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保育者養成課程における短期大学生の睡眠状況および意識調査

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Ⅰ.問題と目的

 近年,我が国は先進諸外国と比べて睡眠時間が短い ことが様々な調査によって明らかにされてきた。NHK が5年ごとに実施している「国民生活時間調査」によ ると,1960年には8時間13分であった平日の睡眠時 間は,2010年では7時間14分であり約1時間減少し ている1)。しかし,幼児の睡眠時間を見ると,NHK の 「2013年幼児生活時間調査」では10年前と比べて“早 寝早起き”の幼児が増加していることが報告されてい る2)  一方,大学生の睡眠に関する調査研究で,文教大学の 調査の結果では平均睡眠時間が6時間で約38%の学生 が自分の睡眠時間が適当であると考えており,約46% の学生が不足していると回答している。大学生は身体 的・生理的機能が高いため無理がきく年代でもあり睡 眠不足の自覚が低いことが示されている3)。睡眠時間が 不足している理由として,夜間のインターネット,勉 強,深夜のコンビニ通い,深夜のチャット,見たいテレ ビが深夜に多い,夜友人と遅くまで遊ぶ,睡眠よりもア ルバイトや遊びを優先させる,趣味などが報告されてい る4)。睡眠の役割は,身体的疲労回復だけでなく,脳の 機能回復,成長ホルモン分泌による身体発育促進,脂肪 代謝などに影響をもつことなどが研究で明らかになって きた5)。このように,睡眠の重要性について研究されて きており,大学においても「睡眠学」として講座を開設 されているところがある。  当学科(幼児保育学科)は保育者養成機関であり,就 職した先で子どもの健康面において保護者への指導をす ることを想定して,子どもの規則正しい生活習慣の重要 性,とりわけ乳幼児の睡眠について,授業の中でも取り 組んできた。しかしながら,睡眠時間の確保という面か らみると,当学科の特徴として2年間の短期間に修得す べき単位数が多いこと,さらにはアルバイトや部活に励 む学生も少なくないことがあり,睡眠時間を確保するた めには難しいところがある。このような環境下であれ ば,生活リズムが乱れやすいのは想像に難くない。現実 にそれほど多くはないが,授業中に居眠りをする学生も 見受けられる。将来の保育者として自分自身が睡眠の意 義を十分に理解し,学生時代から良い睡眠習慣を確立し ておくことは,学習効果を高めるだけでなく,就職後も 保育者自身の身体的・精神的健康を保ち,保護者への助 言・指導を行う際にも実体験として役立ち,ひいては子 どものケアを高めていくことに繋がる。このことから, 学生の全体的な睡眠の実態を把握し,睡眠に対する意識 が受講前と受講後に変化し,行動の変容に繋がったのか を検証することによって,さらに学生たちへの意識付け を高めることのできる授業方法を探ることを目的とし た。

Ⅱ 方  法

⑴ 対象  対象者は本学幼児保育学科へ入学し,本学科開講科目 中村学園大学・中村学園大学短期大学部 研究紀要 第48号 2016

保育者養成課程における短期大学生の睡眠状況および意識調査

中 村 宏 子

1)

   田 中 るみこ

2)

   中 村 恭 子

2)

   楠   佐知子

3)

Survey on Actual Situations of Sleep and Awareness of Sleep

Conditions in Junior College Students of Division of Early Childhood

Care and Education

Hiroko Nakamura1)   Rumiko Tanaka2)   Kyoko Nakamura2)   Sachiko Kusu3) (2015年11月27日受理) 別刷請求先:中村宏子,中村学園大学短期大学部幼児保育学科,〒814-0198 福岡市城南区別府5-7-1 E-mail:[email protected] 1)中村学園大学短期大学部幼児保育学科講師  2)中村学園大学教育学部助手  3)中村学園大学教育学部非常勤助手 1)  小林利行 諸藤絵美 渡辺洋子:2010国民生活時間調査 NHK 世論調査部 http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/yoron/ lifetime/pdf/110223.pdf 2)  「2013年幼児生活時間調査」https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/yoron/lifetime/pdf/130904.pdf 3)  柳亜紀:文教大学生の睡眠に関する調査 文教大学 情報学部 社会調査ゼミナール研究報告(2006)6 4)  坂本玲子:大学生の睡眠傾向について 山梨県立大学 人間福祉学部紀要 VOL.4(2009)51-58 5)  宮崎宗一郎・佐藤尚武:睡眠と健康放送大学教材 放送大学教育振興会(2013)

