【論文】
私鉄沿線文化をもつ南河内地域における
富田林市営球場プロ野球(二軍公式戦)開催に関する実態調査
A Study about Research Situation of Spectators of an Official Game
in Japanese Miner Professional Baseball for Railroad Line Area and Its Culture
山内 章裕
Akihiro YAMAUCHI
1. 研究の背景 関西においては戦前戦後に私鉄各社が都市の成長と関 わりながら都市独自の球団が誕生し、球場は鉄道の沿線住 民が「見るスポーツ」を楽しむ文化的な生活のための施設 として発展してきた歴史があり球団は「〇〇地域のチーム」 としてのイメージを、球場は沿線文化としての「ホーム」 グランドを創り出してきたと言われている1)。 大阪府を保護地域とするオリックス野球クラブは、 2004(平成 16)年に大阪近鉄バファローズとオリックス・ ブルーウェーブを合併しオリックス・バファローズとなり、 前身の阪急ブレーブスや近鉄バファローズファンの呼び 戻しを狙い、2012(平成 24)年のシーズン戦から「ファ ームが街にやって来る」と題した2 軍の試合を 2 軍本拠地 の神戸以外の京都府、奈良県でも開催し、特にオリックス と合併した近鉄の本拠地であった藤井寺市(藤井寺球場) に近い富田林市での開催は旧近鉄バファローズファンの 動向を知る重要な地域と位置付けていた。富田林市役所も これまでこの南河内地域から多くのプロ野球選手が誕生 しているなど野球が盛んな地域独自の特性から、市営球場 でプロ野球が開催されるにあたり行政・各種団体・学校・ 企業等が連携し支援・協力することで地域の活性化やプロ 野球を通じてのスポーツ振興を推進する市をあげてのス ポーツイベントとして定着していくことが期待されてい た2)。2012(平成 24)年 12 月 11 日には大阪府富田林市 (多田利喜市長)とオリックス野球クラブ(西名弘明社長) が富田林市立総合スポーツ公園野球場の愛称を「富田林バ ファローズスタジアム」と定めた協定を締結し、日本で初 めてプロ野球の本拠地以外の球場に球団名称が使われて いる。資金調達のため企業などに命名権を譲渡する「ネー ミングライツ(命名権)」の手法を採用する施設が多いな か、球団と市は「より地域に愛着を持ってほしい」と無償 のニックネーム(愛称)契約で合意することで、球場が沿 線文化としての「ホーム」グランドをつくりだしてきた野 球ファンの地域性を活かし地元に愛される球団として地 域スポーツ文化の振興に寄与していく取り組みの一つと して、さらにはスポーツを都市の発展に利用する City Marketing の有効な手段として球団・行政・市民にとって 恩恵をもたらすものと注目されている3)4)。 2. 研究目的 本産学行政調査プロジェクトは、富田林市、そしてオリ ックス野球クラブからの呼びかけに、市と連携協定を締結 している地元大学(大阪大谷大学)が賛同し実現したもの で、2012 年7月にはじめて地元自治体球場(球団本拠地 以外)で開催されたプロ野球二軍公式戦から富田林ドリー ムフェスティバルとして、3 市、2 町、1 村により広域連 携して河内地域の事業として実施されている。本調査プロ ジェクトは、学生の教育活動並びに地域貢献活動の一環と して、地元大学の学生自らが球団と地元自治体の意向を反 映した調査を実施しその結果から新たな提案(公開発表) を行なっており、2014(平成 24)年からはスタジアムオ ペレーションボランティアスタッフとして公式戦の支援 を行なうなど、これらの取り組みは球団関係者や地元自治 体、来場者さらには報道各社(朝日・読売・毎日・日経な どに記事掲載)からも高く評価されており、この地域にお けるスポーツ発展に寄与している5)6)7)8)9)10)。 本研究は、地方球場プロ野球開催における観戦者の特性 と動向を明らかにすることを目的として、2012(平成 24) 年と翌年に産学行政共同調査プロジェクトとして実施さ れた来場者調査をもとに、2014(平成 26)年の同公式戦 において追加調査を行なった。