畠 ◆ 熱天秤によるチタソ酸バリウム軍結晶製造反応に関する冴究(第1∼3報)
熱天秤によるチタン酸バリウム單結晶
製造反応に関する研究(第1∼3報)
(第1報)BaC12−BaCO3−TiO2系の研究
1.Study on the BaC12−BaCO3−TiO2 system. チタソ酸バリウムの軍結晶はBaCO3, Tio2の他に・ 融剤としてBaC12或は炭駿アルカリを加えて熔融し・ 徐冷して結晶を析出させ、冷却後融剤を洗い去る方法 によって作られている。 H.B1 attner等1)はK2CO3とNa2CO3の混合物を融剤 として2mmの結晶を得、叉BaC12を融剤とした場合も 軍結晶:b:得られることを示し、B. T. Matthias等三)は BaC12を用VN’8時聞以下の徐冷によつて5mmの完全 た結晶を得たと報じている。又B・MatthiaS 3)はBa Cl21モル、 BaCO3 O.S3モル、 TiO2 O.25モル(重量比 50:25:5)の混合物を白金或は宏素滑渦で熔融し、 1200°Cより800°Cまで数時間の徐冷を行って結晶を得 たが、W. O. Sta七ton4)はBaCO3:TiO.=25:6(重 量比)の混合比を用うべきであると述べている。その 後軍結晶を用いて、透電率、履歴曲線、分域構i造、結 晶構造、その他強誘電体としての特注を測定し;’c報告 が数多く発表されているボ、大きな軍結晶は得られて いないし、それを作る基礎的克究も見当らない。吾々 は先づBaCi2を融剤とする場合にっいて反応機構、融 剤の分解及び蒸発を熱天秤を用いて吟昧した。滝
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§試料中のBaCO3の分触伏況を第工表に示す。 第 1 図 £o ’8 t6 c’4 ミ〉!2 ’o鍾8
↑ 6 4 2 0 8a〔吃・ZH,0一冗ら βQ伎22H20−BeCOs 200 300 旬0 ㌃00 6eo →温 度(°C) 第 1 表 8eLcca・ r・ 02 8qC OJ 実験及び実験結果 化学天秤を改造した熱天秤5)を褒用し、5ccの白金 坦塙に試料を粉宋のまXとり、減量を測定した。純品 が得られ易く、且っ多量に使用するBaC12ば特級品を BaCO3, Tio2は一級品を用いた。 1・BaC1.・2H20−BaCO3−TiO2系加熱減量曲線 BaC122H,O, BaCO3, TiO2の軍独、これら相互の 2成分及び3成分混合試料にっき、約1gを用いて毎 分約2°Cの温度上昇速度で加熱域量曲線を求めた。混 合試料に於ては相互の混合モル比をB.Matthiasが 示したBaCl2:BaCO3:TiO2=1:0.53:0.25とし、 乳鉢でよく混合した。加熱減量曲線を第1図に、又混混会成分
BaC12’2H O_ BaCO3 BaCl・・2Ht,O− BaCO3−Tio2 BaCO3−Tio2 試料 (9) 1,0767 1,0325 0,9861 試料中のliaCO3より発生
するCつ2(mg)B鷲3計難1実験値
0,3224 0,3071 0,3903t÷ 71.9 68.5 87.0 71 (9000C 以下) 67 (9000C 以下) 66(9600C l以下) ’:÷TiOsと等モルのBaCO3 ‘BaCO3ぽ低温より徐々に減量を増し、堆塙中央に帯 緑色の嵩の少い塊状焼結物となっていた。純品の減量 は極めて少なく、白色粍末のまNである(第2報参照) ことから、純度が悪い爲と考えられるoBaCl2’2H20 け脱水後安定であるが、融点附近より顯著な減量を示 す。分解乃至は蒸発によるものであろう。BaCO3−Ti O2混合物に於いては低温より徐々に反応し、800°Cよ り反応が激しくなり、960°Cより第2段の反応による 減量が始まる。960°Cまでの減量はTio2と等モルのBa CO3の含有するCO2の76%に相当している。 BaCO3とSadao Taki.・Minoru Kunitomi.