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「乳児保育」(1年生必須科目)に登録した,平成26年 度入学生は211名,平成27年度入学生は215名である。 ⑵ 調査期間と手順  調査期間は,平成26年度の事前アンケートを2014年 6月〜7月,平成27年度の事前アンケートを2015年6 月に実施した。事後アンケートは平成27年度のみ2015 年6月〜7月初旬に実施した。事前アンケートのアン ケート用紙は本学科開講科目「乳児保育」10回目授業 時に事前配布し,学生自身で一週間の睡眠状況を記入さ せた。その後,同科目11回目の授業「睡眠」を受講し, 事前アンケートを回収した(事前アンケート回収率:平 成26年度97.6%,平成27年度97.7%)。平成27年度は 2015年7月中頃〜後半に事後アンケートを実施し,同 科目授業時にアンケートを回収した(事後アンケート回 収率:97.2%)。表1参照。  研究倫理に関しては,アンケート配布時に学生へこの 調査結果が成績には関連しないこと,調査は拒否でき自 由意志で提出できること,得られた情報はこの研究のみ に使用され個人情報は保護されることを説明し,アン ケート記入後に提出したことによって協力の意思ありと みなすことを話した。 ⑶ 調査項目  事前アンケートの質問項目は,学生自身の一週間の 睡眠パターンや睡眠時間・就寝時間,スマートフォン の利用時間,生活状況についての14項目設けた。学生 自身の睡眠パターンについては学生自身の一週間の起床 時間・就寝時間・食事時間等の記録を記入させた。質問 1・2では,平均睡眠時間と平均就寝時間について設問 した。質問3・4では睡眠の満足感と土日(休日)の睡 眠状況について選択方式にて設問した。質問5では,就 寝前にスマートフォンやパソコンの使用について設問 し,使用時間(30分以内・30分以上)は選択形式で設 問した。質問6・7では,学生の生活状況について,ど のような食事習慣があるのか,一日の食事回数,おや つ,食品のバランス等に関すること,入学後の健康状況 (健康感,排便)について設問した。質問8では,学生 自身の一週間の睡眠状況を振り返っての感想について記 述方式で設問した。  事後アンケートでは,質問1の小項目①〜⑤において 睡眠の授業を受けたことによって学生の生活状況に変化 について,5段階の評価(以前から問題なし,とても改 善した,やや改善した,あまり改善しなかった,ほとん ど改善しなかった)による単一回答方式で設問した。質 問2では,平均睡眠時間について設問した。質問3で は,睡眠の重要度の理解について選択方式で設問した。 質問4では,今回の睡眠の授業で役立てようと思ったこ とについて設問した。質問5では,今回の睡眠の授業で あまり改善しなかった,ほとんど改善しなかったと回答 した学生に理由について設問した。質問6では,睡眠や 授業に関して自由記述で設問した。