男性 女性 10代 10 4.2% 5 4.0% 18 5.0% 6 3.8% 11 3.9% 5 3.5% 55 4.2% 20代 39 16.4% 25 20.2% 58 16.2% 4427.5% 3411.9% 2014.2% 220 16.8% 30代 43 18.1% 32 25.8% 74 20.7% 4025.0% 6221.8% 4129.1% 292 22.4% 40代 79 33.2% 41 33.1% 101 28.2% 4427.5% 9031.6% 4834.0% 403 30.9% 50代 29 12.2% 13 10.5% 56 15.6% 12 7.5% 3512.3% 10 7.1% 155 11.9% 60代以上 38 16.0% 8 6.5% 51 14.2% 14 8.8% 5318.6% 1712.1% 181 13.9% 小計 238 124 358 160 285 141 合計 36239.2% 51839.4% 42622.4% 観客動員数 1,306 924 1,315 1,906 4,145 平成25年度 平成24年度 合計 男性 女性 男性 女性 平成26年度 3. 研究方法 本研究における追加調査の質問項目設計においては、オ リックス野球クラブと富田林市からの意向を基に、球団並 びに市教育委員会の職員から意見を収集し詳細な検討を 行ない作成された平成24 年・25 年の質問項目を基準とし て、調査対象となる観戦者の独自の観点を加味し、最終的 に、8 つの領域(基本的属性、イベント認知媒体、チケッ トの種類、スタジアムの愛称とデザイン、試合観戦、プロ 野球球団のファン度、河内地区観戦者の認知、富田林市運 動公園の認知)から総計28 項目を抽出した。追加調査は 平成26 年 7 月 13 日、富田林市運動公園球場で行われた オリックス対ソフトバンク戦の観戦者(15 歳以上)を対 象に、所定の質問紙による面接法で、内野スタンド(2 カ 所)、両外野スタンド(各2 カ所)に調査員(28 名)を配 置し、入場門開門後(11 時)から 6 回開始前(15 時)ま で実施した。観客動員数924 名に対して 371 部を回収し、 有効回答数は362 部であった(平成 24 年調査:観客動員 数1,902 名、439 部回収、有効回答数 426 部、平成 25 年 調査:観客動員数1,313 名、526 部回収、有効回答数 518 部)。分析は、サンプル全体の特性を明らかにするために 全調査項目について単純集計を行なうとともに、本研究で は、① 南河内地域に在住するコアとなる野球ファンの動 向並びに②地方球場の観戦者への効果的なPR について明 らかにすべくクロス集計を行ない、前2 回の調査結果と比 較 を 行 な っ た 。 統 計 解 析 パ ッ ケ ー ジ は IBM SPSS Statistics 22.0 を使用した。 表1 質問紙の設計 4. 結果とまとめ 4.1 南河内地域に在住するコアとなる野球ファンの動向 大阪近鉄バファローズからオリックス・バファローズに 変わってから10 年がたち、私鉄沿線文化をもつ南河内地 域における富田林市営球場プロ野球(二軍公式戦)開催に より、初年には対中日戦において約2,000 名の及ぶ観客動 員数があり、次年以降の対ソフトバンクフォークス戦では 約1,000 名と動員数は減少傾向にあるが、今回は土・日曜 日に開催されて二日間で1,700 名の動員数があった。毎年、 開催地である富田林市と近隣5 市 2 町 1 村(以下、近隣) からの観戦者が約6 割、近隣の市町村を除く府内・府外か らの観戦者は約3 割が来場している。そして観戦者の約 5 割が30 代、40 代で占めており(H24:56.6%、H25:50.0%、 H26:56.6%)、最近では地域別においても 20 代の観戦者 (H24:12.7%.H25:19.6%.H26:23.8%)が増えてきているこ とが明らかとなった(表2、図 1)。 旧近鉄ファンの動向については、毎回の試合において観 戦者の約5 割(H24:57.0%、H25:39.0%、H26:51.9%)が旧 近鉄球団ファンであり、そのうち約 7 割(H24:76.5%、 H25:62.6%、H26:75.5%)がこの南河内地域に在住してい た(表4)。そして毎年、観戦者の 5 割程度がはじめて観 戦しており(H25:67.0%、H26:53.9%)、さらに現在の選好 球団における今シーズン観戦経験のない(0 回)観戦者が 毎年 3 割程度観戦しており(H24:33.0%、H25:27.2%、 H26:28.2%)、その内、約 4 割が旧近鉄ファン(H24:56.7%、 H25:33.6%、H26:44.9%)であったことが明らかとなった (表3、4)。