Studies on the reaction preparing barium titanate single crystals by thermebalance.ノ 昭和28年7月
山梨大学工学部研究報告
第 4 号 TiO2より先づBaO’TiO2を生じ、960°C以上に於て過 剰のBaCO3とBaO・TiO2が2BaO・TiO2を生暖ずる反応 が始まる。これは久保氏等6)の結果と一致する。Ba C12°2H20−TiO2に於いてはBaC1!2H20のみの場合と の差異は認められない。BaC12’2H20−BaCO3では、Ba α2の融点及びBaC12−BaO系の共融但870°C7)の何 れよりも低い800°Cに於てBaC12は完全に熔融(肉眼 による観察)し、それのみでは高温に於いても分解し難 いBaCO3が全部CO2を放つてBaOとなりBaC12中にと け込む。BaOが熔1 ,BaC12に容易にとけることは古く より知られている。°)30°Cに於いて水溶液よりBaC12’ BaO’5H20が析出することが知られているlb x9)、この 場合BaCレBaOなる化合物が生じているか否か1±疑問 で主る。 以上の結果を参照してBaC12’2H20 一一 BaCO3 −Tiつ2 混合物を加熱した際に起る反応機構を考えると、Ba Cl2・2H20の脱水隻、 BaCO3とTiO2が直接固相反応を 行つてBaO°TiO2を僅か生成し、760°Cに至って融剤 のBaC12が熔融し、BaCO3:ま速やかに分解して全部Ba OとなってBaCl2中にとけこみ 固体状態のTio2と 反応してBaO’Tio2となる。即ち液相と固相の反応と なり反応速度は著しく大きくなり、Tio」粒子の表面 にBaO’Tiぴの被膜が形成され、この被膜を通して未 じ 反応物質が拡散することによって反応が進行し、又一 方に於vkて被膜ま熔融体に溶解され、高温に致しば毬 にはBaOを含むBaC12熔融体中にBaO’TiO2全部がと けこんだ状態になるであろう。從って熔融体よりBa O’Tio8の結晶が析出することを問題とする場合には BaCl,・ 一一 BaO 一一 BaO’TiO,・の…三歳分系として取り扱わ ねばならない0 2.BaCl:の分解及び蒸発 チタソ酸バリウム軍結晶製造の際に、混合原料を約 1200°Cより徐冷するが、この間に於ける成分の変化 を穣討する必要がある。BaO, Tio2が失われることは 考えられないが、BaCI・,は空気中で加熱すると僅かの 重量減を示し、BaO, BaO一を生じてアルカリ性を呈す ることが知られているし、前述の加熱減量曲線をみて もBaCl.を含む場合は1000°C近くの減量著しく、高温 に於ける分解と蒸発を考慮しなければならない。特に BaC12の分解1まBaOを生或し、 BaO生成量が多ければ BaOとTiO2のモル比に変化を來たし、 BaO’TiO ,,以外 の化会物を生ずる恐れがあるから十分穣討を必要とす る。前実験の各種混合物の1000°C†こ於ける一定時間 中の減量は略等しく、BaCl2のみの場合と大差なかつ たから、吾々はB aCl :iの1000∼1200°Cの蒸発、分解量 を求めて混合原料に対する考察を行った。5時間、所 定温度に保ったBaC12を塩酸で滴定して求めたBaOよ り分解したBaC12を、BaOと重量減より蒸発したBaC12 を計算した。その結果を第2図及び第2表示す。 60 夘 字0 令 日 )嘱30
鐘 co ↑ ’0 第 2 図/
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o ノ 2 3 →時 間(hr) 第 2 表, “iL No. 温度 ll旧aCl. 5時間 フ減量BaO
蒸発せ1分解せ 驕@ る aaC12 BaCl2 2∼5時ヤに於
ッる減ハ(mg