Ⅲ 結果と考察

 事前事後アンケートについて集計と分析を行った。事 前アンケートでは,質問項目によっては,平均睡眠時間 を3群(1群:5時間以下,2群6時間,3群7時間以 上),「満足できる睡眠ができている」を2群(1群:は い,2群いいえ)に分け,質問項目を数量化した。 ⑴ 睡眠時間と就寝時刻  事前アンケートの質問1について,平成26年度と 平成27年度の平均睡眠時間の結果を図1に示す。平 均睡眠時間は6時間が一番多く,平成26年度は82名 (38%),平成27年度は96名(44%)であった。平均 睡眠時間は平成26年度と平成27年度では比率の差は認 められなかった。  質問2について,平成26年度と平成27年度の就寝時 刻の結果を図2に示す。平成26年度の就寝時刻で一番 多いのは25時で71名(33%)であり,24時〜26時の 就寝時刻が多い傾向がみられた。平成27年度の就寝時 刻で一番多いのは24時で120名(55%)であった。 表1 調査期間と授業内容について 年度 期 間 内   容 H26 2014年6月〜7月 事前アンケート H27 2015年6月 事前アンケート H27 2015年6月〜7月 「乳児保育」11回目授業 内容:睡眠パターン,睡眠に関する基礎知識,レム睡眠とノンレム睡 眠,睡眠の意義,睡眠と成長ホルモンの関係,こども白書(睡眠不足の 子どもの追跡調査),保育所でのこども睡眠時のケアと午睡,SIDS,メ ラトニンの働きとサーカディアンリズム,家庭での睡眠のしつけと睡眠 儀式・環境 H27 2015年7月中旬〜後半 事後アンケート

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257 保育者養成課程における短期大学生の睡眠状況および意識調査  平均睡眠時間と平均就寝時刻について,平成26年度 と平成27年度の学生と全国平均値の比較したところ, 平均睡眠時間は,平成26年度の5.8時間,平成27年度は 5.9時間であった。平均就寝時刻は,平成26年度は24.2 時,平成27年度は24.0時であり,いずれの結果におい てもほとんど差は認められなかった。 ⑵ 睡眠に関する生活習慣  質問3の「満足できる睡眠ですか」の質問項目につい ては,図3に示す通りである。平成26年度では「はい」 と回答した学生は104名(51%),「いいえ」と回答し た学生は100名(49%)であり,ほぼ同数の数に分か れた。平成27年度では「はい」と回答した学生は120 名(55%),「いいえ」と回答した学生は95名(45%) であり,こちらも学生の睡眠の満足度については,ほぼ 同数に分かれる結果であった。睡眠の満足度について, クロス集計を行ったところ,睡眠時間・就寝時刻に関わ らず,全ての項目において差は認められなかった。  質問4の「土日などの休日は遅くまで寝ていますか」 の質問項目については,図4に示す通りである。平成 26年度では「はい」と回答した学生は108名(52%), 「 い い え 」 と 回 答 し た 学 生 は97名(48 %) で あ っ た。平成27年度では「はい」と回答した学生は114名 (53%),「いいえ」と回答した学生は100名(47%) であった。平成26年度と平成27年度を比較すると平成 27年度の学生の方が土日は遅くまで寝ている傾向がや やみられた。  質問5の「寝る前にスマートフォンやパソコンなどを 見ていますか」の質問項目については,図5に示す通り である。平成26年度は「はい」と回答した学生は118 名(91%),「いいえ」と回答した学生は18名(9%) であった。平成27年度では「はい」と回答した学生 は203名(94%),「いいえ」と回答した学生は12名 (6%)であった。このことから,平成26年度と平成 27年度の90%以上の学生が寝る前にスマートフォンな どの IT 機器を使用していることがみられた。使用時間 を質問6の項目において30分を目安とした設問した。  質問6の「スマートフォンやパソコンの使用時間はど れくらいですか」の質問項目については,図6に示す通 中村宏子 図1 平均睡眠時間 横:1 段幅、なりゆき 本文5 ページ 18 54 82 45 12 9 60 96 41 9 0 20 40 60 80 100 4時間 5時間 6時間 7時間 8時間以上 (人) 平成26年度 平成27年度 図1 平均睡眠時間 中村宏子 図2 就寝時刻 横:1 段幅、なりゆき 本文5 ページ 3 29 63 71 42 9 1 33 120 47 10 3 0 20 40 60 80 100 120 22時 23時 24時 25時 26時 27時 (人) 平成26年度 平成27年度 図2 就寝時刻 中村宏子 図3 満足できる睡眠ですか 横:1 段幅、なりゆき 本文6 ページ 104 100 120 95 0 20 40 60 80 100 120 平成26年度 平成27年度 (人) はい いいえ 図3 質問3「満足できる睡眠ですか」 図4 質問4「土日などの休日は遅くまで寝ていますか」 中村宏子 図4 土日などの休日は遅くまで寝ていますか 横:1 段幅、なりゆき 本文6 ページ 108 114 97 100 80 90 100 110 120 平成26年度 平成27年度 (人) はい いいえ 中村宏子 図5 寝る前にスマートフォンやパソコンなどを見ていますか 横:1 段幅、なりゆき 本文7 ページ 188 203 18 12 0 50 100 150 200 250 平成26年度 平成27年度 (人) はい いいえ 図5 質問5「寝る前にスマートフォンやパソコンなど 見ていますか」