さらに先行研究 11)において観戦者は近隣に 在住する旧近鉄ファンと旧南海ファンが多く来場してい ることが明らかとなっており、本追加調査において、今は なき球場等への観戦経験が「なし」と223 名(回答者 880 名の内25.3%)が回答していることから、観戦者の約 7 割 が過去にこの地域の球場でプロ野球観戦を楽しんでいた といえる(表5)。 表2.各サンプルの特性 表3.居住区別の観戦経験 前回観戦知っていたが初めてはじめて全体 一昨年観戦昨年観戦 昨日観戦一昨年昨年観戦昨年昨日観戦一昨年・昨年・昨日観戦知っていたが初めてはじめて 全体 富田林市 80 21 48 149 28 24 1 1 1 4 12 43 114 藤井寺市 3 2 4 9 2 1 1 0 0 0 2 1 7 羽曳野市 2 2 15 19 3 0 0 0 0 3 0 3 9 河内長野市 22 9 30 61 5 9 1 0 1 0 3 10 29 大阪狭山市 5 4 6 15 1 5 2 1 0 0 2 6 17 堺市 10 11 32 53 3 4 3 2 0 0 12 26 50 河南町 5 0 8 13 0 2 1 1 0 0 0 2 6 千早赤坂村 0 2 0 2 2 0 0 0 0 1 1 0 4 太子町 0 2 1 3 0 0 0 0 0 0 0 1 1 府内・外 44 52 98 194 13 31 9 0 0 1 15 56 125 全体 171 105 242 518 57 76 18 5 2 9 47 148 362 観戦あり・はじめて171 (33.0%) 平成26年度 167 (46.1%) 195 (53.9%) 347 (67.0%) 平成25年度
表4. 旧近鉄ファンと選好球団観戦回数 表4. 旧近鉄ファンの居住区別 表5. 今はなき球場等への観戦経験 図1.居住区別年齢構成 さらに、今シーズン二軍戦の観戦については、観戦が「な し」と224 名(回答者 362 名の内 61.9%)が回答してい ることから、観戦者の約4 割(H26)が観戦しており、旧近 鉄ファンであったかは関係なく、「神戸スタジアム」「豊中 球場」の観戦者が多かった(図2)。地方球場での観戦にお いて、促進要因として「地方球場へのアクセスの改善」 (38.7%)、「ファンサービスやイベント内容」(25.1%)、 「継続的な情報提供」(13.8%)、阻害要因として「家から の距離」(41.2%)、「チケット代」(19.6%)、「メディアに よる情報提供不足」(14.1%)が多かった。よって地方球場 での観戦では、「球場へのアクセス」(促進:38.7%、阻 害:41.2%)と共に「情報提供の在り方」(促進:13.8%、阻 害:14.1%)が観戦への促進・阻害する要因の一つであるこ とが明らかとなった(図3、4)。 以上の結果から、本イベントはこの地域に顕在・潜在す るコアとなるプロ野球愛好家の掘り起こしに寄与してお り、球団にとっては、沿線文化をもつ地域の「河内のチー ム」としてのイメージが本球場を通じて再構築されること でこの地域におけるオリックスファンへの獲得につなが り、行政にとっては、旧近鉄ファンによってこの地域独自 で育まれてきた私鉄沿線スポーツ文化を核とした地域活 動を積極的に展開して地域のイメージアップや知名度の 向上やプロ野球を通じての新たなスポーツ推進につなが る可能性をもっており、毎年、持続的に試合が開催される ことへの意義は大きいといえる。 図2.今シーズンの二軍戦観戦球場 図3.地上球場観戦における促進要因 図4. 地上球場観戦における阻害要因 4.2 地方球場の観戦者への効果的な PR について 表6 は、観戦者の居住地域別によるイベント認知媒体に ついて示したものである。