パーニニ文法学の伝統の中で、いわゆる文法学の三聖人
︵日日匡昌︶lパーニニ︵而習目︶・カーティアーャナ
︵爵ご理四目︶・パタンジャリ︵囲冨ヨ島︶l以降の文法学者の 中でもっとも重要な文法学者は、バルトリハリ田富﹃目目、 紀元5世紀頃︶である。彼はインド思想史上きわめて重要な詩 頌テキストく騨冨冒島旨を著した。く男租忌日旨は、第一巻 ﹁ブラフマンの巻﹂︵印呉自陣圃且四︶あるいは﹁聖典の言葉 ︵アーガマ︶についての綜合的考察﹂︵荷四目尉四日匡。8旨︶、第 二巻﹁文についての巻﹂︵扇ご煙闘且“︶、第三巻﹁テーマ別考 察の巻﹂令国酉目四宮︶あるいは﹁単語についての巻﹂ Sm烏圃且四︶の三巻よりなる。本書は以下のものについての 和訳研究である。 ︵1︶第一巻の詩頌テキストならびに自注と考えられる﹃ヴ 赤松明彦著﹁古典インドの言語哲学1ブラフマンとこと語それ自身のかたちとその弁別l書評
ば﹂︵東洋文庫卸︶平凡社、一九九八年 ﹃古典インドの言語哲学2文について﹄︵東洋 文庫剛︶平凡社、一九九八年* ○ ■ 、 。−J ノ Ill英世
リッティ﹄︵く同昌︶︵﹁古典インドの言語哲学1ブラブ マンとことば﹄所収︶ ︵2︶第二巻の詩頌テキストニ古典インドの言語哲学2 文について﹄所収︶ ︵3︶プンヤラージャ令巨昌四且四︶の第二巻詩頌テキスト くも障干画に対する注釈︵﹁補遺1﹂として﹃古典イン ドの言語哲学2文について﹄所収︶ ︵4︶第二巻詩頌テキストぐむい届出ご$︲g邑闇団臼に 対する自注と考えられる﹃ヴリッティ﹄︵﹁補遺2﹂とし て﹃古典インドの言語哲学2文について﹄所収︶︵5︶第三巻﹁クリヤー・サムッデーシャ﹂
負身開四目匡住の函︶詩頌テキスト︵﹁補遺3﹂として ﹁古典インドの言語哲学2文について﹄所収︶ 本書には﹁訳注﹂・﹁解説﹂・﹁参考文献と略号一覧﹂・﹁索引﹂ が付せられている。﹁訳注﹂に関して特筆すべきは、特にく﹃日 に引用される文献に関して可能な限りの同定がはかられている ということである。また﹁解説﹂においては、﹁一バルトリ ① ハリとその著作﹂﹁二文法学の基礎知識﹂﹁三バルトリハリ における文法学の位置﹂﹁四言葉の永遠性と窓意性﹂﹁五バ ルトリハリの言語哲学﹂の五節において、バルトリハリの著作 から彼の言語哲学の前提となるパー’三文法学の概要、彼の言 語哲学の特色、そしてその現代的意義までが簡潔にまとめられ ている。 著者は、﹁まえがき﹂二古典インドの言語哲学1ブラフマ 21バルトリハリの思想の特色のひとつは、単一不可分の事象を 多様な因果関係の相面で捉えた上で、それに多様な因果的︿能 力﹀︵留冨︶を想定し、︿能力﹀の集合としてのそれから多様 なアスペクトを抽象する、ということに求められる。これは彼 の︿言葉一元論﹀にも︿文意論﹀にも︿行為参与者論﹀にも共 通して見いだされる。そして、これはく言葉﹀赤煙圧四︶の自 己指示的な性格を明らかにする彼の議論にも反映される。︿言 葉﹀からは︿把捉者﹀︵四豐四宙︶としての︿能力﹀と︿被把 捉者﹀︵四理窟︶としての︿能力﹀が抽象されることによって ︿把捉者﹀としての︿言葉﹀と︿被把捉者﹀としての︿言葉﹀ それ自身としての︿語形﹀︵段圧四のぐ四目肩︶という二つの相が 単一の︿言葉﹀に概念的に想定される。このことは、く国 患︲$に主題的に論じられる。そして後続のく国g︲ざは、
これの国]忠による例証である。著者はく国の詩頌なら
びにく﹃昼を訳出するに際して、全体を二十五の章に分けてい るが、く国ふ?弓は、そのうちの第一○章に当たり、著者に の貢献するところはかり知れないものがあるであろう。 ンド思想研究にとって本書の出現はまさしく画期的であり、そ である。我が国におけるインド言語哲学研究、さらには広くイ 要部がここに届けられた。これはまた評者にとっても夢の実現 の夢であったと繰り返し語る。この極めて難解なテキストの主 ンとことば﹄︶においてく騨旨忌日苫を読み解くことは著者 一■ よって﹁文法規則の中の語l語それ自身のかたちl﹂という章 題を与えられている。当該箇所は、著者がここでのバルトリハ リの議論が﹁広く言語哲学的な地平に位置づけうる﹂二言語哲 学1﹄訳注剛︶と語り、本書解説部二言語哲学2﹄︶で﹁固有 名の問題﹂﹁命名の問題﹂として焦点を当てて論じるほどに著 者が重要視しているものである。 二・﹁文法規則の中の語l語それ自身のかたちl﹂ まずくむ房g︲ざに関し、その詩頌部の著者による翻訳を紹 介しよう。スヴアル−パ
帥﹁たとえば、それ自身のかたちを表示する﹁ヴリッデ サンジュニャー ィ﹂︵く尉佳宮︶などの語は、[﹁名指すもの﹂となって、] サンジユニン ﹁名指されるもの﹂である、﹁アード・アーイチュ﹂ ︵劉巴。︶によって表示される各語︵例日.目という母音︶ との結合関係をもつに至る。﹂︵く国g︾員住ご鄙旦○ 旦四庁百四のいず﹂倒昏のぐゆ目国も○℃四口一ず四ロユご四国倒写、四口四一○℃︻画詳旦倒と営四骨昏 岼ゆず堅四昌彦mmRpずぃロ﹂ず凹問目ぐ四口辱め四門口一司竺ずぽ]写、、︶ BL口屯・
田﹁[たとえば、文法規則、﹁名詞品己︵﹁火﹂︶の後に第二 次接尾辞号農がくる﹂のような場合には、]凋昌というスヴァルーパ
語[それ自身のかたちかたち]を拠り所︵表示対象︶とす る、この侭己という語は、[右に﹁ヴリッディ﹂という 語について言われたのと、]まさに同じように、[別の]搦昌という語によって表示されるべき侭邑]としう
、ンユルティ 具体的音声形と、結合関係をもつに至る。﹂︵く国臼“ D、凸ヨ 4ロ ロ、凸臼。△二忽 。、 いいご]、四ppmい︿、庁言四﹂く画く四局pいぬご﹄切四ロロ四口]ロ四口ロ宮凹ロ印彦、凹輌ロ﹄の汽巨, 庁昌四岸言めい同ロロ四国ロロ四旨己四m目勗四ごQ四口宮胃ロロの冒四吋倒、へ︶ “当当 “、4ヨー1J凸・ヨム 蛇﹁[主張][文法規則を述べるスートラ中で]現に明言さ 力−ルヤ れている語[たとえば、侭口邑は、文法操作の対象にな ることは決してない。しかし、その語にある、別の語[た とえば、侭昌とを認識させることへの能力が妨害される ことはない。﹂︵ぐむ胃・馬︾昌○︺m巨O8qg①い:旦○口昌四国巳 望I 沁酋“ pゆめ四戸四︻くいず面倒丙、回口ぐゆごR色︵ぐ四ぐ四目のの印穴言貝目山寺四めぐ四口︻印ロ︲ t 1ト&、 t卜 ケ四匹面と勉計の、、︶ “﹁[理由][スートラ中で]明言されている語は、他のも のに依存するから、従属要素であり、それ自体が、 カールヤ 文法操作に結び付けられることはない。それゆえ諸々の 力−ルヤ 文法操作は、その語の[表示]対象[である同じかたちを もつ別の語]と結びつくと想定される。﹂︵く四・$“ 匡○omHmpで印︻四庁煙p言い行く四﹂ぬ匡口画昏穴倒H望四目ロ四国ロ]︼凹弄①ヘ庁回めHpm弄 国・日日四旨丙皿曼、昼四日切煙員5m目口宣口唇で日時四言目算の亘︶ 邑凸。ご“Ⅱ11111 雪﹃“ヨ
ウパマ−ナウパメーヤ
