,地域経済 についてはメリット46.0%,デメリット9.7%,適地の確保はメリット45.6%, デメリット25.6%,資金の得やすきについてはメリ ット39.0%,デメリ ット8.9 %,関連業者の存在についてはメリット35.8%,テソリ ット21.7%,労働条件 についてはメリット35.2%,デメリット15.6%,市場の存在についてはメリッ 卜31.7%,デメリ ット同じく31.7%となっている。住民の意識についてはメ リ ット30.6%,デメリット17.7%,労働力確保についてはメリット30.4%をデメ リット42.4%が上回っている。文化遺産についてはメリット30.1%,デメリッ ト14.6%の順となっている。これら鉄道網,地域経済,適地の確保,資金の得 やすさ,関連業者の存在,労働条件,市場の存在,住民の意識,労働力確保, 文化遺産なども 3割以上がメリットとしてあげる近江の事業経営上の好条件と第B章 近江の中小企業における経営環号室・経宮戦略・経営行動 83 図6-9 滋 賀 県 に お け る 事 業 経 営 上 の メ リ ッ ト ・ デ メ リ ッ ト ・ ど ち ら で も な い も の
畠
メ
)
.~卜
どちりでもない テ'メリソ卜 道 路i)i,f'i 自 然 環 境 近日日tlj人的 伝統 鉄 道 網 地 域 経 済 適j也の,~if~\ 資金の得や すさ │出迎業者の 存在 労働条 f~ 市場のイf拍 % 10 20 30 40 50 60 70 46.8%(5司 46.0%関 44.4%尉) 45.6%開 69.0% ( 8司 同業者との 競争 学 校 教 育 情報の得や すさ 乎 H A 口 組 問 仰 協 動 % 。 川 酬 の y -司 5 山 川 AU A w d q δ 35.2%制) ...可 申 判49.2% 曲 目 行政の支援 % 10 20 30 40 50 60 70 住民的 意識 労働力 確保 58。
。
.2% 62司
。
.6%いえよう。ただ労働力確保はむしろデメリットとするもののほうが多くなって いる。 さらに引き続いて,同業者との競争についてはメリット28.3%,デメリット 26.8%,学校教育についてはメ リット26.8%,デメ リット17.9%,情報の得や すきについてはメ リット25.6%よりもデメリ ット32.0%が上回っている。協同 組合活動についてはメリット23.0%,デメリ ット18.9%,行政の支援について はメリット16.0%,デメリ ット29.6%で,デメリ ットの方が上回っている。航 空の便についてはメ リットがわずか4.1%でデメリ ットは62.6%となっているo 今度は逆にデメリ ットとするものが多い順にみていくと,航空の便62.6%, 労 働 力 確 保42.4%, 情 報 の 得 や すさ32.0%, 市 場 の 存 在31.7%, 行 政 の 支 援 29.6%の順となっている。 どちらでもないとするものが多い順にみていくと,協同組合活動58.2%,文 化遺産55.3%,学校教育55.3%,行政の支援54.4%,資金の得やすさ52.0%, 住民の意識51.6%などでみな5割を超えている。 これらのことから近江における事業経営上のメリ ットはまず何といっても
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割近くのものがあげる道路事情と自然環境,ついで5割近くのものがあげる近 江商人の伝統,鉄道網,地域経済,適地の確保である。逆にデメリットは段ト ツで3人に2人近くがあげる航空の便,ついで4割ほどがあげる労働力確保で ある。メリットでもデメリットでもないとされ,5-6割のものがあげるものに 協同組合活動,文化遺産,学校教育,行政の支援,資金の得やすさ,住民の意 識などがある。5
近江における事業経営上のメリット・デメリットと企業成長
事 業経営上のメ リット,デメリットを企業の成長度とのかかわりでみて特徴 を探ってみよう。 まず, とくに高成長企業,低成長企業の場合の事業経営上のメリ ット,デメ リットの多い}I頃を観察してみよう。高成長企業でのメリ ットの多い順は自然環第B章 近江の中小企業における経営環境・経営戦略・経営行動 85 境69.4%,道路事情65.7%,適地の確保52.8%,鉄道網50.0%,近江商人の伝 統48.6%,労働条件44.4%,労働力確保37.8%,地域経済32.4%,市場の存在 31.4%であり,デメリットの多い順は航空の便71.4%,行政の支援40.0%,関 連業者の存在39.4%,情報の得やすさ 38.2%,住民の意識36.1%,市場の存在 34.3%,同業者との競争33.3%,労働力確保32.4%,適地の確保30.6%である。 