(°C)一一一一 (9) (gm) (mg) (mg)[(mg)1/hr) A 1 1000 0.9147 5.5 1α61 σ61 1441| 05 2 10004.2479 10.6 22.3 0.3 30.3 1. 3 1050 4.2481 17.0 27.6 4.2 @「 37.5 2.5 1100 P200 4.2484 S.2472 ‘ 28.81 Tス41 37.7 U1.3 ! 11.41 @ 1 Q9・11 51.1 W3・31 4.3 V.8 減量は初期に著しく、漸次少くなり2時間以後一定 となる。白金堆蝸でBaCi、,を熔融すると、粉宋中に含 まれていた室気が世禍壁に多くの気泡となって附着 し、長時間かXって徐々に液面に逃れ去るのが観察さ れる。この気泡が液の内部よりの分解、蒸発をひき起 す爲に初期の減量著しく、2時間後に至って気泡の影 響がなくなり熔融BaChと堤内雰囲気の閥に干衡状態 が成立するものと思われる。No.2はNo 1に比し熔 融BaC12の表面積が大約2倍になつていたが、液面積 が大いに影響していることがわかる。BaCl2の蒸発は 1000°Cに於いては殆んど起っていないし、それ以上 の温度に於いても分解する量に比して少い。BaO生戊 量は1000°Cに於いて223mgに達しているから、第1 図に示された融点以上に於けるBaCIL・の減量は蒸発で一70一
熱天秤によるチタソ酸バリウム軍結晶製造反応に関する研究(第1∼3報) なく分解に基づくものである。第2表の結果を1モル BaC12,0.53モルBaCO3,0.25モルTiO2混合物を1200 °Cで5時間加熱した場合に適唱してみると、BaC12は 2.6%減少し、BaCO3は3.7%増加することになるが、 実際の軍結晶の製造には大きな柑禍を使用するから表 面積の原料重量に対する比は小さくなり、更に堆塙に 蓋をするとか、憶内雰囲気を適当に選ぶことにより、 分解、蒸発の影響は更に小さくなり、原料混合に当つ て混合比を補正する必要はないものと考えられる。 穂 括 熱天秤によりBaC!2’2H∠O−0.53BaCO3−025TiO2 系の加熱減量曲線を求あた。BaCO3とTio二の反応は 固体状態で進行する爲に反応の完結に長時間と高温度 を要するが、BaCLが加わるとその融点より遙かに低 い760°Cに於いてBaC12が熔融し、 BaCO3{まCO.を放 って全部BaOとなってBaCl..申にとけこみTio2と反応 して速やかたBaO・Tio,を生成する。十分高温なればi BaO’TiO∠はBaOのとけ込んだBaC12中に溶解される。 叉BaC12は副1点附近より分解し始め、蒸発は1000°C 以上に於いて認められ、共に温度の上昇と共に著しく たるが、分解量は蒸発量より遙かに多い。しかしBa O・Tio2軍結晶製造の際に混合組成に大きな影響を及 ぼすとは考えられない。 (昭和26年4月8日、日本化学会第4年会講演) 終りに臨み終始御指導頂いた齊藤助教授に感謝の意 を表す。 文 献 1)H.Blattner, B. Matthias, W. Merz, Helv. Phys. Acta,20,225(1947) 2)B.T. Mattias, R G. Breckenridge, O. W. Beaumont, Phys. Re7.72,532(1947) 3)B.Matthias, Phys. Rev.73,808(1948) 4)W.0.Statton, J. Chem. Phys・19,33(1S51) 5)ZF野・深沢,山梨大工,1,42(1950) 6)久保・肺力,工 化,55,49(1952) 7)Arndt, Ber. Chem・Ges.40,427(1907) 8)Gme!ins Handbuch der Anorganischen Chemie, Nr.30. 9)J.MiliKan, Chem. Abst.12,338(1918)
(第2報)Na2CO3−BaCOrTiO2系の研究