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258 りである。平成26年度は「30分以内」と回答した学生 は102名(56%),「30分以上」と回答した学生は81名 (44%)であった。平成27年度は「30分以内」と回答 した学生は148名(71%),「30分以上」と回答した学 生は61名(29%)であった。平成26年度より平成27年 度の学生の方がスマートフォン等の使用時間30分以内 が多い傾向がみられた。 ⑶ 食事と健康の生活習慣  質問7のア〜ウは学生の食事の生活習慣について,質 問7のエ・オは学生の健康に関する生活習慣について設 問した。結果は質問に対しての有無を数量化した。質 問7のア「食事は1日に何食食べていますか」の質問 項目については,図7に示す通りである。平成26年度 は 1 食 1 名(0.5 %), 2 食14名( 7 %), 3 食175名 (92.5%)であった。平成27年度は1食1名(0.5%), 2食18名(9%),3食180名(90.5%)であった。こ のことから,平成26年度と平成27年度の90%以上の学 生が毎日3食食べている傾向がみられた。  質問7のイ「おやつはよく食べる方ですか」の質問項 目については,図8に示す通りである。平成26年度は 「はい」と回答した学生は104名(50.3%),「いいえ」 と回答した学生は105名(50.7%),平成27年度は「は 図6 スマートフォンやパソコンの使用時間はどれくらいですか 横:1 段幅、なりゆき 本文7 ページ 102 148 81 61 0 20 40 60 80 100 120 140 平成26年度 平成27年度 (人) 30分以内 30分以上 図6 質問6「スマートフォンやパソコンの使用時間は どれくらいですか」 中村宏子 図7 ア.食事は1 日に何食食べていますか 横:1 段幅、なりゆき 本文8 ページ 1 14 175 1 18 180 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 1食 2食 3食 (人) 平成26年度 平成27年度 図7 質問7ア「食事は1日に何食食べていますか」 い」と回答した学生は125名(58%),「いいえ」と回 答した学生は90名(42%)であった。平成26年度はほ ぼ同数の数であったが,平成27年度は「はい:58%」 >「いいえ:42%」のことから,ややおやつを食べて いる学生が多い傾向がみられた。  質問7のウ「食品のバランスはとれていますか」の 質問項目については,図9に示す通りである。平成26 年度は「はい」と回答した学生は136名(65%),「い いえ」と回答した学生は74名(35%),平成27年度は 「はい」と回答した学生は138名(65%),「いいえ」 と回答した学生は74名(35%)であった。平成26年 度と平成27年度の学生は共に「はい:65%」>「いい え:35%」の同数であり,ほぼ半分以上の学生が3食 食べる,食品のバランスが取れていると認識している傾 向がみられた。  質問7のエ「最近(入学後)のあなたは健康ですか」 の質問項目については,図10に示す通りである。平成 26年度は「はい」と回答した学生は179名(86%), 「いいえ」と回答した学生は30名(14%),平成27年 度は「はい」と回答した学生は195名(91%),「いい え」と回答した学生は19名(9%)であった。このこ とから睡眠時間の多い少ないにかかわらず,健康だと感 中村宏子 図8 イ.おやつはよく食べるほうですか 横:1 段幅、なりゆき 本文8 ページ 104 125 105 90 0 20 40 60 80 100 120 平成26年度 平成27年度 (人) はい いいえ 図8 質問7イ「おやつはよく食べる方ですか」 中村宏子 図9 ウ.食品のバランスはとれていますか 横:1 段幅、なりゆき 本文9 ページ 136 138 74 74 0 20 40 60 80 100 120 140 平成26年度 平成27年度 (人) はい いいえ 図9 質問7ウ「食品のバランスはとれていますか」 中 村 宏 子・田 中 るみこ・中 村 恭 子・楠 佐 知 子