“﹁[嚥例一]たとえるものとたとえられるものの間には、 [両者によって]依拠される共通性が存在するが、そのよ うな共通性のそれぞれに、さらに別の性質が、比嶮関係の なかで、弁別的に想定される。﹂︵く国霞¥3日習冨日 、・ 当 当 四m﹃号、引口く四・ぐゆ口匡己四H昼四口○口四門戸のくいぐ○写、庁Pmくい計四mく○口、︲ ・曼凪 二、 ↑ P L、。 心 に浄 ﹃冒画目の切匡ロロ四目ご○ロ冒○ぐ罰四ロロ○く回言①﹃、︶ 当己 鮖﹁[哺例二][あるものの]優越性の原因となる属性が、 自立的なものとして示されるならば、そのような属性の優 越性は、[その属性が]依拠している[別の]属性に基づ いて理解される。﹂︵くも旨駅応目島耳鼻閏協扁日﹃冒唇 のくぃ弄角冒弄﹃冨①ロ○℃四Q泳ぐ、︵の、庁四の巨凶い︻岸凹旦、匡口凶ユ①ぐ四℃片口声﹃異口︲ 弓四日冒胃ご異のご︶ “﹁[結論]ある語︵B︶が、[スートラ中で明言されてい る]語︵A︶の表示対象として確定されるならば、[次に] その語︵B︶が[スートラ中で]明言されるときには、 [たとえ実際には同じ語形をもつものであっても、]それ ︵B︶とは別のかたちが、[語︵B︶の表示対象として] 弁別的に想定される。﹂︵く勺昌急︾国遇:宮屋の苫与習の目印 くゆぽい四ケ二mほめ四H目印くいめ︽茸営煙寄言四の冒皿で旦匡○○弾H回信①︻口で血門口 四口ぐ四庁庁四m頁﹄四口ぐ房ぐ﹄Oぐ釦庁の、尽︶ ■Iヨロ。 Lサンジユニン屯サンジュニャー
師﹁名指されるものと関係をもつ以前には、名指すものは [それ自身の]かたちを対象とする。[この名指すもの自 サンジュニャー 身のかたちが、文法記号定義スートラの中で名指すものが とる]第六格︵属格︶や第一格︵主格︶の発効原因[とみ なされるの]にふさわしい。﹂︵く而旨・曾辛冒男困且副巨印︲ ず言②四画己、己匡壷習めい冒司四日ロ四℃四﹂副吾房倒、超切言冒凱○四 もH四一面鼬日倒回倒のO四国ロロ﹄茸四︽ぐ凹営印〆、]で煙庁①、、︶、ロ。
サンジュニャースヴアル−パ
銘﹁そのときに、名指すものは、[それ自身のかたちとい サンジュニャー う]表示対象をもつから、第一格︵主格︶が、名指すもの としての語の後に命じられる。そして﹁これの﹂という、 [第六格︵属格︶で示される]弁別的想定は、それ ワ q著者による当該箇所の翻訳は、難解である。勿論原典の難解
サンジュニャースヴアル−パ
︵名指すもの︶の[語それ自身のかたちという]表示対象 [が限定的に指示された]後に、はじめて生じてくる。﹂ ︵ぐも胃.①鱒国言習吾四ぐ里弓里目印芽四日凶の四目司胤四ヶ堅倒二 。▲、 華当−ヨ・ 1﹄、〆 ぐ目匡声引く四拝①﹃mいくの亘くくぃ言貝の丙印の○回︽四口四門言冒回口①ぐ四]凸田口庁①ゞ、︶ LLL
的﹁しかしながら、ある者たちによれば、﹁それ
スヴァルーパ 自身のかたちと[パー’三”スートラで]言われるとき、 ヴヤクティ [それによっては、]個々の語の個体的現れが、語の ジャーティ サンジュニヤー 普遍的かたちを名指すものとして、指示されており、一方 ジャーティ [個々の語の個体的現れと]結びついた語の普遍的かたちサンジユニン力−ルヤ
が、[名指されるものとして、]諸々の文法操作の対象とな る[と言われる]・﹂︵く勺﹄・$恥ぬぐ色目目忌日旨冨厩g兵匡 くぐ凹匡号箇日副○cm目野罠の、司房昏穴倒暑凶Em四目m屈冨]呉扇目。K・OL↑に
でH四三℃四Q固い計①﹃、︶ 、﹁あるいはまた、別の者たちは、このスートラにおいてヴヤクティサンジュニン
は、個々の語の個体的現れは、名指されるものであり、認 グラーフヤ 識されるべき対象であると考えている。つまり、個々の文 サンジュニャー 法規則においては、[語の普遍的かたちが、名指すもので ジャーティ あり、その]語の普遍的かたちを通じて認識せしめられる ウヤクティ ・力−ルヤ 個々の語の個体的現れが、文法操作の対象となるのであ る。﹂︵くも﹂.ゴロ悶日官胃目曰く︺四床目ロ旨。声四員自切員吊 頤R四宮冒弾Hロ印庁冨四℃四詩のゞ]四口で吋四弄冒印昌胃︽画ぐ望勲丙ロ言で門口座の”の︲ Ⅱ1J11 出11 、。llo 当口当 切匡も口口切一彦包庁の、﹃︶ さは、一度でも原典に触れたことがあるものならば、容易に察 しがつくであろう。しかし、著者の翻訳の難解さの理由は、そ れとはまた別のところにあると思われる。く騨冨g島冨は ﹁八つの主題﹂︵閉箇箇︶を扱い︵く甸昌塁︲患︶、﹁伝承に従 ② って、記憶のために﹂これらを﹁敷桁﹂する。﹁伝承﹂とは言 語使用と文法学のそれである。言うまでもなくバルトリハリの 言語理論もその﹁伝承﹂から正当化され得るものでなければな らない。いくつかの問題点が指摘できる。 ︵1︶く国臼において、著者が著者自身の補足︵[]で 示される︶という形で引き合いに州す文法規則屯P画困 幽唱の﹃号烏は、この詩節の解釈に直接的にはまったく関連を もたない。それをここに持ち込むことが、この詩節におけるバ ルトリハリの意図を曲解させるもととなっている。著者が同じ く補足で﹁右に﹁ヴリッディ﹂という語について言われた﹂と 言うことによって指示している文法規則国]]ぐ目&宮﹃ 且goが定義規則︵“四目副呂園︶であるのに対してもP障困 は操作規則︵ぐ丘言目目︶である。著者はこの両規則の決定的 ③ な違いをまったく顧慮しない。バルトリハリがここにおいて 国唐皇と同様定義規則としての国岸忠を問題にしている ことは以下に述べるであろう。 ︵2︶く国総︲gに関する著者の解釈は混乱している。 ﹁[文法規則を述べるスートラ中で]現に明言されている語﹂ ︵品己己、それが認識させるとする﹁別の語﹂︵緒己ら、﹁諸々 の文法操作﹂が﹁結びつくと想定される﹂﹁[スートラ中で]明︵3︶く国gで著者は﹁[⋮文法記号定義スートラの中で サンジュニャー 名指すものがとる]第六格︵属格︶﹂という解釈を示している。 まずもってパーニニ文法学の定義規則中に属格形の︿名称語﹀ ︵ぬ四且引留臣四︶が使用されている例を寡聞にして筆者は知ら ない。ともあれ、く国S︲語は定義規則文の派生問題に関わ っているのは著者の解釈のとおりである。しかし、著者の属格 接辞導入の理解は、パーニニ文法学の派生組織から正当化され 得るものではない。 ︵4︶く国$︲ざは、後に説明するように、定義規則とし 由は何もない。 対象として]弁別的に想定される﹂﹁それ︵B︶とは別のかた ﹁表示対象として確定される﹂﹁語︵B︶﹂、﹁[語︵B︶の表示 別の語]﹂、﹁[スートラ中で明言されている]語︵A︶﹂、その 言されている語﹂の﹁[表示]対象[である同じかたちをもつ ④ ち﹂、これらは相互にどのように繋がるのであろうか。著者の 解釈に従うならば、く国.gでは、文法操作の対象となるもの は﹁別の語﹂︵侭己らであることが示唆されている。ところが く国$では、文法操作の対象となるのは、﹁[スートラ中で] 明言されている語﹂の﹁[表示]対象[である同じかたちをも つ別の語]﹂である。さらに、く弔器忠においては、語の明言 の場として複数のスートラが想定されている。確かに、語はそ の︿語形﹀を不可離な表示対象とするという意味で、発声され るときにはそれと異なるものとして︿語形﹀が弁別される。し かし、当該詩頌の文脈で、複数のスートラが想定されるべき理 てのも罠房罷を︿言葉﹀に関する普遍と個物の視点から解釈 したものである。この解釈は、国肖毘中の↑のぐ四s目忌日 11唖 の﹁[語]それ自身のかたち﹂とは違った解釈の上に成り立つ のである。すなわち、この解釈においては、︽いく煙巳函冒日︾は ﹁[語]それ自身のかたち﹂とは読まれ得ないのである。 著者のく国g︲ざの解釈には以上のような問題点が指摘 し得るが、逐一それらの問題点を論証することはしない。著者 とは異なるパースペクティヴから当該の諸詩頌を読み解こう。