皿.Study on the Na.・ CO3 一一 BaCO3 −TiOi system. 本報にはNa,CO3−BaCO3−TiO」系に関して、熱天 秤を用いて加熱減量曲線及び反応速度を求め、反応機 構を検討した結果を報告する。 実験及び実験結果 (1)試料及び実験方法 Naρ03は特級品を使用し、 BaCO3は塩化バリウム (分析用)と宏駿アソモニウム(一級品)より合成し予 め500°Cで焼いてから用いた。TiO2はTiC14を加水分 解してつくり1)、650°Cで蝦焼したアナタ・・ゼ型及び 1000°C以上に加熱してルチル型に変えたもので、何れ もスペクトル的に痕跡の不純物を含むにすぎない。Ba O’TiO∠及びNa20’TiOzは夫々BaCO3とTiO2及びNa2 CO3とTiOzの等モル混合物を加熱し、長時間固体反 応を行わせたもので、前者は未反応物質を含まない が、後者は未反応のNa・・ CO3及びTio・を僅かに含んで いた。混合試料は成分試料を正確に等モルづっ乳鉢で よく混合した。これら粉宋試料をそのまX白金堆塙に とり、前報の如く熱天秤により減量を測定した。Cぴ の発生なく重量減より反応量の測定できなV・Na.O’Ti O2−BaCO3系に於いては、試料に酷酸を加えて未反 応BaCC 3を溶解し、ロヂゾソ酸ナトリウム試験紙L))を 用いて硫酸で滴定し、反応量を計算した。 (2)Na;・CO3 一一 BaCO3 一 TiO系加熱減量曲線 NasCO3 一一 BaCO3 −TiO.iR加熱減量曲線を第1図に 示す。図中矢印は反応完結の際示すべき減量の計算値 を表わす。 第 1 図 A瓦()2 8B亀C硲 cん転c亀 D胸£〔㌔噂B■co3 1…8復Cζb一耽02 Fぬzcら一r;oz G晦cち一8復co3rTi e, k’晦CO3−8α0・7t 02Q
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3擁 4〃 」鋤 60P 勿θ →温 炭(°C) gee leoo昭和28年7月 よ
山i梨犬学土学部研究i報告
第 4 号
A.Bの減量は前報に比して極あて僅少で加熱後も その外観に変化は認められなかった。C, Dの減量は Na2CO3の分解によるものと思われる。 Eは前報と同 じく低温より僅かに反応し、800°C以上に於て反応激 しくなり970°Cで反応完結して全部BaO’Tio一となる。 Fでは吹式の如き反応が行われる。 Na,・CO3+TiOi pt Na−O’riO2+CO,………(1) これは可逆反応であつて、発生したCO2の爲に反応の 完結は遅いが、980°Cをすぎると急激な減量を示す。 Na20’TiO2の融点が973°C3)であることより、反応生 成物のNa20’Tio2:う:熔融して僅かに残っている未反応 物質間の反応が速くなった爲である。Gでは720°Cま でFの曲線と同じ経過をたどつて1モルCO2を放出し 以後Cと同傾向の減量を示す。更に種々のモル比の3 成分混会物について行つた結果、Tio2とBaCO3との モル比の如何に拘らず、720°CまではFと同じ曲線と なつて、何れかが滑費しつくされる’までBaCO3とTi O2が等モル反応すると考えた場合放出されるCつ:に等 しい減量を示し、以後8aCO3がTio2に対して等モル 以上含まれている場合はCと同傾向になり、そうでな い場合はFと同傾向でCよりも大きな且っ徐々な減量 を示す。叉加熱し乍ら時々試料をとりだし、未反応Ba CO3をロヂソソ酸ナトリウム試瞼紙を用いて定量し た所、BaCO3とTio2が等モルづx反応するとして発 生CO L,による減量より計算せるBaO’Tio,・と未反応Ba CO3 .L il計算せるBaO’Tio,,の量は正確に一致した。 邸ち3成分混合試料に於いては加熱減量曲線がNa2C O3とTio2との反応と同じであるのに化学分析の結果 はNa2COsに無関係にBaCOsとTio2が反応しているこ とを表わしており、減量はBaCO3とTio,の反応量を 示している。そこで吾々はNa2CO3−BaCO3−TiO2系 の反応は次の如き機構で行われるものと考えた。