「広報誌、ポスター等の地域発 信媒体」(以下、地方発信媒体)と「球団ホームページ」、 そして「口コミ等のその他の媒体」(以下、その他)とに分 平成24年度0回 20 14.6% 56 57.7% 8 18.2% 50 39.1% 134 33.0% 1回 9 6.6% 10 10.3% 6 13.6% 20 15.6% 45 11.1% 2回 17 12.4% 10 10.3% 3 6.8% 18 14.1% 48 11.8% 3回 11 8.0% 3 3.1% 5 11.4% 7 5.5% 26 6.4% 4回 13 9.5% 6 6.2% 5 11.4% 6 4.7% 30 7.4% 5回以上 67 48.9% 12 12.4% 17 38.6% 27 21.1% 123 30.3% 平成25年度0回 12 10.8% 33 38.8% 8 10.3% 81 37.2% 134 27.2% 1回 15 13.5% 15 17.6% 17 21.8% 42 19.3% 89 18.1% 2回 12 10.8% 6 7.1% 4 5.1% 28 12.8% 50 10.2% 3回 6 5.4% 6 7.1% 8 10.3% 18 8.3% 38 7.7% 4回 4 3.6% 3 3.5% 4 5.1% 11 5.0% 22 4.5% 5回以上 62 55.9% 22 25.9% 37 47.4% 38 17.4% 159 32.3% 平成26年度0回 17 12.8% 23 44.2% 12 15.6% 37 40.7% 89 25.2% 1回 23 17.3% 5 9.6% 10 13.0% 15 16.5% 53 15.0% 2回 12 9.0% 6 11.5% 9 11.7% 13 14.3% 40 11.3% 3回 8 6.0% 6 11.5% 0 0.0% 5 5.5% 19 5.4% 4回 11 8.3% 1 1.9% 5 6.5% 6 6.6% 23 6.5% 5回以上 62 46.6% 11 21.2% 41 53.2% 15 16.5% 129 36.5% 選好球団なしn=55 381 234 199 437 1,251 492 133 52 77 91 353 合計 137 97 44 128 406 バファ・オリのファンバファファンであり・オリックスファンでない バファファンでなくオリックスファンどちらのファンでもない 111 85 78 218 平成25・26年 合計 富田林市 2419.4% 18134.7% 7427.1% 5824.9% 8128.4% 4922.0% 467 藤井寺市 1 0.8% 10 1.9% 4 1.5% 5 2.1% 7 2.5% 3 1.3% 30 羽曳野市 0 0.0% 24 4.6% 11 4.0% 6 2.6% 11 3.9% 3 1.3% 55 河内長野市 2016.1% 5410.4% 3312.1% 22 9.4% 3010.5% 20 9.0% 179 大阪狭山市 10 8.1% 17 3.3% 14 5.1% 9 3.9% 17 6.0% 7 3.1% 74 堺市 2217.7% 5710.9% 3613.2% 3414.6% 3913.7% 2812.6% 216 河南町 1 0.8% 11 2.1% 4 1.5% 4 1.7% 4 1.4% 5 2.2% 29 千早赤坂村 1 0.8% 4 0.8% 1 0.4% 2 0.9% 2 0.7% 2 0.9% 12 太子町 1 0.8% 4 0.8% 3 1.1% 2 0.9% 2 0.7% 0 0.0% 12 府内・外 4435.5% 15930.5% 9334.1% 9139.1% 9232.3% 10647.5% 585 全体 124 7.5% 52131.4%27316.5% 23314.0% 28517.2% 22313.4% 1,659 観戦あり・なし 1,436 (86.6%) 223 (13.4%) なし 中モズ球場 藤井寺球場 日本生命球場 西宮球場 大阪スタヂアム
類し、各開催年毎における観戦者の居住地域とイベント認 知媒体との違いについて確認した。その結果、「地域別」 においては、近隣では「地域発信媒体」、府内・外では「球 団ホームページ」の認知が多く、地域別に違いがあり各開 催年においても有意な差があった(H24:χ2=70.98 p<.001、H25:χ2=44.13 p<.001、H26:χ2=31.90 p <.001 )。 表6. 初めの認知媒体と居住区 表7 は、観戦者の選好球団別によるイベント認知媒体に ついて示したものである。オリックス・バファローズ選好 を「ホーム球団」、対戦球団選好を「対戦球団」、そしてそ の他の球団選好または選好球団なしを「その他」として分 類し、各開催年毎における観戦者の選考球団とイベント認 知媒体との違いについて確認した。その結果、ホーム球団 では「地方発信媒体」、対戦球団・その他では「球団ホーム ページ」の認知が多く、ホームか対戦・その他の球団選好 別に違いがあり各開催年においても有意な差があった (H24:χ2=76.56 p<.001、H25:χ2=84.87 p<.001、 H26:χ2=59.79 p<.001 )。 