三.︿能力﹀の差異︵削雪g2巴・︿言葉﹀の差異
︵39mg①3︶・操作︵雨﹃厨︶ まずくも﹄g︲ざの議論の文脈上の位置づけと流れを押さ えておこう。バルトリハリは、くむ]gI弓の議論の前提とな るくも芦紹において次のように述べている。 ところでこの︿言葉﹀自体に関する、︿能力﹀の差異に基づ く︿言葉﹀とその︿語形﹀という区別を根拠とした操作とは何 ﹁[実際には︿言葉﹀とは異ならないにも関わらずそれと は]異なるものとして理解される、[そのような︿言葉﹀ から]抽出された、︿言葉﹀の[︿把捉者﹀としての︿能 力﹀と︿被把捉者﹀としての︿能力﹀という]二つの性質 は、不都合なく、[︿言葉﹀自体に関する]差異を前提とし ⑥ た操作︵臣の烏罰暑四︶の根拠となる。﹂ n F ・︿言葉﹀と︿語形﹀の区別を根拠とした操作とは、︿名称﹀ と︿名称対象﹀の関係付け操作、ならびにも且島呂を参照す ③ れぱ、くむ厚き︲団に述べられる定義文派生に関わる名訶接辞 導入という文法操作である。 それでは、そのような操作が考慮される定義規則は何か。 而且号呂がくも房g︲弓の議論をどのように概観しているの か、その要点を挙げよう。そこに、いかなる定義規則に関わる 操作かが明瞭に示されている。 べられている。 か。それについては、当該詩節に対するく﹃己に次のように述 勺且島呂く冠]g導入部﹁それゆえこのように、︿名称﹀ と︿名称対象﹀の関係付けが︿能力﹀の差異に基づいて構 想された、︿言葉﹀における差異を根拠とするものである ﹁同様に、︿被把捉者﹀としての︿能力﹀と︿把捉者﹀と しての︿能力﹀の抽象が知によって確定的に把握される ︿言葉﹀についても、文法学においては、本来的なもの ︵日鳥ご目冨︶[としての区別]を対象としているかのよ うな、︿名称﹀︵闇且副︶とその︿名称﹀によって名指さ れる︿名称対象﹀︵の四且鄙目︶との関係付け︵m餌且副︲ の煙且副切画日冨己冨︶をはじめとする、[︿言葉﹀と︿語形﹀ ⑦ の]区別を根拠とした操作が規定されている。﹂ 以上から明らかなように、問題となっている規則とは、屯﹄・ ]畠のぐ凸日日忌日轡ず烏の司箇圧四闇旦引である。したがって、 ︿言葉﹀とその︿語形﹀の区別を根拠とした操作とは、国] 畠が規定する︿名称﹀︵m四旦副︶と︿名称対象﹀︵困旦副ロ︶ との関係付け操作、すなわち具体的には定義規則としての国 房囲の形成であり、さらにはその定義規則文の派生に関わる ︿名称﹀を表す項目への主格接辞導入であり、︿名称対象﹀を ⑫ 表す項目への属格接辞の導入なのである。 バルトリハリは、︿言葉﹀自体に︿把捉者﹀としての︿能力﹀ と︿被把捉者﹀としての︿能力﹀が想定されることに基づいて ことを述べて、︵原文欠落︶付随的に、その関係付けの対 象が特別のものであることの明示に、後に述べる[く国 ⑨ 臼]事柄の例を挙げて、着手する。﹂
勺且号呂く国$︲ご導入部﹁以上のように[単一の
︿言葉﹀に]︿能力﹀の差異を想定することに基づいて [国﹂馬という定義]規則の意味を説明した上で、[そ の同じ規則の意味を]普遍と個物の差異に基づいて別様に ⑩ 説明する。﹂ も且号呂く国$︲ざ終結部﹁[単一の︿言葉﹀に関す る]︿能力﹀の差異に基づく差異の確定という[本文脈の] 目的を語るために房房畠が付随的に論じられた。さら にまたその[規則]についてのさまざまな見解が二次的に ⑪ 付随的に論じられた。﹂措定される︿言葉﹀自体と︿語形﹀との区分を、国]畠の 形成という問題として論ずるのである。 四.定義規則ヱ.一。g も且号呂がく国$︲弓の導入部・終結部で述べているよ うに、定義規則四・房密の解釈は、︿言葉﹀自体の︿把捉者﹀ としての︿能力﹀と︿被把捉者﹀としての︿能力﹀の想定に基 づく︿言葉﹀自体と︿語形﹀の区分の視点からと、︿言葉﹀の 普遍と個別者の視点からなされ得る。今問題なのは、前者の視 点から定義規則としての国岸団についてバルトリハリが語 るところのものである。ここで著者が本規則をどのように理解 しているのかみてみよう。著者は﹃言語哲学1﹂訳注皿におい て、本規則を勺俣騨困凋口①同号畏に関連させて次のように 述べている。 ﹁では、このスートラ中の侭巳は、何を表示しているの であろうか。侭昌という語形そのものが、ここでは文法 操作の対象として指示されていると考えることができるだ ろう。以下の論述にでる、﹃パーニニ・スートラ﹄房﹂.認 令息畠馬︾、ぐ卸日日忌日函圧國吻薗獣圧四囲且副︶、﹁[文法 規則中で用いられる]語については、それが文法上のテク ニカルタームである場合を除いて、それ自身のかたちが問 題にされる﹂は、まさにそのことを規定するスートラであ る。つまり、旦冒烏は、テクニカルタームであるから、 明らかである。著者は、勺﹄]筋を解釈規則と解している のである。ここで本規則に関するカイヤタの次のような言明を ⑭ 紹介しよう。 ﹁︵1︶あるもの達は言う。 [規則中のある語×から、その]︿語形﹀、同義語、そ の[溝が表示する対象の]特殊[を表示する語]の理解が 結果するとき、当該[規則が]制限を目的とした解釈規則 として[適用される]・ 一方、他のもの達は、次のように理解している。 [自己の適用を促す、自己が適用される規則を供給す る]指標︵冒噌︶となるものがないから、さらに、他規 則補完性︵く昼ご皆胃腸①切号訂ぐ四︶はないから、当該[規 則]は、解釈規則ではなく、定義規則である。 ︵2︶そして[後者のもの達にとっては]︻号く且翼国ゞ などの︿名称語﹀は、制限を目的として[使用される]、 ⑬ ︲の舌を指示するが、スートラ中の語侭昌は、この語形そ のものが問題となっているのである。パーニニのスートラ によって語られているのは、まさにここまでのことである これに対して、バルトリハリは、このスートラ中の侭巳 という語が、語として、何を表示しているのかという観点 をここに導入する。つまり、メタレベルの表示について、 以下に議論が展開されることになるのである。﹂ ワワ
というのが定説である。なぜならば、︿言葉﹀は[どのよ うな︿言葉﹀であれ]あらゆる対象を理解せしめる︿能 力﹀をそなえており、そして対象は[どのような対象であ れ]あらゆる︿言葉﹀によって理解せしめられる︿能力﹀ をそなえているから、言語活動のために[﹁これはこの ︿名称﹀によってのみ表現されるべきである﹂とか﹁これ はこのものだけの︿名称﹀である﹂というように]制限が ⑮ なされるからである。 ︵3︶そして[当該の国烏認巾の]︽昌冒︺という語 によっては、例えば、オウム・サーリカー烏・人間によっ