(5)

259 じている学生が多い傾向がみられた。 質問7のオ「排便は毎日規則的にでていますか」の質問 項目については,平成27年度のみ新しい項目として追 加した。平成27年度は「はい」と回答した学生は124 名(58%),「いいえ」と回答した学生は89名(42%) であった。 ⑷ 事前事後アンケートの個人間の改善度合  平成27年度は事後アンケートを実施し,事前事後ア ンケートの個人間の改善度合について,傾向を探った。  表2の結果から,平均睡眠時間は「事前:5.91時間」 <「 事 後:5.92時 間 」 で 事 後 が0.01時 間 多 い 結 果 で あった。質問1の「睡眠の授業を受けたことによってあ なたの生活は変わりましたか」の質問項目は図11に示 す通りである。「食生活など気をつけるようになった」, 「休日も遅くまで寝ることは少なくなった」,「寝る前の スマートフォンやパソコンなどの使用を控えるように なった」項目は事前事後アンケートから変化はみられな かった。  質問3の「睡眠の重要性は理解できたと思いますか」 の質問項目においては,平成27年度の学生は「はい」 214名(100%),全員が理解したと回答した。  質問4の「今回の睡眠の授業であなたが特に役立て ようと思ったものは何ですか」(選択肢2つ)の質問項 目においては,図12に示す通りである。「寝る前のパソ コンや携帯電話などの光はよくない」88名,「睡眠には 規則正しい生活が必要であること」80名,「子どもの睡 中村宏子 図10 エ.最近(入学後)のあなたは健康ですか 横:1 段幅、なりゆき 本文9 ページ 179 195 30 19 0 50 100 150 200 平成26年度 平成27年度 (人) はい いいえ 図10 質問7エ「最近(入学後)のあなたは健康ですか」 表2 平成27年度 事前事後 睡眠時間の変化(平均) 平成27年度睡眠時間の変化 h=時間 実施前 5.91 実施後 5.92

中村宏子

11 「睡眠の授業を受けたことによってあなたの生活は変わりましたか」

横:

2 段幅、なりゆき

本文

10 ページ

70 8 58 63 38 2 20 18 14 6 44 89 69 92 72 73 55 47 38 70 27 44 24 9 30 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 ⑤体調がよくなった感じがする ④寝る前のスマートフォンやパソコンなどの使用 を控えた ③休日も遅くまで寝ることは少なくなった ②食生活など気を付けるようになった ①自分に必要な睡眠時間を確保するようになった (人) ほとんど改善しなかった あまり改善しなかった やや改善した とても改善した 始めから問題なし 図11 質問1「睡眠の授業を受けたことによってあなたの生活は変わりましたか」 保育者養成課程における短期大学生の睡眠状況および意識調査

