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(シンポジウム抄録)肺癌の診断と放射線治療

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Academic year: 2021

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7 るQ 30.本邦における発生部位別癌死亡に関する研究 (その2)府県別死亡について (衛生学)中村ミヨ子 本邦における癌死亡の趨勢に関してはすでに発表して きたところであるが,きらに前回の発生部位別恨死亡の 全国における観察にひきつづき,今回は府県別観察を試 みて次のごとき結果を得た。 1.消化器及び腹膜癌 死亡率は男女とも東北南部,関東北部,北陸,近畿, 北九州に高率で,北海道,東北北部,静岡,南九州等に 低率である。男子死亡率は全府県において女子より高率 を示す。昭和29年の死亡率を昭和8年と比較して男子は 45府県,女子は42府県が増慣している。全癌死亡申に占 める割合は,男女とも他の部位癌に比べて最高で,男子 では90%以上の高率を示す府県もみられる。 2.呼吸器癌 男女とも死亡率は東京,近畿,北九州等の都市的府県 に高率である。昭和24年の死亡率は全府県の半数以上が 昭和8年より増加しており,全癌死亡中に占める割合は 男子7.6∼1.9%,女子3.1∼0.8%である。 3.女子性器癌 . 、 死亡率は一般に近畿,西目本に高いが,昭和8年に比 べると多数の府県が減少し,増加を示すのは8府県にす ぎない。全癌死亡中に占める割合は昭和24年では41.4∼ 21.3%である。 4.女子乳房癌 死亡率は一般に都市的府県に高く,年次とともに増則 する府県が多い。全曲死亡中に占める割合は昭和24年で は6.7∼1.5%を示す. 5. 白血病及び無白血病 戦後あらたに悪性新生物に加えられた疾患で,死亡率 は年々増加の傾向にある。男子が女子より高率を示す府 県が多いが,男女とも他の部位癌のように,死亡率の高 低に各年代を通じての一貫した地域性はあまり認められ ない。全癌死亡中に占める割合は昭和24年では男子3.9 ∼0.3%,女子4.・0・一〇,5%を示す。

シンポジウム抄録

1.癌死亡率の年代的推移 東京女子医科大学教授吉 岡 博 人 近年老人性疾患の重要性が大いに認められてきたので あるが,中でも癌による死亡は国民死因の主因の一つを 占めるものとして注目されている。そこで疫学的見地か ら本邦における癌死亡率の推移を,明治,大正,昭和の 各年代にわたって観察すると,次のごとき変遷を呵して いる。 1.全国男女別死亡率の年代的椎移 粗死亡率は本邦最古の統計的資料の得られた明治32年 には男女とも入口10万対43.8であったが,昭和28年には 男子87.5,女子77.2と上昇し,空前の最高値を示すにい たる.戦後における上昇はとくに顕著で,女子より男子 に著しい。年令構成を考慮した訂正死亡率では,男子死 亡率は女子よりさらに高率となり,男女差は次第に開き つつある。 2.府県別死亡率の年代的推移 訂正死亡率を以て観察すると,全年度を通じて男女と も死亡率の高い地域は東北南部,北陸,関東,近畿,北 九州で,低い地域は東北北部,中部地方,南九州等であ る。死亡率は全府県において年代とともに著しく増加し ているが,その上昇状態には各府県により差違があり, 一般に高率府県より低率府県の方に上昇傾向が著明であ る。また男女訂正死亡率を比較すると,男子が女子より 高率を示す府県数が年度ごとに増している。 3.性別年令別死亡率の年代的推移 豊国および各府県における死亡曲線は,男女ともいず れの年代も共通の特徴をもつ曲線をえがく。即ち老年層 を高峰とした山型を呈し,大体50才以下では女子が高率 を,50才以上では男子がはるかに高率を示す。各年令階 級の年代的推移をみると,絶対的増加は老年層において 最も顕著で,若年層はきわめて僅少であるが,関係的変 化の見地からみると,逆に若年層における上昇傾向が他 の年令層に比較して最も著しく,注目すべき現象を示し ている。 2. 癌の診断と内科的治療 東京女子医科大学教授 中 山 光 重 3. 肺癌の診断と放射線治療 東京女子医科大学教授 島津フ ミョ 肺癌の増加は最近著しく,手術も可能になった現在で は早期診断が要望されるのもまた当然のことである。本 症のX線像による早期診断は他の診断法に比べて非常に 有力ではあるが,必ずしも容易ではない。これは他の非 癌性疾患のX線隊と類似の陰影を示すことが稀ではない から,確定診断を下すのが困難になるのである。 また深碧,喀湊,血疾,胸痛,全身衰弱時に発熱は肺 癌の初発症候として知られているが,これらは他の胸部 疾患の場合にもしばしば認められるので,同時に早期X 線像が捕えられてもこの2点で直ちにきめ手とすること はできない。そこで異常陰影を認めた時は結局,スミア テスb,気管枝鏡検査等の結果を綜合して判断を下す必 要がある。

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8 肺癌のX線豫分類も二,三あるが,まず原発性と続発 性,或は転移性肺癌とに分けて観察し,次に各々のX線 像の種々相を解析して診断を下すこととする。 放射線療法については未だ充分の成果を期待すること はできないが,現在行われている方法について述べるこ ととしたい。 4.骨肉腫に対する切断術の価値

東京女子医科大学教授森崎直木

5. 子宮癌(診断及び治療について) 東京女子医科:大学教授 柚木祥三郎 癌の早期診断の必要なことは今更言うまでもないが, 実際には困難が多い。子宮癌殊に子宮頸癌は直接視診が 可能であるから比較的診断が容易である。血清学的診断 法には未だ実用的のものはない。コルポスコープによる 視診及び膣内容vaginal smears或は子宮膣部擦過塗抹 標本surface biopsy lこついて紬胞学的検査が行われる。 然し最も確実なのは矢張り診査切片についての組織学的 検査である。従って現在では主としてsurface biopsy及 び診査切片の組織学的検:査が行われる。surface biopsy のみを以て子宮癌の有無を断定することは危険である。 子宮癌診断上注意すべきものとして所謂上皮内癌の問題 がある。子宮癌の初期症状の発見と早期受診の必要につ いて婦人を啓蒙すべきである。 子宮癌の治療には手術療法と放射線療法が主体を.な す。前者には近来岡林式広汎性子宮全捌除術が普及し, 後者にはアイソトープ療法が登場して来た。其の他,化 学療法,ホルモン療法等があるが,現在研究中のもの で,なお実用的価値は少い。

参照

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3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7