て発せられた[相互に]異なる個別的な音声形
赤号烏ぐ笥冨︶[[侭己]]に内属する、︽侭昌.性 ︵緒巳3臣呉ぐ四︶といった一般者︵の臼目昌四︶が表示され ている。 ︵4︶その場合、[︽のぐ四・という語によっては個別的[音 声形]が表示されるから]一般者が個別的[音声形]の ︿名称﹀であるとか、あるいは個別的[音声形]が︿一般 者﹀の︿名称﹀であるとかいうように、任意に解釈がなさ れる。 ︵5︶個別的[音声形]は、文法操作を受けるとき、ま さに一般者と結びついているものとして[文法操作を]受 け、一般者もまた文法操作を受けるときには、まさに個別 的[音声形]を通じて[文法操作を]受けるから、結果に ⑯ はどんな違いもない。﹂ バルトリハリは、而房碍麗を定義規則として理解している のである。実は、著者によるく屯房g︲ざの翻訳の解りづら さの要因はここにある。バルトリハリは、国房尉を定義規 則として議論を進めているのにもかかわらず、著者は解釈規則 ⑱ としての理解のもとに読み解こうとするのである。 冠﹄房毘に関して、パー’三文法学の伝統において規則の 性格をめぐってそれを解釈規則︵冒邑訂出︶とする見解と定 義規則︵切四且副昌目︶とする見解とがあることが述べられて いる。そして、カイャタの上記の言明における﹁他のもの達﹂ の見解がバルトリハリがく国$︲ざに紹介する、︿言葉﹀の 普遍と個物の視点からの定義規則としての国﹂畠解釈に当 たることは明らかであろう。さらに︿言葉﹀とそれから区別さ れる︿語形﹀という視点からく同己において次のように述べら れている。 五.定義規則のタイプ く周昌○口く而房gによれば、二種の定義規則がある。すな わち、︿名称﹀︵畠且副︶と︿名称対象﹀︵切営司旨︶との関係 ﹁[異格表現が用いられている]国房畠においては、 [同格表現が用いられている四隅唐の場合とは違って] ︿名称﹀と︿名称対象﹀が[相互に]異なれるものとして ⑰ 言及されている。﹂付けには二様ある。︵1︶︿名称﹀を供給する語と︿名称対象﹀ を表す語が異形︵喜旨口四昌冒︶のものと︵2︶両者が同形 ︵巨冒昌冒︶のものとである。バルトリハリは、前者の例と してく国gにおいて、祠戸戸]目&言﹃且巴Oを挙げている。 パタンジャリは、国岸]に関して、八つの解釈可能性を検討 し、最終的に本規則が定義規則であることを述べるなかで、命 名文の特徴として、︿名称﹀である語と︿名称対象﹀を指示す る語とがく同一対象指一亦性﹀︵“凶昌習且言富国目、︶秘関係にあ り、同格︵の厨ぐ岳冨胃昇ぐぃ︶をとることを述べている。命名文 のこの構造が、文法学派が︿言葉﹀とその対象の関係が同一性 の関係であると考える根拠である。く︻己は、このような命名 文の成立に関して次のように述べている。 このように、この種の命名文では、︿名称﹀を供給する語の ︿語形﹀が︿名称対象﹀を供給する語の対象に付託され、両者 が同一なものとみなされるのである。そして、︿言葉﹀はどの ﹁[︿語形﹀]外の対象自体に︿語形﹀を付託しようとする ときには、[︿語形﹀としての]語[自体]を[表示]対象 とする語は、[それの]拠り所である︿語形﹀[だけ]によ って︿有意味﹀であるから、それには主格接辞が導入され る。そして、﹁これがそれだ﹂というように[︿名称語﹀の 表示︺︿能力﹀の限定を特徴とする︿名称対象﹀との関係 ⑳ 付けが[特定対象に]制限される。﹂ ようなものであれ、︿名称﹀として機能し得るという点で、特 定の︿名称対象﹀への関係設定は、その︿言葉﹀のもつ表示 ⑳ ︿能力﹀の制限なのである。これがバルトリハリの基本的立場 である。 問題なのは、第二のタイプの名称付けである。このタイプの 定義規則が勺岸岸麗である。
六.定義規則ヱ.二$の意味
バルトリハリが当該個所の議論の下敷きにしているのは タンジャリの次のような言明である。 ﹁[反論]もしこのように[国﹂劇に代わって毒.旨 且国]gに提案されるように﹁原音に依存する文法操 作の場合を除き、[原要素︵“吾習目︶に対して]他なるも の[である代置要素]は原要素の︿名称﹀を有する﹂と定 式化]されるとすれば、国い,勝go舌日脚冨口農に規定 される習日目の冒号接辞の導入は、与巴ごについてのみあ り、[もい吟穐に規定される与煙貝に代置される] 牙且乏にはないことになろう。なぜなら、[原要素であ る]与四貝にはどんな︿名称﹀もないからである。もしあ るとすれば、それが茸且旨にも転用されるであろうが。 [答]与四ミにも︿名称﹀がある。[問]どんな[︿名称﹀] か。[答]夢四員それ自体である。[問]どのように。[答]国]馬の言明に基づき、それ自身の形は︿言葉﹀の
、 39この、訂對四が明らかにするのは、パーニニ文法規則に現れ るテク’一カルタームを除くすべての語に関する定義規則として 国自団は、﹁語にとってそれ自身の形が︿名称﹀である﹂と いうことを規定するものであるということである。勺房岸団 によっては、勺岸P閉中の︽冨口︺に関して。冨昌は今四貝 を︿名称﹀とする﹂︵冨昌①同旨昌旨の四旦引目曽呂︶という定 義文が保証されるのと同様に、例えばも需画困中の︽侭巳.に 関しても、﹁茜唱くは茜唱廷を︿名称﹀とする﹂︵品冒島 ⑳ 侭口昏困且副g画く農︶という定義文が保証される。これは、 定義規則も房﹄烏によって、剖等が一員&言.という︿名称﹀ で呼ばれることが規定されているとき、例えば勺式い]とい った操作規則においてその︿名称﹀が使用されるとき、すでに 関係づけられたく名称対象﹀がそこで想起されるのと同様、操 作規則勺吟い困中の↑紺昌︺の︿語形﹀から、その︿名称対 象﹀が理解されるということを意味する。 それではこの場合、︿名称対象﹀は何であろうか。カイャタ は次のような説明を与えている。 ︿名称﹀である︵切ぐ四日﹃目四日笛圧勝苗”四且引g画く目︶ から、こぐ且旨ばかりでなノ、、]夢臼くにとっても夢口員が ︿名称﹀となるであろう︵冨昌四0m9ヶ画昌曽m四日旨印 ⑳ ずぽ四ぐ勝く四鉢︶o﹂ ﹁︿語形﹀としての夢四員に依拠して留日画ロ①冨呂接辞の 語の現れる場として規則と具体的使用の場が区別される。規 則中の語から理解されるその︿語形﹀が︿名称﹀であり、使用 の場におけるそれと同形の︿語形﹀が︿名称対象﹀である。操 作規則もP陣路に則して言えば、使用の場、すなわち具体的 派生の場にある訂唱迂に文法操作号凹︻の導入がなされるの ⑳ である。 ’’ 七.定義文︽8コ①﹃眉.弓の、ヨヨmgmく豊︾ バルトリハリが問題にするのは、勺侵房露のように一般化 される定義規則、例えば︽紺画の﹃侭冒居切“且副罫四ぐ目︺︵﹁紺昌 は侭昌の︿名称﹀である﹂︶という定義文が如何にして成立す るのかということである。 七・|・定義文︽8コ①﹃呂号.3﹃己.、92皇.の意味 定義規則とは、特定対象に︿名称﹀を付与する、言い換えれ 導入が規定さているのであって、何らかの︿名称﹀に依拠 して[それが規定されているわけではない]]。:[忌四員に は国い岸に基づき]匡扇員という︿名称﹀があるとし ても、それに依拠して留日目の冒呂接辞の導入が規定さて いるのではない⋮℃長い路に言及されている岳騨員が ︿名称﹀であり、使用の場にある︵冒昌○盟鴛厨︶ [房四員]が︿名称対象﹀であるから、琴且乏にも ⑳ Sm員という︿名称﹀が転用される。﹂﹂