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260 眠環境は大切である」78名,「朝の光を浴びること」62 名,「睡眠不足が精神的に作用し,肥満に影響すること」 59名,「睡眠の働き」32名,「睡眠の働きのための栄養 (バランスのとれた食事)」30名の回答であった。  質問5の「改善しなかった理由」の項目(複数回答) については,図13に示す通りである。「やるべき授業課 題や予習,復習があり,時間的に無理であった」111名 (52%),「遅くまでアルバイトをしているので無理が あった」44名(20%),「IT 機器に関して依存傾向にあ る」24名(11%),「改善する必要性をほとんど感じな かった」8名(3%),「悩みなどがあり,眠れなかっ た」5名(2%)の回答であった。特に「やるべき授業 課題や予習,復習があり,時間的に無理であった」111 名(52%)が大きな割合を示しており,短大生の勉学 図12 「今回の睡眠の授業であなたが特に役立てようと思ったものは何ですか」(選択肢2 つ) 横:2 段幅、なりゆき 本文10 ページ 32 80 30 62 88 78 59 睡眠の働き 睡眠には規則正しい生活が必要であること 睡眠の働きための栄養(バランスのとれた食事) 朝の光を浴びること 寝る前のPCや携帯電話などの光はよくない 子どもの睡眠環境は大切である 睡眠不足が精神的に作用したり、肥満に影響する こと (人) 図12 質問4「今回の睡眠の授業であなたが特に役立てようと思ったものは何ですか」(選択肢2つから選ぶ) の忙しさが現れた結果がみられた。その結果は質問6の 自由記述(表3)においても,「課題が多くて眠る時間 が遅くなる」18名が一番多い回答をした。また,図13 の結果は表3の「スマートフォンの習慣を改められな い」11名,「アルバイトの時間が遅くてあまり睡眠時間 がとれない」11名の回答が多かったことから関連して 中村宏子 図13 「改善しなかった理由」(複数回答) 横:1 段幅、なりゆき 本文11 ページ 8 44 111 24 5 0 20 40 60 80 100 120 改善する必要性をほとんど感じなかった 遅くまでアルバイトをしているので無理が あった やるべき授業課題や予習、復習があり時間的 に無理であった IT機器に関して、依存傾向にある 悩みなどがあり眠れなかった (人) 図13 改善しなかった理由(選択複数回答) 表3 自由記述 (人数) 課題が多くて眠る時間が遅くなる 18 スマートフォンの習慣を改められない 11 アルバイトの時間が遅くてあまり睡眠がとれない 11 通学に時間がかかり改善が難しい 6 平日と休日で睡眠時間がちがった 5 忙しくて現実的に改善は不可能 3 早寝早起き朝ごはんを意識したい 3 生活のリズムがよくない 早寝早起きをしたら 清々しかった 3 朝日をあびるようにしたら,朝がシャキッと なった。 2 食生活が改善できた 就寝時間を24時までに 定めた 2 朝日を浴びることができるようになった 2 3食食べるように心掛けた 2 携帯を見ないようになったので目覚めが良く なった。 1 中 村 宏 子・田 中 るみこ・中 村 恭 子・楠 佐 知 子

(7)

261 いる。

Ⅳ まとめと今後の課題

 本研究の結果は以下の通りである。 ・先行研究の調査よりも,本学科の学生は平均睡眠時間 が少なかった。 ・本学科の学生は睡眠調査において体調面において影響 は少なかった。 ・本学科の学生は睡眠時間の多い少ないにかかわらず, 健康だと認識している傾向の学生が多かった。 ・本学科の学生で睡眠の満足度が高い人は,睡眠時間確 保と体調の改善度合いにやや関連がみられたが,食生 活,休日の睡眠時間,スマートフォンとパソコンの使 用状況の改善度合いに関連があまりみられなかった。 ・改善しなかった理由の中に,他の特定の科目におい て「課題が多い」111名(52%)という回答が多く, 睡眠時間の確保に影響を与えている要因のひとつであ ることが伺えた。 ・2週間後の行動変容において,選択式回答からパソコ ンの光などの影響や規則正しい生活の重要性は理解で きている傾向がみられた。  今後の課題として,事前事後のアンケートの調査期間 について,学生が睡眠の改善期間を長く得られるように 時期を検討する必要がある。アンケート内容について は,学生の現状把握のためにも,自宅通学,一人暮ら し,寮などの環境状況,アルバイトの種類と勤務時間, スマートフォンの利用時間など,複数の項目との関連性 を検証できるように詳細なものにする必要がある。睡眠 時間の確保が困難な環境において,どのようにして生活 時間の調整を行うかについては,学生自身が自分の生活 時間や質を評価し,問題解決能力をもたなければならな いが,教員も学生の睡眠に関心を持ち,一人ひとりに応 じた指導で支援していく必要がある。そのためにも,こ のアンケート調査を継続して結果を蓄積し,時代ととも に変化する効果的な支援について探っていきたい。 保育者養成課程における短期大学生の睡眠状況および意識調査

参照

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