表7. 初めの認知媒体と対戦球団等 表8 は、観戦者の選好球団の1シーズンにおける観戦回 数別によるイベント認知媒体について示したものである。 選好球団における1シーズンの観戦回数を「0~2 回」と 「3 回以上」とに分類し、各開催年毎における観戦者の選 考球団観戦回数とイベント認知媒体との違いについて確 認した。その結果、0~2 回の観戦者は「地域発信媒体」の 認知が多く、観戦回数別に違いがあり各開催年においても 有意な差があった(H24:χ2=123.22 p<.001、H25:χ 2=80.43 p<.001、H26:χ2=85.24 p<.001)。 表8. 初めの認知媒体と選好球団観戦回数 地方球場開催における二軍戦観戦者の試合認知媒体に ついては、「地域発信媒体」が近隣地域在住、選好球団観 戦0~2 回、球団選好なしか対戦球団以外の観戦者による 認知が多く、「球団ホームページ」は府内・外在住、選好球 団観戦3 回以上、ホーム球団選好の観戦者による認知が多 かった。 以上の結果から、情報発信媒体において、観戦者の地域 性、選好球団やその観戦回数など、それぞれの認知の違い に配慮した地元球場開催における独自の情報発信が必要 であるといえる。本研究のように私鉄沿線のスポーツ文化 を持つ、または行政と住民が一体となって長年にわたる努 力のなかで一つの無形財として築き上げてきた固有のス ポーツ文化を持つ地域においては、地域独自で育んできた 「スポーツ文化財」を核とする地域への情報発信活動の枠 に留まらず12)、適切な情報発信媒体を活用することで国 内外に向けたPR によりイベント活性化につながる展開を 図っていくことが重要であるといえる。 本研究の結果から、南河内地域には私鉄沿線文化を育ん できた本拠地の街の地名やその土地に忠実で代表者とし てふさわしいコアとなるファンが存在しているといえる。 したがって地域が有するスポーツ文化を通じてのイベン ト開催においては、地域・球団・選手に対するロイヤリテ ィの醸成だけでなく、生活者の他の愛顧動機(patoronage motives)に訴求するための場(球場)の経営が必要であ り13)、観戦者をスタジアム(大店舗)で引き付ける点の 平成24・25・26年度ポスター広報誌 新聞 口コミその他 合計 近隣(24年度) 61 61 21 70 40 326 近隣(25年度) 46 43 22 92 30 324 近隣(26年度) 29 35 4 45 43 237 府内(24年度) 5 2 2 12 1 63 府内(25年度) 15 11 2 33 10 125 府内(26年度) 8 4 3 12 7 78 府外(24年度) 4 1 0 5 3 37 府外(25年度) 0 3 0 13 13 69 府外(26年度) 0 3 0 10 3 47 全体 168 163 54 292 150 1,306 331 25.3% 479 36.7% 496 38.0% 1,306 平成26年度の「その他」は「回覧板」(近隣:富田林市n=10)を含む 地域媒体 球団ホームページ 73 球団ホームページ その他 91 81 41 54 44 24 40 31 479 ポスター広報誌 新聞口コミその他回覧板 合計 その他(24年度) 33 35 15 52 29 0 185 その他(25年度) 32 30 10 78 19 0 199 その他(26年度) 17 20 1 26 22 3 104 82 85 26 156 70 3 488 中日(24年度) 7 9 1 6 7 0 57 ソフトバンク(25年度) 11 13 4 33 20 0 130 ソフトバンク(26年度) 6 5 2 9 5 2 48 24 27 7 48 32 2 235 オリックス(24年度) 30 20 7 29 8 0 184 オリックス(25年度) 18 14 10 27 14 0 189 オリックス(26年度) 14 17 4 32 16 5 210 62 51 21 88 38 5 583 全体 168 163 54 292 140 10 1,306 331 25.3% 479 36.7% 496 38.0% 479 95 90 106 122 318 15 66 27 49 19 21 30 地域媒体 球団ホームページ 