ここで言われているのは、屯房岸]において関係づけられる のが、↑且巴・︵[且go]︶とご門&言︾︵[ぐH佳冨]︶そのものでは なく、それらから理解されるところの特定の音ときa号三と いう︿語形﹀であるのと同じように、定義文︽猪口のH猪口局に おいて関係づけられるのは、この定義文に言及されている 園侭昌]︵[樹巳]︶と↑侭昌︾︵[品己]︶そのものではなノ、、それ らから理解されるところの︿語形﹀としての茜唱罠と茜唱くで あるということである。このことは、く寓目○口くも岸臼におい て次のように説明されている。 リハリは次のように述べる。 ある。当該定義文において関係づけられるものが何か、バルト ぱ、︿名称対象﹀と︿名称﹀との関係を新規に設定するもので ﹁たとえば、[国皇虐などの定義規則における]〆く周&宮・ などの語は、︿語形﹀を拠り所として、︽且go︾[という語] によって理解せしめられる︿名称対象﹀であるロ副︶ 苗艮愈員という]音声と関係する。﹂︵くも房g︶ ﹁[勺﹄岸・﹄の場合と]まったく同じように、[も]﹂・急 の場合も、例えば︽侭口閏勉四烏悶且副︾といった場合]こ の︽侭凰ゞという語は、︽紺巳︺という語[それ自身茜”巳﹄ を拠り所として、〃侭員という語と、後者が。侭巳ゞという 語を表示対象とする限りにおいて関係する。﹂︵く而澤臼︶ 定義文一緒口①門紺口唇“四目副浮図目.においては、以上のよ うに発声されている語と理解せしめられる語︵︿語形﹀︶とが区 別され、関係付け操作の対象となるのは後者である。このこと を確証するためにバルトリハリは次のような論証を展開する。
七・二.発声されている語言。&﹃厨ョgm︶と理解
せしめられる語百画ご当箇︶l語における
他者の弁別
﹁そこ弓旨巴団に基づいて想定される︽猪口四四唱与 困旦副︺といった定義文]においては、現に明言されてい る二つの語が[二つの語を]理解せしめるものである。 [それらによって]理解せしめられる[語]もまさに二つ あって、それらが関係付けを受け、[他の]操作を受ける。 それゆえ、[︿名称﹀として使用される]︽侭昌︺という語 ︵猪口宮Ⅱ[侭昌旨︶は、[自己の]対象である本質的に [自己と]異ならない︽侭昌︺という語︵侭口感Ⅱ茜唱豈己 によって有意味となるが、その[有意味化の根拠である ︽侭昌︺という語︵侭日田侭巳邑︶]を、別の↓臘己.という 語︵侭口薗Ⅱ[侭巳]巴の表示対象である同じ音声形をもつ 毒紺蝿という語︵侭昌今Ⅱ訂晒昌s︶の︿名称﹀たらしめ る。﹂ ﹁およそ現に発声される語は、[それ自体としては]決し て操作を受けない。[これらの対象となるのは、その語が 31くHa○曰く屯﹄.馬︺忠とも且号呂○口くも﹄gによれば、
く国gからく国忠は、主張︵百四昌副ゞ冒厩m︶・証因
会の日︶・啼例︵号の国ロ国︶・適合︵匡冒目目四︶・結論や1⑳
︵員︶画切目冒訂国︶の五支からなる論証式を構成している。それ を示せば次のようになるであろう。 理解せしめる他者である]。[なぜなら、]それの他者[す なわち自身の︿語形﹀]を理解せしめる︿能力﹀が抑圧さ れることはない[から]・﹂︵く勺胃.馬︶ ﹁[語は、他者を理解せしめるために]発声されるとき、 [その理解対象に]依存するものであるから、従属者であ り、[したがって]操作と結びつくことはない。それゆえ、 操作が結びつくのは、それら[現に発声される語の]対象 であると考えられる。﹂︵く冠胃g︶ ﹁およそ何であれ比嶮基準と比嶮対象の両者に依拠してい る共通性は、それ[自体に関して]比嶮がなされるときに は[それから]別の属性が弁別される。﹂︵く国霞︶ ﹁卓越の因である属性が自立的なものとして表示されると き[すなわち名詞化されるとき]には、その[属性の]卓 越性は[その属性に]依拠しているまさに[別の]属性に 基づいて理解される。﹂︵く勺岸忠︶ ﹁その[現に発声される語]の表示対象として定在してい る語も、発声されるときには、それとは異なるものとして [その]形が弁別される。﹂︵く国段︶ 定義文ゞ陣唱の周回唱局は、︿語形﹀茜唱迂と︿語形﹀訂唱廷 を関係づけるために発声される。この文が発声されるときには、 それぞれの発声される語としての〃侭巳︺︵[侭巳]︶からそれぞ れの理解せしめられる語としての臼唱廷がそれらの他者とし て弁別されるのである。く目昌によれば、これは発声される語 の本質である。語はどのようなものであれ、発声されるとき他 ⑳ 者を理解せしめるものなのである。では、発声される語からな ぜそれの他者が弁別されなければならないのであろう。その点 についてバルトリハリは次のように述べている。 [主張]︿語形﹀として定在している語に関する操作のため に、語が発声されるとき、その語から他者が弁別さ れる。 [証因]他者なくして発声は成立しないから︵語の発声は 他者を理解させるためであるという点で、他者に対 して従属するものであるから︶。 [啼例]共通性そのものについて比啼がなされたり、比較 根拠それ自体について比較がなされたりする場合の ように。 [適合]ところで、︿語形﹀として定在している語に関する 操作のための語の発声は他者なくして成立しない。 ⑬ [結論]よって、その語から他者が弁別される。 ﹁表示者︵乱8厨︶として適用されている[言葉]に表七・三.定義文︽9コの﹃8コ弓の血旦.、g画く当ゞの派生
談論を簡川なものとするために当該の定義文の派生を
四mロ①目︲釦四︶誉﹀︵侭昌︲z閉侭巳lmp︶に絞る、︿ノ。バルートリハリ は次のように述べている。 このように、本性として他者を理解せしめるものである語が 発声されるとき、理解せしめるもの︵冒呂凰烏宙︶である語 それ自体が理解対象であることはあり得ないために、必ず語か らは理解対象として他者が弁別されなければならないのである。 しかしながら、バルトリハリにおいて、︿語﹀とその他者は実 的には区別されない。その区別は概念的なものである。実際に は明言されている語と理解される語が別個のものとしてあるの ではないことは言うまでもない。 ③ ﹁︿名称対象﹀との関係付け以前において、︿名称﹀は、 [それ白身の]︿語形﹀を表示対象とするから、属格接辞 導入の、あるいは主格接辞導入の根拠となる。﹂︵く国. ①﹃︶ ﹁それら[属格接辞と主格接辞]のうち、主格接辞は、 [それ自身の︿語形﹀を表示対象とする点での]︿有意味 川されているまさに]そのとき、他者を理解せしめるもの、 示対象性︵乱o旨団︶はない。[他者を理解させるために適 ⑳ それは理解せしめられるもの︵冒幽§且旨︶ではない。﹂ 例えば、↑く局邑宮ゞという語には、それの︿語形﹀ぐく己鼻S 一般的な言語慣川の中で確立されている成長という意味、そし て︿名称語﹀として使用された場合のそれによって名指される ものとの三つの表示対象がある。