BaC 第 1 03とTio,・th:直接反応してBaO’Tio2が生ずるのではな くて、先づ(1)式に從ってNa20’Tiqを生じ、これ が直にβaCC3と(2)式の如き反応を行ってBaO’Ti O2を生ずる。 Na:O’TiO2+BaCC3・=BaO’TiO2十Na2Ce3…(2) Tio2が過刺の場合はNa2CO3との反応.う:更に続き、 F と同様な曲線となる。減量より求めたBaO’Tio・tと分 析より求めたそれとi:k.く一致したことより、(1)の 反応速度は(2)に比して遅く、(1)によって生ず るNa2 O’Tio,は生戎するや否や直にBaCO3と反応し てBaO・Tio2とNa2CO3になると考えられる。 BaCO3とTiO2との反応が800°C以上に於いて激し くなるに比し、Na−CO3を添加すると550°Cより反応 顯著となり、720°Cまでに反応完了し、反応温度を著 しく引下げることができる。反応は固相反応として進 行し、反応完了後に於いてNa2 CO3が溶融し始めるか ら、原料を廿塙に密に充墳し急激な温度上昇を與える と、発生気体が容易に放散されない爲に原料が世塙か ら渥れ出すから注意を要する。 Na,,CO3を融剤とするBaO’TiO:の製法ではBaCO3 とTio一が等モル使用され、それに適量のNa2CO3が添 加されるから、反応は上述の二っの段砦を通って進行 するものx、反応終了後は1・Va2CO3 一一 BaO’TiO22成分 系と考えて熔融、結晶の析当等の間題を取扱えばよ い。しかし、HをみるとCと同傾向でNa;CO3の分解が 認められるから、この点に留意する必要がある。 (3)反応速度にっいて 上述の反応錘構を確める爲に更に固体反応速度を測 定した。各温魔に於ける反応量を第2図に示す。これ 3 −よりJanderの固体反応速芝式(1一ゾ1−x)2=2kt+C を用いて反応速震恒数k,更にk= C.e−A/RTより活性 化エネルギ・一 Aを求あると第1表の如くたる。 表 ξkXlO3(痔)
‘晴性化工5…cl
550°C6…cl
65・・cl7…c!8…cl
8…弓 」9・卵c度㌫
Na2CO3−TiO,・ maΣCO3−Tio2「 0,331 O.0387 1,421 Q,181 1 4.721「 7.67 16.4「 1 Q4・1ミ旨l l 41 S5 Na20 Tio2−BaCC3 1.47 18.8 105l l
73 BaCO3−Tio−a aaCO3−Tio2・1
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P 1.30‘ 1‘ 1.07 i 6.43 | U・3gl 20.2 Q9.1 69 W3 Na2CO3−BaCO3−TiO2a OO7971 0,257 3.62… 194 l l ‘ 74 ee 690°C TiOL,「, Tio2aは夫々ルチル型及びアナターゼ型酸化チタソを表わす。一72一
熱天秤によるチタソ酸バリウム箪結晶製邉反応に関する研究(第1∼3報) loe 8αc鵬一砥4 θO ω
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間(hr) Na.CO3−・TiO2r系550°Cでは数回繰返し実験を試み たが常に異常に小さい反応量を得たが、その原因にっ いては後日椋討する予定である。 1)滝・国富:山梨大工, 2)向 山:工 3)岩瀬慶三著:砂鉄の研究 Na,・CO3−Tio2系に於いては逆反 3 __ 応の影響が(1一ゾ1−x)2と時間 との関係に現われたが、略満足で きるをkを求め得た。反応速度よ り加熱曲線Gの550°Cからの減量 は、BaCO3−Tio2のkがこの温度 では非常に小さいから、明らかに Na2CO3とTio2の反応の爲であり 又この反応の活性化エネルギーは 他に比して小さくて反応し易いこ とを示し、且つ(2)の反応に比 して反応速度は遅く、前述め反応 機構は妥当であると思われる。 