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富士ゼロックスの環境経営の取り組み

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Academic year: 2021

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富士ゼロックスの環境経営の取り組み

川島奈穂

富士ゼロックス株式会社 総務部環境経営

G

はじめに

富士ゼロックス株式会社は、“CSR は経営そのも のである”という信念のもと、全てのステークホル ダーへの新たな価値を創出し、社会の発展に貢献し 続けることを目指している。ステークホルダーの一 つである地球環境についても例外ではなく、地球環 境の側面からもCSR 経営を支え続けてきた。 また、富士ゼロックスはゼロックスコーポレーシ ョンを創設した、J.C.ウィルソンの経営哲学“Our business goal is to achieve better understanding among men through better communications.” 「我々のビジネ スの目標は、より良いコミュニケーションを通じ て、人間社会のより良い理解をもたらすことであ る。」に示されているとおり、より良いコミュニケ ーションを通じて、新たな社会価値を創出してき た。 これから述べる「富士ゼロックスの環境経営の取 り組み」は、環境経営の課題に対して、より良いコ ミュニケーションを創出することで解決に繋がる、 ということを検証している。

環境経営の風土化の課題

“Challenge Eco No.1 全機能を挙げてお客様や社 会にダントツの環境価値を提供しよう”これが富士 ゼロックス全社を挙げた環境経営のスローガンであ る。2013 年よりこのスローガンの基、“全機能を挙げ た”取り組みになるよう、全社員へ環境経営方針の 展開、風土化を促してきた。例えば、社内外に環境 貢献事例を発信したり、海外を含む全社員を対象に した環境基礎教育を整備したりするなど、様々な取 り組みを行ってきた。 しかし、全社員向けに実施している、年1 回の ES サーベイの結果を見ると、2009 年から毎年、環境に 関する2項目はポイントが減少している。具体的に は、「私は、環境保護や資源の有効活用に関心を持ち、 自ら実践を心がけている」と「職場では、環境保護 や資源の有効活用が重視され、奨励されている」と いう、自分自身と職場に関する2項目である。 この結果から、環境経営の風土化は減退している のではないか、という仮説がなりたつ。

新たな取り組み

そこで、今年度より「Eco かふぇ」という環境につ いてやさしく解説した記事を社員向けホームページ に掲載し始めた(図1)。分かりやすく、身近な環境 に関する情報を継続的に受け取ってもらうことで、 自然と環境に対する理解が深まるのではないか、と いう狙いからである。 さらに、今までの「伝える・発信する」の一方向 のコミュニケーションから双方向のコミュニケーシ ョンを行うため、人と人のつながりを大切にするコ ミュニケーションプロセス[1]を活用し、社員同士の 対話「Eco かふぇダイアログ」を提案した。 (図1)Eco かふぇ

Eco かふぇダイアログ

Eco かふぇダイアログ実施にあたり、まず参加者 の検討・調整を行った。全社員を象徴する意見や考 えの集合知から、全社的な環境経営の風土化のヒン トを得ようとしたため、普段業務で直接環境に従事 していない総務部社員との対話を検討した。そして、 狙いを3つ設定した。 ・環境経営の風土化のヒントを得る ・総務部内でのコミュニケーションの円滑化(関 係性の強化) ・参加者によるダイアログの応用、展開 次に、上記狙いに基づき、環境という複雑で日常

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から距離のある課題について話ができる場とプログ ラムを検討した。プログラムは大きく3つの手順で 設計した。「①価値観の共有→②最高の未来を想像→ ③最高の未来に向けた一歩を対話」という流れであ る。まず、日常で業務の関わりがあまりない参加者 同士でも抵抗なく話ができる関係性を築くため、自 分自身の価値観を共有するような対話を実施し、そ の後、環境という長期的で複雑な問題に対して、想 像し得る限りの最高の未来を描き、最後に全員の最 高の未来が実現できるような未来に向けた一歩を対 話した。

振り返り

Eco かふぇダイアログを実施し、環境経営の風土 化のヒントについては、「風土化の最終ゴールとはな にか」についてから議論が必要であると気付かされ たのと同時に、経営と環境両方に関して長期的な視 点の重要性を改めて認識する契機にもなった。 また、業務上の付き合いでは見えなかった人間性 に触れることができ、総務部内でのコミュニケーシ ョンの円滑化(関係性の強化)については一定の成 果が見られたと考える。参加者からは「普段の表面 的なつながりではなく、その人の家族の話などで深 く繋がることが出来てうれしかった」や「同じ総務 部の社員でも、なかなか分からないその人の人間性 が分かって、良かった」などの声をもらった。 参加者によるダイアログの応用、展開は今後参加 者のフォローをする中で可能性を模索したいと思う。

今後の展望

Eco かふぇダイアログを実施し、改めて環境問題 は長期的で複雑な問題だと認識した。富士ゼロック スも一企業として継続的に粘り強い取り組みが必要 であると考える。Eco かふぇダイアログのように、 社員同士が日頃の役割を越え、一人ひとりが対等な 関係で対話することで、共感が生まれることが分か ったため、引き続き、より良いコミュニケーション を通した全社員との共感に向けた活動を進めていく。 そして、同時に環境問題は一企業の枠を越えた課 題であり、地域・社会と共感が必要と考える。富士 ゼロックスのより良いコミュニケーションを通じて、 地域・社会との共感を牽引していきたい。

参考文献

[1] 河野克典 地域をつなぐコミュニケーションプ ロセス, 富士ゼロックステクニカルレポート No.25, 2016

参照

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