定義規則とは、特定対象に ︿名称﹀を付与する、言い換えれば、︿名称対象﹀と︿名称﹀ との関係を新規に設定するものであるから、その関係が当該規 則によって確立されない限り、特定の語が︿名称﹀としてその 特定対象を指示する、ということはない。すなわち、その場合 には、その特定対象はその語の意味領域には入らない。また、 定義規則において︿名称﹀として用いられる語が対象言語とし て用いられるということは矛盾する。その語の言語慣用の巾で 確立された意味もまた定義規則の場では、その語の意味領域に 入らない。これに対して、それの︿語形﹀はその語から不可雛 ⑫ なものとして常にその意味領域にあるものである。そしてこの ︿語形﹀表示が、︿名称語﹀の有意味性を保証し、定義文 四唱閏侭]]旨の派生を可能とするのである。もし︿名称語﹀ の対象が空であるとすれば、︿名称語﹀それ自身の後への主格 接辞の導入は実現しないし、対象間関係も、関係項自体が成立 性﹀に基づいて、︿名称語﹀の後に導入される。一方、属 格接辞[導入の根拠である]︿余剰﹀︵く冨日の宮︶は、 [︿名称対象語﹀の対象が]まさにその[︿名称語﹀の表 示]対象[となること]から、[︿名称対象語﹀の対象に] 生ずる。﹂︵く冠房団︶ 33しないために成立せず、したがって︿名称対象語﹀の後への属 格接辞導入も実現しないのである。 この文の派生に直接関わる規則は以下のようなものである。 侭ロ島︺︵侭己︲z閉︶の︿語形﹀茜唱託を理解させるため にそれ自身の︿語形﹀厨唱く]に依拠して発声される︽侭巳﹄︺ ︵[侭邑信︶も〆猪口旨︵侭昌︲のgの︿語形﹀茜唱、を理解 させるためにそれ自身の︿語形﹀茜唱くいに依拠して発声され る︽侭己幽﹀︵[侭且“︶もともに名詞接辞が後続するものである から、︽冒目息昌冨と呼ばれるもの︵名詞語幹︶である。そし て︽品昌一︶︵[侭且一︶・︽侭巳“︾︵[侭己]函︶がそう呼ばれるのは、 両者が有意味項目︵閏言四く胃︶であるからである。それらはい かにして有意味項目足りえるのか。それらの有意味性を保証す るもの、それがそれらの︿語形﹀である。さらに、︽侭昌二︾ ︵[凋巳]﹄︶には属格接辞室尉が、・侭巳画︾︵[侭且画︶には主格 接辞めロが後続している。↑勵司島冒︻扇島.︵且四口︲z四m 勺﹄画娼mmHg印く凹匡、旦写習匡H四℃H、ご凹琶四一℃H臼乞四呂丙即日、、 ︵︽胃目忌日百︾定義規則︶ 而据胃画のく血昌四m四目四口言犀四⑭風すぎく卿冒す言の己のケゴ冒倒日ず岸昌印印︲ L 冒巴匡乱冒言ぐ閉口閉○切煙日昌○の切目ご︵名詞接辞導入規則︶ 舎史P く 勺画い↑①bH禺竺面四回︼弄副吾巴日いいで四口曰四口即ぐ四︵閣口四日禺扁 冒胃冨局目ご︵主格接辞選択規則︶ 両いい呂困の吾臥のいのご︵属格接辞選択規則︶ 冒目笛︲めgの場合とまったくパラレルに説明可能である。 巨国医且勺画いgにおけるパタンジャリの議論に基づくバル トリハリの次の言明をみよ。 ↑国司号冒︻5号︾においては、︽且目︾の意味である王に対す る付加的なもの︵且言ご煙﹄ぐ冨日の百︶として所有者性 ︵の乱目弓陣︶が現出し、他方、︽官冒協︾の意味である家臣に付 加的なものとして所有物性︵“く煙弓四︶が現出する。属格接辞は 従属要素︵限定者ぐ跡のの四目︶を供給する項目の後にのみ生起 し、主要素︵被限定者ぐ豚①望騨︶を供給する項目の後には生起 しない。したがって、王に対する付加的なもの︵且ご辱四ゞ ぐく呂昂百︶として所有者性︵“乱目弓四︶の表示のために ︽且目.の後に属格接辞が導入され、︽官昌超︺の後には、名詞語 幹の意味だけの表示のために主格接辞が導入される。〃侭口の筒 樹口局の場合、それは、︷侭日﹄︾︵[樹巳]]︶の表示対象 酋唱莞と︽侭己い,︵[侭且い︶の表示対象訂”巳、をある関係性 のもとで捉えて表現している。この関係とは言うまでもなく、 表示関係︵乱O箇乱8百9割巴である。く﹃昌○再く国Sに ﹁これ[関係]は、二者に存するとしても従属要素におい て付加的なものとなる。なぜなら、[従属要素は限定者と して]他者に奉仕するものであるから。その[従属要素 に]関してそれが表示されるとき、それは主要素に関して ⑳ も享受される。﹂
したがって、︽侭巳胃︺︵[侭己]胃︶の意味であるそれ自身の ︿語形﹀に対して付加的なものとして現出するのは表示対象性 ︵乱旦呉く“︶であり、︽侭巳時ゞ︵[緒且”︶におけるそれは表示 者性︵乱8冨曹印︶である。限定者は︽侭昌旨︺︵[侭己]]︶の対 象であり、被限定者は↑緒昌や︵[侭且い︶の対象であるから、 ︽侭己].︵[紺己]]︶の後には属格接辞が導入され、︽侭巳吋︺ ︵[樹凰]画の後には、名詞語幹の意味、すなわち自己の︿語形﹀ だけの表示のために主格接辞が導入される。また、︽紺巳]︾ ︵[侭昌]芦︶と︽侭己噛.︵[侭昌]画の対象をこの関係性で捉えな い場合は、︽侭昌﹃侭冒局というように、︽畠日旨﹄︵[緒昌]﹄︶の後 には、名詞語幹の意味だけの表示のために主格接辞が導入され ることになる。例えば、国]﹄の場合は、反対に︿名称﹀と ︿名称対象﹀を表示関係のもとに捉えて表現するならば、 ⑳ ↑且巴&曰く己今号.︵且巴の︲目︺員仕匡︲のご︶となるであろう。 次のように述べられている。 ﹁そして、[自己の︿語形﹀以外の]表示者︵乱8百︶が、 [名詞語幹の意味に]付加的なものをもたらす因であるか ら、[表示関係が未確立の段階では]関係項である別の語 に[属格接辞生起の因である]名詞語幹の意味に対する ⑮ ︿余剰﹀︵官目冒9面﹃夢画く苗日の百︶はあり得ない。﹂ 以上のように、くも戸91弓は、定義規則としての国房 毘に基づく具体的な定義文にそって、︿名称対象﹀と︿名称﹀ の関係付け操作、そしてその定義文派生に関わる名詞接辞導入 という操作が、︿能力﹀の差異に基づく概念的なく語﹀と︿語 形﹀の区別に依拠したものであることを論じたものであること が明らかとなった。当該部分に関する著者の解釈は、先行の研 究者たち︵宛侭冒口臼冨の胃日倒[ご$﹄巨且の序言①四四aのg [﹄④①心]⑰尻.シ、の匡ず国日四国旨目望四[ら①q]︾屍.屈四いぼ回くぃ邑勺筐巴 [らご]︶の解釈に多分に強く引きずられたものであろう。こ れらの研究者たちは、すべて本来当該の談論には関連しない操 作規則勺吟卿路に則してく弔戸g︲弓を理解しようとしてい るのである。理由は簡単である。それはここにおいてバルトリ ハリがパタンジャリの︻冨貝閏四日冨具旨閻且副gいく厨く目︾ に通ずる国烏儲解釈を念頭において議論を展開しているこ とを見落としているからである。それに対して勺目鼻目は明 らかにこのパタンジャリの言明の意味を理解しており、したが って正しく国岸gを︽侭ロ関侭目号笛且副g画く目︺として 理解しているのである。而且号呂を無視し得る理由は筆者に は考えられない。勺且号呂の作者はまさしくパーニニ文法学 の伝統の中に生きたのである。 言語哲学者バルトリハリはパーニ’一文法家である。 く騨旨冒合百読解の困難さはそこにある。く騨冨忌日苫の正
八.まとめ