球団ホームページ その他 ポスター 広報誌 新聞 口コミ その他 合計 平成24年度0~2回観戦 41 49 23 19 62 33 227 3回以上 26 14 111 2 18 8 179 67 63 134 21 80 41 406 平成25年度0~2回観戦 46 42 56 17 86 26 273 3回以上 11 15 125 6 37 25 219 57 57 181 23 123 51 492 平成26年度0~2回観戦 27 32 38 4 45 36 182 3回以上 9 8 118 3 18 15 171 36 40 156 7 63 51 353 全体 0~2回観戦 114 123 117 40 193 95 682 3回以上 46 37 354 11 73 48 569 160 160 471 51 266 143 1,251 320 25.6% 47137.7% 460 36.8% ※ 選好球団なし(平成24年度n=15、平成25年度n=26、平成26年度n=9) 球団ホームページ 球団ホームページ 地域媒体 その他 ※ 24年度:χ2=123.22 p<.001、25年度:χ2=80.43 p<.001、26年度:χ2=85.24p<.001
段階から地域に広がる面展開が重要であり、地域に在住す るスポーツを観戦する習慣をもつ愛好家がわざわざでも スタジアム(店舗)に来て楽しめる魅力ある試合となる工 夫が求められている14)。 最後に、本研究から企業とスポーツとの関わり方が変容 しスポーツの楽しみ方も広がるなか、人々がスポーツを楽 しむといったニーズは同じであっても時代によって手段 が違う。今後、スポーツ組織・団体が地域を基盤としたコ アとなるスポーツ愛好家への新たなアプローチ方法を探 求することの重要性が示唆された。 参考・引用文献 1. 永井良和,橋爪紳也, 2003,『南海ホークスがあったころ 野球ファンとパ・リーグの文化史』紀伊国屋書店,99-105. 2 .山内章裕,水鳥寿思,児玉公正, 2013,「富田林ドリームフ ェスティバル産学行政共同調査プロジェクト プロ野球 来場者調査」『スポーツ健康学会誌』第1号,16-25. 3. 堤浩一郎,2012,「バファローズスタジアム:市立球場に 球団名 大阪・富田林」『毎日新聞』2012 年 12 月 11 日夕 刊. 4. 山内章裕,伏見知何子,水鳥寿思,児玉公正, 2013,「魅力 ある地域創りとしてのスタジアムネックネームに関する 研究-富田林バファローズスタジアム(富田林市立総合ス ポーツ公園野球場)を事例として-」『スポーツ健康学会 誌』第2 号,11-20. 5. 戸田有亮,鹿野雅大,山田翔汰,水鳥寿思,伏見知何子,山 内章裕, 2013,「地域スポーツ発展に向けた大学生の役割に ついて-産学行政調査プロジェクトに参加して-」『スポ ーツ健康学会誌』第2 号,45-62. 6. オ リ ッ ク ス ・ バ フ ァ ロ ー ズ ORIX BUFFALOES OFFICIAL WEBSITE,2013,「ウエスタンで「富田林ドリ ームフェスティバル」開催」, 大阪大谷大学の学生が地元 河内地域のスポーツ振興に一役,(2013 年 5 月 13 日配, http://sp.buffaloes.co.jp/news/). 7. 堤浩一郎「オリックス2軍戦 来場者意識調査 旧猛 牛ファン健在」『毎日新聞』2012 年 12 月 1 日夕刊. 8. 長野佑介「オリ2軍「河内のチーム」?近鉄ファン多数 観戦 大阪」『朝日新聞』2013 年 2 月 1 日朝刊. 9 .岡田英也「オリックス盛り上げる 富田林の二軍戦 フ ァン拡大策球団側に提言 大阪大谷大生観客アンケート 「近鉄時代の応援写真展示」「用具の無料配布」」『読売新 聞』2013 年 12 月 5 日朝刊. 10. 金子英介「スポーツ新潮流 オリックス2軍も元気 大学とも協力関係 客データ分析 球場ボランティア」 『日本経済新聞』2014 年 7 月 21 日朝刊. 11. 戸田ら,同前,49-50. 12.守能信次,2005,「指導者のためのスポーツジャーナル 特集:スポーツ指導と「まちづくり」スポーツの可能性と 指導者に寄せる期待」,財団法人日本体育協会,23-28. 13.宇野政雄、市川繁、片山又一郎,1995,『流通業界』株式 会社教育者109-114. 14. 山内章裕ら, 2012,『現代スポーツビジネス』三恵 社.105.