一方,低成長企業でのメ リットの多い順は自然環境75.0%,道路事 情同じく 75.0%,鉄道網66.7%,関連業者の存在54.2%,地域経済53.8%,近江商人の 伝 統52.0%,資金の得やすさ50.0%,適地の確保48.1%,住民の意識40.0%, 文化遺産38.5%,労働 条 件36.0%,学校教育32.0%であり,デメリットの多い 順は航空の使64.0%,労働力確保46.2%,行政の支援32.1%,市場の存在32.0 %である。 企業の成長度が異なるときメリット,デメリットの順序が幾分異なってくる ことが明らかである。すなわち,企業の成長度が違うと事業経営上の条件が異 なって認識されることが明らかといえよう。とりわけ高成長企業でのデメリッ トの認識の程度がおしなべて高まっていることが特徴的である。成長が高まる とき各種要素がデメリットと認識されはじめるのであろう。 つぎに事業経営上のメ リット,デメ リットを成長別にみて目立った点のみを 記してみると,鉄道網については低成長でメ リットが66.7%と多く中成長でそ れが35.0%と少ない。地域経済については高成長でメリットが32.4%と少ない。 そして高成長ほど低下する傾向がある (53.8%→49.2%→32.4%)。デメリットは 高成長ほど高まる傾向がある (3.8%→8.2%→17.6%)。資金の得やすきについて は高成長でメリットが25.7%と少ない。そして高成長ほど低下する傾向がある (50.0%→42.4%→25.7%)。逆にデメ リットは高成長ほど高まる傾向がある (3.8 %→8.5%→14.3%)。関連業者の存在については低成長でメリットが54.2%と多 い。そして高成長ほど低下する傾向がある (54.2%→31.7%→27.3%)0 デメリッ トについては低成長で4.2%と 少 な し 高 成 長 で39.4%と多い。そして高成長ほ ど高まる傾向がある (4.2%→20.0%→39.4%)。 住民の意識については高成長でメリットが13.9%と少ない。そして高成長ほ
ど低下する傾向がある (40.0%→35.0%→13.9%)。デメ リットについては中成長 で10.0%と 少 な し 高 成 長 で36.1%と多い。労働力確保についてはメ リットと するものが高成長ほど高まる傾向がある (19.2%→30.5%→37.8%)。情報の得や すきについてはデメリットが高成長ほど高まる傾向がある (22.2%→34.4%→38.2 %)。 つまり地域経済,資金の得やすさ,関連業者の存在,住民の意識などは高成 長ほどメ リットとするものが減少している。さらに情報の得やすさも加えたこ れらの要素は高成長企業ほどより多くのものがデメリットになっていると認識 している。何ゆえ高成長企業ほどこれらの要素が魅力を失っていくのか地 域 経 済の視点からさらに詳しい調査が必要で、あろう。 逆に労働力確保は成長度の高い企業にはむしろメリッ卜と認識きれているよ うである。成長度の高い企業にとって当地での労働力確保はいまだ障害になっ てきていないが,低成長企業にとってははっきりと障害になりはじめたことが 明白であろう。
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近江における重要な事業促進要因・阻害要因
上でみた項目につき, とくに重要なメ リット,デメ リットをそれぞ、れ3つま でずつあげてもらったところ図 6-10,図6-11がえられている。これらとくに 重要なメ リット,デメリットは重要な事業促進要因, 阻害要因とみてもよいで あろう。 重 要 な メ リ ッ ト で は (図6-10),道路事情45.7%がずばぬけており,ついで 自然環境24.6%,地域経済22.5%,適地の確保20.3%,鉄道網15.2%,労働力 確 保15.2%,近江商人の伝統13.8%,市場の存在13.8%,関連業者の存在12.3 %,資金の得やすさ10.9%,同業者との競争10.9%が続いている。そしてこれ らの順はおおむね前聞のメリットときれたものの多い順でもあるといえよう。 逆に,重要なデメリット 3つまでとしてあげられたものを見ると(図6-11), 労 働 力 確 保 が39.1%と最も多く,ついで航空の便25.4%,情報の得やすさ21.0第日章 近江の中小企業における経営i葉境・経営戦略・経営行動 87 図6-10 滋賀県における事業経営上の重要なメリット(3つまで) 道 路 事 情 自 然 環 境 地 域 経 済 適 地 の 確 保 鉄 道 網 労 { 動 力 確 保 近江南人の伝統 市 場 の 存 在 関連業者の存在 資金の得やすき 同業者との競争 労 働 条 件 協 同 組合 活 動 情報の得やすさ 住 民 の 意 識 文 化 泣 産 行 政 の 支 援 学 校 教 育 O 10 20 30 24.6%(34) 15.2% (21) 13.8% (19) 10.9% (15) 40 50% 45.7% (63) % , 同 業 者 と の 競 争17.4%, 道 路 事 情14.5%, 行 政 の 支 援14.5%, 市 場 の 存 在 12.3%, 労 働 条 件11.6%, 適 地 の 確 保11.6%などが続いている。 