35しい理解には、言語哲学と文法学両面からの均衡のとれたアプ ローチがなされなければならないであろう。特にバルトリハリ が文法規則を扱うとき、我々は文法規則の解釈に厳密さを欠い てはならない。そして、バルトリハリが、文法規則に関わる議 論を展開するとき、常に三号豐罰望四におけるパタンジャリ の議論を念頭においていることには留意さるべきである。 とまれ、著者の偉業︵あえてそう呼ぶ︶に敬意を表するもの である。通読して感得するのは、行間ににじみ川た著者の思想 家バルトリハリに対する熱き情熱である。このような専門書に おいて、それを感得できることはめったにあるものではない・ いかなる翻訳研究であれ、それが言語表現である限り、それは すべて訳者の自己表現なのである。 *** 本稿脱稿後、谷沢淳三氏よりパーニニ文法学派の︿語形﹀論 を扱った谷沢[5$]をお送りいただいた。以下本稿に関連 すると思われる点について若干筆者の考えを述べたい。 ︵1︶谷沢︹らg︾閉]におけるく国臼解釈は赤松氏と同 様、勺候騨路に関連付けたものである。谷沢氏も国﹄・急 を解釈規則とみなしているのである。バルトリハリが勺岸岸 囲を定義規則として議論を展開していることは本稿に明瞭に なったと思われる。 ︵2︶谷沢[ご息︽巴、註︵皿︶]は、赤松氏のく[aOpくも﹄. $の和訳ならびに文法用語一目§良畠ぐ塵号冨ぐ四︶解説︵﹁言語 哲学1﹄注捌︶を﹁意味不明瞭﹂とし、谷沢氏自身の当該部の 訳を説明を織り込む形で提示している。︽く苫冒号陛く且与習四︺ を﹁︿本来の説明を有しているものの如くにあること﹀﹂と解釈 する点を除けば妥当なものである。︽ご号且の闇.は説明という
より表現あるいは呼称であり、注7で述べたように、
ぐ冨冒烏響四号園ぐ四︺とは、﹁第一義的にXと表現されるもの に準じて本来Xと表現されないものに文法操作が拡大適用され ること﹂である。ちなみに赤松氏の解釈は﹁固有の限定的指示 ︵名称︶をもつもののごとくにあること﹂である。 ︵3︶谷沢氏の︿語形﹀が︿適用原因﹀︵官凹く昌目目目︶と しての川面をももつという指摘は極めて重要である。氏は述べ る。﹁なお、赤松︵岳麗c︶、g拝巴己において、文法学派 における固有名の問題が論じられている。しかし、そこでは語 の︿自らの形﹀が︿指示対象﹀︵赤松氏の用法では﹁指示対象﹂ と﹁表示対象﹂の川方が同じ意味で使われているように思え る︶となるという観点しか述べられていない。それでは全く彼 らの﹁固有名論﹂を説いたことにはならない。﹂︵谷沢[ら患︽ 巴︲路︵註︵皿︶︶]︶まったく同感である。しかし定義規則 国畠畠に関してナーゲーシャが︿語形﹀を︿適用根拠﹀とす る立場︵A︶と︿指示対象﹀とする立場︵B︶の双方に言及し ている事実も看過しえない。 ︵A︶﹁︿名称語﹀においては、語[自身の形]が適用根拠で ある。なぜなら、[定義規則によっては]︿名称対象﹀にそれ [語[自身の形]]が結びつけられるのだから。一方、︿名称対文献・略号 国屈Hgの釦巨︾戸昌、Qの庁旨の, 己霞国ミミ言戴︺爵ご§罠勘ロミ§ミ鼻営爵p馬具園ごミゞ 冬函ミ苛鐡息言雪.尉嵐、愚ご︲員昌冬扉鴬昏冨幕偏息ミ、茸昌§ミミ︾ ﹃ミご昌昌§恩§冒曾︾︲ミミ蔦曽、囚ミ冬口屋.而匡匡旨呉岸○国鳥 一雲[ロ降戸白蔚Qの。冒一]尉禺5]︼冒昌のご画①︾四P勺凹門尉師団○︵﹀o自白 ○冑旦○国四︾の①○侭①. 骨④①ゴーの酌票シロくい︺四四口﹄くく鼻胃の斤凹目自己巳山口○国日日閏 匙 里、﹄号ミ侶啓ミごmミミ忌閨︲圏、巴甲韻脚 国の面Hg四.の①①の口す[四日四日四目とのR官④①興昌①﹃望. 〆胤時凶ぐ罵再く凹巨四国P印員]]四宮割呂ご埋切︻、斡諦割ご愚量の①の戸屋の日 用根拠である。そしてこのような場合、[国﹄.﹂からは] 象語﹀においては、︿名称対象﹀に存するあれこれの属性が適 寺くこ島廷という語を有するものと不異なる面ご巴ご四ミ﹄と ⑬ いう認識がある。﹂ ︵B︶﹁一方、あるものたちは次のように言う。[定義規則に おける]︽ぐ目邑言︾などの語はまさしく語[自身の形]を意図し ている。弓冒農.]からは]三く己号廷という語と不異なる 町ご巴ご呂匡という認識がある。バルトリハリは次のように ⑲ 述べている︵く国g引用︶・﹂ ︵4︶谷沢[らg︾圏、註︵吃︶]は赤松氏のく国島とそれ に対するく﹃言の和訳を﹁意味不明﹂とし、その腺閃を赤松氏 の︽ぐ冨胃の菌ゞ理解に求めている。もっともな指摘である。 [﹄@mm]・ 三国︾顧国ヨ勉胃の辱熱S︲ミミミ冨罫身旨艀巾くの烏く国冨 [﹂①①画1mい]・ J111 夛昌尉目夢Uロロ山門四ぐゆロい 舎鬼。 届誤愚忽ざご、ミミ貴葛忌曽︲忍昌ミミゞ良○侭冨急。ミミ管§︲ 冒墓圏尋ごミ§§勘凰葡︲豈葛目具国旨§、国富島雪園員 詞菖さ言目冒勘呉函g︲ロ§ミミ詠昌幻画冒四g貰呂の目の印.甲ら ①く○盲目①いく日四目四巴叩罰曾ごmも匡匡旨翼5口い 室弐制四唖君目①ロ牙四ゴロロニ匡︾切曼ご勘圓.の①の巨医の団官①“里.
小川英世
ら臼﹁パーニニ文法学派における文の意味﹂s前川惠學博士頌壽記念佛教文化學論集﹂山喜房佛耆林、弓酎畠
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谷沢淳三
$9.﹁パーニ’一文法学派の固有名論と︿フレーゲのパズ ル﹀﹂︵﹃信州大学人文学部人文科学論集︿人間情報学科編﹀﹄ 第詔号、目.巴︲韻︶ ロ﹂・︺○国酢z則、①囲﹄切障島ご○質のの①くの二四く3国官④の甲①望、 くの二四く国国. 、 己馬︲g卑尋言曾昌巷ミ§冒胃ミミミ言辱熱ミミ圏﹄昏冨︲ 、 罫笥運画言︵匂津島運員黒煙§一員蓉豊角︲員彊恵言辱冨々時琶画さ苛蓮§昌畠 営暑。ミロミ忌罫冒首量︶、ぐ○冒日のの○昌巨宮こ冨看︻昂o富︲ 国ご咽国凹胃く倒冒鋤Iの凶言弄ぐ甲の四日切弓倒口智目 、 4“ 1 ぐや国富昌冨︻房忍蓉急員冒.艀の宛四房曾茸旬日四己四毎の﹃.[詩 頌番号は罰目による一く笥昌︾爵ご§ミ勧亀尋登艀の曾言四日四日⑳辱のユら段.己閉一 ﹂ 註 *本稿執筆の機会を与えて下さった大谷大学教授一郷止道氏、書評 執筆者として推挙していただいた著者九州大学教授赤松明彦氏に心 より謝意を表するものである。 ①﹁二文法学の基礎知織﹂において著者は、パー’三文法規則中 に用いられる︿行為﹀︵冨薗︶の同義語としての︿三習四﹀を説明し て二言語哲学2﹂弓.g甲巴、﹁あらしめること﹂﹁ならしめるこ と﹂を意味すると説明しているが、これはミーマーンサー的解釈で ある。そのような解釈の文法学文献上の根拠が明示されるべきであ る。また、﹁︿単語﹀は、さらに︿語幹﹀︵宮豐冒9百︶と︵変化語 尾﹀言g鳥gとに分析される﹂と説明されるが、︿語幹﹀ ︵冒鼻目︶には名詞語幹︵冒豐忌日菌︶と動詞語幹︵動詞語根 島劃巨︶とがある。 ②爵ご騨冒島冨の﹁八つの主題﹂については、﹁言語哲学1﹂第五 章﹁語と意味と両者の結合関係︵二︶’八つの、王題l﹂︵弓 急19︶を参照されたい。 なお、著者はく勺冒・恩︵討冒隠跡8いく胤凹圧農8獣呂の い︻豈侵ヨニ匡でいく、﹃昼耳凶昏、めH巨舜昌画吋詳毎山門ロ四口巨叩画崗ご望口巨計の穴①○一ユ①ぐ卸 冨昏凋煙日四日ご︶を次のように訳す。﹁これら[八つの、王題]が、 この文法学の諭書のうちで、間接的な事実を用いて、あるいは直接 的な言辞によって説明されている。