総 括 Na2CO3を融剤とするチタソ酸バ リウム軍結晶製造法の反応機構を 熱天秤を用いて加熱減量曲線、反 応速度を求めて繊討した。Na,CO3 −BaCO3−Tio2混合物を加熱して ゆくと、先づNa2CO3とTio2が反 応してNa20’Tio2を生成し、これ が直にBaCO3と反応してBaO’Ti O2を生ずる。この反応は550°Cよ り激しくなり固体反応として進行 し720°Cで反応完了し、その後に 熔融体を生ずる。この系はNa2CO 3 とBaO’Tio:との2成分系として 熔融体より結晶析出の問題を取扱 うべきである。 (昭和27年4月4日、日本化学 会第5年会講演) 終りに臨み実験に協力された深 沢重雄君に感謝の意を表す。文 献
3,47 (1952) イtt, 55, 187, 333 (1952) 349頁昭和28年7月
山梨大学工学部研究報告
第 4 号 (第3報)K,CO3を融剤とする系の研究 mStu ay on the systems used K2CO3 as flux. 前i報に引き続きK2CO3を融剤として用うる系、 K,C O3−BaCO3−TiO,・.X及びK2CO3−Na2CO3−BaCO3 τTio2系に関して、加熱域量曲線及び反応速度を求 め、反応機構を検討した所前2報と異なる知見を得た ので報書する。 実験及び実験結果 (1)試料及び実験方法 K2CO3は特級品を使用し、他は第2報に記載た試 薬を使用し、Tio二はアナター−ti型を用いた。実験方 法は前報と同じである。 (2)K、CO3 一 BaCO3−TiO2系加熱減量曲線 K2CO3−BaCO3−Tio2系加熱減量曲線を第1図に 示す。図中矢印の数字はそれまでの減量に相当する発 生CO2モル数を示す。 第 1 図 ハ も16 綱t4 蝿〆o ↑ 0 ’θθ 2ρθ 30θ 砲1ク タθρ ‘θ0 7ca ♂0θ 守ρジ 抱肉0 →温 度(°C) AK,・CO3 F1.15K2CO3−K20,2TiO2 BK2CO3−BaCP3 GK2CO3−BaCO3−TiO ,, CK2CO3−TiO2 H K20.2TiO2−BaCO3 D2・43K2CO3 一 TiO」IK2CO3 一 Na2CO3−2TiO2EK2CO3−2TiO2 JKLCO3−−Na2CO3−2Ba
CO3−2Tio2 K2CO3は約200°Cで乾燥し、800°C以上で分解或は 蒸発が始まる。Bでは750°Cより減量著しく、K2CO3 の分解によるものと思われる。K2CO3−Tio2系は Na2CO3−Tjo2.$と異った反応を行い、これが全体の 反応機構に重大な意味を持っから特に詳しく吟味し た。Cでは680°Cまでに正確にO.5モルのCO2に相当す る減量を示して恒量とたりs−700°C以上になって、又 急激な減量を示すが1000°Cに、なつても全部のCO2を出 していない。叉Dの如き任意の混合割合をとっても700 °CではTio2モル数の牛分のK2CO3がCO2を発生した ことを示し、曲線の形もCと同じである。更に第3図 で明らかな如く、700°C以下ではCO2発生量は常に時 間と共にTio2モル数の牛分のK2CO3の含むco2量に 近づき、この場合いかに長時間加熱するも、電気炉内 にCO・・を含まぬ塞気を塗ったり、反応後の試料を更に 乳鉢でよく混合してもそれ以上反応は進行したかっ た。以上によりK2CO3とTio2はXの機構により反応 するものと考えた。 K2CO3十2TiO2=K202T iO2+CO2(1) ’ 7000C以一F K20・2TiO2+K2CO3=2K20.TiO,・+CO2(2) 700°C以上 又Eでは800°Cで反応が完了しているが、K2CO3が Tio2に対して過剰でない爲に反応宋期には反応の進 行が遅い爲である。固体反応によってK20.2TiO2(未 反応物を含む)を合成してK2CO3Lとの反応を検討す ればFの如くなり、700°C以上に於て急激に反応が行 われてK20’Tio2が生成することがわかる。 以上により K2CO3とTiO2は約200°Cより反応を開 始して先づK20’2Tio2を生成する。