これらデメリットの順は前聞のデメリットの多い順とはやや順序が異なって いる。前問では航空の使がトップなのにこちらでは労働力確保がトップで順序 が入れ替わっている。 3位の情報の得やすさは同じだが, 4位の同業者との競争 は前問では6位,5位 の 道 路 事 情 は 前 問 で は13位 と な っ て い た の で あ る 。 企 業 経 営 上,直接的に作用するデメリットだからこそこちらでより強〈認識されたよ うに思われる。これらの要素は事業経営上,重要なデメ リットとなっているの であるから何らかのすみやかな政策上の措置が必要であろう。 成長別にみると,メリットの場合,適地の確保は高成長ほど高まる傾向があ
図6-11 滋賀県における事業経営上の重要なデメリット(3つまで) 労 働 力 確 保 航 空 の 便 情報の得やすき 同業者との競争 道 路 事 情 行 政 の 支 援 市 場 の 存 在 労 働 条 件 適 地 の 確 保 学 校 教 育 住 民 の 意 識 関連業者の存在 鉄 道 網 協 同 組 合 活 動 文 化 遺 産 資金の得やすさ 地 域 経 済 近江商人の伝統 自 然 環 境
。
10 20 14.5%(20) 30 40 50% 39.1%(54) る (9.4%→21.9%→28.2%)。高成長企業ほど適地の確保が必要で、あり,近江は その必要にこたえやすいのであろう。 デメリットの場合,航空の便は低成長で37.5%とやや多い。そして高成長ほ ど低下する傾向がある (37.5%→25.0%→17.9%)。高成長企業にとって航空の便 は直接的に働くデメリットと認識されることはそれほどないのであろう。行政 の支援は高成長ほど高まる傾向がある (9.4%→14.1%→20.5%)。高成長企業ほ ど行政の支援がデメリットに認識されているのである。 なお,高成長企業と低成長企業につき重要なメリット,デメリットの順位を 20%以上を示したもののみで記しておくと,高成長企業ではメリットが道路事第B章 近江の中小企業における経営環焼・経営戦略・経営行動 89 情51.3%,適地の確保28.2%,自然環境23.1%の順であり,デメリットが労働 力確保35.9%,行政の支援20.5%,情報の得やすさ 20.5%の順となっている。 低成長企業ではメリットが道路事情43.8%, 自然環境31.3%,地域経済25.0% の順であり,デメリットが航空の便37.5%,労働力確保が同じく 37.5%となっ ている。前節で指摘した特徴点がここでもそのまま示されているといってよい であろう。
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本章のまとめと提言
近江企業が今日まで続いた要因を重要順に述べていくとつぎのようになろう。 まず第一に,経営者の優れたノfーソナリティ,旺盛な企業家精神,同族 ・役 員・幹部の結束などからなる経営者要因,第二に,業種・取扱製品,最適規模 の維持,本業重視などからなる経営戦略要因,第三に,省力化・自動化,技術 力・技術開発力などからなる技術・生産要因,第四に, 自由関達な雰囲気,経 営理念の社員への徹底,権限の委譲などからなる組織・労務要因,第五に,エ ンドユーザーへの密着をはじめとするマーケテイング要因,第六に,過大な借 入をしない,内部留保の重視などからなる財務要因,最後に,親企業・取引先 の指導・援助をはじめとする企業外要因である。 つまり近江企業は優れたパーソナリティを持ち企業家精神に裏打ちされた企 業家が本業重視を第一義とし,プロセス・イノベーションに力をいれ,社員の 能力を最大限引き出し,最終需要にするどく迫り,堅実・安定的な成長に助け となる財務戦略を重用し,親企業・取引先の指導・援助をもえて今日があるの である。 その中で,絶えざる経営革新,従業員教育の徹底,高い投資効率の追求など 企業の成長度を高めるのに貢献した経営行動が着実に打たれてきたことも見落 としてはならない。 そして近江における事業経営上の重要なメリットである道路事情, 自然環境, 地域経済,適地の確保などは事業経営上さらに生かしていく必要があろう。だが逆に強いデメ 1)ットと認識されている労働力確保,航空の便,情報の得やす さ,同業者との競争,道路事情,行政の支援等々についてはデメリットとする 中で企業家が企業経営上の障害をそこに感じていることは確かであり,早期の 政策上の展開・支援が必要と思われる。 その際,企業の成長度に応じて事業経営上のメリット,デメリ ットには相違 が出てくること,いいかえれば事業経営上の促進要因,阻害要因が異なってく ることがこのさきやかな調査でも確かめられた以上,地域経済政策の視点から より詳しい調査を実施し,事業経営上の条件を解明した上で, きめ細かな政策 的対応を図っていくことが肝要であろう。 [参考文献】 第2章にあげたものに同じ。