いくつか[事柄]だけは、伝承 に従って、記憶のために敷桁される。﹂︵下線筆者︶﹁いくつか[事 柄]だけは﹂房の。昼①く巴というこの解釈は、明らかにく︻言の ﹁この三つの詩節全体で、本書で論じるべき主題が言い尽くされて いう勺﹂︵︵拭赫く四七冒①伽匡小一○斤の切匡で弐四里匡冨m田口で四口いい目叫で画言︶し﹂い入ノー舌 明と矛盾する。呵匙今呂は、﹁まさにこれだけの主題が本書におい て追究される﹂︵の国く自画のく四冨忌己勧自習匡彊目舌昌①︶と説明し ている。﹁八つの主題﹂すべてがく男冨目自営の主題なのである。 このことは勺且号呂がく騨冨冒島旨の目的含己百局目冒皇99m︶ を説明して﹁全八主題の正しい追究﹂︵典号且貿旨囲臼目匡彊ョ煙︶ という時、より明瞭である。よって次のような解釈を提案したい。 ﹁これら[八つの主題]が、この学問体系において、間接的な指示 と悩接的な言葉を通じてすでに述べられている。特定の事項だけが 記憶に留めおくために伝承に従って[本書において]は追究される [が、それらの事項こそはその八つの主題にほかならない]・﹂ ③定義規則は、操作規則において使用される︿名称﹀としての言語 項Ⅱによって、その対象として︿名称対象﹀を理解させるために設 定されるのである。勺画烏日昌旨司○国詞].﹄.馬唖官且①附呂 “閏垣冒思曰官四ご卸胃野吾P目闇日司幽穴胃目目︺ ④侭巨巨1画習震が何を指示するかについては本稿﹁七・|、定義 文↑緒目の﹃侭目号笛旦引g画く自.の意味﹂をみよ。 ⑤本槁﹁四、定義規則国]弱﹂、カィャタの言明︵3︶︵4︶を 参照。 ⑥く国.$¥gの号勗ぐ幽四言臼巨号豐轡区且冨﹃冒習go&耳国匡、 gの烏颪暑の普胃目く四日画く胃○段①目盟。g閏豐ごなお、著者の グラーフヤ グラーハカ 訳は以下のとおり。﹁︷認識されるものであることと、認識させるも のであることという、]別個のものとして理解される、分析的に抽 力ルーヤ 出された語のふたつの性質は、区別を拠り所とする諸々の文法操作 に対する原因として、互いに対立することなく働く。﹂ここでは、 二つの性質が相互に﹁別個のものとして理解される﹂ということは 意図されていない。号冑目四︲昏胄目巨︵曾匡尻卸言冒罠︶の構制におい て、実的には、性質はその担い手と区別されないのにも関わらず、 概念的にそう区別されて理解される。したがって、︿把捉者﹀とし 39
ての︿能力﹀・︿被把捉者﹀としての︿能力﹀という二つの性質の担 い手であるく言葉﹀から、それらの性質が区別されるものとして理 解されるのである。 ⑦く目○国く国.$︾輿闘留圧賜く昌冒&ご倒冒局酋目色︲ 、l mH倒底望四、罠叫声山〆四いい斥弄冒陛℃○堅匡昏倒[①吻匡閂ロ匡犀彦冒倒再写画く耐四国騨唇﹄く四の画、旬① 印画且副麗且鄙困冒冨且圃合巳目①烏面目薗昌くこ旨恵三の更︵赤松 グラーフャ ﹁全くそれと同様に、文法学では、認識されるものであることと、 グラーハカ 認識させるものであることというふたつの能力の分析的抽出が受け 入れられている諸々の語に対しても、あたかも[そのような区別 サンジュニャー を]一次的・本来的な対象とするかのどとくに、名指すものと サンジユニン 力−ルヤ 名指されるものの結合関係をはじめとする、区別に基づく文法操作 ブツディ が、知識作用によってなされる。﹂︶バルトリハリが立脚する文法学 ︵獣m5︶において文法操作を規定している言監弓禺①︶のは、﹁知識 作用﹂︵g邑宮︶ではなくパー’三をはじめとする文法家である。 なお、ここでく︻言は解釈規則ぐく§且の獣ぐ且の富の目邑ヲ白再 ご砦且&く且①雷②目口圃︻く四日g煙く四三に依拠している。この解 釈規則の意味するところは、次のとおりである。即“島冒○口其出 脚色勺岸胃.画渭卸日日詳国、四ユヶ冨凶ぐ凶ロヨ匡弄ずく○くご回。四匹の小○琶僅、冒騨異]、四 く昌四も四﹂①小引︺冒凹、庁匡く望窪回虫・の恥煙犀①計く四ケ毒凶く叫凸弾く︺色琶國日四口動くと少も動包の小山医 困訂己煙冨ご画曰く胃冨扁声凶暑四目官営揖口ぐ竜四面四回腸弓煙回す琴四く胃引弓 巨oく閏①、﹁Xと呼ばれる根拠があるから、本来的にXと呼ばれる もの、それがく箇冒号蝕邑︵第一義的被表示者︶である。一方、X と呼ばれる根拠がないために、Xと呼ばれることがないものは、文 法操作に対しては、その[第一義的被表示者]に準ずるから、第一 義的被表示者に準じて、[文法操作を受ける]、と言われる。﹂バル トリハリはこの解釈規則を次のように説明している。くもいE・扇︽ く旦弾で蝉竺の鰹く画ユの炭四m︻ロ]冒すP・堅医胃酎日割ロ画一く四戸卸一己僅昌割、戸騨冒到戸口﹄で]︲ 冨穿の呂一]切目冒閏言凹﹃鼠ご告且扉冨訂ご︵﹁単一のものに関して、 本来的に[差異あるものと]呼ばれるものであるかのように、知に よって差異が構想される。それ[知]によって差異が構想されると き、対象そのものが[差異あるものと]呼ばれる。﹂︶ ⑧勺邑今呂。pく︻昌農く四・$”獣“月旨三のく曽昌昌冒日倒す ﹄酷く色戸冒異国的四日言口吻四日冒届煙口号色冒堅言煙彦、凶呂獣ゴ・○く四号凶くゆ所 く ぐ いぐロロロ国歸め営口副旨四ケ巨の胄己ケ四口竪注四匹﹄屋、而動﹂﹂三罠︼○口くも戸m剤 ■比 ト 。L ご可のユ煙穴回同との他匡昏の弄巨庁く四目旨mPoo彦聾一再琶巨屍一四日、言四二。煙H師山図画ロロ叫彦四 OL寺,b受 pH印病め陣ロニロ﹄ロ山]ロ、 ⑨勺且監呂o邑く国.g農且の畠冒い四目目“四目日、煙日ga冨日溌宇 ︹号写の堅四宮。四斥巴且国日恥色ケ﹂即ご茜の堅凹ロ号凹ロユ昏騨巨目ロ[詞の四号の四宮号冒①包回, ロ崗騨戸四一℃岸四”四ヶ回虫ずぽの﹂四目﹄ず四己堅ぽ画固営巳一色ご匡吾・写倒琶煙・︲もRmm四口、のp固く扇胃異色︲ ぐ届煙琶四計画旨画︽色的望四切脚﹃ロヴ印目・写色めく煙堅固H”鼬冒舜巨閂巨ご口弄切琶騨口︺四口、の宮割引汗宮口切望凹 凸I QHm存酌己言①目○で四戸︻幽門ロ印行の...、 ⑩屯且号昌○国ぐむ房$︲己︾のく煙目笛冨gの8冨言自亀“ ぬ国司叫鼻昏煙﹃ロぐ卸H国四く員く四一mごくぐ画嚴毎ケ辱の﹂の。凶昌ご四声彦倒くくPOP、庁①“ご窪[ロ ■日蜀 L 氏 Hpp四目ご﹄言へ し ⑪勺且号昌○口く国$︲ご“獣言匡&凶匡①:く旨く四望薗冒亀○面︲ 目色斥四言嵌画巨①ロロいく煙︻毎門口口四日旨く①庁弾庁ご﹃四m四丙言胄己、計口言画己胃 炉 匹凹局か色冒浄ず言の匹倒煙ロ巨石[四m回穴言凹写世 ⑫我々は、定義規則において、定義文弓且監呂○固く弔昌・臼ゞ め四日目四m四日司弓倒斤ごロ日ゞ勺煙竺ユ彦里﹄○ヨくむ岸①陣 凸L oL 乱日 麗日一目い画日一日、“日冨且冨ぐぐ匡日島冒騨くのロ四︶を通じて︿名称﹀と 。L 甲L Lし ︿名称対象﹀の関係を習得する弓且号呂○国く勺旨.g︾ 勺僅ユ巳畠二○目く冠].争剤 m四日官尉四日一日くく巨日、a戸凹のゞ 、“日百画いい日一日い画目弓四口﹂ず画くく屋g四三房凹巾︶。 。L 馬ら ⑬これは著者の誤解である。確かに島民は日常言語ではなく文 法学の領域でのみ使用されるという意味では﹁テクニカルターム﹂ である。しかしながら、パー一三文法学体系において、それに関す