この際過剰のK2C O3が存在してもこれ以上反応は進行せず、この固体 反応は700°Cで完了し、700°C以上になって始めて反 応(2)に從ってK20’2TiO2はK20・TiO2となり遜に 熔.融するに至る。 然らばK2CO3−BaCO3−TiO2漫今物に於いては如 何なる反応が行われるか△これはGに示す如く、200 °C以上に於いて反応が始まり900°Cに至って漸く計算 量のCO.が放出され、それ以上はK2CO3の分解による ものと考えられる。曲線の形からこの間に当然上述の (1)の反応に続いて次の反応が起るものと予想され るo K20・2TiO2十BaCO3=BaO’2TiO2十K2CO3(3) BaO’2TiO2十BaCO3=2BaO!riO2十CO2 (4) (3)は重量変化を示さないが、(4)反応に於いて は重量減を伴う。耳に於いて低温より減量を示すこと は(4)の反応が同時に起っていることを表わし、3 成分混合物に於いて(1)、(3)、(4)の反応が200 °C以上に於いて同時に進行することを示している。 一74−一一一熱天秤によるチタソ酸バリウム軍結晶製造反応に関する研究(第1∼3報) jlqK2CO3 一 B aCO3−TiO2混合物について減量と同時 に未反応BaCO3を第2報の如くして求めて反応せる BaCO3、これと発生CO2との差より反応(1)によ るCOを計算すると第2図あ如くなる。 第 2 図
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→ 発生炎酸ガス(%) 横軸のCO2はBaCO3に含まれるそれを100%とし、 反応(1)によるCO2は全発生CO2(反応1.4による ・CO2)に対する百分率で表わした。前報と異り、この 系ではCO2がi発生しただけBaCO3が反応せず、常に 少い反応量を示す。これは反応(1)によってCO2を 発生してK20’2Tio2を生じても反応(3)が遅い爲 に発生したCO2に相当するだけのBaCO3が滑費され ないでK2(}2Tio2が相当量存在していることを示す。 図より明らかな如く、反応初期に於けるCO溌生は大 部分反応(1)によるものであり、反応宋期に於いて はcq発生量はBaCO3とTio2との反応量を示すと考 えてよい。 以上により、K2CO3−BaCO3−Tio2混合物に於い ては反応(1)にっPt・て(3)、(4)の反応が起り 固体反応として進行する。(1)に比し他の反応は遅 く反応の完了は約900°Cとなる。叉略この温度に於い て融剤のK2CO3が熔融しK2CO3−BaO・TiO22成分系 となり前報の如く取り扱えば‘よい。Na.CO3を用いた 系に比しこの系は反応開始より完了まで非常に広い温 度範囲にわたっているのも一っの特徴である。 (3)反応速度にっいて 固体反応速度を測定した結果を第3、4、5図に示 す。第3図に於いては反応(1)により発生するCO2 を100%として表わし、第4図の反応(4)により反 応せしBaCO3は反応中の重量械より求めた。第5図 の反応量はBaCOrsの含むCO2を100%とした。 ( ) 醐 ( ) 醐 ↑ ρ ω 20 , ● 2 3 時 間(hr) 第 4 図 タ メ ‘kaρ’」∼砧橘cω●2θeceJ −一反応せt8α‘e3 _一._一一亙旋・《争》1こより醜せし’ βαc偽,./°ヵo’6
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ノ,’・”一㊨7eθ゜ε ,.,,.一.峰一一一一一一一’一’−z蒜汀 3 時 間(hr) 第 5 図 K2co3・−8a〔ら・7: O)/・一「確
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3 亨 5 →時 間(hr) eg 3図より、上述の如く700°C以下ではK20’2Tio2 が生成することは明らかである。第4図と比べれば昭和28年7月